Date.2002.2.5 Quarterly Report スミダ コーポレーション株式会社 (コード番号 6817 東証一部) 〒 103-8589 東京都中央区日本橋人形町 3-3-6 2 0 0 1 年第 4 四半期の連結事業概況について 2001年第4四半期及び12ヶ月通期の決算ハイライト 業績概要 期別 科目 売 上 営 業 利 経 常 利 税引前 利 当期純 利 第 4 四 半 期 構成比 前期 構成比 当期 高 益 益 益 益 7,582 541 356 △ 14 839 100.0 7.1 4.7 △ 0.2 11.1 8,693 662 505 237 410 期別 科目 売 営 経 税 当 上 業 常 利 利 引 期 前 純 利 利 3Q 高 7,636 益 156 益 △ 44 益 △ 1,405 益 △ 1,651 100.0 7.6 5.8 2.7 4.7 当期 増減率 △ 12.8 31,558 △ 18.3 1,112 △ 29.5 82 △ 105.9 △ 1,779 104.6 △ 1,037 2001 2Q (単位:百万円,%) 12ヶ月通期 構成比 前期 構成比 増減率 100.0 3.5 0.3 △ 5.6 △ 3.3 33,575 3,318 2,967 2,632 1,973 2000 1Q 8,114 81 △ 277 △ 219 △ 131 8,226 333 47 △ 141 △ 94 4Q 3Q 2Q 8,693 662 505 237 410 9,207 1,248 1,149 1,105 669 8,231 695 623 611 459 100.0 9.9 8.8 7.8 5.9 △ 6.0 △ 66.5 △ 97.2 △ 167.6 △ 152.6 (単位:百万円) 1999 1Q 4Q 7,445 713 690 679 434 7,290 619 268 △ 482 △ 356 (単位:百万円) 2001 売 営 経 税 当 株 総 上 業 利 常 利 引前 利 期純 利 主 資 資 高 益 益 益 益 本 産 31,558 1,112 82 △ 1,779 △ 1,037 19,534 32,340 2000 1999 1998 1997 33,575 3,318 2,967 2,632 1,973 18,581 32,000 24,574 2,687 2,439 1,580 1,003 15,083 26,220 21,391 2,210 2,336 2,550 1,942 9,232 20,840 21,248 2,637 2,305 1,969 1,385 8,587 20,381 △ 78.11 163.43 1,471.32 1,539.48 *為替換算調整勘定は資本の部に計上しております。 101.56 1,374.60 205.07 974.60 146.25 906.54 一株当り指標(円) 利 益 株 主 資 本 1 2 0 0 1 年第 4 四半期 C E O メッセージ 2001 年はいろいろな出来事に大きく揺れた一年でした。史上最長の景気拡大を続けていた米国経 済は 2000 年後半から減速傾向を見せ、大型減税や FRB の度重なる利下げにもかかわらず、消費者 マインドの急激な落ち込みによる個人消費減速や設備投資減退などから 2001 年 7∼9 月期の米国経済 の実質 GDP 成長率は、93 年 1∼3 月期以来初めて減少に転じました。その影響は日本やアジア、更に は順調だった欧州に及びました。 電子機器業界におきましては次世代携帯電話、ウインドウズ xp の登場がありましたが、冷え込んだ消 費を刺激することはできませんでした。しかし全てが悪かったのではなく、音響・映像機器分野ではデジ タルテレビ、液晶テレビ゙などの需要が拡大しました。 PDP など今後期待される商品もあります。ブロードバンド ネットワークの低価格化も急速に進み、無線 LAN 市場も拡大を始めるなど、新しい技術が新たな市場を開 拓しています。 このような環境下、スミダグループは、 2001 年をリセットの年と位置付け、グループの抜本的な見直しを行い、 今後の電子機器業界における飛躍期に十分な成果を果たすため、よりコスト対応力のある企業体質を 確立すること、中・長期的視野に立った投資を継続することを基本方針とし、施策に着手、2001 年度中 に完了致しました。 これにより、予測される顧客からの価格下げ要請にも対応しながら、市場シェアを拡大する準備ができ ています。 コスト削減などの方策に加え、グローカリゼーションの一層の推進を図るため、中国での製造部門のリセットを 実行、北米、メキシコについても事業目的をより明確にした組織再編、営業権の償却及び人員の見直しを 含めた工場の再構築なども実施致しました。 2002 年につきましては、2001 年で経験したことを教訓とし、最優先課題として、2000 年度の利益水 準の回復を目指した“Revive Sumida”計画の確実な実行および BaaN 導入の本格化を進めてまいりま す。