本ドキュメントはCypress (サイプレス) 製品に関する情報が記載されております。 富士通マイクロエレクトロニクス DATA SHEET DS04–27253–3 ASSP 電源用 スイッチング FET 内蔵 1ch 同期整流降圧型 DC/DC コンバータ IC MB39C014 ■ 概要 MB39C014 は , カレントモード方式スイッチング FET 内蔵 1 ch 同期整流降圧型 DC/DC コンバータ IC です。スイッチン グ FET, 発振器 , 誤差増幅器 , PWM 制御回路 , 基準電圧源 , POWERGOOD 回路を搭載し , 外付け部品はインダクタとデカッ プリングコンデンサのみで構成できます。 外付け部品と組み合わせることで , 小型かつ負荷応答特性の良い DC/DC コンバータが実現できるため , 携帯電話 /PDA などの携帯機器 , DVD ドライブ , HDD などの内蔵電源に最適です。 ■ 特長 ・ 高効率 :最大 96% ・ 出力電流 :最大 800 mA ・ 入力電圧範囲 :2.5 V ∼ 5.5 V ・ 動作周波数 :2.0 MHz ( 標準 ) /3.2 MHz ( 標準 ) ・ フライバックダイオード不要 ・ 低ドロップアウト動作 :100%オンデューティ対応 ・ 高精度基準電圧源内蔵 :1.20 V ± 2% ・ シャットダウンモード時消費電流 :1 µA 以下 ・ スイッチング FET 内蔵 :P-ch MOS 0.3 Ω ( 標準 ) , N-ch MOS 0.2 Ω ( 標準 ) ・ カレントモードのため入力・負荷過渡応答速度が速い ・ 過熱保護機能内蔵 ・ コンパクトなパッケージ :SON10 ■ アプリケーション ・ フラッシュROM 向け ・ MP3 プレーヤ ・ 電子辞書 ・ 監視カメラ ・ ポータブルナビ ・ 携帯電話 など Copyright©2008 FUJITSU MICROELECTRONICS LIMITED All rights reserved 2008.11 MB39C014 ■ 端子配列図 (Top View) VDD OUT MODE VREFIN FSEL 10 9 8 7 6 1 2 3 4 5 LX GND CTL VREF POWERGOOD (LCC-10P-M04) ■ 端子機能説明 2 端子番号 端子記号 I/O 1 LX O インダクタ接続用出力端子です。 シャットダウン時ハイインピーダンス状態になります。 2 GND ⎯ 接地端子です。 3 CTL I コントロール入力端子です。(L:シャットダウン /H:通常動作 ) 4 VREF O 基準電圧出力端子です。 5 POWERGOOD O POWERGOOD 回路出力端子です。 N-ch MOS オープンドレイン回路が接続されています。 6 FSEL I 周波数切換え端子です。 (L (OPEN) :2.0 MHz , H:3.2 MHz) 7 VREFIN I 誤差増幅器 (Error Amp) 非反転入力端子です。 8 MODE I L または , OPEN で使用します。 9 OUT I 出力電圧帰還端子です。 10 VDD ⎯ 機能説明 電源端子です。 DS04–27253–3 MB39C014 ■ 入出力端子等価回路図 VDD VDD ∗ LX VREF ∗ GND GND VDD ∗ ∗ OUT VREFIN ∗ ∗ GND VDD VDD ∗ CTL FSEL ∗ ∗ GND GND VDD POWER GOOD ∗ ∗ MODE GND ∗ GND *:ESD 保護素子 DS04–27253–3 3 MB39C014 ■ ブロックダイヤグラム VIN VDD 10 CTL ON/OFF 3 OUT ×3 9 ERR − Amplifier VDD + 5 POWERGOOD POWER GOOD IOUT Comparator VREF 4 1.20 V VREF PWM LX Logic VREFIN VOUT 1 Control 7 DAC MODE GND 8 6 2 FSEL 4 GND DS04–27253–3 MB39C014 ・カレントモードについて ・ 従来の電圧モード方式: 下記両者を比較しオンデューティを制御することで出力電圧を安定させます。 - 出力電圧を Error Amp にて負帰還した電圧 (VC) - 基準の三角波 (VTRI) ・ カレントモード方式: 三角波 (VTRI) の代わりに , 発振器 ( 矩形波発生回路 ) と SW FET の両方に流れ込む電流の和を I-V 変換した電圧 (VIDET) を利用します。 下記両者を比較しオンデューティを制御することで出力電圧を安定させます。 - 出力電圧を Error Amp にて負帰還した電圧 (VC) - 発振器 ( 矩形波発生回路 ) と SW FET の両方に流れ込む電流の和を I-V 変換した電圧 (VIDET) 電圧モード方式モデル カレントモード方式モデル VIN VIN 発振器 Vc S Vc R VTRI VIDET Vc Q SR-FF VIDET VTRI Vc ton toff toff ton (注意事項)上記モデルは動作原理を示すものであり , 実際の IC の動作と若干異なります。 DS04–27253–3 5 MB39C014 ■ 各ブロックの機能 ・PWM Logic Control 回路 内蔵の発振器 ( 方形波発振回路 ) から発振した周波数 (2.0 MHz/3.2 MHz) に従い同期整流動作するように内蔵の P-ch, N-ch MOS FET を制御します。 ・IOUT Comparator 回路 内蔵の P-ch MOS FET から外部インダクタへ流れる電流 (ILX) を検出します。 ILX のピーク電流 IPK を I-V 変換した VIDET と , Error Amp の出力を比較して , PWM Logic Control 回路を通じて内蔵 P-ch MOS FET を OFF させます。 ・誤差増幅器 (Error Amp) 位相補償回路 VREF などの基準電圧と出力電圧を比較します。本 IC は位相補償回路を内蔵しており , 最適に動作できるよう調整され ています。よって位相補償回路を検討する必要はなく , 位相補償のための外付け部品も必要ありません。 ・VREF 回路 高精度な基準電圧を BGR ( バンドギャップリファレンス ) 回路により生成します。出力電圧は 1.20 V ( 標準 ) です。 ・POWERGOOD 回路 OUT 端子電圧を監視します。POWERGOOD 端子はオープンドレイン出力です。通常 , 外部抵抗でプルアップして使用し てください。 CTL が H レベルの時 , POWERGOOD 端子は H レベルとなりますが , 過電流などで出力電圧が低下すると , POWERGOOD 端子は L レベルになります。 タイミングチャート例:(POWERGOOD 端子は VIN へプルアップ ) VIN VUVLO CTL VOUT×97% VOUT POWERGOOD (VIN へプルアップ ) tDLYPG 以下 tDLYPG tDLYPG VUVLO:UVLO スレッショルド電圧 tDLYPG:POWERGOOD ディレイ時間 ・保護回路 MB39C014 は , 保護回路として過熱保護回路を内蔵しています。 過熱保護回路は接合部温度が+ 135 °C に達するとスイッチング FET を N-ch, P-ch ともに OFF します。 また , 接合部温度が+ 110 °C まで下がるとスイッチング FET を通常動作に復帰させます。 PWM 制御回路は , その制御方式がカレントモード方式のため , 電流のピーク値も随時監視・制御しています。 