2015-01 主な使用事例 2 回路使用上の注意 1. ラッシュ電流抑制方法の説明 3 2. ラッシュ電流の抑制方法の例 4 3. 急速放電の電流抑制 5 4. OS-CONとアルミ電解コンデンサ並列接続時の注意 6 応 用 7-15 1. OS-CONのリプル電圧低減能力 2. OS-CONの高速バックアップ能力(負荷変動用バックアップコンデンサ) 3. スイッチング電源の出力リプルが実際の画像に与える影響 16-18 19 4. OS-CONの等価回路モデル 20-22 5. ローパス・フィルタ回路での応用 23-24 6. スイッチング電源の平滑コンデンサへの応用 25-29 コンデンサ選定ヒアリングシート 30 ご使用にあたって ■本ノート記載の内容は定められた条件下において、記載製品単体の性能・特性・機能などを規定するものであり、お客様の製品(機器)での性能・特性・ 機能などを保証するものではありません。記載製品単体の評価では予測できない不具合・事態を確認するためにも、納入仕様書を御請求、確認の上、お客 様の製品で必要とされる評価・試験を必ず行ってください。 ■本掲載内容は、予告なく変更することがあります。 ■弊社の承諾なしに、 本ノートの一部または全部を、転載または複製することを禁止します。 industrial.panasonic.com/jp/ 主な使用事例 導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ OS-CONの主な使用事例 Vout Vin 回路設計におけるラインインピーダンスの低減のた め 、O S - C O N を 含 め 各 種 コ ン デ ン サ は 、バ ック 電源回路における平滑用コンデンサ アップ用途やバイパスコンデンサとして幅広く利用 されています。 特に超 低 E S RのO S - C O Nは 、電 解コンデンサを より小さな実装面積で置き換えることができ、電源 回路で主流となっているスイッチング電源において フィルタ回路におけるコンデンサ リプルノイズを除去する平滑回路用に、また小型・ デジタル化によって発生しやすいノイズを除去する フィルタ回路用に、 大きく貢献しています。 OS-CONは温度特性変化も小さく、幅広い環境の 中で安定した機器動作を実現しています。 バックアップ用コンデンサ バイパスコンデンサ IC これらのことからO S - C O Nはノイズトラブルが 少なく、設計期間短縮や小型化設計を図ることが できます。 回路使用上の注意 導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ 1. ラッシュ電流抑制方法の説明 図1の回路でOS-CONを使用した時、 ESRが極めて小さいため過大なラッシュ電流が流れる可能性があります。 ラッシュ電流は10A以下に抑制してください。 OS-CONの許容リプル電流値の10倍が、 10Aを超える場合は、許容リプル電流の10倍以下になるようにしてください。 1-1. DC-DCコンバータ入力回路の場合 (a) 通常、 DC-DCコンバータ回路は基板ブロックの形態であり高性能 小型化のため入力部に低ESRのコンデンサが用いられます。 (b) DC-DCコンバータの調整・検査時に設備から流れ込むラッシュ *DC-DCコンバータの回路ブロックの電圧調整・検査時に調整・検査設備から供給される電源の インピーダンスが極めて低い時、電流リミッタ等の電流抑制機能が装備されている場合でも、 OS-CONに極端に大きなラッシュ電流が流れる可能性があります。 (図1参照) *DC-DCコンバータの調整・検査設備においてラッシュ電流抑制の対応が必要となります。 電流に対する配慮が必要となります。 (P13参照) 1-2. 充電電池で駆動される回路の場合 (a) 電池・充電電池を装備した回路の電源ラインに、 高性能化・ 小型化のためOS-CONのような極めて低ESRのコンデンサが *ニッケル・カドニウム充電電池等の内部抵抗の極めて小さな電池で駆動される回路において、 電源ラインに配備される低ESRコンデンサには電源ON時に極端に大きなラッシュ電流が流れる 可能性があります。 (図1参照) 用いられます。 インダクタンス・コイル *充電電池のラッシュ電流の抑制方法として、左図のような保護回路が用いられます。 電流方向 *主な注意点 逆起電力吸収時のダイオードのピーク電流値。 逆起電力吸収用ダイオード 1-3. 保護抵抗が無い場合のラッシュ電流 図1においてZ (保護抵抗) が無い場合で電源がRe≒0Ωの時、OS-CONのラッシュ電流は概略次の通りです。 ラッシュ電 流(A )= D C 供給電圧(E ) 図1 Z (保護抵抗) E S R+R e+Z(Ω) コンデンサ ( 例)2 5 S V P D 1 0 Mの場合 E S R=6 5 mΩ以下/D C供給電圧=2 0 Vの時 20V 0.065Ω以下 =3 0 0 A 以上となる。 電源内部 抵抗 Re ESR 負荷抵抗 容量 電源電圧 E 回路使用上の注意 導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ 2. ラッシュ電流の抑制方法の例 2-1. 抵抗方式 2-2. 抵抗+リレー方式 リレー接点 R 電流抑制用抵抗 コンデンサ 電源内部 電源内部 ESR 抵抗 Re 抵抗 Re 容量 電源電圧 E ESR リレーの コイル 容量 電源電圧 E (a) ラッシュ電流は概略下記のようになります。 ラッシュ電流 (A) = コンデンサ R E (V) Re+ESR+R (Ω) (b) 通常、 ReとESRは小さいのでラッシュ電流は主にRで決まります。 (a) ラッシュ電流は抵抗方式と全く同じですが、 リレーの接点がONになって からは抑制用抵抗による電圧降下はほとんどなくなります。 (b) 注意点はコンデンサが充電し終わってから、 リレー接点をONさせるように 時間、 または電圧設定が必要な点です。 (c) この方式の場合、 簡潔・明確に電流抑制を行えますが抑制用抵抗Rによる 電圧降下があります。 2-3. 抵抗+MOS-FET方式 2-4. パワーサーミスタ R パワーサーミスタ コンデンサ 電源内部 ESR 抵抗 Re 電源電圧 E MOS-FET コンデンサ 電源内部 抵抗 Re 容量 電源電圧 E ESR 容量 (a) 市販のパワーサーミスタの一例 では25℃において8Ωですが 130℃では0.62Ωとなります。 (a) 抵抗方式と同様に抑制抵抗Rを用いてラッシュ電流を抑制しますが、 (a) パワーサーミスタを上図のように接続するとSWを投入した時点では大きな MOS-FETがONになってからは、 抑制抵抗Rによる電圧降下はほとんど 抵抗値によってラッシュ電流が抑制されます。 なくなります。 その後、 出力損失 (電圧降下) を軽減していきます。 (b) 注意点は抵抗+リレー方式と同じく、 コンデンサが充電し終わってから、 MOS-FETをONさせるように時間、 または電圧設定が必要な点です。 (b) パワーサーミスタには熱定数がありSWを切った瞬間に初期状態の大きな 抵抗値には戻りません。 回路使用上の注意 導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ 3. 急速放電の電流抑制 OS-CONはESRが極めて小さいので、放電時に負荷のインピーダンスが極端に小さいと瞬間的に大きな放電電流が流れる可能性があります。 OS-CONに充電された電荷を短絡放電すると極端に大きな放電電流が流れる可能性があります。 保護抵抗 *放電の等価回路は左図のようになります。 Z1 *放電電流の概算式は次のようになります。 コンデンサ ESR 容量 負荷 回路 放電電流(A) = 充電電圧(V) ESR+Z1+Z2 (Ω) Z2 (例)25SVPD10Mの場合 ・ESR=65mΩ以下 ・充電電圧=20V の設定時 ・Z1、 Z2=0Ω 放電電流(A) = 充電電圧20V ESR 0.065Ω以下 =300A以上 OS-CONを急速放電動作で使用する場合は上記の概算式を目安にして、 放電ピーク電流は10A以下で回路を構成してください。 ただし、 OS-CONの許容リプル電流値の10倍が 10Aを超える場合、 許容リプル電流の10倍以下としてください。 回路使用上の注意 導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ 4. OS-CONとアルミ電解コンデンサ並列接続時の注意 リプル吸収用コンデンサのスペースファクター及びコストパフォーマンス改善策として、 アルミ電解コンデンサとOS-CONを並列接続で使用する場合、 下記内容を参考に してください。 図1 lr lr1 lr2 (a)並列接続された各コンデンサに流れるリプル電流は図1の基本 C1 等価回路の値を入れて求めます。 (b)100kHz∼数MHzの周波数を対象として考えた時、図1の等価 C2 ESR1 ESR2 Zc1 Zc2 回路はおおむね図2のように簡素化できます。 (但し、 コンデンサの容量値を10μF以上と想定した場合) Ir :総リプル電流 ESR:コンデンサの等価直列抵抗 Zc :コンデンサの容量成分の インピーダンス 図1の各Zcは100kHz以上の周波数領域において10μF以上であればインピーダンスが極めて小さくなるので省略でき実際に流れるリプル電流値は図2のようになります。 図2 lr=1000mArms lr1 lr2 OS-CON100μF AI-E1000μF ESR1 ESR2 30mΩ 80mΩ (c)このようにOS-CONは容量値が1/10にもかかわらず総リプル電流の73%が 流れることになります。 (d)OS-CONとアルミ電解コンデンサの並列接続での使用は、OS-CONに 多くのリプル電流が流れますので定格リプル電流に十分余裕をもった OS-CONを選定してください。 リプル電流値算出式 Ir1 = Ir× ESR2 ESR1+ESR2 = 1000mA× 80mΩ ≒ 727mArms 30mΩ+80mΩ 応用 導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ 1. OS-CONのリプル電圧低減能力 スイッチング電源は小型化指向ですが、コンデンサは基板内で大きな面積を占める部品のひとつです。 しかも、コンデンサは一般的に使用温度によって特性が大きく変化するため、使用温度範囲を考慮した選定が必要です。 そこで、広範囲な使用温度範囲でのOS-CONの高い周波数でのリプル電圧低減能力を以下の実験で説明します。 1-1. 同等リプル電圧におけるコンデンサ員数の違い L VOUT=3.3V, IOUT=3A オシロスコープ (a) 実験内容 一般的なチョッパ方式スイッチング電源を用いて、周囲温度が25℃、−20℃、 70℃の場合において、出力側平滑回路のコンデンサに、OS-CON・低インピー + VIN= 5V SW IC RL C 200kHz ダンスアルミ電解コンデンサ・低ESRタンタルコンデンサを接続し、出力リプル 電圧を比較します。 測定試料 (1)上図出力側平滑コンデンサ(C)にOS-CON・100μF/6.3V(6SVP100M・φ6.3㎜×6㎜)を使用して、各周囲温度でのリプル電圧を測定。(表3参照) (2)OS-CON・100μF/6.3Vを使用した時と同等のリプル電圧となるように、各周囲温度にて、低インピーダンスアルミ電解コンデンサ・低ESRタンタルコンデンサを 選択し測定。(表3参照) (3)25℃時の条件で同等数の出力側平滑コンデンサで、−20℃、70℃におけるリプル電圧を測定し、その変化量から平滑コンデンサのESR変化率を算出。