MB39A135 - Spansion

本ドキュメントはCypress (サイプレス) 製品に関する情報が記載されております。
FUJITSU SEMICONDUCTOR
DATA SHEET
DS04–27263–3
ASSP 電源用
( 汎用 DC/DC コンバータ )
1ch PFM/PWM 同期整流降圧
DC/DC コンバータ IC
MB39A135
■ 概要
MB39A135 は , カレントモード N-ch/N-ch 同期整流方式 1ch 降圧 DC/DC コンバータ IC です。
充実した保護機能を内蔵し , セラミックコンデンサに対応しています。
高速応答性 , 高効率 , 低リップル電圧を実現し , 高周波動作によるインダクタ , 入出力コンデンサの小型化が可能です。
■ 特長
・ 高効率
・ 外付け抵抗による周波数設定対応 :100 kHz ∼ 1 MHz
・ 誤差増幅器スレッショルド電圧 :0.7 V ± 1.0%
・ 最小出力電圧値
:0.7 V
・ 広い電源電圧範囲
:4.5 V ∼ 25 V
・ PFM/PWM 自動切換えモード , 強制 PWM モード選択可能
・ 過電圧保護機能内蔵
・ 低電圧保護機能内蔵
・ 過電流保護機能内蔵
・ 過熱保護機能内蔵
・ 負荷依存のないソフトスタート/ストップ回路内蔵
・ N-ch MOS FET 対応 同期整流式 出力段内蔵
・ スタンバイ電流
:0 μA ( 標準 )
・ 小型パッケージ
:TSSOP-16
■ アプリケーション
・ デジタル TV
・ 複写機
・ 監視カメラ
・ STB
・ DVD プレーヤ , DVD レコーダ
・ プロジェクタ
・ IP 電話
・ 自販機
・ その他 据置き機
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2013.1
MB39A135
■ 端子配列図
(TOP VIEW)
MODE
1
16
ILIM
RT
2
15
COMP
VREF
3
14
FB
CTL
4
13
CS
PGND
5
12
GND
DRVL
6
11
CB
VB
7
10
DRVH
VCC
8
9
LX
(FPT-16P-M08)
■ 端子機能説明
2
端子番号
端子記号
I/O
1
MODE
I
2
RT
⎯
発振周波数設定用抵抗接続端子です。
3
VREF
O
基準電圧出力端子です。
4
CTL
I
コントロール端子です。
5
PGND
⎯
接地端子です。
6
DRVL
O
外付け同期整流側 FET ゲート駆動用出力端子です。
7
VB
O
バイアス電圧部出力端子です。
8
VCC
⎯
基準電圧 , 制御回路の電源端子です。
9
LX
⎯
インダクタ , 外付けメイン側 FET ソース接続端子です。
10
DRVH
O
外付けメイン側 FET ゲート駆動用出力端子です。
11
CB
⎯
ブートストラップ用コンデンサ接続端子です。
12
GND
⎯
接地端子です。
13
CS
I
ソフトスタート時間設定用コンデンサ接続端子です。
14
FB
I
誤差増幅器の反転入力端子です。
15
COMP
O
誤差増幅器出力端子です。
16
ILIM
I
過電流検出レベル設定電圧入力端子です。
機能説明
PFM/PWM 切換え端子です。
VREF 接続で強制 PWM 動作 , GND 接続で PFM/PWM 動作となります。
DS04–27263–3
MB39A135
■ ブロックダイヤグラム
MODE
RT
1
CS
13
<Soft-Start,
Soft-Stop >
ctl
/uvp_out
/otp_out
8
Clock
generator
Bias
Reg.
VREF
/uvlo
ovp_out
COMP
VCC
2
<PFM Comp. >
−
5.5 μA
+
VB
7
2.0 V
70 kΩ
11
Hi-side
Drive
15
10
FB
<Error Amp>
14
−
+
+
<I Comp.>
−
R Q
+
intref
RS-FF
CLK
9
Drive
Logic
6
LX
5
DRVL
PGND
Level
Converter
Vs
16
DRVH
VB
S
Lo-side
Drive
ILIM
CB
<Di Comp.>
−
+
<OVP Comp.>
−
+
50 μs
delay
S Q
ovp_out
R
<UVLO>
intref
x 1.15 V
uvlo
<UVP Comp.>
−
+
512/fOSC
delay
S Q
uvp_out
VB
UVLO
VREF
UVLO
H : UVLO
release
R
otp_out
intref
x 0.7 V
VB
intref
OTP
ctl
<REF> <CTL>
ON/OFF
CTL
4
(3.3 V)
3
VREF
DS04–27263–3
12
GND
3
MB39A135
■ 絶対最大定格
項目
記号
条件
定格値
最小
最大
単位
電源電圧
VVCC
VCC 端子
⎯
27
V
CB 端子入力電圧
VCB
CB 端子
⎯
32
V
LX 端子入力電圧
VLX
LX 端子
⎯
27
V
⎯
7
V
CB-LX 間電圧
コントロール入力電圧
VI
CTL 端子
⎯
27
V
VFB
FB 端子
⎯
VVREF + 0.3
V
ILIM 端子
⎯
VVREF + 0.3
V
CS 端子
⎯
VVREF + 0.3
V
MODE 端子
⎯
VVB + 0.3
V
DC,
DRVL 端子 , DRVH 端子
⎯
60
mA
Ta ≦+ 25 °C
⎯
1237
mW
− 55
+ 150
°C
VILIM
入力電圧
⎯
VCBLX
VCS
VMODE
出力電流
IOUT
許容損失
PD
保存温度
TSTG
⎯
<注意事項> 絶対最大定格を超えるストレス ( 電圧 , 電流 , 温度など ) の印加は , 半導体デバイスを破壊する可能性があ
ります。したがって , 定格を一項目でも超えることのないようご注意ください。
4
DS04–27263–3
MB39A135
■ 推奨動作条件
項目
記号
条件
電源電圧
VVCC
CB 端子入力電圧
規格値
単位
最小
標準
最大
⎯
4.5
⎯
25.0
V
VCB
⎯
⎯
⎯
30
V
基準電圧出力電流
IVREF
⎯
− 100
⎯
⎯
μA
バイアス出力電流
IVB
⎯
−1
⎯
⎯
mA
CTL 端子入力電圧
VI
CTL 端子
0
⎯
25
V
VFB
FB 端子
0
⎯
VVREF
V
0.3
⎯
1.94
V
CS 端子
0
⎯
VVREF
V
MODE 端子
0
⎯
VVREF
V
− 1200
⎯
+ 1200
mA
VILIM
入力電圧
VCS
VMODE
ILIM 端子
DRVH 端子 , DRVL 端子
Duty ≦ 5% (t = 1 / fOSC × Duty)
ピーク出力電流
IOUT
動作周波数範囲
fOSC
⎯
100
500
1000
kHz
タイミング抵抗
RRT
⎯
⎯
47
⎯
kΩ
ソフトスタート
コンデンサ
CCS
⎯
0.0075
0.0180
⎯
μF
CB 端子コンデンサ
CCB
⎯
⎯
0.1
1.0
μF
CVREF
⎯
⎯
0.1
1.0
μF
CVB
⎯
⎯
1.0
10
μF
Ta
⎯
− 30
+ 25
+ 85
°C
基準電圧出力
コンデンサ
バイアス電圧出力
コンデンサ
動作周囲温度
<注意事項> 推奨動作条件は , 半導体デバイスの正常な動作を保証する条件です。電気的特性の規格値は , すべてこの条
件の範囲内で保証されます。常に推奨動作条件下で使用してください。この条件を超えて使用すると , 信頼
性に悪影響を及ぼすことがあります。
データシートに記載されていない項目 , 使用条件 , 論理の組合せでの使用は , 保証していません。記載され
ている以外の条件での使用をお考えの場合は , 必ず事前に営業部門までご相談ください。
DS04–27263–3
5
MB39A135
■ 電気的特性
(Ta =+ 25 °C, VCC 端子= 15 V, CTL 端子= 5 V, VREF 端子= 0 A, VB 端子= 0 A)
記号
端子
番号
条件
出力電圧
VVREF
3
―
入力安定度
VREF
LINE
3
負荷安定度
VREF
LOAD
短絡時出力電流
項目
基準電圧部
[REF]
標準
最大
3.24
3.30
3.36
V
VCC 端子= 4.5 V ∼ 25 V
―
1
10
mV
3
VREF 端子= 0 A ∼− 100 μA
―
1
10
mV
VREF
IOS
3
VREF 端子= 0 V
− 7.5
mA
VVB
7
入力安定度
VB
LINE
7
負荷安定度
VB
LOAD
短絡時出力電流
低電圧誤動作
防止回路部
[UVLO]
ソフトスタート /
ソフトストップ部
[Soft-Start, SoftStop ]
− 14.5 − 10.0
4.85
5.00
5.15
V
VCC 端子= 6 V ∼ 25 V
―
10
100
mV
7
VB 端子= 0 A ∼− 1 mA
―
10
100
mV
VB
IOS
7
VB 端子= 0 V
− 130
− 90
− 65
mA
―
スレッショルド
電圧
VTLH1
7
VB 端子
4.0
4.2
4.4
V
VTHL1
7
VB 端子
3.4
3.6
3.8
V
ヒステリシス幅
VH1
7
VB 端子
―
0.6*
―
V
スレッショルド
電圧
VTLH2
3
VREF 端子
2.7
2.9
3.1
V
VTHL2
3
VREF 端子
2.5
2.7
2.9
V
ヒステリシス幅
VH2
3
VREF 端子
―
0.2*
―
V
充電電流
ICS
13
CTL 端子= 5 V,
CS 端子= 0 V
− 7.9
− 5.5
− 4.2
μA
ソフトスタート
終了電圧
VCS
13
CTL 端子= 5V
2.2
2.4
2.6
V
ソフトストップ
放電抵抗
RDISCG
13
CTL 端子= 0 V,
CS 端子= 0.5 V
49
70
91
kΩ
ソフトストップ
終了電圧
VDISCG
13
CTL 端子= 0 V
―
0.1*
―
V
fOSC
2
RT 端子= 47 kΩ
450
500
550
kHz
fSHORT
2
RT 端子= 47 kΩ
―
62.5
―
kHz
df/dT
2
Ta = − 30 °C ∼+ 85 °C
―
3*
―
%
発振周波数
低電圧検出時
クロック発生器部
発振周波数
[ OSC ]
発振周波数
温度変動率
0.693
0.700
0.707
V
Ta = − 30 °C ∼+ 85 °C
0.700*
0.711*
V
14
FB 端子= 0 V
− 0.1
0
+ 0.1
μA
ISOURCE
15
FB 端子= 0 V,
COMP 端子= 1 V
− 390
− 300
− 210
μA
ISINK
15
FB 端子= VREF 端子 ,
COMP 端子= 1 V
8.4
12.0
16.8
mA
出力クランプ
電圧
VILIM
15
FB 端子= 0 V,
ILIM 端子= 1.5 V
1.35
1.50
1.65
V
ILIM 端子入力
電流
IILIM
16
FB 端子= 0 V,
ILIM 端子= 1.5 V
−1
0
+1
μA
入力電流
EVTH
14
EVTHT
14
IFB
⎯
0.689*
スレッショルド
電圧
誤差増幅器部
[Error Amp]
単位
最小
出力電圧
バイアス電圧部
[VB Reg.]
