RECOM Application Notes - Recom International Power Gmbh

DC-DC Converter Applications
項目
●
用語の解説
●
EIA-232 Interface
Powerline – Definitions and Testing
Calculation of heatsinks (ヒートシンクの計算)
●
3V/5V ロジックが混在した電源供給
●
試験のセットアップ
Efficiency at FulI Load (最大負荷時の効率)
●
絶縁型のデータ収集システム
●
入力電圧範囲
Input and Output Ripple (入力と出力のリップル)
●
電源に関する注意点
●
PI フィルター
Input to Output Isolation (入出力間絶縁)
●
DC/DC コンバータのEMC データの見方
●
出力電圧精度
Input Voltage Range (入力電圧範囲)
●
伝導性および放射性エミッション
●
電圧バランス
Insulation Resistance (絶縁抵抗)
●
ライン・インピーダンス安定化回路網(LISN)
●
入力変動
Isolation Capacitance (絶縁容量)
●
シールディング
●
負荷変動
Line Voltage Regulation (入力変動)
●
DC/DC コンバータの周波数成分
●
効率
Load Voltage Regulation (負荷変動)
●
DC/DC の温度性能
●
スイッチング周波数
●
出力リップルとノイズ
●
過渡復帰時間
●
電流制限
●
フォールドバック電流制限
●
絶縁
●
故障電圧
●
温度係数
●
周囲温度
●
動作温度範囲
●
保存温度範囲
●
出力電圧トリミング
Mean Time between Failure (MTBF) (平均故障間隔)
Operating temperature range (動作温度範囲)
●
No Load Power Consumption (無負荷時電力消費)
生産ガイドライン
Noise (ノイズ)
部品の素材
Output Voltage Accuracy (出力電圧精度)
部品実装
Switching Frequency (スイッチング周波数)
部品の配置
Temperature above Ambient (周囲温度上昇)
ソルダーパッドの設計
Temperature Drift (温度ドリフト)
●
リフロー温度プロファイル
推奨リフロー温度プロファイル
絶縁3
●
直列によるDC/DC コンバータの接続
●
並列によるDC/DC コンバータの接続
●
並列のDC/DC コンバータ用の推奨値
●
フィルタリング
●
出力のフィルタリングの計算
●
突入電流の制限
●
出力側コンデンサの最大容量
●
整定時間
●
絶縁容量と漏洩電流
●
過負荷保護
●
入力電圧のドロップアウト
●
無負荷による高電圧防止
●
長距離の電力ライン
●
LCD ディスプレイバイアス
接着剤の必要条件
接着剤の塗布
洗浄
●
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トランスファーモールド型の表面実装DC/DC
コンバータ
DC/DC コンバータのカスタマイズ
2006年3月
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31.03.2006 2:05:17 Uhr
DC-DC Converter Applications
用語の解説
Efficiency at FulI Load ( 最大負荷時の
RECOM の DC/DC コンバータをユーザー
の方々の回路で正しくご利用頂くため、
ここでは、データシートで使用されてい
る専門用語を解説します。
効率 )
100% の負荷の動作条件において、デバ
イスへの供給電力に対するデバイスの出
力電力の比です。
Input Voltage Range ( 入力電圧範囲 )
Temperature Drift ( 温度ドリフト )
デバイスが正常に機能を維持できる入力
電圧の範囲です。
周囲温度 1°C あたりの変化に対する出
力電圧の変化です . 表記出力電圧のパー
センテージで表されます。このパラメー
タは、主に内部部品のドリフトなど温度
に依存する他のパラメータと関係してい
ます。
Load Voltage Regulation ( 負荷変動 )
出力負荷の変動に対する出力電圧の変
動です。表記出力電圧のパーセンテージ
で表されます。例えば、12V 出力のデバ
イスにおいて、出力が 1V 変化する場合、
負荷変動率は 8.3% となります。 非出力
調整型のデバイス (unregulated DC/DC)
では、負荷変動は最大負荷の 10% から
100% の負荷範囲で定められます。
Temperature above Ambient ( 周囲温度
上昇 )
最 大負荷 時 のデ バイスにお いて生じる
温度上昇です。これは効率と関係してい
ます。
Line Voltage Regulation ( 入力変動 )
Switching Frequency ( スイッチング周
入力電圧に変動を与えた時の出力電圧
の変動です。パーセンテージで表されま
す。 例えば、12V 入 力、5V 出 力 のデ バ
イスにおいて、1.2V の入力電圧の変動
に対し、出力が 0.5V の変動をもつとき、
入力変動率は 1%/% となります。
波数 )
Output Voltage Accuracy ( 出力電圧精度 )
表記出力電圧に対し、 実際の出力電圧
がどれだけ近いかを保証する値です。こ
れは、表記入力電圧がデバイスに与えら
れたとき、非出力調整型の DC/DC にお
ける出力電圧の許容範囲を示します。例
えば、5V 出力のデバイスにおいて、 −
5% の出力電圧精度をもつということは、
100% の負荷時に 4.75V の電圧を出力す
る可能性があることを意味します。
Input and Output Ripple and Noise ( 入
力と出力のリップルとノイズ )
スイッチング周期間の入力または出力の
電圧ドロップの大きさです。電圧リップ
ルの値は、フィルターコンデンサの容量
が目安になります。
DC/DC コンバータ内部のスイッチング回
路の動作周波数です。この周波数は表記
上での値となります。入力端子と出力端
子にみられるリップルは、大抵、スイッ
チング周波数の 2 倍です。これは、ドラ
イバ回路のプッシュ / プル構成と全波整
流によるものです。
No Load Power Consumption ( 無負荷
時電力消費 )
これは、スイッチング回路が動作するた
めの要件の基準です。 無負荷の出力条
件で測定され。デバイスの全体の効率を
下げる要因となります。
Isolation Capacitance ( 絶縁容量 )
入出力間の結合容量です。トランスの一
次側と二次側のワイアの巻線間で生じる
容量的な結合です。 一般的に、 絶縁容
量は、基板上のフィルターコンデンサの
影響を除くため、1MHz で測定されます。
Mean Time Between Failure (MTBF) ( 平
き、ハイブリッドモデルの故障率の計算
式は、以下で与えられます。
λ = Σ (NC λC) (1 + 0.2πE) πL πF πQ
( 故障数 /106 時間 ) MTBF の値は、この
値の逆数をとります。データブックでは、
全ての MTBF の値は、計算機室のような
管理された環境 (Ground Benign) (πE =
0.5) で導出されています。これは多くの
アプリケーションにおいて最も適切であ
るといえます。しかし、このような環境は、
デバイスにとって最適な動作条件であり、
もっと厳しい環境でデバイスを使用した
いユーザーは、以下のデータから MTBF
の予測値を計算できます。
MIL-HDBK-217F は、軍用の環境でモデ
ルが定義されているため、標準的な民生
用の環境に適用するためには、解釈の置
き換えが必要となります。表 1 は、MILHDBK-217F の 記 述 から民 生 用として等
価なものに置き換えた対応表です。ただ
し、 そ れらは、MIL-HDBK-217F の 中 で
示されたものではなく、自社の解釈に基
づいてます。また、ここでは、環境の数
を 14 から 6 に減らしています。それらの
6 つの環境は、民生用アプリケーションと
して最も適当なものです . 記載した環境
とハイブリッドモデルに関して、より理解
を深めたい場合は、MIL-HDBK-217F の
コピーを入手されることをお勧めします .
MIL-HDBK-217F で は、Space Flight と
Ground Benign は、同じ環境ファクター
の値をもっていますが、Space Flight に
到達するまでの行為は、厳しい環境ファ
クターの値 ( 即ち、Missile Launch) を用
いるべきです。
ハイブリッドモデルの式は、あらゆるハ
イブリッドに書き直すことができます。一
定の温度では、環境ファクターを唯一の
変数とします。
λ = k(1 + 0.2 π E)
従って、 他 の 環 境ファクター に お ける
MTBF の値は、データブックの各温度点
MIL-HDBK-217F の ハ イブリッド 回 路 モ
に示される Ground Benign の値から計
入力と出力回路間の絶縁強度です。これ
デルを用いて、デバイスの寿命の予測値
算できます。これにより、他の環境にお
は、 ある一 定 時 間、 大 抵 は 1 秒 間、 デ
が計算できます。POWERLINE コンバー
ける MTBF の予測値は、即座に計算でき
バイスが耐えることのできる絶縁電圧の
タ は、MTBF の 計 算 に BELLCORETRます。MTBF の値は一般的に小さくなり
ことです。
NWT-000332 を使用することもできます。
ます。移動体の環境のほとんどは同じ環
Insulation Resistance ( 絶縁抵抗 )
ハイブリッドモデルは、ハイブリッド全体
境ファクターをもっているため、それらの
入 力と出 力 回 路 間 の 抵 抗 で す。 通 常、 の信頼度を決める様々な因子をもち、そ MTBF を即座に得るための除数を各条件
れらの中には、環境ファクター ( πE)、習
500VDC の条件で測定されます。
について求めることができます。従って、
熟 度 ( πL)、スクリーニングレ ベ ル ( πQ)、
必要な計算は、表 2 に示した除数を用い
ハイブリッドの機能 ( πF)、個々の部品の
て、 データシートに記載された MTBF の
故 障 率 ( λC) の 総 和 が あります。このと
値を割るだけとなります。
Input to Output Isolation ( 入出力間絶縁 )
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均故障間隔 )
2006年3月
313
31.03.2006 2:05:19 Uhr
DC-DC Converter Applications
環境
Ground
Benign
MIL-HDBK-271F の記述
πE 略号
民生用としての解釈または例
GB
メンテナスがしやすく、非移動
体で、温度・湿度が管理され
た環境
研究所の設備、試験装置、
デスクトップ PC、固定電話
車載使用、移動体の無線や
通信、携帯 PC
( 地上の移動体 )
装輪車や無限軌道車に取り
付けた設備や手動で
輸送される装置
Naval
Sheltered
船や潜水艦の保護された装置。
または、甲板下の装置
ナビゲーションや無線装置、
甲板下の計装
乗組員を収容できるコンパート
メントの標準的な環境条件
飛行関連の娯楽や非安全
システムアプリケーションで
の気密室やコックピット
( 地上の適温 )
Ground
Mobile
GM
NS
Aircraft
Inhabited
Cargo
AIC
SF
地球上を軌道するもので、動力に 軌道通信衛星や、もとの
よる飛行や大気圏に帰還する
場所から操作される装置
ような移動体は含まない。
( 宇宙の飛行 )
Missile
Launch
ML
ミサイル発射に関する苛酷な条件 苛酷な衝撃や非常に高い
加速が加わる環境、衛星
発射の条件
( ミサイルの発射 )
���
���
��
���
��
�� �
���
�� �
���
b) Dual Output
���
���
��
c) Twin Isolated Outputs
図1: 標準的な絶縁構成
���
���
��
πE
πE
除数
GB
GM
GNS
0.5
4.0
4.0
1.00
1.64
1.64
AIC
4.0
1.64
略号
Ground Benign
Ground Mobile
Naval Sheltered
Aircraft
Inhabited
Cargo
Space Flight
Missile Launch
��
��
表 1: 環境に関する解釈
環境
��
a) Single Output
( 空の有人輸送機 )
Space
Flight
��
���
���
( 海上のシェルタ )
��
��
���
SF
ML
値
0.5
12.0
1.00
3.09
表2: 環境ファクター
Noise ( ノイズ )
入力伝導ノイズは、各 DC/DC に対する
電源ラインの伝導性の周波数成分で示さ
れます ( 詳細は EMC の項を参照してくだ
さい )。 ノイズは、プリント基板のレイア
ウト、測定系の構成、終端抵抗などに大
きく影響されます。スペクトラム分析のプ
ロットを用いる以外で、精度良く、確実
にノイズを見積もることは困難です。リッ
プルとして現れるスイッチングノイズがあ
りますが、アプリケーションノートで示す
ように、このほとんどは小容量コンデン
サかフィルター用のインダクタを使用す
ることで簡単に取り除くことができます。
Operating temperature range: ( 動作温
度範囲 )
DC/DC の動作温度範囲は、DC/DC の
内部回路で使用されている部品の仕様に
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より規定されます。 温度ディレーティング
のグラフは、そのデバイスの安全な動作
エリア (SOA) を表しています。
ある温度に達するまでは、デバイスから
100% の電力を引き出すことができます
が、その温度を越えた場合、DC/DC の
全ての寿命期間における機能および仕
様を保証するため、出力電力を低くする
必要があります。
これらの温度の値は、自然空流に対して
のみ有効です。DC/DC が密閉させれた
ケースや箱詰めのプリント板の上で使用
された場合、空気の流れがブロックされ
るため、DC/DC の周辺では高い温度が
生じます。
通 常よりも 8 C 高 い 温 度で 同じ電 力 が
必要とされる場合、次にワッテージの大
きいシリーズをお選びください。または、
メタルケースの DC/DC であれば、ヒー
トシンクの使用も可能です。
��
��
���
���
a) Non-lsolated Dual Rails
���
���
��
��
��
���
���
b) Non-lsolated Negative Rail
���
��
��
���
��������
��
���
c) Dual Isolated Outputs (U/T)
図2: 代替の電源供給構成
Calculation of heatsinks ( ヒートシンク
の計算 )
電力消費 Pd:
全てのメタルケースの DC/DC は、ヒート
シンクを取り付けることができ、それによ
り内部の電力消費 Pd によって生じた熱を
放熱させることができます。 ヒートシンク
を含む全体の熱系を概略的に記述するも
のは、熱抵抗 RTH case-ambient です。これによっ
て電力ディレーティングの規定を満たすさ
らに高い周囲温度 Tambient まで最大の
出力電力を引き出すことができます。
2006年3月
Pd = Pin − Pout =
RTHcase-ambient
=
Pout
− Pout
Efficiency
Tcase − Tambient
Pd
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31.03.2006 2:05:21 Uhr
DC-DC Converter Applications
( 例 )RP30-2405SEW では、ヒートシン
ク無しの場合、65°C でディレーティング
が始まりますが、必要な動作が 75°C、
30W であるとき、ヒートシンクの容量を
計算する必要があります。
Pout = 30 W
Efficiency = 88% max.