(表2参照) (b) 実験結果 表1 各温度におけるコンデンサ実装面積比 表2 25℃を基準としたESR変化率(※) (リプル電圧を同一レベルとした時) 周囲温度 OS-CON 25℃ 1 7.15 −20℃ 1 70℃ 1 アルミ電解コンデンサ タンタルコンデンサ 周囲温度 OS-CON 1.46 25℃ 1 1 1 16.7 1.46 −20℃ 1.14 3.03 1.27 4.77 1.46 70℃ 0.952 0.587 0.85 アルミ電解コンデンサ タンタルコンデンサ 周囲温度時のリプル電圧×周囲温度時の発振周波数 ※ESR変化率 = 25℃時のリプル電圧×25℃時の発振周波数 この結果からも、OS-CONがいかに温度特性に優れているかがわかります。 応用 導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ 表3 25℃での各コンデンサ測定比較 周囲温度 25℃ コンデンサの種類 OS-CON アルミ電解コンデンサ タンタルコンデンサ 容量/電圧 100μF/6.3V 680μF/6.3V 100μF/10V サイズ(※1)(㎜) 6.6×6.6 10.5×10.5 7.5×4.5 1 7.15 1.46 員 数 実装面積比 200kHz 発振周波数 22.8mV リプル電圧 23.8mV Fig1 24.8mV Fig2 (2us/div) CH1=20mV AC 1:1 22.8mV Fig3 (2us/div) CH1=20mV AC 1:1 (2us/div) CH1=20mV AC 1:1 24.8mV 23.8mV Fig 200kHz 200kHz 200kHz ※1 Ta以外は素子径ではなく座板寸法が最大寸法。 応用 導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ 表4 -20℃での各コンデンサ測定比較 周囲温度 -20℃ コンデンサの種類 OS-CON アルミ電解コンデンサ タンタルコンデンサ 容量/電圧 100μF/6.3V 680μF/6.3V 100μF/10V サイズ(※1)(㎜) 6.6×6.6 10.5×10.5 7.5×4.5 1 16.7 1.46 員 数 実装面積比 発振周波数 250kHz リプル電圧 20.8mV 24.4mV Fig4 25.2mV Fig5 (2us/div) CH1=20mV AC 1:1 Fig6 (2us/div) CH1=20mV AC 1:1 25.2mV 24.4mV 20.8mV (2us/div) CH1 = 20mV AC 1:1 Fig 250kHz 250kHz 250kHz ※1 Ta以外は素子径ではなく座板寸法が最大寸法。 応用 導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ 表5 70℃での各コンデンサ測定比較 周囲温度 70℃ コンデンサの種類 OS-CON アルミ電解コンデンサ タンタルコンデンサ 容量/電圧 100μF/6.3V 680μF/6.3V 100μF/10V サイズ(※1)(㎜) 6.6×6.6 10.5×10.5 7.5×4.5 1 4.77 1.46 員 数 実装面積比 170kHz 発振周波数 25.6mV リプル電圧 24.0mV Fig7 24.8mV Fig8 (2us/div) CH1=20mV AC 1:1 25.6mV Fig9 (2us/div) CH1=20mV AC 1:1 (2us/div) CH1=20mV AC 1:1 24.8mV 24.0mV Fig 170kHz 170kHz 170kHz ※1 Ta以外は素子径ではなく座板寸法が最大寸法。 応用 導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ 1-2. 耐久性試験前後のリプル電圧の違い (a) 実験内容 チョッパ方式のスイッチング電源を用いて、出力側平滑回路のコンデンサに、OS-CON・低インピーダンスアルミ電解コンデンサを接続し、それぞれ耐久性試験(125℃× 定格電圧印加×1,000h) 投入前後の出力リプル電圧を比較。 リプル電圧測定は25℃、 0℃、 −20℃の周囲温度の中で実施。 L オシロスコープ VOUT=3.3V, IOUT=1A 試 料:O S - C O Nは 5 6μF / 1 0 V( 1 0 S V P D 5 6 M・φ6 . 3 ㎜×L 6 ㎜ )、低 インピー ダンスアルミ電解コンデンサは、 330μF /10V (φ10㎜×L10㎜) を使用。 + VIN= 12V SW IC それぞれのESRが、OS-CON38mΩ(実力)、低インピーダンスアルミ電解コンデンサ RL C 180mΩ (実力)であり、OS-CONと同等のリプル電圧とするために、低インピーダンス 200kHz アルミ電解コンデンサを4個使用。 測定試料 出力リプル電圧 (概略) = コイルに流れるリプル電流 コンデンサのESR (1) 試料の規格 (2) 試料のESR変化 OS-CON アルミ電解コンデンサ 容量/電圧 56μF/10V 330μF/10V ESR 45mΩ 300mΩ OS-CON 測定時の周囲温度 初期値 125℃×10V印加 アルミ電解コンデンサ 初期値 ×1,000h後の値 125℃×10V印加 ×1,000h後の値 カテゴリ温度範囲 −55℃∼+125℃ −40℃∼+125℃ 25℃ 38mΩ 40mΩ 180mΩ 231mΩ 耐久性 125℃×2,000h 125℃×2,000h 0℃ 39mΩ 41mΩ 369mΩ 663mΩ −20℃ 38mΩ 40mΩ 907mΩ 2,212mΩ サイズ(㎜) φ6.3×L6 φ10×L10 応用 導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ (2) 耐久性(125℃×10V印加) ESR (mΩ at 100kHz) 〔ESR〕 OS-CON(10SVPD56M)56μF/10V