本ドキュメントはCypress (サイプレス) 製品に関する情報が記載されております。 FUJITSU SEMICONDUCTOR DATA SHEET DS04–21358–5 ASSP DTS 用 Bi-CMOS プリスケーラ 内蔵 PLL 周波数シンセサイザ (2.5 GHz 対応 ) MB15E07SL ■ 概要 MB15E07SL は , 32/33, 64/65 分周を選択可能な 2.5 GHz で動作する 2 モジュラスプリスケーラを内蔵した , PLL (Phase Locked Loop) 周波数シンセサイザ用 LSI です。パルススワロー方式の PLL 周波数シンセサイザを構成できます。 MB15E07, E07L とピンコンパチです。最新 Bi CMOS テクノロジにより , 3.5 mA (VCC = 2.7 V) という低消費電流を実現 し , VCC = 2.4 V からの低電圧動作が可能です。また , チャージポンプ出力は 1.5 mA, 6 mA の 2 種類の電流をシリアルデー タにて切換え可能で, 温度依存や電源電圧依存の特性を改良した定電流型を採用しています。 これにより, 従来のダイレク トパワーセーブやロック検出といった使いやすい機能と高速チューニング 性能をそのままにして , 低電流かつ低ノイズ なシステム構築が可能です。 ■ 特長 ・ 高速動作 ・ 低電圧動作 ・ 超低消費電流 :∼ 2500 MHz :VCC = 2.4 V ∼ 3.6 V :標準 3.5 (4.0) mA (VCC = Vp = 2.7 V, Ta =+ 25 °C, ロック動作 ) 4.0 mA は , VCC = Vp = 3.0 V 時 ・ ダイレクトパワーセーブ機能内蔵:パワーセーブ時の電源電流 標準 0.1 μA (VCC = Vp = 3.0 V, Ta =+ 25 °C) 最大 10 μA (VCC = Vp = 3.0 V) ・ 2 モジュラスプリスケーラ分周比:32/33, 64/65 ・ 基準分周器 ・ バイナリ 14 bit リファレンスカウンタ (3 ∼ 16383 分周 ) ・ 比較分周器 ・バイナリ 7 bit スワローカウンタ (0 ∼ 127 分周 ) ・バイナリ 11 bit プログラマブルカウンタ (3 ∼ 2047 分周 ) ・ 高速チューニング , 低ノイズな位相比較器,電流切換え型定電流回路を内蔵 ・ フェーズ変換機能付き位相比較器を内蔵 ・ PLL のロック , アンロックを検出するためのディジタルロック検出回路を内蔵 ・ 動作温度 :Ta =− 40 °C ∼+ 85 °C Copyright©2003-2011 FUJITSU SEMICONDUCTOR LIMITED All rights reserved 2011.9 MB15E07SL ■ 端子配列図 (SSOP-16) TOP VIEW (QFN-16) TOP VIEW OSCOUT OSCIN φR OSCIN 1 16 φR OSCOUT 2 15 φP VP 3 14 LD/fout VCC 4 13 ZC DO 5 12 PS GND 6 11 LE Xfin 7 10 Data fin 8 9 Clock (FPT-16P-M05) 2 16 15 14 φP 13 VP 1 12 LD/fout VCC 2 11 ZC Do 3 10 PS GND 4 9 5 Xfin LE 8 6 7 fin Clock Data (LCC-16P-M69) DS04–21358–5 MB15E07SL ■ 端子機能説明 端子番号 SSOP QFN 端子記号 I/O 機能説明 1 15 OSCIN I 基準分周器の入力端子です。TCXO からの信号を AC 結合で入力してください。 2 16 OSCOUT O 基準発振回路の出力端子です。 3 1 VP ⎯ チャージポンプ出力用の電源端子です。 4 2 VCC ⎯ 電源端子です。 5 3 DO O 内蔵チャージポンプの出力端子です。FC ビットの設定により , 位相特性が反転し ます。 6 4 GND ⎯ GND 端子です。 7 5 Xfin I プリスケーラの相補入力端子です。容量接地にて使用してください。 8 6 fin I プリスケーラの入力端子です。AC 結合にて入力してください。 9 7 Clock I 19 bit シフトレジスタのクロック入力端子です ( オープンでの使用禁止 ) 。 クロックパルスの立上り時にデータが入力されます。 10 8 Data I バイナリ・コードによるシリアルデータの入力端子です。 データの最後のビットはコントロールビットです ( オープンでの使用禁止 ) 。 11 9 LE I ロードイネーブル信号入力端子です ( オープンでの使用禁止 ) 。 LE 立上りエッジ時シリアルデータのコントロールビットの組み合せにより , シフ トレジスタの内容をラッチへ転送します。 