SM5950BM 非同期サンプルレートコンバータ ■概要 SM5950BM は、ディジタルオーディオ信号のサンプルレートを非同期に変換する機能をもつサンプルレート コンバータ専用 LSI です。入出力インターフェースは、16/20/24 ビット語長の入力データ、16/20/24 ビット語 長の出力データに対応しています。また、ディジタルディエンファシスフィルタ、ダイレクトミュートなどの 機能も内蔵しています。 ■特長 ■端子配置図 (Top view) ●機能 • L/R の 2 チャンネル処理 ( ステレオ処理 ) • 入力サンプルレート範囲:20kHz ∼ 100kHz LRCI 1 24 LRCO BCKI 2 23 BCKO DI 3 22 DOUT 0.45 倍∼ 2.205 倍の任意 (*1) fsi = 入力サンプルレート TMOD0 4 21 SLAVE RSTN 5 20 SCKO fso = 出力サンプルレート VDD 6 19 VSS • 出力サンプルレート範囲:30kHz ∼ 50kHz • 動作可能なサンプルレート変換比 (fso/fsi) (*1) 出力側のタイミング (クロック入力 ) は • 入力側、 非同期 • システムクロック入力 IISO 17 OMOD0 IMOD1 9 16 OMOD1 DEEM 10 15 TMOD1 FS0 11 14 THROU FS1 12 13 DMUTE ■外形寸法図 (Unit:mm) Weight:0.23g 入力データのダイレクト出力が可能 • 出力データ用クロック (LRCO, BCKO) 10.20 ± 0.30 スレーブモード :外部より入力する マスターモード :出力側システムクロック入力をもとに 内部で発生し出力する • 丸め演算処理 + 0.15 − 0.10 0.05 5.40 ± 0.20 10.05 ± 0.20 0.8 0.36 ± 0.10 0.10 • パッケージ:24 ピン SSOP ■オーダーインフォメーション Device Package SM5950BM 24-pin SSOP 0.12 M 0.10 ± 0.10 接入力が可能 • 3.3V 単ー電源 1.80 通常丸め処理 • 5V tolerant入力端子により5Vデバイスからの直 0.50 ± 0.20 • スルーモード 18 8 7.80 ± 0.30 IIR フィルタ構成 44.1kHz, 48kHz, 32kHz の fsi に対応 • ダイレクトミュート機能 7 0 to 10 + 0.20 1.90 − 0.10 入力側システムクロック :1fsi (LRCI 端子で代用 ) 出力側システムクロック :512fso (SCKO 端子に入力 ) • ディエンファシスフィルタ機能 IISI IMOD0 注 ) 公差なき寸法は参考値 SEIKO NPC CORPORATION —1 SM5950BM ■特長 ●インターフェース ●変換性能 • 入力データフォーマット • 内部データ語長:20 ビット 2の補数形式/MSBファースト/LR交互シリアル IIS/ 非 IIS フォーマット フォーマット IMOD0 IMOD1 IISI 16bit MSB ファースト 後詰め L L L 20bit MSB ファースト 後詰め H L L 24bit MSB ファースト 後詰め L H L MSB ファースト前詰め ( 有効データ先頭 16bit) H H L IIS ( 有効データ先頭 16bit) H or L H or L H 理想フィルタ特性からの偏差 ゲイン特性 ± 0.03dB • アンチエリアジング LPF の特性 (6 種類の FIR フィルタ ) 入出力サンプ ルレート変換比による最適 フィルタの自動選択 1) アップコンバート用 LPF 1.0 ∼ 2.205 倍 2) ダウンコンバート用 LPF I 0.92 倍近傍:48.0kHz → 44.1kHz 3) ダウンコンバート用 LPF II 0.73 倍近傍:44.1kHz → 32.0kHz 4) ダウンコンバート用 LPF III 0.67 倍近傍:48.0kHz → 32.0kHz • 出力データフォーマット 2の補数形式/MSB ファースト/LR交互シリアル ビットクロック連続 (64fso) フォーマット • ディエンファシスフィルタ特性 (IIR フィルタ ) OMOD0 OMOD1 IISO 5) ダウンコンバート用 LPF IV 0.50 倍近傍:96.0kHz → 48.0kHz 6) ダウンコンバート用 LPF V 0.45 倍近傍:96.0kHz → 44.1kHz 16bit MSB ファースト 