NJW4154 J

NJW4154
カレントモード 3A MOSFET 内蔵 降圧用 スイッチングレギュレータ IC
■概 要
NJW4154 は、40V, 3A のパワーMOSFET を内蔵した降圧用ス
イッチングレギュレータ IC です。カレントモード制御方式を採
用し、出力セラミックコンデンサを容易に使用できます。位相補
償回路を内蔵し、最小限の外付け部品で降圧アプリケーションを
実現します。
外部クロックを入力することで、スイッチング周波数を同期し
て動作させることが可能です。
またソフトスタート機能による安定した回路起動が可能であ
り、過電流・過熱保護機能で異常時の回路保護を行います。
カーアクセサリ、OA 機器、産業機器などの高電圧からロジッ
ク電圧の生成に最適です。
■外 形
NJW4154GM1
NJW4154DL3
■特 徴
●カレントモード制御
●外部クロックに同期可能
●広動作電圧範囲
4.5V∼40V
●スイッチング電流
4.5A min.
●PWM 制御方式
●位相補償回路内蔵
●セラミックコンデンサ対応
●発振周波数
300kHz typ. (A ver.)
●ソフトスタート機能
4ms typ.
●低電圧誤動作防止回路内蔵
●過電流保護機能(ヒカップ方式)
●過熱保護機能
●Power Good 機能(NJW4154GM1 のみ)
●スタンバイ機能
●外形
NJW4154GM1 : HSOP8
NJW4154DL3
: TO-252-5
■製品分類
製品名
NJW4154GM1-A
NJW4154DL3-A
Ver.2013-03-29
バージョン
A
A
発振周波数
300kHz typ.
300kHz typ.
Power Good
パッケージ
HSOP8
TO-252-5
動作温度範囲
一般仕様:-40∼+85°C
一般仕様:-40∼+85°C
-1-
NJW4154
■端子配列
3
1
8
2
7
3
6
4
5
ピン配置
1. V+
2. SW
3. GND
4. IN5. EN/SYNC
ピン配置
1. SW
2. SW
3. GND
4. PG
5. IN6. EN/SYNC
7. V+
8. V+
Exposed PAD on
backside connect to GND
1 2 3 4 5
NJW4154GM1-A
NJW4154DL3-A
■ブロック図
V+
SLOPE
COMP.
CURRENT
SENSE
UVLO
OCP
EN/SYNC
High: ON
Low : OFF(Standby)
Enable
(Standby)
100kΩ
SYNC
S Q
OSC
Buffer
R
SW
Low Frequency
Control
PWM
TSD
INER⋅AMP
Soft Start
Vref
0.8V
PG
GND
Pow er Good
Control Logic
NJW4154GM1 only
-2-
Ver.2013-03-29
NJW4154
■絶対最大定格 (Ta=25°C)
項
目
入力電圧
V+−SW 端子間電圧
EN/SYNC 端子電圧
IN-端子電圧
Power Good 端子電圧 (*1)
消費電力
記 号
+
V
VV–SW
VEN/SYNC
VINVPG
定
格
+45
+45
+45
-0.3∼+6
-0.3∼+6
HSOP8
790 (*2)
2,500 (*3)
PD
単 位
V
V
V
V
V
mW
TO-252-5
接合部温度範囲
動作温度範囲
保存温度範囲
1,190 (*4)
3,125 (*3)
-40∼+150
-40∼+85
-40∼+150
Tj
Topr
Tstg
°C
°C
°C
(*1): NJW4154GM1 のみ対応
(*2): 基板実装時 76.2×114.3×1.6mm(2 層 FR-4)で EIA/JEDEC 準拠による
(*3): 基板実装時 76.2×114.3×1.6mm(4 層 FR-4)で EIA/JEDEC 準拠による
(4 層基板内箔:74.2×74.2mm、JEDEC 規格 JESD51-5 に基づき、基板にサーマルビアホールを適用)
(*4): 基板実装時 76.2×114.3×1.6mm(2 層 FR-4)で EIA/JEDEC 規格サイズ、且つ銅箔面積 100mm2
■推奨動作条件
項
目
電源電圧
Power Good 端子電圧 (*5)
外部クロック入力範囲
記 号
+
V
VPG
fSYNC
最 小
標 準
最 大
単 位
4.5
0
290
−
−
−
40
5.5
500
V
V
kHz
(*5): NJW4154GM1 のみ対応
Ver.2013-03-29
-3-
NJW4154
■電気的特性 (V+=VEN/SYNC=12V, Ta=25°C)
項
目
低電圧誤動作防止回路部
ON スレッシホールド電圧
OFF スレッシホールド電圧
