NJM8801 2 回路入りオーディオ用オペアンプ ■ 概要 ■ 外形 NJM8801 は、バイポーラ入力タイプのオーディオ用オペアンプで、 MUSES”で培ったノウハウを量産性の高い技術に落とし込むことに より、高音質化を図ったオペアンプです。 NJM8801 では独自のプロセスチューニングと組み立て技術により、 コストアップを抑えながら高音質に作り上げております。 NJM8801 は Vni=4.5nV/√Hz, GB=15MHz, THD=0.0005%といった 特徴を持ち、オーディオ用プリアンプ、リファレンスアンプ、アクテ ィブフィルター、ラインアンプ等に最適です。 NJM8801 のパッケージは、EMP8 と SSOP8(銅フレーム使用)がご ざいます。 ■ 特徴 ●動作電源電圧 ●低雑音 ●低歪率 ●高利得帯域幅積 ●スルーレート ●入力オフセット電圧 ●入力バイアス電流 ●電圧利得 ●バイポーラ構造 ●外形 NJM8801E (EMP8) NJM8801VA3 (SSOP8) ■ 端子配列 ±2V ~±18V 4.5nV/√Hz typ. 0.8uVrms typ. (RIAA) 0.0005% typ. 15MHz typ. 5V/µs typ. 0.3mV typ. 3mV max. 100nA typ. 500nA max. 110dB typ. (Top View) 1 2 3 4 ピン配置 8 7 A B 6 5 1. A OUTPUT 2. A -INPUT 3. A +INPUT 4. V5. B +INPUT 6. B -INPUT 7. B OUTPUT 8.V+ EMP8, SSOP8(銅フレーム) ■ 等価回路図 (下図の回路が 2 回路入っています) V+ -INPUT OUTPUT +INPUT V- Ver.2014-11-10 -1- NJM8801 ■ 絶対最大定格 (Ta=25ºC) 項目 記号 定格 単位 電源電圧 VDD ±18 V 同相入力電圧範囲 VICM ±15 (注 1) V 差動入力電圧範囲 VID V 消費電力 PD mW 動作温度 TOPR ±30 EMP8: 550 (注 2) SSOP8: 460 (注 2) -40~+85 保存温度 TSTG -40~+125 ºC ºC (注 1)電源電圧が±15V 以下の場合は、電源電圧と等しくなります。 (注 2)消費電力は EIA/JEDEC 仕様基板(76.2×114.3×1.6mm、2 層、FR-4)実装時 ご使用にあたっては、消費電力(PD)の定格値の範囲を超えないよう、ディレーティングカーブ等を考慮してご使用下さい。 ■ 推奨動作条件 (Ta=25ºC) 項目 記号 + 条件 - V /V 電源電圧 最小 標準 最大 単位 ±2 - ±18 V 最小 標準 最大 単位 ■ 電気的特性 ● DC 特性 (指定無き場合には V+/V-=±15V, Vcm=0V, Ta=25ºC) 項目 記号 条件 消費電流 Icc - 6 9 mA 入力オフセット電圧 VIO Rs≤10kΩ (注 3) - 0.3 3 mV 入力バイアス電流 IB - 100 500 nA 入力オフセット電流 IIO (注 3) - 5 200 nA AV RL≥2kΩ, Vo=±10V, Rs≤10kΩ 90 110 - dB 80 110 - dB SVR V /V =±9.0 to ±18V, Rs≤10kΩ 80 110 - dB 最大出力電圧 VOM RL≥2kΩ ±12 ±13.5 - V 同相入力電圧範囲 VICM CMR≥80dB ±12 ±13.5 - V 最小 標準 最大 単位 5 - V/us 電圧利得 同相信号除去比 電源電圧除去比 RL=∞, 無信号時 CMR VICM=±12V, Rs≤10kΩ + - (注 3) 絶対値にて表記 ● AC 特性 (指定無き場合には V+/V-=±15V, Vcm=0V, Ta=25ºC) 項目 記号 条件 スルーレート SR RL≥2kΩ - 利得帯域幅積 GB f=10kHz - 15 - MHz 入力換算雑音電圧 en RS=100Ω , f=1KHz - 4.5 - nV/√Hz 入力換算雑音電圧 VNI RIAA, RS=2.2kΩ, 30kHz, LPF, NJM8801VA3 - 0.8 - μVrms 入力換算雑音電圧 VNI RIAA, RS=2.2kΩ, 30kHz, LPF, NJM8801E - 0.8 1.4 μVrms THD f=1kHz ,AV=+10, Vo=5Vrms, RL=2kΩ - 0.0005 - % CS f=1kHz , AV=-100, RS=1kΩ, RL=2kΩ - 130 - dB 全高調波歪率 チャンネルセパレーション -2- Ver.2014-11-10 NJM8801 ■ アプリケーション情報 パッケージパワーと消費電力、出力電力 IC はIC 自身の消費電力(内部損失)によって発熱し、ジャンクション温度Tj が許容値を超えると破壊される可能 性があります。