NJM8901 2 回路入り JFET 入力オーディオ用オペアンプ ■ 概要 ■ 外形 NJM8901 は、JFET 入力タイプのオーディオ用オペアンプで、 MUSES”で培ったノウハウを量産性の高い技術に落とし込むことに より、高音質化を図ったオペアンプです。 NJM8901 では独自のプロセスチューニングと組み立て技術により、 コストアップを抑えながら高音質を達成しております。 NJM8901 は Vni=13nV/√Hz, SR=20V/µs, THD=0.003%(Av=10)と いった特徴を持ち、オーディオ用プリアンプ、リファレンスアンプ、 アクティブフィルター、ラインアンプ等、さらに JFET の特徴である 低入力バイアス電流を活かして I/V 変換アンプにも最適です。 ■ 特徴 ●低雑音 NJM8901E (EMP8) ■ 端子配列 ●低歪率 ●高利得帯域幅積 ●スルーレート ●入力オフセット電圧 ●入力バイアス電流 ●電圧利得 ●動作電源電圧 ●JFET 構造 ●外形 13nV/√Hz typ. 1.6uVrms typ. (RIAA) 0.003% typ.(Av=10) 5MHz typ. 20V/µs typ. 2mV typ. 10mV max. 30pA typ. 400pA max. 110dB typ. ±4V ~±18V (Top View) 1 2 3 ピン配置 8 1. A OUTPUT 2. A -INPUT 3. A +INPUT 4. V5. B +INPUT 6. B -INPUT 7. B OUTPUT 8.V+ 7 A B 4 6 5 EMP8 ■ 応用回路例 I/V Digital Input DA Converter Analog Output I/V LPF Buff DAC Output I/V converter + LPF circuit Ver.2014-10-28 -1- NJM8901 ■ 絶対最大定格 (Ta=25ºC) 項目 記号 + - 定格 単位 電源電圧 V /V ±18 V 同相入力電圧範囲 VICM ±15 (注 1) V 差動入力電圧範囲 VID ±30 V 消費電力 PD 550 (注 2) mW 動作温度 TOPR -40~+85 ºC 保存温度 TSTG -40~+125 ºC (注 1)電源電圧が±15V 以下の場合は、電源電圧と等しくなります。 (注 2)消費電力は EIA/JEDEC 仕様基板(76.2×114.3×1.6mm、2 層、FR-4)実装時 ご使用にあたっては、消費電力(PD)の定格値の範囲を超えないよう、ディレーティングカーブ等を考慮してご使用下さい。 ■ 推奨動作条件 (Ta=25ºC) 項目 記号 条件 V+/V- 電源電圧 最小 標準 最大 単位 ±4.0 - ±18 V 最小 標準 最大 単位 - 4 6 mA - 2 10 mV - 30 400 pA ■ 電気的特性 ● DC 特性 (指定無き場合には V+/V-=±15V, Vcm=0V, Ta=25ºC) 項目 記号 条件 消費電流 ICC 入力オフセット電圧 VIO RS=50Ω (注 3) 入力バイアス電流 RL=∞, 無信号時 IB 入力オフセット電流 IIO 入力抵抗 RIN 大振幅電圧利得 AV (注 3) RL≥2kΩ, Vo=±10V - 5 200 pA - 1012 - Ω 86 110 - dB 同相信号除去比 CMR VCM=±12V, Rs≤10kΩ 70 90 - dB 電源電圧除去比 SVR V+/V-=±9.0 to ±18V, Rs≤10kΩ 76 100 - dB 最大出力電圧 VOM RL≥10kΩ ±12 +13.5, -13 - V 同相入力電圧範囲 VICM CMR≥70dB ±12 +15, -12.5 - V 最小 標準 最大 単位 (注 3) 絶対値にて表記 ● AC 特性 (指定無き場合には V+/V-=±15V, Vcm=0V, Ta=25ºC) 項目 記号 条件 スルーレート SR RL≥2kΩ - 20 - V/us 利得帯域幅積 GB f=10kHz - 5 - MHz 入力換算雑音電圧 1 eN RS=100Ω , f=1KHz - 13 - nV/√Hz VNI RIAA, RS=2.2kΩ, 30kHz, LPF - 1.6 3 μVrms THD f=1kHz ,AV=+10, Vo=5Vrms, RL=2kΩ - 0.003 - % 130 - dB 入力換算雑音電圧 2 全高調波歪率 チャンネルセパレーション -2- CS f=1kHz , AV=-100, RS=1kΩ, RL=2kΩ Ver.2014-10-28 NJM8901 ■ パッケージパワーと消費電力、出力電力 IC はIC 自身の消費電力(内部損失)によって発熱し、ジャンクション温度Tj が許容値を超えると破壊される可能 性があります。