取り扱いガイド (COBタイプLEDパッケージ) CONTENTS 1. 製品特徴 P.2 2. LEDパッケージ の取り扱い 上の注意 P.3 3. はんだ付け P.7 4. 取り付け方法 P.9 5. 放熱概論 P.12 6. 電気的接続方法 P.13 7. 影響を及ぼす化合物・耐薬品性 P.16 8. ソリューシ ョン情報 P.17 シチズン電子株式会社 〒403-0001 山梨県富士吉田市上暮地1-23-1 TEL 0555-23-4121 http://ce.citizen.co.jp Copyright © 2014 CITIZEN ELECTRONICS CO., LTD. All Rights reserved. Ref.CE-P2467 03/13_R2(0514) 1, 製品特徴 1-1, はじめに シチズン電子は最高水準の明るさと発光効率を追い求め、長 寿命、当社独自の低熱抵抗設計、豊富な製品ラインナップが 年COBタイプLEDパッケージ製品の技術的な課題に挑戦して あげられます。 きました。その高度なLED技術と実装技術が誘導したCOBハイ 本レポートではシチズン電子製COBタイプLEDパッケージの ワットシリーズは快適で美しい照明空間を実現します。 取り扱い上の注意、はんだ付け、取り付け方法、放熱概論、電 また、シチズン電子COBタイプLEDパッケージの特徴は世界 気的接続方法、影響を及ぼす化合物・耐薬品性、ソリューショ 最高水準の明るさ・効率、長年のデータに基づく高信頼性・長 ン情報をご提供致します。 1-2, COBタイプLEDパッケージの製品特徴 COBタイプLEDパッケージは以下に示すFigure1のような構造 め、実装工程およびプリント基板が不要となります。また、アル をしています。アルミニウム基板上にアノード(正電極)とカソー ミニウム基板上に直接LED素子を実装することにより、放熱的 ド(負電極)を形成し、また 、発光 部はア ルミ ニウ ム 基板上に にも優れた特性を保持しています。 LED素子を実装し、蛍光体を含むシリコーン樹脂にて封止して COBタイプLEDパッケージを用いることで、照明器具の設計 います。 の小型化が可能になります。応用製品例としては街路灯やダ COBタイプLEDパッケージはSMDタイプのLEDパッケージと ウンライト、スポットライト、電球等の照明器具に多く採用され 異なり、直接ヒートシンクに取り付けることが可能です。そのた ています。 ■Figure 1 COBタイプLEDパッケージ アノード 樹脂部 アルミニウム基板 カソード (TC測定部位) 2 Copyright © 2014 CITIZEN ELECTRONICS CO., LTD. All Rights reserved. シチズン電子株式会社 〒403-0001 山梨県富士吉田市上暮地1-23-1 TEL 0555 -23 - 4121 http://ce.citizen.co.jp Ref.CE-P2467 03/13_R2(0514) 2, LEDパッケージの取り扱い上の注意 2-1, トレイ取り出し時の注意点 ■Figure 3 梱包トレイ運搬方法 良い例 COBタイプLEDパッケージ製品は、電気導電性ポリスチレン 製のトレイにて納品されます(Figure2)。トレイを運搬する際 は、トレイ外周部を持ち、搬送してください。トレイ内部(製品収 納部)へ、外力が加わるとトレイ底面が製品に干渉し、不灯に 至る可能性がありますので、指等が接触しないよう注意してく ださい(Figure3)。 ■Figure 2 梱包トレイ外形 悪い例 NG スタック方向に外力を加えない トレイはカット面を基準に同じ向きに重ねることが可能で、製 す(Figure4)。 品の樹脂部にトレイが接触しないよう設計されています。製品 製品をトレイから取り出すときは静電防止手袋等を使用し、 をトレイより取り出す際には塵埃、水分、油分に曝される恐れ 素手で製品に触れないようにしてください。また、ピンセットのよ のない平らな場所での取り扱いをお勧めします。 うな先端の鋭利なものでの取り扱いは製品の損傷の恐れがあ また、製品はトレイのカット面を左下にした時、アノード電極 りますので、ご使用にならないでください(Figure5)。 が右下に、カソード電極が左上に配置されるように梱包されま ■Figure 4 梱包トレイパッケージ部 ■Figure 5 梱包トレイ取出し方法 カソード アノード カット面 3 Copyright © 2014 CITIZEN ELECTRONICS CO., LTD. All Rights reserved. シチズン電子株式会社 〒403-0001 山梨県富士吉田市上暮地1-23-1 TEL 0555 -23 - 4121 http://ce.citizen.co.jp Ref.CE-P2467 03/13_R2(0514) 2-2, 持ち方の注意点 製品の持ち方により、光学特性や製品寿命にダメージを与え また取り扱いの際、ピンセット等先端の鋭利な物を使用しな る恐れがあります。