既に 2001 年度中にリセットを行った各事業に加え、製造部門では徹底したコスト追及を行っているベト ナム、自動車関連に特に傾斜するメキシコがより重要な役割を果たすようになると考えております。新設す る中国・蘇州工場も来年も成長が期待できるノート PC 市場向け工場として、活躍する予定です。 販売グループでは増強された製造部門を背景に、日本、アジアでデジタル商品向けコイルを引き続き伸ば すと共に、自動車関連分野のグループ売上高に占める割合が高まることを狙っています。 光事業分野においても、利益率は高くありませんが、今年から期待される DVD 関連市場の大きな成 長に向け、拡大するものと見ています。 引き続き、一歩先を行く“Global, Speed & Focus 21”を合言葉に、2002 年を新たな挑戦の年にしま す。 スミダグループCEO 2 八幡滋行 2 0 0 1 年第 4 四半期の連結業績概況について 2001 年第 4 四半期の電子機器業界は、 前年後半から始まった携帯電話、 パソコンなどの生産調整、 セットメーカーを中心としたリストラクチャリングの実施等により流通在庫は急激に縮小し、適性在庫に近付きつ つありますが、最終需要の大きな立ち上がりが見られず、厳しい状況が続きました。一方、車載 用電子部品は新車販売台数が伸び悩んでいる中、自動車の電子化の流れを受け依然好調が続いて います。 2001 年第 4 四半期の売上高につきましては、車載用電子部品が 2 桁の増加となりましたが、 音響・映像機器用コイル、通信・情報処理機器用コイル、その他コイル、光電子事業、電磁気事業共に減 少し、前年同期比 12.8%減の 7,582 百万円になりました。 原材料価格の引き下げ、製造経費の圧縮、生産効率の向上に努めましたが、減収による工場 稼働率の低下、アメリカの通信機器市場の悪化に伴う電磁気事業の改善の遅れなどにより、営業利益 は前年同期比 18.3%減の 541 百万円になりました。営業外費用に為替差損が計上されたことなど から経常利益は前年同期比 29.5%減の 356 百万円となりました。また、アメリカ子会社の株式評価損 に伴う税効果会計の適用により当期純利益は前年同期比 104.6%増の 839 百万円になりました。 2 0 0 1 年 1 - 1 2 月通期の連結業績概況について 2001 年は年初から電子機器メーカーの在庫・生産調整が進行する中、アメリカの同時多発テロ事件が勃 発し、世界の電子機器市場は急速に縮小しました。 音響・映像機器は、消費の手控えから液晶テレビを除き軟調に推移しました。携帯電話、パソコン の生産は夏から秋口にかけて底打ち感が見られ、その後増加傾向を辿っています が、回復のピッ チは極めて緩やかなものに留まっています。自動車機器分野では、新車販売台数が減少している にも拘らず、ABS、HID(ハイ・インテンシィ・ディスチャージ)ランプ、EPS(エレクトロニック・パワー・ステアリング) 、直噴 エンジン用部品など車載用電子部品の需要拡大が続いています。光電子関連部品では、前年末から のパソコンの在庫調整を受け光ピックアップの需要が低迷を続けていましたが、光ピックアップメーカーの淘汰 が進み、2001 年末より急激に市場が立ち上がってまいりました。 スミダグループにおきましては 2001 年をグループ事業総点検の好機と捉え、市場ニーズを最大限採り 込む販売活動及び次の市況回復に備えた新製品開発に専念すると同時に、中国工場を中心に徹底 した原価低減に取り組んでまいりました。また、北米事業ではマグネティックス、コンポーネント、ABS コイル各 部門の原材料価格の引き下げ、製造及び輸送の効率化等改善策を実施致しました。 2001 年 1-12 月通期の売上高につきましては、ABS コイル、HID ランプ用トランスを中心に車載用電子部 品の好調が続きましたが、音響・映像機器用コイル、通信・情報処理機器用コイル、光電子関連部品、 電磁気部品が減少し、前期比 6.0%減の 31,558 百万円となりました。 利益面では原材料費、労務費等製造部門を中心に改善効果が見られたものの、北米市場の急 激な落ち込みから電磁気事業の収益が水面下に留まったこと、前年の生産能力増強で中国工場の 固定費が増加したこと、研究施設、研究要員等 R&D の充実に伴い減価償却費、人件費が拡大した ことなどにより営業利益は前期比 66.5%減の 1,112 百万円になりました。 営業外収支にグループ会社間の取引に伴って発生した為替 差損、ABS コイルのメキシコ工場への移転費 用が計上されたことから、経常利益は前期比 97.2%減の 82 百万円となりました。また、特別損 失としてアメリカ子会社の営業権の一括償却、リストラクチャリング費用等を計上したため、当期純損益は△ 1,037 百万円になりました。 