ヒステリシス幅
ソフトスタート部
ソフトスタート時間
発振器部
発振周波数
過電流保護機能動作時
発振周波数
周波数電源電圧変動
周波数温度変動
誤差増幅器部
基準電圧
入力バイアス電流
PWM 比較器部
最大デューティーサイクル
最小 ON 時間1
(内蔵発振時)
最小 ON 時間2
(外部同期時)
記 号
条
VT_ON
VT_OFF
VHYS
V+= L → H
V+= H → L
最小
標準
最大
単位
4.2
4.1
70
4.4
4.3
90
4.5
4.4
–
V
V
mV
2
4
8
ms
TSS
VB=0.75V
fOSC
A バージョン, VIN-=0.7V
270
300
330
kHz
fOSC_LIM
A バージョン, VIN-=0.4V
–
100
–
kHz
V+=4.5V∼40V
Ta=-40°C∼+85°C
–
–
1
5
–
–
%
%
-1.0%
-0.1
0.8
–
+1.0%
0.1
V
µA
88
–
–
93
250
170
–
340
250
%
ns
ns
–
25
–
ms
–
4.5
–
0.15
6
–
0.3
7.5
4
Ω
A
µA
fDV
fDT
VB
IB
MAXDUTY
tON-min1
tON-min2
過電流保護回路部
COOL DOWN 時間
tCOOL
出力部
出力 ON 抵抗
スイッチング電流制限
SW リーク電流
RON
ILIM
ILEAK
-4-
件
VIN-=0.7V
fSYNC =400kHz
ISW=3A
VEN/SYNC=0V, V+=45V, VSW=0V
Ver.2013-03-29
NJW4154
■電気的特性 (V+=VEN/SYNC=12V, Ta=25°C)
項
目
記 号
スタンバイ制御部/同期入力部
EN/SYNC 端子
VTHH_EN/SYNC
High スレッショルド電圧
EN/SYNC 端子
VTHL_EN/SYNC
Low スレッショルド電圧
入力バイアス電流
IEN
(EN/SYNC 端子)
Power Good 部 (*6)
High レベル検出電圧
Low レベル検出電圧
ヒステリシス幅
Power Good ON 抵抗
OFF 時リーク電流
総合特性
消費電流
スタンバイ時消費電流
(*6): NJW4154GM1 のみ対応
Ver.2013-03-29
VTHH_PG
VTHL_PG
VHYS_PG
RON_PG
ILEAK_PG
IDD
IDD_STB
条
件
最小
標準
最大
単位
VEN/SYNC= L → H
1.6
–
V+
V
VEN/SYNC= H → L
0
–
0.5
V
VEN/SYNC=12V
–
170
250
µA
105
85
–
–
–
110
90
2
37
–
115
95
–
50
0.1
%
%
%
Ω
µA
–
–
3.5
–
4.2
3
mA
µA
Measured at IN- pin
Measured at IN- pin
IPG=10mA
VPG=6V
RL=無負荷, VIN-=0.7V
VEN/SYNC=0V
-5-
NJW4154
■アプリケーション回路例
V IN
CIN2
CIN1
L
EN/SYNC
EN/SYNC
High: ON
Low: OFF
(Standby)
Pow er Good
(NJW4154GM1 only)
V
+
V OUT
SW
CFB
NJW4154
R2
PG
IN-
RFB
GND
SBD
COUT
R1
-6-
Ver.2013-03-29
NJW4154
■特性例
Oscillation Frequency vs. Supply Voltage
(A ver., VIN-=0.7V, Ta=25°C)
0.81
308
306
Reference Voltage VB (V)
Oscillation Frequnecny fOSC (kHz)
310
Reference Voltage vs. Supply Voltage
(Ta=25°C)
304
302
300
298
296
294
0.805
0.8
0.795
292
290
0.79
0
40
0
10
20
30
+
Supply Voltage V (V)
40
Quiescent Current vs. Supply Voltage
(RL=no load, VIN-=0.7V, Ta=25°C)
6
Quiescent Current IDD (mA)
10
20
30
+
Supply Voltage V (V)
5
4
3
2
1
0
0
Ver.2013-03-29
10
20
30
+
Supply Voltage V (V)
40
-7-
NJW4154
■特性例
Oscillation Frequency vs Temperature
+
(A ver., V =12V, VIN-=0.7V)
