高精度マイクロパワー 単電源オペアンプ OP777 特長 機能ブロック図 低オフセット電圧:100μV max 低入力バイアス電流:10nA max 8ピン MSOP (記号RM) 単電源動作:2.7∼30V 両電源動作:±1.35∼±15V 低電源電流:1アンプ当たり270μA ユニティ・ゲイン安定 NC IN IN V 1 8 OP777 4 5 NC V+ OUT NC NC = 無接続 8ピンSOIC (記号R) 位相反転なし アプリケーション NC 1 高精度電流測定 IN 2 +IN 3 ラインまたはバッテリ駆動機器 リモート・センサー 高精度フィルタ V 8 NC OP777 7 V+ 6 OUT 5 NC 4 NC = 無接続 概要 要 OP777は、 マイクロパワー動作でレールtoレール出力を実現する、 高 精度の単電源アンプです。±15V電源の工業用アンプの標準 OP07より優れた特性を持ち、最低2.7Vまでの真の単電源動作が 可能で、 しかもあらゆる高電圧高精度のバイポーラ・アンプより小型 パッケージであるという利点を備えています。出力は1000pFを超え る容量性の負荷について安定しています。電源電流は、 5V電源で 1アンプ当たり300μA未満です。500Ωの直列抵抗が入力を保護す るため、 入力信号が双方の電源レールを最高3Vまで超えても出力 信号に位相反転を生ずることがなく、 アンプに損傷も生じません。 ま た、 独自の生産プロセスにより、 10Hzを下回る非常に低い低電圧ノ イズ・コーナー周波数を達成し、 OP07など他のアンプに比べて低周 波ノイズ特性を大きく改善しています。OP777用に特別に生産され た入力PNPトランジスタは、 非常に低い入力バイアス電流で動作し、 大きな差動電圧での動作が可能です。従って、 OP777は、 多くの高 精度アンプに共通する制約をなくすとともに、高精度コンパレータお よび整流回路のアプリケーションでの使用が可能です。 この大きな 差動電圧性能により、 クランプ用のダイオードなどの外部保護回路 の必要性が大きく減少しています。OP777を使用するアプリケーシ ョンとしては、 ライン電源および携帯機器の両方での機器、 またリモ ート ・センサー信号整形および高精度フィルタなどが含まれます。 OP777は、拡張工業温度範囲(−40∼+85℃) で仕様規定され、8 ピンMSOPと8ピンSOICパッケージで供給されます。OP777は標準 的なオペアンプのピン出力を備えており、 ほとんどの回路において低 性能のアンプから置き換え可能です。MSOPパッケージの表面実装 型デバイスは、 テープおよびリールのみにより供給可能です。 アナログ・デバイセズ社が提供する情報は正確で信頼できるものを期していますが、そ の情報の利用または利用したことにより引き起こされる第3者の特許または権利の侵害 に関して、当社はいっさいの責任を負いません。さらに、アナログ・デバイセズ社の特 許または特許の権利の使用を許諾するものでもありません。 REV.0 アナログ・デバイセズ株式会社 本 社/東京都港区海岸1-16-1 電話03 (5402)8400 〒105-6891 ニューピア竹芝サウスタワービル 大阪営業所/大阪市淀川区宮原3-5-36 電話06(6350)6868(代) 〒532-0003 新大阪第二森ビル OP777-仕様 電気的特性(特に指示のない限り、VS=5.0V、VCM=2.5V、TA=25℃) パラメータ 記号 入力特性 オフセット電圧 VOS 条件 Min IB IOS −40℃≦TA≦+85℃ −40℃≦TA≦+85℃ −40℃≦TA≦+85℃ CMRR AVO ΔVOS/ΔT VCM=0∼4V RL=10kΩ、VO=0.5∼4.5V −40℃≦TA≦+85℃ 出力特性 オフセット電圧ハイレベル オフセット電圧ロー 短絡制限 VOH VOL IOUT IL=1mA、−40℃≦TA≦+85℃ IL=1mA,−40℃≦TA≦+85℃ VDROPOUT<1V 4.88 電源 電源除去比 電源電流/アンプ PSRR ISY VS=3∼30V VO=0V −40℃≦TA≦+85℃ 120 入力バイアス電流 入力オフセット電流 入力電圧範囲 コモン・モード除去比 大信号電圧ゲイン オフセット電圧ドリフト 0 104 300 Typ 110 500 0.3 Max 単位 100 200 11 2 4 μV μV nA nA V dB V/mV μV/℃ 1.3 140 ±10 130 270 270 320 V mV mA dB μA μA ダイナミック特性 スルーレート GB積 SR GBP RL=2kΩ 0.2 0.7 V/μs MHz ノイズ特性 電圧ノイズ 電圧ノイズ密度 電流ノイズ密度 enp-p en in 0.1∼10Hz f=1kHz f=1kHz 0.4 15 0.13 μVp-p nV/ Hz pA/ Hz 仕様は予告なく変更されることがあります。 