この許容値は許容損失PD(=消費電力の最大定格)と呼ばれています。図1にPDの周囲温度依存性を示 します。 この図の特性は、次の2点から得ることができます。1点目は25ºCにおけるPDで、絶対最大定格の消費電力に相当 します。もう1点はこれ以上の発熱を許容できない、つまり許容損失0W の点です。この点は、IC の保存温度範囲 Tstg の上限を最大のジャンクション温度Tjmax とすることで求めることができます。これら2点を結び、25ºC以下 を25ºCと同じPDとすることで図1の特性を得ることができます。なお、これらの2点間のPDは次式で表されます。 許容損失 PD Tj max Ta [W] (Ta=25ºC~Ta=Tjmax) ja ここでθja は熱抵抗であり、パッケージ材料(樹脂、フレーム等)に依存します。次にIC自身の消費電力を導きます。 IC の消費電力は、次式で表されます。 消費電力=(電源電圧V+/V-)×(消費電流ICC)-(出力電力Po) この消費電力がPDをこえない条件でICを使用してください。安定した動作を維持するためにも、許容損失PDに注 意し、余裕のある熱設計することを推奨します。 800 700 EMP8 Pd (mW) 600 500 400 SSOP8-A3 300 200 100 0 -15 5 25 45 65 Ta (°C) 85 105 125 図 1 許容損失 PD の周囲温度特性例 Ver.2014-11-10 -3- NJM8801 ■ 特性例 電圧利得 対 周波数特性例 (周囲温度) 45 45 Gain 40 0 -30 Ta=85ºC -60 Ta=25ºC 15 電圧利得 [dB] Ta=-40ºC Phase 20 -90 Ta=-40ºC -150 5 0 -180 10M 0 -60 Ta=25ºC -90 Ta=-40ºC -120 -150 1k 10k 最大出力電圧 対 負荷抵抗特性例 (周囲温度) 100k 周波数 [Hz] V+/V-=±15V, Gv=open, calculated by Vom/RL 15 +Vom Isource 10 Ta=-40ºC Ta=25ºC 5 Ta=-40ºC 最大出力電圧 [V] 最大出力電圧 [V] 10 Ta=85ºC 0 -5 -10 5 Ta=25ºC Ta=85ºC 0 -5 Isink -10 -Vom -15 -15 10 100 1k 10k 負荷抵抗[Ω] 100k 0.1 1 最大出力電圧 対 負荷抵抗特性例 (周囲温度) Ta=-40ºC 2 Ta=25ºC 1 Ta=85ºC 0 -1 -Vom -2 -3 Isource 3 +Vom 2 1000 V+/V-=±4V, Gv=open, calculated by Vom/RL 4 最大出力電圧 [V] 最大出力電圧 [V] 3 10 100 出力電流[mA] 最大出力電圧 対 出力電流 特性例 (周囲温度) V+/V-=±4V, Gv=open 4 Ta=85ºC Ta=-40ºC Ta=25ºC 1 0 -1 -2 -3 -4 Isink -4 10 -4- -180 10M 1M 最大出力電圧 対出力電流 特性例 (周囲温度) V+/V-=±15V, Gv=open 15 -30 Ta=85ºC 15 5 1M 0 Phase 20 10 100k 周波数 [Hz] Ta=-40ºC 25 -120 10k Ta=85ºC 30 10 1k Ta=25ºC 35 位相 [deg] Ta=85ºC 30 Gain 40 Ta=25ºC 35 25 V+/V-=±4V, AV=+100, RL=2kΩ, CL=10pF 50 位相 [deg] 50 電圧利得 [dB] 電圧利得 対 周波数特性例 (周囲温度) V+/V-=±15V, AV=+100, RL=2kΩ, CL=10pF 100 1k 10k 負荷抵抗[Ω] 100k 0.01 0.1 1 出力電流 [mA] 10 100 Ver.2014-11-10 NJM8801 ■ 特性例 THD+N 対 出力電圧特性例 0.01 V+/V-=±15V, AV=+100, RS=100Ω, RL=, Ta=25ºC 20 入力換算雑音電圧 [nV/Hz] 0.1 THD+N [%] 入力換算雑音電圧 対 周波数特性 V+/V-=±15V, AV=+10, RL=2kΩ, Ta=25ºC f=20kHz 0.001 f=20Hz f=1kHz 15 10 0.0001 5 0 0.1 1 出力電圧 [Vrms] 1 10 10 