Reference Voltage VB (V)
320
310
300
290
280
270
0.805
0.800
0.795
0.790
-50
-25
0
25 50 75 100 125 150
Ambient Temperature Ta (°C)
-50
Switching Current Limit vs. Temperature
8
Switching Current Limit ILIM (A)
0.810
+
V =40V
+
V =12V
+
V =5V
7
6
5
4
0.25
+
V =40V
0.2
V =12V
0.1
+
V =5V
0.05
0
-50
-50
-25
0
25 50 75 100 125 150
Ambient Temperature Ta (°C)
Under Voltage Lockout Voltage vs. Temperature
4.5
VT_ON
4.35
4.3
4.25
4.2
VT_OFF
4.15
4.1
Soft Start Time Tss (ms)
4.4
-25
0
25 50 75 100 125 150
Ambient Temperature Ta (°C)
Soft Start Time vs. Temperature
+
(V =12V, VB=0.75V)
8
4.45
Threshold Voltage (V)
+
0.15
3
7
6
5
4
3
2
-50
-8-
-25
0
25 50 75 100 125 150
Ambient Temperature Ta (°C)
Output ON Resistance vs. Temperature
(ISW=3A)
0.3
Output ON Resistance RON (Ω)
Oscillation Frequency fosc (kHz)
330
Reference Voltage vs. Temperature
+
(V =12V)
-25
0
25 50 75 100 125 150
Ambient Temperature Ta (°C)
-50
-25
0
25 50 75 100 125 150
Ambient Temperature Ta (°C)
Ver.2013-03-29
NJW4154
■特性例
Minimum ON Time1 vs. Temperature
+
(V =12V)
100
Maximum Duty Cycle MAXDUTY (%)
Minimum ON Time1 tON-min1 (ns)
340
320
300
280
260
240
220
200
180
-50
98
97
96
95
94
93
92
91
90
89
-25
0
25 50 75 100 125 150
Ambient Temperature Ta (°C)
-50
Quiescent Current vs. Temperature
(RL=no load, VIN-=0.7V)
5
-25
0
25 50 75 100 125 150
Ambient Temperature Ta (°C)
Standby Current vs. Temperature
(VEN/SYNC=0V)
10
9
4
+
V =40V
3.5
3
+
V =12V
2.5
2
+
V =4.5V
1.5
1
0.5
0
Standby Current IDD_STB (µA)
4.5
Quiescent Current IDD (mA)
99
88
160
8
7
6
+
V =40V
5
4
3
+
V =12V
+
V =4.5V
2
1
0
-50
-25
0
25 50 75 100 125 150
Ambient Temperature Ta (°C)
-50
-25
0
25 50 75 100 125 150
Ambient Temperature Ta (°C)
Switching Leak Current vs. Temperature
+
(V =45V , VEN/SYNC=0V , VSW=0V)
10
Switching Leak Current ILEAK (µA)
Maximum Duty Cycle vs. Temperature
+
(V =12V, VIN-=0.7V)
9
8
7
6
5
4
3
2
1
0
-50
Ver.2013-03-29
-25
0
25 50 75 100 125 150
Ambient Temperature Ta (°C)
-9-
NJW4154
NJW4154Application Manual
技 術 資 料
■端子説明
端子名称
SW
GND
PG
IN-
EN/SYNC
V+
Exposed
PAD
- 10 -
端子番号
機能