特に、樹脂部には外力を加えないようにご いでください。樹脂部に触れることによりワイヤーが断線し不 注意ください。製品の不灯の原因となることがあります。 灯を引き起こすことがあります(Figure6)。 製品を持つ際は、静電防止手袋等を使用し、素手で製品に なお、Figure6では推奨される持ち方の良い例と悪い例を示 触れないようにしてください。素手で発光部に直接触ると、表 しています。 面を汚し光学特性に影響を及ぼすことがあります。 ■Figure 6 推奨される持ち方例 良い例 静電防止手袋 悪い例 NG NG NG ピンセット 樹脂部への接触 NG 4 素手 樹脂部への接触 Copyright © 2014 CITIZEN ELECTRONICS CO., LTD. All Rights reserved. シチズン電子株式会社 〒403-0001 山梨県富士吉田市上暮地1-23-1 TEL 0555 -23 - 4121 http://ce.citizen.co.jp Ref.CE-P2467 03/13_R2(0514) 2-3, 取り扱い時の注意点 i) 樹脂部は発光部と枠樹脂部からなり、シリコーン樹脂から形成されています。製品の機能・性能・信頼性に影響を及ぼしますので、樹 脂部を押す・応力を加える・摩擦する・鋭利な金属爪等(例:リフレクター部品の端面)が触れる等、避けてください(Figure7)。 ■Figure 7 樹脂部取り扱い、構成部品接触に注意 悪い例 NG ドライバー NG NG ペン NG 指 ピンセット NG ネジ ii) 照明器具等に組み込む際には、樹脂部に他の構成部品が接触しないように注意してください(Figure8)。 ■Figure 8 構成部品の接触に注意 良い例 悪い例 NG 樹脂部と構成部品が接触している。 iii) 樹脂部の剥がれ・断線・欠け等を防ぐために、本製品は積み重ねないでください(Figure9)。 ■Figure 9 製品の積み重ね 悪い例 NG 5 Copyright © 2014 CITIZEN ELECTRONICS CO., LTD. All Rights reserved. シチズン電子株式会社 〒403-0001 山梨県富士吉田市上暮地1-23-1 TEL 0555 -23 - 4121 http://ce.citizen.co.jp Ref.CE-P2467 03/13_R2(0514) 2-4, リード線取り付け後の取り扱いの注意点 2-4-1, リード線取り付け後の持ち方について リード線を取り付けた後に、リード線を持ち製品を取り扱わないで下さい。製品の機能・性能・信頼性に影響を及ぼす可能性があります。 また、リード線を付けた製品を持つ際は、リード線は触らずに製品の側面を持ち取り扱って下さい(Figure10)。 ■Figure 10 リード線取り付け後の製品の持ち方 良い例 悪い例 NG リード線を持たない。 2-4-2, リード線取り扱いの注意事項 以下に示す行為は製品の性能・機能・信頼性に影響を及ぼす可能性がありますので行わないで下さい(Figure11)。 1, リード線を垂直方向に折り曲げない 2, リード線をねじ曲げない 3, リード線をひっぱらない 4, リード線を持って振り回さない 5, リード線に外傷を与えない ■Figure 11 リード線を持っての取り扱いに注意 悪い例 NG 1, 折り曲げない。 NG 3, ひっぱらない。 NG NG 4, 振り回さない。 6 2, ねじ曲げない。 NG 5, リード線に外傷を与えない。 Copyright © 2014 CITIZEN ELECTRONICS CO., LTD. All Rights reserved. シチズン電子株式会社 〒403-0001 山梨県富士吉田市上暮地1-23-1 TEL 0555 -23 - 4121 http://ce.citizen.co.jp Ref.CE-P2467 03/13_R2(0514) 3, はんだ付け 3-1, はんだ付け推奨条件 本製品はリフロー対応製品ではありません、はんだ付けを行 ii) はんだ付けで熱を加えている時に、こて先でパッドを押 う際は、下記条件を推奨致します。 さないでください(Figure13)。 推奨はんだ付け条件 ■Figure 13 はんだ付け時の注意点 こて出力 : こて先温度350℃以下 悪い例 加熱時間 : 1ランド3.5秒以内 接触回数 : 2回以内 NG 3-2, はんだ付け時の注意点 こて先でパッドを押さない。 