Siフォトダイオード応用回路例

Siフォトダイオード応用回路例
1. 低雑音光センサプリアンプ
+15 V
空間光通信や光リモコンなどの受光部に使用します。フォトダイオー
ドには逆電圧をかけて応答周波数を改善します。図ではFETのドレイ
ンから増幅信号を取ってますが、入力抵抗が小さい次段回路へのイン
ターフェースにはソース側から信号を取り出します。
10 k
10 µ
+
+ 10 µ
1k
PD
0.1 µ
0.1 µ
1000 p
Vo
FET
RL
1M
RS
0.1 µ
PD : 高速PINフォトダイオード (S5052, S2506-02,
S5971, S5972, S5973など)
RL : 感度とPDのCtとの時定数で決定
RS : FETの動作点で決定
FET : 2SK152, 2SK192A, 2SK362など
KPDC0014JD
2. 極微弱光センサヘッド
回路全体を金属製のシールドボックスに収納し、周囲からの電磁雑音
を遮断します。フォトダイオードの開口窓は必要最小限の大きさとし
ます。光ファイバで信号光をシールドボックス内に導くのも効果的で
す。シールドボックス内に収納した乾電池を演算増幅器の電源として
使用すると、交流電源が原因となる雑音も除去でき、一層S/Nの向上
を図ることができます。
PD
Rf1
S1
Rf2
S2
10 µ
Cf
2
2
-
ISC
3
+
6
A1
3
5
+5 V
0
-5 V
+
10 µ
+
+
A2
6
Vo
10ターン
ポテンション
金属製シールドボックス
1
太線の部分はガードパターン内またはテフロン端子上に配線
Rf : 10 GΩ MAX.
A1 : AD549など
S : リーク電流の小さいリードリレー
A2 : OP07など
Cf : 10∼100 pFスチコン
PD: S1226/S1336/S2386シリ−ズなど
KPDC0016JD
3. 光量バランス検知回路
Rf
D
2つのフォトダイオードPD1、PD2に入る光量が等しいときに出力電圧
Voがゼロになります。光検知感度は帰還抵抗の大きさで決めます。
2つのダイオード Dが逆並列に接続されていることで、受光光量がアン
バランスの状態ではVo=±0.5 V程度 (最大)に制限され、バランス状態の
近傍だけを高感度で検知できます。4素子の田の字型フォトダイオー
ドを用いれば、2次元の光軸合わせなどに利用できます。
D
ISC2
ISC1
2
-
PD1
PD2
3
+
+15 V
7
A 6
4
Vo
-15 V
PD: S1226/S1336/S2386シリーズなど
A : LF356など
D : ISS270Aなど
Vo = Rf × (Isc2 - Isc1) (V) (Vo < ±0.5 V)
フォトダイオードへ入る光量が等しいときVoは零、アンバランス
の状態ではVo = ±0.3∼0.5 V。フィルタを用いて、特定波長間の
光量バランス検知に利用可能。
KPDC0017JB
4. 照度計
視感度補正されたSiフォトダイオード S7686とオペアンプの電流−電圧
変換回路を用いた簡易照度計回路です。1 Vレンジの電圧計に接続する
ことによって、最大10000 lxの照度を測定できます。
オペアンプは、入力バイアス電流が小さい単電源の低消費電流タイプを
使用します。回路の校正は100 Wの白色電球を利用した簡易的な方法で
行うことが可能です。
初めに10 mV/lxレンジを選択し、可変抵抗器 VRのしゅう動端子とオペア
ンプの出力端子を短絡します。次に白色電球を点灯させ、電圧計の表示
が0.45 Vとなるように白色電球とS7686との距離を調整します (このとき
