− 第 1 章 − 特長と構造 目次 ページ 1 IGBT-IPM の特長 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1-2 2 パッケージ別 IPM の特長 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1-3 3 型式・ロット No.が示す内容 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1-5 4 ラインナップ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1-6 5 外形図 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1-7 6 構造 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1-12 1-1 第1章 1 特長と構造 IGBT-IPM の特長 IPM(インテリジェント・パワーモジュール)は、IGBT モジュールにドライブ回路と保護回路を内蔵した 制御 IC が搭載されたインテリジェント型モジュールで、次の特長を持っています。 1.1 ドライブ回路内蔵 ・最適に設定された条件で IGBT をドライブします。 ・ドライブ回路−IGBT 間配線長が短く、ドライブ回路のインピーダンスが低いため、逆バイアス電源が 不要です。 ・必要となる制御電源は下アーム側 1、上アーム側 3、合計 4 電源です。 1.2 保護回路の内蔵 ・過電流保護(OC)、短絡保護(SC)、制御電源電圧低下保護(UV)、過熱保護(TjOH)、およびこれらアラー ムの外部出力(ALM)を内蔵します。 ・OC、SC は IGBT を過電流、負荷短絡による破壊から保護する機能であり、各 IGBT に内蔵した検出 素子によりコレクタ電流を検出して行う為、どの IGBT に発生した異常でも保護可能で、さらにアーム 短絡も保護可能です。 ・UV はドライブ電源の電圧低下に対して動作する保護機能であり、全制御 IC に内蔵しています。 ・TjOH は各 IGBT チップ上に温度検出素子を設け、チップの異常発熱に対して高速に保護が機能します。 ・ALM はアラーム信号を外部に出力する機能であり、OC、SC、UV、TjOH の保護動作時に、IPM を制 御するマイコンへアラーム信号を出す事により、システムを確実に停止する事が可能です。*1 *1 各 IPM の保護機能は、第 3 章 機能の説明をご参照下さい。 1.3 ブレーキ回路の内蔵(7in1 IPM) ・減速時の電力を消費する抵抗を付加する事でブレーキ回路を構成できます。 ・インバータ部と同様にドライブ回路、保護回路を内蔵します。 1.4 RoHS 規制準拠 ・V-IPM シリーズでは、全型式において、RoHS 規制に準拠しています。 1-2 第1章 2 特長と構造 パッケージ別 IPM の特長 2.1 小容量タイプ(下アームのみアラーム出力機能搭載 6in1) 600V 系 20A∼50A、1200V 系 10A∼25A を小容量タイプとしてラインナップしています。 (P629 パッケージ) ・P629 パッケージ製品は、銅ベースタイプです。放熱性に優れます。 ・制御入力端子は 2.54mm 標準ピッチです。 ・主端子形状が平型端子形状で、制御入力端子と同一高さである為、同一プリント板で 半田付け接続可能です。 ・第 6 世代 IGBT の適応により、Vce(sat)とスイッチング損失のトレードオフを改善し、トータル損失 を低減しています。 ・IGBT チップ過熱保護によりチップを異常発熱から保護します。*1 ・IGBT 過電流保護は、センス IGBT 方式により検出しています。*1 ・R-IPM シリーズ P619 と取付け互換があります。 *1 上アーム側では保護機能はありますが、アラーム出力機能はありません。 2.2 中容量小型タイプ(上下アームアラーム出力機能搭載 6in1) 600V 系 50A∼75A、1200V 系 25A∼50A を中容量小型タイプとしてラインナップしています。 (P626 パッケージ) ・制御入力端子は 2.54mm 標準ピッチです。 ・主端子形状が平型端子形状で、制御入力端子と同一高さである為、同一プリント板で 半田付け接続可能です。 ・第 6 世代 IGBT の適応により、Vce(sat)とスイッチング損失のトレードオフを改善し、トータル損失 を低減しています。 ・IGBT チップ過熱保護によりチップを異常発熱から保護します。 ・IGBT 過電流保護は、センス IGBT 方式により検出しています。 2.3 中容量薄型タイプ(上下アームアラーム出力機能搭載 6in1、7in1) 600V 系 50A∼200A、1200V 系 25A∼100A を中容量薄型タイプとしてラインナップしています。 