i) はんだ付け時に樹脂部に外力を加えない、また、こて先が iii) はんだ付け後の取り扱いは製品が常温に戻ってから 樹脂部に触れないように注意してください(Figure12)。 行ってください(Figure14)。 ■Figure 12 はんだ付け時の注意点 ■Figure 14 はんだ付け時の注意点 悪い例 悪い例 NG NG 樹脂部に触れない。 常温に戻ってから取り扱う。 7 Copyright © 2014 CITIZEN ELECTRONICS CO., LTD. All Rights reserved. シチズン電子株式会社 〒403-0001 山梨県富士吉田市上暮地1-23-1 TEL 0555 -23 - 4121 http://ce.citizen.co.jp Ref.CE-P2467 03/13_R2(0514) 3-3, はんだ付け良否判定 3-3-1, はんだ外観について 3-3-2, リード線位置について はんだ付け後のはんだ外観の良否判定基準を以下に示します。 リード線をはんだ付けする時の芯線とパッドの位置関係は Figure15を参照してください。リード線の取り付け方が正しくな はんだ外観 良否判定基準 いと、製品の機能・性能・信頼性に悪影響を及ぼすおそれがあ 1, はんだフィレットを形成すること ります。 2, 芯線とはんだのなじみが確認できていること 3, はんだに艶があること ■Figure 15 推奨されるはんだ付け例 4, 角、凸はんだになっていないこと 5, リード線の浮きがないこと 良い例 6, はんだの外観/リード線先端部の側面がはんだで 覆われていること リード線の芯線がパッドをはみ出さないこと。 7, はんだ付け指定箇所以外への異物(はんだボール、はんだ フラックス)付着/著しいものなきこと 8, LEDパッケージ基板端子パッドの2/3以上はんだが 載っていること 9, リード線の芯線がパッドをはみ出さないこと 10, リード線の高さ/はんだの高さが、リード線の被覆以下 であること 悪い例 NG リード線の先端、根本がパッドからはみ出している。 NG NG 8 リード線先端部はみ出し リード線根本はみ出し Copyright © 2014 CITIZEN ELECTRONICS CO., LTD. All Rights reserved. シチズン電子株式会社 〒403-0001 山梨県富士吉田市上暮地1-23-1 TEL 0555 -23 - 4121 http://ce.citizen.co.jp Ref.CE-P2467 03/13_R2(0514) 4, 取り付け方法 4-1-1, 固定方法1:M3ネジ、熱伝導性両面粘着シリコーンテープ C O B タ イ プ L E D パ ッ ケ ー ジ C L L 0 2 0 、C L L 0 2 2 、C L U 0 2 4 、 ださい。また、シート状TIMを適用する場合には、製品固定ネ CLL0 30、CLL 03 2、CLU0 34、CL L0 40、CLL0 42、CLU04 4、 ジを締め込む時などにLEDパッケージが歪まないようにご注意 CLL050、CLL052、CLU054、CL-L100 seriesは、TIM(Thermal ください。 Interface material)を使用して本製品を組み込み、ヒートシン また、COBタイプLEDパッケージCLL010、CLL012をご使用 クにM3ネジで固定することが可能です(Figure16)。M3ネジの の際は、ヒートシンクに熱伝導性両面粘着シリコーンテープを 締め付けトルクは0.6N・mとします。 用い固定することを推奨します。なお一例として、信越化学製 M3ネジのネジ穴位置を以下に示します(Figure17)。固定の のTC-20SAS等があります。 際には左右のネジを仮締めした後で本締めする等、LEDパッ LEDパッケージの電極と裏面との間の電気絶縁耐圧は500V ケージに過大な応力や力が掛からないようにご注意ください。 を 確 認し て い ます 。 最終 的な 電 気的 安全 性の 確認 に つ い て 製品の放熱性を高めるために、LEDパッケージとヒートシンク は、貴社の最終製品状態でご確認いただけますようお願いし との間にはTIMをご使用ください。グリス状TIMを適用する場合 ます。 