HSOP8 TO-252-5
1
パワーMOSFET のスイッチ出力端子です。
2
2
接地
3
3
Power Good 出力端子です。オープン・ドレインで構成され、IN-端子電圧
が±10%で安定したとき、出力はハイインピーダンスになります。
4
–
(NJW4154GM1 のみ)
出力電圧を検出する端子です。IN-端子電圧が基準電圧 0.8V typ.となるよう
5
4
に出力電圧を抵抗分割して入力します。
NJW4154 の動作・停止を制御する端子です。
内部は 100kΩでプルダウンされています。High レベルで動作、Low レベル
またはオープンでスタンバイモードとなります。
6
5
またクロック信号を入力することで、信号に同期した発振周波数で動作し
ます。
IC への電源供給端子です。電源供給のインピーダンスを下げるため、IC の
7
1
8
近傍に入力コンデンサを接続してください。
GND 端子に接続されています。
–
–
(HSOP8 パッケージのみ)
Ver.2013-03-29
NJW4154 Application
Manual
NJW4154
技 術 資 料
■各ブロックの機能説明
1.スイッチングレギュレータ基本機能
●エラーアンプ部 (ER⋅AMP)
エラーアンプ部の非反転入力は、0.8V±1%の高精度基準電圧が接続されています。
アンプの反転入力(IN-端子)にコンバータの出力を入力することで、出力電圧 0.8V からのアプリケーション設計を容
易にできます。出力電圧を 0.8V 以上にする場合は、出力電圧を抵抗分割することで設定します。
アンプ部では、最適なフィードバックが内蔵されているため、最小限の外付け部品でアプリケーション回路を構成で
きます。
●PWM 比較器部 (PWM)、発振回路部 (OSC)
NJW4154 は、固定周波数のカレントモード制御方式で動作します。
発振回路は、A バージョンで 300kHz typ.に設定されています。
PWM 比較器部では、出力電圧とスロープ補償されたスイッチング電流のフィードバックにより、PWM 信号を出力
します。最大デューティー比は、93% typ.です。
NJW4154 の最小 ON 時間 tON-min は、内蔵発振時=250ns typ.、外部同期時=170ns typ.に制限されています。
降圧回路の ON 時間は、下記式によって決まります。
ton =
VOUT
[s]
VIN × fOSC
VIN は入力電圧、VOUT は出力電圧を表します。ON 時間が tON-min 以下となる場合は、出力電圧を安定状態に保つために
デューティーの変動やパルススキップ動作を行う可能性があります。
●パワーMOSFET
内蔵されたパワーMOSFET のスイッチ動作によって、インダクタへ電力を供給します。過電流保護機能によって、
パワーMOSFET に流せる電流は、ILIM =4.5A min.に制限されます。降圧回路では、パワーMOSFET の OFF 時にイン
ダクタ電流が外付けの回生ダイオードに流れて、順方向バイアス電圧を発生します。SW 端子は、V+−SW 端子間電
圧で 45V まで許容されますが、ショットキーダイオードの順方向飽和電圧が十分に低いものを使用してください。
●電源、GND 端子 (V+, GND)
スイッチング動作に伴い、周波数に応じた電流が IC に流れます。電源ラインのインピーダンスが高いと電源供給が
不安定になり、IC の性能を十分に引き出せません。V+端子−GND 端子間の近傍にバイパスコンデンサを挿入し、高
周波インピーダンスを下げてください。
Ver.2013-03-29
- 11 -
NJW4154
NJW4154Application Manual
技 術 資 料
■各ブロックの機能説明
2.保護機能、付加機能
●低電圧誤動作防止(UVLO)回路
電源電圧が低い場合、UVLO 回路によって動作を停止し、電源電圧 4.4V typ.以上で UVLO 回路が解除されて IC の動
作が開始します。電源電圧の立ち上がりと立ち下がりに 90mV typ.のヒステリシス電圧幅を持たせています。これに
より、UVLO の解除と動作のばたつきを防止し、NJW4154 を安定して動作させます。
●ソフトスタート機能
ソフトスタート機能によって、コンバータの出力電圧は設定値まで緩やかに電圧を上昇します。ソフトスタート時間
は 4ms typ.であり、エラーアンプの基準電圧が 0∼0.75V になるまでの時間で定義されます。
(図1)ソフトスタート
回路は、UVLO 解除、サーマルシャットダウンからの復帰後に動作します。
0.8V
Vref,
IN- pin Voltage
OSC Waveform
ON
SW pin
OFF
Soft Start時間 Tss=4ms typ.