アルミ電解コンデンサ 330μF/10V 100 25℃ 100000 0℃ −20℃ 10 0 200 500 1000 2000 −40℃ 10000 Time (h) 1000 100 0 200 500 1000 2000 Time (h) (% at 120Hz) Capacitance Change 〔静電容量〕 OS-CON(10SVPD56M)56μF/10V アルミ電解コンデンサ 330μF/10V 20 10 0 -10 -20 -30 -40 25℃ 0℃ −20℃ −40℃ 0 200 500 1000 Time (h) 2000 20 10 0 -10 -20 -30 -40 0 200 500 1000 2000 Time (h) 応用 導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ (b) 実験結果 (1) 25℃でのリプル電圧波形の比較 耐久試験後 (125℃×10V印加×1000h) 初期 OS-CON (10SVPD56M) CH1=50mV AC 1:1 (2us/div) CH1=50mV AC 1:1 (2us/div) 56μF/10V×1個 31.0mV 31.0mV → 耐久試験後 (125℃×10V印加×1000h) 初期 アルミ電解コンデンサ 330μF/10V×4個 CH1=50mV AC 1:1 (2us/div) CH1=50mV AC 1:1 (2us/div) 51.0mV 42.0mV → 結果 初期 耐久性試験後 OS-CON 31mVp-p 31mVp-p アルミ電解コンデンサ 42mVp-p 51mVp-p 応用 導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ (2) 0℃でのリプル電圧波形の比較 耐久試験後 (125℃×10V印加×1000h) 初期 OS-CON (10SVPD56M) CH1=50mV AC 1:1 CH1=50mV AC 1:1 (2us/div) (2us/div) 56μF/10V×1個 32.0mV 30.0mV → 耐久試験後 (125℃×10V印加×1000h) 初期 アルミ電解コンデンサ 330μF/10V×4個 CH1=50mV AC 1:1 CH1=50mV AC 1:1 (2us/div) (2us/div) 128.0mV 78.0mV → 結果 初期 耐久性試験後 OS-CON 30mVp-p 32mVp-p アルミ電解コンデンサ 78mVp-p 128mVp-p 応用 導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ (3) -20℃でのリプル電圧波形の比較 耐久試験後 (125℃×10V印加×1000h) 初期 OS-CON (10SVPD56M) CH1=50mV AC 1:1 (2us/div) CH1=50mV AC 1:1 (2us/div) 56μF/10V×1個 30.0mV 31.0mV → 耐久試験後 (125℃×10V印加×1000h) 初期 アルミ電解コンデンサ 330μF/10V×4個 CH1=50mV AC 1:1 (2us/div) CH1=50mV AC 1:1 (2us/div) 167.0mV → 399.0mV 結果 OS-CON アルミ電解コンデンサ 初期 耐久性試験後 30mVp-p 31mVp-p 167mVp-p 399mVp-p 応用 導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ 2. OS-CONの高速バックアップ能力(負荷変動用バックアップコンデンサ) 最近の電子機器に用いられるIC、特にMPUでは処理スピードの高速化が計られる一方、使用電圧を下げパターン間隔を狭めて集積度を高めています。低電圧化にともない 負荷電流は、新しいMPUが開発されるごとに増加しています。 高速で大きな負荷変動に伴う負荷電流の急変は、電源ラインの電圧変動を引き起こし、MPU誤動作の直接的原因となります。 高速負荷変動用には低ESRで大容量のコンデンサが求められています。 低ESRコンデンサの中でOS-CONが最も容量が出せ、この点でOS-CONはバックアップ用コンデンサとして最適です。 OS-CONの優れたバックアップ能力と、他のコンデンサとの比較評価結果を以下に説明します。 2-1. テスト条件 (a) 電子負荷スイッチング波形 テスト回路 1Ω バックアップ波形 SW Power supply CH3=2V AC 10:1 負荷変動電流 2Ω 立ち上がり波形 全体波形 5us/div CH3=2V AC 10:1 20ns/div V オシロスコープ 試料 負荷条件 内 容 条 件 負 荷 幅 5μs 周 期 12.5μs 立上り時間 20ns 負荷変動電流 2A 印 加 電 圧 4V 電源インピーダンス 1Ω 2V/div 5μs/div 2V/div 20ns/div バックアップ用のコンデンサは次式で求められます。 V:ACノイズ(V) V= I× t C × T− t T + I×ESR C:容量(F) I:負荷変動電流(A) ESR:等価直列抵抗(Ω) t:負荷幅(s) T:周期(s) 応用 導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ 2-2. テスト結果 (a)同容量での比較 同容量で比較すると電源ラインの電圧変動はOS-CONの104mVに対し、低インピーダンス電解コンデンサでは548mV(OS-CONの約5.3倍)、低ESRタンタル コンデンサでは212mV(OS-CONの約2倍)となります。 