30 W
Pout
– 30 W = 4,1 W
Pd =
− Pout =
Efficiency
88 %
= 100 C – 75 C
4,1 W
= 6,1C/W
ケースにヒートシンクを取り付けたとき、
ケースとヒートシンク間の熱抵抗 RTH caseheatsink があり、熱伝導シートを使用すれ
ば、これを小さくすることができますが、
完全に無くすことはできません。
RTHcase-ambient = RTHcase-heat sink + RTHheat sink-ambient
絶縁
RECOM の大部分の DC/DC では、 主な
特徴の一つとして、高いガルバニック絶
縁能力があります。これは、単一の DC/
DC を用いて、回路トポロジーにおける
いくつかの変形を可能にします。
基本的な入出力間の絶縁は、 絶縁され
た出力電力源を提供したり、異なる電圧
線あるいは正と負の二つの電圧線を生成
するために利用できます ( 図 1 を参照 )。
これらの構成は、計装、データ処理、ま
たは、ノイズに繊細な回路でよくみられ
ます。 それらで は、 ローカル の 電 源 線
に生じる負荷やノイズをシステムの主電
源線から絶縁することが必要になります。
ローカル電源のノイズは、大抵は、DC/
DC のコモンモードノイズとして現れ、シ
ステム側の主電源線に悪影響を与えるこ
とはありません。
負の電源線が必要であるならば、絶縁し
た正出力をグラウンド線に接続すること
で実現できます。出力が入力と絶縁され
ているため、 出力側の基準電圧は任意
に選択することができます。例えば、追
加の単一線を主電源線上に生成したり、
あるいは、他の DC 値によるオフセット
として生成もできます ( 図 2 を参照 )。
基 準 電 圧レ ベ ルを混 在 することにお い
ては、出力調整型の DC/DC (regulated
DC/DC) は、 非 出 力 調 整 型 の DC/
DC(unregulated DC/DC) より注意が必
要です。 基本的には、 単一の電源供給
線は、+VO 側にレギュレータをもち、全
ての電流のリターンが、DC/DC を通り、
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RTH case-heatsink = ca. 0.5 1 °C/W
熱伝導シートと絶縁シートを用いて
上記より、ケースと周囲との間の熱抵抗
は最大 6.1°C/W であることを保証する
必要があります。
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熱伝導シートを用いてケースに
ヒートシンクを実装
RTH case-heatsink = ca. 1 1.5 °C/W
ヒートシンクを DC/DC の ( 電気的に浮いた ) ケースに絶縁せずに直接取り付けた場
合、その熱抵抗は少なくとも以下の値をとります。
RTHheat sink-ambient = RTHcase-ambient − RTHcase-heat sink = 6,1 °C/W – 1°C/W = 5,1 °C/W
この値をもとに、ヒートシンクの選択をし
ます。自然放熱タイプのヒートシンクが、
この値を満たさない場合、あるいは、ヒー
トシンクのサイズが大きく、不都合な場
合は、ファン付きのヒートシンクの使用
も選択肢となりえますが、ファンは電力
ダイオードや抵抗などの外部部品を介す
ことがなければ、絶縁グラウンドを基準
電圧にすることで正常に動作します。リ
ターンパスを DC/DC 以外に与えた場合、
DC/DC の調整に影響を与え、そのシス
テムの性能は DC/DC の性能に合致しな
い可能性があります。
を必要とするため、DC/DC のアプリケー
ション全体の効率に影響します。
大 抵 の 場 合、 次 にワッテージの 高 いシ
リーズを採用し、ディレーティングにより
電力に余裕をもたせて使用する方が効率
がよくなります。
Isolation Voltage vs. Rated Working
Voltage ( 絶縁電圧と定格使用電圧の関係 )
データシートに記載した絶縁電圧は、1
秒間の瞬間的な試験に限られています。
より長い時間または永久時間での絶縁が
必要な場合は、定格使用電圧をその基準
とします。定格使用電圧は、表 2 または
12
10
絶縁試験電圧 (kV)
Tcase − Tambient
Pd
RTH case-heatsink = ca. 1 2 °C/W
ヒートシンクを実装
ケースにヒートシンクを実装
Tcase = 100 C (許容最高表面温度)
Tambient = 75 C
RTHcase-ambient =
熱伝導シート無しでケースに
8
6
4
2
0
0
1
2
3
4
5
6
7
定格使用電圧 (kV)
図5: 電気的強度試験としてのIEC950 の試験電圧
絶縁試験電圧 (Vrms)
定格使用電圧 (Vrms)
1000
130
1500
230
3000
1100
6000
3050
表2: 標準的な故障電圧の見積り (IEC950)
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315
31.03.2006 2:05:24 Uhr
DC-DC Converter Applications
図 5 を用いて、絶縁試験電圧から得られ
ます。表 2 および図 2 は IEC950 からの
要求を表します。自社の試験と経験に基
づき、異なる試験条件で想定した絶縁値
の換算表を表 3 と表 4 に記載します。
絶縁試験電圧
(1 秒)
絶縁試験電圧
(1 分)
絶縁試験電圧
(1 分)
500
1000
1500
2000
2500
3000
4000
5000
6000
400
800
1200
1600
2000
2400
3200
4000
4800
250
500
750
1000
1250
1500
2000
2500
3000
VDC
VDC
VDC
VDC
VDC
VDC
VDC
VDC
VDC
VDC
VDC
VDC
VDC
VDC
VDC
VDC
VDC
VDC
VAC
VAC
VAC
VAC
VAC
VAC
VAC
VAC
VAC
表3: DC 絶縁電圧と異なる試験条件
絶縁試験電圧
(1 秒)
絶縁試験電圧
(1 分)
絶縁試験電圧
(1 分)
500
1000
1500
2000
2500
3000
4000
5000
6000
350
700
1050
1400
1750
2100
2800
3500
4200
565
1130
1695
2260
2825
3390
4520
5650
6780
VAC
VAC
VAC
VAC
VAC
VAC
VAC
VAC
VAC
VAC
VAC
VAC
VAC
VAC
VAC
VAC
VAC
VAC
VDC
VDC
VDC
VDC
VDC
VDC
VDC
VDC
VDC
表4: AC 絶縁電圧と異なる試験条件
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2006年3月
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DC-DC Converter Applications
直列による
DC/DC コンバータの接続
が A/B の 2 倍の電力供給を保証するよう
に出力電圧が十分に調整されず、C/D か
らは 1W の み の 電 力、A/B からは 1.5W
出力のガルバニック絶縁は、複数の DC/ の電力が引き出される状況も起こりえる
DC の直列接続を可能にします。 これは、 ことです。同じタイプの DC/DC を並列化
図 3 に示すように、ある DC/DC の正出力 した場合でさえ、負荷は均一になりませ
と別の DC/DC の負出力を接続することで ん。しかしながら、出力電圧が十分に調
簡単に実現できます。この方法では標準 和され たとき、 出 力負荷 は、10% の 差
外の電源線を生成できますが、出力電圧 に収まります。
が最も高くなる DC/DC が出力電流の制限
DC/DC の出力を接続するとき、スイッチ
を越えないように注意してください。
ングが同期しないため、何らかのカップ
DC/DC を直列で接続する場合、互いの リングの形態が必要となります。一つの
DC/DC のスイッチング回路は同期しない 手段として、ダイオードを挿入する方法
ため、フィルターを追加することを強く推 があります。これは、主に、12V や 15V
奨します。リップル電圧の重なりと同様、 のような高い出力のみに適しています。
出力に比較的大きなビート周波数が生じ この場合、ダイオードの電圧降下 ( およ
ます。シリーズインダクタと同様に、 出 そ、0.6V) が、回路の機能に影響を与え
力側へのコンデンサの追加が効果的です る可能性がほとんどないからです ( 図 4
( フィルタリングの項を参照 )。
を参照 )。5V や 9V の出力電圧では、ダ
イオードによる電圧降下の影響が大きく、
���
DC/DC の並列接続のための適切な手段
���
��
とみなせません。
��
��
また、この方法では、2 つの DC/DC のリッ
��
��
���
���
��
プルの上に重なったビート周波数が生じ
ます。これは、並列化した出力に外部コ
ンデンサを使うことで減少できます。
DC/DC を並列で接続する良い方法とし
て、図 5 に示すように、出力にインダク
図3: DC/DC の直列接続
タを挟みます。この構成は、ダイオード
による方法よりも電圧の損失が少ないだ
けでなく、インダクタとキャパシタを適
並列による
切に選択すれば、ビート周波数を大きく
DC/DC コンバータの接続
減らすことができます。 同じように、 各
一つの DC/DC から得られる出力電力が、 DC/DC からのリップルも減らすことがで
あるアプリケーションにおいて十分でな きます。
いとき、複数の DC/DC を並列化するこ
とで、より高い出力電力を生成できます。
���
VCC
DC
+VO
DC
DC
並列の DC/DC コンバータ用の
推奨値
Cout に用いる静電容量の値は、並列の
チャネル毎におよそ 1 µF を用いてくださ
い (2 つ の 並 列 化した 単 一 出 力 DC/DC
に対しては、コモンの正出力と 0V の間
に 2µF が必要ということになります )。
並列化した DC/DC の入力回路側にも同
じことがいえます。インダクタンスと入力
静電容量について同じ程度の値が用いら
れます。 一般的には、DC/DC を並列化
する必要性があるときのみ以外は、より
高い電力をもつ DC/DC を単独で使用す
る方が常に望ましいといえます。DC/DC
間の不釣合いを許容するための最大電
力定格の補正ファクターが必ずあり、出
力電圧が 1% から 2% の範囲内で釣り合
うように全負荷テストによる選択を推奨
します。 一般的には、DC/DC 毎に電力
のマージンを与えるため、0.9 の因子を
用いてください。( 例 : 並列化した 2 つの
C/D シリーズ の DC/DC は、 最 大 の 4W
の電力レベルまで使用するのではなく、
3.6W に抑えます )。全体的な性能にお
いて、最大 3 つまでの DC/DC の並列化
であれば、高い信頼を保つことができま
す。回路が 3 つの DC/DC の並列化より
も大きな電力を必要とする場合、要求を
満たせる高い電力定格の DC/DC を単独
で使用してください。
出 力 調 整 型 の DC/DC (regulated DC/
DC) は並列でご使用にならないでくださ
い。これは、( 内部のリニアレギュレー
タの許容差の範囲で ) 均一な負荷を保
証するため、 出力電圧を高精度に調節
する必要があるからです。出力調整型の
DC/DC の並列化は、そのうちの一つを
過負荷にさせる危険性があります。より
高い電力の出力調整型が必要な場合は、
非 出 力 調 整 型 の DC/DC (unregulated
DC/DC) を並列化して、外部にリニアレ
ギュレータを追加する方法があります。
DC
GND
0V
VCC
図4: ダイオードで出力結合したDC/DC の並列接続
並 列 化 する 際 に 注 意 す べ き 点として、
DC/DC は常に同じタイプのものを並列
に用いる必要があります。例えば、2.5W
の DC/DC が 必 要 で あ る と き、2 つ の
C/D シリーズ、あるいは、3 つの A/B シ
リーズを使用するようにし、1 つの C/D
シリーズと 1 つの A/B シリーズを混在さ
せないようにします。この理由は、C/D
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LIN
DC
DC
LOUT
CIN
+VO
COUT
LIN
DC
DC
LOUT
0V
GND
図5: 十分にフィルタリングされたDC/DC の並列接続
2006年3月
317
31.03.2006 2:05:28 Uhr
DC-DC Converter Applications
フィルタリング