6 DS04–27253–3 MB39C014 ・機能表 Input Output MODE スイッチング 周波数 CTL FSEL OUT 端子電圧 VREF POWERGOOD シャットダウン モード ⎯ L * 出力停止 出力停止 機能停止 2.0 MHz H L 3.2 MHz H H VOUT 電圧出力 1.2 V 動作 動作モード *:不定 DS04–27253–3 7 MB39C014 ■ 絶対最大定格 項目 記号 条件 定格値 単位 最小 最大 VDD 端子 − 0.3 + 6.0 OUT 端子 − 0.3 VDD + 0.3 CTL, MODE, FSEL 端子 − 0.3 VDD + 0.3 電源電圧 VDD 信号入力電圧 VISIG VREFIN 端子 − 0.3 VDD + 0.3 POWERGOOD プルアップ電圧 VIPG POWERGOOD 端子 − 0.3 + 6.0 V LX 電圧 VLX LX 端子 − 0.3 VDD + 0.3 V LX ピーク電流 IPK ILX ⎯ 1.8 A ⎯ 2632*1, *2, *3 ⎯ 980*1, *2, *4 ⎯ 1053 *1, *2, *3 ⎯ 392*1, *2, *4 Ta ≦+ 25 °C 許容損失 PD Ta =+ 85 °C 動作周囲温度 保存温度 V V mW mW Ta ⎯ − 40 + 85 °C TSTG ⎯ − 55 + 125 °C * 1:Ta =+ 25 °C ∼+ 85 °C 間の許容損失はこの間を結ぶ傾斜を持つ値 * 2:11.7 cm × 8.4 cm の 4 層エポキシ基板に実装時 * 3:露出パッド接続あり , サーマルビア接続あり ( サーマルビア数= 4 個 ) * 4:露出パッド接続あり , サーマルビア接続なし (注意事項)• GND 端子に対して− 0.3 V 以下の負電圧を印加した場合 , LSI の寄生トランジスタが動作し誤動作を起こす ことがあります。 • LX 端子を VDD あるいは GND にショートすると破壊することがあります。 • FSEL 端子は極力本 IC の GND 電位を下回らないように配慮ください。本端子から 110 mA 以上の電流が流 れ出すような状況になりますと , 誤動作だけにとどまらず最悪ラッチアップによる破壊に到ります。 <注意事項> 絶対最大定格を超えるストレス ( 電圧 , 電流 , 温度など ) の印加は , 半導体デバイスを破壊する可能性があ ります。したがって , 定格を一項目でも超えることのないようご注意ください。 8 DS04–27253–3 MB39C014 ■ 推奨動作条件 項目 記号 条件 VDD 規格値 単位 最小 標準 最大 ⎯ 2.5 3.7 5.5 V VREFIN ⎯ 0.15 ⎯ 1.20 V CTL 電圧 VCTL ⎯ 0 ⎯ 5.0 V LX 電流 ILX ⎯ ⎯ ⎯ 800 mA POWERGOOD 電流 IPG ⎯ ⎯ ⎯ 1 mA 2.5 V ≦ VDD < 3.0 V ⎯ ⎯ 0.5 3.0 V ≦ VDD ≦ 5.5 V ⎯ ⎯ 1 2.0 MHz (FSEL = L) ⎯ 2.2 ⎯ 3.2 MHz (FSEL = H) ⎯ 1.5 ⎯ 電源電圧 VREFIN 電圧 VREF 出力電流 インダクタ値 IROUT L mA µH (注意事項)電源電圧 (VIN) , DC/DC コンバータ出力電圧 (VOUT) の電圧差が小さい使用条件にて , 出力可能電流が低下する 場合があります。これはスロープ補償の影響によるもので , 本デバイスが破壊に至るものではありません。 <注意事項> 推奨動作条件は , 半導体デバイスの正常な動作を保証する条件です。電気的特性の規格値は , すべてこの条 件の範囲内で保証されます。常に推奨動作条件下で使用してください。この条件を超えて使用すると , 信頼 性に悪影響を及ぼすことがあります。 データシートに記載されていない項目 , 使用条件 , 論理の組合せでの使用は , 保証していません。記載され ている以外の条件での使用をお考えの場合は , 必ず事前に営業部門までご相談ください。 DS04–27253–3 9 MB39C014 ■ 電気的特性 (Ta =+ 25 °C, VDD = 3.7 V, VOUT 設定値= 2.5 V, MODE = 0 V) 項目 記号 測定 端子 IREFINM 入力電流 IREFINL 7 IREFINH 規格値 単位 最小 標準 最大 VREFIN = 0.833 V − 100 0 + 100 nA VREFIN = 0.15 V − 100 0 + 100 nA VREFIN = 1.20 V − 100 0 + 100 nA 2.45 2.50 2.55 V 出力電圧 VOUT VREFIN = 0.833 V OUT =− 100 mA 入力安定度 LINE 2.5 V ≦ VDD ≦ 5.5 V * 1 ⎯ 10 ⎯ mV 負荷安定度 LOAD − 100 mA ≧ OUT ≧− 800 mA ⎯ 10 ⎯ mV OUT = 2.0 V 0.6 1.0 1.5 MΩ 出力 GND ショート時 0.9 1.2 1.7 A FSEL = 0 V 1.6 2.0 2.4 MHz FSEL = 3.7 V 2.56 3.20 3.84 MHz ⎯ 45 80 µs − 40 * − 20 * 0* mV LX =− 100 mA ⎯ 0.30 0.47 Ω LX =− 100 mA ⎯ 0.20 0.36 Ω OUT 端子 入力インピーダ ンス LX ピーク電流 DC/DC コンバータ 発振周波数 部 IPK fOSC1 1 fOSC2 tPG SW NMOS-FET OFF 電圧 VNOFF SW PMOS-FET ON 抵抗 RONP SW NMOS-FET ON 抵抗 RONN 3, 9 C1 = 4.7 µF, OUT = 0 A, 90% VOUT 設定 ⎯ 1 ILEAKM 0 ≦ LX ≦ VDD * 2 − 1.0 − + 8.0 µA ILEAKH VDD = 5.5 V 0 ≦ LX ≦ VDD * 2 − 2.0 − + 16.0 µA + 120 * + 135 * + 155 * °C + 95 * °C 過熱保護 ( ジャンクショ ン温度 ) TOTPH UVLO スレッショルド 電圧 VTHH UVLO ヒステリシス幅 9 ROUT 立ち上がり遅延 時間 LX リーク電流 保護回路部 条件 TOTPL VTHL VHYS ⎯ ⎯ ⎯ 10 ⎯ + 110 * + 130 * 2.07 2.20 2.33 V 1.92 2.05 2.18 V 0.08 0.15 0.25 V *:設計標準値 (続く) 10 DS04–27253–3 MB39C014 (続き) (Ta =+ 25 °C, VDD = 3.7 V, VOUT 設定値= 2.5 V, MODE = 0 V) 項目 POWERGOOD スレッショルド 電圧 POWERGOOD 部 POWERGOOD ディレイ時間 全回路部 条件 規格値 単位 最小 標準 最大 VREFIN VREFIN VREFIN ×3 × 0.93 ×3 × 0.97 ×3 × 0.99 V VTHPG *3 tDLYPG1 FSEL = 0 V ⎯ 250 ⎯ µs FSEL = 3.7 V ⎯ 170 ⎯ µs tDLYPG2 5 VOL POWERGOOD = 250 µA ⎯ ⎯ 0.1 V POWERGOOD 出力電流 IOH POWERGOOD = 5.5 V ⎯ ⎯ 1.0 µA ⎯ 0.55 0.95 1.45 V ⎯ 0.40 0.80 1.30 V ⎯ ⎯ 1.0 µA ⎯ 2.96 ⎯ ⎯ V ⎯ ⎯ ⎯ 0.74 V VREF =− 2.7 µA OUT =− 100 mA 1.176 1.200 1.224 V VREF =− 1.0 mA ⎯ ⎯ 20 mV CTL 端子入力 電流 FSEL スレッショルド 電圧 基準電圧部 測定 端子 POWERGOOD 出力電圧 CTL スレッショルド 電圧 制御部 記号 VREF 電圧 VTHHCT VTHLCT 3 IICTL CTL = 3.7 V VTHHFS VTHLFS VREF 6 4 VREF 負荷安定度 LOADREF シャットダウン時 電源電流 IVDD1 CTL = 0 V, 全回路 OFF 状態 ⎯ ⎯ 1.0 µA IVDD1H CTL = 0 V, VDD = 5.5 V ⎯ ⎯ 1.0 µA CTL = 3.7 V, OUT = 0 A, FSEL = 0 V ⎯ 4.0 8.0 mA CTL = 3.7 V, VOUT = 90% *4 ⎯ 800 1500 µA スタンバイ時 電源電流 (DC/DC) IVDD2 動作時無効 電流 IVDD 10 * 1:VDD の下限値は 2.5 V または VOUT 設定値+ 0.6 V の高い方の値 * 2:LX 端子の+側リークは内部回路の電流を含む。 * 3:VREFIN による出力電圧設定値に対する検出 * 4:100% オンデューティ ( メイン側 FET フルオン ) 状態での消費電流。フルオン状態 ( スイッチング動作は行ってい ない ) のためスイッチング FET ゲートドライブ電流は含まれない。 また , 負荷電流も同様に含まない。 DS04–27253–3 11 MB39C014 ■ 標準動作特性測定回路図 VDD MB39C014 VDD SW 3 CTL VIN VDD 10 C2 R5 SW L1 8 MODE 4 SW VREF LX 1 OUT 9 VOUT IOUT C1 R1 R3-1 6 FSEL 7 VREFIN R3-2 POWER GOOD 5 GND 2 GND R4 C6 出力電圧= VREFIN × 2.97 倍 COMPONENT SPECIFICATION VENDOR R1 1 MΩ KOA RK73G1JTTD D 1 MΩ R3-1 R3-2 7.5 kΩ 120 kΩ SSM SSM RR0816-752-D RR0816-124-D R4 300 kΩ SSM RR0816-304-D R5 1 MΩ KOA RK73G1JTTD D 1 MΩ C1 4.7 µF TDK C2012JB1A475K C2 4.7 µF TDK C2012JB1A475K C6 0.1 µF TDK C1608JB1H104K スロースタート時間調整用 2.2 µH TDK VLF4012AT-2R2M 2.0 MHz 動作時 1.5 µH TDK VLF4012AT-1R5M 3.2 MHz 動作時 L1 PARTS 備考 VOUT = 2.5 V 設定時 (注意事項)上記は推奨部品です。これらは当社で正常に動作することを確認した部品です。 TDK :TDK 株式会社 SSM :進工業株式会社 KOA :KOA 株式会社 12 DS04–27253–3 MB39C014 ■ アプリケーションノート [1] 部品の選定 ・外部インダクタの選択 基本的にインダクタの設計は不要です。本 IC は 2.2 µH (2.0 MHz 動作時 ) /1.5 µH (3.2 MHz 動作時 ) のインダクタを用い て効率よく動作するように設計されています。 インダクタの飽和電流定格は使用条件下でのLXピーク電流値より大きくしDC抵抗は極力低いものを選んでください。 (100 mΩ 以下を推奨 ) LX ピーク電流値 IPK は次式より求められます。 IPK = IOUT + L VIN − VOUT L D × fosc 1 × 2 = IOUT + (VIN − VOUT) × VOUT 2 × L × fosc × VIN :外部インダクタ値 IOUT :負荷電流 VIN :電源電圧 VOUT :出力設定電圧 D :スイッチングのオンデューティ ( = VOUT / VIN) fosc :スイッチング周波数 (2.0 MHz または 3.2 MHz) 例:VIN = 3.7 V, VOUT = 2.5 V, IOUT = 0.8 A, L = 2.2 µH, fosc = 2.0 MHz 時 ピーク電流最大値 IPK は IPK = IOUT + (VIN − VOUT) × VOUT 2 × L × fosc × VIN = 0.8 A + (3.7 V − 2.5 V) × 2.5 V 2 × 2.2 µH × 2 MHz × 3.7 V ≒ 0.89 A ・入出力コンデンサ選択 ・VDD の入力コンデンサに対してはリップル電流による損失を抑えるため , 特に等価直列抵抗 (ESR) の低いものを選ん でください。 ・出力コンデンサにも等価直列抵抗 (ESR) の低いものを選んでください。出力コンデンサにはインダクタ電流の変動分 のリップル電流が流れ , この変動分と ESR の積によるリップル電圧が出力に発生します。 出力コンデンサ値は DC/DC コンバータとしての動作安定性に大きな影響を与えます。基本的には 4.7 µF 程度のものを推奨しますが , リップル電 圧が問題になる場合はコンデンサ値の大きいものを採用することで対策可能です。また , 入出力電圧差が 0.6 V 以内の 場合 , 出力コンデンサ値は 10 µF を推奨します。 ・コンデンサの種類について 入力出力いずれもセラミックコンデンサを使用することは ESR の減少 , 小型化に対し有効です。しかし , 電源回路 は発熱源でもありますので温度特性が F 特性 ( − 80% ∼+ 20%) のものは使用を避けてください。 B 特性 ( ± 10% ∼ ± 20%) 程度のものを推奨します。 通常の電解コンデンサは ESR が高いため使用を避けてください。 タンタルコンデンサは ESR の低減には効果がありますが故障時にショートモードになるという欠点があり大変 危険です。タンタルコンデンサを使用する場合はヒューズ入りのものを使用されることを推奨します。 DS04–27253–3 13 MB39C014 [2] 出力電圧設定 VREFIN に与える電圧は外部電源から供給する 本 IC の出力電圧 VOUT は , VREFIN に与えられた電圧で決定されます。 か , VREF 出力を抵抗分圧して設定してください。 VREF の抵抗分圧により VREFIN 電圧を設定した場合の出力電圧は , 下記式で表されます。 R4 VOUT = 2.97 × VREFIN, VREFIN = R3 + R4 × VREF (VREF = 1.20 V) MB39C014 VREF 4 VREF R3 7 VREFIN VREFIN R4 (注意事項)回路構成例については■応用回路例を参照ください。 抵抗比により出力電圧が決定しますが , 抵抗に流れる電流が VREF 電流の定格 (1 mA) を越えないように抵抗値を選定 してください。 [3] 変換効率について 変換効率は , DC/DC コンバータ回路の損失を減らすことで改善できます。 DC/DC コンバータの全損失 (PLOSS) は大まかに下記の様に分類されます。 PLOSS = PCONT + PSW + PC PCONT :制御系回路損失 ( 本 IC が動作するために使用される電力。内部スイッチング FET のゲート駆動電力を含み ます ) PSW :スイッチング損失 ( 本 IC 内蔵のスイッチング FET がスイッチングする際の損失 ) PC :導通損失 ( 本 IC 内蔵のスイッチング FET や外部回路に電流が流れる際の損失 ) 本 IC の制御回路損失 (PCONT) は非常に小さく数十 mW ( 無負荷時 ) に過ぎません。 