AN43593 Storage Capacitor (VCAP) Options for Cypress nvSRAM (Japanese).pdf

AN43593
サイプレス nvSRAM 向け累積コンデンサ (VCAP)
作成者: Harsha Medu
関連プロジェクト: なし
関連製品ファミリ: CY14xxxxx
ソフトウェアバージョン: なし
関連アプリケーション ノート: なし
AN43593 は、サイプレス nvSRAM 向けの累積コンデンサ (VCAP) オプションの選択基準について説明します。また、本書は、幾
つかの適切なコンデンサのサンプルリストを案内として提供します。
はじめに
AutoStore 処理
nvSRAM アーキテクチャでは、各メモリセルに 1 つの不揮発
性ビットと 1 つの高速 SRAM ビットの 1 対 1 のペアが使用さ
れます。通常動作では、IC は標準の高速非同期 SRAM とし
て動作し、マイクロプロセッサやマイクロコントローラにインター
フェースすることが容易です。IC の電源が中断又は停電され
た場合、そのイベントが検出され、小型コンデンサに累積され
た電力 (VCAP) ですべての SRAM ビットが (8ms 以内に) 不揮
発性のメモリ部分に保存されます。この処理は、AutoStore と
呼ばれ、次の節で詳細に説明します。電源が回復すると、デー
タが不揮発性の部分から SRAM に自動的に呼び出されます。
この処理はパワーアップ RECALL (ハードウェア RECALL) と
呼ばれます。
本アプリケーション ノートは、適切な累積コンデンサを VCAP と
して使用する様々な選択肢について説明します。本アプリケー
ション ノートでは幾つかのコンデンサ部品番号を例として挙げ
ましたが、全業者のあらゆる製品を含むわけではありません。
そのため、適切なコンデンサを選ぶ際には、各業者のカタログ
を参照することを推奨します。
図 1 に、AutoStore 処理向けの累積コンデンサ(VCAP) の接続
方法を示しています。
図 1. AutoStore モード
注: �����
WEピン及びプルアップ抵抗はパラレル nvSRAM のみに適用
できます。
通常動作中、デバイスは、VCAP ピンに接続されたコンデンサ
を充電するのに VCC から電流を引き込みます。充電された電
力はチップが一回の STORE 処理を実行するのに使用され
ます。VCC ピンの電圧が最小閾値 (VSWITCH) を下回った場合、
容量は自動的に VCAP ピンを VCC から切り離して、内部の回
路に接続します。STORE 処理は、VCAP コンデンサから供給
される電力で起動されます。次の節は VCAP コンデンサの必
要な特性について説明します。
www.cypress.com
文書番号: 001-92095 Rev. *A
1
サイプレス nvSRAM 向け累積コンデンサ (VCAP) オプション
累積コンデンサ
ンサの値は VCAP の最小値と最大値の制限内でなければなり
ません。
種類
定格電圧
コンデンサは、酸化二オブ、タンタル、電解液、膜、多層セラミ
ックコンデンサ、及び高分子アルミニウム電解液など様々な種
類があります。温度範囲を渡って信頼性と安定度を考慮した
後、次の 4 種類は選択されます。
VCAP は、内蔵の充電回路を介して VCC に充電されます。従って、
V CAP は部品の V CC の最大値を上回って格付けされる必要
があります。16M ビットの nvSRAM など、いくつかの新しい
nvSRAM はチャージポンプの回路を内蔵した設計になって
います。この回路は V CAP ピンの電圧を 5V に増加させたた
め、AutoStore に必要な充電を供給するために必要となる
V CAP のより低い値を使用することができます。一般的には、
6.3V の定格電圧は、nvSRAM 部品の V CC 全範囲に渡って
V CAP の定格電圧を満たします。2.5V 及び 3V の V CC を持
つ部品は 6.3V の定格コンデンサを、5V の V CC の部品は
10V の定格コンデンサを使用するなど、コンデンサのさらな
る信頼性を高めるにはより高い定格電圧を適用することを
推奨します。




酸化ニオブ コンデンサ
タンタル コンデンサ
高分子アルミニウム電解コンデンサ
多層セラミック コンデンサ (MLCC)
注: 上記の推奨は、VCAP として使用できるコンデンサの種類を
限定するわけではありません。VCAP 仕様範囲 (値、DC 定格電
圧) を満たすコンデンサであればどの種類でも使用できます。
VCAP を選択する際には、アプリケーションの動作状況を考慮
する必要があります。
主な特性
コンデンサの主な特性は次の通りです。nvSRAM に適切な
VCAP を選ぶには、これらの特性を考慮しなければなりません。

