LTC1540 LTC1540 リファレンス付き ナノパワー・コンパレータ 特長 概要 ■ LTC®1540はリファレンスを内蔵する超低消費電力シン グル・コンパレータです。このコンパレータは全コマー シャル温度範囲で0.6µA未満の電源電流、1.182V±2%の リファレンス、プログラム可能なヒステリシス、電流をシ ンクおよびソースできるTTL/CMOS出力を備えていま す。リファレンス出力は、0.01µFまでのバイパス・コンデ ンサを発振を起こさずにドライブすることができます。 ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ 超低消費電流:0.3µA標準 リファレンス出力は0.01µFのコンデンサをドライブ 調整可能なヒステリシス 広い電源電圧範囲:2V∼11V 入力電圧範囲は負電源まで可能 リファレンス出力は1mAまでソース可能 TTL/CMOSコンパチブル出力 伝搬遅延:60µs(10mVのオーバードライブ) クローバ電流なし 40mAの連続ソース電流 LTC1440、MAX921、MAX931とピン・コンパチブル アプリケーション ■ ■ ■ ■ バッテリ駆動システムのモニタ スレッショルド検出器 ウィンドウ・コンパレータ 発振回路 コンパレータは単一2V∼11V電源または±1V∼±5.5V 両電源で動作します。コンパレータ・ヒステリシスは、 2本の抵抗とHYSTピンで簡単にプログラム可能です。 各コンパレータの入力動作範囲は、負電源から正電源の 1.3V以内です。コンパレータの出力段は最大40mAを連 続してソース可能です。コンパレータが論理状態を変え たときに一般に発生する交差伝導電流をなくすことによ り、電源グリッチを除去しています。 LTC1540は8ピンMSOPおよびSOパッケージで供給され ます。 、LTC、LTはリニアテクノロジー社の登録商標です。 標準的応用例 ナノパワー2.9V VCCスレッショルド検出器 LTC1540電源電流と温度 3.3V R2 3M 1% 0.50 7 V+ 3 IN + LTC1540 0.45 + 8 4 IN– – 5 HYST 6 REF OUT SUPPLY CURRENT (µA) R1 4.32M 1% V + = 5V V – = GND = 0V 0.40 0.35 0.30 0.25 0.20 V– 2 0.15 –40 –20 GND 1 40 20 60 0 TEMPERATURE (°C) 80 100 1540 • TA02 1540 • TA01 10-20 LTC1540 絶対最大定格 電圧 V+∼V−、V+∼GND、GND∼V− ......... 12V∼−0.3V IN+、IN−、HYST ............(V++0.3V)∼(V−−0.3V) REF ..................................(V++0.3V)∼(V−−0.3V) OUT ..............................(V++0.3V)∼(GND−0.3V) 電流 IN+、IN−、HYST ............................................. 20mA REF ................................................................... 20mA OUT .................................................................. 50mA OUT短絡時間(V+ ≤ 5.5V)....................................... 連続 消費電力 ............................................................. 500mW 動作温度範囲 LTC1540C.................................................. 0℃∼70℃ LTC1540I ............................................. −40℃∼85℃ 保存温度範囲 ......................................... −65℃∼150℃ リード温度(半田付け、10秒)............................... 300℃ パッケージ/発注情報 ORDER PART NUMBER TOP VIEW GND 1 8 OUT V– 2 7 V+ 3 6 REF IN – 4 5 HYST IN + GND V– IN + IN – LTC1540CS8 LTC1540IS8 S8 PART MARKING S8 PACKAGE 8-LEAD PLASTIC SO 1 2 3 4 8 7 6 5 OUT V+ REF HYST LTC1540CMS8 MS8 PACKAGE 8-LEAD PLASTIC MSOP MS8 PART MARKING TJMAX = 125°C, θJA = 250°C/ W 1540 1540I TJMAX = 125°C, θJA = 175°C/ W ORDER PART NUMBER TOP VIEW LTCE ミリタリ・グレードに関してはお問い合わせください。 