NJM2562 低電圧動作 LPF 内蔵ビデオアンプ ■ 概 要 ■ 外 NJM2562 は、LPF を内蔵した、低電圧ビデオアンプです。 動作電源電圧は 2.8∼5.5V と低電圧駆動が可能であり、75Ωドライ バ回路内蔵のため、TV モニタ等の映像機器に直結ができます。 入力はコンポジットビデオ信号に対応しており、パワーセーブ回路 を兼ねたミュート回路も備わり、低消費設計に適しております。また、 小型パッケージ(MTP6)搭載のため、デジタルスチルカメラ、DVC 等のポータブル機器に最適です。 ■ 特 ● ● ● ● ● ● 形 NJM2562F1 徴 電源電圧 2.8∼5.5V LPF内蔵 32dB at 19MHz typ. 12dBアンプ内蔵 75Ωドライバ内蔵 2系統ドライブ可能 パワーセーブ回路内蔵 PKG MTP6 ■ ブロック図及びピン配置 1 6 2 5 3 4 1. PowerSave 2. Vout 3. Vsag 4. Vin 5. GND 6. V + V+ 6 75ΩDri ver Vin 4 LPF 12dB CLAMP 5 1 GND Power S ave 2 Vout 3 Vsag Ver.7.1 -1- NJM2562 ■ 絶対最大定格 (Ta=25℃) 項 電 消 動 保 目 源 費 作 温 存 温 記 号 電 電 度 範 度 範 ■ 電気的特性 圧 力 囲 囲 目 記 号 得 相 ICC Isave Vom Gv Gfy4.5M Gfy19M DG DP 比 SNv 歪 Hv 消 費 電 流 パワーセーブ時消費電流 最 大 出 力 レ ベ ル 電 圧 利 得 P F 微 微 分 分 S / 2 特 利 位 N 次 S W S W V PD Topr Tstg 格 単 7.0 200 -40∼+85 -40∼+125 性 切 替 H レ ベ ル 切 替 L レ ベ ル V mW ℃ ℃ 条 件 無信号時 パワーセーブ時 f=100kHz、THD=1%、 Vin=100kHz,0.5Vp-p、正弦波信号入力 Vin=4.5MHz/100kHz、0.5Vp-p Vin=19MHz/100kHz、0.5Vp-p Vin=0.5Vp-p、10step ビデオ信号入力 Vin=0.5Vp-p、10step ビデオ信号入力 Vin=0.5Vp-p、100%ホワイトビデオ 信号、75Ω終端,帯域 100KHz∼6MHz Vin=0.5Vp-p、3.58MHz 正弦波信号 75Ω終端 VthH VthL 端子 -2- 制御 S a v e 最小 標準 最大 単位 2.2 12.0 -0.6 - 8.0 30 2.5 12.4 -0.1 -32 0.5 0.5 12.0 50 12.8 0.4 -22 - mA uA Vp-p dB - 60 - dB - -50 - dB 1.8 0 ■ 制御端子説明 P o w e r 位 ( V+=3.0V,150Ω終端,Ta=25℃) 項 L 定 + 備 H Power Save:OFF L Power Save:ON OPEN Power Save:ON 考 − − dB % deg + V 0.3 V NJM2562 ■測定回路 input 0.1µF 10µF 75Ω 6 V+ 0.1µF 5 4 GND Vin NJM2562 Power Save Vout Vsag 1 2 3 33µF 33µF 75Ω output 75Ω -3- NJM2562 ■応用回路例 (1) 標準回路例 input 0.1µF (2) サグ補正端子未使用回路例 input 0.1µF 10µF 75Ω 0.1µF 10µF 75Ω 0.1µF 6 5 4 6 5 4 V+ GND Vin V+ GND Vin NJM2562 NJM2562 Power Save Vout Vsag Power Save Vout Vsag 1 2 3 1 2 3 C1 33µF 33µF C1 75Ω 470µF 75Ω output (3) 2 系統ドライブ回路例 + output input 0.1µF 10µF 75Ω 0.1µF 6 5 4 V+ GND Vin NJM2562 Power Save Vout Vsag 1 2 3 + 75Ω output 1 470µF 75Ω output 2 (1) 標準回路例 サグ補正の使用により、出力カップリングコンデンサーの容量値を小さくする事が出来ます。 C1 のコンデンサは、実装面積が制約されるポータブル機器を想定し 33µF としていますが、サグの悪化及び、輝 度変化の大きな動画信号を出力した時に同期外れを起こす場合があります。 白⇔黒バウンス信号等、低域の周波数成分を多く含む信号で波形を確認し、C1 の容量値を調整してください。 C1 の値を大きくするとサグは小さくなります。 (2) サグ補正未使用回路例 同期外れを回避するには、サグ補正をキャンセルして下さい。Vout 端子と Vsag 端子を IC 出力端でショートし た後に、470µF 以上の出力カップリングコンデンサーを接続してください。 (3) 2 系統ドライブ回路例 本製品は、150Ωの負荷を 2 系統ドライブする事が可能です。 標準回路例に比べサグが悪化するので、C1 のコンデンサは 100µF 以上の定数を推奨致します。 -4- NJM2562 ■端子等価回路図 端子番号 端子名称 DC 電位 内部等価回路 16k 1 Power Save 32k − 48k 16k GND + V+ V+ V+ V 2 Vout 0.33V Vout 750Ω 3 Vsag − Vsag V+ 4 Vin 1.10V 5 GND − 6 V+ 3V Vin V+ V+ 270Ω -5- NJM2562 ■ 使 用 上 の 注 意 ◆サグ補正について サグ補正回路は、出力カップリング容量と負荷抵抗で構成されるハイパスフィルターによる周波数低域の減衰を 補正する回路です。周波数低域の減衰は、ビデオ信号の垂直期間でのサグを発生させます。 Vsag 端子のコンデンサ Csag が増幅器の負帰還に挿入されており、周波数低域で利得を増加し、周波数低域の減 衰を補正します。 サグ補正回路使用例 サグ補正回路未使用例 Vout 端子と Vout1 端子の波形 「サグ補正回路使用時」 Vout 波形 「サグ補正回路未使用時」 Vout 波形 Vout1 波形 1 垂直期間 -6- Vout1 波形 1 垂直期間 NJM2562 サグ補正回路は、Vout 端子に低周波成分を増幅した信号を生成します。輝度変化の大きな信号を出力する場合、 輝度信号の変化分が低周波成分となり、この輝度変化分を補正する信号を Vout 端子に生成します。この時、信号が Vout 端子のダイナミックレンジを超えてしまい、同期信号が欠けるなどの波形歪を引き起こす場合があります。 ビデオ信号が白 100%から黒となるような輝度変化が大きな信号を出力する場合、下図(緑波形)のように出力 信号が Vout 端子のダイナミックレンジを超えて信号が欠けることがあります。 入力信号 Vout 波形 Vout 端子のダイナミックレンジを超えてしまうため、 同期信号が欠けています。 Vout のダイナミックレンジ Vout1 波形 ダイナミックレンジを超える波形歪の対処方法 SAG 補正回路によって Vout 端子の信号がダイナミックレンジを超えてしまう場合は以下のように対処します。 1.サグ補正コンデンサ Csag を小さくする。 →Csag を小さくするとVout 端子の低周波の変動が小さくなり、 ダイナミックレンジを確保しやすくなります。 しかし、サグ特性は悪化するため出力コンデンサ Cout を大きくする必要があります。 2.サグ補正回路を使用しない。 →出力端子の DC レベルが変動しないため、ダイナミックレンジ内で信号を出力することができます。 しかし、サグ特性は悪化するため出力コンデンサ Cout を大きくする必要があります。 -7- NJM2562 サグ補正回路使用時の 2 系統ドライブ回路例 サグ補正回路使用時に 2 系統ドライブする場合の回路例を下図に示します。2 系統ドライブは、負荷抵抗が小さくなります。 よって、出力コンデンサと負荷抵抗で構成される HPF のカットオフ周波数も小さくなるため、サグ特性が悪化します。サグ特 性を悪化させないためには出力コンデンサ Cout を大きくしてください。 サグ補正回路未使用時の 2 系統ドライブ回路例 サグ補正回路を使用しない場合の 2 系統ドライブ回路構成は 2 つあります。使用する状況に合わせて構成を変更してください。 以下の条件を満たすように構成すると各構成の特性を合わせることができます。 Cout = Cout 1 + Cout 2 Cout1 = Cout 2 (A)出力コンデンサを 1 つにする場合 (B)出力コンデンサを 2 つにする場合 -8- NJM2562 Csag=33uF Cout=330uF Cout=220uF Cout=100uF Cout=47uF Cout=33uF 【サグ補正回路使用時のサグ特性】 入力信号:バウンス信号(IRE0%、IRE100%、30Hz)、負荷 RL=150Ω 波形=黄:入力信号、緑:Vout 信号、紫:Vout1 信号 Csag=10uF Csag=22uF -9- NJM2562 Cout=1000uF Cout=470uF Cout=330uF Cout=220uF Cout=100uF 入力信号:バウンス信号(IRE0%、IRE100%、30Hz)、負荷 RL=75Ω 波形=黄:入力信号、緑:Vout 信号、紫:Vout1 