MAX V デバイス・ファミリの概要

1.MAX V デバイス・ファミリの概要
この資料は英語版を翻訳したもので、内容に相違が生じる場合には原文を優先します。こちらの日本語版は参考用としてご利用ください。設計の際
には、最新の英語版で内容をご確認ください。
MV51001-1.1
低価格で低消費電力という特徴を兼ね備えたアルテラの MAX® V CPLD は、ほかの
CPLD より多くの集積度および面積あたりの I/O 数を提供します。40 個から 2210
個のロジック・エレメント(LE)(すなわち 32 ~ 1700 個の等価マクロセル)の集
積度範囲および最大 271 個の I/O で提供される MAX V デバイスは、I/O 拡張、バ
ス・ブリッジ、プロトコル・ブリッジ、消費電力の監視と制御、FPGA コンフィ
ギュレーション、およびアナログ IC インタフェースなどのアプリケーションに対し
てプログラマブル・ソリューションを提供します。
MAV V デバイスはオンチップのフラッシュ・ストレージ、内蔵オシレータ、および
メモリ機能を備えています。MAX V CPLD のトータル消費電力は同等集積度の競合
CPLD の半分程度で、単一電源で駆動できるため、低消費電力デザインの要件を満
たすのに役立ちます。
この章は、以下の項で構成されています。
■
1-1 ページの「特長の概要」
■
1-3 ページの「統合ソフトウェア・プラットフォーム」
■
1-4 ページの「デバイス・ピン配置」
■
1-4 ページの「製品コード」
特長の概要
以下に、MAX V デバイス・ファミリの特長をまとめます。
■
低コストと低消費電力で不揮発性アーキテクチャを提供
■
インスタント・オン(0.5 ミリ秒以下)のコンフィギュレーション時間
■
わずか 25 uA の低い待機時電流、迅速なパワーダウン / リセット動作
■
高速伝播遅延および Clock-to-Output タイム
■
内蔵オシレータ
■
200 Mbps までのデータ・レートに対応しているエミュレートされた RSDS 出力を
サポート
■
304 Mbps までのデータ・レートに対応しているエミュレートされた LVDS 出力を
サポート
■
ロジック・アレイ・ブロック(LAB)ごとに 2 つのクロックを使用できる 4 つのグ
ローバル・クロック
■
最大 8 ビットの不揮発性情報を格納するユーザー・フラッシュ・メモリ(UFM)
ブロック ( 最大 1000 リード / ライト・サイクルまで )
■
デバイス・コアに電源を供給する単一の 1.8V 電源
■
3.3 V、2.5 V、1.8 V、1.5 V および 1.2 V のロジック・レベルをサポートする
MultiVolt I/O インタフェース
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MAX V デバイス・ハンドブック
2011 年 1 月
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MAX V デバイス・ファミリの概要
特長の概要
1–2
■
プログラマブル・スルー・レート、ドライブ強度、バス・ホールド、およびプロ
グラマブル・プルアップ抵抗など、バスを扱いやすいアーキテクチャ
■
耐ノイズ製に優れた入力を可能にするシュミット・トリガ(ピンごとにプログラ
ム可能)
■
I/O が 3.3V の PCI-SIG® PCI Local Bus Specification(Rev. 2.2)に完全準拠
■
ホット・ソケット仕様に準拠
■
IEEE Std. 1149.1-1990 準拠の JTAG(Joint Test Action Group)バウンダリ・ス
キャン・テスト(BST)回路を内蔵
表 1-1 に、MAX V ファミリの機能を示します。
表 1-1. MAX V ファミリの機能
機能
5M40Z
5M80Z
5M160Z
5M240Z
5M570Z
5M1270Z
5M2210Z
LE
40
80
160
240
570
1,270
2,210
標準等価マクロセル数
32
64
128
192
440
980
1,700
8,192
8,192
8,192
8,192
8,192
8,192
8,192
グローバル・クロック
4
4
4
4
4
4
4
内蔵オシレータ
1
1
1
1
1
1
1
最大ユーザ I/O ピン数
54
79
79
114
159
271
271
tPD1 (ns) (1)
7.5
7.5
7.5
7.5
9.0
6.2
7.0
fCNT (MHz) (2)
152
152
152
152
152
304
304
tSU (ns)
2.3
2.3
2.3
2.3
2.2
1.2
1.2
tCO (ns)
6.5
6.5
6.5
6.5
6.7
4.6
4.6
ユーザー・フラッシュ・メモリ(ビット)
表 1-1 の注:
(1) tPD1 は、デバイスを対角線上に横切るパスを使用し、単一 LUT と出力ピンに隣接する LAB に組み合わせロジックを実装した
ワースト・ケースの I/O 配置に対するピン間遅延を表します。
(2) 最大グローバル・クロック周波数(fCNT)は、クロック入力ピンに対する I/O 規格によって制限されます。16 ビット・カウン
タのクリティカル遅延は、この値よりも高速になります。
MAX V デバイスは、VCCINT ピンで 1.8V を受け入れます。1.8 V VCCINT 外部電源は、
デバイス・コアに直接電源供給します。MAX V デバイスは、内部では 1.8 V で動作
します。サポートされる MultiVolt I/O インタフェース電圧レベル(VCCIO)は 1.2 V、
1.5 V、1.8 V、2.5 V, および 3.3 V です。
MAX V デバイスは、–4 および –5 の 2 つのスピード・グレードで提供されており、
–4 が最も高速です。商用アプリケーションの場合、–C4 および –C5 のスピード・グ
レードが提供されています。工業用アプリケーションの場合は、–I5 のスピード・グ
レードが提供されています。これらのスピード・グレードは、全体的な相対性能を表
すもので、特定のタイミング・パラメータを表すものではありません。
f 各スピード・グレードおよび集積度における伝播遅延タイミングの数値については、
「DC and Switching Characteristics for MAX V Devices」の章を参照してください。
MAX V デバイスは、実装スペースを節減する FineLine BGA(FBGA)、Micro
FineLine BGA(MBGA)、プラスチック・エンハンスト・クワッド・フラット・パッ
ク(EQFP)