には、LEDパッケージ裏面全体へ均一に塗布するようにしてく ■Figure 16 推奨取り付け方法(M3ネジ) M3ネジ スプリングワッシャー(≦φ6mm) 平ワッシャー (≦φ6mm) TIM ヒートシンク ■Figure 17 ネジ穴位置 46.5 12.8 22.8 18.3 12.8 32.0 18.3 22.8 32.0 CLL020 CLL022 CLU024 CLL030 CLL032 CLU034 CLL040 CLL042 CLU044 CLL050 CLL052 CLU054 9 CL- L100series Copyright © 2014 CITIZEN ELECTRONICS CO., LTD. All Rights reserved. シチズン電子株式会社 〒403-0001 山梨県富士吉田市上暮地1-23-1 TEL 0555 -23 - 4121 http://ce.citizen.co.jp Ref.CE-P2467 03/13_R2(0514) 4-1-2, 固定方法2:コネクター コネクターを用いた推奨固定方法を以下に示します(Figure18、Figure19)。 コネクター、COBタイプLEDパッケージ、TIM、ヒートシンクの構成を以下に示します(Figure18)。 COBタイプLEDの放熱性を高めるために、TIMを使用してください。 また、推奨コネクターを本アプリケーションノート8,ソリューション情報に記載しています。ご使用は各社コネクターの仕様書に従い、お使 いください。 ■Figure 18 構成部品 ■Figure 19 組み込み時イメージ コネクター COBタイプLEDパッケージ TIM ヒートシンク 10 Copyright © 2014 CITIZEN ELECTRONICS CO., LTD. All Rights reserved. シチズン電子株式会社 〒403-0001 山梨県富士吉田市上暮地1-23-1 TEL 0555 -23 - 4121 http://ce.citizen.co.jp Ref.CE-P2467 03/13_R2(0514) 4-2, 取り付け時の注意点 i ) 樹脂部の接 触に は十分ご 注意く ださ い。 特に 、指や ドラ イ ii) ヒートシンクへの取り付け・固定作業条件、最適なトルク値 バ ー、 ネ ジ のよ う な 先端 の鋭 利な 物の 樹脂 部へ の接 触に よ は各LEDコネクターの仕様に従ってCOBタイプLEDパッケージ り、不灯が起きることがあります(Figure20)。 に過大な応力や歪力が加わらないように注意してください (Figure21)。 ■Figure 21 過大な応力や歪力に注意 ■Figure 20 先端の鋭利な物に注意 悪い例 悪い例 NG 指 NG NG ネジ オーバートルク iii) 取り付け時に樹脂部とコネクターが接触しないように、位置 決めにはご注意ください(Figure22)。 ■Figure 22 製品の位置決めに注意 悪い例 NG ドライバー NG ペン NG 11 Copyright © 2014 CITIZEN ELECTRONICS CO., LTD. All Rights reserved. シチズン電子株式会社 〒403-0001 山梨県富士吉田市上暮地1-23-1 TEL 0555 -23 - 4121 http://ce.citizen.co.jp Ref.CE-P2467 03/13_R2(0514) 5, 放熱概論 5-1, 放熱設計の必要性 LED素子は投入電力に応じた光と熱を発します。しかしLED ンとケース間の熱抵抗:Rj-c[℃/W]及び、入力電力:Pi[W]を パッケージでの表面積は非常に小さく、パッケージレベルでの 発熱量と見なしてTj[℃]を計算します。 大気中への熱放射はほとんど期待できません。そのため、 COBタイプLEDパッケージは、熱抵抗:Rj-cを最小限に抑え ヒートシンクなどの外部放熱器が必要となり、その放熱器との る構造により、発光素子で発生した熱を効率的に外部放熱器 接続部位までは、主に熱伝導を利用した放熱構造となります。 まで伝導させることが可能です。 LEDパッケージでは、素子のジャンクション温度:Tjの管理が ここでは、COBタイプLEDパッケージの詳細な放熱構造を示 大変重要で、いかなる条件下においても仕様書の絶対最大定 すとともに、照明機器などの熱設計時に必要な資料を提供す 格値以下にする必要があります。しかしながら、Tjを直接的に ることで製品の持つ性能を最大限に活かしていただくことを目 測定することは困難であるため、通常はパッケージ外郭部の 的としています。 特定部位の温度(ケース温度):Tc[℃]を測定し、ジャンクショ 5-2, パッケージ構造と熱抵抗 COBタイプLEDパッケージを外部ヒートシンクに接続した場 子→LED素子マウント用接着剤→アルミニウム基板→TIMを介 合の断 面構造例を 以下 に 示しま す( Fi g ur e 2 3 )。 CO Bタ イプ して、ヒートシンクに伝わります。ここで、LED素子のジャンクショ LEDパッケージは、アルミニウム基板と絶縁層ならびに通電用 ン部からパッケージ外郭部のアルミニウム基板面までの熱抵抗 銅箔パターンの積層構造になっています。 がRj-cとなり、パッケージ固有の熱抵抗値となります。 