規格値
出力電流
(続く)
6
DS04–27263–3
MB39A135
(Ta =+ 25 °C, VCC 端子= 15 V, CTL 端子= 5 V, VREF 端子= 0 A, VB 端子= 0 A)
記号
端子
番号
過電圧検出電圧
VOVP
14
過電圧検出遅延
時間
tOVP
14
項目
過電圧保護回路
部
[OVP Comp.]
条件
FB 端子
⎯
規格値
単位
最小
標準
最大
0.776
0.805
0.835
V
49
70
91
μs
0.450
0.490
0.531
V
⎯
512/
fOSC
⎯
s
低電圧保護回路
部
[UVP Comp.]
低電圧検出電圧
VUVP
14
低電圧検出遅延
時間
tUVP
14
過熱保護回路部
[OTP]
TOTPH
検出温度
⎯
接合部温度
⎯
+ 160*
⎯
°C
TOTPL
⎯
接合部温度
⎯
+ 135*
⎯
°C
VTHLX
9
LX 端子
⎯
0*
⎯
mV
VPFM
1
MODE 端子
0
⎯
1.4
V
VPWM
1
MODE 端子
2.2
⎯
VVREF
V
IMODE
1
MODE 端子= 0 V
−1
0
+1
μA
メイン側
出力オン抵抗
RON_MH
10
DRVH 端子=− 100 mA
⎯
4
7
Ω
RON_ML
10
DRVH 端子= 100 mA
⎯
1.0
3.5
Ω
同期整流側
出力オン抵抗
RON_SH
6
DRVL 端子=− 100 mA
⎯
4
7
Ω
RON_SL
6
DRVL 端子= 100 mA
⎯
0.75
1.70
Ω
出力ソース電流
ISOURCE
10, 6
LX 端子= 0 V, CB 端子=
5V
DRVH, DRVL 端子= 2.5 V
Duty ≦ 5%
⎯
− 0.5*
⎯
A
10
LX 端子= 0 V,
CB 端子= 5 V
DRVH 端子= 2.5 V
Duty ≦ 5%
⎯
0.9*
⎯
A
6
LX 端子= 0 V,
CB 端子= 5 V
DRVL 端子= 2.5 V
Duty ≦ 5%
⎯
1.2*
⎯
A
tON
10
COMP 端子= 1 V
⎯
250*
⎯
ns
DMAX
10
⎯
75
80
⎯
%
tD
10, 6
LX 端子= 0 V,
CB 端子= 5 V
⎯
60
⎯
ns
VRANGE
9
VCC 端子− LX 端子
⎯
220*
⎯
mV
電圧変換利得
ALV
9
⎯
5.4
6.8
8.2
V/V
電圧変換時
オフセット電圧
VIO
9
⎯
⎯
300
⎯
mV
スロープ補償
傾斜
SLOPE
9
⎯
⎯
2*
⎯
V/V
LX 端子入力
電流
ILX
9
320
420
600
μA
同期整流停止
電圧
PFM/PWM
PFM 制御回路部 モード条件
[MODE]
強制 PWM
モード条件
MODE 端子入力
電流
出力部
[DRV]
出力シンク電流
最小オン時間
最大オン
デューティ
デッドタイム
最大電流センス
電圧
レベル
コンバータ部
[LVCNV]
ISINK
FB 端子
⎯
LX 端子= VCC 端子
(続く)
DS04–27263–3
7
MB39A135
(続き)
(Ta =+ 25 °C, VCC 端子= 15 V, CTL 端子= 5 V, VREF 端子= 0 A, VB 端子= 0 A)
記号
端子
番号
オン条件
VON
4
オフ条件
VOFF
項目
コントロール部
[CTL]
規格値
単位
最小
標準
最大
CTL 端子
2
⎯
25
V
4
CTL 端子
0
⎯
0.8
V
VH
4
CTL 端子
⎯
0.4*
⎯
V
ICTLH
4
CTL 端子= 5 V
⎯
25
40
μA
ICTLL
4
CTL 端子= 0 V
⎯
0
1
μA
スタンバイ電流
ICCS
8
CTL 端子= 0 V
⎯
0
10
μA
電源電流
ICC
8
LX 端子= 0 V,
FB 端子= 1.0 V
MODE 端子= VREF 端子
⎯
1.9
2.7
mA
ヒステリシス幅
入力電流
全デバイス
条件
*:この値は規格値ではありません。設計する際の目安としてお使いください。
8
DS04–27263–3
MB39A135
■ 標準特性
・許容損失
許容損失 - 動作周囲温度
2000
1800
1600
許容損失 PD (mW)
1400
1237
1200
1000
800
600
400
200
0
−50
−25
0
+25
+50
+75
+100
+125
動作周囲温度 Ta ( °C)
VREF バイアス電圧 VVREF (V)
3.36
3.34
3.32
3.3
3.28
3.26
3.24
-40
-20
0
+20
+40
+60
動作周囲温度 Ta ( °C)
+80 +100
Error Amp スレッショルド電圧 - 動作周囲温度
Error Amp スレッショルド電圧 EVTH (V)
VREF バイアス電圧 - 動作周囲温度
0.71
VCC = 15 V
fosc = 500 kHz
0.705
0.7
0.695
0.69
-40
-20
0
+20
+40
+60
+80
+100
動作周囲温度 Ta ( °C)
(続く)
DS04–27263–3
9
MB39A135
(続き)
発振周波数 - 動作周囲温度
休止期間 - 動作周囲温度
90
505
80
VCC = 15 V
休止期間 tD (ns)
発振周波数 fOSC (kHz)
510
500
495
490
tD2
70
tD1
60
50
40
485
480
-40
-20
0
+20
+40
+60
30
-40
+100
+80
-20
動作周囲温度 Ta( °C)
0
+20
+40
+60
+80
+100
動作周囲温度 Ta( °C)
tD1 : period from DRVL off to DRVH on
tD2 : period from DRVH off to DRVL on
発振周波数 - タイミング抵抗
VB バイアス電圧 - VB バイアス出力電流
1000
5.5
100
4.5
VCC = 5 V
4
3.5
VCC = 4.5 V
3
fosc = 500 kHz
Ta = + 25°C
2.5
2
1000
-0.02
-0.015
-0.01
-0.005
0
タイミング抵抗 RRT (kΩ)
VB バイアス出力電流 IVB (A)
最大デューティサイクル - 電源電圧
最大デューティサイクル - 動作周囲温度
最大デューティサイクル DMAX (%)
80
79
78
77
76
75
0
5
VB バイアス電圧 VVB (V)
発振周波数 fOSC (kHz)
最大デューティサイクル DMAX (%)
100
10
10
20
電源電圧 VVCC (V)
10
VCC = 6 V
VCC = 15 V
Ta = + 25°C
30
80
79
78
77
76
75
-40
-20
0
+20
+40
+60
+80
+100
動作周囲温度 Ta ( °C)
DS04–27263–3
MB39A135
■ 機能説明
1. カレントモードについて
スイッチング (Q1) による電流波形を制御波形として使用し , 以下の動作で出力電圧を制御します。
1: IC 内部のクロック発生器 (OSC) によるクロック (CK) にて , RS-FF をセットしメイン側 FET をオンします。
2: メイン側 FET がオンすることでインダクタ電流 (IL) が上昇します。この電流を電圧変換した Vs を生成します。
3: この Vs と出力電圧 (Vo) を負帰還した誤差増幅器 (Error Amp) の出力 (COMP) を電流コンパレータ (I Comp.) にて比較
します。
4: I Comp. にて Vs が COMP を上回ったことを検出し , RS-FF をリセットしメイン側 FET をオフします。
5: クロック発生器 (OSC) によるクロック (CK) にて再度メイン側 FET をオンします。
こうしてスイッチングを繰り返します。
フィードバック制御としては FB 電位が INTREF 電位となるように動作し , 出力電圧を安定させます。
VIN
<Error Amp>
FB
<I Comp.>
−
+
−
COMP
+
INTREF
DRVH
RS-FF
R
Q
S
Drive
Logic
CK
Q1
Current
Sense
DRVL
OSC
IL
VO
Q2
Vs
Rs
1
5
4
OSC(CK)
IL
3
COMP
Vs
2
toff
DRVH
ton
DS04–27263–3
11
MB39A135
(1) 基準電圧部 (REF)
基準電圧部 (REF) は VCC 端子から供給される電圧から IC 内部の基準電圧を生成しています。
この基準電圧は温度補償された安定な電圧 (3.3 V 標準 ) で VREF 端子から最大 100 μA まで供給できます。
(2) バイアス電圧部 (VB Reg.)