信号 Csag=10uF Csag=22uF - 10 - Csag=33uF NJM2562 RL=150Ω Cout=1000uF Cout=470uF Cout=330uF Cout=220uF Cout=100uF 【サグ補正回路未使用時のサグ特性】 入力信号:バウンス信号(IRE0%、IRE100%、30Hz) 波形=黄:入力信号、緑:Vout 信号、紫:Vout1 信号 RL=75Ω - 11 - NJM2562 Cout=330uF Cout=220uF Cout=100uF Cout=47uF Cout=33uF 【サグ補正回路使用時の波形】 入力信号:黒→白 100%、負荷 RL=150Ω 波形=黄:入力信号、緑:Vout 信号、紫:Vout1 信号 Csag=10uF Csag=22uF - 12 - Csag=33uF NJM2562 Csag=33uF Cout=330uF Cout=220uF Cout=100uF Cout=47uF Cout=33uF 入力信号:白 100%→黒、負荷 RL=150Ω 波形=黄:入力信号、緑:Vout 信号、紫:Vout1 信号 Csag=10uF Csag=22uF - 13 - NJM2562 Cout=330uF Cout=220uF Cout=100uF Cout=47uF Cout=33uF 【サグ補正回路使用時の波形】 入力信号:黒→白 100%変化、負荷 RL=75Ω 波形=黄:入力信号、緑:Vout 信号、紫:Vout1 信号 Csag=10uF Csag=22uF - 14 - Csag=33uF NJM2562 Csag=33uF Cout=330uF Cout=220uF Cout=100uF Cout=47uF Cout=33uF 入力信号:白 100%→黒変化、負荷 RL=75Ω 波形=黄:入力信号、緑:Vout 信号、紫:Vout1 信号 Csag=10uF Csag=22uF - 15 - NJM2562 ■クランプ回路について (1)シンクチップクランプの動作 入力回路のシンクチップクランプ回路について説明します。シンクチップクランプ回路(以下ではクランプ回路) は、ビデオ信号の最低電位であるシンクチップを一定の電位に保つように動作します。 クランプ回路は、外付けの入力コンデンサ Cin の充放電を行う回路であり、ビデオ信号のシンクチップで外付け の入力コンデンサ Cin に電荷を充電し、シンクチップの電位を固定します。ビデオ信号のシンクチップ以外の期間 は、IC 内部への微小な放電電流によりコンデンサ Cin から電荷を放電します。このようにクランプ回路はビデオ信 号の 1 水平期間毎に入力コンデンサ Cin の充放電行うことでビデオ信号のシンクチップを一定の電位に固定します。 ビデオ信号のシンクチップ部以外の期間では、微小な放電電流によって入力コンデンサ Cin から電荷を放電しま す。この放電による電位低下は入力コンデンサ Cin の大きさに依存します。 入力コンデンサの値を小さくすると H サグと呼ばれる歪が発生します。 このため、入力コンデンサの容量は 0.1uF 以上にしてください。 【クランプ回路】 【Vin 端子の信号波形】 (A)Cin が大きい場合 (B)Cin が小さい場合(H サグの発生) (2)クランプ回路の入力インピーダンス クランプ回路の入力インピーダンスは、入力コンデンサへの充電期間と放電期間で異なります。充電期間の入力 インピーダンスは、数 kΩです。一方、放電期間の入力インピーダンスは、微小な放電電流が IC 内部に流れるため、 非常に高く数 MΩです。このように入力インピーダンスはクランプ回路の動作状態によって変わります。 (3)信号源のインピーダンス 入力端子に接続する信号源のインピーダンスは 200Ω以下としてください。信号源のインピーダンスが大きい場 合には信号が歪んでしまうことがあります。信号源のインピーダンスが大きい場合には、インピーダンス変換用に バッファを挿入するようにお願いします。 - 16 - NJM2562 ■特性例 Voltage Gain vs. Frequency 20.0 10.0 Gv [dB] 0.0 -10.0 -20.0 -30.0 -40.0 5 10 6 7 10 10 Freq [Hz] + Isave vs V 14.0 120.0 12.0 100.0 10.0 80.0 Isave[uA] Icc[mA] Icc vs V+ 8.0 60.0 6.0 40.0 4.0 20.0 2.0 2.00 3.00 4.00 5.00 6.00 7.00 2.00 8.00 3.00 4.00 6.00 7.00 8.00 7.00 8.00 + V [V] V+[V] Vom vs V 5.00 + Gv