また、600V 系 100A∼200A、1200V 系 50A∼100A を通常品と高放熱タイプから選択できます。 (P630 パッケージ) ・制御入力端子は 2.54mm 標準ピッチで、汎用コネクタ並びに半田付けで接続可能です。 ガイドピンによりプリント板用コネクタの挿入も容易です。 ・主端子は M4 ネジです。 ・ヒートシンクへの取り付けネジ径は、主端子と共通の M4 です。 ・電気的接続はすべてネジ及びコネクタで、半田付けの必要がなく、取り外しも容易です。 1-3 第1章 特長と構造 ・第 6 世代 IGBT の適応により、Vce(sat)とスイッチング損失のトレードオフを改善し、トータル損失 を低減しています。 ・IGBT チップ過熱保護によりチップを異常発熱から保護します。 ・IGBT 過電流保護は、センス IGBT 方式により検出しています。 2.4 大容量タイプ(上下アームアラーム出力機能搭載 6in1、7in1) 600V 系 200A∼400A、1200V 系 100A∼200A を大容量タイプとしてラインナップしています。 (P631 パッケージ) ・主電源入力(P1,P2,N1,N2)、ブレーキ入力(B)、及び出力端子(U,V,W)が各々近接して配置され、 メイン配線が容易なパッケージ構造です。P1 及び P2、N1 及び N2 端子は、内部で接続されています。 ・主端子は M5 ネジにより、大電流接続が確実に行えます。 ・ヒートシンクへの取り付けネジ径は主端子と共通の M5 です。 ・電気的接続はすべてネジ及びコネクタで、半田付けの必要がなく、取り外しも容易です。 ・第 6 世代 IGBT の適応により、Vce(sat)とスイッチング損失のトレードオフを改善し、トータル損失 を低減しています。 ・IGBT チップ過熱保護によりチップを異常発熱から保護します。 ・IGBT 過電流保護は、センス IGBT 方式により検出しています。 ・R-IPM シリーズ P612 と取付け互換があります(制御端子部分は除く)。 2.5 中容量小型タイプ(上下アームアラーム出力機能搭載 6in1、7in1) 600V 系 50A∼100A、1200V 系 25A∼50A を中容量小型タイプとしてラインナップしています。 (P636 パッケージ) ・制御入力端子は 2.54mm 標準ピッチです。 ・主端子形状が平型端子形状で、制御入力端子と同一高さである為、同一プリント板で 半田付け接続可能です。 ・フタ上面に高さの異なる2種類の突起を設けており、ベース面から装置制御プリント板までの高さを 17.0mm、18.5mm から選択できます。 (図 1-12 参照) ・第 6 世代 IGBT の適用により、Vce(sat)とスイッチング損失のトレードオフを改善し、トータル損失 を低減しています。 ・IGBT チップ過熱保護によりチップを異常発熱から保護します。 ・IGBT 過電流保護は、センス IGBT 方式により検出しています。 1-4 第1章 3 型式・ロット No.が示す内容 ・形式 6 MBP 50 V B A 060 -50 機種の追番 電圧定格 060:600V 120:1200V シリーズの追番 パッケージ A:P629 B:P626 D:P630 E:P631 F:P636 シリーズ名 インバータ部電流定格 IGBT-IPMを表す 主素子数 7:ブレーキ内蔵 6:ブレーキ無し ・ロット No. 2 1 0 0 0 追番(001~999) 生産月 1:1月 ・ ・ ・ O:10月 N:11月 D:12月 生産年 2:2012年 3:2013年 4:2014年 ・ ・ ・ ・ラベル 6MBP50VBA060-50 50A 600V ロットNO. 製造国 製造場所 データマトリックス 1-5 特長と構造 第1章 4 特長と構造 ラインナップ 600V系 パッケージ P629 P626 P630 P631 P636 20A 30A 50A 75A 6MBP20VAA060-50 6MBP30VAA060-50 6MBP50VAA060-50 - 6MBP50VBA060-50 6MBP75VBA060-50 - 7/6MBP50VFN060-50 7/6MBP75VFN060-50 100A - - - 7/6MBP100VFN060-50 150A - - - - 200A - - 7/6MBP50VDA060-50 7/6MBP75VDA060-50 7/6MBP100VDA060-50 7/6MBP100VDN060-50 7/6MBP150VDA060-50 7/6MBP150VDN060-50 7/6MBP200VDA060-50 7/6MBP200VDN060-50 - 7/6MBP200VEA060-50 - 7/6MBP300VEA060-50 7/6MBP400VEA060-50 - 電流定格 300A 400A 注) 7/6MBP***VDN060-50は高放熱タイプです。 