3 セグメント情報 製 品 用 途 別 売 上 高 期別 品目 コ 音響・映像機器 用コイル イ 通信・情報処理 ル 機器用コイル 事 その他コイル 車載用電子部品 業 コイル事業計 光電子事業 電磁気事業 その他事業 合計 当期 第4四半期 構成比 前期 構成比 402 5.3 515 3,341 389 1,178 5,310 995 1,277 7,582 44.1 5.1 15.6 70.1 13.1 16.8 0.0 100.0 3,699 609 1,001 5,824 1,340 1,422 107 8,693 増減率 5.9 △ 21.9 42.6 7.0 11.5 67.0 15.4 16.4 1.2 100.0 △ 9.7 △ 36.1 17.7 △ 8.8 △ 25.7 △ 10.2 △ 100.0 △ 12.8 当期 (単位:百万円、%) 12ヶ月通期 構成比 前期 構成比 増減率 1,734 5.5 2,173 6.5 △ 20.2 12,883 2,205 5,244 22,066 3,777 5,715 31,558 40.8 7.0 16.6 69.9 12.0 18.1 100.0 13,793 2,266 4,318 22,550 4,677 5,929 419 33,575 41.1 △ 6.6 6.7 △ 2.7 12.9 21.4 67.2 △ 2.1 13.9 △ 19.2 17.7 △ 3.6 1.2 △ 100.0 100.0 △ 6.0 事 業 別 セ グ メ ン ト 情 報 期別・科目 事業名 コイル事業 光電子事業 電磁気事業 その他事業 合計 当期(12ヶ月通期) 売上高 営業利益 22,066 3,777 5,715 31,558 利益率 (単位:百万円、%) 前期(12ヶ月通期) 売上高 営業利益 利益率 2,273 10.3 61 1.6 △ 1,222 △ 21.4 1,112 3.5 22,550 4,677 5,929 419 33,575 3,714 16.5 204 4.4 △ 672 △ 11.3 72 17.2 3,318 9.9 製 品 仕 向 地 別 売 上 高 期別 仕向地 日本 香港/中国 ASEAN 台湾/韓国 NAFTA EU 合計 当期 2,092 1,264 557 1,697 943 1,029 7,582 第4四半期 構成比 構成比 前期 27.6 16.7 7.3 22.4 12.4 13.6 100.0 2,315 1,949 811 922 1,538 1,158 8,693 26.6 22.5 9.3 10.6 17.7 13.3 100.0 4 増減率 当期 △ 9.6 △ 35.1 △ 31.3 84.1 △ 38.7 △ 11.1 △ 12.8 8,161 5,434 2,438 5,146 4,938 5,441 31,558 (単位:百万円、%) 12ヶ月通期 構成比 構成比 増減率 前期 25.9 17.2 7.7 16.3 15.7 17.2 100.0 8,914 6,530 2,904 3,926 6,186 5,115 33,575 26.5 △ 8.4 19.6 △ 16.8 8.6 △ 16.0 11.7 31.1 18.4 △ 20.2 15.2 6.4 100.0 △ 6.0 事業別状況 スミダグループの事業はコイル事業、 光電子事業、 電磁気事業から構成されております。 (2001 年 1-12 月通期の事業別状況をご説明するに当り、円での表示と同時に現地通貨での前期比の表示も付け 加えさせていただきます。現地通貨は、単一通貨の場合は当該現地通貨、複数の通貨に跨る場合 は US$換算での数値を採用しております。 ) 1.コイル事業 コイル事業の売上高は車載用電子部品が 2 桁の成長を遂げたのに対して、音響・映像機器用コイル、 通信・情報処理機器用コイル共に減少し、その他コイルも伸び悩んだため、前期比 2.1%減(現地通貨 ベース同 13.1%減)の 22,066 百万円になりました。 利益面では、比較的好採算の通信・情報処理機器用コイルが減少したこと、昨年の生産能力増強 で中国工場の固定費が増加したこと、前年設立した R&D 施設・M ラボの償却費が年間を通じて計 上されたこと、R&D 等人的資源の拡充を図り人件費が増加したことなどから、営業利益は前期比 38.8%減の 2,273 百万円となりました。 a)音響・映像機器用コイル 2001 年 1-12 月通期の音響・映像機器用コイルの売上高は前期比 20.2%減 (現地通貨ベース同 29.4% 減)のⅰ,734 百万円になりました。 地域別に見ますと、日本は液晶テレビ向けコイルが 2 倍強の成長を遂げましたが、ラジオ、ステレオ等 のオーディオ、VTR 向けが軟調に推移し、前期比 12.6%減の 826 百万円になりました。海外では、 香港・中国がラジオ、ラジカセ、TV 向けの縮小により前期比 24.6%減の 450 百万円、ASEAN はテレビ、 オーディオ等の生産調整から前期比 27.4%減の 458 百万円に減少しました。 b)通信・情報処理機器用コイル 2001 年 1-12 月通期の通信・情報処理機器用コイルの売上高は前期比 6.6%減(現地通貨ベース同 17.1%減)の 12,883 百万円になりました。 