12 10 PS I パワーセーブ制御信号入力端子です ( オープンでの使用禁止 ) 。 PS = “H” 時:通常動作 /PS = “L” 時:パワーセーブ状態 電源投入時には必ず PS = “L” に設定してください。 13 11 ZC I チャージポンプ出力の強制ハイインピーダンス制御端子です。 ZC = “H” 時:通常動作 , ZC = “L” 時:ハイインピーダンス状態 ( プルアップ抵抗 付き ) 14 12 LD/fout O ロック検出の出力 (LD) 端子 / 位相比較器入力のモニタ (fout) 端子です。 シリアルデータの LDS ビットにより LD/fout の出力を切換えます。 LDS = “H” 時:fout 出力 /LDS = “L” 時:LD 出力 15 13 φP O 位相比較器の外付けチャージポンプ用出力端子です。 FC 端子の設定により , 位相特性が反転します。 N-ch オープンドレイン出力です。 16 14 φR O 位相比較器の外付けチャージポンプ用出力端子です。 FC 端子の設定により , 位相特性が反転します。CMOS 出力です。 DS04–21358–5 3 MB15E07SL ■ ブロックダイヤグラム fr (15) OSCIN 1 位相比較器 基準発振回路 (16) OSCOUT 2 バイナリ 14 bit リファレンス カウンタ (1) VP 3 (14) 16 φR 14 bit ラッチ SW FC LDS CS ディジタル ロック 検出回路 4 bit ラッチ 選択回路 (13) 15 φP (12) 14 LD/fout fp ·· VCC DO C N T (2) 4 (3) 5 電 流 切 換 え チ ャ | ジ ポ ン プ 19 bit シフトレジスタ ··· 7 bit ラッチ (11) 13 ZC ··· 11 bit ラッチ バイナリ 11 bit バイナリ 7 bit スワローカウンタ プログラマブル カウンタ 間欠動作 制御回路 (10) 12 PS (9) 11 LE (4) GND 6 コント ロール 1 bit (5) Xfin 7 MD (8) 10 Data プリスケーラ (6) fin 8 32 / 33 64 / 65 (7) 9 Clock ( ) 内数字は QFN パッケージの端子番号です。 4 DS04–21358–5 MB15E07SL ■ 絶対最大定格 項目 記号 条件 VCC 定格値 単位 最小 最大 ⎯ − 0.5 4.0 V VP ⎯ VCC 6.0 V 入力電圧 VI ⎯ − 0.5 VCC + 0.5 V DO 以外 GND VCC V 出力電圧 VO DO GND VP V 保存温度 Tstg ⎯ − 55 + 125 °C 電源電圧 <注意事項> 絶対最大定格を超えるストレス ( 電圧 , 電流 , 温度など ) の印加は , 半導体デバイスを破壊する可能性があ ります。したがって , 定格を一項目でも超えることのないようご注意ください。 ■ 推奨動作条件 項目 記号 規格値 単位 最小 標準 最大 VCC 2.4 3.0 3.6 V VP VCC ⎯ 5.5 V 入力電圧 VI GND ⎯ VCC V 動作温度 Ta − 40 ⎯ + 85 °C 電源電圧 <注意事項> 推奨動作条件は , 半導体デバイスの正常な動作を保証する条件です。電気的特性の規格値は , すべてこの条 件の範囲内で保証されます。常に推奨動作条件下で使用してください。この条件を超えて使用すると , 信頼 性に悪影響を及ぼすことがあります。 データシートに記載されていない項目 , 使用条件 , 論理の組合せでの使用は , 保証していません。記載され ている以外の条件での使用をお考えの場合は , 必ず事前に営業部門までご相談ください。 DS04–21358–5 5 MB15E07SL ■ 電気的特性 (VCC = 2.4 V ∼ 3.6 V, Ta =− 40 °C ∼+ 85 °C) 項目 記号 条件 ICC*1 電源電流 パワーセーブ電流 IPS 標準 最大 ( ) 内は VCC = VP = 3.0 V 時 ⎯ 3.5 (4.0) ⎯ mA ZC = “H” またはオープン ⎯ 0.1*2 10 μA fin fIN ⎯ 700 ⎯ 2500 MHz OSCIN fOSC ⎯ 3 ⎯ 40 MHz fin*3 SSOP − 15 ⎯ Pfin +2 QFN − 12 ⎯ +2 50 Ω 系 入力感度 “L” レベル入力電圧 “H” レベル入力電流 “L” レベル入力電流 “H” レベル入力電流 dBm OSCIN*3 VOSC ⎯ 0.5 ⎯ VCC VP-P Data, LE, PS, ZC, Clock VIH ⎯ 0.7 VCC ⎯ ⎯ V VIL ⎯ ⎯ ⎯ 0.3 VCC V Clock, Data, LE, PS IIH*4 ⎯ − 