1200V系 パッケージ P629 P626 P630 P631 P636 10A 15A 25A 35A 6MBP10VAA120-50 6MBP15VAA120-50 6MBP25VAA120-50 - 6MBP25VBA120-50 6MBP35VBA120-50 - 7/6MBP25VFN120-50 7/6MBP35VFN120-50 50A - 6MBP50VBA120-50 - 7/6MBP50VFN120-50 75A - - - - 100A - - 7/6MBP25VDA120-50 7/6MBP35VDA120-50 7/6MBP50VDA120-50 7/6MBP50VDN120-50 7/6MBP75VDA120-50 7/6MBP75VDN120-50 7/6MBP100VDA120-50 7/6MBP100VDN120-50 - 7/6MBP100VEA120-50 - 7/6MBP150VEA120-50 7/6MBP200VEA120-50 - 電流定格 150A 200A 注) 7/6MBP***VDN120-50は高放熱タイプです。 1-6 第1章 5 特長と構造 外形図 注) 1. □は理論寸法を示す。 2. 端子ピッチは根元寸法とする。 3.( )内寸法は、参考値とする。 4. 端子: Sn系メッキ (半田付け仕様) [ 寸法: mm] 図 1-1 外形図 (P629) 対象型式: 6MBP20VAA060-50、6MBP30VAA060-50、6MBP50VAA060-50 6MBP10VAA120-50、6MBP15VAA120-50、6MBP25VAA120-50 1-7 第1章 特長と構造 注) 1.□は理論寸法を示す。 2.端子ピッチは根元寸法とする。 3.端子: Sn系メッキ (半田付け仕様) [寸法: mm] 図 1-2 外形図 (P626) 対象型式:6MBP50VBA060-50、6MBP75VBA060-50 6MBP25VBA120-50、6MBP35VBA120-50、6MBP50VBA120-50 1-8 第1章 特長と構造 注) 1.□は理論寸法を示す。 2.端子ピッチは根元寸法とする。 3.( )内寸法は、参考値とする。 4.主端子: Niメッキ 制御端子: 下地Ni+表面Auメッキ (コネクタ、半田付け仕様) 5.制御端子両側にあるガイドピンは、黄銅(しんちゅう)です。 (内部は、絶縁されており、どの部分にも接続されていません。) [寸法:mm] 図 1-3 外形図 (P630) 対象型式: 7/6MBP50VDA060-50、7/6MBP75VDA060-50、7/6MBP100VDA060-50、7/6MBP100VDN060-50、7/6MBP150VDA060-50 7/6MBP150VDN060-50、7/6MBP200VDA060-50、7/6MBP200VDN060-50、7/6MBP25VDA120-50、7/6MBP35VDA120-50 7/6MBP50VDA120-50、7/6MBP50VDN120-50、7/6MBP75VDA120-50、7/6MBP75VDN120-50、7/6MBP100VDA120-50 7/6MBP100VDN120-50 1-9 第1章 特長と構造 注) 1.□は理論寸法を示す。 2.端子ピッチは根元寸法とする。 3.( )内寸法は、参考値とする。 4.主端子: Niメッキ 制御端子: 下地Ni+表面Auメッキ (コネクタ、半田付け仕様) 5.制御端子両側にあるガイドピンは、黄銅(しんちゅう)です。 (内部は、絶縁されており、どの部分にも接続されていません。) [寸法:mm] 図 1-4 外形図 (P631) 対象型式:7/6MBP200VEA060-50、7/6MBP300VEA060-50、7/6MBP400VEA060-50 7/6MBP100VEA120-50、7/6MBP150VEA120-50、7/6MBP200VEA120-50 1-10 第1章 特長と構造 注) 1.□は理論寸法を示す。 2.端子ピッチは根元寸法とする。 3.( )内寸法は、参考値とする。 4.端子: Sn系メッキ (半田付け仕様) [寸法: mm] 図 1-5 外形図 (P636) 対象型式:7/6MBP50VFN060-50、7/6MBP75VFN060-50、7/6MBP100VFN060-50 7/6MBP25VFN120-50、7/6MBP35VFN120-50、7/6MBP50VFN120-50 1-11 第1章 6 特長と構造 構造 ※本図は、材料説明のための図であり、正確なチップサイズやレイアウトを表記したものではありません。 No. 