後詰め L L L 20bit MSB ファースト 後詰め H L L 24bit MSB ファースト 後詰め L H L 内部演算ノイズ:−96dB 以下 MSB ファースト前詰め (16bit 出力 ) H H L 出力丸めノイズ: 16 ビット出力時 −98dB H or L H or L H IIS (16bit 出力 ) 通過帯域リップル ± 0.0001dB 阻止帯域減衰量 > 98dB • 変換に際して付加されるノイズ量 20 ビット出力時 −122dB 24 ビット出力時 −146dB 総合出力理論 S/N ●構造 • シリコンゲート CMOS ●用途 • ディジタルオーディオ装置間のサンプルレート 変換 (AV アンプ , CD-R/RW, DAT, MD, DVC 等 ) • 録音 / 編集機器のサンプルレート変換 入力信号ビット数 出力信号 ビット数 16 ビット 20 ビット 24 ビット 16 ビット −92.5dB −94.0dB −94.0dB 20 ビット −93.9dB −96.2dB −96.2dB 24 ビット −93.9dB −96.2dB −96.2dB SEIKO NPC CORPORATION —2 SM5950BM ■ブロック図 LRCI BCKI DI IMOD0 Input data interface IMOD1 IISI SCKO Sequencer block Arithmetic operation block Interpolation operation Interpolation filter operation RSTN Output data operation DEEM Deemphasis filter operation FS0 FS1 Conversion rate detector Filter type selector Output operation Output timing operation IISO OMOD0 Output data interface OMOD1 THROU SLAVE Though, mute, and slave mode control DMUTE LRCO BCKO DOUT SEIKO NPC CORPORATION —3 SM5950BM ■端子説明 設定 端子番号 端子名 I/O 機能 1 LRCI I サンプルレートクロック入力端子 (fsi) 2 BCKI I ビットクロック入力端子 (32fsi ∼ 64fsi) 3 DI I データ入力端子 4 TMOD0 I IC テスト設定端子 ( 通常は L で使用して下さい ) 5 RSTN I リセット入力端子 6 VDD − VDD 端子 (3.3V) 7 IISI I IIS 入力設定端子 8 IMOD0 I 入力フォーマット設定端子 0 9 IMOD1 I 入力フォーマット設定端子 1 10 DEEM I ディエンファシス設定端子 11 FS0 I ディエンファシス周波数設定端子 0 12 FS1 I ディエンファシス周波数設定端子 1 13 DMUTE I ダイレクトミュート設定端子 14 THROU I スルーモード設定端子 15 TMOD1 I IC テスト設定端子 ( 通常は L で使用して下さい ) 16 OMOD1 I 出力フォーマット設定端子 1 17 OMOD0 I 出力フォーマット設定端子 0 18 IISO I IIS 出力設定端子 19 VSS − GND 端子 (0V) 20 SCKO I 出力側システムクロック入力端子 (512fso) 21 SLAVE I スレーブ設定端子 22 DOUT O データ出力端子 23 BCKO I/O ビットクロック入出力端子 (64fso) 24 LRCO I/O サンプルレートクロック入出力端子 (fso) H L Test Normal Reset ON OFF ON OFF Through SRC Test Normal Slave Master SEIKO NPC CORPORATION —4 SM5950BM ■絶対最大定格 V SS = 0V, VDD 端子電圧 = V DD 項目 記号 電源電圧 条件 定格 単位 V DD −0.3 ∼ 4.6 V 入力電圧 VI −0.3 ∼ 5.5 V 出力電圧 VO −0.3 ∼ V DD + 0.3 V 保存温度 T STG −55 ∼ 125 °C 消費電力 PW 400 mW ( 注 ) 電源の投入 / 切断時にも適応します。 ■推奨動作条件 V SS = 0V, VDD 端子電圧 = V DD 項目 記号 電源電圧 動作温度 規格 条件 単位 MIN TYP MAX V DD 3.0 3.3 3.6 V T OPR −40 25 85 °C ■電気的特性 ● DC 特性 V SS = 0V, VDD = 3.0 ∼ 3.6V, Ta = −40 ∼ 85°C 項目 端子 記号 消費電流 VDD IDD 入力電圧 (*1)(*3) 出力電圧 (*2)(*3) 入力リーク電流 (*1)(*3) 規格 条件 MIN (*A) 単位 TYP MAX 22.0 30.0 mA VIH 2.0 5.5 V VIL 0 0.7 V 2.4 VDD V 0 0.4 V V OH IOH = −2.0mA V OL IOL = 2.0mA ILH VIN = V DD −1.0 1.0 µA ILL VIN = 0V −1.0 1.0 µA (*A) 全出力端子無負荷、システムクロック周波数 FSCKO = 24.576MHz、入力ワードクロック周波数 FLRCI = 48kHz、電源電 圧 V DD = 3.3V ( 注 ) 端子については、下記「⃝端子種別」をご参照下さい。 ○端子種別 記号 種別 端子名 (*1) 入力端子 LRCI, BCKI, DI, TMOD0, RSTN, IISI, IMOD0, IMOD1, DEEM, FS0, FS1, DMUTE, THROU, TMOD1, OMOD1, OMOD0, IISO, SCKO, SLAVE (*2) 出力端子 DOUT (*3) 入出力端子 BCKO, LRCO 注 ) SM5950BM は、入力端子、入出力端子に 5V tolerant I/O を使用しております。よって、入力電圧は、VDD が動作保証 電圧範囲内であれば最大 5.5V まで印加可能です。VDD が動作保証電圧以下で VDD 電圧以上 5.5V 以下の電圧が入力 端子に印加された場合、デバイス自身の破壊には至りませんが、入力端子から電源電圧 (VDD) への逆流電流が発生す る可能性があります。また、入出力端子が、入力状態に設定されている場合は、最大 5.5V までの電圧印加が可能で すが、出力状態に設定されている場合は、VDD レベルまでしか出力電圧は上昇しません。出力状態に設定して外部プ ルアップ等で VDD レベル以上の電圧に設定することは禁止します。 SEIKO NPC CORPORATION —5 SM5950BM ● AC 特性 ○出力側システムクロック (SCKO 端子入力 ) 規格 項目 記号 条件 MIN TYP MAX 単位 tCY 39.0 65.1 ns クロックパルス幅 (H 区間 ) t CWH 15.6 39.1 ns クロックパルス幅 (L 区間 ) tCWL 15.6 39.1 ns 40 60 % クロックパルス周期 クロックパルス duty VIH SCKO 0.5VDD V IL t CWH t CWL t CY ○リセット入力 (RSTN 端子入力 ) 規格 項目 RSTN パルス幅 記号 t RST 条件 MIN TYP MAX 39 単位 ns VIH RSTN 0.5VDD V IL t RST SEIKO NPC CORPORATION —6 SM5950BM ○シリアル入力 (LRCI, BCKI, DI 端子入力 ) 規格 項目 記号 条件 MIN TYP 単位 MAX LRCI 周期 tLICY 10 50 µs BCKI パルス周期 t BICY 156.25 1562.5 ns BCKI パルス幅 (H 区間 ) tBICWH 60 ns BCKI パルス幅 (L 区間 ) t BICWL 60 ns DI セットアップタイム t DIS 30 ns DI ホールドタイム tDIH 30 ns ラスト BCKI 立ち上がり → LRCI エッジ t BLI 30 ns LRCI エッジ → ファースト BCKI 立ち上がり t LBI 30 ns VIH LRCI 0.5VDD V IL t BLI t LBI VIH 0.5VDD BCKI V IL t BICWH t BICWL t BICY VIH 0.5VDD DI V IL t DIS t DIH SEIKO NPC CORPORATION —7 SM5950BM ○シリアル出力 (LRCO, BCKO 端子入力 , DOUT 端子出力 ) (SLAVE = H 時 ) 規格 項目 記号 条件 MIN TYP 単位 MAX LRCO 周期 t LOCY 20 33.34 µs BCKO パルス周期 t BOCY 312.5 520.8 ns BCKO パルス幅 (H 区間 ) tBOCWH 125 ns BCKO パルス幅 (L 区間 ) t BOCWL 125 ns