1.0 ⎯ + 1.0 μA IIL*4 ⎯ − 1.0 ⎯ + 1.0 μA IIH ⎯ 0 ⎯ + 100 μA 4 ⎯ − 100 ⎯ 0 μA 4 ⎯ − 1.0 ⎯ + 1.0 μA − 100 ⎯ 0 μA ⎯ ⎯ 0.4 V VCC − 0.4 ⎯ ⎯ V ⎯ ⎯ 0.4 V VP − 0.4 ⎯ ⎯ V OSCIN IIL* “L” レベル入力電流 “H” レベル入力電流 単位 最小 動作周波数 “H” レベル入力電圧 規格値 IIH* ZC “L” レベル入力電流 IIL*4 プルアップ入力 “L” レベル出力電圧 φP VOL オープンドレイン出力 “H” レベル出力電圧 φR LD/fout VOH VCC = VP = 3.0 V, IOH =− 1 mA VOL VCC = VP = 3.0 V, IOL = 1 mA VDOH VCC = VP = 3.0 V, IDOH =− 0.5 mA VDOL VCC = VP = 3.0 V, IDOL = 0.5 mA ⎯ ⎯ 0.4 V “L” レベル出力電圧 “H” レベル出力電圧 Do “L” レベル出力電圧 ハイインピーダンス カットオフ電流 Do IOFF VCC = VP = 3.0 V, Voff = 0.5 V ∼ VP − 0.5 V ⎯ ⎯ 2.5 nA “L” レベル出力電流 φP IOL オープンドレイン出力 1.0 ⎯ ⎯ mA “H” レベル出力電流 φR LD/fout IOH ⎯ ⎯ ⎯ − 1.0 mA IOL ⎯ 1.0 ⎯ ⎯ mA CS ビット= “H” ⎯ − 6.0 ⎯ VCC = VP = 3 V, CS ビット= “L” VDO = VP / 2, CS ビット= “H” Ta =+ 25 °C ⎯ − 1.5 ⎯ ⎯ 6.0 ⎯ CS ビット= “L” ⎯ 1.5 ⎯ ⎯ 3 ⎯ % “L” レベル出力電流 IDOH*4 “H” レベル出力電流 Do IDOL*4 “L” レベル出力電流 IDOL/IDOH チャージポンプ 電流変動率 対 VDO 対 Ta IDOMT*5 VDO = VP / 2 mA mA 6 0.5 V ≦ VDO ≦ VP − 0.5 V ⎯ 10 ⎯ % 7 − 40 °C ≦ Ta ≦+ 85 °C ⎯ 10 ⎯ % IDOVD* IDOTA* * 1:fin = 2500 MHz, fOSC = 12 MHz, VCC = VP = 2.7 V, Ta =+ 25 °C ロック時です。 * 2:VCC = VP = 3 V, Ta =+ 25 °C, fOSC = 12.8 MHz 時 * 3:AC 結合にしてください。最小動作周波数は 1000 pF 結合時です。 * 4:−記号は IC から流れ出す方向を示します。 (続く) 6 DS04–21358–5 MB15E07SL (続き) * 5:VCC = VP = 3.0 V, Ta =+ 25 °C 時です。 ( | I3 |−| I4 | ) / [ ( | I3 |+| I4 | ) / 2]× 100 % * 6:VCC = VP = 3.0 V, Ta =+ 25 °C 時です。 [ ( | I2 |−| I1 | ) / 2]/ [ ( | I1 |+| I2 | ) / 2]× 100 % (IDOL, IODH 各々 ) * 7:VCC = VP = 3.0 V, VDO = VP / 2 時です。 ( | IDO (85 °C) − IDO ( − 40 °C) | / 2) / ( | IDO (85 °C) + IDO ( − 40 °C) | / 2) × 100 % (IDOL, IODH 各々 ) I1 I3 I2 IDOL IDOH I4 I2 I1 0.5 Vp/2 Vp − 0.5 V Vp チャージポンプ出力電圧 (V) DS04–21358–5 7 MB15E07SL ■ 機能説明 1. パルススワロー機能 下記の式に従って , 各設定値を設定してください。 fVCO = [ (M × N) + A] × fOSC ÷ R fVCO:外部に接続される VCO の出力周波数 M :プリスケーラの分周比 (32 または 64) N :バイナリ 11 bit プログラマブルカウンタ設定値 (3 ∼ 2047) A :バイナリ 7 bit スワローカウンタ設定値 (0 ∼ 127, ただし A < N) fOSC:基準発振周波数 (OSCIN 入力周波数 ) R :バイナリ 14 bit リファレンスカウンタ設定値 (3 ∼ 16383) 2. シリアルデータ入力方法について シリアルデータの入力は Data 端子 , Clock 端子 , LE 端子の 3 入力で行います。基準分周器と比較分周器をそれぞれ単独 にコントロールできます。 Data 端子にはバイナリコードのシリアルデータを入力してください。 