RECOM の全ての絶縁型 DC/DC は、 固定
の固有周波数をもち、その周波数でデバイ
スが動作します。この固定周波数は、パル
ススキッピング方式と比較して、フィルタリ
ングが容易になります。パルススキッピン
グ方式の DC/DC では、負荷の状況に応じ
てパルスの幅を調節するため、 広範囲な
周波数へのノイズ対策が面倒になる場合が
あります。 入力または出力のどちらかで、
DC/DC からのリップルを軽減しようとすると
き、考慮すべきいくつかの側面があります。
RECOM は、入力と出力の両方に対し、LC
ネットワークを用いたフィルタリングを推奨
します。一方、RC ネットワークが用いられ
ると、抵抗での電力損失が非常に大きくな
ります。インダクタの自己共振周波数は、
DC/DC の固有周波数よりも十分に高くする
ことが 重 要で す (RECOM の DC/DC で は、
100kHz が標準です )。インダクタの DC 電
流定格も注意が必要です。電源電流のおよ
そ 2 倍の電流定格をもつインダクタの使用
を推奨します。次に注意すべき点は、イン
ダクタの DC 抵抗です。これは、インダクタ
での DC の電力損失と関係します。
しかしながら、ユーザーの応用回路と負
荷条件により、計算されるフィルターの
定数は変わってきます。従って、最終的
な応用回路での評価ならびに部品の定
数の再調整が必要となります。
出力側のリップルを軽減する簡単な方法
は、外部に大きなコンデンサを加えるこ
とです。これは、LC フィルターほどの効
果は期待できませんが、低コストな対策
フィルター用コンデンサの容量値を決め となります。しかしながら、 出力側コン
る際は、最大容量負荷が DC/DC の仕様 デンサの容量があまりにも大きい場合、
範囲内であることにご注意ください。
電源オン時の問題を引き起こす可能性が
あります。
出 力 側 に 大 容 量 のコンデン サ が 付 加 さ
突入電流の制限
れていると、 電源オン時にはコンデンサ
入力側にインダクタを直列で接続すると、
に電荷がチャージされてなく、 瞬間的に
電源オン時にみられる突入電流を制限し
DC/DC は出力側から大電流を強いられま
ます ( 図 7 参照 )。もし、そのようなイ
す。この突入電流は、DC/DC の供給能力
ンダクタを使用しない回路を考えたとき、
を越えるほど大きくなる場合もあり、その
入力電流は、以下の式で表されます。
結果、DC/DC は予期せぬ動作モードに陥
る可能性があります。最悪なケースとして
は、DC/DC が、非常に大きなリップルを
出しながら、通常よりも低い電圧を出力す
V_
i=
ることがあります。DC/DC は、このような
R
–t
状況から回復する場合もありますが、その
電圧 : V = Vin (1 – exp ( __ ) )
RC
影響を受けた外部のユーザー回路が、そ
VIN
の後も正常に機能しないことがあります。
電流
V
: i = _ exp
R
出力のフィルタリングの計算
フィルターの定数の計算では、以下の式
を用います。
fc =
1
2π L OUT C0
この周波数は、DC/DC のスイッチング周
1
f波数よりも十分に低くする必要があります。
c = 8,5 kHz =
出力側コンデンサの最大容量
( –t__
)
RC
時間
図7: 電源オン時の入力電流および電圧の関係
i = V exp
R
( –RCt )
RECOM は、 チャネ ル 毎 の 出 力 に 対し、
安 全 な 動 作 の た め の 最 大 容 量として、
10µF の値を推奨します。出力側にインダ
クタを付加する場合において、特にリップ
ルを極小に抑える必要性があれば、コン
デンサの容量を 47µF まで増やすことがで
きます。
整定時間
DC/DC 内部にインダクタをもたない理由
は、多くのアプリケーションが、電源の速
例̶RC シリーズ :
for:
い立上りを要求しているからです ( 一般的
= 470 µH = 85kHz max.
L動作周波数
OUT
に、コイルはサイズが大きく、小型化した
fc =10 % of 85 kHz = 8,5 kHz
i=V
R
DC/DC 内の実装制約の面もあります )。電

 
11

1
 =
 = 745 nF
Cfcc0== 
 (2 π 8,5 kHz)2 470 uH 
これにより、5V の入力で、50mΩの配 源の電圧が、高速なランプ波形で与えられ
2π(2 πLfcOUT
OUT
00
)2 LCOUT


 
線抵抗があるならば、突入電流が 100A たとき、DC/DC の出力は、入力が所望の
1
に達 することになります。この 状 況 は、 電圧に達してから 500µs 以内に応答するこ
fcc = 8,5 kHz =
2π L OUT
OUTC00
DC/DC にとって問題となります。入力側 とができます ( これは、外部フィルター無
for:
のインダクタは、内部のスイッチング回 しの R/B や C/D シリーズ にて、 最 大負荷
L OUT
OUT = 470 µH
路からのノイズをフィルタリングするだ のもとで計測した値です )。外部フィルター
けなく、電源投入時の突入電流を制限し や入力側または出力側のコンデンサは、こ

 

1
1



=
=
745
nF
C00 = 
の立上り時間を遅くします。従って、回路
ます。
22
 (2 π 8,5 kHz)22 470 uH 
OUT 


 (2 πfcc) L OUT
に影響する支配的な要素が、速い整定時
間なのか、あるいは、ノイズに対する性能
であるかの判断は、設計者に委ねられます。
2π L OUT C0
部品に電源が投入された瞬間 ( 即ち、t
= 0)、この式は、以下のようになります。
絶縁容量と漏洩電流
DC/DC の絶縁部分は、静電容量をもちま
す。そして、それが入力側回路と出力側
回路の結合の一部をなします。仮に、こ
れが、その回路の主要な結合源であれば、
入力側回路と出力側回路の間の漏洩電流
の推定値を算出することができます。
図6: 入力と出力のフィルタリング
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絶縁容量 (Cis: DC/DC データシートに記
載されています ) とノイズまたはテスト
信号の周波数が分かれば、入出力回路
間の漏洩電流の推測値は、インピーダン
スから計算されます。周波数 f が与えら
れたとき、一般的な絶縁のインピーダン
スの式は、以下で与えられます。
Zf = ___1___
j2 π C is
R05B05/RB0505D で は、 絶 縁 容 量 は
18pF です。テスト信号の周波数を 50Hz
とした場合、絶縁インピーダンスは、
Z50 = ___1_______ = 177 M Ω
j2 π 50 18 pf
となります。1kVrms の試験電圧を使用
したならば、漏洩電流は、
iL = Vtest = _1000V_ = 5.65 µA
Z
177MΩ
f
となります。この単純な数式より、試験
電圧やノイズレベルが大きいほど、漏洩
電流が多くなることが分かります。また
同様に、絶縁容量が小さいほど、漏洩電
流が少なくなります。従って、漏洩電流
の少ない、ノイズイミュニティに優れた
設計をするには、絶縁容量の小さい高絶
縁の DC/DC を選択します。
過負荷保護
フィルターの使用は、通常の動作条件に
おいて、電源オン時の過度な電流を防止
しますが、過剰な負荷が出力回路にかかっ
た状態や短絡回路に対しての保護機能は
一切ありません。このような状態が発生し
たとき、DC/DC は、出力回路に電源供給
を試みようとするため、 多大な入力電流
を費やします。過負荷状態が続いた場合、
DC/DC は、オーバーヒートを起こし破壊
に至ります ( 非出力調整型では、短絡回路
による過負荷は 1 秒間のみ保証されます )。
DC/DC を破壊するような出力側の過負荷
を防ぐ手段がいくつかあります。最も単純
な方法は、ヒューズを入力回路側に入れる
ことです ( 図 8 を参照 )。このとき、電源オ
ン時の突入電流でヒューズが断線しないよ
うに十分な電流定格をもつヒューズを選択
してください。類似の方法として、サーキッ
トブレーカーも同じように適用できます。
入力電流や出力電圧を検出するといった
インテリジェント機能を回路にもたせる方
法もあります ( 図 9 を参照 )。
入力回路側での過負荷保護として、最も簡
単な方法は、内部にサーマルシャットダウ
ン機能をもつリニアレギュレータを介して、
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DC/DC に電源を供給することです。しかし
ながら、この方法は、レギュレータで電力
の損失が生じますので、全体の電力効率に
影響を与えます。入力側にパワーマネジメ
ント機能を備えるならば、入力ラインに ( イ
ンダクタの代わりに ) 抵抗を挟み、その抵
抗間の電圧降下の検出信号をパワーマネ
ジメント回路に送る方法があります。同様
な手段が出力回路側にも適用できます。こ
こでは出力電圧を測ります。このとき、パ
ワーマネジメント機能が入力側にあるなら
ば、システムの絶縁を確保するため、検出
信号はパワーマネジメント回路から絶縁す
る必要があります ( 図 10 の a を参照 )。
出力回路側で出力ラインに抵抗を挟み、
その抵抗の電力消費による熱の発散を利
用すれば、過負荷の検出およびシステム
の絶縁確保ができます。サーミスタや他の
熱検出センサーをその抵抗の近くに配置し
て、過負荷の状態を検出します ( 必要な絶
縁距離は保つ必要があります )。この方法
を用いる場合、個々の動作環境に応じて
適切なオフセットを与えるため、システム
内の温度を安定して測れる箇所に温度セ
ンサーを実装するなどして、システムの温
度も知る必要があります。
VCCVIN
Fuse
過負荷を検出して電流を制限する手段は
いくつかありますが、それらの適切さの
判断は設計者に任されます。重要なこと
は、その情報をどのように使用するかで
す。システムが、過負荷を起こしている
箇所やモジュールをコントローラに伝え
る必要があるならば、なんらかのインテ
リジェンスが要求されます。
もし、デバイスが単純に電源オフを必要
とするならば、ヒューズを実装するだけで
十分な対策になります。RECOM の全ての
DC/DC は、内部にリニアレギュレータを
含み、過負荷によりサーマルシャットダウ
ンの状態になります。これにより、過剰な
過負荷からデバイスを保護します。この状
態がパワーマネジメント機能への情報とし
て使われるべきならば、最もよい手段は、
出力電圧の検出です ( 図 10 の a)。
これは、シャットダウン時に出力電圧が
ゼロに近づくからです。あるいは、DC/
DC のケースにサーマルプローブを置い
て、シャットダウン状態を検出することも
可能です。
DC
REG
DC
GND
DC
DC
GND
図8: 簡単な過負荷保護
RIN
VCC
DC
DC
VOL
GND
a) 入力電流監視用の抵抗
VCC
ILIMIT
DC
R1
R2
GND
b) グラウンド電流の監視
DC
RGND
RGND×ILIMIT=0.7 [V] となる
ように電流ILIMITおよび抵抗
RGND を調整してください。
図9: 入力回路側の監視による過負荷保護
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入力電圧のドロップアウト
VCC
DC
+VO
DC
OV
GND
RD
RO
Opto-Isolator
VOL
光絶縁による過負荷検出
( 過負荷時は+VO の電圧が低くなり、LED がオフすると、VOL のラインは
プルアップ抵抗によりHIGH になります。)
図10: 出力回路側の監視による過負荷保護
入力電圧が下がるとき、あるいは、瞬間
的にゼロになるとき、出力回路は同じよ
うな電圧ドロップの影響を受けます。他
の回路が瞬間的に電流を消費したとき、
あるいは、デバイスがオンラインで組み
込まれたときや電源線から外されたとき
などに生じる短時間の入力電圧ドロップ
に対しては、入力段にダイオードとコン
デンサを配置することにより出力回路へ
の影響を防ぐことができます。
その回路では、ダイオードを大容量コン
デンサ ( およそ 47µF) の前段の入力ライ
ンに配置します。これにより、DC/DC に
短時間での電流供給が可能となり、コン
デンサから電流が電力線を通じて他の回
路に流れるのをダイオードがブロックし
ます。また、 インダクタと組 合 せ れ ば、
非常に性能のよいフィルタリングが実現
できます。このとき、通常の電力供給状
態で のダイオードの 電 圧 降 下 分を考 慮
した設計が必要です。低電圧ドロップの
ショットキーダイオードの使用を推奨しま
す ( 図 11 を参照 )。
VOL
ZDX60
VCC
LIN
NTC Thermistor
DC
47µF
DC
図11: 入力電圧ドロップの防止回路
Output Circuit
DC
VO
RO
DC
OV
GND
DC
無負荷による高電圧防止
R10%
