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SFA0001
アプリケーションノート(Ver0.3)
2011年6月17日
サンケン電気株式会社
AMD事業部電装品技術1G
Sanken Electric Co.,Ltd.
SFA0001 アプリケーションノート
1 概要
SFA0001は高精度エラーアンプを内蔵したフライバック方式スイッチング電源制御用ICです。
制御に必要な外付け部品数が少なく、回路設計が容易で電源の小型化・標準化に適しています。
2 特長
●小型面実装、フルモールド8PINパッケージ(SOP8)
●高精度エラーアンプをICに内蔵しており、簡単にスイッチング電源が構成できます。
●IC電源端子電圧36V耐圧
●固定周波数PWM方式で制御し、発振周波数は外付けのコンデンサーにより設定できます。
●電流モード制御
●車載対応品
●外付けのコンデンサにより時間設定可能なソフトスタート機能内蔵
●豊富な保護機能
・過電流保護(OCP) → パルスバイパルスでMOSFETをOFF
・過負荷保護機能(OLP) → 自動復帰
・過熱熱保護 → 検知温度ヒステリシスによる復帰
絶対最大定格 (Ta=25℃)
項目
Parameter
記号
Symbol
規格値
Ratings
単位
Unit
OCP端子電圧
OCP terminal voltage
VOCP
-0.3~+6
V
SS/ELP端子電圧
SS/ELP terminal voltage
VSS
-0.3~+9
V
FB端子電圧
FB terminal voltage
VFB
-0.3~+6
V
制御部電源電圧
Input voltage for control part
VCC
0~36
V
位相補償端子電圧
Phase compensation terminal voltage
VCOMP
-0.3~+6
V
発振周波数設定端子電圧
Frequency setting terminal voltage
FREQ
-0.3~+6
V
制御部許容損失(MIC)
Power dissipation for control part(MIC)
PD
1.2(*1)
W
接合部温度
Junction temperature
Tj
-40~150
℃
保存温度
Storage temperature
Tstg
-40~150
℃
(*1) ガラスエポキシ基板実装時(基板サイズ:42mm×32mm×1mmt)
推奨動作条件
項目
Parameter
記号
Symbol
規格値
Ratings
単位
Unit
制御部動作電圧
Operating voltage for control part
VOP
6~24
V
FOSC
20~200
kHz
発振周波数
Switching frequency
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3 応用回路例
3.1 フライバック昇降圧コンバータ
3.2 フライバック昇降圧コンバータ(フォトカプラを使わない時)
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4 ブロック図
各機能の説明
VCC端子
VCC端子はICの電源入力端子です。電源が入力されるとまず常時電源が起動します。常
時電源はコンパレータの比較電圧等を作り出す2.5V±2%の高精度電源です。
VCC端子に動作開始電圧VCC(ON)以上の電圧が入力されますと、IC内部の電源がONしIC
は動作を開始します。VCCが低下し動作停止電圧VCC(OFF)以下の電圧となりますと、IC内
部の電源はOFFしICは動作を停止します。
電源ラインのインピーダンスが高いと、VCC端子電圧が大きく変動し誤動作する可能性が
あります。その場合は抵抗とコンデンサーを用いVCC端子電圧の変動をおさえてください。
FREQ端子
FREQ端子は、コンデンサーを接続することによりDrv端子出力の発振周波数を設定する端子
です。FREQ端子はVHF=2VとVLF=1Vの間をIsrc(FREQ)=30uAで充電Isnk(FREQ)=-86uAで放電をし
三角波発振しています。この発振によりDrv端子発振周波数が設定されます。また、充電と放電
の比により最大ONDutyを制御しています。
発振周波数の設定は下記のグラフを参考に設定してください。
周波数設定
発振周波数[kHz]
1000
100
10
10
100
1000
10000
FREQ容量[pF]
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FB端子
スイッチング電源の出力電圧の制御には、過渡応答および安定性に優れた電流モード