シリアルデータはクロックの立上りで内部のシフトレジスタに順次取り込まれ , ロードイネーブル (LE) の立上りで , コ ントロールビットの組合せにより , 各ラッチへ転送されます。 ・ コントロールビット “H” →リファレンスカウンタへデータ転送 ・ コントロールビット “L” →プログラマブルカウンタへデータ転送 (1) データビットの構成 ・基準分周の構成 (LSB) (MSB) データの入力方向 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 C N T R R R R R R R R R R R R R R S F C 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 W C L D S S R1 ∼ R14 :リファレンスカウンタの分周比設定ビット (3 ∼ 16383) SW :プリスケーラ分周比の選択ビット FC :位相比較器のフェイズ切換えビット LDS :LD/fout の切換えビット CS :チャージポンプ電流設定ビット CNT :コントロールビット ( 注意事項 ) データは MSB 側から入力してください。 ・比較分周の構成 (LSB) データの入力方向 (MSB) 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 C N T A A A A A A A N N N N N N N N N N N 1 2 3 4 5 6 7 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 A1 ∼ A7 :スワローカウンタの分周比設定ビット (0 ∼ 127) N1 ∼ N11 :プログラマブルカウンタの分周比設定ビット (3 ∼ 2047) CNT :コントロールビット ( 注意事項 ) データは MSB 側から入力してください。 8 DS04–21358–5 MB15E07SL (2) データ設定について ・バイナリ 14 bit リファレンスカウンタの設定 (R1 ∼ R14) 分周比 R14 R13 R12 R11 R10 R9 R8 R7 R6 R5 R4 R3 R2 R1 3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 4 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 ・ ・ ・ 16383 ・ ・ ・ 1 ・ ・ ・ 1 ・ ・ ・ 1 ・ ・ ・ 1 ・ ・ ・ 1 ・ ・ ・ 1 ・ ・ ・ 1 ・ ・ ・ 1 ・ ・ ・ 1 ・ ・ ・ 1 ・ ・ ・ 1 ・ ・ ・ 1 ・ ・ ・ 1 ・ ・ ・ 1 (注意事項)分周比 3 未満は禁止です。 ・バイナリ 11 bit プログラマブルカウンタの設定 (N1 ∼ N11) 分周比 N11 N10 N9 N8 N7 N6 N5 N4 N3 N2 N1 3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 4 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 ・ ・ ・ 2047 ・ ・ ・ 1 ・ ・ ・ 1 ・ ・ ・ 1 ・ ・ ・ 1 ・ ・ ・ 1 ・ ・ ・ 1 ・ ・ ・ 1 ・ ・ ・ 1 ・ ・ ・ 1 ・ ・ ・ 1 ・ ・ ・ 1 (注意事項)分周比 3 未満は禁止です。 ・バイナリ 7 bit スワローカウンタの設定 (A1 ∼ A7) 分周比 A7 A6 A5 A4 A3 A2 A1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 ・ ・ ・ 127 0 ・ ・ ・ 1 0 ・ ・ ・ 1 0 ・ ・ ・ 1 0 ・ ・ ・ 1 0 ・ ・ ・ 1 0 ・ ・ ・ 1 1 ・ ・ ・ 1 ・プリスケーラ分周比の選択 (SW) ・チャージポンプ電流の選択 (CS) 分周比 SW 分周比 CS 32/33 1 ± 6.0 mA 1 64/65 0 ± 1.5 mA 0 ・LD/fout 出力の設定 (LDS) DS04–21358–5 出力 LDS fout 1 LD 0 9 MB15E07SL ・位相比較器のフェイズ切換えビット (FC) FC ビットは位相比較器のフェイズ切換え用端子です。 FC ビットを制御して内蔵チャージポンプ出力 (DO) , 外付け チャージポンプ用出力 (φR, φP) の特性を選択できます。 また , 位相比較器に入力される信号のモニタ出力 (LD/fout 出力 ) の選択も制御できます。 FC ビットと DO 出力 , φR 出力 , φP 出力との関係は次のようになります。 