バイアス電圧部 (VB Reg.) は VCC 端子から供給される電圧から IC 内部の基準電圧を生成しています。この基準電圧は
温度補償された安定な電圧 (5 V 標準 ) で VB 端子から最大 100 mA まで供給できます。
(3) 低電圧誤動作防止回路部 (UVLO)
バイアス電圧 (VB) や内部基準電圧 (VREF) の起動時における過渡状態や瞬時低下での , IC の誤動作やシステムの破壊 ,
劣化を防止するための回路です。VB 端子や VREF 端子の電圧低下を検出し , IC の動作を停止します。
VB 端子と VREF 端
子電圧が低電圧誤動作防止回路のスレッショルド電圧以上になればシステムは復帰します。
(4) ソフトスタート / ソフトストップ部 (Soft-Start, Soft-Stop)
ソフトスタートについて
出力開始時の突入電流や出力電圧 (VO) オーバシュートを防止します。
CS 端子に接続されたコンデンサの充電によるランプ電圧を誤差増幅器 (Error Amp) の基準電圧とするため , 出力 (VO) の
負荷に依存しないソフトスタート時間を設定できます。
CTL 端子を “H” レベルにし , IC が起動すると CS 端子のコンデンサ (CS) に 5.5 μA で充電を開始します。ソフトスタート
期間中の出力電圧 (VO) は CS 端子のコンデンサへの充電による CS 端子電圧に比例して上昇します。
CS 端子電圧< 0.8 V のソフトスタート期間中は , 以下の動作となります。
・ 強制 PWM のみの動作 (MODE 端子が “L” 設定でも強制 PWM)
・ 過電圧保護機能 , 低電圧保護機能は無効
ソフトストップについて
出力停止時に平滑コンデンサに蓄積された電荷を放電します。CTL 端子を “L” レベルにすることで , 出力 (Vo) の負荷に
依存しないソフトストップ機能が稼動します。これは , CTL 端子を “L” レベルにすることで , CS 端子に接続されたコンデ
ンサが IC 内部のソフトストップ用放電抵抗 (70 kΩ 標準 ) にて放電を開始し , そのランプ電圧が誤差増幅器 (Error Amp) に
入力されるためで , コンデンサ値により出力 (Vo) の負荷に依存しないソフトストップ時間を設定できます。そして CS 端
子電圧が放電により 100 mV ( 標準 ) 以下になると IC はシャットダウンし , スタンバイ状態に移行します。また , ソフトス
トップ機能は , 低電圧保護回路部 (UVP Comp.) のラッチセット後 , 過熱保護回路部 (OTP) の過熱検出後にも動作します。
CS 端子電圧< 0.8 V のソフトストップ期間中は , 以下の状態になります。
・ 強制 PWM のみの動作 (MODE 端子が “L” 設定でも強制 PWM)
・ 過電圧保護機能 , 低電圧保護機能は無効
(5) クロック発生器部 (OSC)
クロック発生部は , 発振周波数設定用コンデンサを内蔵しています。RT 端子に発振周波数設定抵抗を接続することによ
り , クロック発生器はクロックを発生させます。
(6-1) 誤差増幅器部 (Error Amp)
誤差増幅器 (Error Amp) は , DC/DC コンバータの出力電圧を検出し , その出力を電流コンパレータ (I Comp.) へ出力しま
す。FB 端子に外付け出力電圧設定抵抗を接続することにより , 任意の出力電圧を設定できます。また , COMP 端子と FB 端
子の間に外付け抵抗と外付けコンデンサを直列に接続することで任意のループゲインが設定できるため , システムに対し
て安定した位相補償ができます。
(6-2) 過電流検出 ( 保護 ) 部 (ILIM)
出力電流 (IO) を制限するための電流検出回路です。
過電流検出部 (ILIM) は , レベルコンバータ出力波形 「
( (12) レベルコンバータ部 (LVCNV)」参照 ) と ILIM 端子電圧を毎
周期比較しています。負荷抵抗 (RO) が低下すると , 負荷電流 (IO) が増加します。するとレベルコンバータ出力波形が各チャ
ネルの ILIM 端子電圧を上回るようになります。この時にメイン側 FET をオフし , インダクタ電流のピーク値を抑制する
ことで出力電流を制限します。
12
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この結果 , 出力電圧 (VO) が垂下する動作となります。
さらに出力電圧が低下し FB 端子電位が 0.3 V 以下となると , 発振周波数 (fOSC) を 1/8 まで低下させます。
(7) 過電圧保護回路部 (OVP Comp.)
出力電圧 (VO) が上昇した際に , 出力に接続されているデバイスを保護するための回路です。
過電圧保護機能が動作すると , RS ラッチがセットされ , DRVH 端子を “L” レベルに , DRVL 端子を “H” レベルにし , メイ
ン側 FET をオフ状態 , 同期整流側 FET をオン状態に固定し電圧出力を停止させます。これは誤差増幅器の非反転入力され
る内部基準電圧 INTREF (0.7 V) の 1.15 倍 ( 標準 ) の電圧と , 誤差増幅器の反転入力される帰還電圧とを比較し , 誤差増幅
器の反転入力電圧が 50 μs ( 標準 ) 以上高い状態を検出すると動作します。
この保護機能は以下の条件で解除されます。
・ CTL を “L” にする。
・ 電源電圧を UVLO スレッショルド電圧(VTHL1,VTHL2) 以下にする。
(8) 低電圧保護回路部 (UVP Comp.)