ここで特徴的なのは、LED素子は熱伝導率の低い絶縁層上 従って、以下の式が成り立ちます。 ではなく熱伝導率の高いアルミニウム基板に直接マウントされ Tj = R j-c ・ Pi + Tc ていることです。これにより、LED素子で発生した熱を効率よく パッケージ外部へ伝導することが可能となります。 さらにパッケージ外部のTIMの熱抵抗はR-TIM[℃/W]、ヒートシ パッケージ外郭部のアルミニウム基板面は、TIMを介してヒー ンクの熱抵抗はRh[℃/W]、周囲環境温度はTa[℃]となります。 トシンクに熱的に接続されます。前述したように、LED素子の Figure23の断面図に沿った等価熱抵抗を以下に示していま ジャンクション部で発生する熱は主に熱伝導を利用し、LED素 す(Figure24)。このように、ジャンクション温度:Tjと周囲環境 温度:Taの間に、熱抵抗Rj-c、 ■Figure 23 COBタイプLEDパッケージ Cross-Section diagram LED die TIM TJ Tc ダミー となります。ここで、パッケージ外の Tj 熱抵抗であるR-TIMとRhをまとめて Rj-c Tc 熱抵抗Rc-aとすることもできます。 Rj-c Aluminum ■Figure24 等価熱抵抗 R-TIM、Rhが直列に接続されること つまり、以下の式も成り立ちます。 R-TIM Rh Tj = ( Rj-c + Rc-a ) ・ Pi + Ta Heatsink R-TIM Tj Rj-c Tc Rc-a Rh Ta Ta Ta 12 Copyright © 2014 CITIZEN ELECTRONICS CO., LTD. All Rights reserved. シチズン電子株式会社 〒403-0001 山梨県富士吉田市上暮地1-23-1 TEL 0555 -23 - 4121 http://ce.citizen.co.jp Ref.CE-P2467 03/13_R2(0514) 6, 電気的接続方法 6-1, はじめに 半導体製品であるLEDには様々な要素があるため、駆動す ■Figure 25 Vf-If 特性 るにあたっては、諸特性について事前に把握する必要があり (% ) ます。例えば順方向電圧:Vfの変動に対し、順方向電流:Ifが 160 大幅に変動します。Figure25に示した例では、温度条件が一 定の場合、Vfが10%上昇するとIfは40%以上上昇します。 140 Ifの変動は、LEDの発光や発熱に大きく影響します。特に高 120 出力の照明用LEDは、大電流で駆動するため、Ifの厳密な制 御が 求め ら れま す 。ま た 、 Vf は 温度に より 変動 し ます ので 、 100 LEDに対する放熱措置なども非常に重要です。 COBタイプLEDパッケージを駆動する場合には、必ず当該製 80 品の仕様書ならびにアプリケーションノートをご覧いただき、諸 60 特性に応じた措置をお取りくださいます様お願い致します。 40 80 110 100 90 120 R el a ti ve Vf ch a n ge 6-2, (%) 定電流駆動方式(推奨) 発熱などによりVfが変動するような条件下においても、一定 ■Figure 26 Tc-Vf 特性 の電流をLEDに供給し続ける方式を「定電流駆動方式」といい (%) 110 ます。この方式を採用することで、環境条件などが変化しても 比較的安定した駆動が可能となります。 一般的にLEDは、温度が上昇すると、一定の電流を流すた 105 めのVfが低下する傾向があります(Figure26)。安定した発光 出力と信頼性確保の観点から、定電流駆動方式を推奨してい ます。 100 95 90 0 20 40 60 C ase t em pe ra tu re Tc 13 80 100 (℃) Copyright © 2014 CITIZEN ELECTRONICS CO., LTD. All Rights reserved. シチズン電子株式会社 〒403-0001 山梨県富士吉田市上暮地1-23-1 TEL 0555 -23 - 4121 http://ce.citizen.co.jp Ref.CE-P2467 03/13_R2(0514) 6-3, 6-4, 定電圧駆動方式 突入電流等に対する注意事項 一定の電流を保つ定電流駆動方式に対し、一定の電圧で駆 LEDパッケージをコンデンサなどの容量性負荷に接続してい 動する方式を「定電圧駆動方式」といいます。 る場合、ON-OFF時に瞬間的な突入電流が発生する可能性が 前項で触れたとおり、LEDパッケージは温度が上昇すると、 あります。例えば通電状態にある電源回路の2次側で、 一定の電流を流すためのVfが低下する傾向があります。例え ON-OFF操作をした場合などがあげられます。 