FC:“1” FC:“0” DO φR φP fp < fr H L L fr < fp L H Z fp = fr Z L Z LD/fout fout = fr DO φR φP L H Z H L L Z L Z LD/fout fout = fp Z:ハイインピーダンス状態 PLL 周波数シンセサイザを設計する際には , ローパスフィルタ , VCO の極性に応じて FC ビットを設定してください。 ローパスフィルタ , VCO 極性が (1) の場合:FC:“1” ローパスフィルタ , VCO 極性が (2) の場合:FC:“0” ( 注意事項 ) アクティブ型のローパスフィルタを使用する場合には , その極性に注意してください。 V C 高 O 出 力 周 波 数 (1) (2) ローパスフィルタ出力電圧 大 3. Do 出力制御 (ZC 端子 ) Do 出力 ZC 端子 通常動作 H ハイインピーダンス状態 L 4. パワーセーブ ( 間欠動作について ) PS 端子 状態 H 動作モード L パワーセーブモード パワーセーブとは , 内部回路を必要なときに動作させ , 不必要なときには停止させる間欠動作により , 回路全体の消費 電力を抑える機能です。しかし , 回路を単純に停止状態から動作させると , 位相比較器に入力した基準周波数 (fr) と比較周 波数 (fp) が同じであっても位相関係が不定であるため , 位相比較器から過大な誤差信号が出力され , PLL のロックが外れ てしまうという問題が生じます。そこで , このような問題を解決するため , 動作開始の際に強制的に位相を合わせ , ロック した周波数の変動を抑えて間欠動作制御を実現しています。 10 DS04–21358–5 MB15E07SL ( 動作モード ) 全回路が動作状態にあり , 通常の PLL 動作を行います。 ( パワーセーブモード ) 動作を停止しても , 不都合でない回路を停止して , 低消費電流状態になります。この状態での消費電流は標準で 0.1 μA, 最大で 10 μA です。 このときの Do および LD は PLL がロックしたときと同じレベルです。Do の場合は , ハイインピーダンス状態になり , 電圧制御発振器 (VCO) への入力電圧は , 低域通過フィルタの時定数で動作モード時 ( つまりロック時 ) の電圧に保持され るため VCO の出力周波数はほぼロック周波数を保てます。 (注意事項)シリアルデータの入力は電源電圧が安定した後に行い , データの設定が完了したら , パワーセーブモードを 解除してください。 OFF VCC ON tV ≥ 1 μs Clock Data LE tPS ≥ 100 ns PS (1) (2) (3) (1) 電源立上げ時 , PS 端子は “L” レベル ( パワーセーブ状態 ) (2) 電源電圧が安定 (VCC ≧ 2.2 V) して 1 μs 以上経過後 , データを設定開始 (3) データの設定が完了して 100 ns 以上経過後 , PS 端子を “L” → “H” レベルにして , パワーセーブ状態を解除 DS04–21358–5 11 MB15E07SL 5. シリアルデータ入力タイミングについて 分周比の設定は Data 端子 , Clock 端子 , LE 端子のシリアルインタフェースで行います。 設定データは Clock 信号の立上りでシフトレジスタに入力され , LE 信号の立上りエッジでラッチへ転送されます。設定 データの入力タイミングを示します。 1st データ 2nd データ コントロールビット 無効データ ∼ Data MSB LSB ∼ ∼ Clock t1 t2 t3 t6 t0 LE ∼ t4 t5 100 ns ≦ t0, t5 20 ns ≦ t1, t2, t6 30 ns ≦ t3, t4 シフトレジスタにデータを読み込む際には , LE は “L” レベルにしてください。 12 DS04–21358–5 MB15E07SL ■ 位相比較器の出力波形 fr fp t WU t WL LD (FC ビット= “H” 設定時 ) DO (FC ビット= “L” 設定時 ) DO ( 注意事項 ) ・ 位相差の検出は− 2 π ∼+ 2 π です。 ・ ロック時の Do パルス ( ひげ ) は不感地帯をなくすために出力しています。 ・ LD 出力は位相差 tWU 以上になったとき “L” になり , tWL 以下の状態が 3 周期以上連続したとき “H” になります。 ・ tWU, tWL は , OSCIN 入力周波数で決定され , 下記のとおりになります。 tWU ≧ 2/fosc [s] 例 ) fosc = 12.8 MHz 時 :tWU ≧ 156.3 ns :tWL ≦ 312.5 ns tWL ≦ 4/fosc [s] ・ スタンバイ状態 (PS = “L”) 時には LD 出力は “H” になります。 