OS-CON 低Zアルミ電解コンデンサ 低ESRタンタルコンデンサ 16SVP100M,ESR:21mΩ 10V100μF,ESR:245mΩ 10V100μF,ESR:85mΩ CH2=200mV AC 1:1 V=104mV 5us/div 200mV/div 5μs/div CH2=200mV AC 1 : 1 V=548mV 5us/div 200mV/div 5μs/div CH2=200mV AC 1 : 1 V=212mV 5us/div 200mV/div 5μs/div (b)同程度の負荷変動となるコンデンサの選択 16SVP100Mと同程度の電圧変動とするためには、低インピーダンス電解コンデンサでは1,500μF以上、低ESRタンタルコンデンサでは220μF×2pcs以上が必要です。 OS-CON 低Zアルミ電解コンデンサ 低ESRタンタルコンデンサ 16SVP100M 10V1,500μF 10V220μF×2 CH2=200mV AC 1:1 V=104mV 5us/div 200mV/div 5μs/div CH2=200mV AC 1:1 V=128mV 5us/div 200mV/div 5μs/div CH2=200mV AC 1:1 V=116mV 5us/div 200mV/div 5μs/div 応用 導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ (c)(b)のコンデンサを低温(−20℃)で使用した場合の比較 低温で比較した場合OS-CONは変化がないのに対し、低インピーダンス電解コンデンサでは約3.2倍、低ESRタンタルコンデンサでは約1.2倍に電圧変動が増加します。 OS-CON 低Zアルミ電解コンデンサ 低ESRタンタルコンデンサ 16SVP100M 10V1,500μF 10V220μF×2 CH2=200mV AC 1:1 V=104mV 5us/div 200mV/div 5μs/div CH2=200mV AC 1:1 V=404mV 5us/div 200mV/div 5μs/div CH2=200mV AC 1:1 V=144mV 5us/div 200mV/div 5μs/div 応用 導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ 3. 電源ラインのノイズが実際の画像に与える影響 OS-CONの優れたノイズ低減効果が画像にどのような影響を与えるか、つまりデジタルノイズがアナログ信号にいかに影響を与えるかを下記に紹介します。 (a) 監視カメラの画像への影響 監視カメラの電源ラインのフィルタ回路のコンデンサにOS-CONと低インピーダンスアルミ電解コンデンサをそれぞれ接続し、温度を変化させ、実際の 画像に与える影響を比較しました。初期では共に変化しませんでしたので、耐久性試験後のコンデンサで比較しました。 耐久性試験後(105℃×16V印加×2000h) 写真の比較 OS-CON;SVPシリーズ 20V/22μF サイズφ6.3×L6.0mm 初期ESR:42 mΩ(25℃) 42 mΩ (ー20℃) 耐久試験後ESR:45 mΩ (25℃) 45 mΩ (ー20℃) → 写真1 25℃ 写真3 −20℃ ガンマ値調整(3.0) 低インピーダンスアルミ電解コンデンサ 16V/100μF サイズφ6.3×L6.0mm 初期ESR: 303 mΩ(25℃) 1,080 mΩ (ー20℃) 耐久試験後ESR: 418 mΩ (25℃) 1,640 mΩ (ー20℃) → 写真2 25℃ 写真4 −20℃ ガンマ値調整(3.0) (b) 結果 (1) OS-CON搭載の画像:25℃から−20℃まで画像にまったく異常は見られませんでした。 (2) 低インピーダンスアルミ電解コンデンサ搭載の画像:ESRの影響により、ー20℃付近では全体が白くなり、画像に縦縞が入っています。通常写真では判り づらいので、写真のガンマ値を調整したものを掲載しています。赤線枠内に縦縞を見ることができます。 応用 導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ 4. OS-CONの等価回路モデル 近年では、回路設計の短縮のために回路シミュレーションを利用される場が増えてきていますが、電圧精度の厳しいCPU等においては、より正確さを求めるため、パターン の抵抗成分やインダクタンス成分も考慮してシミュレーションを行っています。その中でバックアップアップ用のコンデンサについても、特性がより実測に近いかたちでの シミュレーションモデルが求められています。 4-1. 従来の等価回路の問題点 従来の電源回路のシミュレーションでは、図1にあうような理想コンデンサの等価回路にてシミュレーションが行われていました。リプル電圧やリプル電流を確認する目的では 殆ど問題にはなりませんが、CPUの負荷変動等、より精度の高いシミュレーションを行うには物足りなく、実回路とシミュレーション結果の差が大きくなることがあります。 これはコンデンサのESRや容量の周波数特性が反映されてないからです。 4-2. より高度なシミュレーションのための等価回路 当社では等価回路を図2のように作成しました。これによりコンデンサが測定結果に近い周波数特性をもつようになり、回路の実動作に近いシミュレーションを行いたい場合 に利用できるようにしました。 