使用製品別内訳では、パソコン、PDA、パソコン周辺機器用コイル・トランスが前期比 23.5%減の 5,595 百 万円、携帯電話用コイルが前期比 49.5%減の 237 百万円、デジタルカメラ用コイルが前期比 7.4%減の 526 百万円、コードレス電話等その他が前期比 8.5 減の 3,373 百万円に減少しましたが、ノートパソコン用イ ンバータユニットは前期比 79.5%増の 3,152 百万円と更に拡大基調が続いています。 地域別では、日本が前期比 7.9%減の 4,091 百万円、アメリカは前期比 49.5%減の 919 百万円とな りました。香港・中国は前期比 13.9%減の 2,235 百万円、ASEAN は前期比 21.7%減の 1,458 百 万円に縮小しましたが、台湾はノートパソコン及び LCD モニター用のインバータユニットの寄与から前期比 36.2% 増の 4,180 百万円と好調が続いています。 c)その他コイル 2001 年 1-12 月通期のその他コイルの売上高は前期比 2.7%減(同 13.6%減)の 2,205 百万円に なりました。 エアコンの冷暖房切り替え用 4V コイルが急増し、給湯器向けも堅調に推移しましたが、他の FA 機 器用コイル等の減少が影響し、総額で伸び悩みました。 d)車載用電子部品 2001 年 1-12 月通期の車載用電子部品の売上高は前期比 21.4%増(現地通貨ベース同 7.9%増) の 5,244 百万円となりました。 ABS コイルは前期比 30.5%増の 3,022 百万円と成長が続いています。 生産数量では、 1998 年の 18,399 千個から 1999 年 39,398 千個、2000 年 47,471 千個に増加し、 2001 年は前期比 20.5%増の 57,200 千個に達しています。HID(ハイ・インテンシティ・ディスチャージ)ランプ 用トランスも前期比 7.9%増の 409 百万円と堅調に推移しています。 2.光電子事業 2001 年 1-12 月通期の光電子関連部品の売上高は前期比 19.2%減(現地通貨ベース同 28.2%減)の 3,777 百万円になりました。DVD-ROM 用光ピックアップは前期の約 4 倍の 353 百万円と本格的な成長 期を迎えつつありますが、主力の CD-ROM 用光ピックアップが前期比 35.3%減の 2,140 百万円に縮小 しました。工場経費、販売経費の削減に努めましたが、減収効果により営業利益は前期比 70.1% 減の 61 百万円となりました。 3.電磁気事業(REMtech) 2001 年 1-12 月通期における電磁気事業の売上高は前期比 3.6%減(同 14.4%減)の 5,715 百万 5 円を計上致しました。 リードリレーの部品であるスイッチの製造部門を買収し、2001 年 7 月に設立した SRC (SUMIDA REMtech CORPORATION)の売上が加わったものの、コンポーネント(ハイパフォーマンス、リードリレー、 サージアレスター)が大幅に減少致しました。 利益面では、マグネティック部門を中心とした原材料の低減、製造部門の経費の圧縮に取り組み ましたが、コンポーネント部門の大幅な減収等により、営業損益は△ 1,222 百万円となりました。 6 コイル及び光電子関連部品の受注数量の推移 (千個) 90,000 (%) 前年同月比 受注数 量 60,000 +40 +30 +20 +10 +0 -10 -20 -30 -40 前月比 30,000 0 Jan-00 Apr-00 Jul-00 Oct-00 Jan-01 Apr-01 Jul-01 Oct-01 コイルの販売額の推移 4,000 (百万円) (%) 前年同月比 コイルの販売額 前月比 2,000 0 Jan-00 Apr-00 Jul-00 Oct-00 Jan-01 Apr-01 Jul-01 +40 +30 +20 +10 +0 -10 -20 -30 Oct-01 P C 、P D A 用 コ イ ル (イ ン ハ ゙ ー タ ユ ニ ッ ト 除 く)の 販 売 額 の 推 移 800 (百万円) (%) PC、PDAコイルの販売額 前月比 前年同月比 600 400 200 0 Jan-00 Apr-00 Jul-00 Oct-00 Jan-01 Apr-01 Jul-01 +60 +40 +20 +0 -20 -40 -60 Oct-01 P C 、P D A 用 イ ン ハ ゙ ー タ ユ ニ ッ ト の 販 売 額 の 推 移 400 (百万円) 300 (%) 前年同月比 前月比 200 +200 +150 PC、PDAインバータ ユニットの販売額 +100 +50 100 +0 0 -50 Jan-00 Apr-00 Jul-00 Oct-00 Jan-01 Apr-01 Jul-01 Oct-01 ABSコイルの販売額の推移 500 (百万円) (%) 前月比 ABSコイルの販売額 400 前年同月比 300 200 100 0 Jan-00 Apr-00 Jul-00 Oct-00 Jan-01 7 Apr-01 Jul-01 Oct-01 +600 +500 +400 +300 +200 +100 +0 -100 -200 今後の経営環境と事業展開方針 続きまして、各セグメントの今後の経営環境と事業展開方針につきましてご説明させていただき ます。