電気的特性 注記がない限り、V+=5V、V−=GND=0V、TA=25℃ SYMBOL PARAMETER CONDITIONS MIN TYP MAX UNITS 11.0 V 0.68 0.71 µA µA ±12 ±15 ±16 mV mV mV ±1.0 ±1.0 nA nA Power Supply V+ ICC Supply Voltage Range Supply Current ● IN + = IN – = 80mV, HYST = REF, C-Grade IN + = IN – = 80mV, HYST = REF, I-Grade 2.0 0.3 ● ● Comparator VOS Comparator Input Offset Voltage VCM = 2.5V ● ● LTC1540CMS8 IIN Input Leakage Current (IN +, IN –) Input Leakage Current (HYST) VCM Comparator Input Common Mode Range VIN + = VIN – = 2.5V ● to V + ±0.01 ±0.02 ● ● V– V + – 1.3V V CMRR Common Mode Rejection Ratio V– – 1.3V 0.1 1 mV/V PSRR Power Supply Rejection Ratio V + = 2V to 11V 0.1 1 mV/V VHYST Hysteresis Input Voltage Range tPD Propagation Delay COUT = 100pF VOH Output High Voltage IO = – 13mA ● VOL Output Low Voltage IO = 1.8mA ● ● REF – 50mV Overdrive = 10mV Overdrive = 100mV REF V µs µs 60 50 V + – 0.4V V GND + 0.4V V 10-21 10 LTC1540 電気的特性 注記がない限り、V+=5V、V−=GND=0V、TA=25℃ SYMBOL PARAMETER Reference Reference Voltage VREF ∆VREF Load Regulation CONDITIONS (SO-8) No Load Commercial Temp Range Industrial Temp Range LTC1540CMS8 0 ≤ ISOURCE ≤ 1mA 0 ≤ ISINK ≤ 10µA ● ● ● MIN TYP MAX UNITS 1.158 1.152 1.156 1.182 1.182 1.182 0.5 0.5 1.206 1.212 1.208 2.5 1.5 5 V V V mV mV mV MIN TYP MAX UNITS 11 V 0.28 0.61 0.64 µA µA ±12 ±15 ±16 mV mV mV ±1 ±1 nA nA V + – 1.3V V ● ● 注記がない限り、V+=3V、V−=GND=0V、TA=25℃ SYMBOL PARAMETER CONDITIONS Power Supply V+ Supply Voltage Range ICC Supply Current ● IN + = IN – = 80mV, HYST = REF, C-Grade IN + = IN – = 80mV, HYST = REF, I-Grade 2 ● ● Comparator VOS Comparator Input Offset Voltage VCM = 2.5V ● ● LTC1540CMS8 IIN Input Leakage Current (IN +, IN –) Input Leakage Current (HYST) VCM Comparator Input Common Mode Range VIN + = VIN – = 1.5V ● to V + ±0.01 ±0.02 ● ● V– CMRR Common Mode Rejection Ratio V– – 1.3V 0.1 1 mV/V PSRR Power Supply Rejection Ratio V + = 2V to 11V 0.1 1 mV/V VHYST Hysteresis Input Voltage Range tPD Propagation Delay COUT = 100pF VOH Output High Voltage IO = – 8mA ● VOL Output Low