制御を採用しています。FB端子-COMP端子間に誤差増幅器が内蔵され、FB端子電圧を
フィードバック電圧 VFB=2.5Vにするように制御されます。
フォトカプラを用いないで二次側電圧を制御する場合、応用回路例のように補助巻き線
を用い、二次側出力とトランスにより結合した電圧を一次側に作ることにより制御を行い
ます。下図
のように補助巻き線系を構成しますと、補助巻き線系の平滑電圧V3と二次側出力電圧
VOUTの関係はN2とN3の巻き数比により決まり
VOUT=N2/N3×V3
となります。V3は抵抗で分圧されFB端子に入力され、ICはFB端子をVFB=2.5Vとするように
制御するため、
V3=(R1+R2)/R2×2.5
となります。したがって、二次側出力は
VOUT=N2/N3×(R1+R2)/R2×2.5
となるよう制御されます。
実際には、2次側と補助巻き線系のトランスの結合漏れや2次側整流ダイオードD2と補
助巻き線系ダイオードD1のVFの違いにより、上式から出力電圧はずれますので実機動作
で確認し調整してください。トランス巻き数N2=N3、VOUT=V3として、二次側整流ダイオード
D2と補助巻き線系ダイオードD1を同一種のものを使うと、より二次側出力電圧の精度が
上がります。補助巻き線系の消費電力と二次側の消費電力に大きな違いがあると、トラン
スの結合漏れからロードレギュレーションが悪くなるため、補助巻き線系にダミー抵抗R3
を入れてください。R3の値は実機動作と仕様から決定してください。
定電圧制御の動作について見ますと、二次側負荷が軽くなった場合、出力電圧が上昇
することに伴って、補助巻き線系の電圧も上昇し、FB端子に入力される電圧も上昇します。
この電圧がIC内部の誤差増幅器で負増幅され、スロープ補正信号を加えて、FB
Comparatorの目標値を生成します。
これに対し、パワーMOSFETのドレイン電流波形から作られた電圧のピーク値、すなわち
ドレイン電流のピーク値がOCP端子から入力され、低下したFB Comparatorの目標値に近
づくようにフィードバック動作します。その結果、パワーMOSFETのドレイン電流のピーク値
は低減し、出力電圧が上がらないように動作します。
負荷が重くなる場合は逆の動作となり、FB Comparatorの目標電圧は増大し、それに
伴ってドレイン電流のピーク値も増大し、出力電圧が下がらないように動作します。
COMP端子
誤差増幅器の出力端子となります。実機動作にあわせ位相補償してください。
また、フォトカプラを用いて2次側出力電圧を制御する場合は、応用回路にあるように
COMP端子にフォトカプラを接続してください。
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Vdrv[V]
Drv端子
Drv端子はMOSFETのゲートを接続する端子となります。
ドライブ端子は、VCC端子から内部レギュレータを通して出力しているため、VCCを上げて
いくと、ドライブ端子のHighレベルはVdrv=8.1Vでクランプされます。ドライブ電圧はVCC=7V
付近で内部レギュレータを切り替えており、VCC低下時ドライブ電圧が低くなりMOSFETを
ONできなくなるのを防ぎます。
使用するMOSFETは、ドレイン電流検出抵抗によりMOSFETのソースが0.5V程度持ち上
がることも考慮に入れ、MOSFETしきい値が切換え電圧付近のドライブ電圧より十分下に
あるものを使用してください。
9
8
7
6
5
4
3
2
1
0
0
5
10
15
20
25
VCC[V]
SS端子
SS端子はソフトスタート時間の設定、過負荷保護機能(OLP)の遅延時間の設定、ドライブ停止
機能の3つの機能を有する端子です。過負荷保護機能、ドライブ停止機能につきましてはそち
らの項目を参照ください。
電源起動時、パワーMOSFETおよび、整流ダイオードの電圧・電流ストレスを低減するためソフ
トスタート機能が内蔵されています。ソフトスタート時間はSS端子に接続されたコンデンサーによ
り設定されます。SS端子は過負荷保護機能の遅延時間も設定しているため、IC動作中SS端子
はVHSS/VLSS=2V/1Vで常に三角波発振しています。
電源が投入され、VCC≧VCC(ON)となるとICは動作を開始します。SS端子に接続されたコンデ
ンサーは定電流Isrc(SS)=15uAで充電されていきます。電源起動時からSS端子電圧がVHSS=2Vと
なるまでOCPしきい値はSS端子電圧に比例した電圧となり、SS端子電圧が一度VSS≧VHSSとな
るとラッチされ、OCPしきい値はVOCP=0.5Vで固定されます。電源起動時、このようにOCPしきい
値がSS端子と同期して徐々に増加することにより、パワーMOSFETのドレイン電流も徐々に上昇