GV=0dB, VIN=0V 7 Ta=25ºC Ta=-40ºC 7 6 消費電流 [mA] 消費電流 [mA] 100k V+/V-=±15V, GV=0dB, VIN=0V 8 6 5 4 3 Ta=85ºC 5 4 3 2 2 1 1 0 0 0 ±2 ±4 ±6 ±8 ±10 ±12 ±14 ±16 ±18 電源電圧 V+/V- [V] -50 入力オフセット電圧 対 電源電圧特性例 (周囲温度) -25 0 25 50 75 周囲温度 [ºC] 100 125 150 入力オフセット電圧 対 周囲温度特性例 (電源電圧) VICM=0V, VIN=0V 1.4 VICM=0V, VIN=0V 1.4 1.2 1.0 Ta=-40ºC 0.8 0.6 Ta=85ºC 0.4 Ta=25ºC 入力オフセット電圧 [mV] 1.2 入力オフセット電圧 [mV] 10k 消費電流 対 周囲温度 特性例 消費電流 対 電源電圧特性例 (周囲温度) 8 100 1k 周波数 [Hz] V+/V-=±3.5V 1.0 V+/V-=±5V 0.8 0.6 0.4 V+/V-=±15V 0.2 0.2 0.0 0.0 0 Ver.2014-11-10 ±2 ±4 ±6 ±8 ±10 ±12 ±14 ±16 ±18 電源電圧 V+/V- [V] -50 -25 0 25 50 75 周囲温度 [ºC] 100 125 -5- NJM8801 ■ 特性例 入力オフセット電圧 対 同相入力電圧特性 (周囲温度) 入力オフセット電圧 対 同相入力電圧特性 (周囲温度) V+/V-=±15V 1.4 1.2 入力オフセット電圧 [mV] 1.2 入力オフセット電圧 [mV] V+/V-=±4V 1.4 1.0 Ta=85ºC 0.8 0.6 0.4 Ta=-40ºC 0.2 0.0 -15 Ta=25ºC Ta=85ºC 1.0 0.8 0.6 Ta=-40ºC 0.4 Ta=25ºC 0.2 0.0 -10 -5 0 5 同相入力電圧 [V] 10 15 -4 -2 -1 0 1 2 同相入力電圧 [V] 3 4 同相信号除去比 対 周囲温度特性例 入力バイアス電流 対 周囲温度特性例 (電源電圧) VICM=0V 250 -3 V+/V-=±15V, VICM=-12V to +12V 140 150 V+/V-=±15V V+/V-=±4V 100 同相信号除去比 [dB] 入力バイアス電流 [nA] 130 200 50 120 110 100 90 80 70 0 60 -50 -25 0 100 125 150 -50 0 25 50 75 周囲温度 [ºC] 100 125 150 電圧利得 対 周囲温度特性例 VICM=0V, V+/V-=±9V to ±18V V+/V-=±15V, Gv=open, RL=2kΩ, VO=-10V to +10V 140 130 120 120 電圧利得 [dB] 130 110 100 90 110 100 90 80 80 70 70 60 60 -50 -6- -25 電源電圧除去比 対 周囲温度特性例 140 電源電圧除去比 [dB] 25 50 75 周囲温度 [ºC] -25 0 25 50 75 周囲温度 [ºC] 100 125 150 -50 -25 0 25 50 75 周囲温度 [ºC] 100 125 150 Ver.2014-11-10 NJM8801 ■ 特性例 過渡応答特性 (周囲温度) VIN=2VP-P, Gv=0dB, CL=10pF, RL=2kΩ 過渡応答特性 (電源電圧) Gv=0dB, RL=2kΩ, Ta=25ºC Input 電圧 [1V/div] 電圧 [1V/div] Input Output Ta=25ºC Output V+/V-=±15V V+/V-=±4V Ta=85ºC Ta=-40ºC 時間 [1μsec/div] 時間 [1μsec/div] チャンネルセパレーション 対 周波数特性 (電源電圧) AV=-100, RS=1k, RL=2k, Ta=25ºC チャンネルセパレーション [dB] -110 -115 V+/V-=±4V -120 -125 -130 -135 -140 V+/V-=±15V -145 -150 -155 -160 10 100 1k 周波数 [Hz] 10k 100k <注意事項> このデータブックの掲載内容の正確さには万全を期しており ますが、掲載内容について何らかの法的な保証を行うもので はありません。 とくに応用回路については、製品の代表的な応用例を説明す るためのものです。また、工業所有権その他の権利の実施権 の許諾を伴うものではなく、第三者の権利を侵害しないこと を保証するものでもありません。 Ver.2014-11-10 -7-