出力電圧 (VO) が低下した際に出力を停止し , 出力に接続されているデバイスを保護します。
低電圧保護回路部が動作すると , RS ラッチがセットされ , 電圧出力を停止させます。これは誤差増幅器の非反転入力さ
れる内部基準電圧 INTREF (0.7 V) の 0.7 倍 ( 標準 ) の電圧と , 誤差増幅器の反転入力される帰還電圧とを比較し , 誤差増幅
器の反転入力電圧が 512/fosc [s]( 標準 ) 以上低い状態を検出すると動作します。
この保護機能は以下の条件で解除されます。
・ CTL を “L” にする。
・ 電源電圧を UVLO スレッショルド電圧(VTHL1,VTHL2) 以下にする。
(9) 過熱保護回路部 (OTP)
IC を熱破壊から保護するための回路です。接合部温度が+ 160 °C に達すると CS 端子に接続されるコンデンサを IC 内
部のソフトストップ用放電抵抗 (70 kΩ 標準 ) にて放電し , 電圧出力を停止させます。
また , 接合部温度が+ 135 °C まで下がると再びソフトスタートにより出力を開始します。
過熱保護動作が頻発するような DC/DC 電源システム設計は行わないでください。
(10) PFM 制御回路部 (MODE)
本 IC の制御モードを設定し , PFM/PWM 自動切換え時の制御を行います。
MODE 端子接続
“L” (GND)
“H” (VREF)
制御モード
PFM/PWM
自動切換え
強制 PWM
特長
軽負荷時に高効率
安定した発振周波数
安定したスイッチングリップル電圧
重負荷→軽負荷での負荷急変特性が良好
PFM/PWM 自動切換えモード動作
LX 端子の電圧を Di Comp. にて GND 電位と比較します。この比較により LX 端子が負電圧のとき同期整流側 FET をオ
ン , 正電圧のとき同期整流側 FET をオフにします (Di Comp. 方式 ) 。結果軽負荷時のインダクタ電流の逆流が抑制され , イ
ンダクタ電流が不連続 (DCM) となるスイッチング動作となります。
この動作により発振周波数を低減させ , 軽負荷時の高
効率を実現します。
(11) 出力部 (DRV)
出力回路は , メイン側 , 同期整流側ともに CMOS 形式で構成しており , 外付け N-ch MOS FET を駆動できます。
(12) レベルコンバータ部 (LVCNV)
メイン側 FET がオンした際の電流を検出 , 変換する回路です。メイン側 FET のドレイン側 (VCC 端子電圧 ) とソース側
(LX 端子電圧 ) 間の電圧波形を , GND 基準の電圧波形に変換します。
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(13) コントロール部 (CTL)
本 IC の出力のオン / オフを制御するための回路です。
コントロール機能表
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CTL
DC/DC コンバータ
備考
L
OFF
スタンバイ
H
ON
⎯
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■ 保護機能一覧表
各保護機能が働いた場合の各端子の状態は以下の通りです。
保護機能
検出条件
低電圧誤動作防止 VB < 3.6 V
(UVLO)
VREF < 2.7 V
検出時の各端子出力
DC/DC 出力降下状態
VREF
VB
DRVH
DRVL
< 2.7 V
< 3.6V
L
L
負荷による自己放電
低電圧保護
(UVP)
FB < 0.49V
3.3 V
5V
L
L
ソフトストップ機能による放電
過電圧保護
(OVP)
FB > 0.805V
3.3 V
5V
L
H
0 V クランプ
過電流保護
(ILIM)
COMP > ILIM
3.3 V
5V
switching
過熱保護
(OTP)
Tj >+ 160 °C
3.3 V
5V
L
L
コントロール
(CTL)
CTL:H → L
(CS > 0.1 V)
3.3 V
5V
L
L
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switching 定電流動作により出力電圧が垂下
ソフトストップ機能による放電
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■ 入出力端子等価回路図
VREF 端子
CTL 端子
VCC
VB
CTL
VREF
ESD 保護素子
GND
GND
VB 端子
CS 端子
VCC
VREF
VB
CS
GND
FB 端子
VREF
GND
COMP 端子
VREF
FB
COMP
GND
GND
(続く)
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(続き)
ILIM 端子
RT 端子
VREF
VREF
VREF
VB
ILIM
ILIM
RT
GND
GND
GND
MODE 端子
CB, DRVH, LX 端子
VREF
CB
VREF
VREF
DRVH
DRVH
MODE
LX
LX
GND
DRVL 端子
GND
GND
VB
DRVL
PGND
GND
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■ 応用回路例
R21
VREF
VIN
(4.5 V
~
25 V)
MODE
CS
13
C7
A
R23 COMP
R8-1
R8-2
RT
1
<Soft-Start >
ctl
/uvp_out
/otp_out
VCC
2
8
Clock
generator
Bias
Reg.
C13
VREF
/uvlo
ovp_out
<PFM Comp. >
5.5 μA
−
+
VB
7
11
Hi-side
Drive
15
10
C9
FB
<Error Amp>
14
R9
−
+
+
<I Comp.>
−
+
intref
CLK
RS-FF
RQ
9
Drive
Logic
ILIM
S
6
5
CB
L1
Vo
Q1
C2-1
C2-2
C2-3
C5
DRVH
LX
DRVL
PGND
C14
C1-1
C1-2
Level
Converter
Vs
16
Q1
VB
Lo-side
Drive
R11
A
D2
2.0 V
70 kΩ
<Di Comp>
R12
−
+
<OVP Comp.>
−
+
50 μs
delay
SQ
ovp_out
R
<UVLO>
intref
x 1.15 V
uvlo
<UVP Comp.>
−
+
VB
UVLO
512/fOSC
delay
SQ
R
uvp_out
VREF
UVLO
H : UVLO
release
otp_out
intref
x 0.7 V
VB
intref
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OTP
ctl
<REF> <CTL>
ON/OFF
CTL
4
(3.3 V)
3
12
VREF
GND
C15
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■ 部品表
記号
項目
条件
ベンダ
パッケージ
Q1
N-ch FET
VDS = 30 V,
ID = 8 A, Ron = 21 mΩ
RENESAS
SO-8
D2
Diode
Onsemi
SOD-523
L1
Inductor
TDK
⎯
VLF10040T-1R5N
VF = 0.35 V
at IF = 0.2 A
1.5 μH (6.2 mΩ, 8.9 A)
型格
μPA2755
備考
Dual type
(2 elements)
BAT54XV2T1G
C1-1
C1-2
Ceramic condenser 22 μF (25 V)
Ceramic condenser 22 μF (25 V)
TDK
TDK
3225
3225
C3225JB1E226M
C3225JB1E226M
2 個並列
C2-1
C2-2
C2-3
Ceramic condenser 22 μF (10 V)
Ceramic condenser 22 μF (10 V)
Ceramic condenser 22 μF (10 V)
TDK TDK
TDK
3216
3216
3216
C3216JB1A226M
C3216JB1A226M
C3216JB1A226M
3 個並列
C5
Ceramic condenser 0.1 μF (50 V)
TDK
1608
C1608JB1H104K
C7
Ceramic condenser 0.022 μF (50 V)
TDK
1608
C1608JB1H223K
C9
Ceramic condenser 820 pF (50 V)
TDK
1608
C1608CH1H821J
C13
Ceramic condenser 0.01 μF (50 V)
TDK
1608
C1608JB1H103K
C14
Ceramic condenser 1.0 μF (16 V)
TDK
1608
C1608JB1C105K
C15
Ceramic condenser 0.1 μF (50 V)
TDK
1608
C1608JB1H104K
R8-1
R8-2
Resistor
Resistor
1.6 kΩ
9.1 kΩ
SSM SSM
1608
1608
RR0816P162D
RR0816P912D
R9
Resistor
15 kΩ
SSM
1608
RR0816P153D
R11
Resistor
56 kΩ
SSM
1608
RR0816P563D
R12
Resistor
56 kΩ
SSM
1608
RR0816P463D
R21
Resistor
82 kΩ
SSM
1608
RR0816P823D
R23
Resistor
22 kΩ
SSM
1608
RR0816P223D
2 個直列
RENESAS:ルネサス エレクトロニクス株式会社
Onsemi :ON Semiconductor
TDK
:TDK 株式会社
SSM
:進工業株式会社
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■ アプリケーションノート
PFM/PWM, 強制 PWM モードの設定方法
各モードの設定方法は「■ 機能説明 (10) PFM 制御回路部 (MODE)」の項を参照してください。
PFM/PWM モード時の注意事項
負荷急変等で負荷の電流が急激に少なくなった際に , 出力電圧のオーバシュートの収束に時間がかかる傾向がありま
す。この結果 , 過電圧保護機能が作動することがあります。
この場合 , 過電圧検出時間内に出力電圧が収束できる程度の負荷抵抗を追加することで収束時間の短縮対策が可能で
す。
出力電圧の設定方法
出力電圧設定抵抗比を調整することで設定できます。
VO =
R1 + R2
× 0.7
R2
VO
:出力設定電圧 [V]
R1, R2 :出力設定抵抗値 [Ω]
VO
R1
FB
R2
設定の際は最大オンデューティ以下となる条件であることを確認してください。
オンデューティは以下の式により求められます。
DMAX_Min =
VO + RON_Sync × IOMAX