Voltage IO = 0.8mA ● Reference Voltage (SO-8) No Load ● REF – 50mV Overdrive = 10mV Overdrive = 100mV REF V µs µs 70 60 V + – 0.4V V GND + 0.4V V 1.182 1.182 1.182 1.206 1.212 1.208 V V V 0.75 3.5 mV 0.5 1.5 5 mV mV Reference VREF ∆VREF Load Regulation Commercial Temp Range Industrial Temp Range LTC1540CMS8 ● ● ● 0 ≤ ISOURCE ≤ 1mA ● 0 ≤ ISINK ≤ 10µA ● ● は全動作温度範囲の規格値を意味する。 10-22 1.158 1.152 1.156 Note 1:MS8パッケージ・デバイスは、コマーシャル温度範囲の仕様に適合す るように設計されているが、0℃ではテストされていない。 LTC1540 標準的性能特性 電源電流と温度 0.5 1.190 V + = 5V V – = GND = 0V 0.3 V + = 2V V – = GND = 0V 0.2 0.1 0 – 60 – 40 –20 0 20 40 60 TEMPERATURE (°C) 80 100 8 1.186 7 1.184 1.182 1.180 1.178 2 1 0 80 コンパレータ出力電圧“H” と負荷電流 TA = 25°C 2.0 OUTPUT VOLTAGE (V) OUTPUT VOLTAGE (V) 3 V+ = 3V 2 0 10 20 30 40 50 60 LOAD CURRENT (mA) 1540 G04 120 60 60 55 45 40 20 35 30 1 2 3 4 5 6 7 8 SUPPLY VOLTAGE (V) 9 10 1540 G07 tPLH 50 40 0 20 30 40 50 60 LOAD CURRENT (mA) 70 80 1540 G06 10 80 65 OUTPUT CONNECTED TO V +; SINK CURRENT 10 ヒステリシス制御 TA = 25°C 75 V + = 5V V – = GND = 0V 70 100 80 0 80 80 TIME (µs) 140 70 コンパレータ応答時間 と入力オーバドライブ TA = 25°C OUTPUT CONNECTED TO – = GND = 0V; V SOURCE CURRENT 1.0 1540 G05 コンパレータ短絡電流と電源電圧 160 V+ = 2V 1.5 0 0 4 V+ = 5V V+ = 3V 0.5 V+ = 2V DIFFERENTIAL INPUT VOLTAGE (V) ∆VREF (mV) コンパレータ出力電圧“L” と負荷電流 4 0 40 2.5 1 180 10 15 20 25 30 35 OUTPUT SINK CURRENT (µA) 1540 G03 V+ = 5V 3 2 1 OUTPUT SOURCE CURRENT (mA) 5 1540 G02 1 CURRENT (mA) 0 TA = 25°C 2 0 100 5 3 200 4 1.172 20 40 60 – 60 – 40 – 20 0 TEMPERATURE (°C) V + = 5V V – = GND = 0V TA = 25°C 0 5 1.174 リファレンス電圧 ロード・レギュレーション(ソース) 4 6 3 1.176 1540 G01 5 V + = 5V V – = GND = 0V TA = 25°C 9 ∆VREF (mV) V + = 3V V – = GND = 0V 10 V + = 5V V – = GND = 0V 1.188 REFERENCE VOLTAGE (V) SUPPLY CURRENT (µA) 0.4 リファレンス電圧 ロード・レギュレーション(シンク) リファレンス電圧と温度 tPHL 60 40 20 0 – 20 – 40 – 60 – 80 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 INPUT VOLTAGE (mV) 1540 G08 0 10 20 30 VREF – VHYST (mV) 40 50 1540 G09 10-23 LTC1540 ピン機能 GND(ピン1):グランド。単一電源動作ではV− に接続 します。 V−(ピン2):負電源。電位はGNDより負にしてくださ い。単一電源動作の場合はグランドに接続します。 V+(ピン7):正電源の動作電圧は2V∼11Vです。 OUT(ピン8):コンパレータCMOS出力。GNDからV+ に振幅します。出力は最大40mAをソースし、5mAをシ ンク可能です。 (ピン3) :コンパレータの非反転入力。 