ラスト BCKO 立ち上がり → LRCO エッジ t BLO 30 ns LRCO エッジ → ファースト BCKO 立ち上がり t LBO 30 ns t DODL DOUT 出力遅延 CL = 15pF 30 ns VIH LRCO 0.5VDD V IL t BLO t LBO VIH 0.5VDD BCKO V IL t BOCWH t BOCWL t BOCY VOH 0.5VDD DOUT V OL t DODL SEIKO NPC CORPORATION —8 SM5950BM ○シリアル出力 (LRCO, BCKO, DOUT 端子出力 ) (SLAVE = L 時 ) 規格 項目 記号 条件 MIN TYP 単位 MAX t LOCY 512 t CY LRCO パルス幅 (H 区間 ) tLOCWH 256 t CY LRCO パルス幅 (L 区間 ) t LOCWL 256 t CY t BOCY 8 t CY BCKO パルス幅 (H 区間 ) tBOCWH 4 t CY BCKO パルス幅 (L 区間 ) t BOCWL 4 t CY LRCO 周期 BCKO パルス周期 BCKO 出力遅延 t BODL CL = 15pF 30 ns LRCO 出力遅延 tLODL CL = 15pF 30 ns DOUT 出力遅延 t DODL CL = 15pF 30 ns t CY = 出力側システムクロック (SCKO 端子入力 ) 周期 VIH 0.5VDD SCKO V IL t BODL t BODL t LODL VOH 0.5VDD LRCO V OL VOH 0.5VDD BCKO V OL t BOCWH t BOCWL t BOCY VOH 0.5VDD DOUT V OL t DODL SEIKO NPC CORPORATION —9 SM5950BM ■機能説明 ●入力インターフェース設定 (IMOD0, IMOD1, IISI 端子 ) ○入力データフォーマット 2 の補数形式 /MSB ファースト /LR 交互シリアル フォーマット IMOD0 IMOD1 IISI 16bit MSB ファースト後詰め L L L 20bit MSB ファースト後詰め H L L 24bit MSB ファースト後詰め L H L MSB ファースト前詰め ( 有効データ:先頭 16bit) H H L H or L H or L H IIS ( 有効データ:先頭 16bit) ○入力タイミング 各入力フォーマットに応じて「■タイミングチャート ( ●入力タイミング )」に示すタイミングで入力 して下さい。 ●出力側システムクロック (SCKO 端子 ) 出力側のサンプリング周波数 (fso) の 512 倍の周波数のクロックを入力して下さい。マスターモードでは、 このクロックから分周して LRCO, BCKO を作成します。また、内部演算回路のシステムクロックとしても 使用されます。 ●出力インターフェース設定 (OMOD0, OMOD1, IISO, THROU, SLAVE 端子 ) ○出力データフォーマット 2 の補数形式 /MSB ファースト /LR 交互シリアル フォーマット OMOD0 OMOD1 IISO 16bit MSB ファースト後詰め L L L 20bit MSB ファースト後詰め H L L 24bit MSB ファースト後詰め L H L MSB ファースト前詰め (16bit 出力 ) H H L H or L H or L H IIS (16bit 出力 ) ○出力モード選択 端子設定 THROU 機能 SLAVE モード L マスター LRCO, BCKO は、SCKO 入力クロックから分周し 出力端子となる て作られる H スレーブ LRCO, BCKO は、外部から供給される H or L スルー L H 説明 LRCO, BCKO 端子 入力端子となる LRCO, BCKO, DOUT は、LRCI, BCKI, DI 入力がそ のまま出力される 出力端子となる ( 注 ) DMUTE は有効 ○出力タイミング 各出力フォーマットのタイミングは、 「■タイミングチャート ( ●出力タイミング )」を参照して下さい。 スレーブモード時は、各出力フォーマットに応じて「■タイミングチャート ( ●出力タイミング )」に 示すタイミングで LRCO, BCKO を入力して下さい。また、スルーモードでは、出力データフォーマット 設定に関係なく入力された LRCI, BCKI, DI がそのまま出力されます。 