ばFigure26の場合、ケース温度:Tc=25℃に対しTc=90℃では 極力、突入電流などの発生を回避した使用を推奨しますが、 約5%低いVfで同じ電流が流れます。別の見方をすると、ある 発生が避けられない場合には、製品の絶対最大定格値を超え 一定電圧でLEDパッケージを駆動した時、温度が上昇するとよ ないような措置をお取りください。 り大きな電流が流れることになります。 定電圧駆動を行った場合、環境温度の変化等によりLED パッケージの温度が安定しない条件ではFigure27に示すよう 6-5, に、温度変化がVfの変化、電流の変化につながります。LED パッケージの明るさは電流に依存しますので、結果として明る さが不安定になる場合があります。従って、定電圧駆動を行う 複数のLEDパッケージ間の 接続について 場合に は実使用状態の温度を想定し、電流制限抵抗を接続 同一のLEDパッケージを複数接続する場合、直列で接続す する等、適切な措置を取ることが必要です。 ると、製品に流れる電流が均一となります。安定した発光出力 と信頼性確保の観点から、直列接続を推奨します。 一方、LEDパッケージを並列に接続する場合には、各製品の ■Figure 27 定電圧駆動の不安定性 Vfのバラツキを考慮する必要があります。並列接続された状 態で、異なるVf特性を持つ各LEDパッケージに均一な電流を 流すためには、実使用温度条件を考慮した上で、適切な電流 LEDパッケージの温度変化 均整用抵抗器を各製品に 対して直列接続するなどの措置が 必要となります。 Vfが変化 電流が変化 明るさが変化 14 Copyright © 2014 CITIZEN ELECTRONICS CO., LTD. All Rights reserved. シチズン電子株式会社 〒403-0001 山梨県富士吉田市上暮地1-23-1 TEL 0555 -23 - 4121 http://ce.citizen.co.jp Ref.CE-P2467 03/13_R2(0514) 6-6, LEDの並列接続について 下記にLEDパッケージn個を並列接続する場合の例を示します。 6-6-1, 定電流回路を設ける場合 各LED列に定電流回路を設ける場合の例(Figure28)。 ■Figure 28 ■ If1,Ifn L Pn L P1 電圧源 (電流源) If1 Ifn 各LEDパッケージの電流 ■ CC1,CCn 定電流回路 V ■ LP1,LPn C C1 CCn LEDパッケージ 6-6-2, 電流制限抵抗を設ける場合 各LED列に電流制限抵抗を設ける場合の例(Figure29)。 ■Figure 29 ■ If1,Ifn L Pn L P1 定電圧源 If1 各LEDパッケージの電流 ■ R1, Rn Ifn 電流制限抵抗 V Rn R1 15 ■ LP1,LPn LEDパッケージ Copyright © 2014 CITIZEN ELECTRONICS CO., LTD. All Rights reserved. シチズン電子株式会社 〒403-0001 山梨県富士吉田市上暮地1-23-1 TEL 0555 -23 - 4121 http://ce.citizen.co.jp Ref.CE-P2467 03/13_R2(0514) 7, 影響を及ぼす化合物・耐薬品性 COBタイプLEDパッケージはLED素子を保護するためにシリコーンで封止しています。シリコーンにはガス透過性があります。そのた め、以下にあげる揮発性有機物質や化学物質は、LEDパッケージやLED素子に対し、変色、表面損傷、クラック、浸食などの悪影響を及 ぼします。以下に不適合な化学物質の一覧を記載します(Table1)。これらの物質をご使用にならないでください。また、これらの物質を使 用する必要のある際は、お客様にてご使用のご検討をお願い致します。 ■Table 1 シリコーンに影響を及ぼす不適合化合物一覧 〜Chemical Name〜 hydrochloric acid sulfuric acid nitric acid acetic acid sodium hydroxide potassium hydroxide ammonia MEK (Methyl Ethyl Ketone) MIBK (Methyl Isobutyl Ketone) Toluene Xylene Benzene Gasoline Mineral spirits dichloromethane tetrachloromethane Castor oil lard linseed oil petroleum silicone oil halogenated hydrocarbons (containing F,Cl,Br elements) rosin flux 16 Copyright © 2014 CITIZEN ELECTRONICS CO., LTD. All Rights reserved. シチズン電子株式会社 〒403-0001 山梨県富士吉田市上暮地1-23-1 TEL 0555 -23 - 4121 http://ce.citizen.co.jp Ref.CE-P2467 03/13_R2(0514) 8, ソリューション情報 お客様の設計時の課題解決をサポートすべく、当社の照明用LEDパッケージに対応したレンズ、リフレクター等、放熱ソリューション、電 源、ドライバー、回路部品、コネクター、ソケットをご紹介致します。