V−からV+−1.3V IN+ の同相入力電圧範囲、 入力電流は25℃で標準10pAです。 IN− (ピン4) :コンパレータの反転入力。V−からV+−1.3V の同相入力電圧範囲、入力電流は25℃で標準10pAです。 1 HYST (ピン5) :ヒステリシス入力。使用しない場合はREF に接続します。 入力電圧範囲はVREFからVREF−50mVです。 REF(ピン6):リファレンス出力。V−を基準に1.182Vで す。25℃で最大1mAをソースし、最大10µAをシンク可 能です。発振を起こさずに0.01µFバイパス・コンデンサ をドライブします。 GND LTC1540 – 2 V OUT 8 V+ 7 + 3 IN+ – 4 IN – REF 6 HYST 5 1540 • PD アプリケーション情報 LTC1540は1.182Vリファレンス内蔵のナノパワー・コン パレータです。プログラム可能なヒステリシス、広い電 源範囲(2V∼11V)、最大0.01µFコンデンサを発振を起こ さないでドライブするリファレンス性能などの特長を備 えています。コンパレータのCMOS出力は最大40mAを ソース可能で、ロジック状態が切り換わるときに一般に 発生する電源電流グリッチが除去されています。 電源 このコンパレータは単一2V∼11V電源で動作します。 LTC1540はコンパレータ出力段用に独立したグランドを 備えており、±1V∼±5.5Vの両電源での動作が可能で す。また、V−をGNDに接続すると、単一電源での動作 が可能になります。コンパレータ出力が1mA以上ソース する必要がある場合、または電源のソース・インピーダ ンスが高い場合は、0.1µFコンデンサでV+をバイパスし なければなりません。 コンパレータ入力 コンパレータ入力は、負電源(V−)から正電源(V+)の最 大1.3V以内まで振幅可能です。入力を300mVだけV− ま たはV+より低くまたは高くしても損傷を受けません。 また、標準の入力リーク電流はわずか±10pAです。 10-24 コンパレータ出力 コンパレータ出力はGNDからV+まで振幅し、両電源で のTTL互換性を保証します。消費電流をナノアンペアの オーダーに抑えながら、出力は最大40mAをソースし、 最大5mAをシンクすることができます。出力段は遷移中 にクローバ・スイッチ電流を発生しないため、電源ピン を通した寄生帰還を抑えるのに役立ちます。 電圧リファレンス 内 部 バ ン ド ギ ャ ッ プ 電 圧 リ フ ァ レ ン ス は 、 V− よ り 1.182V高くなっています。リファレンスの精度は0℃∼ 70℃で±2.0%です。5V電源で最大1mAをソースし、最 大10µAをシンクすることができます。リファレンスは 発振することなく、最大0.01µFのバイパス・コンデンサ をドライブできます。また、直列抵抗を挿入すれば、最 大10µFの容量値まで使用できます(図1)。 図2に決定的なダンピングを達成するための各コンデン サ値に対する所要抵抗値を示します。リファレンスをバ イパスすれば、V+でのグリッチやリファレンス負荷過 渡信号がリファレンス出力電圧を乱すのを防ぐことに よって、コンパレータが誤ってトリップするのを防ぐの に役立ちます。 LTC1540 アプリケーション情報 REFERENCE OUTPUT 7 V+ REF R1 3 IN + LTC1540 LTC1540 + 8 C1 4 IN– – V– 5V TO 8V 1540 • F01 OUT 5 HYST R2 10k 6 REF 図1. リファレンス出力のダンピング R3 2.4M R1 430Ω RESISTOR VALUE (kΩ) 1000 V– C1 1µF GND 2 1 100 1540 • F03a 図3a. 電源過渡テスト回路 10 1 8V V+ 0.01 0.1 1 CAPACITOR VALUE (µF) 10 1540 • F02 図2. ダンピング抵抗とバイパス・コンデンサ値 V+ ピンに矩形波を印加したときのバイパスされたリ フ ァ レ ン ス の 出 力 を 図 3に 示 し ま す 。 抵 抗 R2と R3は 10mVのヒステリシスを設定し、R1はリファレンスの 応答を減衰させます。コンパレータの出力はトリップし ないことに注意してください。 5V 2mV/DIV 0.1 0.001 VREF OUT 2ms/DIV 図3b. 電源過渡の除去 5 低電圧動作:V+=1.6V 10 V – = GND = 0V IN+ = 0V IN – = REF = HYST TA = 25°C 4 SUPPLY CURRENT (µA) 保証されている最小動作電圧は2V(または±1V)です。 全電源電圧が2Vより低くなるにつれ、性能が低下し、 電源電流も低下します。電源電圧が低いと、コンパレー タの出力ドライブが低下し、伝搬遅延が増加します。 VREFとVOSも、やや悪化します。有効な入力電圧の範囲 は負電源から正電源より0.9V低い電位までです。