SEIKO NPC CORPORATION —10 SM5950BM ●システムリセット (RSTN 端子 ) 下記の場合、正常な変換動作を行うため、リセットを行う必要があります。リセットは RSTN 端子に L パ ルスを印加することで行いますが、実際には L から H への立ち上がりでリセットとなります。 • 電源投入時 電源電圧および、LRCI, BCKI, SCKO ( スレーブ時は LRCO, BCKO も含む ) の安定後にリセットを解除 (RSTN = L → H) して下さい。 • LRCI, BCKI の非連続状態が発生した場合 サンプリング周波数の切り換え時や前段 IC の状態によるクロック停止時など、LRCI, BCKI がダイナミッ クに切り換わる、もしくは非連続な状態です。LRCI, BCKI が安定後、リセットを解除 (RSTN = L → H) し て下さい。 • SCKO ( スレーブ時は LRCO, BCKO も含む ) の非連続状態が発生した場合 サンプリング周波数の切り換え時や後段 IC の状態によるクロック停止時など、SCKO, LRCO, BCKO がダ イナミックに切り換わる、もしくは非連続な状態です。SCKO, LRCO, BCKO が安定後、リセットを解除 (RSTN = L → H) して下さい。 リセットが必要なのは、このような状態が発生した場合、変換比の算出において非連続な状態を元にした 異常な変換比となり、出力データが異常な値となる場合があるためです。 ○リセット期間中の出力状態 DOUT 端子は L 固定となります ( リセット解除後は、下記「●ダイレクトミュート」の項参照 )。 また、マスターモードにおいては、LRCO, BCKO 端子も L 固定となります。 ●ダイレクトミュート (DMUTE 端子 ) ○ダイレクトミュートの ON/OFF DMUTE 端子設定 機能 L 設定後の出力ワードからオーディオデータ出力となります H 設定後の出力ワードから 0 データとなります ○その他のミュート動作 リセット入力時にもダイレクトミュートがかかります。 RSTN 端子設定 機能 L 設定後の出力ワードから 0 データとなります H 設定後の 8 出力ワード後から演算データ出力となります SEIKO NPC CORPORATION —11 SM5950BM ●サンプルレート変換 入力と出力のサンプルレートの変換比は、0.45 倍∼ 2.205 倍の任意の変換レートで動作が可能です。入力 側のサンプリングレート (fsi) は、20kHz ∼ 100kHz に対応しており、出力側のサンプルレート (fso) は、30kHz ∼ 50kHz に対応しています。ただし、サンプルレート変換比の制限から fsi = 96kHz, fso = 32kHz といった変 換はできません。 ○アンチエイリアジングフィルタ選択 サンプルレート変換を行う場合のアンチエイリアジングフィルタとして下記の6 種類のフィルタが用意 されており、入力側サンプリング周波数 (LRCI を使用 ) と出力側サンプリング周波数 (SCKO を基準とし て計算 ) の比を自動的に測定し、変換比に応じて最適なアンチエイリアジングフィルタを自動的に選択し ます。 フィルタ fs 変換比 (fso/fsi 測定算出値 ) 選択範囲 対応する変換例 1 1.0 ∼ 2.205 倍 0.969697 倍以上 UP コンバージョン 2 0.91875 倍 0.864865 ∼ 0.969697 倍 48.0 → 44.1 3 0.72562 倍 0.711111 ∼ 0.864865 倍 44.1 → 32.0 4 0.66667 倍 0.627451 ∼ 0.711111 倍 48.0 → 32.0 5 0.50000 倍 0.492308 ∼ 0.627451 倍 96.0 → 48.0 6 0.459375 倍 0.492308 倍以下 96.0 → 44.1 選択されたアンチエイリアジングフィルタの fs 変換比と実際のサンプルレート変換比が一致していな かった場合、次のような現象が生じます。 採りうる状況 発生する現象 実 際のサ ンプル レート 変換比が 選択さ れたフ ィル オーディオ帯域の高域に折り返し雑音を生じます タの変換比より低い場合 実 際のサ ンプル レート 変換比が 選択さ れたフ ィル 本来 は出力 可能な オーディ オ帯域 の高域 がカッ ト タの変換比より高い場合 されます fs 変換比が一定でない場合、変動に対してゆっくりと追従しますが、追従過程でオーディオデータ出力 にノイズが発生する可能性があります。 