以下の記述は将来のスミダグループの業績に関わる見通しを含んでおります。将来の見通しに 関する記述は、 スミダグループが独自に判断し、 経営の指針として採用しているものです。 実際には、 世界各国の経済環境の変化、突発的な出来事など様々な要素により、見通しとは大きく乖離する 場合があります。これらの見通しに全面的に依拠されることはお控えいただくようお願い申し上 げます。 1.コイル事業 スミダグループのコイルの月間受注数量は、2000 年 6 月に 80,730 千個のピークをつけた後、電子機器 メーカ-の徹底した在庫調整から 2001 年 1 月に 60,000 千個を割り込み、2001 年 4 月には 55,000 千 個に減少しました。その後夏場から秋口にかけて一時的に回復致しましたが、アメリカの同時多発テ ロ事件をきっかけとした世界的な景気の低迷を受け再び減少し、2001 年 11 月にはピーク比 34.8% 減の 52,600 千個とここ 2 年来の最低水準を記録致しました。 また、コイルの月間販売額は受注数量に比べ 3 ヶ月遅れ 2000 年 9 月に 2,100 百万円のピークに達 した後、ほぼ一貫して緩やかな減少傾向を辿り、2001 年 12 月にはピーク比 20.0%減の 1,680 百万 円に低迷しています。今回のコイル事業停滞の大きな要因となっていました主力のパソコン及び PDA 向けコイルの販売額は、2000 年 10 月ピーク時の 725 百万円から 2001 年 8 月にピーク比 50.3%減の 360 百万円と逸早くボトムを形成し、12 月にはボトム比 55.6%増の 560 百万円に達しています。 2002 年のコイルの受注は、前年と打って変わり急激に立ち上がってまい りました。1 月 25 日時 点での受注数量は前月比 11.6%増の 61,300 千個を上回っています。地域別では、日本、台湾、 シンガポールが好調です。用途別では、デジタルスチルカメラ(DSC) 、デジタルビデオカメラ(DVC)用コイル、パソコン 向けインバータユニットに加え、主力のパソコン及び PDA 向けコイルが本格的に回復しています。携帯電話向け コイルも引き合いが活発化しています。2 月納入分の受注数量も既に予想の 9 割の水準に達してい ます。受注急増の背景として電子機器及び部品の在庫調整が急激に進行していること、外資系電 子機器メーカーを中心に業績が急回復していることなどが考えられます。 3 月以降の受注につきましては、4 月以降セットメーカーによる新機種投入が活発化すること、2002 年後半に景気回復が本格化することなどから比較的順調な需要を予測する見方もありますが、ス ミダグループは引き続き市場環境に左右されない企業体質の構築に専念致します。 標準コイルにおきましては、ユーザーの技術部門に密着した営業活動を展開すると同時に、更に強 化されるユーザーのサプライチェーンマネジメントに対応するため生産の効率化、納期の短縮化に取り組んでま いります。中国・蘇州にインバータユニットを中心とした製造・販売拠点を設立すると同時に、中国内で の営業部門を再編成し、販売強化を図ってまいります。携帯電話の超小型化を実現する低背パワ ーインダクタ、CPU の大容量・高速化に対応したパワーインダクタ及び DC/DC コンバータ、新しい金属・磁性材 料を採用したパワーインダクタ及びトランス、次世代携帯電話用コイル、液晶バックライト用インバータトランス及びユニット、 モバイル機器のブルートゥース化、無線 LAN に対応したトランスの開発にもに力を注いでまいります。また、 車載用電子部品では、ABS コイルを顧客 1 社に納入しておりましたが、2002 年秋口より新規顧客向 けの生産・販売を開始する予定です。HID ランプ用トランス及びモジュール製品、エントリーシステム用コイルの開発に も取り組んでまいります。 コイル事業の製造現場では、徹底した原価低減を実現しつつあります。2001 年のコイル事業の対売 上高材料比率は、原材料費の比重の高いインバータユニットの増加により前期に比べ 2.4 ポイント上昇しま したが、一般コイルの同比率につきまして は中国・番禺、太平の 2 工場を中心に大幅な原材料価格 の引き下げを実施し、前年水準を下回ることができました。番禺工場の原材料購入額に占めるコ スト削減効果 (=(2000 年末材料購入単価−2001 年当月材料購入単価)×当月材料購入数量/当月材 料購入額)は 2001 年半ばから本格化し、12 月は単月で 15.7%、通年でも 8.0%に達しました。太 平工場も同様の傾向を辿っています。 また、アメリカの ABS コイルの製造部門は今上期の試作の段階で高い不良率を示し、下期も 3 割近い 水準で推移していましたが、9 月 20.1%、10 月 17.0%、11 月 12.7%、12 月 10%前後と着実に改善 しつつあります。