2 REV.0 OP777 電気的特性(特に指示のない限り、VS=±15.0V、VCM=0V、TA=25℃) パラメータ 入力特性 オフセット電圧 記号 条件 Typ VOS IB IOS −40℃≦TA≦+85℃ −40℃≦TA≦+85℃ −40℃≦TA≦+85℃ CMRR AVO ΔVOS/ΔT VCM=−15∼+14V RL=10kΩ、 VO=−14.55∼+14.5V −40℃≦TA≦+85℃ 出力特性 オフセット電圧ハイレベル オフセット電圧ローレベル 短絡制限 VOH VOL IOUT IL=1mA、 −40℃≦TA≦+85℃ IL=1mA、 −40℃≦TA≦+85℃ 電源 電源除去比 電源電流/アンプ PSRR ISY VS=±1.5∼±15V VO=0V −40℃≦TA≦+85℃ 入力バイアス電流 入力オフセット電流 入力電圧範囲 コモン・モード除去比 大信号電圧ゲイン オフセット電圧ドリフト Min −15 110 1,000 120 2,500 0.3 Max 単位 100 200 10 2 +14 μV μV nA nA V dB V/mV μV/℃ 1.3 14.9 −14.9 ±30 120 130 350 350 400 V V mA dB μA μA ダイナミック特性 スルーレート GB積 SR GBP RL=2kΩ 0.2 0.7 V/μs MHz ノイズ特性 電圧ノイズ 電圧ノイズ密度 電流ノイズ密度 enp-p en in 0.1∼10Hz f=1kHz f=1kHz 0.4 15 0.13 μVp-p nV/ Hz pA/ Hz 仕様は予告なく変更されることがあります。 REV.0 3 OP777 絶対最大定格* 電源電圧 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・36V 入力電圧 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ VS−−3∼VS++3V 差動入力電圧・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・±電源電圧 パッケージ θJA 8ピンMSOP(RM) 8ピンSOIC(R) 190 158 1 θJC 単位 44 43 ℃/W ℃/W 注 グラウンドに対する出力短絡期間・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・不定 保管温度範囲 1 θJAは最悪条件についての仕様、つまりθJAを表面実装型パッケージを基板にハンダ付けした 場合の仕様です。 R、 RMパッケージ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・−65∼+150℃ 動作温度範囲 OP777 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・−40∼+85℃ 接合温度範囲 R、 RMパッケージ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・−65∼+150℃ ピン温度範囲(ハンダ付け、 60秒) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・300℃ ESD(HBM) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2kV *上記の絶対最大定格を超えるストレスを加えると、デバイスに永久的な損傷を与えることが あります。この定格はストレス定格の規定のみを目的とするものであり、この仕様の動作セク ションに記載する規定値以上でのデバイス動作を定めたものではありません。デバイスを長期 間絶対最大定格条件に置くと、デバイスの信頼度に影響を与えることがあります。 オーダー・ガイド モデル 温度範囲 パッケージ パッケージ ・オプション ブランド情報 OP777ARM OP777AR −40∼+85℃ −40∼+85℃ 8ピンMSOP 8ピンSOIC RM-8 SO-8 A1A 注意 ESD(静電放電)の影響を受けやすいデバイスです。4000Vもの高圧の静電気が人体やテスト装置に容易に帯電し、 検知されることなく放電されることがあります。