更に高速にしかも省電力でスイッチングすることが可能な FET を内蔵していますので , 高負荷時の損失では制御回路損 失 (PCONT) やスイッチング損失 (PSW) よりも導通損失 (PC) が支配的となります。 導通損失 (PC) は更に内蔵スイッチング FET のオン抵抗によるもの , 外部インダクタの直列抵抗によるものに大別され ます。 PC = IOUT2 × (RDC + D × RONP + (1 − D) × RONN) D RONP RONN RDC IOUT :スイッチングのオンデューティ ( = VOUT/VIN) :内蔵 P-ch スイッチング FET のオン抵抗 :内蔵 N-ch スイッチング FET のオン抵抗 :外部インダクタの直列抵抗 :負荷電流 この式より部品選定での効率改善には RDC を極力下げる検討が重要です。 14 DS04–27253–3 MB39C014 [4] 許容損失・熱検討 本 IC は高効率のためほとんどの場合検討は不要ですが , 低電源電圧 , 高負荷 , 高出力電圧 , 高温での使用では検討の必 要があります。 内部損失 (P) は概ね下記式で表されます。 P = IOUT2 × (D × RONP + (1 − D) × RONN) D RONP RONN IOUT :スイッチングのオンデューティ ( = VOUT/VIN) :内蔵 P-ch スイッチング FET のオン抵抗 :内蔵 N-ch スイッチング FET のオン抵抗 :出力電流 上記式は主に導通損失を示したものです。内部損失には他にもスイッチング損失や制御回路の損失が含まれますが , こ れらは導通損失に対し微小なものであるため問題にはなりません。 本 IC では RONP > RONN であるため特にオンデューティが大きいほど損失が大きくなります。 仮に VIN = 3.7 V, Ta =+ 70 °C 時では MOS FET ON 抵抗 - 動作周囲温度特性のグラフより RONP = 0.42 Ω, RONN = 0.36 Ω となります。VOUT = 2.5 V, IOUT = 0.6 A 時 IC 内部での損失は P = 144 mW となります。許容損失−動作周囲温度特 性グラフから動作周囲温度 Ta が+ 70 °C の際の許容損失は 539 mW であり , 内部損失は許容損失よりも低い値です。 [5] 過渡応答 通常 VIN, VOUT を一定のまま IOUT を急変させ , 応答時間 , オーバーシュート , アンダーシュート電圧などの応答性を確認 します。本 IC は Error Amp を最適化した上で内蔵していますので良好な過渡応答特性を示しますが使用条件により負荷急 変時のリンギングが大きい場合はコンデンサ C6 ( 例:0.1 µF) を追加してください ( このコンデンサ C6 により起動時間が 変化しますので , 合わせて起動波形も確認してください ) 。DAC 入力時は不要です。 MB39C014 VREF 4 VREF R3 7 VREFIN VREFIN C6 R4 DS04–27253–3 15 MB39C014 [6] ボードレイアウト・設計例 本 IC を安定して動作させるためにはボードレイアウトの工夫が必要になります。 下記点に注意しレイアウト設計を行ってください。 ・ 入力コンデンサ (Cin) は極力 VDD, GND 両端子に近づくように配置してください。他の基板層で電源 , GND プレーンの ある場合このコンデンサ端子直近に TH ( スルーホール ) を設置してください。 ・ 入力コンデンサ (Cin) , 出力コンデンサ (Co) , 外部インダクタ (L) , 本 IC 間は大きな AC 電流が流れます。これらの部品 はできるだけ IC の直近に配置し , これらの部品で構成されるループ面積をできる限り減らすよう配慮してください。 さらに , 極力これらの部品は同一面に実装し TH を使用することなく配線し , これらのネットは極力太く短く真直ぐに 配線してください ( プレーンでレイアウトするのを推奨します ) 。 ・ OUT へのフィードバック配線は出力コンデンサ (Co) の電圧出力側端子直近から配線してください。また OUT 端子は高 感度のため本 IC の LX 端子の配線から極力離して配線ください。 ・ 抵抗分割などによる VREFIN の電圧印加の場合 , VREFIN の配線が極力短くなるよう , 抵抗などを配置してください。 VREFIN 抵抗の GND 端子は IC の GND 端子に近くなるよう , かつ , 制御系の GND を設けるなどして電流の流れない パスで接続するよう配慮してください。 VREFIN 用にバイパスコンデンサを設置する場合は VREFIN 端子直近に配置し てください。 ・ IC 搭載面は極力 GND プレーンを設けてください。SON10 パッケージ品では効果的に放熱するため , サーマルパッドの フットプリント部分にサーマルビアを設けることを推奨いたします。 ・IC SW 系部品配置例 1 Pin Co Vo GND VIN Cin L フィードバック 線 ・回路設計上の注意事項 ・ 本 IC はスイッチング動作上ピーク電流を監視し制御しているため , 短絡保護としても動作しますが , 長時間出力を短 絡するような状態は避けてください。特に VIN < 2.9 V にて出力を短絡した場合 , 電流リミット値 ( インダクタのピー ク電流 ) が上昇する傾向があります。 このまま短絡状態が続きますと本 IC 温度が上昇を続け温度保護が働きます。しか し温度保護による出力停止によって IC 温度が低下すると再び出力が開始され , 出力開始 , 停止を繰り返します。 本現象により IC が破壊に至ることはありませんが , 長時間続きますと本 IC 周辺に発熱による影響を及ぼす可能性が ありますので注意してください。 16 DS04–27253–3 MB39C014 ■ 標準動作特性例 ( 下記特性例は “■ 標準動作特性測定回路図 ” で接続した場合の特性例です。 ) 変換効率−負荷電流特性 (2.0 MHz) 変換効率−負荷電流特性 (2.0 MHz) 100 100 VIN = 3.7 V 90 80 70 VIN = 4.2 V 60 50 VIN = 5.0 V 40 30 Ta = +25 °C VOUT = 2.5 V FSEL = L 10 VIN = 4.2 V 60 50 VIN = 5.0 V 40 1 10 100 Ta = +25 °C VOUT = 1.2 V FSEL = L 20 10 0 1000 1 10 100 負荷電流 IOUT (mA) 負荷電流 IOUT (mA) 変換効率−負荷電流特性 (2.0 MHz) 変換効率−負荷電流特性 (2.0 MHz) 1000 100 100 90 VIN = 3.7 V 90 VIN = 3.7 V 80 80 VIN = 3.0 V VIN = 4.2 V 70 60 VIN = 5.0 V 50 40 変換効率 η (%) 変換効率 η (%) VIN = 3.0 V 70 30 20 0 VIN = 3.7 V 80 変換効率 η (%) 変換効率 η (%) 90 VIN = 3.0 V VIN = 4.2 V 70 60 50 VIN = 5.0 V 40 30 30 Ta = +25 °C VOUT = 1.8 V FSEL = L 20 10 Ta = +25 °C VOUT = 3.3 V FSEL = L 20 10 0 0 1 10 100 負荷電流 IOUT (mA) 1000 1 10 100 1000 負荷電流 IOUT (mA) (続く) DS04–27253–3 17 MB39C014 変換効率−負荷電流特性 (3.2 MHz) 変換効率−負荷電流特性 (3.2 MHz) 100 100 