2V以 下の動作が予測される試作品は、全温度範囲および全電 源電圧範囲でテストしてください。電源電流が増加する ため、1.5V以下の動作は推奨しません(図4)。 1540 F03b 3 2 1 0 0 0.5 1.5 2.0 1.0 SUPPLY VOLTAGE (V) 2.5 1540 F04 図4. 電源電流と電源電圧 10-25 LTC1540 アプリケーション情報 ヒステリシス REFピンとHYSTピンの間に抵抗(R1)を接続し、HYST からV− に2本目の抵抗(R2)を接続すれば、LTC1540に ヒステリシスをもたせることができます(図5)。 じます。ヒステリシス幅は15%まで変化する可能性があ ります。ヒステリシスが不要な場合は、HYSTピンをREF に短絡してください。IREF範囲の許容値は0.1µA∼5µAで す。したがって、R2に2.4Mを選択すれば、R1 ( kΩ)= (mV) となります。 VHB 上側および下側のスレッショルド電圧の差、つまりヒス テリシス電圧幅(VHB)は、REFピンとHYSTピン間の電圧 差の2倍になります。 6 IREF LTC1540 R1 5 HYST R2 = ( V– 2 R2 さらにヒステリシスを追加すると、下位スレッショルド が低下するのと同じ量だけ上位スレッショルドが上昇し ます。REFピンとHYSTピンとの間で許容される最大電 圧は50mVで、100mVの最大ヒステリシス電圧幅を生 VHB (2)(IREF) R1 = REF 1.182V – VHB 2 ) IREF 1540 • F05 図5. プログラム可能なヒステリシス 標準的応用例 レベル検出器 図6に示すように、LTC1540はナノパワー・レベル検出 器として使用するのに最適です。R1とR2はVINから非反 転コンパレータ入力までの分割器を形成します。R3と R4はヒステリシス電圧を設定し、R5とC1はリファレン ス出力をバイパスします。以下の設計手順を使用して部 品値を選択することができます: 1 . VIN電圧トリップ・レベルを選択します。この例では 4.65Vで す 。 2 . 所要抵抗分割比を計算します。 比率=VREF/VIN 比率=1.182V/4.65V=0.254 3 . 入力VHBINでの所要ヒステリシス電圧幅を選択しま す。この例では60mVです。コンパレータ入力VHBを 基準とするヒステリシス電圧幅を計算します。 R1 = VREF 1.182V = = 1.18M IBIAS 1µA VIN R2 = R1 VREF + R2 = 1.18M VHB 2 –1 4.65V –1 15mV 1.182V + 2 R2 = 3.40M VIN 5V 7 R2 3.4M 1% V+ 3 IN + VHB=15.24mV 4. R3とR4の値を選択してヒステリシスを設定します。 R4=2.4M R3(kΩ)=15k,VHB(mV)=15mV 5. R1とR2の値を選択してトリップ点を設定します。 10-26 + 8 R1 1.18M 1% 4 VHB=(VHBIN) (比率) VHB=(60mV) (0.254) LTC1540 IN– OUT – 5 HYST R3 15k 1% R4 2.4M 1% 6 REF R5 430Ω 5% C1 1µF V– 2 GND 1 1540 F06 図6. グリッチのないヒステリシス付きレベル検出器 LTC1540 標準的応用例 3.3V出力低ドロップアウト・リニア・レギュレータ LTC1540は、マイクロパワー(VIN=5VのときIQ=5.5µA) 低ドロップアウト・リニア・レギュレータとして接続す ることができます(図7)。出力が“L”になるとQ1がター ンオンし、電流が流れて出力コンデンサC1を充電する ことができます。R4、Q1、およびQ2によって形成され たローカル・フィードバックは、5V入力からC1への定 電流源を形成します。R4、R1およびQ2のVBEは、出力 がグランドに短絡した場合には電流を制限します。C2 は出力のリップルを低減し、R2-R3フィードバック分圧 器は出力電圧を確定します。 に示します。コンパレータ出力はスイッチ電源出力で す。負荷を10mAにすると、標準で(VBAT−0.17V)の電圧 を供給します。VBAT=5Vのとき、回路全体に流れる消費 電流はわずか0.8µAです。3つの抵抗で構成されている分 圧器は、コンパレータ用に50mVのヒステリシスをプログ ラムし、IN−電圧を200mVに設定します。これで、IN+ト リップ・スレッショルドは約150mVとなります。 また、RC時定数により、パワーダウンが起こる前の OUTピンの最大パワーオン時間が決まります。この時間 は次式で概算できます。 t=4.6RC (秒) 自動パワーオフ電源 時限式自動パワーオフ機能を持つ30mA電源の回路を図8 実際の時間は、コンデンサのリーク電流とIN+ピンでの 入力電流の両方に応じて変化します。 