値 (VCAP - %許容誤差) ≥ VCAP 最小値

(VCAP + %許容誤差) ≤ VCAP 最大値
VCC に充電する累積コンデンサ (VCAP) は、AutoStore 処理に必
要な電力を供給しなければなりません。充電時間も合理的に短く
する必要があります。要するに、パワーアップ RECALL 処理が
完了するまでに充電されなければならないことです。これらの要
求は、それぞれコンデンサの最小値と最大値を確定します。推奨
される一般値は、AutoStore 処理の正常終了に十分である VCAP
値の最小値 (10%許容誤差も含む) です。指定した範囲内にある
値に対しては nvSRAM の性能が同じです。
以下は幾つかのメモリ容量に対する標準の値を示しています。




4M ビット パラレル 68µF ± 10%
高周波数、高電流、或いは最高最低温度など特定の状況で
コンデンサが動作すると、コンデンサの等価直列抵抗
(ESR) は著しくなります。結合コンデンサと減結合コンデン
サと異なって、累積コンデンサは、高周波数や高電流で動作
しません。よって、デバイスの動作ではその ESR は重要な
役割を果たしません。ESR 値はコンデンサの選択に制約な
要素ではありませんが、1Ω の低い ESR≤は好ましいもので
す 。 累 積 コ ン デ ン サ で あ る V CAP は 、 電 源 切 断 時 に
AutoStore に電流 (データシート内の I CC4 ) を供給し、低い
直列抵抗は動作に対するマージンを大きくします。V CAP ピン
に対する直列抵抗の影響を参照してください。
充電電流
VCAP は充電回路を介して VCC から充電されます。一般的には、
充電のピーク電流は約 70mA です。充電のピーク電流は最大
サージ電流より桁違いに小さいので、コンデンサは製造業によ
り検査されます。すべてのプロセス、電圧及び温度のいずれで
あっても、nvSRAM の最大充電電流は 350mA を超えません。
コンデンサ選択案内
8M ビット パラレル 150µF ± 10%
16M ビット パラレル 22µF ± 10%
64K ビット シリアル 47µF ± 10%
最小値と最大値については、デバイスのデータシートを参照し
てください。VCAP の最大制限をご覧ください。
許容誤差
許容誤差は、コンデンサを選択する際に考慮する必要がある
重要な要素です。最悪状態の許容誤差の場合におけるコンデ
www.cypress.com
ESR
表 1 は、nvSRAM のファミリー向けの様々なコンデンサ範囲
に使用可能な VCAP の最小値をまとめます。例えば、VCAP 仕
様が 61μF (最小値) ~180μF (最大値) のデータシートの場
合、68μF ± 10%がアプリケーションに使用できるコンデンサの
最小値なので、標準値は 68μF として表示されます。仕様の最
小/最大制限にあるコンデンサ、要するに 68μF、100μF、ま
たは 150μF のコンデンサは、コンデンサの (許容誤差抜きの)
値が仕様の制限内にある限り、同様に動作することに注意し
てください。
システムが 2 つ以上の nvSRAM を使用する場合、それらの
VCAP ピンは単一の累積コンデンサに接続するために互いに結
ばれる (連結される) ことがあります。累積コンデンサの値は、
文書番号: 001-92095 Rev. *A
2
サイプレス nvSRAM 向け累積コンデンサ (VCAP) オプション
連結された nvSRAM に必要な個別の累積コンデンサ値の合計
値でなければなりません。VCAP ピンの連結を参照してください。
表 1. コンデンサ選択案内 [1]
コンデンサ種類
パラメーター
酸化ニオブ
nvSRAMVCAP の定
格電圧
3V 部品
6.3V/10V
5V 部品
10V/16V
許容誤差
データシート仕様、
VCAP= 61µF~180µF
[3]
[3]
タンタル
6.3V/10V
10V/16V
[3]
高分子アルミニ
ウム電解液
コンデンサ
6.3V/10V
[3]
10V/16V
[3]
[3]
多層セラミック
[2]
コンデンサ
6.3V/10V
10V/16V
[3]
[3]
±20%
±10%
±20%
±20%
±20%
100µF
68µF
100µF
100µF
100µF
220µF
150µF
220µF
220µF
2 x 100µF
68µF
47µF
68µF
68µF
100µF
33µF
22µF
33µF
33µF
33µF
(標準値 68µF)
データシート仕様、
VCAP= 122µF~360µF
コンデンサの最小の
公称値
[4]
(標準値は 150µF)
データシート仕様、VCAP =
42µF~180µF
(標準値は 47µF)
データシート仕様、
VCAP= 19.8µF~82µF
(標準値は 22µF)
注
1.