VIN − RON_Main × IOMAX + RON_Sync × IOMAX
DMAX_Min
VIN
VO
RON_Main
RON_Sync
IOMAX
:最大オンデューティの最小値
:スイッチング系電源電圧 [V]
:出力設定電圧 [V]
:メイン側 FET のオン抵抗 [Ω]
:同期整流側 FET のオン抵抗 [Ω]
:最大負荷電流 [A]
発振周波数設定方法
RT 端子抵抗を調整することで設定できます。
fOSC =
1.09
RRT × 40 × 10 − 12 + 300 × 10 − 9
RRT
fOSC
20
:RT 抵抗値 [Ω]
:発振周波数 [Hz]
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発振周波数はオン時間 (tON) が 300 ns 以上となるよう設定してください。
オン時間は下記式により求められます。
tON =
VO
VIN × fOSC
tON
VIN
VO
fOSC
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:オン時間 [s]
:スイッチング系電源電圧 [V]
:出力設定電圧 [V]
:発振周波数 [Hz]
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ソフトスタート時間設定方法
ソフトスタート時間は下記式を元に設定してください。
tS = 1.4 × 105 × CCS
ts
CCS
:ソフトスタート時間 [s] ( 出力 100% になるまでの時間 )
:CS 端子コンデンサ値 [F]
ソフトスタート開始までの遅延時間は下記式を元に設定してください。
td1 = 30 × CVB + 290 × CVREF + 1.455 × 104 × CCS
td1
CCS
CVB
CVREF
:VB 電圧および VREF 電圧起動含む遅延時間 [s]
:CS 端子コンデンサ値 [F]
:VB 端子コンデンサ値 [F]
:VREF 端子コンデンサ値 [F] ( 標準 0.1 μF)
ソフトストップ時の放電時間は下記式を元に設定してください。
tdis = 1.44 × 105 × CCS
tdis
CCS
:放電時間 [s]
:CS 端子コンデンサ値 [F]
また放電開始までの遅延時間は下記式を元に設定してください。
td3 = 7.87 × 104 × CCS
td3
CCS
:放電開始までの遅延時間 [s]
:CS 端子コンデンサ値 [F]
ts
tdis
CTL
VO
td1
22
td3
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過電流検出値の設定方法
過電流検出値 (ILIM) は , 過電流検出設定抵抗比を調整することで設定できます。
過電流検出設定抵抗値は下記式により求められます。
ILIM =
3.3 × R2
− 0.3
VO
R1 + R2
VIN − VO
+
× (200 × 10 − 9 −
L
6.8 × RON
2 × fOSC × VIN
)
200 × 103 ≧ R1 + R2 ≧ 30 × 103
ILIM
R1, R2
L
VIN
VO
fOSC
RON
:過電流検出値 [A]
:ILIM 設定抵抗値 [Ω]*
:インダクタ値 [H]
:スイッチング系電源電圧 [V]
:出力設定電圧 [V]
:発振周波数 [Hz]
:メイン側 FET のオン抵抗 [Ω]
*: 過電流検出値は FET のオン抵抗に依存します。オン抵抗の温度特性を考慮のうえ過電流検出設定抵抗比を調整して
ください。
FET の接合部温度が+ 100 °C 上昇すると , FET のオン抵抗はおおよそ 1.5 倍になります。
インダクタ電流
VREF
過電流検出値
ILIM
R1
IO
ILIM*
R2
0
時間
*: 過電流検出機能を使用しない場合 , ILIM 端子は VREF 端子に接続してください。
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平滑インダクタの選択
インダクタ値は , おおまかな目安としてインダクタのリップル電流ピークピーク値が最大負荷電流の 50% 以下となるよ
うな値を選択してください。この場合のインダクタ値は下記式により求められます。
L≧
VIN − VO
×
LOR × IOMAX
L
IOMAX
LOR
VIN
VO
fOSC
VO
VIN × fOSC
:インダクタ値 [H]
:最大負荷電流 [A]
:インダクタのリップル電流ピークピーク値−最大負荷電流比 ( = 0.5)
:スイッチング系電源電圧 [V]
:出力設定電圧 [V]
:発振周波数 [Hz]
本デバイスは動作原理上 , ある程度のインダクタリップル電流値が必要です。しかし , Ron 抵抗の低いメイン側 FET を
使用するとスイッチングリップル電圧は小さくなり , 不足することがあります。この場合 , 発振周波数 , もしくは , インダ
クタ値を小さくすることで対応してください。
下記条件を満たすようなインダクタ値のものを選定してください。
L≦
VIN − VO
ΔVRON
L
VIN
VO
fOSC
ΔVRON
RON
×
VO
VIN × fOSC
× RON
:インダクタ値 [H]
:スイッチング系電源電圧 [V]
:出力設定電圧 [V]
:発振周波数 [Hz]
:リップル電圧 [V] (20[mV] 以上を推奨 )
:メイン側 FET のオン抵抗 [Ω]
インダクタに流れる電流が定格値以内であるかを判断するために , インダクタに流れる最大電流値を求める必要があり
ます。インダクタの最大電流値は下記式により求められます。
ILMAX ≧ IoMAX +
ILMAX
IoMAX
ΔIL
L
VIN
VO
fOSC
ΔIL
2
VO
VIN − VO
×
L
VIN × fOSC
, ΔIL =
:インダクタの最大電流値 [A]
:最大負荷電流 [A]
:インダクタのリップル電流ピークピーク値 [A]
:インダクタ値 [H]
:スイッチング系電源電圧 [V]
:出力設定電圧 [V]
:発振周波数 [Hz]
インダクタ電流
ILMAX
IoMAX
ΔIL
0
24
時間
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SWFET の選択
本デバイスは動作原理上 , メイン側 FET のドレイン−ソース間に発生するスイッチングリップル電圧が必要です。以下
の式を満たすオン抵抗の SWFET を選定してください。
RON_Main ≧
ΔVRON_Main
, RON_Main ≦
ΔIL
RON_Main
ΔIL
ΔVRON_Main
ILIM
VRONMAX
VRONMAX
ΔIL
ILIM +
2
:メイン側 FET のオン抵抗 [Ω]
:インダクタのリップル電流ピークピーク値 [A]
:メイン側 FET リップル電圧 [V] (20[mV] 以上を推奨 )
:過電流検出値 [A]
:最大電流センス電圧 [V] (240[mV] 以下を推奨 )
更に FET の定格は , 入力電圧 , 負荷電流に対して十分マージンのあるものを選定してください。過電流検出設定値以上
のものを推奨します。
メイン側 FET, 同期整流側 FET の必要定格値は下記式により求められます。
ID > IoMAX +
ID
IoMAX
ΔIL
ΔIL
2
:ドレイン定格電流 [A]
:最大負荷電流 [A]
:インダクタのリップル電流ピークピーク値 [A]
VDS > VIN
VDS
VIN
:ドレイン−ソース間定格電圧 [V]
:スイッチング系電源電圧 [V]
VGS > VB
VGS
VB
:ゲート−ソース間定格電圧 [V]
:VB 電圧 [V]
SWFET の許容損失が定格値以内であるかを判断するために SWFET の損失を求める必要があります。メイン側 FET の損
失は下記式により求められます。
PMainFET = PRON_Main + PSW_Main
PMainFET :メイン側 FET 損失 [W]
PRON_Main :メイン側 FET 導通損失 [W]
PSW_Main :メイン側 FET SW 損失 [W]
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メイン側 FET 導通損失
VO
VIN
PRON_Main = IoMAX2 ×
PRON_Main
IOMAX
VIN
VO
RON_Main
× RON_Main
:メイン側 FET 導通損失 [W]
:最大負荷電流 [A]
:スイッチング系電源電圧 [V]
:出力電圧 [V]
:メイン側 FET オン抵抗 [Ω]
メイン側 FET SW 損失
PSW_Main =
VIN × fOSC × (Ibtm × tr + Itop × tf)
2
PSW_Main
VIN
fOSC
Ibtm
Itop
tr
tf
:メイン側 FET SW 損失 [W]
:スイッチング系電源電圧 [V]
:発振周波数 [Hz]
:インダクタのリップル電流のボトム値 [A]
:インダクタのリップル電流のトップ値 [A]
:メイン側 FET のターンオン時間 [s]
:メイン側 FET のターンオフ時間 [s]
Ibtm, Itop, tr, tf は簡易的に下記式により求められます。
ΔIL
Ibtm = IoMAX −
2
ΔIL
Itop = IoMAX +
tr =
2
Qgd × 4
5 − Vgs (on)
IOMAX
ΔIL
Qgd
Vgs (on)
tf =
Qgd × 1
Vgs (on)
:最大負荷電流 [A]
:インダクタのリップル電流ピークピーク値 [A]
:メイン側 FET ゲートドレイン間電荷量 [C]
:メイン側 FET の Qgd でのゲートソース間電圧 [V]
同期整流側 FET の損失は下記式により求められます。
PSyncFET = PRon_Sync* = IoMAX2 × (1 −
PSyncFET
PRon_Sync
IOMAX
VIN
VO
Ron_Sync
VO
) × Ron_Sync
VIN
:同期整流側 FET 損失 [W]
:同期整流側 FET 導通損失 [W]
:最大負荷電流 [A]
:スイッチング系電源電圧 [V]
:出力電圧 [V]
:同期整流側 FET オン抵抗 [Ω]
*: 同期整流側 FET のドレイン−ソース間電圧の遷移電圧は一般的に小さく , スイッチング損失は無視できるほど小さ
なもののため , ここでは省略しています。
26
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SWFET のゲート駆動電力は IC 内部の LDO から供給されるため , すべての SWFET 許容最大総電荷量 (QgTotalMax) が
下記式により決定されます。
0.095
fOSC
QgTotalMax ≦
QgTotalMax
fOSC
:SWFET 許容最大総電荷量 [C]
:発振周波数 [Hz]
フライバックダイオードの選択
通常は不要ですが , 変換効率を重視される場合はフライバックダイオードを追加することで変換効率の特性向上が可能
です。発振周波数が高い時や出力電圧が低い使用条件ほど効果が得られます。極力順方向電流の小さなショットキーバリ