図1 従来の等価回路 図2 より高度なシミュレーションのための等価回路 応用 導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ ●実測とシミュレーションの周波数特性の比較 〔従来の等価回路〕 〔より高度なシミュレーションのための等価回路〕 10000 Measured Value Z Simulated Value Z Measured Value ESR Simulated Value ESR 1000 100 → 10 lmpedance & ESR[mΩ] lmpedance & ESR [mΩ] 10000 Measured Value Z Simulated Value Z Measured Value ESR Simulated Value ESR 1000 100 10 1 1 0.1 1 10 100 1000 10000 100000 0.1 1 10.0 10000 100000 10.0 → ESL[nH] 1000 Measured Value C Measured Value C Simulated Value C Simulated Value C Measured Value L Measured Value L Simulated Value L 1 1000 C[μF] C[μF] ESL[nH] 1000 0.1 100 frequency[kHz] frequency [kHz] 100 10 1.0 10 100 1000 10000 10000 Simulated Value L 100 0.1 1 1.0 10 100 1000 10000 10000 frequency [kHz] frequency [kHz] Model:2SEPC560MW(2.5V-560μF) 応用 導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ 4-3. 容量の周波数特性 コンデンサの測定において容量の周波数特性は、 共振点付近から正常な値が測定できません。 これはインピーダンスアナライザやLCRメータ等の測定器が電圧信号を印加し、電流との位相差から容量を算出しているからです。この位相差は容量のインピーダンスZcと インダクタンスのインピーダンスZLの差分で決まります。周波数が低い時には "Zc>>ZL" となり、インダクタンスの影響は殆どありませんが、周波数が高くなるにつれて ZLの影響を受けるようになり、共振点付近(Zc≒ZL)から位相差が少なくなったり、方向が変わったりして、容量の測定はできなくなります。 しかし、今回作成した等価回路により容量の周波数特性が推測可能となります。つまり、等価回路のインダクタンスを全て0にして計算すれば、容量の周波数特性を見る ことができます。図7はその計算結果をグラフ化したものです。このコンデンサの共振点は190kHzで、その1/10の周波数付近からZLの影響を受けています。 Model:2SEPC560MW(2.5V-560μF) 1000 インピーダンス成分 C[μF] j ESR ZL ZC ZC ZL-ZC [真実] δ θ R Z Measured Value C ZC [測定器] Simulated Value C 100 -j ESR = Z × cosθ ZC = Z × sinθ 0.1 1 10 100 1000 10000 10000 frequency[kHz] 応用 導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ 5. ローパス・フィルタ回路での応用 電源ラインのノイズを取り除く手段として、下図のようなローパスフィルタを用いることがあります。 近年、電源で主流となっているスイッチング電源は、小型・高効率である反面、大きなノイズ源となっている場合が少なくありません。また、デジタル回路はノイズが発生 しやすく、ノイズに弱いアナログ回路が混在する装置では、ほとんど、アナログ回路の電源ラインに、これらのローパスフィルタを接続し、アナログ回路への高周波ノイズの 進入を防いでいます。 (a) フィルタの減衰効果は、コンデンサのESRが低いほど理想的な減衰率に近づきます。 図1 LCフィルタ 図2 RCフィルタ (b) コンデンサの場合、静電容量とESR成分でゼロ点(fz)が発生するため、ゼロ点周波数よりも 高い周波数では、+20dB/decで減衰効果をキャンセルしてしまいます。 (c) LCフィルタの場合:−40dB/decが−20dB/decに。 RCフィルタの場合:−20dB/decが0に。(減衰効果なし) (d) コンデンサの静電容量を増やしても、ノイズカット効果がでない現象は、このゼロ現象が 影響していることが少なくありません。 OS-CONはESRが非常に小さいため、このローパスフィルタにもっとも効果的です。 図3 実際の減衰率 fz (ゼロ点周波数) fc 周波数 fz (ゼロ点周波数) fc 0dB 周波数 c ec /d de dB B/ 20 0d − −4 0dB 実際の減衰率 実際の減衰率 減衰率 ec /d dB 20 − 減衰率 静電容量を 増やした場合 ESRが低い場合の 減衰率 ESRが低い場合の 減衰率 静電容量を 増やした場合 理想的な減衰率 (a)LCフィルタ 理想的な減衰率 (b)RCフィルタ 次頁で下記のOS-CONとアルミ電解コンデンサを使用して実際の減衰効果を比較します。 OS-CON(20SEP33M) アルミ電解コンデンサ 20V/33uF, ESR=37mΩ(実測値) 10V/33uF,ESR=1410mΩ(実測値) 応用 導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ 5-1. LCフィルタ(L=10uH) アルミ電解コンデンサ 80 60 60 40 40 Gain [dB] Gain [dB] OS-CON 80 20 0 20 0 −20 −20 −40 −40 −60 −60 −80 10 100 1k 10k 100k Frequency [Hz] −80 10 1M 100 1k 10k 100k Frequency [Hz] 1M どちらも減衰効果が大きくなっています。 今回は常温での測定結果ですが、低温下(0℃以下)では、アルミ 5-2. RCフィルタ(R=5.6Ω) 電解コンデンサの極端なESR増加と比べ、OS-CONのESRは変化が 80 80 60 60 40 40 0 0 −20 −40 −40 −60 −60 100 1k 10k 100k Frequency [Hz] 1M なります。 