今後もサプライヤーとの交渉を活発化させると同時に、ABS コイル等の製造技術の向上 を図り、コイル事業の原材料比率の低減に取り組んでまいります。工場経費、販売費及び一般管理 費の削減にも引き続き力を注ぐ方針です。 8 2.光電子事業 パソコンの在庫調整を背景に光ピックアップの需要は低迷を続けてきましたが、2001 年第 4 四半期以 降ユーザーからの引き合いが高まっています。これは年初からの光ピックアップの過剰在庫が深刻化し たため、光ピックアップメーカーの事業縮小及び撤退が相次ぎ、市場淘汰が逸早く進行したこと、急激な 生産調整により過剰在庫が解消に向い生産が回復していることによるものです。 光ピックアップの残存メーカーが CD-ROM、DVD-ROM、CD R-R/W、DVD-RAM 等幅広い機種に亘り研究開発 を進めていることから、光ピックアップ及び光ピックアップ部品の需要は今後更に高まってくるものと予 想されます。スミダグループにおきましては、既存顧客の受注拡大を図ると共に、新規顧客の開拓を 強力に推し進めてまいります。DVD-ROM 用光ピックアップは 2000 年第 3 四半期から製造を始めまし たが、製造改革に努めたことにより、歩留率が急速に上昇しております。 2001 年第 4 四半期は、光ピックアップ及び光ピックアップ部品の需要増を背景に中国・番禺工場の製 造人員を大幅に増員しました。新しいメンバーが戦力化するのに 3∼4 ヶ月を要するため、同四半期 の営業利益は労務費及び製造経費の増加から水面下にありましたが、今後新しく投入した人員が 戦力化し売上高の拡大が見込まれるため、収益力は回復するものと考えております。 3.電磁気事業 2001 年におきましては、今まで懸案でありましたマグネティックス部門の製造現場での改善策を強力 に推し進めておりましたが、年後半よりコンポーネント(ハイパフォーマンス、ドライリードリレー、サージアレスター)の主要 な用途である通信機器の市場が急速に縮小致しました。コンポーネント部門の売上高が前期比 25.5%減 (US$の前期比 33.7%減)の 2,023 百万円と減少し、電磁気事業の営業損益は第 4 四半期も水面 下に留まりました。 只、電磁気事業の再建策は着実に成果を上げつつあります。原材料費につきましては、中国 工場の技術者を派遣し、原材料輸送の空輸から船便への切替え、コストの安い国境側への配送センター の変更、原材料のグループ内製品へのシフトを実施したことなどから大幅な削減を実現しました。電 磁気事業の対売上高材料比率は前期の水準に比較し 5 ポイント低下しております。 また、マグネティックス、コンポーネント部門を中心に余剰人員の削減に着手致しました。製造現場の人員 数はピークの今 4 月末の 1,445 名から 12 月末には 817 名まで減少し、両部門の当下期の人件費(従 業員給与、労務費、福利厚生費等を含む)は当上期比 26.1%減と大幅に引き下げることができま した。今後 2001 年に実施致しました改善策が着実に効果を発揮するものと確信しております。 9 連結貸借対照表 期 別 科 目 ( 資 産 の 部 ) Ⅰ 流 動 資 産 1. 現 金 及 び 預 金 2. 売 上 債 権 卸 資 産 3. 棚 4. そ の 他 5. 貸 倒 引 当 金 流 動 資 産 合 計 Ⅱ 固 定 資 産 (1) 有形固定資産 1. 建 物 及 び 構 築 物 2. 機械装置及び運搬具 3. 工 具 器 具 及 び 備 品 4. 土 地 5. 建 設 仮 勘 定 6. 減 価 償 却 累 計 額 有 形固 定 資産 合 計 (2) 無形固定資産 1. 借 地 権 2. 連 結 調 整 勘 定 3. そ の 他 無 形固 定 資産 合 計 (3) 投資その他の資産 1. 投 資 有 価 証 券 2. そ の 他 投資その他の資産合計 (単位:千円) 中間期末 第4四半期末 当期 金 額 構成比 前期 金 額 % 5,349,268 6,325,910 3,821,519 1,235,438 △ 63,412 16,668,723 6,643,163 10,549,409 3,328,409 1,259,545 147,145 △ 9,349,035 12,578,636 649,483 41,153 102,037 792,673 当期 金 額 % 51.5 4,892,637 7,042,392 4,366,458 1,144,792 △ 78,797 17,367,482 38.9 6,240,079 8,304,517 2,543,761 1,285,904 148,498 △ 6,914,276 11,608,483 2.5 572,532 99,329 1,598,847 2,270,708 333,450 1,966,527 構成比 構成比 % 54.3 4,213,906 6,491,612 4,153,113 1,915,617 △ 91,831 