アダイオード (SBD) を選定してください。本 DC/DC 制御 IC は同期整流方式を採用しているためフライバックダイオード
に電流が流れる時間は同期整流期間 (60 ns × 2) に限られます。よってフライバックダイオードの電流はせん頭順サージ電
流 (IFSM) の定格を超えないものを選定します。フライバックダイオードのせん頭順サージ電流定格は下記式により求めら
れます。
IFSM ≧ IoMAX +
IFSM
IoMAX
ΔIL
ΔIL
2
:フライバックダイオードのせん頭順サージ電流定格 [A]
:最大負荷電流 [A]
:インダクタのリップル電流ピークピーク値 [A]
フライバックダイオードの定格は下記式により求められます。
VR_Fly > VIN
VR_Fly
VIN
:フライバックダイオードの直流逆方向電圧 [V]
:スイッチング系電源電圧 [V]
出力コンデンサの選択
本デバイスは ESR の小さなセラミックコンデンサに対応しています。リップル電圧を小さくするには , 他のコンデンサ
と比較し低 ESR であるセラミックコンデンサが理想です。セラミックコンデンサでは対応できない大容量コンデンサの採
用が必要な場合は ESR の低い高分子コンデンサやタンタルコンデンサを使用してください。
出力電圧にはDC/DCのスイッチング動作によるリップル電圧が発生します。許容可能なリップル電圧により出力コンデ
ンサの下限値を検討してください。出力のリップル電圧は簡易的に下記式より求められます。
ΔVO = (
ΔVO
ESR
ΔIL
CO
fOSC
1
2π × fOSC × CO
+ ESR) × ΔIL
:スイッチングリップル電圧 [V]
:出力コンデンサの直列抵抗成分 [Ω]
:インダクタのリップル電流ピークピーク値 [A]
:出力コンデンサ値 [F]
:発振周波数 [Hz]
(注意事項)・リップル電圧を減少するには , コンデンサ以外に発振周波数やインダクタ値を上げるなどでも対応可能
です。
・コンデンサは周波数特性 , 温度特性 , バイアス電圧特性などを有しており , 使用条件により実効値が極端
に小さくなることがあります。使用条件での実効値にご注意ください。
DS04–27263–3
27
MB39A135
出力コンデンサの定格は下記式により求められます。
VCO > VO
VCO
VO
:出力コンデンサ耐圧 [V]
:出力電圧 [V]
(注意事項)コンデンサの定格は出力電圧に対して十分マージンのある耐圧のものを選定してください。
また , 許容リップル電流の定格があるものは十分余裕のあるものを使用してください。
出力コンデンサの許容リップル電流は下記式から求められます。
ΔIL
Irms ≧
2√3
Irms
ΔIL
:許容リップル電流 ( 実効値 ) [A]
:インダクタのリップル電流ピークピーク値 [A]
入力コンデンサの選択
入力コンデンサは極力 ESR が小さいものを選定してください。セラミックコンデンサが理想です。セラミックコンデン
サでは対応できない大容量コンデンサの採用が必要な場合は ESR の低い高分子コンデンサやタンタルコンデンサを使用
してください。
電源電圧にはDC/DCのスイッチング動作によるリップル電圧が発生します。許容可能なリップル電圧により入力コンデ
ンサの下限値を検討してください。電源のリップル電圧は簡易的に下記式より求められます。
ΔVIN =
IOMAX
×
CIN
ΔVIN
IOMAX
CIN
VIN
VO
fOSC
ESR
ΔIL
VO
VIN × fOSC
+ ESR × (IOMAX +
ΔIL
2
)
:スイッチング系電源リップル電圧ピークピーク値 [V]
:負荷電流最大値 [A]
:入力コンデンサ値 [F]
:スイッチング系電源電圧 [V]
:出力設定電圧 [V]
:発振周波数 [Hz]
:入力コンデンサの直列抵抗成分 [Ω]
:インダクタのリップル電流ピークピーク値 [A]
(注意事項)・ 電源のリップル電圧を減少するには , コンデンサ以外に発振周波数を上げるなどでも対応可能です。
・ コンデンサは周波数特性 , 温度特性 , バイアス電圧特性などを有しており , 使用条件により実効値が極端
に小さくなることがあります。使用条件での実効値にご注意ください。
入力コンデンサの定格は下記式により求められます。
VCIN > VIN
VCIN
VIN
:入力コンデンサ耐圧 [V]
:スイッチング系電源電圧 [V]
(注意事項)コンデンサの定格は入力電圧に対して十分マージンのある耐圧のものを選定してください。
28
DS04–27263–3
MB39A135
また , 許容リップル電流の定格があるものは十分に余裕のあるものを使用してください。
許容リップル電流は下記式から求められます。
Irms ≧ IOMAX ×
Irms
IOMAX
VIN
VO
√ VO × (VIN − VO)
VIN
:許容リップル電流 ( 実効値 ) [A]
:負荷電流最大値 [A]
:スイッチング系電源電圧 [V]
:出力電圧 [V]
ブートストラップダイオードの選択
極力順方向電流の小さなショットキーバリアダイオード (SBD) を選定してください。
ブートストラップ回路の SBD にはメイン側 FET のゲートを駆動する電流が流れます。その平均電流は下記式により求
められます。電流定格が越えないように選定してください。
ID ≧ Qg × fOSC
ID
Qg
fOSC
:順方向電流 [A]
:メイン側 FET のゲート全電荷量 [C]
:発振周波数 [Hz]
ブートストラップダイオードの定格は下記式で求められます。
VR_BOOT > VIN
VR_BOOT :ブートストラップダイオードの直流逆方向電圧 [V]
VIN
:スイッチング系電源電圧 [V]
ブートストラップコンデンサの選択
メイン側 FET のゲートを駆動するためにはブートストラップコンデンサに十分な電荷が蓄えられている必要がありま
す。そのため , 目安としてメイン側 FET の Qg に対して約 10 倍の電荷を蓄えられるコンデンサを最低値とし , ブートスト
ラップコンデンサを選定してください。
CBOOT ≧ 10 ×
CBOOT
Qg
VB
Qg
VB
:ブートストラップコンデンサ値 [F]
:メイン側 FET のゲート電荷量 [C]
:VB 電圧 [V]
ブートストラップコンデンサの定格は下記式で求められます。
VCBOOT > VB
VCBOOT
VB
DS04–27263–3
:ブートストラップコンデンサ耐圧 [V]
:VB 電圧 [V]
29
MB39A135
位相補償回路の設計
本デバイスにおいては 1pole-1zero の位相補償回路を標準としています。
1pole-1zero 位相補償回路
VO
Rc
R1
FB
Cc
+
R2
INTREF
I Comp. へ
COMP
Error
Amp
DC/DC の制御ループの帯域幅を表すクロスオーバ周波数 (fCO) は , 高いほうが高速応答性に優れますが , 一方で位相マー
ジン不足による発振を招く可能性が高くなります。
このクロスオーバ周波数 (fCO) は任意に設定可能ですが , 発振周波数
(fosc) の 1/10 上限を目安に設定してください。また , 位相余裕は最低でも 30°, できれば 45° 以上になることを目安に設定
してください。
位相補償回路の Rc, Cc 定数は下記式を目安に設定してください。
RC =
(VIN − VO) ALVCNV × RON_Main × fCO × 2π × CO × VO
× R1
VIN × fOSC × L × IOMAX
CC =
CO × VO
RC × IOMAX
RC
CC
VIN
VO
fOSC
IOMAX
L
CO
RON_Main
R1
ALVCNV
fCO
30
:位相補償抵抗 [Ω]
:位相補償コンデンサ値 [F]
:スイッチング系電源電圧 [V]
:出力設定電圧 [V]
:発振周波数 [Hz]
:負荷電流最大値 [A]
:インダクタ値 [H]
:出力コンデンサ値 [F]
:メイン側 FET のオン抵抗 [Ω]
:出力設定抵抗 [Ω]
:レベルコンバータ電圧変換利得 [V/V]
オンデューティ≦ 50% :ALVCNV = 6.8
オンデューティ > 50% :ALVCNV = 13.6
:クロスオーバ周波数 ( 任意設定 ) [Hz]
DS04–27263–3
MB39A135
VB 端子コンデンサについて
1 μF を標準としていますが , 使用する SWFET の Qg が大きい場合に調整が必要です。
メイン側 FET のゲートを駆動するためにはブートストラップコンデンサに十分な電荷が蓄えられている必要がありま
す。そのため , 目安として SWFET の Qg 合計に対して 100 倍の電荷を蓄えられるコンデンサを最低値とし , 選定してくだ
さい。
CVB ≧ 100 ×
CVB
Qg
VB
Qg
VB
:VB 端子コンデンサ値 [F]
:メイン側 FET, 同期整流側 SWFET のゲート電荷量の合計 [C]
:VB 電圧 [V]
VB 端子コンデンサの定格は下記式で求められます。
VCVB > VB
VCVB :VB 端子コンデンサ耐圧 [V]
VB
:VB 電圧 [V]
DS04–27263–3
31
MB39A135
VB レギュレータについて
VCC-VB 電位差が十分にない条件では , VB レギュレータの出力オン抵抗 , 負荷電流 ( 外付け FET 全ゲート駆動電流の
平均電流 , 内部 IC の負荷電流 ) により , VB 電圧の低下が起こります。
VB 電圧が低下し , 低電圧誤動作防止回路のスレッショルド電圧 (VTHL1) に達した場合 , スイッチング動作を停止します。
そのため , 本 IC を使用する際には VB レギュレータの入出力電位差 , もしくは発振周波数 , 外付け FET を下記式を目安
に設定してください。
VCC ≧ VB (VTHL1) + (Qg × fOSC + ICC) × RVB
VCC
VB (VTHL1)
Qg
fOSC
ICC
RVB
:電源電圧 [V] (VIN)
:VB 低電圧誤動作防止回路のスレッショルド電圧 [V] ( 最大 3.8 V )
:メイン側 FET 同期整流側 SWFET のゲート電荷量の合計 [C]
:発振周波数 [Hz]
:電源電流 [A] (2.7 × 10 − 3[A] ≒ VB (LDO) の負荷電流 )
:VB 出力オン抵抗 [Ω] (100 Ω (VCC = 4.5 V 時 参考値 ) )
入出力電位差が小さい場合 , VB 端子と VCC 端子を接続することにより対応可能です。
その際の入力電圧範囲条件は以下のとおりです。
VIN 入力電圧範囲
4.5 V
25 V
6.0 V
(1)
(3)
(1) 4.5 V < VIN < 6.0 V の場合
→ VB 端子を VCC へ接続
(2) 入力電圧範囲が 6.0 V をまたぐ場合
→ 通常使用 (VCC − VB 未接続 )
(2)
(3) 6.0 V ≦ VIN の場合
→ 通常使用 (VCC − VB 未接続 )
なお入出力電位差が十分でない条件で使用される場合は , 通常動作時 , 起動時 , 切断時の動作を実機にて十分ご確認く
ださい。特に 6 V をまたぐ入力電圧範囲の場合注意が必要です。
32
DS04–27263–3
MB39A135
許容損失・熱設計について