製造業者のサイトおよび関連する他のサイトから収集したデータです。
2.
セラミックコンデンサは DC バイアスに敏感です。つまり、DC バイアス電圧と共に静電容量が低減します。従って、静電容量に影響する DC バイア
スの効果を考慮に入れて、より高い定格電圧またはより高いコンデンサ値のいずれかを選択します。DC バイアスの特性については業者の技術ド
キュメントを参照してください。
3.
さならる信頼性を求めれば、より高い定格電圧を持つコンデンサを使用します。例えば、いずれのアプリケーションでも、68µF/10V の定格コンデン
サは、68µF/6.3V の定格コンデンサより高い信頼性を提供します。
4.
MLCC は高い静電容量の範囲で限られた選択肢を提供します。そのため、高い静電容量の要求を満たすには、コンデンサが並行して接続され、
希望した静電容量を得ます。
www.cypress.com
文書番号: 001-92095 Rev. *A
3
サイプレス nvSRAM 向け累積コンデンサ (VCAP) オプション
推奨のコンデンサ
表 2、表 3、表 4、および表 5 は、nvSRAM の累積コンデンサ[5] (VCAP) を選択する際に考慮に入れる幾つかのコンデンサの詳細情報
を提供します。このリストは包括的なものではなく、あくまでも案内のために提供するものです。適切なコンデンサを選択するには、各業
者のカタログを参照することを推奨します。
表 2. VCAP 標準値 = 68µF である場合のコンデンサ選択肢
メーカー
メーカーの部品番号
タイプ
静電容量
定格電圧
許容誤差
フットプリント
AVX Corporation
TAJB686K006RNJ
タンタル
68µF
6.3V
±10%
3528-21(EIA)
Kemet
T491C686K006AT
タンタル
68µF
6.3V
±10%
3528-21(EIA)
Vishay
TR3C686K6R3C0200
タンタル
68µF
6.3V
±10%
6032-28(EIA)
Kemet
T491C686K010AT
タンタル
68µF
10V
±10%
6032-28(EIA)
Vishay
TR3B686K010C0900
タンタル
68µF
10V
±10%
3528-21(EIA)
Vishay
TR3C686K010C0225
タンタル
68µF
10V
±10%
6032-28(EIA)
Kemet
T491C686K016AT
タンタル
68µF
16V
±10%
6032-28(EIA)
AVX Corporation
TAJC686K016RNJ
タンタル
68µF
16V
±10%
6032-28(EIA)
Kemet
T491C686K016AT
タンタル
68µF
16V
±10%
6032-28(EIA)
AVX Corporation
NOJB107M006RWJ
酸化ニオブ
100µF
6.3V
±20%
3528-21(EIA)
AVX Corporation
NOJC107M006RWJ
酸化ニオブ
100µF
6.3V
±20%
6032-28(EIA)
Axios
NOJD107M006RWJ
酸化ニオブ
100µF
6.3V
±20%
7343-31(EIA)
Axios
NOJD107M010RWJ
酸化ニオブ
100µF
10V
±20%
7343-31(EIA)
Kemet
T491B686M006AT
タンタル
100µF
6.3V
±20%
3528-21(EIA)
Kemet
T491C107M010AT
タンタル
100µF
10V
±20%
6032-28(EIA)
AVX Corporation
TPSB107M010R0400
タンタル
100µF
10V
±20%
3528-21(EIA)
AVX Corporation
TPSC107M010R0100
タンタル
100µF
10V
±20%
6032-28(EIA)
Kemet
A700D107M006ATE018
高分子アルミニ
ウム電解液コン
デンサ
100µF
6.3V
±20%
7343-31(EIA)
TDK
CKG57NX5R1C107M
MLCC
100µF
16V
±20%
6.50mm x
5.50mm x
5.50mm
AVX Corporation
TAJC157K006RNJ
タンタル
150µF
6.3V
±10%
6032-28(EIA)
AVX Corporation
TAJC157K010RNJ
タンタル
150µF
10V
±10%
6032-28(EIA)
Kemet
B45197A3157K409
タンタル
150µF
16V
±10%
7343-31(EIA)
注
5.