DC
R10%
R2
DC
非 出 力 調 整 型 の DC/DC (unregulated
DC/DC) は、最小でも 10% の負荷のもと
で動作することを期待しています。それ
ゆえ、この負荷レベルを下回ると、出力
電圧が不定となります。ある回路におい
ては、これが何らかの問題を引き起こす
可能性もあります。
出力電圧が確実に仕様範囲内であること
を保証させる最も簡単な方法は、 常に
10% 以上の負荷を DC/DC に与えるよう
に、外部に抵抗を加えることです ( 図 12
を参 照 )。これ は、 常 に 電 力 の 10% が
抵抗負荷により消費されているという点
で効率的ではありません。この場合、ユー
ザー回路に割り当てられる電力は、残り
の 90% となります。
ツェナーダイオードを出力側に用いるこ
とも簡単な方法の一つです。ツェナーダ
イオードで降伏現象が生じたときの大き
なサージ電流がシステム側にノイズを誘
発させる場合があるため、抵抗かインダ
クタを出力ラインに挿入することを推奨
します。
DC
図12: 無負荷による高電圧防止回路
320
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DC-DC Converter Applications
24V の生成に R05B12/RB0512D、5V の再 3V/5V ロジック回路が混在した電
生成に R24A05/R2405D を用いれば、ケー 源供給
電源がケーブルを介して供給されるとき、
ブル上では 21mA の電流を供給すればよ ノート PC や PDA 用の標準電源レベルに
なぜ、DC/DC を使用することが良質な設
く、ケーブルでの損失も 44mW になります。 対応した新しい IC やロジック機能に対し
計事例となるのか、いくつか理由がありま
ては、十分な注意を払う必要があります。
す。ケーブルの EMC は、プリント基板の配 LCD ディスプレイバイアス
3.3V 供給もまた、パーソナル通信のデファ
線 に例えられます。 片端で DC/DC により
LCD ディスプレイは、大抵、クリスタルを クトスタンダードとして急激に受け入れら
ケーブルを絶縁することで、ケーブルが拾っ
バイアスするために、正か負の 24V 電源 れました。
しかしながら、現在のところ、3.3V
たノイズはコモンモードノイズとして現れ、
を 必 要としま す。R05024/R0-0524S ( カ 電源の IC のみを利用して、全ての回路機
DC/DC においてキャンセリングされます。
スタム品 ) は、このアプリケーションに特 能を実現できるわけではありません。それ
もう一つの理由は、高い電圧に変換して、 別に設計されました。絶縁された 0V 出力
ゆえ、システム設計者は、これまで 2 つの
ケーブル上を少ない電流で伝送し、終端の をもつことで、これを GND に接続すれば
選択肢をもちました。標準的な 5V ロジッ
回路で元の電圧レベルに戻すことで、ケー +24V 給電となり、+VO 出力を GND に接
クを用いるか、必要な部品が 3.3V 版で入
ブルによる損失の問題を軽減できることで 続すれば、− 24V 給電が構成されます ( 図
手可能になるまで待つかです。どちらも満
す。これにより、ノイズや EMC の感受性を 14 を参照 )。
足するものではないですが、後者の方は、
その間に市場のシェアを失う恐れがありま
す。
長距離の電力ライン
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図13: 長距離の電力伝送
液晶ディスプレイ
(42mA まで )
図14: LCD ディスプレイのバイアス
下げることもできます。つまり、高い電圧で
送ると、電源線に影響を与えることのできる
ノイズの電圧レベルも上がるからです。
現在では、電圧が異なる別々の電源で動
作する混在ロジック回路という選択もあり
ます。3.3V 電 源ラインを RECOM の DC/
DC で取り込み、標準ロジックやインター
フェース IC を動作させる様々な電圧レベ
ルを出力することができます。
RECOM の DC/DC 製品は、ロジック回路
向 け に 供 給 する単 一 出 力 (L/M、N/O シ
リーズ ) と同 様 に、 アナログ バ イポ ーラ
や増幅回路に供給するデュアル出力 (A/B
シリーズ ) のものを揃えています。 典 型
的 な 例として、3.3V 信 号インターフェー
スのチップを用いたラップトップ PC での
RS232 インターフェースがあります。その
チップは、3.3V 電圧の信号を受け、5V の
電源電圧を必要とするものです ( 図 16 を
参 照 )。RECOM は、 これと関 連して、2
つの 5V-to-3.3V のステップダウン DC/DC
(R05L03/RL-0503 と R05O03/R0-0503) を
設計しました。これらは、5V ベースの既
存システムに 3.3V 電源の IC を組み込むこ
とができるように作られました。これによ
り、設計者が電源を再設計する必要がな
くなります。
EIA-232 インターフェース
上記は、システムの全体的な電力消費を
低減したいが、3.3V 電源で全ての回路を
主要な PC では、RS232 インターフェース 構成できない場合に特に重要になります。
に電源供給するためのいくつかの電源線 この範囲のデバイスをどのように適用する
例えば、5V の電源をもち、 接続先の回路
が利用できます。しかし、バッテリー駆動 かはシステム設計者によります。設計者は、
が 5V で 500mW を要 求しているシステム
の PC や RS232 インターフェースをもった 電源ラインから利用できる電圧よりも高い
を 考えます。 そして、 接 続 するケーブ ル
リモート機器などは、RS232 インターフェー 電圧を必要とする回路や、ローカル化した
は 100 Ωの抵抗をもっているとします。こ
スに電源供給するための電源線をもたな 機能を提供したいと考えます。完全絶縁の
こで、R05N05/RN0505 を 使って、 ケーブ
い 場 合 もありま す。RB0512S/R05B12 を 電源を用いれば、電源ラインから利用で
ル のインターフェース部で 変 換したとき、
使用すれば、完全な EIA-232 互換のイン きる電圧よりも高い電圧を必要とする回路
100mA の電流で送れば、ケーブルにおい
ターフェースをシングルチップで実現でき や、ローカル化した機能を提供できます。
て 1W(I2R) の電力を損失することになりま
ます。このデバイスは、5V 電源を入力とし、 また、特に、インターフェース機能や、ア
す。この電力は、R0/RN の全供給電力に相
DC/DC と 2 つの部品で構成されます ( 図 ナログとディジタルのグラウンドを分離さ
当し、終端回路で利用可能な電力は余って
15 を参照 )。
せたいシステムにおいては、完全絶縁の
いないことになります。従って、この場合で
電源の使用は有効です。
は、R0/RN の使用は適切ではありません。
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DC-DC Converter Applications
絶縁型のデータ収集システム
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図 17 で図示したように、DC/DC が、適
切なフィルター回路と共に、ローカルの
電源を絶縁するために使用されれば、そ
れが多くの EMC の電源問題に対する簡
潔で的確なソリューションとなります。固
定周波数タイプの DC/DC は、EMC の問
題がある状況においての使用に適してい
ます。これは、安定した固定スイッチン
グ周波数は、出力波形の解析やフィルタ
リングが容易になるからです。
図15: 最適化したRS232 インターフェース
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図 17 に示した回路は、G/H/J/K シリー
ズの DC/DC を用いることで、非常に高
い絶縁を備えています。この回路は、電
源の絶縁と光絶縁デバイス (SFH610) に
よる 信 号 線 の 絶 縁 を 行 なって い ま す。
全体システムは、2.5kV の絶縁を確保し
ます。
EMC に関する注意点
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絶縁が要求されるあらゆる稼働システム
は、 絶縁回路に電源を供給するための
DC/DC が必要となります。データ収集シ
ステムでは、電源ラインでの低ノイズ化
が求められ、それゆえ、よいフィルター
が必要です。
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��
次頁からの記載は、電源回路において、
共通にみられる EMC 関連のトラブルを
避けるための提案です。
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図16: 3V ロジックをもつRS232 インターフェース
322
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DC-DC Converter Applications
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電源に関する注意点
図17: 絶縁したシリアルADC システム
● 電源ラインのループの削除 ( 図 18 を参照 )
● ローカル回路毎の電源ラインのデカップリング (Q の低い
RCL フィルターを使用する。図 19 を参照 )
回路1
● 高速な回路・モジュールは、電源ユニット (PSU) の近くに
配置し、最も低速な回路・モジュールが最も遠くなるよう
に配置する ( 電源プレーンのトランジェントノイズを低減
させる。図 20 を参照 )。
回路2
● 個々のシステムは、電源および信号ラインの両方におい
て、なるべく絶縁させる。特に、アナログ系とディジタル
系は分離させる必要がある ( 図 21 を参照 )。
回路1
絶縁型 DC/DC コンバータは、電源ラインおよびグラウンド
をシステムの電源から絶縁するため、イミュニティの向上や
伝導性エミッションの低減において、大きな効果を発揮しま
す。RECOM が提供する DC/DC は、トロイダル式の電源トラ
ンスを用い、EMI 放射を軽減します (RECOM の EMC ガイド
ラインデータブックに記載したようなプリント基板の推奨レイ
アウトの提案も採り入れます )。
回路2
図18: 電源ラインのループの削除
絶縁型 DC/DC は、スイッチングデバイスであり、固有のスイッ
チング周波数をもっています。このような DC/DC には、フィ
ルタリングが必要な場合もあります。一方、商用の DC/DC
には、パルススキッピング方式を採用したものもあります。
この方式は、異なる負荷の大きさに対して、平均的な効率を
実現できますが、一定の固有周波数をもたないため、広範
囲なノイズスペクトルが生じてしまいます。RECOM は、固定
の周波数をもつ DC/DC に注力しており、最大負荷と温度の
特性カーブの全体に渡って安定しています。それゆえ、一つ
のインダクタを直列に実装するだけで、簡単にスイッチング
ノイズをフィルタリングできます。
VCC
回路1
回路2
DC/DC コンバータの EMC データの見方
GND
図19: ローカル回路毎の電源ラインのデカップリング
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電気・電子製品の EMC( 電磁両立性 ) は、電気的ノイズの汚
染を測るものです。全世界において、製品の EMC を実証す
るための法定や規制の要求が増加しています。欧州では、EC
指令による 89/336/EEC は、1996 年 1 月 1 日以降に販売さ
れる全ての製品が、EMC の制約に従うことを要求しています。
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31.03.2006 2:05:39 Uhr
DC-DC Converter Applications
ます。従って EC 指令は、2 つの異なる伝
搬モードにおいて周波数スペクトラムの
150kHz‒1GHz を測定対象にしています。
ローカ ル
低速回路
電源入力
電 源ユニット
高速回路
RECOM の DC/DC コンバータは、部品
内部にトロイダル式のトランスをもつこと
が特徴です。これらは、放射ノイズをほ
とんど発生させないことが試験により確
認されています。その低放射ノイズは、
主に、コアの中に磁束を保つトロイダル
式のトランスに基づいてます。それゆえ、
設計により磁束は放射されません。放射
ノイズが非常に低レベルであるため、こ
こでは伝導性エミッションだけを記述す
ることにします。
中速回路
DC 回路