20 −20 −80 10 少く、フィルタの減衰効果に影響しないので、効果の差はさらに大きく アルミ電解コンデンサ Gain [dB] Gain [dB] OS-CON 20 アルミ電解コンデンサと比較し、OS-CONの方が高周波領域まで −80 10 100 1k 10k 100k 1M Frequency [Hz] 応用 導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ 6. スイッチング電源の平滑コンデンサへの応用 スイッチング電源の出力平滑コンデンサには、出力リプル電圧を抑えるため、等価直列抵抗(ESR)の低いコンデンサが求められています。しかし、ESRが低いコンデンサは、 出力電圧の異常発振と呼ばれる現象が発生することがあります。 出力電圧の異常発振は、制御方式や降圧型、昇圧型などのトポロジーによっても変わります。出力電圧発振のメカニズムとその対処方法について、電圧制御モードで降圧型 スイッチングレギュレータの例を以下で説明します。 図1 スイッチング電源の概略制御ブロック Q1 6-1. 出力電圧の異常発振 L Vout Vin スイッチング電源は、出力電圧を安定化させるために通常負帰還回路を持っています。 Zi Cin 出力電圧と基準電圧Vrefの誤差を誤差増幅器で増幅し、PWMコンパレータでデジタル信号に変換し、スイッチQ1 D Cout をオンオフします。 Zc 入力電圧Vinは、スイッチQ1で矩形波となり、それをコイルLとコンデンサCoutで平滑することで、直流の出力電圧 誤差増幅器 Voutを得て、LおよびCoutは2次のローパスフィルタを形成していることになります。 PWMコンパレータ 出力LCフィルタの周波数応答性は図2のボード線図で表されます。 Vref 誤差増幅器は負帰還回路であるため、もともと位相が180度遅れています。したがって、出力LCフィルタの位相遅れ と誤差増幅器の位相遅れが重なり、360度位相遅れが発生すると、出力電圧が発振することになります。 三角波発生器 図2 LCフィルタの周波数特性 80 なります。 160 140 120 60 50 カットオフ周波数 100 80 40 30 Gain [dB] すると、より高周波数帯域まで理想的なLCフィルタとなり、Phaseが180度近くまで遅れ発振しやすく Gain Phase 70 発振しますが、実際の周波数特性は実線のように、ある周波数以上でGainが−40dB/decから −20dB/decの減衰率に、Phaseが90度遅れとなるまで進みます。これは、Coutの容量値と 1 ESRによって一次進み回路が形成されているためで、そのゼロ点周波数 以降で、 2π C o u t ES R Gain減衰率が+20dB、+90度の位相進みが加わるからです。ところが、ESRが低いコンデンサを使用 180 90 ゼロ点周波数 60 20 40 10 20 0 0 −10 −20 −20 −40 −30 −60 一般的な負帰還回路で出力電圧の発振を防止するには、位相余裕が30度∼40度以上あることが必要 −40 と考えられています。位相余裕とは、Phaseの下限値が−180度からどれだけ離れているかを示す −60 −80 大 −50 数値で、位相余裕が小さくなればなるほど、構成部品の特性バラツキや温度変化によって発振する −70 可能性が高いと言えます。 −90 Phase [deg] 1 LCフィルタの減衰率は−40dB/dec、カットオフ周波数は で、図2の点線のような利得 2π LC (Gain)と位相(Phase)になります。理想的なLCフィルタは位相が180度遅れ、そのままでは −100 −120 ESR −140 −80 −160 1 10 100 1000 小 10000 100000 −180 1000000 Frequency [Hz] 応用 導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ 6-2. 発振の防止方法 誤差増幅器の帰還回路にて位相補償を行うことで、出力電圧の発振を防止することが 図3 電圧制御モードの位相補償回路 できます。 位相補償回路には様々な種類がありますが、電圧抑制モードのスイッチング電源に ② ① おいて、下記のような位相補償回路を用いるのが最も効果的とされています。 ④ 図3:②および④で一次進み回路を形成。①および③で一次遅れ回路を形成。 これらの定数を調整することにより、出力LCフィルタの周波数特性でPhaseが最下限 Zc ③ Zi Voutから PWM コンパレータへ を示す周波数帯域で、位相進みが発生するような位相補償を行い、負帰還回路全体の 位相遅れを改善します。 誤差増幅器 Vref 図4:調整例。図2の出力LCフィルタの位相は約10kHz付近で最下点となるため、 図4 位相補償回路の周波数特性 その周波数で位相進みを約30度持たせてあります。このため、例えLCフィルタの位相 90 180 遅れが180度近くになっても約30度の位相余裕を確保でき、出力電圧の発振を防止 80 160 できます。 Gain 60 Phase Gain[dB] 50 140 120 100 40 80 30 60 20 40 10 20 0 0 Phase[deg] 70 −10 −20 −20 −40 −30 −60 −40 −80 −50 −100 −60 −120 −70 −140 −80 −160 −90 1 10 100 1000 10000 100000 −180 1000000 Frequency[Hz] 応用 導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ 6-3. 