本製品には当社独自のESD保護回路を備えていますが、高エネル ギーの静電放電を受けたデバイスには回復不可能な損傷が発生することがあります。このため、性能低下や機能喪 失を回避するために、適切なESD予防措置をとるようお奨めします。 WARNING! ESD SENSITIVE DEVICE 4 REV.0 OP777 220 200 180 160 160 140 140 アンプ数 120 100 20 120 100 80 80 60 60 40 40 20 20 0 5100 580560 540520 0 20 40 60 80 100 オフセット電圧 – μV 0 5100 580560 540520 0 20 40 60 80 100 オフセット電圧 – μV 図1 5 図2 25 0 0 入力オフセット電圧分布 図3 VS = 5V TA = 25℃ 1k 1k Δ出力電圧−mV 20 15 10 5 シンク 100 ソース 10 1.0 3 4 図4 5 6 入力バイアス電流 7 0 0.001 8 入力バイアス電流分布 図5 10 0.01 0.1 1 負荷電流−mA 10 VS = ±15V TA = 25℃ 100 10 シンク 1.0 ソース 0.1 0.01 1 10 100 負荷電流−mA 電源レールへの出力電圧 対 負荷電流 図6 電源レールへの出力電圧 対 負荷電流 350 TA = 25℃ ISY+ (VSY = ±15V) 400 5 入力オフセット電圧ドリフ ト分布 0 0.001 100 500 VSY = ±15V 1.2 0.1 0.1 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 入力オフセット・ドリフト – μV/C 10k 10k VSY = ±15V VCM = 0V TA = 25℃ 15 10 入力オフセット電圧分布 30 VSY = 15V VCM = 0V TA = –40∼+85℃ 25 Δ出力電圧−mV アンプ数 180 VSY = 5V VCM = 2.5V TA = 25℃ アンプ数 200 アンプ数 30 220 VSY = 915V VCM = 0V TA = 25℃ 300 100 –5 –10 –15 0 – 100 – 200 –20 – 300 –25 – 400 –30 – 60 – 40 – 20 0 図7 REV.0 20 40 60 温度–℃ 80 100 120 140 入力バイアス電流 対 温度 250 ISY+ (VSY = 5V) 供給電流–μA 供給電流–μA 入力バイアス電流–μA 200 0 ISY5 (VSY = 5V) ISY5 (VSY = ±15V) – 500 – 60 – 40 – 20 0 図8 200 150 100 50 0 20 40 60 温度–℃ 80 100 120 140 供給電流 対 温度 5 0 5 図9 10 15 20 電源電圧 – V 25 30 供給電流 対 電源電圧 35 OP777 0 40 45 30 90 20 135 10 180 0 225 ⴚ10 270 ⴚ20 10 図10 100 1k 10k 100k 周波数 – Hz 45 30 90 20 135 10 180 0 225 ⴚ10 270 ⴚ30 100 10M 100M オープン・ループ・ゲイン および位相シフト 対 周波数 1k 図11 10k 1M 100k 周波数 – Hz 10M 40 VSY = 5V CLOAD = 0 RLOAD = 2k⍀ 50 20 10 AV = ⴚ100 30 20 AV = ⴚ10 10 0 AV = +1 ⴚ10 ⴚ20 ⴚ30 ⴚ40 1k 100M 図12 ⴚ40 1k 10k 図13 100k 1M 周波数 – Hz 10M 120 90 0 100 100M クローズド・ループ・ ゲイン 対 周波数 AV = 100 AV = 10 150 120 90 60 1k 10k 100k 1M 10M AV = 100 AV = 10 0 100 100M 出力インピーダンス 対 周波数 1k 10k 100k 1M 10M 100M – 周波数 – Hz 図15 出力インピーダンス 対 周波数 VSY = ⴞ2.5V CL = 300pF RL = 2k⍀ VIN = 100mV 電圧 – 1V/DIV 電圧 – 1V/DIV 大信号過渡応答 AV = 1 180 30 時間 – 100s/DIV 時間 – 100s/DIV 図16 VSY = ⴞ15V 210 VSY = ⴞ15V RL = 2k⍀ CL = 300pF VSY = ⴞ2.5V RL = 2k⍀ CL = 300pF 100M クローズド・ループ・ ゲイン 対 周波数 周波数 – Hz– 図14 10M 240 150 30 1M 270 180 ⴚ30 100k 300 VSY = 5V AV = 1 210 60 10k 周波数 – Hz 240 ⴚ20 AV = +1 電圧 – 1V/DIV 40 AV = ⴚ10 0 ⴚ10 オープン・ループ・ゲイン および位相シフト 対 周波数 270 AV = ⴚ100 30 300 60 クローズド・ループ・ゲイン – dB 1M 0 40 ⴚ20 出力インピーダンス – ⍀ ⴚ30 50 VSY = ⴞ15V CLOAD = 0 RLOAD = 2k⍀ 50 位相シフト – 度 60 クローズド・ループ・ゲイン – dB 50 60 VSY = 5V CLOAD = 0 RLOAD = 出力インピーダンス – ⍀ オープン・ループ・ゲイン – dB 60 70 オープン・ループ・ゲイン – dB VSY = ⴞ15V CLOAD = 0 RLOAD = 位相シフト – 度 70 図17 大信号過渡応答 6 時間 – 10s/DIV 図18 小信号過渡応答 REV.0 OP777 40 小信号オーバーシュート – % 35 電圧 – 50mV/DIV 35 VSY = 2.5V RL = 2k VIN = 100mV 30 25 20 15 10 25 +OS 20 OS 15 10 5 5 0 1 10 0 1k 100 時間 – 10s/DIV 図19 VSY = 15V RL = 2k VIN = 100mV 30 小信号オーバーシュート – % VSY = 15V CL = 300pF RL = 2k VIN = 100mV 1 10 100 容量 – pF 図21 小信号オーバーシュート 対 負荷容量 容量 – pF 小信号過渡応答 図20 小信号オーバーシュート 対 負荷容量 VS = 15V AV = 1 入力 入力 10k 1k +200mV VSY = 15V RL = 10k AV = 100 VIN = 200mV VSY = 2.5V RL = 10k AV = 100 VIN = 200mV 200mV 電圧 – 5V/DIV 入力 0V 0V 出力 +2V 0V 2V 0V 出力 出力 時間 – 40s/DIV 図22 正極性過電圧リカバリ 140 時間 – 400s/DIV 時間 – 40s/DIV 図23 負極性過電圧リカバリ 140 VSY = 2.5V 図24 位相反転なし 140 VSY = 15V VSY = 2.5V 120 120 120 100 100 100 80 60 PSRR – dB CMRR – dB CMRR – dB +PSRR 80 60 PSRR 80 60 40 40 40 20 20 20 0 10 100 図25 REV.0 1k 10k 100k 周波数 – Hz 1M CMRR 対 周波数 10M 0 10 100 図26 1k 10k 100k 周波数 – Hz 1M CMRR 対 周波数 7 10M 0 10 100 図27 1k 10k 100k 周波数 – Hz PSRR−dB 1M 10M OP777 140 VSY = ⴞ15V VSY = ⴞ15V ゲイン = 10M VSY = 5V ゲイン = 10M 120 +PSRR 80 ⴚPSRR 60 電圧 – 1V/DIV 電圧 – 1V/DIV PSRR – dB 100 40 20 0 10 100 1k 図28 10k 100k 周波数 – Hz 1M 10M PSRR対周波数 図29 図30 VSY = ⴞ15V 70 70 70 50 40 30 60 50 40 30 20 20 10 10 0 50 図31 100 150 周波数 – Hz 200 電圧ノイズ密度 – nV/ Hz 80 電圧ノイズ密度 – nV/ Hz 80 80 60 電圧ノイズ密度 100 図32 200 300 400 35 0 100 図33 20 15 10 ISCⴚ 10 0 ⴚ10 ⴚ20 ISC+ ⴚ40 0 2.0k 電圧ノイズ密度 2.5k 500 VSY = ⴞ15V 30 20 ⴚ30 5 400 電圧ノイズ密度 40 短絡回路電流 – mA 短絡回路電流 – mA 25 200 300 – 周波数 – Hz 50 VSY = 5V 30 30 図34 30 電圧ノイズ密度 40 1k 1.5k 周波数 – Hz 40 10 500 50 VSY = ⴞ2.5V 500 50 周波数 – Hz 40 0 60 20 0 250 0.1∼10Hz入力電圧ノイズ 90 VSY = ⴞ2.5V VSY = ⴞ15V 高圧ノイズ密度 – nV/ Hz 0.1∼10Hz入力電圧ノイズ 90 90 – 高圧ノイズ密度 – nV/ Hz 時間 – 1s/DIV 時間 – 1s/DIV ISCⴚ 20 10 0 ⴚ10 ⴚ20 ⴚ30 ISC+ ⴚ40 ⴚ50 ⴚ60 ⴚ40 ⴚ20 0 図35 20 40 60 温度 – ⴗC 80 100 120 140 短絡電流 対 温度 8 ⴚ50 ⴚ60 ⴚ40 ⴚ20 0 図36 20 40 60 温度 – ⴗC 80 100 120 140 短絡電流 対 温度 REV.0 OP777 160 4.95 VSY = 5V IL = 1mA 150 14.964 VSY = 5V IL = 1mA VSY = 15V IL = 1mA 14.962 4.92 4.91 140 14.960 130 14.958 出力電圧ハイ – V 4.93 出力電圧ロー – V 出力電圧ハイ – V 4.94 120 110 100 90 80 図37 14.930 図38 出力電圧ロー 対 温度 VSY = 15V VCM = 0V TA = 25C 1.0 14.940 0.5 14.945 0 14.950 0.5 14.955 1.0 14.960 60 40 20 0 図40 REV.0 20 40 60 80 100 120 140 温度 – C 1.5 VSY = 15V IL = 1mA VOS – V 出力電圧ロー – V 14.935 出力電圧ハイ 対 温度 20 40 60 80 100 120 140 温度 – C 出力電圧ロー 対 温度 1.5 0 14.952 14.950 14.946 70 60 40 20 0 20 40 60 80 100 120 140 温度 – C 14.954 14.948 4.90 4.89 60 40 20 0 14.956 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 時間 – 分 図41 ウォームアップ・ドリフト 9 14.944 60 40 20 0 図39 20 40 60 80 100 120 140 温度 – C 出力電圧ハイ 対 温度 OP777 基本動作 OP777アンプは、 高電圧CMOS出力段と組み合わせた高精度バイ 100k ポーラPNP入力段を採用しています。 これにより、 アンプは負極性電 100k 源電圧 (しばしば、 グラウンド入力単電源システムのアプリケーション) を含む入力電圧範囲を持ち、 さらに、 出力レールから1mV以内のス イングが可能です。さらに、入力電圧範囲が正極性電源レールの +3V 0.27V 100k OP777 1V以内に達しています。このエピタキシャルPNP入力構造は不都 100k 合(すなわち、 入力電圧範囲、 オフセット、 ドリフトおよびノイズに関す る大きな劣化) なしで、 「ダーリントン」入力段アンプで得られるのと同 等の大ブレイクダウン電圧、 大ゲイン、 入力バイアス電流値を実現し 0.1V VIN = 1kHz @ 400mV p-p ます。 また、 PNP入力構造は、 ノイズを大幅に低減しDC入力誤差を 低減します。 図43 電源電圧 OP77アンプは、 5V単電源電圧で完全に仕様規定され、 また、 設計 とプロセスを革新して2.7∼30Vまでの電源電圧範囲で動作可能 VCM<0Vで動作する差動アンプとして構成したOP777 入力過電圧保護 アンプの入力がVEEからダイオードによる電圧降下を超えて大きくな る場合、 大きな電流がサブストレート (V-pin) から入力ピンに流れ込 です。これにより、現在の産業界で用いられている大部分のスプリ ット電源において動作が可能であり、 既存のスプリット電源アンプに み、 デバイスが破壊されることがあります。OP777の場合には、 電源 電圧に等しい差動電圧では何の問題も発生しません (図44参照)。 比べて実質的に優れた入/出力電圧範囲を実現します。OP777 シリーズは、単電源のアプリケーションに最も適した、V SY=5V、 OP777には500Ωの内部電流制限抵抗が入力と直列接続で組み 込まれており、 損傷が生じる可能性を最小に抑えています。入力に 流れ込む電流は5mA以下にすることを推奨します。上記の理由か ら、 入力トランジスタの大きなブレークダウンにより、 アンプの入力間に おけるクランプ・ダイオードも不要となっています。 