フィルター
図20: 電源ユニットに近い高速回路の配置
回路1
図21: 個々のシステムの絶縁
源電
50 Ω
終端
–
LISN
DC
DC
+
LISN
ス ペクトラム
負荷
伝導エミッションは、入力 DC 電源ライン
で測定されます。しかしながら、ほとんど
の規格が主電源に接続された機器を測定
対象にしているため、DC 電源用の規格は
存在しません。これにより、DC 電源デバ
イスには 2 つの問題があります。一つは、
DC 電源デバイスは、主電源に直接接続
されていないため、規格に記載される限
度値を直接用いることができません。そし
て、全ての参照データは、基準電位として、
アースされたグラウンドプレーンを用いま
す。DC システムでは、0V が基準電位で
す。しかしながら、一般的には、機器のシー
ルドやケースは、アースと接続され、これ
が基準電位となっているため、EMC の目
的としては、基準電位をアースとすること
は有効だといえます。その結果、全ての測
定は、主電源のアースをレファレンスとし
ます。
ライン・インピーダンス安定化回
路網 (LISN)
アナライザ へ
どのようなノイズ測定においても、被試
験装置 (DUT) からのノイズが測定対象で
あり、電源供給側からのノイズを混入さ
の
EMC
に及ぼす影響について、設計者
これを怠った場合は、EEC における製品
の販売が禁止され、販売者は罰則さえも に理解して頂くことを目的としています。 せない手段が必要です。 主電源が接続
CISPR や EN の 規 格 は、 部 品 のノイズ された回路では、これは重要であり、主
与えられる可能性があります。
スペクトルを測定するために用いられて 電源が DUT に供給される前にフィルタリ
DC/DC コンバータは、単体の部品である きました。しかしながら、それらの全て ングする必要があります。同じアプロー
ことから、一般的に EMC 規制の対象外と の規格は、主電源装置を参照事項とし、 チを、DC/DC の試験にも用いています。
なっています。しかしながら、DC/DC の DC 電源デバイスの情報を必要とします。 測 定 器 に 検 出されるノイズ が 無 いよう
EMC に関する情報を提供することにより、
に、DC/DC への DC 電源をフィルタリン
設計者の方が製品に関連する EMC の要
グします。
伝導性および放射性エミッション
件を満たすことに貢献できると RECOM は
EMC に関する EC 指令が適用するエミッ CISPR16 の仕様に適合したライン・イン
考えています。しかし、主電源につながっ
ションには、放射性と伝導性の二つのタ ピーダンス安定化回路網 (LISN) が正と負
ている部品の中で、DC/DC だけが主要
イプがあります。伝導性エミッションは、 の 両 方 の 電 源 線 に接 続され、 主 電 源 の
なノイズ源となっているわけではありませ
ケーブル からノイズ が 伝 搬 するもので、 アースをレファレンスとします ( 図 22 を
ん。ここに記載された情報は、システム
周波数スペクトラムの 150kHz‒30MHz を 参照 )。LISN は疑似電源回路網とも呼ば
の最終的な EMC への影響を判断するた
測定対象にしています。一方、放射性エ れます。測定では、測定チャネルとのイ
めの回路設計者による解釈が必要です。
ミッションは、空気中を電磁波によってノ ンピーダンス整合をとるために 50 Ω で
ここでの記載は、ノイズ測定の方式およ イズが伝搬するもので、周波数スペクトラ 終端をした負の電源線を観測基準点とし、
び 理 論 的 説 明 を 述 べ、DC/DC が 製 品 ムの 30MHz‒1GHz を測定対象にしてい 正の電源線から全ての観測を行ないます。
図22: DC/DC へのフィルタリングされた電源供給
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DC-DC Converter Applications
2
伝導性エミッション (dBuV)
100
4
1
80
3
60
8
6
5
7
12
10
9
11
40
13
20
0
0
100
300
200
400
500
周波数 (kHz)
周波数 (kHz)
図23: ノイズの周波数成分
入力電圧(V)
図24: 周波数と入力電圧の関係
伝導性エミッション (dBuV)
100
80
60
40
20
0
100kHz
1MHz
10MHz
100MHz
クがあります。これらは、スイッチング周
波数の基本波、その高調波 ( 奇数でマー
クした周波数成分 )、および、基本波の
倍となる全波整流の周波数成分 ( 偶数で
マークした周波数成分 ) から生じたもの
です。RECOM が採用している部分共振
型のコンバータは、矩形波のスイッチン
グ波形をもち、スイッチングの遅いデバ
イスよりも、リップルが小さく、効率が高
いといった利点があります。しかしなが
ら、比較的大きな高調波の周波数成分
をもつという欠点もあります。
伝 導 性 の 干 渉 に 対 する EC の 規 制 は、
150kHz‒30MHz の 周 波 数 帯を対 象とし
ます。100kHz のスイッチング 周 波 数を
もつ DC/DC を考えると、299 個 の 周 波
数成分が現れることになります。製品の
ばらつきにより、実際のスイッチング周
波数にもばらつきがあります。90kHz の
スイッチング周波数の場合、上記の周波
数成分の数に 33 個の周波数成分が追加
されることになります。また、入力電圧
の大きさも、スイッチング周波数を変化
させます ( 図 24 を参照 )。このようなこ
とから、伝導性ノイズのレベルを概略的
に示すため、RECOM は、周波数成分を
調 べるた め の 100kHz の 分 解 能 帯 域 幅
(RBW) をデータシート上で用いています。
この広い RBW は、全てのピークレベル
における最大レベルを示します。これに
より、製品のばらつきや入力電圧の違い
によるスイッチング周波数のばらつきに
対して、都合良く補正がなされ、解析も
容易になります ( 図 25 を参照 )。
伝導性エミッションは、全てのケースに
おいて、最大負荷で測定します。負荷が
小さくなると、エミッションのレベルも下
がるため、最大負荷が伝導性ラインノイ
ズ試験のための最悪条件です。
DC/DC の温度性能
このアプリケーションノートで記述された
DC/DC コンバータの温度性能は、推奨
動作温度範囲と比べて、常に高くなって
図25: 電界強度で表示したノイズスペクトラム
います。推奨動作温度範囲が狭くなる主
な理由は、この温度範囲を越えた部分で
は、パラメータによって性能を厳密に決
DC/DC コンバータの周波数成分
シールディング
めることが難しくなるからです。
すべての
DC/DC
コンバータは、スイッチ
DUT、LISN、 測 定 器 に接 続され た 全て
DC/DC コンバータで使用されるコアの素
ングデバイスであるため、ある周波数成
のケーブル、負荷、電源ラインは、常に
材のキュリー温度のように、物理的な障
分をもちます。固定入力の
DC/DC
は、一
シールドされます。シールドすることに
害が性能に影響を与えている要素がいく
定のスイッチング周波数をもち、例えば、
より、DUT の近傍にある他の機器など、
つかあります (RECOM で使用している素
C/D
シリーズの
DC/DC
は、標準で
75kHz
外部の EMC 源からのノイズがケーブル
材で最も低いキュリー温度は 125°C で
のスイッチング周波数をもちます。これは、
や DUT に入り込むことを防ぎます。シー
す )。セラミックコンデンサは、高い信頼
負荷の条件に関係なく、安定した予測可
ルドは、主電源のアースをレファレンスと
性と寿命の問題がないことから、DC/DC
能なノイズ周波数成分を与えます。
します ( 図 22 を参照 )。
でよく使用されています。しかしながら、
ノイズのスペクトラムを細かく調べると
温度が 85 ◦ C を越えて上昇すると、セ
( 図 23 を参照 )、いくつかの際だったピー
ラミックコンデンサの容量が小さくなり
周波数
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DC-DC Converter Applications
スイッチング周波数(kHz)
160
配置する場合、ピンセットが部品ピンで
はなく、部品本体を摘んで配置するよう
にしてください。部品自体は、対称的な
形状のため、どちらの方法でも簡単な配
置ができます。
O/N
140
最大負荷の条件下
120
A/B
C/D
100
ソルダーパッドの設計
80
60
–20
0
20
40
60
80
100
温度(°
C)
図26: 標準的なスイッチング周波数と温度の関係
ます。その結果、リップルが大きくなりま
す。能動素子のスイッチング部品におい
ての電力消費も考慮する必要があります。
これらの部品は、高い温度定格をもって
いますが、温度が 100°C を越えるにつれ、
電流容量の定格が下がります。
仕様で決められた電力のディレーティング
が遵守されるならば、推奨動作温度を超
えた条件で、DC/DC を使用することが可
能です。記載された推奨動作温度を超え
て動作をしている部品については、 仕様
書に記載された性能を満たす期待はでき
ません。あるデバイスの安定性を把握し
たいとき、温度が変化したときの動作周波
数の変動を用いることができます ( 図 26
を参照 )。温度による周波数の変動の標準
的な値は、0.5 %/°C であり、これは他の
商用部品と比較して非常に低い値です。つ
まり、負荷と温度の動作範囲に対し、周波
数が非常に安定しているため、RECOM の
DC/DC コンバータは、フィルタリングが簡
単であることを示しています。
なわち、高温のリフロー条件において変形
しないことです。その結果、リフロー時の
部品本体を保護するための対策は何も必
要がありません。熱可塑性樹脂を使った他
メーカの部品は変形しやすく、リフロー時
に熱シールドが必要な場合もあります。
SS/SD シリーズの DC/DC コンバータは、
1.27mm (0.05 ) のピンピッチをもち、パッ
ドの形状は、1mm のパッド幅と 1.75mm
のパッド長を推奨としています。
プリント基板の CAD システムに用意され
ている適当な部品のパッドを用いて、SS/
SD シリーズ用のパッドのレイアウトを構成
することができます。SS/SD シリーズのパッ
ドは、一般的な標準 SOIC のパッドサイズ
(0.64mm) よりも幅が広く、SS/SD シリー
ズの部品ピンは、CAD システムの既存の
リードフレームは、銅の材質のため、導
電性が高く、DC/DC 内の配線の内部抵
�
�
��������
抗を小さくしています。 配線に成膜 ( イ
�����
ンキ印刷 ) を使ったハイブリッド型の設
�
� �
計は、 高い抵抗分を含むため、DC/DC
����
����
内で損失が高くなる傾向があります。リー
ドは、60:40 (Pb:Sn) の半田メッキで仕
パッドと合わない場合が考えられます。注
上げています。これは標準的なリード仕
意すべき点は、DC/DC は電源のデバイス
上げであり、生産現場で使用されるほと
であり、接続箇所での抵抗分による損失
んど全ての半田混合物と互換があります。
を最小にするため、広いパッドと太い部品
リードを必要とします。各部品のパッドの
部品実装
形状は、関連の章に含まれています。適
SS/SD シリーズ は、 標 準 の SOIC パッ 切であれば、これらに従ってください。
ケージと同じように実装機で扱えるよう SS/SD の利点の一つに、2 種類の部品
に設計されています。部品は、チューブ が使用できる PCB のレイアウトがありま
( スティック ) またはリールにて入手可能 す。 例えば、デュアル出力の SD シリー
です。従って、実装機は、振動式シャト ズの DC/DC は、そのパッドのレイアウト
トランスファーモールド型の表面実
ル、重力落下式フィーダー、リールフィー において、プリント基板のパターン変更
装 DC/DC コンバータ
ダーのどのタイプを使っても実装できま を必要とせず、単一の正電圧出力の SS
す。 部 品 吸 着ノズ ル は、 標 準 の 14pin シリーズと共用ができます。
生産ガイドライン
や 18pin の SOIC と同じ方法で使用でき
RECOM が 最 近 導 入したトランスファー ます ( 標準で直径 5mm のノズルです )。 リフロー温度プロファイル
モールドの熱硬化性エポキシによりハイ 標準の SOIC 部品に比べ、ハイブリッド
RECOM の SMD 部品は、最高 230 ◦ C (10
ブリッド型 DC/DC を封止する革新的な 部品は重いため、吸着圧は高めの設定
秒 ) のリフロー温度に耐えれるように設
新方式は、SOIC 形態での部品実装を対 が効果的といえます ( 標準的な 14pin の
計されています。これは、CECC 00802