製造業者のサイトおよび関連する他のサイトから収集したデータです。
www.cypress.com
文書番号: 001-92095 Rev. *A
4
サイプレス nvSRAM 向け累積コンデンサ (VCAP) オプション
表 3. VCAP 標準値 = 150µF である場合のコンデンサ選択肢
メーカー
メーカーの部品番号
タイプ
静電容量
定格電圧
許容誤差
フットプリント
AVX Corporation
TAJC157K006RNJ
タンタル
150µF
6.3V
±10%
6032-28(EIA)
AVX Corporation
TAJC157K010RNJ
タンタル
150µF
10V
±10%
6032-28(EIA)
Kemet
B45197A3157K409
タンタル
150µF
16V
±10%
7343-31(EIA)
Panasonic - ECG
EEFUE0J181R
高分子アルミニ
ウム電解液コン
デンサ
180µF
6.3V
±20%
7343-43(EIA)
Axios
NOSD227M006R0100
酸化ニオブ
220µF
6.3V
±20%
7343-31(EIA)
Kemet
B76006V2279M045
タンタル
220µF
6.3V
±20%
7343-20(EIA)
Kemet
B45196H2227M409
タンタル
220µF
10V
±20%
7343-31(EIA)
AVX
TAJE227M016RNJ
タンタル
220µF
16V
±20%
7343-43(EIA)
Kemet
A700X227M006ATE015
高分子アルミニ
ウム電解液コン
デンサ
220µF
6.3V
±20%
7343-43(EIA)
表 4. VCAP 標準値 = 47µF である場合のコンデンサ選択肢
メーカー
メーカーの部品番号
AVX Corporation
TAJB476K006RNJ
Vishay
TR3B476K6R3C0550
AVX Corporation
TAJB686M006RNJ
Vishay
TR3B686M6R3C0650
AVX Corporation
タイプ
静電容量
定格電圧
許容誤差
フットプリント
タンタル
47µF
6.3V
±10%
3528-21(EIA)
タンタル
68µF
6.3V
±20%
6032-28(EIA)
NOJC686M006RWJ
酸化ニオブ
68µF
6.3V
±20%
6032-28(EIA)
AVX Corporation
NOJC686M010RWJ
酸化ニオブ
68µF
10V
±20%
6032-28(EIA)
Vishay
TR3B686M010C1500
タンタル
68µF
10V
±20%
3528-21(EIA)
Kemet
A700V686M006ATE028
高分子アルミニ
ウム電解液コン
デンサ
68µF
6.3V
±20%
7343-20(EIA)
AVX Corporation
12106D107KAT2A
MLCC
100µF
6.3V
±10%
3225-12
村田製作所
GRM31CR60J107ME39
MLCC
100µF
6.3V
±20%
3216-16
Kemet
C1210C107M9PAC
MLCC
100µF
6.3V
±20%
3225-21
TDK
C3225X5R0J107MT
MLCC
100µF
6.3V
±20%
3225-25
MLCC
100µF
6.3V
±20%
MLCC
100µF
10V
±20%
太陽誘電
太陽誘電
www.cypress.com
JMK325ABJ107MM
JMK325BJ107MY
LMK325ABJ107MM
文書番号: 001-92095 Rev. *A
3225-25
3225-20
3225-25
5
サイプレス nvSRAM 向け累積コンデンサ (VCAP) オプション
表 5. VCAP 標準値 = 22µF である場合のコンデンサ選択肢
メーカー
メーカーの部品番号
Kemet
T494C226K010AT
Vishay
TR3C226K010C0400
AVX Corporation
タイプ
静電容量
定格電圧
許容誤差
フットプリント
タンタル
22µF
10V
±10%
6032-28(EIA)
NOJC336M006RWJ
酸化ニオブ
33µF
6.3V
±20%
6032-28(EIA)
AVX Corporation
NOJC336M010RWJ
酸化ニオブ
33µF
10V
±20%
6032-28(EIA)
Kemet
T494C336M010AT
タンタル
33µF
10V
±20%
6032-28(EIA)
Vishay
TR3C336M010C0375
Kemet
A700V336M006ATE028
高分子アルミニ
ウム電解液コン
デンサ