UVLO(4.4V typ.) の解除、
スタンバイ、
サーマルシャットダウン
からの復帰
VB=0.75Vまで
通常動作
Soft Start効果時間 VB=0.8Vまで
図1 ソフトスタートのタイミングチャート
- 12 -
Ver.2013-03-29
NJW4154 Application
Manual
NJW4154
技 術 資 料
■各ブロックの機能説明(続き)
●過電流保護機能 (OCP)
NJW4154 にはヒカップ(Hiccup)方式の過電流保護機能を内蔵しており、過負荷時の発熱を低減するとともに、過電流
の異常状態から回復にともない、スイッチングレギュレータの出力電圧を自動的に復帰させることができます。
内蔵のパワーMOSFET に ILIM 以上の電流が流れると、過電流保護機能によってパワーMOSFET を OFF にし、次の周
期でスイッチング動作を復帰します。
IN-端子電圧が 0.5V 以下になると、発振周波数を 100kHz typ.で動作します。
同時にパルスカウントを開始し、約 1ms の過電流検出が続くとスイッチング動作を停止します。停止後は、クールダ
ウン時間 おおよそ 25ms typ.経過後、ソフトスタートによる再起動を行います。
0.8V
IN- pin
Voltage
0.5V
0V
過電流保護機能動作時
発振周波数
fOSC_LIM=100kHz typ.
発振周波数
fosc=300kHz typ.
ON
SW pin
OFF
Sw itching
Current
ILIM
0
パルス・バイ・
パルス
定常状態
パルスカウント 約1ms
クールダウン時間 25ms typ.
過負荷状態
ソフトスタート動作
図2 過電流保護動作時のタイミングチャート
●サーマルシャットダウン機能 (TSD)
サーマルシャットダウン機能は、NJW4154 のチップ温度が 160℃*を超えると SW 動作を停止します。
チップ温度を 145℃*以下になると、ソフトスタートによる SW 動作が開始されます。
なおサーマルシャットダウン機能は、高温時における IC の熱暴走を防止するための予備回路であり、不適切な熱設
計を補うためでは有りません。IC のジャンクション温度(∼+150°C)範囲内で動作させるように、十分な余裕を満
たすことをお奨めします。
(* 参考値)
●スタンバイ機能
EN/SYNC 端子を 0.5V max.以下にすることで NJW4154 の機能を停止させスタンバイ状態にします。
内部は 100kΩでプルダウンされており、端子オープン時はスタンバイモードに移行します。
スタンバイ機能を使用しない場合は、EN/SYNC 端子を V+に接続してください。
Ver.2013-03-29
- 13 -
NJW4154
NJW4154Application Manual
技 術 資 料
■各ブロックの機能説明(続き)
●外部同期機能
EN/SYNC 端子に方形波を入力することで、NJW4154 の発振器を外部周波数に同期させることができます。
方形波は、次の仕様を満たす必要があります。
入力周波数
:
デューティーサイクル:
電圧振幅
:
:
290kHz∼500kHz
20%∼80%
1.6V 以上(High レベル)
0.5V 以下(Low レベル)
外部同期時のスイッチング動作は、入力信号の立ち上がりエッジに対してトリガを行います。
またスタンバイ状態や非同期動作と外部同期動作の切り替わりでは、誤動作を防止するために約 20∼30µs の遅延時
間を設けています。
(図3)
High
EN/SYNC pin
Low
ON
SW pin
OFF
スタンバイ
遅延時間
外部同期動作
図3 外部同期信号によるスイッチング動作
●Power Good 機能(NJW4154GM1 のみ)
出力状態を監視し、オープン・ドレイン構成の PG 端子より信号を出力します。
IN-端子がエラーアンプ基準電圧の±10% typ.で安定状態のとき、
Power Good出力はハイインピーダンスになります。
Power Good 出力が Low レベルの場合、IN-端子が設定電圧を外れていることを知らせます。
Power Good 出力の誤動作を防止するため、IN-端子の電圧変化に対して 2% typ.のヒステリシスと、約 20∼30µs の
遅延時間を設けています。
- 14 -
Ver.2013-03-29
NJW4154 Application
Manual
NJW4154
技 術 資 料
■アプリケーション情報
●インダクタ
インダクタには大電流が流れるため、飽和しない電流能力を持たせる必要があります。NJW4154 では、位相補償が
内蔵されており、最適な L 値は、入力電圧と出力電圧によって決まります。
インダクタの設定例(参考値)