象とした表面実装の DC/DC に改良をも SOIC 部品の重さは 0.1g で、SS/SD シリー
に準拠しています。複数のリフロープロ
たらしました。新しい部品では、実装技 ズの DC/DC の重さは 1.3g になります )。
ファイル が 使 用されるとき、 すなわち、
術における新しい指示がつきものです。 吸着ノズルに関して、不明点があれば、
部品をリフローのオーブンに数回通すと
新しい SS/SD シリーズ の DC/DC で は、 実装機メーカにお問い合わせされること
き、CECC 00802 で定められた最高温度
その指示自体は新しいものではないです を推奨します。手半田で部品を実装する
よりも低いプロファイルを用いることを推
が、アプリケーションにおいて、異なる 場合は、部品ピンではなく、本体部分を
奨します。最高温度のランプ形プロファ
生産技術を必要とする場合があります。
ピンセットで摘んで実装してください。部
イルが 5 回を越えて部品に適用された場
品ピンを摘むと、ピンが曲がり、リード
合、加熱の繰返しにより、材質疲労が生
部品の素材
間段差が生じる可能性があります。
じる可能性があります。
これらの DC/DC は、プリント基板上の大
トランスファーモールドの製品シリーズの 部品の配置
部分の IC や受動部品のリフローの能力を
部品本体は、高い熱伝導性の熱硬化性エ
ポキシです。熱硬化性材料の利点は、部 部品は、光学認識でもピンセットによる 越えたものであり、リフロー条件にはほと
品本体がポストキュアの加熱サイクル、す 手付けでも配置できます。ピンセットで んど熱的に影響を受けないといえます。
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DC-DC Converter Applications
温度 (°C)
推奨リフロープロファイル ( 表面実装タイプ )
予熱
時間 (s)
推奨フロープロファイル ( リード挿入タイプ )
1 次ウェーブ
2 次ウェーブ
半田の接合部やリードに通常よりも大き
な負荷がかかります。部品本体とプリン
ト基板の間に接着剤を添加して固定させ
れば、この負荷を軽減することができま
す。最終的な製品システムが、衝撃試験
や振動試験に影響を受け易いものである
ならば、それらの環境試験に確実に合格
するために、接着剤を使用した取り付け
は一層重要になります。
SS/SD シリーズの DC/DC は、接着剤を
付けるための隙間を部品下に確保してお
り、部品取り付けに干渉しません。部品
そのものより、接着剤の塗布と硬化の方
法、 および、 環境試験や部品交換の必
要性により、どのような接着剤が適切か
が決まります。しかしながら、部品本体
が熱硬化性プラスチックのため、基板と
部品を付ける接着剤の物質は、 熱硬化
性エポキシ接着剤を推奨します。
リフロー工程が、熱硬化型の接着剤を硬
化するために用いられるならば、実装処
理の間、部品は水平に大きな加速と減速
を受ける可能性があります。部品の精密
な配置を保つため、 接着剤は、 硬化前
の状態でも十分に固い性質であることが
必要です。
接着剤の塗布
強制冷却
温度 (°C)
部品は、主に、ピントランスファー、印刷、
塗布の 3 つの接着剤の塗布方法に対応
できます。接着剤の塗布方法は、生産ラ
インで利用可能な工程と接着剤の使用理
由に依存します。例えば、リード挿入タ
イプと表面実装タイプの部品が基板上で
予熱
混在していれば、接着剤は、リフロー処
理の前に塗布し、硬化させる必要があり
時間 (s)
ます。基板上の部品が表面実装タイプの
( 注 ) 1。リフロープロファイルは、部品ピンの温度で測定します。
みで、熱硬化型の接着剤を使用するなら
2。全リフロー工程において、部品内部の温度は、215°C よりも低く保つ必要があります。
ば、リフローを硬化の工程に適用するこ
ともできます。衝撃や振動に対する強化
のために接着剤を必要とするが、基板に
保護コーティングをする場合、接着剤の
推奨リフロー温度プロファイル
基板上に混在してるケース )、あるいは、 使用を避けることが可能です。コーティン
次ページの 2 つのグラフは、SMD タイプ プリント基板上の両面に実装される場合、 グは、部品本体の機械的拘束が生じます。
とリード挿入タイプについての標準的な リフローに入る前に、それらの部品をプリ 接着剤の塗布や印刷のパターンは、自動
推奨温度プロファイルです。プロファイル ント基板に固定するため、接着剤を使用 生産ラインでなされます。部品配置の後、
のピーク温度およびその最大許容時間の する必要があります。接着剤を使用するこ 手動で塗布する場合は、 手動注入器を
厳密な値は、各 DC/DC のデータシートに とで、表面実装部品がフローの半田槽で 使用して、紫外線硬化用のパターンが簡
も記載されています。 一方、 鉛フリー半 流れ落ちたり、プリント基板での両面の処 単に繰り返されます ( 熱硬化型の接着剤
田に対応した製品が既に開発済となって 理で降り落されることを防止します。
も同様です )。 手作業で塗布する場合、
おります。鉛フリー対応に関する情報につ
先 に 述 べ たように、 表 面 実 装タイプ の ドット ( 接着剤のボール ) の高さや大き
きましては、カスタマーサービス、または、
RECOM の DC/DC コンバータは、標準 さは特に重要ではありません。そして、
現地の代理店にお問い合わせください。
的な SOIC デバイスよりも大きい重量を 部品がリフローで実装された後に接着剤
もちます。これは、形状の大きさと内部 を加えてください。リフロー後に塗布す
接着剤の必要条件
のハイブリッド式の部品構成によるもの るとき、アンダーフィル用の接着剤の使
用が好ましいです。このタイプは、部品
です。従って、これらの部品が半田のみ
表面実装部品 (SMD) がフロー工程をもつ
本体に吸着し、塗布した一つのドットで
で基板に取り付けられるだけであれば、
場合 ( 例えば、DIP 品と SMD がプリント
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31.03.2006 2:05:52 Uhr
DC-DC Converter Applications
万能な粘着力を示します。塗布のパター
ンは、部品のスタンドオフによる段差を
考慮し、プリント基板の配線の厚みは考
慮しません。基板で厚い配線が使用され
る場合、グラウンドと接続された銅配線
を部品の下に敷きます ( このとき、絶縁
を確保するように硬化させます )。接着
剤は、部品配置の間、パッドに近付いた
部品ピンを妨害してはいけません。従っ
て、低粘度の接着剤を推奨します。
接着剤のドットは、基板表面と部品の間
を確実に接着できる高さであり、塗布を
広げすぎたり、部品でずれたり、あるい
は、パッドを汚さないように、注意して
高さを決める必要があります。
ピントランスファー方式にみられるよう
な、小さい直径のドットを多くして塗布し
たい場合、ドットのパターンは、簡単な
ガイドラインに従って、変化させることが
できます。ドットの数が二倍になるにつ
れ、ドットの直径を半分にします。そし
て、互いの中心間は、最小でもドットの
直径の 2 倍を確保します。一方、ドット
の高さは、0.4mm のままとします。印刷
されるドットは、部品本体の最も近いエッ
ジからそのドットのエッジまでの距離が、
最小でもその直径分を必ず確保した位置
に配置します。接着剤と部品が十分に接
着できれば、ドットの数は重要ではあり
ませんが、2 個以上のドットで塗布する
ことを推奨します。
328
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洗浄
RECOM の 表 面 実 装タイプ の DC/DC コ
ンバータで使用される材料を包んだ熱硬
化性プラスチックは、完全気密での封止
ではありません。樹脂製品で包まれた全
ての能動デバイスと同じように、苛酷な
環境での反応性の強い物質は、DC/DC
の 材 質 や 内 部 の 部 品 を 劣 化させます。
従って、 常 温で の 不 活 性 の 雰 囲 気 ( 空
気や窒素 ) の中で、不活性な溶液 ( アル
コールや水系の溶剤 ) で洗浄されること
を推奨します。水溶性の洗浄工程では、
脱イオン水を使用した洗浄方法が好まれ
ます。
DC/DC コンバータのカスタマイズ
ベースにして設計します。全てのカスタ
ム品は、標準品と同様に、厳格な試験、
検査、品質管理を受けます。RECOM の
カスタム品は、多くのアプリケーションで
使用されています。それらは、個々のユー
ザーに特有なものとなりますが、いくつ
かの例を以下にあげます。
● ECL ロジックドライバー
● 複数バッテリー構成
● 船舶機器
● 車載部品
● LCD ディスプレイの電源回路
● ボードレベルの計測システム
カスタム品として、DC/DC コンバータの
データブックに紹介している標準タイプ
ご要求がありましたら、RECOM の技術
に 加 え、RECOM は、 ユ ー ザ ー 仕 様 に
サポート、または、現地の代理店にお気
合わせて設計した DC/DC のカスタム品
軽にお問い合わせください。
を製造し、提供することができます。カ
スタマイズ の 依 頼を受 けた DC/DC は、
CAD ツールを使って、迅速に設計され、
RECOM の標準品の入力 / 出力電圧の範
囲 内 ( すな わち、 入 力 および 出 力 の 電
圧 は 48V まで ) に お い て、 あらゆる 入
力 / 出 力 電 圧 に 対 応できます。 試 作 品
の DC/DC についても、短期間で製造し
ます。カスタム品は、ユーザー仕様を基
に設計することができます。あるいは、
その部品がある標準シリーズに合致する
ところがあれば、そのシリーズの仕様を
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31.03.2006 2:05:55 Uhr
Block diagrams
非調整型シングル出力
RM, RL, RQS, RO, RE, ROM,
RSS, RB-xxxxS, RA-xxxxS, RBMxxxxS, RK, RP-xxxxS, RxxPxxS,
RxxP2xxS, RN,RTS, RI, REZ, RKZxxxxS, RV-xxxxS, RAA-xxxxS,
RGZ
オシロ
非調整型デュアル出力
RQD, RSD, RB-xxxxD, RA-xxxxD,
RBM-xxxxD, RH, RP-xxxxD,
RxxPxxD, RxxP2xxD, RTD, RCxxxxD, RD-xxxxD, RKZ-xxxxD,
RV-xxxxD, RAA-xxxxD, RJZ
オシロ
事後調整型シングル出力
RU, RUZ
オシロ
事後調整型デュアル出力
RZ, RSZ (P), RY-xxxxS, RX-xxxxS, RY-SCP, REC1.5-xxxxSR/H1,
REC1.8-xxxxSR/H1, REC2.2-xxxxSR/H1, REC3-xxxxSR/H1
レギュレータ
オシロ
事後調整デュアル出力
RY-xxxxS, RX-xxxxS, RY-DCP, REC2.2-xxxxDR/H1, REC3-xxxxDR/H1
レギュレータ
オシロ
レギュレータ
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2006年3月
329
31.03.2006 2:05:57 Uhr
Block diagrams
調整型シングル出力
RSO, RS, REC2.2-xxxxSRW, RW-xxxxS, REC3-xxxxSRW(Z)/H1/H4/
H6, REC5-xxxxSRW(Z)/H1/H4/H6, REC7.5-xxxxSRW/AM
ノイズ
フィルター
オシロ &
コントローラ
絶縁
レファレンス&
エラー AMP
絶縁
レファレンス&
エラー AMP
調整型デュアル出力
RSO-xxxxD, RS-xxxxD, REC2.2-xxxxDRW, RW-xxxxD, REC3-xxxxDRW(Z)/H1/H4/
H6, REC5-xxxxDRW(Z)/H1/H4/H6, REC7.5-xxxxDRW/AM
ノイズ
フィルター
オシロ &
コントローラ
調整型デュアル絶縁出力
REC3-DRWI
レギュレータ
ノイズ
フィルター
オシロ &
コントローラ
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絶縁
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レファレンス&
エラー AMP
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TAPES
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2006年3月
331
31.03.2006 2:06:00 Uhr
TAPES
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2006年3月