S7686の表面の照度は約100 lxになります)。続いて電圧計の指示が1.0 Vと
なるようにVRをして調整し、校正を終了します。
1M
10 mV/lx
100 k
1 mV/lx
10 k
0.1 mV/lx
100 p
VR * 500
2
3
PD
Isc
-
6
IC
+
4
1k
7
8
1k
006 p
(9 V)
IC : ICL7611, TLC271など
PD: S7686 (0.45 µA/100 lx)
* メータ校正用ボリューム
V 電圧計
KPDC0018JD
1
Siフォトダイオード応用回路例
5. 高速演算増幅器を使用した光センサ (1)
バイアスを加えて低容量化したフォトダイオードと、電流―電圧変換
型の高速演算増幅器を使用します。この回路の応答速度は、帰還抵抗
Rfとその浮遊並列容量の時定数に大きく影響されます。このため帰還
抵抗には複数の抵抗を直列に接続し、抵抗の浮遊並列容量を分散化し
て時定数の影響を小さくします。帰還抵抗はチップ部品を使用すると
並列容量を小さくできます。
10 k
+15 V
+
10 µ
Rf
ISC
PD
51 W
Vo
+15 V
0.1 µ
7
2-
0.1 µ
A
+ 14 6
3
0.1 µ
-15 V
PD : 高速PINフォトダイオード
(S5052, S5971, S5972, S5973など)
Rf : 並列容量を避けるため複数個直列
A : AD743, LT1360, HA5160など
KPDC0020JE
6. 高速演算増幅器を使用した光センサ (2)
高速の電流帰還型オペアンプを使用した回路です。この図の構成では
同軸ケーブルを直接駆動することが可能です。負荷抵抗RLで光電流を
電圧に変換した後増幅を行うため、オペアンプの位相ズレに基づく悪
影響はほとんどありません。
5.と同様に帰還抵抗は複数の抵抗を使用し、抵抗の浮遊並列容量を分
散します。ICの電源ピンに接続してあるコンデンサ 0.1 µFはセラミッ
クコンデンサで、直近の接地電位に最短距離で接続します。
100 MHzを超える帯域での回路構成は、各部品のリードインダクタン
スの影響を抑えるため、抵抗やコンデンサはチップ部品を使用し、回
路全体を小型化することが必要です。また基板銅箔面全面を接地電位
として使用するグランドプレーン構造が性能向上に効果的です。
10 k
+5 V
0.1 µ + 10 µ
PD
0.1 µ
3 +7
Isc
6
51 W
A
2 - 4 0.1 µ
RL
R
Vo
Rf
-5 V
: 高速PINフォトダイオード
(S5052, S5971, S5972, S5973など)
RL, R, Rf : オペアンプの推奨条件に合わせて調整
A
: AD8001など
VO = Isc × RL × (1 + Rf ) [V]
R
PD
KPDC0015JD
7. 光量−対数電圧変換回路
D1
出力電圧は検知光量の対数的変化に比例します。対数変換用のログダ
イオード D1は小信号トランジスタ B-Eや、接合型FETのG-Sダイオード
を利用します。IBはログダイオードにバイアス電流を供給する電流源
です。IBを注入しないと入射光のIscがゼロになったとき回路がラッチ
アップします。
IB
+15 V
2
-
7
R
PD
Isc
3
A
+
6
Vo
4
-15 V
D1 : 低暗電流で低直列抵抗のダイオード
IB : 回路動作点設定用電流源, IB << Isc
R : 1 G∼10 GW
-15
-12
Io : D1 の飽和電流, 10 ∼10 A
A : FET入力型オペアンプ
. -0.06 log Isc + IB + 1
Vo =
.