33µF
6.3V
±20%
7343-20(EIA)
村田製作所
GRM31CR60J476ME19L
MLCC
47µF
6.3V
±20%
3216 メトリクス
村田製作所
GRM31CR61A476ME15L
MLCC
47µF
10V
±20%
3216 メトリクス
村田製作所
GRM32ER61A476ME20L
MLCC
47µF
10V
±20%
3225 メトリクス
TDK Corporation
C3225X5R1A476M
MLCC
47µF
10V
±20%
3225-25
Kemet
C1206C476M8PAC
MLCC
47µF
10V
±20%
3225 メトリクス
要約
Cypress の nvSRAM は、最も信頼性の高い不揮発性 SRAM
ソリューションで、その不揮発性操作のために必要な外部コン
デンサ (VCAP) が小さいです。本アプリケーション ノートは、コ
ンデンサの電気的要求を記載しており、幾つかのコンデンサ
種類とその値も一覧表示させます。コンデンサの一覧は包括
的でなく、VCAP 選択の案内として作成されたものです。ここに
記載されているコンデンサの他にも、幅広い選択肢からコンデ
ンサを選択可能です。ご希望のサイズ、コスト、信頼性、及び
システムが従う他の条件に応じて、適切な VCAP コンデンサを
選ぶことができます。nvSRAM デバイスの操作はこれらの特
性に依存しません。
www.cypress.com
作成者について
氏名:
Harsha Medu
役職:
アプリケーション エンジニア
連絡先:
[email protected]
文書番号: 001-92095 Rev. *A
6
サイプレス nvSRAM 向け累積コンデンサ (VCAP) オプション
範囲に影響を与えます。これらのレベルは、プロセス、電圧、
および温度 (PVT) の状況によって異なり、データシートの仕様
ではないことに注意してください。実例的な値は、デバイスの
動作をより良く理解できる目的にのみ示されています。
付録 A
VCAP の最大制限
VCAP の最小限が容易に把握できた反面、その最大値の制限
を把握することは困難です。理由として、nvSRAM が tHRECALL
時間にアクセスできるように特定された (殆どの製品ではこの
アクセス時間が 20ms である) ため、tHRECALL は、nvSRAM が
起動してパワーアップ RECALL 処理を完成させアクセス可能
な状態になるまで必要な時間です。このパワーアップ
RECALL の仕様は、VCAP が十分な電圧 (と電荷) まで充電し、
パワーアップ後の tHRECALL 時間後に直ちに停電になる場合で
あっても製品が STORE 処理を完成できたことを確実にします。
VCAP 仕様を超えた値のコンデンサが使用されると、VCAP が
tHRECALL 以内に十分な電圧まで充電されない可能性がありま
す。顧客のご希望で最大値より大きい値のコンデンサが求め
られると、パワーアップ後の nvSRAM の最初アクセスが、コン
デンサが十分に充電されるように、仕様の tHRECALL 時間よりも
長く遅延されることは顧客により保障されなければなりません。
経験則として、特定した VCAP の最大値よりも 10%毎増えると、
nvSRAM に ア ク セ ス 開 始 で き る た め に 、 追 加 の
1 x tHRECALL の時間が必要になります。
例えば、nvSRAM デバイスの VCAP = 180µF で格付けされて、
ユーザが 180µF の代わりに 220µF (つまり、最大値より 22%
高くなった) コンデンサを使用することにすると、nvSRAM への
最初アクセスは、3.2 x tHRECALL (tHRECALL + 2.2 x tHRECALL) の
後になります。VCAP (最小値) から VCAP (最大値) までの範囲
は約 3 倍のため、VCAP の仕様の最大値を超えた場合を考慮
に入れる必要がありません。
VCAP ピンに対する直列抵抗の影響
直列抵抗は、AutoStore 中に VCAP 電圧により電源供給された
STORE 回路の電圧を低下します。例えば、ICC4 = 5mA であ
る 1M ビットの nvSRAM では、10Ω 直列抵抗により、VCAP ピ
ンの電圧が 50mV 減少されます。この減少は、次の理由のた
め、重要です。AutoStore 処理は閾値レベル (VSWITCH) より小
さい値から開始します。例えば、2.4V で開始することを仮定と
します。コンデンサに格納された電荷は、STORE 処理に必要
な 5mA (ICC4) 電流を供給します。
STORE 処理の実行時に、VCAP ピン上の電圧が低下します。