VIN = 3.7 V 90 70 VIN = 4.2 V 60 VIN = 5.0 V 50 40 70 VIN = 3.0 V 60 VIN = 4.2 V 50 VIN = 5.0 V 40 30 30 Ta = +25 °C VOUT = 2.5 V FSEL = H 20 10 20 Ta = +25 °C VOUT = 1.2 V FSEL = H 10 0 0 1 10 100 1000 1 10 100 1000 負荷電流 IOUT (mA) 負荷電流 IOUT (mA) 変換効率−負荷電流特性 (3.2 MHz) 変換効率−負荷電流特性 (3.2 MHz) 100 100 90 VIN = 3.7 V 90 VIN = 3.7 V 80 80 VIN = 3.0 V 70 変換効率 η (%) 変換効率 η (%) VIN = 3.7 V 80 VIN = 3.0 V 変換効率 η (%) 変換効率 η (%) 80 90 VIN = 4.2 V 60 VIN = 5.0 V 50 40 VIN = 4.2 V 70 60 50 VIN = 5.0 V 40 30 30 Ta = +25 °C VOUT = 1.8 V FSEL = H 20 10 10 0 0 1 10 100 負荷電流 IOUT (mA) Ta = +25 °C VOUT = 3.3 V FSEL = H 20 1000 1 10 100 1000 負荷電流 IOUT (mA) (続く) 18 DS04–27253–3 MB39C014 出力電圧−入力電圧特性 (3.2 MHz) 出力電圧−入力電圧特性 (2.0 MHz) 2.60 2.60 Ta =+ 25 °C VOUT = 2.5 V 設定 FSEL = L 2.58 2.56 2.54 出力電圧 VOUT (V) 出力電圧 VOUT (V) 2.56 IOUT = 0 A 2.52 2.50 2.48 2.46 2.44 2.54 IOUT = 0 A 2.52 2.50 2.48 2.46 2.44 2.42 IOUT = 100 mA 2.42 IOUT = 100 mA 2.40 2.40 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 2.0 3.0 4.0 5.0 入力電圧 VIN (V) 入力電圧 VIN (V) 出力電圧−負荷電流特性 (2.0 MHz) 出力電圧−負荷電流特性 (3.2 MHz) 2.60 6.0 2.60 Ta =+ 25 °C VIN = 3.7 V VOUT = 2.5 V 設定 FSEL = L 2.56 2.54 Ta =+ 25 °C VIN = 3.7 V VOUT = 2.5 V 設定 FSEL = H 2.58 2.56 出力電圧 VOUT (V) 2.58 出力電圧 VOUT (V) Ta =+ 25 °C VOUT = 2.5 V 設定 FSEL = H 2.58 2.52 2.50 2.48 2.46 2.54 2.52 2.50 2.48 2.46 2.44 2.44 2.42 2.42 2.40 2.40 0 200 400 600 負荷電流 IOUT (mA) 800 0 200 400 600 800 負荷電流 IOUT (mA) (続く) DS04–27253–3 19 MB39C014 基準電圧−動作周囲温度特性 基準電圧−入力電圧特性 1.3 1.3 Ta = +25 °C VOUT = 2.5 V 1.28 1.26 基準電圧 VREF (V) 基準電圧 VREF (V) 1.26 1.24 1.22 1.2 1.18 1.16 1.24 1.22 1.2 1.18 1.16 1.14 1.14 1.12 1.12 1.1 1.1 2 3 4 5 6 −50 0 +50 入力電圧 VIN (V) 動作周囲温度 Ta ( °C) 入力電流−入力電圧特性 入力電流−動作周囲温度特性 10 10 9 9 8 8 入力電流 IIN (mA) 入力電流 IIN (mA) VIN = 3.7 V VOUT = 2.5 V 1.28 7 6 5 4 3 Ta = +25 °C VOUT = 2.5 V 2 +100 7 6 5 4 3 VIN = 3.7 V VOUT = 2.5 V 2 1 1 0 0 2.0 3.0 4.0 入力電圧 VIN (V) 5.0 6.0 −50 0 +50 +100 動作周囲温度 Ta ( °C) (続く) 20 DS04–27253–3 MB39C014 発振周波数−入力電圧特性 (3.2 MHz) 発振周波数−入力電圧特性 (2.0 MHz) 2.4 3.6 発振周波数 fOSC2 (MHz) 発振周波数 fOSC1 (MHz) 2.3 2.2 2.1 2.0 1.9 Ta = +25 °C VOUT = 2.5 V IOUT = 200 mA FSEL = L 1.8 1.7 3.2 3.0 2.8 Ta = +25 °C VOUT = 2.5 V IOUT = 200 mA FSEL = H 2.6 1.6 2.4 2.0 3.0 4.0 5.0 2.0 6.0 3.0 4.0 5.0 入力電圧 VIN (V) 入力電圧 VIN (V) 発振周波数−動作周囲温度特性 (2.0 MHz) 発振周波数−動作周囲温度特性 (3.2 MHz) 2.4 6.0 3.6 2.2 発振周波数 fOSC2 (MHz) VIN = 3.7 V VOUT = 2.5 V IOUT = 200 mA FSEL = L 2.3 発振周波数 fOSC1 (MHz) 3.4 2.1 2.0 1.9 1.8 VIN = 3.7 V VOUT = 2.5 V IOUT = 200 mA FSEL = H 3.4 3.2 3.0 2.8 2.6 1.7 1.6 2.4 −50 0 +50 動作周囲温度 Ta ( °C) +100 −50 0 +50 +100 動作周囲温度 Ta ( °C) (続く) DS04–27253–3 21 MB39C014 P-ch MOS FET ON 抵抗−動作周囲温度特性 MOS FET ON 抵抗−入力電圧特性 0.6 P-ch MOS FET ON 抵抗 RONP (Ω) MOS FET ON 抵抗 RON (Ω) 0.6 0.5 P-ch 0.4 0.3 0.2 N-ch 0.1 VIN = 3.7 V 0.5 0.4 0.3 VIN = 5.5 V 0.2 0.1 Ta = +25 °C 0.0 0.0 3.0 4.0 5.0 −50 6.0 0 +50 +100 入力電圧 VIN (V) 動作周囲温度 Ta ( °C) N-ch MOS FET ON 抵抗−動作周囲温度特性 CTL スレッショルド電圧−入力電圧特性 1.4 0.6 CTL スレッショルド電圧 Vth (V) N-ch MOS FET ON 抵抗 RONN (Ω) 2.0 0.5 VIN = 3.7 V 0.4 0.3 0.2 VIN = 5.5 V 0.1 VTHHCT 1.2 VTHLCT 1.0 0.8 Ta = +25 °C VOUT = 2.5 V 0.6 0.4 VTHHCT:回路 OFF → ON VTHLCT:回路 ON → OFF 0.2 0.0 0.0 −50 0 +50 動作周囲温度 Ta ( °C) +100 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 入力電圧 VIN (V) (続く) 22 DS04–27253–3 MB39C014 (続き) 許容損失−動作周囲温度特性 ( サーマルビアなし ) 許容損失−動作周囲温度特性 ( サーマルビアあり ) 3000 3000 2632 2500 許容損失 PD (mW) 許容損失 PD (mW) 2500 2000 1500 1053 