本 IC は高効率のためほとんどの場合検討は不要ですが , 高電源電圧 , 高発振周波数 , 高負荷 , 高温での使用では検討の
必要があります。
IC 内部損失 (PIC) は下記式により求められます。
PIC = VCC × (ICC + Qg × fOSC)
PIC
VCC
ICC
Qg
fOSC
:IC 内部損失 [W]
:電源電圧 (VIN) [V]
:電源電流 [A] ( 最大 2.7 mA)
:全 SWFET 総電荷量 [C] (Vgs = 5 V での合計 )
:発振周波数 [Hz]
接合部温度 (Tj) は下記式により求められます。
Tj = Ta + θja × PIC
Tj
Ta
θja
PIC
DS04–27263–3
:接合部温度 [ °C] ( 最大+ 150 °C)
:周囲温度 [ °C]
:TSSOP-16 パッケージ熱抵抗 (101 °C/W)
:IC 内部損失 [W]
33
MB39A135
基板レイアウトについて
下記点に配慮しレイアウト設計を行ってください。
・ IC 搭載面には極力 GND プレーンを設けてください。スイッチング系部品の GND 端子 , VCC および VB に接続するバ
イパスコンデンサをスイッチング系 GND (PGND) へ , その他の GND 接続端子は制御系 GND (AGND) へ接続し , 各 GND
を分離し , 制御系 GND (AGND) には大電流のパスが通らないよう極力努めてください。その際 , 制御系 GND (AGND)
とスイッチング系 GND (PGND) を IC 直下で接続してください。
・ スイッチング系部品の接続は極力表層で行い , スルーホールを介しての接続を極力避けてください。
・ スイッチング系部品の GND 端子は直近にスルーホールを設け , 内層の GND へ接続してください。
・ 入力コンデンサ (CIN) , SWFET, フライバックダイオード (SBD) で構成されるループには最も気を使い電流ループが極
力小さくなるよう配慮してください。
・ ブートストラップコンデンサ (CBOOT) は極力 IC の CB, LX 端子直近に配置してください。
・ 本デバイスはメイン側 FET のドレインソース間の電圧を VCC・LX 端子間電圧としてモニタしています。入力コンデン
サ (CIN) , メイン側 FET は極力近くに配置し , 入力コンデンサの直近から VCC 端子への配線を引き出してください。LX
端子のネットはメイン側 FET のソース端子直近から引き出してください。また LX 端子のネットは瞬間的に大きな電流
が流れます。0.8 mm 程度の配線幅を目安とし , 極力短く配線してください。
・ SWFET のゲートへ接続する DRVH, DRVL 端子のネットは瞬間的に大きな電流が流れます。0.8 mm 程度の配線幅を目安
とし , 極力短く配線してください。
・ VREF, VCC, VB に接続するバイパスコンデンサ (CVCC, CVREF, CVB) , および RT 端子に接続する抵抗 (RRT) は極力端子に
近づけて配置してください。
またバイパスコンデンサの GND 端子は直近にスルーホールにて内層の GND へ接続してください。
・ RT, FB, COMP 端子に接続するネットはノイズに敏感なためスイッチング系部品から極力遠ざけるよう配慮願います。
また , このネットに接続される出力電圧設定抵抗 , 位相補償回路素子は極力 IC の近くに配置し , ネットが極力短くな
るよう努め , 搭載箇所直下の内層はリップル , スパイクノイズの少ない制御系 GND (AGND) もしくは電源電圧のプレー
ンを極力設けてください。
スイッチング系部品: 入力コンデンサ (CIN) , SWFET, フライバックダイオード (SBD) , インダクタ (L) ,
出力コンデンサ (CO)
IC 周辺配置例
スイッチング系部品配置例
VCC 端子へ
スルーホール
メイン側 FET
AGND
スルーホール
1pin
AGND
RRT
VIN
LX 端子へ
CIN
同期整流側 FET
CVREF
CVB
PGND
CBOOT
CVCC
SBD(option)
CO
L
PGND
表層
34
内層
PGND
Vo
出力電圧 Vo
フィードバック
DS04–27263–3
MB39A135
■ 参考データ
変換効率
ロードレギュレーション
変換効率 - 負荷電流特性
出力電圧 - 負荷電流特性
1.30
100
変換効率 η(%)
90
1.26
1.24
85
80
VIN =12 V
VO =1.2 V
MODE = VREF
fosc = 300 kHz
Ta = + 25°C
1.28
出力電圧 VO (V)
95
VIN = 12 V
VO = 1.2 V
fosc = 300 kHz
Ta = + 25°C
PFM/PWM
75
70
強制 PWM
1.22
1.20
1.18
1.16
1.14
65
1.12
60
0.01
0.1
1
10
1.10
0
1
負荷電流 IO(A)
2
3
4
5
負荷電流 IO(A)
負荷急変波形
IO : 1 A/div
2A
VIN = 12 V
VO = 1.2 V
IO = 0 ←→ 2 A
fOSC = 300 kHz,
Ta =+ 25 °C
0A
100 µs/div
VO : 200 mV/div (1.2 V offset)
CTL 起動波形
CTL 停止波形
CTL : 5 V/div
CTL : 5 V/div
VO: 1V/div
VO: 1V/div
1 ms/div
1 ms/div
VIN = 12 V, VO = 1.2 V, Io = 5 A (0.24 Ω)
fosc = 300 kHz, Ta =+ 25 °C, ソフトスタート設定時間= 3.0 ms
(続く)
DS04–27263–3
35
MB39A135
(続き)
通常動作 → 過電流保護 → 低電圧保護動作波形
VO : 0.5 V/div
1
VIN = 12 V
VO = 1.2 V
fOSC = 300 kHz
Ta =+ 25 °C
CS : 2 V/div
2
LX : 10 V/div
3
IO : 10 A/div
4
500 µs/div
通常動作
36
過電流保護動作
低電圧保護動作
DS04–27263–3
MB39A135
■ 使用上の注意
1. 最大定格以上の条件に設定しないでください。
最大定格を超えて使用した場合 , LSI の永久破壊となることがあります。
また , 通常動作では , 推奨動作条件下で使用することが望ましく , この条件を超えて使用すると LSI の信頼性に悪影響
をおよぼすことがあります。
2. 推奨動作条件でご使用ください。
推奨動作条件は , LSI の正常な動作を保証する推奨値です。
電気的特性の規格値は , 推奨動作条件範囲内および各項目条件欄の条件下において保証されます。
3. プリント基板のアースラインは , 共通インピーダンスを考慮し設計してください。
4. 静電気対策を行ってください。
・ 半導体を入れる容器は , 静電気対策を施した容器か , 導電性の容器をご使用ください。
・ 実装後のプリント基板を保管・運搬する場合は , 導電性の袋か , 容器に収納してください。
・ 作業台 , 工具 , 測定機器は , アースを取ってください。
・ 作業する人は , 人体とアースの間に 250 kΩ ∼ 1 MΩ の抵抗を直列に入れたアースをしてください。
5. 負電圧を印加しないでください。
− 0.3 V 以下の負電圧を印加した場合 , 寄生トランジスタが動作し誤動作を起こすことがあります。
■ オーダ型格
型格
パッケージ
MB39A135PFT
プラスチック・TSSOP, 16 ピン
(FPT-16P-M08)
備考
■ 評価ボードオーダ型格
型格
EV ボード版数
備考
MB39A135EVB-01
MB39A135EVB-01 Rev2.0
TSSOP-16
■ RoHS 指令に対応した品質管理 ( 鉛フリーの場合 )
富士通セミコンダクター株式会社の LSI 製品は , RoHS 指令に対応し , 鉛・カドミウム・水銀・六価クロムと , 特定臭素系
難燃剤 PBB と PBDE の基準を遵守しています。この基準に適合している製品は , 型格に “E1” を付加して表します。
DS04–27263–3
37
MB39A135
■ 製品捺印 ( 鉛フリーの場合 )
39A135
1XXX
INDEX
38
鉛フリー表示
DS04–27263–3
MB39A135
■ 製品ラベル ( 鉛フリーの場合の例 )
鉛フリー表示
JEITA 規格
MB123456P - 789 - GE1
(3N) 1MB123456P-789-GE1
1000
(3N)2 1561190005 107210
JEDEC 規格
G
Pb
QC PASS
PCS
1,000
MB123456P - 789 - GE1
2006/03/01
ASSEMBLED IN JAPAN
MB123456P - 789 - GE1
1/1
0605 - Z01A
1000
1561190005
鉛フリー型格は末尾に「E1」あり。
DS04–27263–3
中国で組立てられた製品のラベルには
「ASSEMBLED IN CHINA」と表記されています。
39
MB39A135
■ MB39A135PFT 推奨実装条件
【弊社推奨実装条件】
項目
内容
実装方法
IR ( 赤外線リフロー ) ・手半田付け ( 部分加熱法 )
実装回数
2回
保管期間
開梱前
製造後 2 年以内にご使用ください。
開梱∼ 2 回目リフロー迄の
保管期間
8 日以内
開梱後の保管期間を
超えた場合
ベーキング (125 °C , 24 h) を実施の上 ,
8 日以内に処理願います。
5 °C ∼ 30 °C, 70%RH 以下 ( 出来るだけ低湿度 )
保管条件
【実装方法の各条件】
(1) IR ( 赤外線リフロー )
260°C
255°C
本加熱
170 °C
~
190 °C
(b)
RT
(a)
H ランク:260 °C Max
(a) 温度上昇勾配
(b) 予備加熱
(c) 温度上昇勾配
(d) ピーク温度
(d’) 本加熱
(e) 冷却
(c)
(d)
(e)
(d')
:平均 1 °C/s ∼ 4 °C/s
:温度 170 °C ∼ 190 °C, 60 s ∼ 180 s
:平均 1 °C/s ∼ 4 °C/s
:温度 260 °C Max
255 °C up 10 s 以内
:温度 230 °C up 40 s 以内
or
温度 225 °C up 60 s 以内
or
温度 220 °C up 80 s 以内
:自然空冷または強制空冷
(注意事項)パッケージボディ上面温度を記載
(2) 手半田付け ( 部分加熱法 )
コテ先温度:Max 400 °C
時間:5 s 以内 / ピン
40
DS04–27263–3
MB39A135
■ パッケージ・外形寸法図
プラスチック・TSSOP, 16ピン
リードピッチ
0.65 mm
パッケージ幅×
パッケージ長さ
4.40 mm × 4.96 mm
リード形状
ガルウィング
封止方法
プラスチックモールド
取付け高さ
1.20 mmMax
重さ
0.06 g
(FPT-16P-M08)
プラスチック・TSSOP, 16ピン