これは、 高精度アン プにおいては必須事項です。残念なことに、 このようなクランプ・ダイ オードは、 高精度な整流器やコンパレータなどの多くのアプリケーシ ョン回路に大きな妨害を与えます。OP777シリーズは、 このような制 約を受けません。 V−=0V、 VCM=2.5Vの仕様を備えています。130dB(0.3μV/V) の PSRRと110dB(3μV/V) のCMRRオフセットにより、電源およびコモ ン・モードの電圧の影響が最小に抑えられています。両電源、 ±15V動作についても完全に仕様規定されています。 入力コモン・モード電圧範囲 OP777は、 負極の電源から正極の1Vまでの入力コモン・モード電圧 について定格が規定されています。 しかし、 アンプはVEEをわずかに 下回った入力電圧に対しても動作可能です。図43では、 OP777は 2.7V単電源で入力端子に与えられる負極のDCコモン・モード電圧 の差動アンプとして構成されています。この場合、400mp-pの入力 が非反転入力に与えられます。以下のグラフから出力に歪みが生 じていないことがわかります。マイクロパワーでの動作は、大きな入 力およびフィードバック抵抗を用いて維持されています。 30V OP777 V p-p = 32 V 図44a ユニティ・ゲイン・フォロワ VSY = 15V VOUT VOUT 電圧 – 5V/DIV 電圧 – 100V/DIV VIN 0V VIN 時間 – 0.2ms/DIV 時間 – 400s/DIV 図42 図44b VCM<0Vにおける入力および出力信号 10 入力電圧が損傷なしに電源電圧を超えることが可能 REV.0 OP777 位相反転 多くのアンプでは、 一方または双方の入力がコモン・モード電圧範囲 出力短絡 OP777の出力は、 ダイの温度が長時間にわたって最大温度を超え ない限り、全電源電圧範囲でのアクシデントによる短絡による損傷 を超えた場合、動作に異常が生じます。位相反転はアンプの伝達 関数に特徴的なもので、 事実上、 アンプの伝達極性を反転させます。 場合によっては、 サーボ・システムにロックアップを生じさせ、永久的 な損傷または回復不能なパラメータのシフトがアンプに生じます。ほ からも保護されます(絶対最大定格の項参照)。30mAまでの電流 では損傷を生じることはありません。 とんどのアンプでは、 このような効果に対処するための補償回路を ローサイド電流モニター 電源制御回路の設計では、 広い負荷電流範囲についてのパス・ ト 設けていますが、 その一部は反転入力についてのみ有効です。さ らに、 このような構造は電源レールから200∼300mV程度の範囲に ついてしか効果がありません。OP777は、 入力の一方または双方が ランジスタの、長期間にわたる信頼性の確保に設計に大きな労力 が費やされます。その結果、 設計におけるデバイスの消費電力の監 視と制限が主要な事項となります。図48は5V単電源での電流監視 の例であり、 折り返し電流制限を備えた電圧レギュレータ、 またはク これらの入力コモン・モード電圧範囲を超えたときの位相反転を防 止するための保護回路を持っています。 しかし、継続的にレールを 3V以上超えるような条件でドライブすることは推奨できません。 ローバー保護を備えた大電流電源と組み合わせることができます。 設計では、 グラウンドに達するOP777のコモン・モード範囲を利用し ています。電流は、電源のフィードバック経路での電圧降下が極め て小さい0.1Ωのシャント抵抗RSENSEによって監視されます。反転端 VSY = 15V VIN 子における電圧は、2N2222または同等のQ1によるフィードバックを 電圧 – 5V/DIV VOUT 通じて、 非反転端末における電圧と等しくなります。 これにより、 R1の 両端での電圧降下はRSENSEの両端での電圧降下に等しくなります。 このため、Q1を通る電流はRSENSEを通る電流に正比例し、出力電 R2 VOUT = 5V − × RSENSE × I L R1 時間 – 400s/DIV 図45 圧は以下のように得られます。 R2の両端における電圧降下はILの増加とともに増加するため、 大き 位相反転なし な電源電流が検出されるとVOUTが減少します。図示された構成要 出力段 CMOSの出力段は優れた (また、 かなりシステマチックな)出力ドライ ブを持っており、 軽い負荷で双方の電源レールの1mV以内までスイ ングすることが可能です。 