2000 1500 980 1000 1000 500 500 0 −50 0 +50 +85 +100 動作周囲温度 Ta ( °C) DS04–27253–3 392 0 −50 0 +50 +85 +100 動作周囲温度 Ta ( °C) 23 MB39C014 ・ スイッチング波形 VOUT : 20 mV/div VLX : 2.0 V/div Ta = +25 °C VIN = 3.7 V VOUT = 2.5 V IOUT = 800 mA ILX : 500 mA/div 1 µs/div 24 DS04–27253–3 MB39C014 ・ 起動時波形 VCTL : 5.0 V/div ILX : 500 mA/div Ta = +25 °C VIN = 3.7 V VOUT = 2.5 V IOUT = 0 A VOUT : 1.0 V/div VREFIN コンデンサ= 0.1 µF 10 ms/div VCTL : 2.0 V/div ILX : 500 mA/div Ta = +25 °C VIN = 3.7 V VOUT = 2.5 V IOUT = 0 A VOUT : 1.0 V/div 20 µs/div DS04–27253–3 VREFIN コンデンサ なし 25 MB39C014 ・負荷急変特性 (0 mA ↔ 800 mA) IOUT = 0 mA IOUT = 800 mA IOUT = 0 mA VOUT : 100 mV/div Ta = +25 °C VIN = 3.7 V VOUT = 2.5 V 10 µs/div VREFIN コンデンサ= 0.1 µF ・負荷急変特性 (100 mA ↔ 800 mA) IOUT = 100 mA IOUT = 800 mA IOUT = 100 mA VOUT : 100 mV/div Ta = +25°C VIN = 3.7 V VOUT = 2.5 V 10 µs/div 26 VREFIN コンデンサ= 0.1 µF DS04–27253–3 MB39C014 ■ 応用回路例 ・応用回路例 1 ・ 基準電圧外部入力 (VREFIN) に外部電圧を入力し , VOUT 設定利得 2.97 倍で VOUT 電圧を設定 C2 4.7 µF 10 VIN VDD CPU 3 CTL LX VOUT 1 R5 1 MΩ L1 2.2 µH OUT C1 4.7 µF 9 8 MODE POWER GOOD L (OPEN) = 2.0 MHz H = 3.2 MHz APLI 5 6 FSEL 4 VREF VOUT = 2.97 × VREFIN 7 VREFIN DAC GND 2 ・応用回路例 2 ・ VREF 端子電圧を基準電圧外部入力 (VREFIN) へ抵抗分圧で入力し , VOUT 電圧を 2.5 V に設定 C2 4.7 µF 10 VDD 3 CTL CPU LX VOUT 1 R5 1 MΩ L1 2.2 µH OUT 9 POWER GOOD 5 VIN C1 4.7 µF 8 MODE L (OPEN) = 2.0 MHz H = 3.2 MHz R3 127.5 kΩ (120 kΩ + 7.5 kΩ) R4 300 kΩ DS04–27253–3 APLI 6 FSEL 4 VREF 7 VREFIN GND 2 VOUT = 2.97 × VREFIN VREFIN = R4 × VREF R3 + R4 (VREF = 1.20 V) 300 kΩ VOUT = 2.97 × × 1.20 V = 2.5 V 127.5 kΩ + 300 kΩ 27 MB39C014 ・応用回路例 部品表 部品番号 品名 L1 インダクタ C1 型格 仕様 パッケージ メーカ VLF4012AT-2R2M 2.2 µH, RDC = 76 mΩ SMD TDK MIPW3226D2R2M 2.2 µH, RDC = 100 mΩ SMD FDK セラミックコンデンサ C2012JB1A475K 4.7 µF (10 V) 2012 TDK C2 セラミックコンデンサ C2012JB1A475K 4.7 µF (10 V) 2012 TDK R3 抵抗 RK73G1JTTD D 7.5 kΩ RK73G1JTTD D 120 kΩ 7.5 kΩ 120 kΩ 1608 1608 KOA KOA R4 抵抗 RK73G1JTTD D 300 kΩ 300 kΩ 1608 KOA R5 抵抗 RK73G1JTTD D 1 MΩ 1 MΩ ± 0.5% 1608 KOA TDK:TDK 株式会社 FDK:FDK 株式会社 KOA:KOA 株式会社 28 DS04–27253–3 MB39C014 ■ 使用上の注意 1. 最大定格以上の条件に設定しないでください。 最大定格を超えて使用した場合 , LSI の永久破壊となることがあります。 また , 通常動作では , 推奨動作条件下で使用することが望ましく , この条件を超えて使用すると LSI の信頼性に悪影響 をおよぼすことがあります。 2. 推奨動作条件でご使用ください。 推奨動作条件は , LSI の正常な動作を保証する推奨値です。 電気的特性の規格値は , 推奨動作条件範囲内および各項目条件欄の条件下において保証されます。 3. プリント基板のアースラインは , 共通インピーダンスを考慮し設計してください。 4. 静電気対策を行ってください。 ・ 半導体を入れる容器は , 静電気対策を施した容器か , 導電性の容器をご使用ください。 ・ 実装後のプリント基板を保管・運搬する場合は , 導電性の袋か , 容器に収納してください。 ・ 作業台 , 工具 , 測定機器は , アースを取ってください。 ・ 作業する人は , 人体とアースの間に 250 kΩ ∼ 1 MΩ の抵抗を直列に入れたアースをしてください。 5. 負電圧を印加しないで下さい。 − 0.3 V 以下の負電圧を印加した場合 , LSI の寄生トランジスタが動作し誤動作を起こすことがあります。 ■ オーダ型格 型格 MB39C014PN - ❏❏❏E1 パッケージ 備考 プラスチック・SON, 10 ピン (LCC-10P-M04) 鉛フリー品 ■ RoHS 指令に対応した品質管理 ( 鉛フリーの場合 ) 富士通マイクロエレクトロニクスの LSI 製品は , RoHS 指令に対応し , 鉛・カドミウム・水銀・六価クロムと , 特定臭素 系難燃剤 PBB と PBDE の基準を遵守しています。この基準に適合している製品は , 型格に “E1” を付加して表します。 DS04–27253–3 29 MB39C014 ■ 製品捺印 ( 鉛フリーの場合 ) XXXXX X INDEX 鉛フリー表示 ■ 製品ラベル ( 鉛フリーの場合の例 ) 鉛フリー表示 JEITA 規格 JEDEC 規格 鉛フリー型格は末尾に「E1」あり。 30 DS04–27253–3 MB39C014 ■ 評価ボード仕様 MB39C014 評価ボードは , MB39C014 の効率特性や各種特性評価を容易に行う環境を提供します。 ・ 端子情報 記号 機能説明 VIN 電源端子 標準状態で 3.1 V ∼ 5.5 V* *「標準の出力電圧 (VOUT = 2.5 V) にて VIN < 3.1 V で動作」などの , 入出力電圧差が 0.6 V 以 内となる場合 , 出力コンデンサ (C1) を 10 µF へ変更することを推奨いたします。 VOUT 出力端子 VCTL CTL 端子設定用電源端子 CTL と接続して使用します。 CTL CTL の直接供給端子 CTL = 0 V ∼ 0.80 V (Typ) :シャットダウン CTL = 0.95 V (Typ) ∼ VIN:通常動作 MODE TEST 端子 OPEN または GND VREF 基準電圧出力端子 VREF = 1.20 V (Typ) VREFIN FSEL POWERGOOD 外部基準電圧入力端子 外部から基準電圧を供給する際に , この端子に接続します。 