Application Note AN:002 PRM and VTM Parallel Operation PRM / VTMペア2つの並列運転 By Jeff Ham Principal Product Line Engineer, PRM / Brick / Configurables 目次 Page はじめに このアプリケーションノートでは、PRM-AL と VTM とのペアを 2 つ並列に使用して、マスター / スレー はじめに 1 接続方法 1 注意事項 2 ブ構成によって電力分担を行う方法について説明します。 接続方法 電力を増大するために PRM-AL と VTM のペアを 2 つ配置し、電流分担を達成することは、比較的容易 です。まず、PRM のデータシートに詳述される必要な設定、および、PRM/VTM の相互接続を行った 一般的な電源の 並列接続について 2 V・I Chipの並列構成 3 PCBレイアウト 3 評価ボード 3 テストデータ 4 5.2 つの PRM の PR 端子を共に接続する さいごに 4 6.2 つの PRM の PC 端子を共に接続する 上で、さらに下記のステップに従って接続を追加します。Fig. に概略を示します。 .2 つの PRM の+ Input 端子を共に接続する 2.2 つの PRM の− Input 端子を共に接続する .2 つの PRM の+ Output 端子を共に接続する 4.2 つの PRM の− Output 端子を共に接続する 7. つの PRM の SC 端子を SG 端子に接続する(その PRM はスレーブ動作となります) L1 Figure1 相互接続図 VC PC TM IL NC PR PRM-AL +In Vin VH SC SG OS NC CD Ros Rcd +Out L2 C1 –In +Out +In TM VC PC VTM +Out -In –Out L O A D -Out -Out L3 VC PC TM IL NC PR PRM-AL +In VH SC SG OS NC CD L4 +Out TM VC PC C2 –In +Out +In -In –Out VTM -Out +Out -Out この並列構成において、冗長性はありません。冗長運転のための並列接続、過度のダイナミック負荷 変動への対処については、さらに多くのペアの並列運転と同様に、別のアプリケーションノートで扱 うことになります。 vicorpower.jp アプリケーション・エンジニアリング部 Rev. 1.0 03-5487-5407 AN:002 of 4 Application Note AN:002 注意事項 PR バスに外付けのコンデンサを接続しないで下さい。 いくつかの負荷条件、もしくはフォルト条件下において、VTM の双方向特性にために、 つのペアが もう一方のペアのファクトライズド・バス(相互に接続された PRM と VTM との間のパワーライン)を ドライブする可能性があります。これを防ぐために、オアダイオードを逆流防止用として VTM の入力 に追加するか、もしくはシステムの制約からこれらのオアダイオードの電力損失が許容できない場合、 ダイオードを使用する代わりに、それらの 2 つのペアのファクトライズド・バスを並列接続します。 一般的な電源の並列接続について 伝統的に、DC-DC コンバータは、その出力電圧を検出して内部の基準電圧と比較することによって、 予め設定された値に出力電圧を一定化します。そのために、スイッチング周波数、もしくはパルス幅 を調節します。それらのコンバータは、その電流制限、もしくは電力制限のどちらかに達するまで電 圧レギュレーションを維持するように定電流電源、もしくは定電力電源として動作することができま す。定電流電源では、その制限を超えたときに電圧が垂下し、電流が固定した状態を維持します。 2 つの定電圧 DC-DC コンバータを電力増大のために並列に構成するときに、それらの入力、出力をそ れぞれ接続することだけでは、負荷電流は均等に分担されません。 それぞれのコンバータは、その出力をサンプリングし設定電圧を維持するために、その基準と比較し ています。製造上のばらつき、及び、回路インピーダンスの不均衡のために、 つの電源が常にもう 一方よりも設定電圧が高くなります。説明されたように 2 つの電源を並列に動作することに関して、 つはその出力よりも高い電圧を検知して、出力動作が停止して「待機」状態となります。 その待機状態のコンバータは、その出力端子上の電圧がその設定点より下に低下するまで、電流供給 を開始しないでしょう。回路インピーダンスにもよりますが、電流供給を行っているコンバータがそ の電流制限値に達してその電圧を垂下させるまで、待機状態のコンバータによる電流供給は開始され ません。最終的に負荷はバランスしていきますが、多くの場合完全に均等な電流分担にはなりません。 この簡単な「オーバーフロー方式」では、全負荷条件では分担精度が高くなる反面、軽負荷条件では悪 化します。 電流分担精度を最適化するためには、抵抗を追加し、各コンバータを調節することによって、このオー バーフロー方式を改善できます。しかしながらこの改善は、それぞれの出力電圧の設定を個々に調節 するという犠牲のうえに成り立っています。 vicorpower.jp アプリケーション・エンジニアリング部 Rev. 1.0 03-5487-5407 AN:002 of 4 Application Note AN:002 V ・ I Chip の並列構成 V ・ I Chip トポロジーはユニークで、先ほどのコンバータとは異なった動作を示します。PRM は、そ の電流制限を超えると電流を給電することができません。それらはシャットダウンし、再起動シーケ ンスを開始します。並列に構成したときに、それらのデバイスの非同期性と固有の起動遅れのために、 つのペアにこのシャットダウンが起きると、同時にもう一方のペアも電流制限に達してシャットダ ウンする可能性があります。したがって、従来のコンバータのようにオーバーフロー方式を使用する ことはできません。PRM の PR 端子、および、PC 端子の機能を使用して、ペア同士での正確な電流分 割を行う必要があります。 PCB レイアウト PCB レイアウトの詳細については、アプリケーションノート AN:005「FPA プリント基板レイアウトガ イドライン」をご参照下さい。 評価ボード Fig.2 に示すのは、評価ボード PRM-CB と VTM-CB とを使用した構成です。これらの評価ボードにつ いては Vicor のウェブサイト(http://www.vicorpower.jp/)をご参照下さい。 PRM 評価ボードは、2 つのペアが並列に接続された場合に PR バスの等価インピーダンスが 0kΩにな るように、ボード上の PR と SG との間に 20kΩの抵抗が接続されています。 (もしも評価ボードを 2 つ 以上並列に接続するときは、その 20kΩの抵抗を“ボード数”× 0kΩに交換する必要があります。) この Fig.2 の構成における各ペアは、6VA を出力することができ、2 個並列では 6A 定格となります。 公称入力電圧は 28Vdc です。 マスター Figure2 MP028F06M2AL-CB と MV06F60M00-CB との ペアを 2 つ接続。 上側はマスター、下側はスレーブ として動作している。 マスターは“アダプティブループ” + Vout 構成に設定されている。 PR Bus PC Bus − Vout + Vin − Vin スレーブ vicorpower.jp アプリケーション・エンジニアリング部 Rev. 1.0 03-5487-5407 AN:002 of 4 Application Note AN:002 Figure3 Vin28V における 負荷電流分担の様子 Measured Output Current (A) テストデータ Current Share at 28 Vin 3.5 3 2.5 2 Master Slave 1.5 1 0.5 0 0 1 2 3 4 5 6 7 Load Set Current (A) 無負荷から全負荷まで変化したときの静的な出力電圧変動は最大 0.8V、もしくは、0.49% です。こ れについての測定ポイントは、負荷へ接続した共通のポイントで接続しています。Fig. のテストデー タは、公称入力電圧 25˚C、静的な負荷条件で測定されました。 さいごに PR インターフェースを使用する V ・ I Chip の並列運転によって電力容量を増大することは容易で、高 帯域 / 高スルーレートが必要とされない多くのアプリケーションには理想的です。 vicorpower.jp アプリケーション・エンジニアリング部 Rev. 1.0 03-5487-5407 AN:002 of 4