16,682,417 52.8 36.3 6,568,808 9,246,799 2,725,106 1,268,646 254,395 △ 8,130,660 11,933,094 37.8 7.1 618,607 66,224 1,508,206 2,193,037 6.9 241,314 511,824 347,080 445,318 固 定 資 産 合 計 2,299,977 15,671,286 7.1 48.5 753,138 14,632,329 2.3 45.7 792,398 14,918,529 2.5 47.2 資 32,340,009 100.0 31,999,811 100.0 31,600,946 100.0 31.3 2,781,023 4,517,850 3,654,813 10,953,686 34.2 2,214,244 4,907,698 2,675,606 9,797,548 31.0 2,377,424 311,586 2,689,010 12,794,116 8.3 39.6 1,922,900 314,558 227,177 2,464,635 13,418,321 7.7 41.9 1,773,500 416,100 2,189,600 11,987,148 6.9 37.9 11,517 0.0 5,375,711 5,169,258 8,347,551 100,523 541,874 △ 541 19,534,376 32,340,009 16.6 16.0 25.8 0.3 1.7 △ 0.0 60.4 100.0 産 合 計 ( 負 債 の 部 ) Ⅰ 流 動 負 債 1. 仕 入 債 務 2. 短 期 借 入 金 3. そ の 他 流 動 負 債 流 動 負 債 合 計 Ⅱ 固 定 負 債 1. 長 期 借 入 金 2. 退 職 給 与 引 当 金 3. そ の 他 固 定 負 債 固 定 負 債 合 計 負 債 合 計 ( 少数株主持分 ) 少 数 株 主 持 分 ( 資 本 の 部 ) Ⅰ 資 本 金 Ⅱ 資 本 準 備 金 Ⅲ 連 結 剰 余 金 Ⅳ その他有価証券評価差額金 Ⅴ 為 替換 算 調整 勘 定 Ⅵ 自 己 株 式 資 本 合 計 負 債 資 本 合 計 2,325,131 4,094,950 3,685,025 10,105,106 10 - 0.0 5,375,711 16.8 5,169,258 16.2 9,691,582 30.3 0.0 △ 1,654,429 △ 5.2 △ 632 △ 0.0 18,581,490 58.1 31,999,811 100.0 5,375,711 5,169,258 9,292,471 55,296 △ 278,284 △ 654 19,613,798 31,600,946 0.0 17.0 16.4 29.4 0.2 △ 0.9 △ 0.0 62.1 100.0 連結損益計算書 (単位:千円) 期 別 第4四半期 当期 科 目 金 額 12ヶ月通期 前期 百分比 金 額 % Ⅰ売 Ⅱ売 上 上 売 上 業 % 前期 百分比 金 額 % 百分比 % 7,582,409 100.0 8,692,892 100.0 31,558,398 100.0 33,575,103 100.0 価 5,639,462 74.4 6,771,527 77.9 24,123,564 76.4 24,280,549 72.3 利 益 1,942,947 25.6 1,921,365 22.1 7,434,834 23.6 9,294,554 27.7 1,401,559 18.5 1,259,584 14.5 6,322,920 20.1 5,976,813 17.8 541,388 7.1 661,781 7.6 1,111,914 3.5 3,317,741 9.9 Ⅲ 販売費及び一般管理費 営 金 額 高 原 総 当期 百分比 利 益 Ⅳ営業外収益(費用) 受取利息及び配当金 17,687 46,095 105,707 174,659 支払利息及び割引料 21,701 33,897 115,390 116,745 為替 差益 (差 損) △ 150,978 △ 63,347 △ 605,453 △ 61,811 却 8,280 118,259 327,800 378,929 その他の営業外収益(費用) △ 21,793 12,623 △ 86,874 32,358 営業外収益(費用)計 △ 185,065 △ 2.4 356,323 4.7 営 経 業 権 常 償 利 益 △ 156,785 △ 1.8 504,996 5.8 △ 1,029,810 82,104 △ 3.2 △ 350,468 △ 1.1 0.3 2,967,273 8.8 Ⅴ特 別 利 益 ( 損 失 ) 固定資産 売却益 327,244 49 361,601 502 固定資産除売却損 14,362 260,024 102,648 327,730 構 造 改 革 費 用 590,826 特 別 退 職 金 そ の他 特別 