周波数切換え端子 FSEL = 0 V : 2.0 MHz 動作 FSEL = VI N : 3.2 MHz 動作 * *:インダクタを 1.5 µH のものへ変更することを推奨いたします。 POWERGOOD 出力端子。OUT 電圧が出力設定電圧の 97% 以上に達すると , H 出力となります。 PGND 接地端子 電源系 GND は , VOUT 端子隣の PGND 端子に接続してください。 AGND 接地端子 ・ 起動端子処理情報 端子名 条件 機能説明 CTL L :OPEN H:VCTL へ接続 IC の ON/OFF スイッチ L :シャットダウン H:通常動作 FSEL L :OPEN H:VCTL へ接続 動作周波数の設定端子 L :2.0 MHz 動作 H:3.2 MHz 動作 ・ ジャンパ情報 JP 機能説明 JP1 基板のレイアウトパターンにてショート ( 通常ショートで使用 ) JP2 通常ショート (0 Ω) で使用 DS04–27253–3 31 MB39C014 ・ 基本セットアップ確認方法 (1) 基本セットアップ (1) -1 CTL 端子を VCTL 端子へ接続してください。 (1) -2 電源の電源端子を VIN 端子へ , 電源の接地端子を PGND 端子へ接続してください ( 電源電圧設定例:3.7 V) 。 (2) 確認方法 (2) -1 VIN へ電力を投入し , VOUT = 2.5 V (Typ) が出力されていれば , IC は正常に動いています。 32 DS04–27253–3 MB39C014 ・ EV ボード部品配置図 (TopView) CTL JP2 PGND VIN VCTL R5 SW1 C2 CTL VOUT FSEL M1 C1 MODE R3-1 R3-2 VREF R1 AGND Open C6 R4 Short L1 MODE POWER_GOOD MB39C014EVB-06 Rev.1.0 VREFIN FSEL 表面 ( 部品面 ) 1PJ 裏面 ( 半田面 ) DS04–27253–3 33 MB39C014 ・ EV ボードレイアウト (TopView) 34 Top Side(Layer1) Inside GND(Layer2) Inside GND(Layer3) Bottom Side(Layer4) DS04–27253–3 MB39C014 ・接続図 IIN VIN C2 JP2 SW1 10 ∗ IOUT L1 VDD LX 3 CTL VCTL 1 VOUT R5 C1 MB39C014 CTL SW1 JP1 OUT ∗ 9 R1 8 MODE POWER GOOD MODE SW1 ∗ POWER GOOD 5 6 FSEL FSEL 4 VREF VREF PGND R3-1 R3-2 AGND 7 VREFIN VREFIN GND R4 2 C6 * 実装なし ・ 部品表 部品 番号 品名 型格 仕様 パッケージ メーカ M1 IC MB39C014PN ⎯ SON10 FUJITSU L1 インダクタ VLF4012AT-2R2M SMD TDK C1 セラミックコンデンサ C2012JB1A475K 4.7 µF (10V) 2012 TDK C2 セラミックコンデンサ C2012JB1A475K 4.7 µF (10V) 2012 TDK C6 セラミックコンデンサ C1608JB1H104K 0.1 µF (50V) 1608 TDK R1 抵抗 RK73G1JTTD D 1 MΩ 1 MΩ ± 0.5% 1608 KOA R3-1 抵抗 RR0816P-752-D 7.5 kΩ ± 0.5% 1608 SSM R3-2 抵抗 RR0816P-124-D 120 kΩ ± 0.5% 1608 SSM R4 抵抗 RR0816P-304-D 300 kΩ ± 0.5% 1608 SSM R5 抵抗 RK73G1JTTD D 1 MΩ 1 MΩ ± 0.5% 1608 KOA SW1 スイッチ ― ― ― ― 実装なし JP1 ジャンパ ― ― ― ― パターンショート JP2 ジャンパ RK73Z1J (50 mΩ Max) , 1 A 1608 KOA 2.2 µH, RDC = 76 mΩ 備考 (注意事項)上記は推奨部品です。これらは当社で正常に動作することを確認した部品です。 TDK:TDK 株式会社 KOA:KOA 株式会社 SSM:進工業株式会社 DS04–27253–3 35 MB39C014 ■ 評価ボードオーダ型格 36 EV ボード型格 EV ボード版数 備考 MB39C014EVB-06 MB39C014EVB-06 Rev1.0 SON10 DS04–27253–3 MB39C014 ■ パッケージ・外形寸法図 プラスチック・SON, 10 ピン リードピッチ 0.50 mm パッケージ幅× パッケージ長さ 3.00 mm × 3.00 mm 封止方法 プラスチックモールド 取付け高さ 0.75 mm MAX 質量 0.018 g (LCC-10P-M04) プラスチック・SON, 10 ピン (LCC-10P-M04) 3.00±0.10 (.118±.004) 2.40±0.10 (.094±.004) 10 6 INDEX AREA 3.00±0.10 (.118±.004) 1.70±0.10 (.067±.004) 0.40±0.10 (.016±.004) 1 5 1PIN CORNER (C0.30(C.012)) 0.50(.020) TYP 0.25±0.03 (.010±.001) 0.05(.002) 0.00 (.000 C +0.05 –0.00 +.002 –.000 0.75(.030) MAX 0.15(.006) ) 2008 FUJITSU MICROELECTRONICS LIMITED C10004S-c-1-2 DS04–27253–3 単位:mm (inches) 注意:括弧内の値は参考値です。 37 MB39C014 ■ 目次 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 38 ページ 概要 .......................................................................................................................... 1 特長 .......................................................................................................................... 1 アプリケーション .................................................................................................. 1 端子配列図 .............................................................................................................. 2 端子機能説明 .......................................................................................................... 