進相コンデンサ設置による効果

ご利用の手引き
進相コンデンサ設置による効果
①線路損失の低減
(1)電気料金が安くなります
(a)
単相回路1回線の線路損失の低減
進相コンデンサを設置し、力率が改善されると送電、配電、変電設
備における電力損失が低減され、電気設備が有効に利用される
2P2
1
1
L= ・R・
−
V2
cos2 θ2
cos2 θ1
(
ことになります。
このため各電力会社において実施されている力率料金制度によっ
(b)
三相回路1回線の線路損失の低減
て、力率が改善されると毎月の基本料金が割引され電気料金が安
くなります。
P2
1
1
L= 2・R・
−
V
cos2 θ2
cos2 θ1
(
力率料金制度
契約電力
L
契約種別
力率の決定
基本料金の割引・割増
P
V
R
力率が85 %を上回る
場合は5%割引
●
50 kW未満
各機器の力率を入
力によって加重平
均にする
低圧電力
負荷が最大と認め
られる時間の力率
50 kW∼
を需要家と電力会
※80 kW未満 高圧電力 A
社で協議して決め
業務用電力
る
※80 kW∼
500 kW未満
その月のうち毎日
500 kW∼
高圧電力 B 午前8時から午後
2000 kW未満 業務用電力
10時までの時間に
おける平均力率
特別高圧電力
2000 kW以上
業務用電力
)
力率が85 %を下回る
場合は5%割増
●
cosθ1
cosθ2
)
:力率をcosθ1からcosθ2に改善したときに
低減できる電力損失(W)
:電力(W)
:線間電圧(V)
:線路1条の抵抗(Ω/m)
:線路長さ(m)
:改善前の力率
:改善後の力率
②変圧器の損失
(銅損)低減
力率が85 %を上回る
場合は、その上回る1
%について1%割引
●
W
100
L= K
−1 ・T
T
η
力率が85 %を下回る
場合は、その下回る1
%について1%割増
2
)( )
(cos1 θ − cos1 θ )
(
2
2
1
2
●
L
η
K
T
W
cosθ1
cosθ2
また次項に示すように力率改善により電気設備の有効利用ができ
ますので、特に契約電力※80 kW程度未満の需要家では力率改
善による設備余裕に見合った設備容量を低減することにより契約
:力率をcosθ1からcosθ2に改善したときに
低減できる電力損失(kW)
:変圧器の効率(%)(通常98 %程度)
:変圧器の全損失に対する銅損比(通常2/3∼6/7)
:変圧器定格容量(kVA)
:変圧器に接続される負荷容量(kW)
:改善前の力率
:改善後の力率
電力が低減でき、電気料金が大幅に節減できる場合があります。
電力損失低減係数
(※電力会社により若干の差異があります。)
(2)受変電設備が有効利用できます
進相コンデンサを設置し、力率が改善されると線路電流が減少し、
(cos1 θ − cos1 θ )
2
1
2
2
変圧器容量や電線に余裕ができます。
このため設備の増設をすることなく負荷の増設が可能となり、電
改善前の力率
(cosθ1)
1.0
0.95
0.90
0.85
気設備の有効利用ができます。
力率改善による設備の余裕向上効果は次の式により算出できます。
0.60
0.65
0.70
0.75
0.80
0.85
0.90
0.95
1.778
1.366
1.041
0.778
0.563
0.384
0.235
0.108
1.670
1.258
0.933
0.670
0.454
0.276
0.126
1.542
1.132
0.806
0.545
0.328
0.150
1.394
0.982
0.657
0.394
0.178
P1−P2
cos θ1
余裕度(%)= ×100 = 1−
×100
P1
cos θ2
(
P1
P2
cosθ1
cosθ2
) (
)
:改善前の負荷容量(必要な設備容量)
(kVA)
:改善後の負荷容量(必要な設備容量)
(kVA)
:改善前の力率
:改善後の力率
改善後の力率(cosθ2)
0.80
0.75
0.70
0.65
1.215 1.000 0.737 0.411
0.804 0.589 0.325
0.479 0.263
0.215
(4)電圧降下が減少します
力率の改善と線路電流の減少により、変圧器や線路のリアクタン
スや抵抗による電圧降下が減少し、電圧が安定しますので負荷の
力率改善により発生する余裕電力
生産能率が向上し、製品品質の安定に役立ちます。電圧降下の大
きさは概略次の式により算出できます。
(改善前の負荷容量(kVA)に対する%を示す。)
改善前の力率
(cosθ1)
0.5
0.6
0.7
0.8
0.9
改善後の力率(cosθ2)
0.8
0.85
0.9
0.95
1.0
37.5
25.5
12.5
41
29
18
6
44
33
22
11
47
37
26
16
5
50
40
30
20
10
P
△E= (R cos θ + X sin θ)
V cos θ
ΔE
:電圧降下の大きさ(V)
P
:電力(W)
V
:線間電圧(V)
R
:線路及び変圧器の抵抗(Ω)
X
:線路及び変圧器のリアクタンス(Ω)
cosθ:力率
(3)電力損失が低減します
進相コンデンサを設置し、力率が改善されると線路電流が減少し、
電線中や変圧器巻線中の抵抗による電力損失が減少します。
力率改善による線路損失の低減と変圧器損失の低減は次の式
により算出できます。
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CAT.3000B