ViIN=12V → VOUT=3.3V :L ≦ 3.5µH
ViIN=12V → VOUT=5.0V :L ≦ 4.7µH
ViIN=24V → VOUT=5.0V :L ≦ 3.5µH
上記に記載された L 値よりも小さいものを選定しますが、L 値は、記載された値から半分までを目安にしてください。
L 値が小さくなると、出力電流に対するピーク電流が大きくなり、変換効率が低下しやすくなります。
(図4)また過
電流リミットに掛かりやすくなるため、出力電流が制限される点に注意しなければいけません。
ピーク電流は、下記式によって求められます。
∆IL =
(VIN − VOUT ) × VOUT
L × VIN × fOSC
Ipk = IOUT +
[A]
∆ IL
[A]
2
Current
Peak Current IPK
Indunctor
Ripple Current ∆IL
Peak Current IPK
Output Current
IOUT
Indunctor
Ripple Current ∆IL
0
tON
tOFF
L 値が小さいとき
tON
tOFF
L 値が大きいとき
図4 インダクタ電流の状態(電流連続モード動作時)
Ver.2013-03-29
- 15 -
NJW4154
NJW4154Application Manual
技 術 資 料
■アプリケーション情報(続き)
●キャッチ・ダイオード
パワーMOSFET が OFF サイクルの時は、インダクタに蓄えられた電力がキャッチ・ダイオードを経由して出力コン
デンサに流れます。そのためダイオードにはサイクル毎に、負荷電流に応じた電流が流れます。ダイオードの順方向
飽和電圧と電流の積が電力損失となるため、順方向飽和電圧の低い SBD (Schottky Barrier Diode)が最適です。
また SBD は、逆回復時間が短い特徴を併せて持っています。逆回復時間が長くなると、スイッチングトランジスタ
が OFF から ON サイクルに移行した時、貫通電流が流れてしまいます。この電流によって効率の低下、ノイズの発
生等に影響を及ぼす可能性が有ります。
●入力コンデンサ
スイッチングレギュレータの入力部には、周波数に応じた過渡的な電流が流れます。電源回路に供給される電源イン
ピーダンスが大きいと入力電圧の変動につながり、NJW4154 の性能を十分に引き出せません。よって入力コンデン
サは、できる限り IC の近くに挿入してください。
NJW4154 の入力コンデンサには、セラミックコンデンサが適しており、リップル電流を容易に満たすことが出来ま
す。
入力実効電流は、下記計算式で表せます。
IRMS = IOUT ×
VOUT × (VIN − VOUT )
VIN
[A]
上記計算式は、VIN=2×VOUT 時が最大になり、その時の結果は、IRMS=IOUT(MAX)÷2 です。
入力コンデンサの選定は、アプリケーションで評価の上、十分なマージンを持った物をご使用ください。
●出力コンデンサ
出力コンデンサは、インダクタンスからの電力を蓄え、出力への供給電圧を安定させる役割をします。
NJW4154 は、低 ESR の出力コンデンサが使用できるように位相補償を設定しており、セラミックコンデンサが最適
です。
コンデンサの最適容量(参考値)
VOUT=3.3V :COUT ≧ 100µF
VOUT=5.0V :COUT ≧ 47µF
セラミックコンデンサは、DC 電圧印加や温度変化によって容量が低下するため、スペックシート等で特性を確認し
てください。
出力コンデンサの選定には、ESR(等価直列抵抗:Equivalent Series Resistance)の特性、リップル電流、耐圧を考慮
に入れる必要が有ります。
低 ESR タイプのコンデンサであれば、リップル電圧を下げることが出来ます。
出力リップル電圧は、下記計算式で表せます。
Vripple( p −p ) = ESR × ∆IL [ V ]
コンデンサに流れるリップル電流の実効値(Irms)は、下記計算式で表せます。
Irms =
- 16 -
∆I L
[ Arms ]
2 3
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■アプリケーション情報(続き)
●出力電圧設定抵抗、補償用コンデンサ
出力電圧 VOUT は、R1, R2 の抵抗比で決まります。R1, R2 に流れる電流は、Error AMP に流れるバイアス電流を無視
できるような値とします。
⎛ R2
⎞
VOUT = ⎜
+ 1⎟ × VB [ V ]
R
1
⎝
⎠
R2 と CFB によって、ゼロ点(fZ1)が形成され、スイッチングレギュレータの位相を補償します。
ゼロ点は、下記計算式で表せます。
f Z1 =
1
[Hz]
2 × π × R2 × C FB