2 入出力端子等価回路図 .......................................................................................... 3 ブロックダイヤグラム .......................................................................................... 4 各ブロックの機能 .................................................................................................. 6 絶対最大定格 .......................................................................................................... 8 推奨動作条件 .......................................................................................................... 9 電気的特性 .............................................................................................................. 10 標準動作特性測定回路図 ...................................................................................... 12 アプリケーションノート ...................................................................................... 13 標準動作特性例 ...................................................................................................... 17 応用回路例 .............................................................................................................. 27 使用上の注意 .......................................................................................................... 29 オーダ型格 .............................................................................................................. 29 RoHS 指令に対応した品質管理 ( 鉛フリーの場合 ) .......................................... 29 製品捺印 ( 鉛フリーの場合 ) ................................................................................. 30 製品ラベル ( 鉛フリーの場合の例 ) ..................................................................... 30 評価ボード仕様 ...................................................................................................... 31 評価ボードオーダ型格 .......................................................................................... 36 パッケージ・外形寸法図 ...................................................................................... 37 DS04–27253–3 MB39C014 MEMO DS04–27253–3 39 MB39C014 富士通マイクロエレクトロニクス株式会社 〒 163-0722 東京都新宿区西新宿 2-7-1 新宿第一生命ビル http://jp.fujitsu.com/fml/ お問い合わせ先 富士通エレクトロニクス株式会社 〒 163-0731 東京都新宿区西新宿 2-7-1 新宿第一生命ビル http://jp.fujitsu.com/fei/ 電子デバイス製品に関するお問い合わせは , こちらまで , 0120-198-610 受付時間 : 平日 9 時∼ 17 時 ( 土・日・祝日 , 年末年始を除きます ) 携帯電話・PHS からもお問い合わせができます。 ※電話番号はお間違えのないよう , お確かめのうえおかけください。 本資料の記載内容は , 予告なしに変更することがありますので , ご用命の際は営業部門にご確認ください。 本資料に記載された動作概要や応用回路例は , 半導体デバイスの標準的な動作や使い方を示したもので , 実際に使用する機器での動作を保証するも のではありません。従いまして , これらを使用するにあたってはお客様の責任において機器の設計を行ってください。これらの使用に起因する損害な どについては , 当社はその責任を負いません。 本資料に記載された動作概要・回路図を含む技術情報は , 当社もしくは第三者の特許権 , 著作権等の知的財産権やその他の権利の使用権または実施 権の許諾を意味するものではありません。また , これらの使用について , 第三者の知的財産権やその他の権利の実施ができることの保証を行うもので はありません。したがって , これらの使用に起因する第三者の知的財産権やその他の権利の侵害について , 当社はその責任を負いません。 本資料に記載された製品は , 通常の産業用 , 一般事務用 , パーソナル用 , 家庭用などの一般的用途に使用されることを意図して設計・製造されてい ます。極めて高度な安全性が要求され , 仮に当該安全性が確保されない場合 , 社会的に重大な影響を与えかつ直接生命・身体に対する重大な危険性を 伴う用途(原子力施設における核反応制御 , 航空機自動飛行制御 , 航空交通管制 , 大量輸送システムにおける運行制御 , 生命維持のための医療機器 , 兵 器システムにおけるミサイル発射制御をいう), ならびに極めて高い信頼性が要求される用途(海底中継器 , 宇宙衛星をいう)に使用されるよう設計・ 製造されたものではありません。したがって , これらの用途にご使用をお考えのお客様は , 必ず事前に営業部門までご相談ください。ご相談なく使用 されたことにより発生した損害などについては , 責任を負いかねますのでご了承ください。 半導体デバイスはある確率で故障が発生します。当社半導体デバイスが故障しても , 結果的に人身事故 , 火災事故 , 社会的な損害を生じさせないよ う , お客様は , 装置の冗長設計 , 延焼対策設計 , 過電流防止対策設計 , 誤動作防止設計などの安全設計をお願いします。 本資料に記載された製品を輸出または提供する場合は , 外国為替及び外国貿易法および米国輸出管理関連法規等の規制をご確認の上 , 必要な手続き をおとりください。 本書に記載されている社名および製品名などの固有名詞は , 各社の商標または登録商標です。 編集 プロモーション推進部