この許容値は許容損失PD(=消費電力の最大定格)と呼ばれています。図1にPDの周囲温度依存性を示 します。 この図の特性は、次の2点から得ることができます。1点目は25ºCにおけるPDで、絶対最大定格の消費電力に相当 します。もう1点はこれ以上の発熱を許容できない、つまり許容損失0W の点です。この点は、IC の保存温度範囲 Tstg の上限を最大のジャンクション温度Tjmax とすることで求めることができます。これら2点を結び、25ºC以下 を25ºCと同じPDとすることで図1の特性を得ることができます。なお、これらの2点間のPDは次式で表されます。 許容損失 PD Tj max Ta [W] (Ta=25ºC~Ta=Tjmax) ja ここでθja は熱抵抗であり、パッケージ材料(樹脂、フレーム等)に依存します。次にIC自身の消費電力を導きます。 IC の消費電力は、次式で表されます。 消費電力=(電源電圧V+/V-)×(消費電流ICC)-(出力電力Po) この消費電力がPDをこえない条件でICを使用してください。安定した動作を維持するためにも、許容損失PDに注 意し、余裕のある熱設計することを推奨します。 800 700 EMP8 Pd (mW) 600 500 400 300 200 100 0 -15 5 25 45 65 Ta (°C) 85 105 125 図 1 許容損失 PD の周囲温度特性例 Ver.2014-10-28 -3- NJM8901 特性例 電圧利得 対 周波数特性例 (周囲温度) 電圧利得 対 周波数特性例 (周囲温度) V+/V-=±15V, AV=+100, RL=2kΩ, CL=10pF 50 45 45 Gain Gain 40 Ta=25ºC 0 Ta=-40ºC 25 -30 Phase 20 -60 Ta=85ºC 15 -90 Ta=25ºC 10 位相 [deg] 30 -150 5 -180 10M 0 -60 Ta=25ºC -150 10k 100k 周波数 [Hz] 最大出力電圧 対 出力電流特性例 (周囲温度) V+/V-=±15V, Gv=open, calculated by Vom/RL 15 Isource 10 Ta=25ºC 0 最大出力電圧 [V] Ta=85ºC 5 Ta=25ºC -5 -180 10M 1M +Vom 10 最大出力電圧 [V] -120 Ta=-40ºC 1k V+/V-=±15V, Gv=open Ta=-40ºC -90 Ta=85ºC 最大出力電圧 対 負荷抵抗特性例 (周囲温度) 15 -30 Phase 15 0 1M 0 20 5 100k 周波数 [Hz] Ta=-40ºC 25 10 10k Ta=85ºC 30 -120 Ta=-40ºC 1k Ta=25ºC 35 Ta=85ºC 電圧利得 [dB] 35 位相 [deg] 40 電圧利得 [dB] V+/V-=±4V, AV=+100, RL=2kΩ, CL=10pF 50 Ta=85ºC Ta=85ºC Ta=-40ºC Ta=25ºC 5 0 Ta=85ºC -5 Ta=25ºC Ta=-40ºC Ta=-40ºC -10 -10 -Vom Isink -15 -15 10 100 1k 負荷抵抗 [Ω] 10k 100k 0.1 10 出力電流 [mA] 100 V+/V-=±4V, Gv=open V+/V-=±4V, Gv=open, calculated by Vom/RL 4 Ta=85ºC 3 Ta=-40ºC 最大出力電圧 [V] 最大出力電圧 [V] 2 Ta=25ºC 1 0 -1 Ta=25ºC Isourcce 3 +Vom 2 Ta=-40ºC -Vom -2 1000 最大出力電圧 対 出力電流特性例 (周囲温度) 最大出力電圧 対 負荷抵抗特性例 (周囲温度) 4 1 Ta=-40ºC Ta=25ºC Ta=85ºC 1 0 Ta=-40ºC -1 Ta=25ºC -2 Ta=85ºC -3 Isink -3 Ta=85ºC -4 -4 10 -4- 100 1k 負荷抵抗 [Ω] 10k 100k 0.01 0.1 1 出力電流 [mA] 10 100 Ver.2014-10-28 NJM8901 ■ 特性例 THD+N 対 出力電圧特性例 入力換算雑音電圧 対 周波数特性例 V+/V-=±15V, AV=+10, RL=2kΩ, Ta=25ºC 1 V+/V-=±15V, AV=+100, RS=100Ω, RL=, Ta=25ºC 100 入力換算雑音電圧 [nV/Hz] THD+N [%] 90 f=20kHz 0.1 f=1kHz 0.01 70 60 50 40 30 20 10 f=20Hz 