STORE 処理が 8ms (tSTORE) 時間かかります。この 8ms の
間で、VCAP ピン上の電圧は、正常な STORE 処理に必要とな
る最小電圧を下回ってはいけません。正常な回路処理に必要
となる最小電圧が 1.9V と仮定すると、STORE 処理は、VCAP
ピン上の 500mV (2.4V から 1.9V を差し引いた値) 降下の間
で完了する必要があります。
VCAP ピンの連結
単一システムで複数の nvSRAM を使用する場合、nvSRAM
はその累積コンデンサ (VCAP) ピンの連結を可能にします。各
nvSRAM の VCAP ピンに個別の累積コンデンサを使用するよ
り、それぞれの nvSRAM の VCAP ピンを互いに接続 (連結) し、
単一の累積コンデンサに接続します。この連結方式により、基
板面積と部品 (BOM) コストが削減されます。nvSRAM VCAP
ピンを連結する場合、連結された VCAP ピンの累積コンデンサ
の最小値と最大値は、個別 nvSRAM のそれぞれの VCAP 最
小と最大定格値を加算することにより定まります。
例えば、システム内で VCAP 最小定格値が 61µF、最大定格値
が 180µF の 2 つの 4M ビット nvSRAM を使用する場合、そ
の 2 つの VCAP ピンを連結した後の累積コンデンサの最小値と
最大値はそれぞれ 2 x 61µF (122µF) と 2 x 180µF (360µF)
以内になります。同様に、システム内に N つの 4M ビット
nvSRAM を使用する場合は、その N つの VCAP ピンを連結し
た累積コンデンサの最小値と最大値はそれぞれ N x 61 µF と
N x180 µF 以内です。
以下の場合に nvSRAM VCAP ピンの連結は許可されません。
1.
システムが複数の nvSRAM デバイスを使用しており、そ
れぞれが異なった VCC 電源に接続される場合です。この
よ う な 場 合 、 VCAP の 連 結 が 許 可 さ れ な い 理 由 は 、 各
nvSRAM がその最大 VVCAP 定格値に応じて累積コンデ
ンサを異なる電圧レベルに充電しようとし、コンデンサの
充電に衝突を発生させるからです。
2.
2 つ以上の nvSRAM が同一の VCC 電源に接続しても、
VVCAP (デバイスにより VCAP ピン上に駆動された最大電
圧) 仕様が異なる場合、VCAP の連結が許可されません。
CY14x116x 等のような新世代 nvSRAM デバイスは、
VCAP ピン上の累積コンデンサのサイズを縮小するために
電圧ダブラー回路を内蔵しており、VCAP ピンを最大 5V ま
で充電するのに対して、CY14x104x デバイスの場合は
最大 VCC まで充電します。従って、CY14B116L および
CY14B104LA デバイスの場合、両方が同じ 3V の電源
に接続されたとしても、それらの VCAP ピンを互いに接続し
てはいけません。
大まかにいうと、複数の nvSRAM の連結は、連結された
nvSRAM VCC が 同 じ 電 源 に 接 続 し 、 各 nvSRAM が 同 じ
VVCAP 定格を持つ場合にのみ許可されます。
VCAP ピンに直列抵抗を接続すると、VCAP ピン上の降下が直列
抵抗によるので、AutoStore 回路はより低い電圧で開始し、そ
の回路はより短い時間で電源供給されます。この例では、10Ω
抵抗の降下のため、500mV の動作範囲は 50mV で差し引か
れて、450mV になります。1Ω 抵抗は僅か 5mV のみで電圧
www.cypress.com
文書番号: 001-92095 Rev. *A
7
サイプレス nvSRAM 向け累積コンデンサ (VCAP) オプション
改訂履歴
文書名: サイプレス nvSRAM 向け累積コンデンサ (VCAP) オプション – AN43593
文書番号: 001-92095
版
ECN
変更者
発行日
変更内容
**
4341275
HZEN
04/11/2014
これは英語版 001-43593 Rev. *F を翻訳した日本語版 001-92095 Rev. **です。
*A
4722801
HZEN
04/24/2015
これは英語版 001-43593 Rev. *G を翻訳した日本語版 001-92095 Rev. *A です。
www.cypress.com
文書番号: 001-92095 Rev. *A
8
サイプレス nvSRAM 向け累積コンデンサ (VCAP) オプション
ワールドワイドな販売と設計サポート
サイプレスは、事業所、ソリューション センター、メーカー代理店および販売代理店の世界的なネットワークを持っています。お客様の