V BAT V IN = 5V 7 V 3 IN + + LTC1540 R1 47k + OUT 8 4 IN– R4 10Ω Q2 2N3906 7 C1 10µF – 6 REF R2 430k 1% C3 GND 1 V– R + 5 HYST C2 2.2nF IN + 3 MOMENTARY SWITCH C V OUT 3.3V 432k R3 750k 1% V+ LTC1540 Q1 TP0610L OUT 8 4 IN – (VBAT – 0.17V) 10mA – 2M 5 HYST 121k 6 REF 2 V– 1540 F07 2 GND 10 1 1540 F08 図7. 3.3V出力低ドロップアウト・リニア・レギュレータ 図8. 自動パワーオフ・スイッチは0.8µA の消費電流で動作 10-27 LTC1540 標準的応用例 低バッテリ検出器 保証されるのは最小2Vの電源電圧までですが、1.6Vの 電源でも動作します。ただし、VREFやVOSのように電源 電圧が低くなると悪化するパラメータもあります。入力 電圧範囲は正電源より0.9V低い電位から負電源までで す。 LTC1540の低バッテリ検出器としての使用方法を図9に 示します。VBAT=2Vでの消費電流はわずか1.4µAです。 この回路は2セルのNiCdバッテリから給電します。バッ テリを完全に消耗すると、VBATピンは1.6Vまで低下す ることがあります。LTC1540の電気的特性により動作が VBAT = ~1.6V TO 2.5V 2-CELL NiCd 7 R1 3M V+ 3 IN + LTC1540 + OUT R2 1.1M 4 IN– 8 LBO – 6 REF R3 40k R4 1.2M R5 1M 5 HYST V– 2 GND 1 1540 F09 図9. 低バッテリ検出器は最小1.6Vまで動作 10-28 LTC1540 標準的応用例 RFフィールド・ディテクタ 445MHzでテストされたフィールド・ディテクタの全回 路を図10に示します。伝送ラインを使用し、ディテク タ・ダイオード(1N5712)を1/4波長ホイップ・アンテナ にマッチングさせます。0.23λ波長の伝送ライン部は、 ダイオードの接合容量1pF(350Ω)をアンテナの下部にお ける仮想ショートに変換します。同時に、受信したアン テナ電流をダイオードで電圧ループに変換し、優れた感 度を与えます。 整流された出力はLTC1540コンパレータによってモニタ されます。内部リファレンスを使用して、反転入力での スレッショルドを約18mVに設定します。コンパレータ 出力の立上りエッジはワンショットをトリガし、一時的 にアンサー・バックおよびその他のパルス動作をイネー ブルにします。 全電源電流は400nAです。モノリシック・ワンショット の中で、CD4047を流れる過渡電流は最小です。 2V TO 11V λ /4 FB 12M 10k 5 3 10nF 6 LTC1540 4 0.23λ 10nF + – 180k 7 8 CMOS ONE SHOT (CD4047) Q Q 1 2 1540 F10 1N5712 図10. ナノパワー・フィールド・ディテクタ 関連製品 製品番号 説明 注釈 LT®1178/LT1179 デュアル/クワッド17µA高精度単一電源オペアンプ 最大VOS70µV、最大IBIAS5nA LT1351 シャットダウンを備えた、250µA、3MHz、 200V/µsシングル・オペアンプ あらゆる容量性負荷に対し安定してドライブ可能な C-LoadTMオペアンプ LT1352/LT1353 デュアル/クワッド250µA、3MHz、200V/µs オペアンプ あらゆる容量性負荷に対し安定してドライブ可能な C-Loadオペアンプ LTC1440 1%のリファレンス内蔵のマイクロパワー・ コンパレータ リファレンス1.182V±1%、入力オフセット ±10mV(最大) LTC1443/LTC1444/ LTC1445 1%リファレンスを内蔵したマイクロパワー・ クワッド・コンパレータ LTC1443は1.182Vのリファレンスを内蔵、 LTC1444/LTC1445は1.221Vのリファレンスと 調整可能なヒステリシスを内蔵 LTC1474 低消費電流、高効率降圧コンバータ 待機電流10µA、効率92%、省スペースの8ピン MSOPパッケージ LT1495 最大1.5µA、高精度レール・トゥ・レール 入力および出力のデュアル・オペアンプ 最大VOS375µV、IBIAS250pA、IOS25pA LT1521 超低消費電流、シャットダウン機能付き 300mA低ドロップアウト・レギュレータ ドロップアウト電圧0.5V、消費電流12µA、可変出 力、固定出力3V、3.3Vおよび5V LT1634 マイクロパワー高精度シャント電圧リファレンス 1.25V、2.5V、4.096V、5V出力、動作電流 10µA、初期精度0.05%、最大ドリフト25ppm/℃、 SO-8、MSOPおよびTO-92パッケージ C-Loadはリニアテクノロジー社の商標です。 10-29 10