0.001 0.01 80 0 0.1 1 出力電圧 [Vrms] 1 10 10 10k 100k 消費電流 対 周囲温度特性例 消費電流 対 電源電圧特性例 (周囲温度) GV=0dB,VIN=0V 6 100 1k 周波数 [Hz] V+/V-=±15V, GV=0dB,VIN=0V 6 5 4 4 3 Ta=85ºC Ta=25ºC 2 消費電流 [mA] 消費電流 [mA] Ta=-40ºC 5 1 3 2 1 0 0 0 ±2 ±4 ±6 ±8 ±10 ±12 ±14 ±16 ±18 電源電圧 V+/V- [V] -50 入力オフセット電圧 対 電源電圧特性例 (周囲温度) 25 50 75 周囲温度 [ºC] 100 125 150 VICM=0V, VIN=0V 3 2 1 Ta=25ºC ta=-40ºC 0 -1 -2 -3 Ta=85ºC -4 入力オフセット電圧 [mV] 2 入力オフセット電圧 [mV] 0 入力オフセット電圧 対 周囲温度特性例 (電源電圧) VICM=0V, VIN=0V 3 -25 V+/V-=±15V 1 V+/V-=±9V 0 -1 -2 -3 V+/V-=±4V -4 -5 -5 0 Ver.2014-10-28 ±2 ±4 ±6 ±8 ±10 ±12 ±14 ±16 ±18 電源電圧 V+/V- [V] -50 -25 0 25 50 75 周囲温度 [ºC] 100 125 150 -5- NJM8901 ■ 特性例 入力オフセット電圧 対 同相入力電圧特性例 入力オフセット電圧 対 同相入力電圧特性 (周囲温度) (周囲温度) V+/V-=±15V 3 2 入力オフセット電圧 [mV] 2 入力オフセット電圧 [mV] V+/V-=±4V 3 Ta=-40ºC 1 0 -1 -2 Ta=25ºC -3 Ta=85ºC -4 Ta=25ºC 1 Ta=-40ºC 0 -1 -2 -3 Ta=85ºC -4 -5 -5 -16 -12 -8 -4 0 4 同相入力電圧 [V] 8 12 16 -4 -2 -1 0 1 2 同相入力電圧 [V] 3 4 5 同相信号除去比 対 周囲温度特性例 入力バイアス電流 対 周囲温度特性例 (電源電圧) VICM=0 100n -3 V+/V-=±15V, VICM=-12V to +12V 120 10n 1n 同相信号除去比 [dB] 入力バイアス電流 [A] 110 V+/V-=±15V 100p V+/V-=±4V 100 90 80 70 60 50 10p 40 -50 -25 0 100 125 150 -50 0 25 50 75 周囲温度 [ºC] 100 125 150 電圧利得 対 周囲温度特性例 VICM=0V, V+/V-=±9V to ±18V V+/V-=±15V, GV=open, VO=-10V to +10V, RL=2kΩ 140 130 120 120 電圧利得 [dB] 130 110 100 90 110 100 90 80 80 70 70 60 60 -50 -6- -25 電源電圧除去比 対 周囲温度特性例 140 電源電圧除去比 [dB] 25 50 75 周囲温度 [ºC] -25 0 25 50 75 周囲温度 [ºC] 100 125 150 -50 -25 0 25 50 75 周囲温度 [ºC] 100 125 150 Ver.2014-10-28 NJM8901 ■ 特性例 過渡応答特性 (周囲温度) 過渡応答特性 (電源電圧) V+/V-=±15V, Gv=0dB, CL=10pF, RL=2kΩ V+/V-=±15V, Gv=0dB, CL=10pF, RL=2kΩ 電圧 [1V/div] Input 電圧 [1V/div] Input Ta=-40ºC Ta=25ºC V+/V-=±4V V+/V-=±15V Ta=85ºC Output Output 時間 [1μsec/div] 時間 [1μsec/div] チャンネルセパレーション 対 周波数特性 (電源電圧) AV=-100, RS=1k, RL=2k, Ta=25ºC チャンネルセパレーション [dB] -110 -115 V+/V-=±4V -120 -125 -130 V+/V-=±15V -135 -140 -145 -150 10 100 1k 周波数 [Hz] 10k 100k <注意事項> このデータブックの掲載内容の正確さには万全を期しており ますが、掲載内容について何らかの法的な保証を行うもので はありません。 とくに応用回路については、製品の代表的な応用例を説明す るためのものです。また、工業所有権その他の権利の実施権 の許諾を伴うものではなく、第三者の権利を侵害しないこと を保証するものでもありません。 Ver.2014-10-28 -7-