これは、 (いわゆる) レールtoレールのバイ ポーラ出力段を持った同様のアンプに比べて相当に優れたもので す。OP777は、 電圧フォロワの構成でも安定しており、 単電源動作で 素の値に対して、 VOUTの伝達特性は−2.5V/Aであり、 VEEから減少 します。 5V 2.49k VOUT グラウンドよりわずか1mVだけ高い電圧の信号にも応答します。 Q1 5V 2.7 ∼ 30V OP777 100 VOUT = 1mV VIN = 1mV 0.1 OP777 フォロワ回路 電圧 – 25mV/DIV 図46 RSENSE 図48 1.0mV 時間 – 10s/DIV 図47 REV.0 レールtoレール動作 11 グラウンドへの リターン ローサイド負荷電流モニター OP777は、 ほとんどの単電源ブリッジ・アプリケーションに非常に有 図51に、 単電源の電流ソースを示します。マイクロパワーでの動作 用です。図49に、 出力がブリッジの微小変移(δ) に比例して線形 に変化する単電源のブリッジ回路を示します。 δ=ΔR/Rであるこ とに注意してください。 を維持するために大きな抵抗値が用いられています。出力電流 はR2B抵抗を変更することにより調整できます。 コンプライアンス電 VO = 2R2 = R1 R1 2 OP777 6 REF 192 2 4 REF 192 4 V L ≤ V SAT − V S + 2.5V 10pF 2.7 ∼ 30V RG = 10k 100k 10.1k 1M 2.5V 3 1M 100k OP777 0.1F R1 = 100k 15V R2B 2.7k 15V 3 R1(1+) V1 R1 10.1k 10pF R2 = R2A + R2B OP777 R1 R2 IO = + R2A 97.3k R2 V R1 R2B S VL 線形応答ブリッジ(単電源) RLOAD = 1mA 11mA V2 図49 IO VO OP777 R1(1+) TDS10/2000/1000 = 300 AR1VREF 15V 圧は次のようになります。 図51 単電源電流ソース 図52に、 2つのOP777アンプを用いた単電源の計装用アンプを示 します。 両電源が利用可能なシステムの場合、図50の回路はブリッジの 微小な変化に線形に連動するブリッジ出力を検出するために使 用できます。 15V 10.1k 1k REF 192 2N2222 OP777 2.7 ∼ 30V 1M R1 = 10.1k R2 12k 3 20k R1 +15V R1 VO OP777 OP777 V1 VO R R(1+) +15V 15V OP777 15V 図50 V2 VO = 100 (V2 V1) 0.02mV V1 V2 2mV V OUT 29V OP777 R2 V VO = R1 REF R = R 290mV マッチした抵抗を使用。 線形応答ブリッジ 図52 単電源マイクロパワー計装用アンプ 外形寸法 サイズはインチと (mm)で示します。 8ピン μSOIC 8ピンSOIC (記号R M) (記号R) 0.1968 (5.00) 0.1890 (4.80) 0.122 (3.10) 0.114 (2.90) 8 8 0.1574 (4.00) 0.1497 (3.80) 1 5 0.199 (5.05) 0.187 (4.75) 0.122 (3.10) 0.114 (2.90) 1 4 ピン 1 0.0098 (0.25) 0.0040 (0.10) ピン 1 0.0256 (0.65) BSC 0.120 (3.05) 0.112 (2.84) 0.043 (1.09) 0.037 (0.94) 0.006 (0.15) 0.002 (0.05) 実装面 0.120 (3.05) 0.112 (2.84) 0.018 (0.46) 0.008 (0.20) 0.011 (0.28) 0.003 (0.08) 33 27 5 4 0.2440 (6.20) 0.2284 (5.80) 0.0688 (1.75) 0.0532 (1.35) 0.0500 0.0192 (0.49) 0.0098 (0.25) 実装面 (1.27) 0.0138 (0.35) BSC 0.0075 (0.19) 0.0196 (0.50) x 45° 0.0099 (0.25) 8° 0° 0.0500 (1.27) 0.0160 (0.41) 0.028 (0.71) 0.016 (0.41) このデータシートはエコマーク認定の再生紙を使用しています。 12 REV.0 PRINTED IN JAPAN 4 R2 = 1M 2.7 ∼ 30V