( IO
) [V]
KPDC0021JA
8. PINフォトダイオード高速光検出器
この回路は能動部品を使用しません。利得がないので検知光量が多い場
合に使用します。整合負荷抵抗の値は50 Wで、計測器やオシロスコープ
の50 W入力に直接接続できます。
この回路は数GHz帯域のフォトダイオードまで使用できます。バイパス
コンデンサCはチップ部品を使用し、フォトダイオードのリード、同軸
ケーブルの心線など、高周波電流が流れる部分はミリメートル単位で短
く配線します。図のCからは、光信号で生じる電流が瞬時的に負荷側へ
流れるため、これに相当する電荷を供給できる容量値が必要です。
なお、右図でケーブルが終端されていない場合、心線が電源電圧値まで
充電されます。高い逆電圧を使用するときには計測器入力部の最大定格
電圧を超えて破損しないような注意が必要です。
PD
50 Ω 同軸ケーブル
A
SMA同軸コネクタなど
50 Ω
K
R
信号電圧
C
VR
- 逆電圧
+ 電源
PD: 高速PINフォトダイオード (S5052, S5971, S5972, S5973など)
R : 10 kΩ, ただし、光電流による電圧降下はVRより充分小さいこと
C : 0.1 µFセラミック
PD, C, 同軸ケーブルの心線などは極力短く配線 (チップ部品推奨)
KPDC0022JD
2
Siフォトダイオード応用回路例
9. CTスキャナ、X線モニタ・センサ
Rf
放射線を吸収すると紫外線や可視光線を放射する物質をシンチレータ
と言います。これらを使用してg 線やX線を可視光に変換し、フォトダ
イオードで検知することができます。シンチレータの外側は放射線が
透過できる反射材などで覆い、背景光がシンチレータを通してフォト
ダイオードに入らないよう遮光します。同時に発生した光をフォトダ
イオード以外に漏らさない様にしています。
同じような方法でb線を検知することもできますが、b線が容易に通過
できる遮光方法を採用する必要があります。
X線
10 p
+15 V
2 -7
A 0.1 µ 6
+
3 4 0.1 µ
ISC
PD
VO
-15 V
シンチレータ
シンチレータ付PD: S8559, S8193など
Rf
: 10 M∼100 MΩ
A
: FET演算増幅器
シンチレータ
: CsI (Tl), セラミックシンチレータなど
KPDC0023JC
10. g線、X線検知器
フォトダイオード内部で放射線が吸収や散乱を受けると、その部分に
電荷が発生します。この電荷は光を検知したときと同様に外部に取り
出すことができます。右図のA1はチャージアンプで、上記の過程で発
生する電荷を電圧パルスに変換します。 A1はスルーレートが大きく、
バイアス電流の小さい演算増幅器を使用します。フォトダイオードの
面積を小さくすると検出効率は低下しますが、接合容量が小さくなる
ので各パルスの波高値は大きくなります。9.と同様に背景光を避ける
ため、反射材などを用いて遮光します。
10 M
2p
PD
A
100 k
+15 V
2-
K
3
+
10 k
A1
100 p
5
0.1 µ
遮光アルミ
フォイルなど
10 k
6+
8 7
A2
4
eo
-15 V
+
10 µ
+24 V
PD : S3590シリーズなど
A1, A2: LF442
eo
: コバルト60の場合
数mV∼数十mV
KPDC0024JB
11. 吸光度計
2つの電流入力の対数比が得られる演算モジュール Aを使用した吸光度
計です。試料を通過した光の強度を2つのフォトダイオードで比較測
定すれば、試料の吸光度に応じた電圧出力が得られます。まず2つの
フォトダイオードの受光量 (光電流)が同じになるように絞りなどを調
整します。次に図のように試料を片側の光路に挿入します。このとき
試料の吸光度 Aは電圧計の指示値として、A= -Vo (V)と表されます。
たとえば吸光度1 (透過率10 %)の試料であれば-1 Vが出力されます。必
要に応じて図のようにフィルタを併用し、特定波長領域や単色光での
分光吸光度を測定することができます。
+15 V
Isc1
(試料)
1
6
-
PD
14
フィルタ
Isc2
7
A
Vo
3
+
10
9
100 p
-15 V
A : 755N/P (アナログデバイス)など
PD: S5870など
Vo : Vo = log (Isc1/Isc2) [V]
試料のないときIsc1 = Isc2とすれば、試料の吸光度Aは、
A = -Vo (V)で表される
KPDC0025JC
12. LED全放射光量測定
LEDから放射される光量の測定に使用します。LEDの発光波長幅は数
十nm程度と狭いので、LEDのピーク波長におけるフォトダイオードの
受光感度からLEDの放射光量を知ることができます。LED側面からの
光放射成分は、表面を鏡面加工した反射ブロックBで正面側に反射さ
れ、全放射光量がフォトダイオード PDで検知されます。
Isc
IF
Po
LED
PD
A
B
A
PD
B
Po
:
:
:
:
電流計、1∼10 mA
S2387-1010R
アルミニウムブロック、内側金メッキ
全放射光量Po = Isc/S [W]
PDの受光感度は分光感度特性表参照
.
例: 930 nmではS=0.58
(A/W)
.