SEIKO NPC CORPORATION —12 SM5950BM ○変換性能 • 内部データ語長:20 ビット • ディエンファシスフィルタ特性の理想フィルタ特性からの偏差:ゲイン特性 ± 0.03dB • アンチエイリアジングフィルタ特性: 通過帯域リップル ± 0.0001dB 阻止帯域減衰量 > 98dB • 変換に際して付加されるノイズ量 − 内部演算ノイズ: −96dB 以下 − 出力丸めノイズ: 16 ビット出力時 −98dB 20 ビット出力時 −122dB 24 ビット出力時 −146dB 総合出力理論 S/N 入力信号ビット数 出力信号ビット数 16 ビット 20 ビット 24 ビット 16 ビット −92.5dB −94.0dB −94.0dB 20 ビット −93.9dB −96.2dB −96.2dB 24 ビット −93.9dB −96.2dB −96.2dB ○アンチエイリアジングフィルタ特性 48 to 24kHz 48 to 22.05kHz 44.1 to 32kHz 48 to 32kHz up conversion 48 to 44.1kHz 0 Attenuation [dB] -20 -40 -60 -80 -100 -120 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 Frequency [× fsi] 図 1:アンチエイリアジングフィルタ周波数特性 SEIKO NPC CORPORATION —13 SM5950BM ●ディエンファシス (DEEM 端子 ) 本来のディエンファシスフィルタは アナログ回路構成で規定されています。このゲイン、位相特性を忠実 に再現するためディジタルディエンファシスフィルタは IIR 構成とされています。なお、フィルタ係数は、 FS0 端子および FS1 端子の設定により fs = 44.1kHz, 48.0kHz, 32.0kHz の 3種類の fsi 周波数に対応しています。 ○ディエンファシスの ON/OFF DEEM 端子 = L:ディエンファシス OFF DEEM 端子 = H:ディエンファシス ON ○ディエンファシスフィルタ係数選択 FS0, FS1 端子設定によりディエンファシスフィルタの選択を行います。 fsi FS0 FS1 44.1kHz L L 44.1kHz H L 48.0kHz L H 32.0kHz H H ○ディエンファシスフィルタ特性 0.0 Attenuation [dB] -2.0 -4.0 -6.0 -8.0 44.1kHz 48kHz 32kHz -10.0 -12.0 10 100 1000 Frequency [Hz] 10000 100000 図 2:ディエンファシスフィルタ周波数特性 Phase Characteristics θ [degree] 0 32kHz 44.1kHz 48kHz -10 -20 -30 -40 -50 -60 -70 -80 -90 10 100 1000 10000 100000 Frequency [Hz] 図 3:ディエンファシスフィルタ位相特性 SEIKO NPC CORPORATION —14 SM5950BM ●群遅延時間 tINPUT :シリアル入力データ (fsi レート ) の取り込み終了タイミング (LRCI クロックの立ち上がり ) tOUTPUT :シリアル出力データ (fso レート ) の出力開始タイミング (LRCO クロックの立ち上がり ) としたとき、 tOUTPUT − tINPUT = (48.41 ± 8.41)/fsi となります。 1/fs Serial data input (48.41 ± 8.41)/fsi t INPUT 1/fso Serial data output Data waveform image t OUTPUT t OUTPUT – t INPUT t INPUT t OUTPUT ●応答時間 変換レート検出部において検出されるサンプルレート変換比は、その算出にある程度の時間を必要としま す。SM5950BM に供給される入力側サンプリング周波数 (fsi:LRCI を使用 ) と出力側サンプリング周波数 (fso:SCKO を基準として計算 ) が十分に安定しているという前提で、リセット解除後にサンプルレート変 換比が 16bit 精度で求まるまでに必要とされる時間を必要最小応答時間として定義したとき、 応答時間 = 16384/fso (371ms at fso = 44.1kHz) となります。 