DS04–21358–5 13 MB15E07SL ■ 測定回路例 (fin, OSC IN 入力感度測定 ) 1000 pF 0.1 μF 1000 pF 0.1 μF 1000 pF S•G S•G 50 Ω fin Xfin GND DO VCC VP OSCOUT OSCIN 8 7 6 5 4 3 2 1 9 10 11 12 13 14 15 16 Clock Data LE PS ZC LD/fout φP φR VCC コントローラ ( 分周比設定 ) 50 Ω オシロスコープ ( 注意事項 ) 端子番号は SSOP パッケージの番号です。 14 DS04–21358–5 MB15E07SL ■ 標準特性 1. fin 入力感度特性 入力感度−入力周波数特性 ( プリスケーラ= 64/65 分周時 ) Ta = 25 °C 入力感度 Pfin (dBm) 10 0 カタログ保証範囲 −10 −20 VCC = 2.4 V −30 VCC = 3.0 V −40 VCC = 3.6 V −50 0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 1800 2000 2200 2400 2600 2800 3000 入力周波数 fin (MHz) 入力感度−入力周波数特性 ( プリスケーラ= 32/33 分周時 ) Ta = 25 °C 10 入力感度 Pfin (dBm) 0 カタログ保証範囲 −10 −20 −30 VCC = 2.7 V VCC = 3.0 V −40 VCC = 3.6 V −50 0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 1800 2000 2200 2400 2600 2800 3000 入力周波数 fin (MHz) DS04–21358–5 15 MB15E07SL 2. OSCIN 入力感度 入力感度−入力周波数特性 Ta = 25 °C 入力感度 VOSC (dBm) 10 カタログ保証範囲 0 −10 −20 −30 VCC = 2.4 V −40 VCC = 3.0 V −50 VCC = 3.6 V −60 0 50 100 150 200 入力周波数 fOSC (MHz) 16 DS04–21358–5 MB15E07SL 3. Do 出力電流特性 1.5 mA モード VDO − IDO 特性 Ta = 25 °C VCC = 3.0 V Vp = 3.0 V チャージポンプ出力電流 IDO (mA) 10.00 2.000 /div IDOL 0 −10.00 IDOH 0 4.800 .6000/div チャージポンプ出力電圧 VDO (V) 6.0 mA モード VDO − IDO 特性 Ta = 25 °C VCC = 3.0 V Vp = 3.0 V チャージポンプ出力電流 IDO (mA) 10.00 IDOL 2.000 /div 0 IDOH −10.00 0 4.800 .6000/div チャージポンプ出力電圧 VDO (V) DS04–21358–5 17 MB15E07SL 4. fin 入力インピーダンス特性 1 : 12.646 Ω −57.156 Ω 1 GHz 2 : 22.156 Ω −12.136 Ω 1.5 GHz 4 3 : 33.805 Ω 11.869 Ω 2 GHz 4 : 23.715 Ω 8.9629 Ω 2.5 GHz 3 2 1 START 500.000 000 MHz STOP 2 500.000 000 MHz 5. OSCIN 入力インピーダンス特性 1: 9.917 Ω −3.643 Ω 3 MHz 2 : 3.7903 Ω −4.812 Ω 10 MHz 3: 4 1.574 Ω −3.4046 Ω 20 MHz 3 12 4 : 453.12 Ω −1.9213 Ω 40 MHz START 18 1.000 000 MHz STOP 50.000 000 MHz DS04–21358–5 MB15E07SL ■ ループ特性測定例 ( ロックアップタイム , 位相ノイズ , リファレンスリーク ) fVCO = 810.45 MHz KV = 17 MHz/V fr = 25 kHz fOSC = 14.4 MHz LPF Test Circuit S.G OSCIN fin スペクトラム アナライザ LPF Do VCC =VP = 3.0 V VVCO = 2.3 V Ta = 25 °C CP : 6 mA モード 9.1 kΩ 4.2 kΩ 4700 pF VCO 1500 pF 0.047 μF PLL リファレンスリーク REF −5.0 dBm 10 dB/ ATT 10 dB MKR 25.0 kHz −78.0 dB RBW 1 kHz SAMPLE VBW 1 kHz SWP 1.0 s