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31.03.2006 2:06:02 Uhr
Powerline – Definitions and Testing
本ページ以降は、POWERLINEに固有の仕様に関する簡単な説明を述べます。また、POWERLINE以外の製品シリーズの
アプリケーションノートには記載されていません。
試験のセットアップ
EMC への対応
ほとんどの DC/DC の試験は、図 1 に示
したセットアップにより実施されます。試
験方法に適用する一般的な試験条件の
● 十分な DC 電源と表記 DC 入力電圧
● +25°C の周囲温度
● 最大定格出力負荷
概略を記します。
9L-TF002
L1
+Vin
C1
Z
47µF
100V
DC/DC
Converter
47µF
100V
C2
–Vin
図1-1: RP10、RP12、RP15、RP20、RP30、RP40、RP60 シリーズ用のEMC 試験
L1
= 1102.5 µH
DCR = 0.1Ω
C1, C2 = 47µF
Ø 0.5mm
アルミ電解コンデンサ
リップル: 180mA at 105°C, 120Hz
100V
9L-TF009
L1
+Vin
C1
Z
47µF
100V
DC/DC
Converter
47µF
100V
C2
–Vin
図1-2: RP03-A、PR05-A、PR08-A シリーズ用のEMC 試験
L1
= 497 µH
DCR = 55.1mΩ
C1, C2 = 47µF
Ø 0.3mm
アルミ電解コンデンサ
Ripple: 180mA at 105°C, 120Hz
100V
A
DC/DC
(DUT)
V
DC 電源
A
+V
V
(VDCまたは
VRMS)
可変負荷
-V
図1-3: DC/DC コンバータの試験の一般的なセットアップ
注 : リモートセンス (remote sence) の信
号ピンをもつ DC/DC の試験であれば、
それらのピンは、個々の出力ピンに接続
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2006年3月
してください。全ての試験は、「ローカ
ルセンシング」モードでなされます。
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Powerline – Definitions and Testing
Input Voltage Range
(入力電圧範囲)
PI Filter (PI フィルター)
DC/DC が動作する仕様範囲内の最小お
よび最大の入力電圧
2 つのコンデンサをインダクタを挟んで
並列に接続する入力フィルター。これによ
り、入力側のリップル電流の反射を抑え
ることができます。
�
�����
��
��
������
図2: PI フィルター
Output Voltage Accuracy
(出力電圧精度)
Voltage Balance (電圧バランス)
Line Reguration (入力変動)
試験のセットアップより、表記入力電圧と
定格出力負荷において、校正された精度
の良いDC 電圧測定器を用いて、出力電
圧を測定します。出力電圧精度は、出力電
圧の測定値と仕様の表記電圧値との差を
パーセンテージで表したものです。出力
精度(%) は、以下の式で導出されます。
+25°
C での定格出力負荷による条件に
おいて、以下の測定を行ない記録します。
● 上限の入力電圧を入力したときの出
力電圧 Vout H
● 下限の入力電圧を入力したときの出力
電圧 Vout L
KATALOG+APPLICATIONS Japx2.indd 334
V nom N
X100
Vnom は、DC/DC のデータシートに記載される表
記上の電圧値です。
複数の出力をもつDC/DC において、正と
負の2 つの出力電圧と表記出力電圧の差
をパーセンテージで表したものです。
● 表記入力電圧を入力したときの出力
電圧 Vout N
334
V out – V nom
2006年3月
入力変動は、入力電圧を変動させ、出力
電圧に最大の変動を与えたときの出力電
圧値VoutM を表記入力電圧を入力した
ときの出力電圧値のパーセンテージで表
したものです。
V out M – V out N
V out N
X100
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31.03.2006 2:06:06 Uhr
Powerline – Definitions and Testing
Load Regulation (負荷変動)
+25°
Cでの定格出力負荷による条件にお
いて、以下の測定を行ない記録します。
● 定格の出力負荷をもつときの出力電
圧VoutFL
負荷変動は、上記の2つの電圧差を定格
の出力負荷をもつときの出力電圧値のパ
ーセンテージで表したものです。
● 無負荷あるいは仕様上の最小負荷を
もつときの出力電圧VoutML
Vout ML – V out FL
Vout FL
Efficiency (効率)
Switching Frequency
(スイッチング周波数)
Output Ripple and Noise
(出力リップルとノイズ)
入力側で消費する電力に対し、出力側の
電力供給の割合をパーセンテージで表し
たものです。通常、最大負荷での出力電
X100
力および表記入力電圧の条件で測定さ
れます。
DC/DCやスイッチング電源の中でDC電
圧が切り替わる速度です。
リップルの周波数は高いので、正確な測
定を行なうため、特別な測定手法を用い
ます。リップルのスパイクには、あらゆる
高調波が含まれていますので、20MHzの
帯域をもったオシロスコープを用います。
観測時にノイズを拾わないようにするに
は、図3のようにします。オシロのプローブ
のグラウンドリングや最短に引き出した
グラウンド線をDC/DCの出力コモン端子
に直接あてます。一方、プローブの先は、
電源出力端子に接触させます。これは、出
力端子間を最短で観測する手段です。
+
出力
-
グラウンドリング
オシロへ
図3: 出力波形の観測
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KATALOG+APPLICATIONS Japx2.indd 335
2006年3月
335
31.03.2006 2:06:08 Uhr
Powerline – Definitions and Testing
Output Ripple and Noise
(出力リップルとノイズ)
(continued)
図4 は、スイッチング電源の出力にみら
れるリップルの電圧波形を表しています。
波形の中には、3 つの成分が含まれてい
ます。一つは、整流回路やフィルターで生
じる120Hz の周波数成分です。次に、電
源のスイッチング周波数の成分があり、
最後に、高い周波数のリップルにのる小
さい高周波のスパイクがあります。
P-to-P振幅
時間
図4: 振幅
Transient Recovery Time
(過渡復帰時間)
負荷電流でのステップ変化において、電
源の出力電圧が規定の定格値の範囲内
に戻るまでの時間です。
過渡復帰時間
オーバーシュート
アンダーシュート
負荷
時間
図5: 過渡復帰時間
Current Limitting (電流制限)
Hold Back Current Limitting
(フォールドバック電流制限)
過負荷状態では、DC/DC のダメージを防
ぐために出力電流が制限されます。短絡
回路では、出力側の電流が過剰にならな
いように、出力電圧を低く調整します。
過負荷の状態にある電源の損傷を防ぎ、
負荷が短絡回路に近付くように出力電流
を減少させる手法です。
定格 Io
図6: フォールドバック電流制限の時間
336
KATALOG+APPLICATIONS Japx2.indd 336
2006年3月
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31.03.2006 2:06:09 Uhr
Powerline – Definitions and Testing
Isolation (絶縁)
Break-Down Voltage (故障電圧)
通常、DC/DC の入力と出力の電気的分離
は、(抵抗と容量の絶縁からなり) トランス
の性質と回路配置によって決まります。
抵抗および
容量の絶縁
DC/DC に損傷を与えずに、DC/DC の入
力端子と出力端子の間に印加してもよい
最大のDC 電圧です。DC/DC の標準の故
障電圧は、500VDC です。
入力
整流回路
および
レギュレータ
出力
故障電圧
図7: 故障電圧
Temperature Coefficient
(温度係数)
定格の負荷を出力にもった電源コンバー
タに対し、恒温槽の試験では、以下の測
電源コンバータを安定させてから、出
力電圧を測定します。
定をします。
● 測定した +25°C の電圧測定値に対
し、測定した上限の動作周囲温度で
● +25°C の周囲温度での出力電圧
の電圧測定値の変動をパーセンテー
● 電源コンバータの動作周囲温度の上
ジで求め、それを動作周囲温度の上
限に恒温槽の温度を設定し、その温
限値から +25 を引いた値で割ります。
度 に達したら、15 分 から 30 分 間、
下限の動作周囲温度についても同様
電源コンバータを安定させてから、出
に計算します。
力電圧を測定します。
● 電源コンバータの動作周囲温度の下 温度係数は、上記で求めた 2 つの値の
限に恒温槽の温度を設定し、その温 高い方を選択し、%/ °C を用いて表しま
度 に達したら、15 分 から 30 分 間、 す。
Ambient Temperaturee
(周囲温度)
Operating Temperature Range
(動作温度範囲)
Storage Temperature Range
(保存温度範囲)
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KATALOG+APPLICATIONS Japx2.indd 337
動作中の電源の周辺における無風状態
での空気温度です。
電源が安全に動作し、その仕様を満たす
周囲温度またはケース温度の範囲です。
動作時の性能に劣化を生じさせることの
ない非動作時の電源の周囲温度の範囲
2006年3月
です。
337
31.03.2006 2:06:11 Uhr
Powerline – Definitions and Testing
Powerline のいくつかのDC/DC は、外付
け抵抗を使用して、表記電圧値からある
値の範囲まで、出力電圧を可変にする機
能をもちます。シリーズ毎にトリム回路が
異なるため、
トリム端子に接続する外付
け抵抗の値を決める一般的な計算式はあ
りません。以下の表は、
トリム用の抵抗を
決める際の情報を示します。ユーザー回
Output Voltage Trimming
(出力電圧トリミング)
路において、表中の電圧値が該当しない
場合、表中の電圧値間の線形近似で求め
ることができます。あるいは、可変抵抗を
使用することもできます。
RP20-, RP30- XX1.8S
トリムアップ
Vout =
RU =
トリムダウン
Vout =
RD =
1
1,818
11,88
2
1,836
5,26
3
1,854
3,09
4
1,872
2,00
5
1,89
1,35
6
1,908
0,92
7
1,926
0,61
8
1,944
0,38
9
1,962
0,20
10
1,98
0,06
%
Volts
KOhms
1
1,782
14,38
2
1,764
6,50
3
1,746
3,84
4
1,728
2,51
5
1,71
1,71
6
1,692
1,17
7
1,674
0,79
8
1,656
0,50
9
1,638
0,27
10
1,62
0,10
%
Volts
KOhms
1
2,525
36,65
2
2,55
16,57
3
2,575
9,83
4
2,6
6,45
5
2,625
4,42
6
2,65
3,06
7
2,675
2,09
8
2,7
1,37
9
2,725
0,80
10
2,75
0,35
%
Volts
KOhms
1
2,475
50,20
2
2,45
22,62
3
2,425
13,49
4
2,4
8,94
5
2,375
6,21
6
2,35
4,39
7
2,325
3,09
8
2,3
2,12
9
2,275
1,36
10
2,25
0,76
%
Volts
KOhms
RP20-, RP30- XX2.5S
トリムアップ
Vout =
RU =
トリムダウン
Vout =
RD =
RP15-, RP20-, RP30-, RP40- xx3.3S
RP40-, xx3.305T (+3.3V 用トリム)
トリムアップ
Vout =
RU =
トリムダウン
Vout =
RD =
1