SEIKO NPC CORPORATION —15 SM5950BM ■タイミングチャート ●入力タイミング (LRCI, BCKI, DI 端子 ) LRCI (fsi) Lch Rch BCKI (64fsi) DI 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 図 4:16 ビット MSB ファースト後詰め (IMOD0 = L, IMOD1 = L, IISI = L) BCKI は 32fsi ∼ 64fsi に対応 LRCI (fsi) Lch Rch BCKI (64fsi) DI 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 図 5:20 ビット MSB ファースト後詰め (IMOD0 = H, IMOD1 = L, IISI = L) BCKI は 40fsi ∼ 64fsi に対応 LRCI (fsi) Lch Rch BCKI (64fsi) DI 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 図 6:24 ビット MSB ファースト後詰め (IMOD0 = L, IMOD1 = H, IISI = L) BCKI は 48fsi ∼ 64fsi に対応 LRCI (fsi) Lch Rch BCKI (64fsi) DI 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 図 7:MSB ファースト前詰め ( 有効データ先頭 16bit 以降のデータは無視 ) (IMOD0 = H, IMOD1 = H, IISI = L) BCKI は 32fsi ∼ 64fsi に対応 LRCI (fsi) Lch Rch BCKI (64fsi) DI 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 図 8:IIS ( 有効データ先頭 16bit 以降のデータは無視 ) (IMOD0 = H, IMOD1 = H, IISI = H) BCKI は 64fsi のみに対応 SEIKO NPC CORPORATION —16 SM5950BM ●出力タイミング (LRCO, BCKO, DOUT 端子 ) LRCO (fso) Lch Rch BCKO (64fso) DOUT 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 図 9:16 ビット MSB ファースト後詰め (OMOD0 = L, OMOD1 = L, IISO = L) BCKO は 64fso のみに対応 LRCO (fso) Lch Rch BCKO (64fso) DOUT 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 図 10:20 ビット MSB ファースト後詰め (OMOD0 = H, OMOD1 = L, IISO = L) BCKO は 64fso のみに対応 LRCO (fso) Lch Rch BCKO (64fso) DOUT 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 図 11:24 ビット MSB ファースト後詰め (OMOD0 = L, OMOD1 = H, IISO = L) BCKO は 64fso のみに対応 LRCO (fso) Lch Rch BCKO (64fso) DOUT 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 図 12:MSB ファースト前詰め (16bit 出力 ) (OMOD0 = H, OMOD1 = H, IISO = L) BCKO は 64fso のみに対応 LRCO (fso) Lch Rch BCKO (64fso) DOUT 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 図 13:IIS (16bit 出力 ) (OMOD0 = H, OMOD1 = H, IISO = H) BCKO は 64fso のみに対応 SEIKO NPC CORPORATION —17 SM5950BM ■応用回路例 ●入力インターフェース接続例 ディジタルオーディオインターフェースレシーバ (DIR:CS8414) との接続例 FSYNC LRCI SCK BCKI DI SDATA DEEM Co/F0 5V DIR CS8414 SEL IMOD0 CS12/FCK IMOD1 SM5950BM IISI M3 M2 C U CBL M1 TMOD0 M0 TMOD1 FS0 FS1 MCU ●出力インターフェース接続例 ディジタルオーディオインターフェーストランシーバ (DIT:CS8402A) との接続例 External Clock 24.576MHz (512fso) SCKO 6.144MHz (128fso) LRCO BCKO FSYNC Level Shifter (3.3V to 5V) SCK SDATA DOUT OMOD0 SM5950BM MCK 5V OMOD1 M2 IISO M1 THROU M0 DIT CS8402A SLAVE TMOD0 TMOD1 SEIKO NPC CORPORATION —18 SM5950BM ● MOST インターフェーストランシーバ (OS8104) との接続例 24.576MHz (512fso) SCKO LRCO FSY BCKO SCK-SRC_FL DOUT SR0-D3 RMCK 5V SM5950BM OMOD0 /RD OMOD1 /WR PAR_CP IISO THROU MOST OS8104 5V PAR_SRC SLAVE ASYNC TMOD0 PAD0 TMOD1 PAD1 SEIKO NPC CORPORATION —19 SM5950BM ■入出力端子等価回路図 ●入力端子回路図 − TYPE1 端子名 ( 端子番号 ):LRCI (1), BCKI (2), DI (3), TMOD0 (4), RSTN (5), IISI (7), IMOD0 (8), IMOD1 (9), DEEM (10), FS0 (11), TMOD1 (15), SCKO (20), SLAVE (21) Input Voltage max. 5.5V VDD: 3.3V 350Ω ●入力端子回路図 − TYPE2 端子名 ( 端子番号 ):FS1 (12), DMUTE (13), OMOD1 (16), OMOD0 (17), IISO (18) Input Voltage max. 5.5V VDD: 3.3V 350Ω SEIKO NPC CORPORATION —20 SM5950BM ●出力端子回路図 端子名 ( 端子番号 ):DOUT (22) VDD: 3.3V 350Ω ●入出力端子回路図 端子名 ( 端子番号 ):BCKO (23), LRCO (24) Input Voltage max. 5.5V VDD: 3.3V 350Ω SEIKO NPC CORPORATION —21 SM5950BM ※このカタログに記載されている製品のご使用に際しては、次の点にご注意くださいますようお願い申し上げます。 1. このカタログに記載されている製品は、 その故障または誤作動が直接人命に関わる製品に使用されることを意図しておりません。 このような使用をご検討の場合には、 必ず事前に当社営業部までご相談ください。 なお、 事前の ご相談なく使用され、そのことに よって発生した損害 等については、当社では一切責 任を負いかねますの でご了承 ください。 2. このカタログに記載されている内容は、 特性、信頼性等の改善のため予告なしに変更されることがありますので予めご了承ください。 3. このカタログに記載されている内容は、第三者の知的財産権その他の権利を侵害していないことを保証するものではありません。 したがって、 その使用に起因する第三者の権利に対する侵害について当社は責任を負いかねますのでご了承ください。 4. このカタログに記載されている回路等の定数は一例を示すものであり、 量産に際しての設計を保証するものではありません。 5. このカタログに記載 されている製品の全 部または一部が、外国為替及び外国 貿易法その他の関係 法令に定める物資に 該当する 場合は、 それ らの法令に基づく輸 出の承認、 許 可が必要になります ので、 お客様 の方でその申請手 続きをお取りくださ るようお 願いいたします。 セ イ コ ー N P C 株 式 会 社 本社・東京営業所 〒 1040032 東京都中央区八丁堀 199 TEL 0355416501 FAX 0355416510 那須塩原事業所 〒 3292811 栃木県那須塩原市下田野 5311 TEL 0287353111( 代 ) FAX 0287353120 関 西 営 業 所 〒 5500004 大阪市西区靭本町 232 大鰹・住友生命なにわ筋本町ビル 8F TEL 0664446631( 代 ) FAX 0664446680 http://www.npc.co.jp/ Email: [email protected] NC0504C 2007.11 SEIKO NPC CORPORATION —22