KPDC0026JA
3
Siフォトダイオード応用回路例
13. 光量積分回路
波高値、周期、パルス幅などが不規則な光パルス列の積算光量や平
均光量の測定などに使用します。図のAは積分器で、検知光パルスご
とに発生する光電流を積分コンデンサ Cに蓄えます。リセット直前の
出力電圧 Voと積分時間 tおよび既知のCの値から、右の式のように平
均Iscが求まります。Cはリセット時の誤差をなくすため、誘電吸収が
小さなコンデンサを使用します。SはC-MOS型アナログスイッチです。
+15 V
10 k
C
13
1
1k
2 S
Isc
1k
リセット入力
7
14
Isc
+15 V
2
7
A
+
4
-
PD
3
6
VO
t
VO
-15 V
リセット入力: TTL Lでリセット
A : LF356など
S : CMOS 4066
PD: S1226/S1336/S2386など
C : ポリカーボネートコンデンサなど
VO = Isc × t × 1 [V]
C
0
リセット
KPDC0027JA
14. 光量−周波数変換回路
C-MOS型のタイマICを利用して、受光量に比例した周波数のパルスを
発生する回路です。フォトダイオードのIscはコンデンサ Cを定電流で
充電します。Cの電位が上昇し電源電圧の2/3に達すると、タイマICは
Cの放電を始めます。次にCの電位が電源電圧の1/3まで低下すると放
電を中止します。図中の計算式ではパルス出力のLowの持続時間は短
いので無視していますが、実際はC × 100 kWです。
以上の繰り返しで、タイマICは受光量に比例した周波数の矩形波を発
生します。なお基準電圧はIC内部で電源電圧を分圧して利用している
ため、供給電圧が変動すると周波数も変化します。
バイポーラ型のタイマIC (555型)は、端子電流がIscより大きいことが
多く、使用できません。
Vcc=+5 V
+7 to 15 V
4
8
PD
78L05
0.1 µ
Isc
7
3
6
100 k
IC
Vo
Vo
t
2
1
C
5
0.01 µ
PD: S1087
IC : µPD5555 (C-MOS型タイマIC)
Isc [Hz]
f = 1 = 3 × Vcc
C
t
.
Cが0.001 µFのとき100 lxでf =. 80 Hz
KPDC0028JA
15. PUT使用の光量−周波数変換回路 (参照 JPN PAT.1975639号)
この回路は光量をこれに比例した周波数のパルス列に変換する回路で
す。14.と異なる特長は一定のしきい値以上の光量では発振が停止しま
すが、その範囲内では光量と周波数がほぼ比例することと消費電流が
小さいことです。
回路の発振周波数は図中の式で近似できます。図の定数では約1 lxから
約200 lxの範囲で動作し、周波数と照度の関係はおよそ1.4 Hz/lxです。
消費電流は約10 µAです。
照度しきい値の上限と下限は、ゲート合成抵抗に対するPUTの谷電流
とピーク電流で決まり、フォトダイオード光電流がこの範囲になるよ
うゲート抵抗を選択します。
+5 V
PD
100 k
Isc
A
G
K
PUT
C
0.01 µ
Vg
Vo
1k
Vo
t
220 k
PD : S2386-5K
PUT : N13T2 (NEC), TN41B (東芝)など
t = Vg × C [s]
Isc
f = 1 = 1 × Isc [Hz]
t
vg
C
KPDC0029JB
これらの回路例に使用するオペアンプは使用温度範囲、バイア
ス電流、位相補償、オフセット調整方法などが品種によって異
なります。メーカーのカタログを参照してください。
オペアンプ、バッファアンプ代表例
Analog Devices AD549, 755N/P, OP07, AD743, AD8001
National Semiconductor LF357, LF356, LF442
Harris HA2625, HA5160, CA3130, ICL7611
Linear Technology: LT1360
本カタログ掲載の回路例は、浜松ホトニクスの光半導体素子の
応用例を紹介するものであり、回路設計上の保証をするもので
はありません。また、工業所有権上の諸問題についても責任を
負いかねます。
本資料の記載内容は、平成23年10月現在のものです。製品の仕様は、改良のため予告なく変更する
ことがあります。ご使用の際には、仕様書をご用命の上、最新の内容をご確認ください。
固体営業部 〒435-8558
東京支店 〒105-0001
大阪営業所 〒541-0052
仙台営業所 〒980-0011
4
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FAX (06)6271-0450
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Cat. No. KSPD1043J08
Oct. 2011 DN