3,333
57,96
2
3,366
26,17
3
3,399
15,58
4
3,432
10,28
5
3,465
7,11
6
3,498
4,99
7
3,531
3,48
8
3,564
2,34
9
3,597
1,46
10
3,63
0,75
%
Volts
KOhms
1
3,267
69,43
2
3,234
31,23
3
3,201
18,49
4
3,168
12,12
5
3,135
8,29
6
3,102
5,74
7
3,069
3,92
8
3,036
2,56
9
3,003
1,50
10
2,97
0,65
%
Volts
KOhms
RP15-, RP20-, RP30-, RP40(+5V 用トリム)
トリムアップ
Vout =
RU =
トリムダウン
Vout =
RD =
1
5,05
43,22
2
5,1
18,13
3
5,15
10,60
4
5,2
6,97
5
5,25
4,83
6
5,3
3,42
7
5,35
2,43
8
5,4
1,68
9
5,45
1,11
10
5,5
0,65
%
Volts
KOhms
1
4,95
39,42
2
4,9
19,00
3
4,85
11,58
4
4,8
7,74
5
4,75
5,40
6
4,7
3,82
7
4,65
2,68
8
4,6
1,82
9
4,55
1,15
10
4,5
0,61
%
Volts
KOhms
338
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2006年3月
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31.03.2006 2:06:12 Uhr
Powerline – Definitions and Testing
RP15-, RP20- xx05D
トリムアップ
Vout =
RU =
トリムダウン
Vout =
RD =
1
10,1
90,50
2
10,2
40,65
3
10,3
24,06
4
10,4
15,76
5
10,5
10,79
6
10,6
7,47
7
10,7
5,10
8
10,8
3,33
9
10,9
1,95
10
11
0,84
%
Volts
KOhms
1
9,9
109,06
2
9,8
48,94
3
9,7
28,87
4
9,6
18,83
5
9,5
12,81
6
9,4
8,79
7
9,3
5,92
8
9,2
3,77
9
9,1
2,10
10
9
0,76
%
Volts
KOhms
RP15-, RP20-, RP30-, RP40トリムアップ
Vout =
RU =
トリムダウン
Vout =
RD =
1
12,12
1019,45
2
12,24
257,41
3
12,36
134,39
4
12,48
84,06
5
12,6
56,68
6
12,72
39,47
7
12,84
27,65
8
12,96
19,03
9
13,08
12,47
10
13,2
7,30
%
Volts
KOhms
1
11,88
270,20
2
11,76
149,63
3
11,64
95,76
4
11,52
65,24
5
11,4
45,59
6
11,28
31,88
7
11,16
21,77
8
11,04
14,01
9
10,92
7,86
10
10,8
2,87
%
Volts
KOhms
1
24,24
210,51
2
24,48
96,13
3
24,72
57,18
4
24,96
37,54
5
25,2
25,71
6
25,44
17,80
7
25,68
12,14
8
25,92
7,89
9
26,16
4,58
10
26,4
1,93
%
Volts
KOhms
1
23,76
283,54
2
23,52
125,47
3
23,28
73,95
4
23,04
48,40
5
22,8
33,14
6
22,56
22,99
7
22,32
15,76
8
22,08
10,34
9
21,84
6,13
10
21,6
2,76
%
Volts
KOhms
RP15-, RP20, RP30トリムアップ
Vout =
RU =
トリムダウン
Vout =
RD =
RP15-, RP20-, RP30-, RP40トリムアップ
Vout =
RU =
トリムダウン
Vout =
RD =
1
15,15
455,67
2
15,3
192,89
3
15,45
111,48
4
15,6
71,85
5
15,75
48,40
6
15,9
32,90
7
16,05
21,90
8
16,2
13,68
9
16,35
7,31
10
16,5
2,23
%
Volts
K_
1
14,85
449,01
2
14,7
210,22
3
14,55
125,38
4
14,4
81,89
5
14,25
55,46
6
14,1
37,68
7
13,95
24,92
8
13,8
15,30
9
13,65
7,80
10
13,5
1,78
%
Volts
K_
1
30,3
306,24
2
30,6
129,65
3
30,9
75,39
4
31,2
49,05
5
31,5
33,49
6
31,8
23,21
7
32,1
15,92
8
32,4
10,48
9
32,7
6,26
10
33
2,90
%
Volts
KOhms
1
29,7
300,42
2
29,4
142,30
3
29,1
85,77
4
28,8
56,73
5
28,5
39,05
6
28,2
27,16
7
27,9
18,60
8
27,6
12,16
9
27,3
7,13
10
27
3,10
%
Volts
KOhms
RP15-, RP20-, RP30トリムアップ
Vout =
RU =
トリムダウン
Vout =
RD =
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KATALOG+APPLICATIONS Japx2.indd 339
2006年3月
339
31.03.2006 2:06:14 Uhr
KATALOG-2006+APPLICATIONS-2006-03-07.qxp
31.03.2006
13:47
Seite 340
Powerline Heat-Sinks
7G-0020A (9.5°C/W)
A : A ( 5 : 1mm)
3.2 ±0.1
49.80 ±0.2
1.30
R 0.65
24.20±0.2
12.00 ±0.2
A :A
R2
1.30
1.40
1.2 ±0.1
1.30
1.40
2.00
12.00 ±0.2
5.60 ±0.1
1.70 ±0.1
7G-0026A (7.8°C/W)
3.2 ±0.1
49.80 ±0.2
A : A ( 5 : 1mm)
1.30
49.80 ±0.2
12.00 ±0.2
1.30
1.40
A :A
1.30
1.2 ±0.1
12.00 ±0.2
1.40
1.30
R 0.65
5.60 ±0.1
1.70 ±0.1
340
March-2006
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KATALOG-2006+APPLICATIONS-2006-03-07.qxp
31.03.2006
13:47
Seite 341
Powerline Heat-Sinks
7G-0011A (8.24°C/W)
A : A ( 5 : 1mm)
50.00 ±0.2
R 0.65
37.40±0.2
15.00 ±0.2
1.30
A :A
1.40
1.30
3.00 ±0.1
1.00
2.00
27.00 ±0.2
5.60 ±0.1
1.70 ±0.1
7G-0022
57.91 ±0.25
8.41
60.96±0.25
1.42
R 0.58
50.80±0.25
R 1.07
3.56
4 -Æ 3.50
6.10 ±0.25
48.26 ±0.25
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March-2006
2.29 ±0.25
341
KATALOG-2006+APPLICATIONS-2006-03-07.qxp
31.03.2006
13:47
Seite 342
Tubes
2.
1.
10.0 ± 0.5
9.0 ± 0.5
0.5 ± 0.2
12.0 ± 0.5
15.5 ± 0.5
13.5 ± 0.5
12.5 ± 0.5
17.8 ± 0.5
0.50 ± 0.2
4.9 ± 0.5
7.9 ± 0.5
TUBE LENGTH = 520mm ± 1.0
TUBE LENGTH = 520mm ± 2.0
3.
4.
0.5 ± 0.2
0.55 ± 0.2
14.5 ± 0.5
7.3 ± 0.4
10.5 ± 0.5
13.5 ± 0.4
15.5 ± 0.5
8.3 ± 0.4
4.3 ± 0.4
3.3 ± 0.5
17.0 ± 0.4
TUBE LENGTH = 520mm ± 1.0
TUBE LENGTH = 530mm ± 2.0
6.
5.
0.6 ± 0.15
12.0 ± 0.4
11.0 ± 0.4
9.4 ± 0.4
0.55 ± 0.2
16.15 ± 0.35
12.35 ± 0.35
12.6 ± 0.4
9.12 ± 0.4
19.2 ± 0.35
11.6 ± 0.35
5.3 ± 0.4
17.0 ± 0.4
7.1 ± 0.35
21.0 ± 0.35
TUBE LENGTH = 530mm ± 2.0
TUBE LENGTH = 520mm ± 2.0
342
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KATALOG-2006+APPLICATIONS-2006-03-07.qxp
31.03.2006
13:47
Seite 343
Tubes
8.
7.
0.55 ± 0.2
22.7 ± 0.35
0.5 ± 0.2
11.3 ± 0.35
24.0 ± 0.35
12.3± 0.35
18.3 ± 0.35
21.3 ± 0.35
7.85 ± 0.35
9.0 ± 0.35
TUBE LENGTH = 520mm ± 2.0
TUBE LENGTH = 520mm ± 2.0
9.
10.
0.8 ± 0.2
22.7 ± 0.35
0.55 ± 0.2
13.8 ± 0.35
18.3 ± 0.35
22.0 ± 0.5
15.45 ± 0.5
3.5 ± 0.5
13.5 ± 0.5
31.50 ± 0.5
8.85 ± 0.35
TUBE LENGTH = 538mm ± 2.0
TUBE LENGTH = 252mm ± 2.0
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Seite 344
Tubes
11.
54.0 ± 0.5
50.0 ± 0.5
22.0 ± 0.5
20.0 ± 0.5
7.0 ± 0.5
1.2 ± 0.2
6.0 ± 0.5
10.0 ± 0.5
15.0 ± 0.5
TUBE LENGTH = 292mm ± 2.0
12.
54.0 ± 0.5
50.0 ± 0.5
22.0 ± 0.5
20.0 ± 0.5
7.0 ± 0.5
1.2 ± 0.2
6.0 ± 0.5
10.0 ± 0.5
15.0 ± 0.5
TUBE LENGTH = 254mm ± 2.0
13.
80.0 ± 0.5
1.2 ± 0.2
0.5 ± 0.5
22.0 ± 0.5
9.0 ± 0.5
21.0 ± 0.5
344
TUBE LENGTH = 256mm ± 5.0
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Tubes
No.
Types
1.
RO, RM, RE, ROM, RB, RBM, RK, RH, RP, RU, RI, RD, REZ, RKZ, RUZ, RY,
RxxTR, R-78xx
RS, RSO,
RL, RN, RF, RA, RC, RX
RSS, RSD, RQS, RQD, RZ, R-78Axx SMD
RTD, RTS, RSZ
RV, RW, RxxPxx, RxxP2xx
R5, R6, R7, REC1.5-, REC1.8-, REC3-, REC5-, REC7.5RAA
RP08, RP12
RP08-SMD, REC2.2-SMD, REC3-SMD, REC5-SMD, REC7.5-SMD
REC10, REC15, REC20, REC30, REC40
RP10, RP15, RP20, RP30, RP40
RP40-E
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
9.
10.
11.
12.
13.
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