お客様の用途に合わせ、ご使用ください。なお各ソリューション情報 は、以下のURLサイトより詳細をご覧いただけます。ソリューション情報は事前の告知なく変更されますので、ご承知ください。 ソリューション情報トップページ URL http://ce.citizen.co.jp/lighting_led/jp/technology/solutions/index.html レンズ、リフレクター等 当社の照明用LEDパッケージに対応したレンズ、リフレクター等を提供しているメーカーをご紹介します。 URL http://ce.citizen.co.jp/lighting_led/jp/technology/solutions/lens.html 放熱ソリューション 当社の照明用LEDパッケージに対応したヒートシンク、放熱部材を提供しているメーカーをご紹介します。 URL http://ce.citizen.co.jp/lighting_led/jp/technology/solutions/heat.html 電源、ドライバー 当社の照明用LEDパッケージに対応した電源、ドライバーを提供しているメーカーをご紹介します。 URL http://ce.citizen.co.jp/lighting_led/jp/technology/solutions/power.html 回路部品 当社の照明用LEDパッケージに対応した回路部品を提供しているメーカーをご紹介します。 URL http://ce.citizen.co.jp/lighting_led/jp/technology/solutions/device.html コネクター 当社照明用LEDパッケージと組み合わせてご使用いただけるコネクターのメーカーをご紹介します。 URL http://ce.citizen.co.jp/lighting_led/jp/technology/solutions/connector.html ソケット 当社照明用LEDパッケージと組み合わせてご使用いただけるソケットのメーカーをご紹介します。 URL http://ce.citizen.co.jp/lighting_led/jp/technology/solutions/socket.html 17 Copyright © 2014 CITIZEN ELECTRONICS CO., LTD. All Rights reserved. シチズン電子株式会社 〒403-0001 山梨県富士吉田市上暮地1-23-1 TEL 0555 -23 - 4121 http://ce.citizen.co.jp Ref.CE-P2467 03/13_R2(0514) ● 本書に掲載している技術情報及びデータの使用によって生じる、あるいは、使用できな かったことによって生じる不利益や損害、訴訟原因に対する責任、その他あらゆる損害、 損失について、シチズン電子株式会社はその責任を一切負いません。 ● 本技術情報及びデータは利用者に対し、現状で提供されるものであり、シチズン電子株 式会社は、本技術情報及びデータ上の誤りその他の瑕疵のないこと、本技術情報及び データが特定目的に適合すること並びに本技術情報及びデータ及びその使用が利用者 又は利用者以外の第三者の権利を侵害するものでないこと、その他のいかなる内容に ついての保証も行うものではありません。 ● シチズン電子株式会社は通知なしに技術情報及びデータを変更する権利を留保します。 掲載されている情報(文章、写真、画像など)は、著作権の対象であり、法律によって保護されています。 これらの情報について、「私的使用のための複製」や「引用」など著作権法上認められた場合を除き、 シチズン電子株式会社の許可なく複製、転用等する事は法律で禁止されています。 シチズン電子株式会社 〒403-0001 山梨県富士吉田市上暮地1-23-1 TEL 0555-23-4121 http://ce.citizen.co.jp お問い合わせ [email protected] 照明用LEDサイト http://ce.citizen.co.jp/lighting_led/jp/ Ref.CE-P2467 03/13_R2(0514)