SPAN 200 kHz CENTER 810.000 MHz PLL 位相ノイズ REF −5.0 dBm 10 dB/ ATT 10 dB MKR 2.28 kHz −53.1 dB RBW 100 Hz SAMPLE VBW 100 Hz SWP 10 s SPAN 20.0 kHz CENTER 810.000 MHz (続く) DS04–21358–5 19 MB15E07SL (続き) PLL ロックアップタイム 810 MH→826 MHz within ± 1 kHz Lch→Hch 1.30 ms PLL ロックアップタイム 826 MH→810 MHz within ± 1 kHz Hch→Lch 1.28 ms 846.000 MHz 838.000 MHz 826.000 MHz 818.000 MHz 806.000 MHz 798.000 MHz 500.0 μs/div 826.004000 MHz 810.004000MHz 826.000000 MHz 810.000000MHz 825.996000 MHz 809.996000MHz 500.0 μs/div 20 500.0 μs/div 500.0 μs/div DS04–21358–5 MB15E07SL ■ 応用回路例 VP 10 kΩ OUTPUT VCO LPF 12 kΩ 12 kΩ 10 kΩ Lock Det. コントローラ より φR φP LD/fout ZC PS LE Data Clock 16 15 14 13 12 11 10 9 1 2 3 4 5 6 7 8 OSCIN OSCOUT VP VCC DO GND Xfin fin 1000 pF 1000 pF 1000 pF TCXO 0.1 μF 0.1 μF VP:5.5 V Max (注意事項) ・ 端子番号は SSOP パッケージの番号です。 ・ 水晶振動子をご使用の際は , 水晶振動子と LSI のマッチングを行い , 充分にシステム評価してくだ さい。水晶振動子メーカとご相談のうえ , ご使用することを推奨します ( 基準発振回路部は自己バ イアス型 です。帰還抵抗は 100 kΩ ( 標準 ) です。) 。 ■ 取扱い上の注意 静電気破壊に対しては , 静電防止素子を付加し , また回路上で向上を図っておりますが , 取扱いについては下記の事項 を守ってください。 ・保管の移動の際には , 導電性ケースに入れてください。 ・取り扱う前に , 作業者および治具 , 工具類が帯電のない状態 ( アース ) であることを確認し , 作業台にはアースされた 導電性シートをご用意ください。 ・LSI をソケットに挿入 , またはソケットから取り外す際には , 電源をオフにしてください。 ・LSI を実装したボードを取り扱う ( 運搬など ) 際には , リードを導電性のシートで保護してください。 DS04–21358–5 21 MB15E07SL ■ オーダ型格 型格 パッケージ MB15E07SLPFV1 プラスチック・SSOP, 16 ピン (FPT-16P-M05) MB15E07SLWQN プラスチック・QFN, 16 ピン (LCC-16P-M69) 22 備考 DS04–21358–5 MB15E07SL ■ パッケージ・外形寸法図 プラスチック・SSOP, 16 ピン (FPT-16P-M05) プラスチック・SSOP, 16 ピン (FPT-16P-M05) リードピッチ 0.65mm パッケージ幅× パッケージ長さ 4.40 × 5.00mm リード形状 ガルウィング 封止方法 プラスチックモールド 取付け高さ 1.45mm MAX 質量 0.07g コード(参考) P-SSOP16-4.4×5.0-0.65 注 1)*1 印寸法のレジン残りは片側 +0.15(.006)MAX 注 2)*2 印寸法はレジン残りを含まず。 注 3)端子幅および端子厚さはメッキ厚を含む。 注 4)端子幅はタイバ切断残りを含まず。 *1 5.00±0.10(.197±.004) 0.17±0.03 (.007±.001) 9 16 *2 4.40±0.10 6.40±0.20 (.173±.004) (.252±.008) INDEX Details of "A" part +0.20 1.25 –0.10 +.008 .049 –.004 LEAD No. 1 8 0.65(.026) "A" 0.24±0.08 (.009±.003) 0.10(.004) C (Mounting height) 2003-2010 FUJITSU SEMICONDUCTOR LIMITED F16013S-c-4-8 0.13(.005) M 0~8° 0.50±0.20 (.020±.008) 0.60±0.15 (.024±.006) 0.10±0.10 (Stand off) (.004±.004) 0.25(.010) 単位:mm (inches) 注意:括弧内の値は参考値です。 (続く) DS04–21358–5 23 MB15E07SL (続き) プラスチック・QFN, 16 ピン リードピッチ 0.50 mm パッケージ幅× パッケージ長さ 4.00 mm × 4.00 mm 封止方法 プラスチックモールド 取付け高さ 0.80 mm Max. 質量 0.04 g (LCC-16P-M69) プラスチック・QFN, 16 ピン (LCC-16P-M69) 2.60±0.10 (.102±.004) 4.00±0.10 (.157±.004) 4.00±0.10 (.157±.004) INDEX AREA 0.25±0.05 (.010±.002) 2.60±0.10 (.102±.004) 0.40±0.05 (.016±.002) 0.50(.020) TYP 0.02 (.001 C +0.03 –0.02 +.001 –.001 1PIN CORNER (C0.35 (C.014)) 0.75±0.05 (.030±.002) (0.20(.008)) ) 2010 FUJITSU SEMICONDUCTOR LIMITED HMbC16-69Sc-1-1 単位:mm (inches) 注意:括弧内の値は参考値です。 最新の外形寸法図については , 下記 URL にてご確認ください。 http://edevice.fujitsu.com/package/jp-search/ 24 DS04–21358–5 MB15E07SL MEMO DS04–21358–5 25 MB15E07SL MEMO 26 DS04–21358–5 MB15E07SL MEMO DS04–21358–5 27 MB15E07SL 富士通セミコンダクター株式会社 〒 222-0033 神奈川県横浜市港北区新横浜 2-10-23 野村不動産新横浜ビル http://jp.fujitsu.com/fsl/ 電子デバイス製品に関するお問い合わせ先 0120-198-610 受付時間 : 平日 9 時∼ 17 時 ( 土・日・祝日 , 年末年始を除きます ) 携帯電話・PHS からもお問い合わせができます。 ※電話番号はお間違えのないよう , お確かめのうえおかけください。 本資料の記載内容は , 予告なしに変更することがありますので , ご用命の際は営業部門にご確認ください。 本資料に記載された動作概要や応用回路例は , 半導体デバイスの標準的な動作や使い方を示したもので , 実際に使用する機器での動作を保証するも のではありません。従いまして , これらを使用するにあたってはお客様の責任において機器の設計を行ってください。これらの使用に起因する損害な どについては , 当社はその責任を負いません。 本資料に記載された動作概要・回路図を含む技術情報は , 当社もしくは第三者の特許権 , 著作権等の知的財産権やその他の権利の使用権または実施 権の許諾を意味するものではありません。また , これらの使用について , 第三者の知的財産権やその他の権利の実施ができることの保証を行うもので はありません。したがって , これらの使用に起因する第三者の知的財産権やその他の権利の侵害について , 当社はその責任を負いません。 本資料に記載された製品は , 通常の産業用 , 一般事務用 , パーソナル用 , 家庭用などの一般的用途に使用されることを意図して設計・製造されてい ます。極めて高度な安全性が要求され , 仮に当該安全性が確保されない場合 , 社会的に重大な影響を与えかつ直接生命・身体に対する重大な危険性を 伴う用途(原子力施設における核反応制御 , 航空機自動飛行制御 , 航空交通管制 , 大量輸送システムにおける運行制御 , 生命維持のための医療機器 , 兵 器システムにおけるミサイル発射制御をいう), ならびに極めて高い信頼性が要求される用途(海底中継器 , 宇宙衛星をいう)に使用されるよう設計・ 製造されたものではありません。したがって , これらの用途にご使用をお考えのお客様は , 必ず事前に営業部門までご相談ください。ご相談なく使用 されたことにより発生した損害などについては , 責任を負いかねますのでご了承ください。 半導体デバイスはある確率で故障が発生します。当社半導体デバイスが故障しても , 結果的に人身事故 , 火災事故 , 社会的な損害を生じさせないよ う , お客様は , 装置の冗長設計 , 延焼対策設計 , 過電流防止対策設計 , 誤動作防止設計などの安全設計をお願いします。 本資料に記載された製品を輸出または提供する場合は , 外国為替及び外国貿易法および米国輸出管理関連法規等の規制をご確認の上 , 必要な手続き をおとりください。 本書に記載されている社名および製品名などの固有名詞は , 各社の商標または登録商標です。 編集 プロモーション推進部