fZ1 は、50k∼70kHz 程度を目安に設定してください。
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■アプリケーション情報(続き)
●基板レイアウト
スイッチングレギュレータは、インダクタの充放電によって出力へ電力供給を行います。発振周波数に応じて電流が
流れるため、基板のレイアウトは重要な項目です。大電流の流れるラインは太く、短くし、ループ面積を最小限にし
てください。図5に降圧回路における電流ループを示します。
特にスイッチングにおける高速な電流変化を伴う CIN−SW−SBD 間は、最優先でループを構成します。
寄生インダクタによって発生するスパイクノイズを低減するのに効果的です。
NJW4154
内蔵 SW
V IN
CIN
NJW4154
内蔵 SW
L
SBD
COUT
V IN
CIN
(a) 降圧回路 SW ON 状態
L
SBD
COUT
(b) 降圧回路 SW OFF 状態
図5 降圧回路における電流ループ
GND ラインは、パワー系と信号系を分離した上で1点アースをとるのが望ましい接続です。
また電圧検出のフィードバックラインは、できるだけインダクタンスから離します。本ラインはインピーダンスが高
いため、インダクタンスからの漏れ磁束でノイズの影響を避けるように配線します。
図6に降圧回路での配線例、図7にレイアウト例を示します。
L
V+
V IN
V OUT
SW
CIN
SBD
COUT
RL(負荷)
(バイパス用)
NJW4154
CFB
INR2
GND
R1
負荷近傍で電圧を検出し、
電圧降下が負荷へ影響を与え
ないように配慮する。
ICのインピーダンスが高いため、
信号系の GNDを
パワー系と分離する。 電圧検出抵抗 R1,R2はできるだけ
ICの近くに配置する。
図6 降圧回路での配線例
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■アプリケーション情報(続き)
VOUT
GNDOUT
GNDOUT
VOUT
COUT
Feed back
signal
COUT
Power GND Area
Power GND Area
L
Signal GND Area
GND IN
L
GND IN
CFB
RFB
SBD
R2
R1
SBD
CIN1
CIN
C IN2
VIN
VIN
EN/SYNC
1pin
Power Good
EN/SYNC
R1
R2
Signal GND Area
RFB
Feed back
signal
CFB
HSOP8 パッケージ
TO-252-5 パッケージ
裏面にてパワー系 GND と信号系 GND を接続
図7 レイアウト例(上面パターン)
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■パッケージパワーの計算
降圧回路の損失の多くは、スイッチ動作を行う NJW4154 のパワーMOSFET によって発生します。そのため下記式を
目安に NJW4154 の損失として考えます。
入力電力
:PIN = VIN × IIN [W]
出力電力
:POUT = VOUT × IOUT [W]
ダイオードの損失
:PDIODE = VF × IL(avg) × OFF duty [W]
NJW4154 の消費電力 :PLOSS = PIN − POUT − PDIODE [W]
ただし、
VIN
VOUT
VF
OFF duty
:コンバータの入力電圧
:コンバータの出力電圧
:ダイオードの順方向飽和電圧
:スイッチ OFF 時間
IIN
IOUT
IL(avg)
:コンバータの入力電流
:コンバータの出力電流
:インダクタ平均電流
変換効率 η は、下記式によって求められます。
η = (POUT ÷ PIN) × 100 [%]
求めた消費電力 PD に対して温度ディレーティングを考慮します。
消費電力対周囲温度特性例(図8)を参考に、定格内に収まるか確認してください。
NJW4154GM1 (HSOP8 Package)
Power Dissipation vs. Ambient Temperature
(Tj=~150°C)
3500
At on 4 layer PC Board (*8)
At on 2 layer PC Board (*7)
2500
2000
1500
1000
500
Power Dissipation P D (mW)
Power Dissipation PD (mW)
3000
NJW4154DL3 (TO-252-5 Package)
Power Dissipation vs. Ambient Temperature
(Tj=~150°C)
At on 4 layer PC Board (*8)