(FPT-16P-M08)
注1)端子幅および端子厚さはメッキ厚を含む。
注2)端子幅はタイバ切断残りを含まず。
注3)*寸法はレジン残りを含まず。
*4.96±0.10(.195±.004)
16
0.145±0.045
(.0057±.0018)
9
*4.40±0.10 6.40±0.20
(.173±.004) (.252±.008)
INDEX
Details of "A" part
+0.10
1.10 –0.15
(Mounting height)
+0.04
.043 –0.06
LEAD No.
1
8
0.65(.026)
"A"
0.24±0.08
(.009±.003)
0.13(.005)
M
0~8°
0.60±0.15
(.024±.006)
0.10±0.05
(.004±.002)
(Stand off)
0.10(.004)
C
2007-2010 FUJITSU SEMICONDUCTOR LIMITED F16021S-c-1-5
単位:mm(inches)
注意:括弧内の値は参考値です。
最新の外形寸法図については , 下記 URL にてご確認ください。
http://edevice.fujitsu.com/package/jp-search/
DS04–27263–3
41
MB39A135
■ 本版での主な変更内容
変更箇所は , 本文中のページ左側の|によって示しています。
ページ
7
42
場所
■ 電気的特性
変更内容
「出力部 [DRV]」の最大オンデューティの最小値を変更
72 → 75
DS04–27263–3
MB39A135
■ 目次
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・
ページ
概要 .......................................................................................................................... 1
特長 .......................................................................................................................... 1
アプリケーション .................................................................................................. 1
端子配列図 .............................................................................................................. 2
端子機能説明 .......................................................................................................... 2
ブロックダイヤグラム .......................................................................................... 3
絶対最大定格 .......................................................................................................... 4
推奨動作条件 .......................................................................................................... 5
電気的特性 .............................................................................................................. 6
標準特性 .................................................................................................................. 9
機能説明 .................................................................................................................. 11
保護機能一覧表 ...................................................................................................... 15
入出力端子等価回路図 .......................................................................................... 16
応用回路例 .............................................................................................................. 18
部品表 ...................................................................................................................... 19
アプリケーションノート ...................................................................................... 20
参考データ .............................................................................................................. 35
使用上の注意 .......................................................................................................... 37
オーダ型格 .............................................................................................................. 37
評価ボードオーダ型格 .......................................................................................... 37
RoHS 指令に対応した品質管理 ( 鉛フリーの場合 ) .......................................... 37
製品捺印 ( 鉛フリーの場合 ) ................................................................................. 38
製品ラベル ( 鉛フリーの場合の例 ) ..................................................................... 39
MB39A135PFT 推奨実装条件 ............................................................................... 40
パッケージ・外形寸法図 ...................................................................................... 41
本版での主な変更内容 .......................................................................................... 42
DS04–27263–3
43
MB39A135
富士通セミコンダクター株式会社
〒 222-0033
神奈川県横浜市港北区新横浜 2-10-23 野村不動産新横浜ビル
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本資料の記載内容は , 予告なしに変更することがありますので , ご用命の際は営業部門にご確認ください。
本資料に記載された動作概要や応用回路例は , 半導体デバイスの標準的な動作や使い方を示したもので , 実際に使用する機器での動作を保証するも
のではありません。従いまして , これらを使用するにあたってはお客様の責任において機器の設計を行ってください。これらの使用に起因する損害な
どについては , 当社はその責任を負いません。
本資料に記載された動作概要・回路図を含む技術情報は , 当社もしくは第三者の特許権 , 著作権等の知的財産権やその他の権利の使用権または実施
権の許諾を意味するものではありません。また , これらの使用について , 第三者の知的財産権やその他の権利の実施ができることの保証を行うもので
はありません。したがって , これらの使用に起因する第三者の知的財産権やその他の権利の侵害について , 当社はその責任を負いません。
本資料に記載された製品は , 通常の産業用 , 一般事務用 , パーソナル用 , 家庭用などの一般的用途に使用されることを意図して設計・製造されてい
ます。極めて高度な安全性が要求され , 仮に当該安全性が確保されない場合 , 社会的に重大な影響を与えかつ直接生命・身体に対する重大な危険性を
伴う用途(原子力施設における核反応制御 , 航空機自動飛行制御 , 航空交通管制 , 大量輸送システムにおける運行制御 , 生命維持のための医療機器 , 兵
器システムにおけるミサイル発射制御をいう), ならびに極めて高い信頼性が要求される用途(海底中継器 , 宇宙衛星をいう)に使用されるよう設計・
製造されたものではありません。したがって , これらの用途にご使用をお考えのお客様は , 必ず事前に営業部門までご相談ください。ご相談なく使用
されたことにより発生した損害などについては , 責任を負いかねますのでご了承ください。
半導体デバイスはある確率で故障が発生します。当社半導体デバイスが故障しても , 結果的に人身事故 , 火災事故 , 社会的な損害を生じさせないよ
う , お客様は , 装置の冗長設計 , 延焼対策設計 , 過電流防止対策設計 , 誤動作防止設計などの安全設計をお願いします。
本資料に記載された製品を輸出または提供する場合は , 外国為替及び外国貿易法および米国輸出管理関連法規等の規制をご確認の上 , 必要な手続き
をおとりください。
本書に記載されている社名および製品名などの固有名詞は , 各社の商標または登録商標です。
編集 プロモーション推進部