しソフトスタートが働きます。
ソフトスタート動作時、OCPしきい値はVSS端子が約1.6Vとなると約0.5Vとなりクランプされるた
め、ソフトスタート時間Tssはおよそ
Tss[s]=1.6[V]×CSS[uF]/15[uA]
となります。
SS端子のコンデンサー容量は過負荷保護機能の遅延時間も設定しており、SS端子コンデン
サー容量が小さいと電源起動時、定常動作になるまえに過負荷保護が働き、起動不具合とな
るを場合があります。0.01uF~0.47uF程度を目安に実機動作を確認し決定してください。
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OCP端子
OCP端子はパワーMOSFETのドレイン電流を検出する端子となります。MOSFETのソースと
GND間に電流検出抵抗を接続しOCP端子に電圧入力してください。
SFA0001は電流モード制御によるICであるため、OCP端子に入力されたドレイン電流値を
用いて、出力電圧を制御します。そのためOCP端子は制御に必要な端子となります。また、
OCP端子はMOSFETのドレイン電流のピーク値を1Pulse毎に検出し、OCP端子電圧が
VOCP=0.5Vを超えると、パルス・バイ・パルスで過電流保護機能が動作し、パワーMOSFET
をターンOFFさせます。
ドレイン電流検出抵抗は高周波のスイッチング電流が流れるので、内部インダクタンスの
大きなものを使用すると誤動作等の不具合の原因となります。検出抵抗には内部のインダ
クタンスが小さく、かつサージ耐量の大きな物をご使用ください。また、スイッチングサージ
等により誤動作する場合は、RCフィルタ等を付けてください。
*OCP検出抵抗設計例
動作を不連続動作とすると、入力電圧をVIN、出力電力をWOUT、効率をη、MOSのOnDuty
をDutyとすると、ドレイン電流のピーク値は
Ipeak=2×WOUT/(η×VIN×Duty)
となります。
過電流点を定格電力の130%とすると、電流値は電力の1/2乗に比例するため、最低入力
電圧・最大負荷時に対するIpeakの114%程度をOCP点に設計します。
最低入力電圧・最大負荷時Duty=50%、効率を70%を仮定し設計とすると、OCPしきい値電
圧VOCP=0.5Vのため
ROCP=(0.5×η×VIN(MIN)×Duty)/(1.14×2×WOUT(MAX))
となります。
また、不連続動作時、OCP検出抵抗に流れる電流は三角波になるため実効値は
Irms=(Duty/3)^(1/2)×Ipeak
となり、これからOCP検出抵抗の消費電力は
WOCP=ROCP×Irms^2
となります。
これらの計算値は不連続動作時の値であるため、連続動作となる時上式からズレます。
この計算値を参考に実機動作から値を設定ください。
過負荷保護機能(OLP)
SFA0001は過負荷保護(OLP)回路を内蔵しており、過負荷状態(OCP動作によりドレイン
電流のピーク値が制限されている状態、または最大ONDutyまでDrv端子がONしている状
態)が一定時間(SS端子接続容量10nFの時、TOLP=42ms)続くとDrv端子は発振動作を停止
し、パワーMOSEFTおよび整流ダイオードの部品ストレスを軽減します。SS端子は
VHSS/VLSS=2V/1Vの間をIsrc(SS)=15uAで充電Isnk(SS)=-17uAで放電をし三角波発振して
います。これにより、この遅延時間はSS端子に接続されたコンデンサー容量により設定さ
れ、SS端子の接続容量がCSS[nF]の時
TOLP(CSS)[ms]=42[ms]×CSS[nF]/10[nF]
となります。
過負荷保護機能が働くと、Drv端子は7×TOLP(CSS)発振停止し、その後自動的に発振を
再開します。過負荷状態が解消されていないと、Drv端子は8×TOLPの周期で発振と停止
を繰り返します。
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ドライブ停止機能
SS端子にドライブ停止しきい値電圧VST=4[V]を超える電圧を外部から印加することで、強
制的にドライブ出力をLOWレベル固定でDrv端子の発振を停止させることができます。SS端
子に外部からの電圧印加がなくなり、VSS<VSTとなると再びDrv端子は発振を再開します。
過熱保護機能(TSD)
ICの制御回路部のジャンクション温度がTjH=165℃に達するとDrv端子の発振を停止さ
せる機能です。温度TjL=150℃まで下がると保護機能は解除され、Drv端子の発振を再開し
ます。
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