vs V 7.0 + 13.5 6.0 13.0 Gv[dB] Vom[Vpp] 5.0 4.0 12.5 3.0 12.0 2.0 1.0 2.00 3.00 4.00 5.00 V+[V] 6.00 7.00 8.00 11.5 2.00 3.00 4.00 5.00 V+[V] 6.00 Ver.7.1 - 17 - NJM2562 Gfy19M vs V+ Gfy4.5M vs V+ -10.0 1.0 -20.0 Gfy19M[dB] Gfy4.5M[dB] 0.5 0.0 -30.0 -40.0 -0.5 -50.0 -1.0 2.00 3.00 4.00 5.00 V+[V] 6.00 7.00 -60.0 2.00 8.00 3.00 5.0 4.0 4.0 3.0 3.0 DP[deg] DG[%] 5.0 2.0 1.0 3.00 4.00 5.00 V+[V] 6.00 7.00 0.0 2.00 8.00 8.00 3.00 4.00 0.0 90.0 -20.0 80.0 -40.0 70.0 -80.0 50.0 -100.0 4.00 5.00 V+[V] 6.00 6.00 7.00 8.00 7.00 8.00 -60.0 60.0 3.00 5.00 + V [V] Hv vs V + Hv[dB] SNv[dB] 7.00 1.0 100.0 - 18 - 6.00 2.0 SNv vs V + 40.0 2.00 5.00 V+[V] DP vs V + DG vs V+ 0.0 2.00 4.00 7.00 8.00 -120.0 2.00 3.00 4.00 5.00 V+[V] 6.00 NJM2562 VthL vs V+ VthH vs V + 2.0 1.0 0.8 VthL[V] VthH[V] 1.5 0.6 0.4 1.0 0.2 0.5 2.00 3.00 4.00 5.00 V+[V] 6.00 7.00 0.0 2.00 8.00 3.00 Icc vs Temp. 4.00 5.00 V+[V] 6.00 7.00 8.00 Isave vs Temp. 15.0 60.0 55.0 50.0 Icc[mA] Isave[uA] 10.0 5.0 45.0 40.0 35.0 30.0 25.0 0.0 -40 0 40 o Temp [ C] 80 20.0 120 -40 40 80 120 80 120 o Temp [ C] Vom vs Temp. Gv vs Temp. 5.0 13.5 4.0 13.0 3.0 Gv [dB] Vom [Vpp] 0 2.0 12.5 12.0 1.0 0.0 -40 0 40 Temp [oC] 80 120 11.5 -40 0 40 Temp [oC] - 19 - NJM2562 LPF4.5M vs Temp. LPF19M vs Temp. 0.0 1.5 -10.0 1.0 -20.0 Gfy19M [dB] Gfy4.5M [dB] 0.5 0.0 -0.5 -40.0 -50.0 -1.0 -1.5 -30.0 -60.0 -40 0 40 80 -70.0 120 -40 0 DG vs Temp. 120 80 120 80 120 DP vs Temp. 5.0 4.0 4.0 3.0 3.0 DP [%] DG [%] 80 Temp [ C] 5.0 2.0 1.0 0.0 40 o Temp [oC] 2.0 1.0 -40 0 40 80 0.0 120 -40 0 Temp [oC] 40 Temp [oC] Hv vs Temp. SNv vs Temp. 100.0 0.0 90.0 -20.0 80.0 70.0 Hv [dB] SNv [dB] -40.0 60.0 -80.0 50.0 -100.0 40.0 30.0 - 20 - -60.0 -40 0 40 o Temp [ C] 80 120 -120.0 -40 0 40 o Temp [ C] NJM2562 VthH vs Temp. VthL vs Temp. 3.0 2.0 2.5 1.5 VthL [V] VthH [V] 2.0 1.5 1.0 1.0 0.5 0.5 0.0 -40 0 40 o Temp [ C] 80 120 0.0 -40 0 40 o Temp [ C] 80 120 <注意事項> このデータブックの掲載内容の正確さには 万全を期しておりますが、掲載内容について 何らかの法的な保証を行うものではありませ ん。とくに応用回路については、製品の代表 的な応用例を説明するためのものです。また、 工業所有権その他の権利の実施権の許諾を伴 うものではなく、第三者の権利を侵害しない ことを保証するものでもありません。 - 21 -