部品名 材料(主) 1 絶縁基板 2 IGBT チップ セラミック シリコン 3 FWD チップ 4 プリント基板 (PCB) 5 IC チップ シリコン 6 ベース 7 主端子 銅 銅 ガラスエポキシ 備考 ハロゲンフリー シリコン ニッケルメッキ 下地:ニッケルメッキ 表面:すずー銅メッキ 8 フタ 9 ケース PPS樹脂 PPS樹脂 UL 94V-0 UL 94V-0 10 ワイヤー 11 ゲル アルミニウム シリコーン樹脂 12 制御端子 黄銅(しんちゅう) 下地:ニッケルメッキ 表面:すずー銅メッキ *1:鉛ガラスは、RoHS対象外。 図 1-6 構造(P629) 1-12 第1章 特長と構造 ※ 本図は、材料説明のための図であり、正確なチップサイズやレイアウトを表記したものではありません。 No. 部品名 1 絶縁基板 材料(主) 備考 セラミック 2 IGBT チップ シリコン 3 FWD チップ 4 プリント基板 (PCB) 5 IC チップ シリコン 6 ベース 7 主端子 銅 銅 ガラスエポキシ ハロゲンフリー シリコン ニッケルメッキ 下地:ニッケルメッキ 表面:すずー銅メッキ 8 フタ 9 ケース PPS樹脂 PPS樹脂 UL 94V-0 UL 94V-0 10 ワイヤー 11 ゲル アルミニウム シリコーン樹脂 12 制御端子 黄銅(しんちゅう) 下地:ニッケルメッキ 表面:すずー銅メッキ *1:鉛ガラスは、RoHS対象外。 図 1-7 構造(P626) 1-13 第1章 特長と構造 ※本図は、材料説明のための図であり、正確なチップサイズやレイアウトを表記したものではありません。 No. 部品名 1 絶縁基板 材料(主) 備考 セラミック 2 IGBT チップ シリコン 3 FWD チップ 4 プリント基板 (PCB) 5 IC チップ シリコン 6 ベース 7 主端子 銅 銅 ニッケルメッキ 表面:ニッケルメッキ 8 フタ PPS樹脂 UL 94V-0 9 ケース 10 ワイヤー PPS樹脂 アルミニウム UL 94V-0 11 ゲル 12 制御端子 シリコーン樹脂 黄銅(しんちゅう) ガラスエポキシ ハロゲンフリー シリコン 下地:ニッケルメッキ 表面:金メッキ 13 ガイドピン *1:鉛ガラスは、RoHS対象外。 黄銅(しんちゅう) 図 1-8 構造(P630) 1-14 第1章 特長と構造 ※本図は、材料説明のための図であり、正確なチップサイズやレイアウトを表記したものではありません。 No. 部品名 1 絶縁基板 材料(主) 備考 セラミック 2 IGBT チップ シリコン 3 FWD チップ 4 プリント基板 (PCB) 5 IC チップ シリコン 6 ベース 7 主端子 銅 銅 ニッケルメッキ 表面:ニッケルメッキ 8 フタ PPS樹脂 UL 94V-0 9 ケース 10 ワイヤー PPS樹脂 アルミニウム UL 94V-0 11 ゲル 12 制御端子 シリコーン樹脂 黄銅(しんちゅう) ガラスエポキシ ハロゲンフリー シリコン 下地:ニッケルメッキ 表面:金メッキ 13 ガイドピン *1:鉛ガラスは、RoHS対象外。 黄銅(しんちゅう) 図 1-9 構造(P631) 1-15 第1章 ※ 本図は、材料説明のための図であり、正確なチップサイズやレイアウトを表記したものではありません。 No. 部品名 材料(主) 備考 1 絶縁基板 セラミック 2 IGBT チップ シリコン 3 FWD チップ 4 プリント基板 (PCB) シリコン 5 IC チップ シリコン 6 ベース 銅 ニッケルメッキ 7 主端子 銅 表面:すず系メッキ 8 フタ PBT樹脂 UL 94V-0 9 ケース PPS樹脂 UL 94V-0 ハロゲンフリー ガラスエポキシ 10 ワイヤー アルミニウム 11 ゲル シリコーン樹脂 12 リング SUS 13 制御端子 黄銅(しんちゅう) 図 1-10 構造(P636) 1-16 表面:すず系メッキ 特長と構造 第1章 特長と構造 ・IPM の主端子(ネジタイプ) 主端子部の構造を以下に示します。 電極 A 部断面図 図 1-11 IPM の主端子部の構造(例 P630) 表 1-1 IPM 主端子部の仕様 PKG ネジ規格 主端子 ナット部 ネジ部 厚さ(B) 深さ(C) 深さ(D) P630 M4 0.8 3.5 8.5±0.5 P631 M5 1 4 9.0±0.5 〔単位:mm〕 ・IPM のガイドピン P630 及び P631 の制御端子部の両側にあるガイドピンは黄銅(しんちゅう)です。内部は絶縁されて おり、どの部分にも接続されていません。 1-17 第1章 ・P636 パッケージ 特長と構造 フタ上面の突起高さについて P636 のフタ上面突起の活用方法を変える事により、突起部で支える装置制御プリント板高さを IPM 底面から 17.0mm ・ 18.5mm の2種類から選択する事が可能です。 (a) 18.5 ㎜高さとする場合 (b) 図 1-12 突起高さ活用方法 1-18 17.0 ㎜高さとする場合