利益( 損失 ) 特別利益(損失)計 税 引 前 利 益 法 人 税 等 当 期 利 益 △ 92,855 △ 370,799 △ 4.9 △ 14,476 △ 0.2 △ 853,078 △ 11.3 838,602 11.1 - 1,934,693 - 91,641 △ 8,353 △ 268,328 △ 3.1 - △ 94,104 △ 1,861,485 △ 8,353 △ 5.9 △ 335,581 △ 1.0 2.7 △ 1,779,381 △ 5.6 2,631,692 7.8 △ 173,248 △ 2.0 △ 742,317 △ 2.3 659,042 1.9 △ 1,037,064 △ 3.3 1,972,650 5.9 236,668 409,916 11 4.7 連結キャッシュ・フロー (単位:千円) 期 別 科 目 12ヶ月通期 当期 前期 金 額 金 額 Ⅰ.営業活動によるキャッシュ・フロー 1.税金等調整前当期純利益又は損失(△) 2.減価償却費等 3.役員退職慰労金引当金の減少額 4.貸倒引当金の増減額 5.受取利息及び受取配当金 △ 1,779,381 2,631,692 3,622,370 2,047,942 △ 314,558 △ 16,110 15,385 △ 20,407 △ 105,707 △ 174,659 6.支払利息 115,390 116,745 7.為替差損 42,957 61,811 8.子会社整理損 - 9.投資有価証券評価損 93,104 10.ゴルフ会員権評価損 - 11.ゴルフ会員権除売却損 1,000 12.固定資産除売却損 102,648 13.固定資産売却益 1,757 2,421 4,175 327,730 △ 361,601 △ 502 1,089,124 △ 833,177 15.棚卸資産の増減額 990,585 △ 1,032,600 16.仕入債務の増減額 △ 904,844 660,340 17.その他資産負債減少額 △ 60,841 △ 205,341 18.取締役賞与金 △ 53,500 △ 30,000 小 計 2,492,131 3,541,817 14.売上債権の増減額 19.利息及び配当金受取額 105,707 174,659 20.利息支払額 △ 118,513 △ 120,579 21.法人税等支払額 △ 721,667 △ 657,217 1,757,658 2,938,680 △ 1,043,613 △ 4,197,263 403,170 10,106 営業活動によるキャッシュ・フロー Ⅱ.投資活動によるキャッシュ・フロー 1.有形固定資産の取得 2.有形固定資産の売却 3.新規連結子会社取得に伴う支出 △ 1,003,790 投資活動によるキャッシュ・フロー △ 1,644,233 △ 4,187,157 Ⅲ.財務活動によるキャッシュ・フロー 1.短期借入金純増減額 △ 448,643 251,074 1,300,000 1,200,000 3.長期借入金の返済 △ 815,468 △ 840,800 4.配当金の支払額 △ 253,467 △ 230,426 財務活動によるキャッシュ・フロー △ 217,578 379,848 Ⅳ.現金及び現金同等物に係る換算差額 560,784 375,231 Ⅴ.現金及び現金同等物の増減額 456,631 △ 493,398 Ⅵ.現金及び現金同等物期首残高 4,892,637 5,386,035 Ⅶ.現金及び現金同等物期末残高 5,349,268 4,892,637 2.長期借入金による調達 12 補足説明 当社の業績及び財政状態を国際的会計基準で把握するため、米国財務会計基準(US-GAAP) 基づく連結財務諸表を作成しております。 連結損益計算書(非監査)の主要科目の数値は下記の様になっています。 1) 2001 年第 4 四半期連結業績 期別 科目 売 上 高 営 業 利 益 経 常 利 益 税 引 前 利 益 当 期 純 利 益 (単位:百万円、%) 第4四半期 US-GAAP 構成比 日本会計基準 構成比 7,582 100.0 7,582 100.0 500 6.6 541 7.1 324 4.3 356 4.7 △ 47 △ 0.6 △ 14 △ 0.2 814 10.7 839 11.1 2)2001 年 12 ヶ月通期連結業績 期別 科目 売 上 営 業 利 経 常 利 税 引 前 利 当 期 純 利 高 益 益 益 益 (単位:百万円、%) 12ヶ月通期 US-GAAP 構成比 日本会計基準 構成比 31,558 100.0 31,558 100.0 654 2.1 1,112 3.5 △ 48 △ 0.2 82 0.3 △ 1,909 △ 6.0 △ 1,779 △ 5.6 △ 1,135 △ 3.6 △ 1,037 △ 3.3 注:米国会計原則では営業権の償却費用は販売費及び一般管理費として処理 されておりますが、日本会計原則では営業外費用として処理されています。 この営業権の償却費用が、12 ケ月通期において328百万円あります。 13