、および薄型クワッド・フラット・パック(TQFP)パッケージで提供
されています(表 1-2 および表 1-3 を参照)。MAX V デバイスは、同一パッケージ
におけるバーティカル・マイグレーションをサポートしています(例えば、256 ピ
MAX V デバイス・ハンドブック
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統合ソフトウェア・プラットフォーム
1–3
ン FineLine BGA パッケージの 5M570Z、5M1270Z、5M2210Z デバイス間でマイグ
レーションが可能です)。バーティカル・マイグレーションとは、専用ピンおよび
JTAG ピンが同じで、電源ピンが各デバイス集積度において、特定のパッケージに対
するサブセットまたはスーパーセットとなるデバイスにマイグレーションできるこ
とを意味します。どのパッケージにおいても、集積度が最大のデバイスが電源ピンを
最も多く備えています。したがって、マイグレーションに必要な電源ピンを供給す
るには、該当するパッケージの計画最大集積度に対応してレイアウトすることが必
要です。I/O ピンのマイグレーションでは、I/O ピンがマイグレーション可能かを確
認するために所定のパッケージ・タイプの計画されるすべての集積度に対するデバ
イスのピン配置を利用して、使用可能な I/O ピンを照合させる必要があります。
Quartus® II ソフトウェアは、デバイスのマイグレーション・リストが指定されると、
自動的に相互参照を行ってすべてのピンをマイグレーションに対応させて配置しま
す。
表 1-2. MAX V パッケージおよびユーザー I/O ピン ( 注 1)
64 ピン
MBGA
64 ピン
EQFP
68 ピン
MBGA
100 ピン
TQFP
100 ピン
MBGA
144 ピン
TQFP
256 ピン
FBGA
324 ピン
FBGA
5M40Z
30
54
—
—
—
—
—
—
5M80Z
30
54
52
79
—
—
—
—
5M160Z
—
54
52
79
79
—
—
—
5M240Z
—
—
52
79
79
114
—
—
5M570Z
—
—
—
74
74
114
159
—
5M1270Z
—
—
—
—
—
114
211
271
5M2210Z
—
—
—
—
—
—
203
271
デバイス
表 1-2 の注:
(1) 同じ矢印の区分にあるデバイス・パッケージはバーティカル・マイグレーションが可能です。
表 1-3. MAX V のパッケージ・サイズ
64 ピン
MBGA
64 ピン
EQFP
68 ピン
MBGA
100 ピン
TQFP
100 ピン
MBGA
144 ピン
TQFP
256 ピン
FBGA
324 ピン
FBGA
ピッチ(mm)
0.5
0.4
0.5
0.5
0.5
0.5
1
1
面積(mm2)
20.25
49
25
196
36
400
289
361
4.5 × 4.5
7×7
5×5
14 × 14
6×6
20 × 20
17 × 17
19 × 19
パッケージ
長さ × 幅
(mm × mm)
統合ソフトウェア・プラットフォーム
Quartus II ソフトウェアは、HDL および回路図によるデザイン入力、コンパイルお
よび論理合成、完全なシミュレーションおよび最新のタイミング解析、および
MAX V デザインのプログラミングなどの機能に対する統合環境を提供します。
f QuartusII ソフトウェアの機能について詳しくは、「Quartus II Handbook」を参照し
てください。
Quartus II ソフトウェアのイン・システム・ソースおよびプローブ・エディタによっ
て MAX V デザインをデバッグできます。この機能により、任意の内部信号を容易に
制御でき、完全にダイナミックなデバッグ環境を提供します。
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MAX V デバイス・ハンドブック
MAX V デバイス・ファミリの概要
デバイス・ピン配置
1–4
f イン・システム・ソースおよびプローブ・エディタについて詳しくは、「Quartus II
ハンドブック」の 「Design Debugging Using In-System Sources and Probes」の章
を参照してください。
デバイス・ピン配置
f 詳細については、「MAX V Device Pin-Out Files」のページを参照してください。
製品コード
図 1-1 に、MAX V デバイスの製品コードを示します。
図 1-1. MAX V デバイスの製品コード情報
5M
40Z
E
64
C
4
N
Family Signature
5M:
Optional Suffix
MAX V
Indicates specific device
options or shipment method
N: Lead-free packaging
Device Type
40Z:
80Z:
160Z:
240Z:
570Z:
1270Z:
2210Z:
Speed Grade
40 Logic Elements
80 Logic Elements
160 Logic Elements
240 Logic Elements
570 Logic Elements
1,270 Logic Elements
2,210 Logic Elements
4 or 5, with 4 being the fastest
Operating Temperature
C: Commercial temperature (TJ = 0° C to 85° C)
I: Industrial temperature (TJ = -40° C to 100° C)
Package Type
T:
F:
M:
E:
Thin quad flat pack (TQFP)
FineLine BGA (FBGA)
Micro FineLine BGA (MBGA)
Plastic Enhanced Quad Flat Pack (EQFP)
Pin Count
Number of pins for a particular package
改訂履歴
表 1-4 に、本資料の改訂履歴を示します。
表 1-4. 改訂履歴
日付
バージョン
2011 年 1 月
1.1
2010 年 12 月
1.0
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変更内容
「特長の概要」の項を更新。
初版。
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2011 年 1 月