最寄りのオフィスについては、サイプレスのロケーション ページをご覧ください。
PSoC®ソリューション
製品
psoc.cypress.com/solutions
PSoC 1 | PSoC 3 | PSoC 4 |PSoC 5LP
車載用
cypress.com/go/automotive
クロック&バッファ
cypress.com/go/clocks
インターフェース
cypress.com/go/interface
サイプレス開発者コミュニティ
照明&電源管理
cypress.com/go/powerpsoc
コミュニティ | フォーラム| ブログ | ビデオ| トレーニング
メモリ
cypress.com/go/memory
PSoC
cypress.com/go/psoc
タッチセンシング
cypress.com/go/touch
USB コントローラー
cypress.com/go/usb
ワイヤレス/RF
cypress.com/go/wireless
テクニカルサポート
cypress.com/go/support
本書で言及するその他すべての商標または登録商標は各社の所有物です。
Cypress Semiconductor
198 Champion Court
San Jose, CA 95134-1709
Phone
Fax
Website
: 408-943-2600
: 408-943-4730
: www.cypress.com
© Cypress Semiconductor Corporation, 2007-2015. 本文書に記載される情報は予告なく変更される場合があります。Cypress Semiconductor Corporation
(サイプレスセミコンダクタ社) は、サイプレス製品に組み込まれた回路以外のいかなる回路を使用することに対して一切の責任を負いません。サイプレスセミコン
ダクタ社は、特許またはその他の権利に基づくライセンスを譲渡することも、または含意することもありません。サイプレス製品は、サイプレスとの書面による合意
に基づくものでない限り、医療、生命維持、救命、重要な管理、または安全の用途のために使用することを保証するものではなく、また使用することを意図したもの
でもありません。さらにサイプレスは、誤動作や故障によって使用者に重大な傷害をもたらすことが合理的に予想される生命維持システムの重要なコンポーネント
としてサイプレス製品を使用することを許可していません。生命維持システムの用途にサイプレス製品を供することは、製造者がそのような使用におけるあらゆる
リスクを負うことを意味し、その結果サイプレスはあらゆる責任を免除されることを意味します。
このソース コード (ソフトウェアおよび/またはファームウェア) はサイプレスセミコンダクタ社 (以下「サイプレス」) が所有し、全世界の特許権保護 (米国およびそ
の他の国)、米国の著作権法ならびに国際協定の条項により保護され、かつそれらに従います。サイプレスが本書面によりライセンシーに付与するライセンスは、
個人的、非独占的かつ譲渡不能のライセンスであり、適用される契約で指定されたサイプレスの集積回路と併用されるライセンシーの製品のみをサポートするカ
スタムソフトウェアおよび/またはカスタムファームウェアを作成する目的に限って、サイプレスのソース コードの派生著作物をコピー、使用、変更そして作成する
ためのライセンス、ならびにサイプレスのソース コードおよび派生著作物をコンパイルするためのライセンスです。上記で指定された場合を除き、サイプレスの書
面による明示的な許可なくして本ソース コードを複製、変更、変換、コンパイル、または表示することは全て禁止します。
免責条項: サイプレスは、明示的または黙示的を問わず、本資料に関するいかなる種類の保証も行いません。これには、商品性または特定目的への適合性の黙
示的な保証が含まれますが、これに限定されません。サイプレスは、本文書に記載される資料に対して今後予告なく変更を加える権利を留保します。サイプレス
は、本文書に記載されるいかなる製品または回路を適用または使用したことによって生ずるいかなる責任も負いません。サイプレスは、誤動作や故障によって使
用者に重大な傷害をもたらすことが合理的に予想される生命維持システムの重要なコンポーネントとしてサイプレス製品を使用することを許可していません。生命
維持システムの用途にサイプレス製品を供することは、製造者がそのような使用におけるあらゆるリスクを負うことを意味し、その結果サイプレスはあらゆる責任
を免除されることを意味します。
ソフトウェアの使用は、適用されるサイプレスソフトウェアライセンス契約によって制限され、かつ制約される場合があります。
www.cypress.com
文書番号: 001-92095 Rev. *A
9