At on 2 layer PC Board (*9)
3000
2500
2000
1500
1000
500
0
0
-50
-25
0
25
50
75
100
Ambient Temperature Ta (°C)
125
150
-50
-25
0
25
50
75
100
Ambient Temperature Ta (°C)
125
150
(*7): 基板実装時 76.2×114.3×1.6mm(2 層 FR-4)で EIA/JEDEC 準拠による
(*8): 基板実装時 76.2×114.3×1.6mm(4 層 FR-4)で EIA/JEDEC 準拠による
(4 層基板内箔:74.2×74.2mm、JEDEC 規格 JESD51-5 に基づき、基板にサーマルビアホールを適用)
(*9): 基板実装時 76.2×114.3×1.6mm(2 層 FR-4)で EIA/JEDEC 規格サイズ、且つ銅箔面積 100mm2
図8 消費電力対周囲温度特性例
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■アプリケーション設計例
●降圧アプリケーション仕様
IC
:NJW4154GM1-A
入力電圧
:VIN=12V
出力電圧
:VOUT=5V
出力電流
:IOUT=3A
発振周波数
:fosc=300kHz
V IN=12V
CIN2
0.47µF/50V
CIN1
10µF/50V
L
4.7µH/5.6A
EN/SYNC
EN/SYNC
High: ON
Low: OFF
(Standby)
V+
SW
CFB
15pF
NJW4154
PG
Pow er Good
IN-
GND
(NJW4154GM1 only)
V OUT =5V
SBD
COUT
100µF/6.3V
RFB
0Ω
(Short)
R2
160kΩ
R1
30kΩ
記号
IC
L
数量
1
1
部品番号
NJW4154
CDRH8D43NP-4R7N
概要
3A MOSFET 内蔵 SW.REG. IC
Inductor 4.7µH, 5.6A
SBD
1
MBRS540T3G
Schottky Diode 40V, 5A
CIN1
CIN2
COUT
CFB
RFB
R1
R2
1
1
1
1
1
1
1
UMK325BJ106MM
0.47µF
GRM32EB30J107ME16L
15pF
0Ω (Short)
30kΩ
160kΩ
Ceramic Capacitor 3225 10µF, 50V, X5R
Ceramic Capacitor 2012 0.47µF, 50V, B
Ceramic Capacitor 3225 100µF, 6.3V, B
Ceramic Capacitor 1608 15pF, 50V, CH
Optional
Resistor 1608 30kΩ, ±1%, 0.1W
Resistor 1608 160kΩ, ±1%, 0.1W
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メーカー
New JRC
Sumida
ON
Semiconductor
Taiyo Yuden
Std.
Murata
Std.
⎯
Std.
Std.
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■アプリケーション特性例 :NJW4154GM1-A
●VOUT=5V 設定時
Efficiency vs. Output Current
(A ver., VIN=12V, VOUT=5V, Ta=25°C)
100
6
f=300kHz
L=4.7µH
90
f=300kHz
L=4.7µH
5.8
Output Voltage VOUT (V)
80
Efficiency η (%)
Output Voltage vs. Output Current
(A ver., VIN=12V, Ta=25°C)
70
60
50
40
30
20
5.6
5.4
5.2
5
4.8
4.6
4.4
4.2
10
4
0
1
10
100
1000
Output Current IOUT (mA)
10000
1
10
100
1000
Output Current IOUT (mA)
10000
<注意事項>
このデータブックの掲載内容の正確さには
万全を期しておりますが、掲載内容について
何らかの法的な保証を行うものではありませ
ん。とくに応用回路については、製品の代表
的な応用例を説明するためのものです。また、
工業所有権その他の権利の実施権の許諾を伴
うものではなく、第三者の権利を侵害しない
ことを保証するものでもありません。
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