発振防止の具体的な設計事例 図5 降圧型DC-DCコンバータの具体的な設計例 Q1 10uH Vin Zi Vout C in D C out Zc - DV - 誤差増幅器 Vref 出力リプル電圧を20mVp-pとするために、必要な出力コンデンサのESRを以下で求め + + PWMコンパレータ 三角波発生器 200kHz [仕様] ・入力電圧(Vin) :5V ます。 ESR<Vripple/((Vin−Vout)/L*Vout/Vin/fosc)=35.7mΩ そこで、以下のコンデンサを選定。 (a) OS-CON 6SVP100M 1並列 φ6.3×L6mm ESR=32mΩ ※ESRは実測値です。 ・出力電圧(Vout):3.3V ・出力電流(Iout) :3.2A (b) アルミ電解コンデンサ ・出力リプル電圧(Vripple):20mVp-p 6V/680uF 3並列 φ10×L8mm ESR=128mΩ/個 トータルESR=43mΩ 写真1 上記コンデンサを使用した測定用評価基板 最適な位相補償回路を施せば、OS-CONを使用することにより、アルミ電解コンデンサに比べ、大幅に小型化できることを以下で説明します。 写真1 評価基板 OS-CON アルミ電解コンデンサ 応用 導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ 6-4. アルミ電解コンデンサ時の設計例 図6 AL-E時のLCフィルタ周波数特性 フィルタの周波数特性(図6)は、位相補償を 40 10 20 0 す。したがって、位相補償回路は図7の回路で −10 Gain[dB] 行う必要がないほどに充分な位相余裕がありま 充分となります。 図7 AL-E時の位相補償回路 20 0 Gain Phase −20 −20 −40 −30 −60 −40 −80 −50 −100 −60 −120 −70 −140 −80 −160 −90 10 Phase[deg] アルミ電解コンデンサを使用した場合、出力LC Rin:20kΩ Rc:33kΩ Cc:10000pF Rc Zc Cc Zi Rin Vout + Vref PWM コンパレータへ 誤差増幅器 −180 100 1000 10000 100000 Frequency[Hz] 図8 AL-E時の総合周波数特性 図9 AL-E時の出力リプル電圧波形 180 60 いない)を用いることによって、図8のような総合 50 周波数特性になり、充分な位相余裕があります。 Phase Gain[dB] 40 90 20 60 10 30 0 −10 −30 −20 −60 −30 −90 −40 −120 −50 −150 −60 100 (2us/div) 120 30 0 CH2=5mV AC 1:1 150 Gain Phase[deg] 図7の位相補償回路(正確には位相補償を行って 22m Vp-p −180 1000 10000 100000 Frequency[Hz] 応用 導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ 6-5. OS-CON時の設計例 アルミ電解コンデンサを使用した電源回路から、位相補償回路を変更せずにOS-CONに置換えると、出力電圧は発振してしまいます(図10)。 これは、ESRの低いOS-CONに変更したことで、出力LCフィルタの周波数特性が、アルミ電解コンデンサを使用した図6から、図11のように変化しているにもかかわらず、 位相補償回路を変更しなかったために位相余裕がなくなったためです。 図12 OS-CON時の位相補償回路 40 20 (20us/div) Gain[dB] CH4=100mV AC 10:1 図11 OS-CON時のLCフィルタ周波数特性 10 Gain 20 0 Phase 0 Rin1:20kΩ Rin2:680Ω −10 −20 −20 −40 −30 −60 −40 −80 −50 −100 −60 −120 −70 −140 −80 −160 −90 10 100 1000 Phase[deg] 図10 発振している出力電圧波形 Cc1:330pF Cc2:33000pF Cin:4700pF Rc:3.3kΩ Zc Cc1 Zi Rin2 Cin Rc Cc2 Vout Rin1 + −180 10000 100000 PWM コンパレータへ 誤差増幅器 Vref Frequency[Hz] 図13 OS-CON時の総合周波数特性 図14 OS-CON時の出力リプル電圧波形 60 場合は、図12のような位相補償回路を用いることに 180 CH2=5mV AC 1:1 Gain 50 より、適正な位相補正を行うことができます。 これは、位相遅れが深くなった分を、図12中のZi,Zcで Gain[dB] 位相進みを形成させて、位相遅れを解消するためです。 Phase 150 40 120 30 90 20 60 10 30 0 0 Phase[deg] 図11のように、LCフィルタの位相余裕がほとんどない −10 −30 これにより、総合周波数特性は図13のようになり、位相 −20 −60 余裕も充分であり、出力リプル電圧波形(図14)も −30 −90 アルミ電解コンデンサの場合とほぼ同じになります。 −40 −120 −50 −150 −60 100 1000 10000 (2us/div) 19m Vp-p −180 100000 Frequency[Hz] コンデンサ選定ヒアリングシート 導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ 会社名 用 途 部署名 電源/フィルタ/パスコン/カップリング/ その他( ) お名前 装 置 TEL PC/PC周辺/オーディオ/通信機/車載/ その他( ) FAX 高さ制限 E-mail mm 実装形態 リードタイプ 面実装 Option 必須項目 項 目 記号 単位 項 目 記号 スイッチング周波数 fosc 数値 kHz 電流変化 数値 単位 ΔI A 入力電圧 Vin V 電圧降下 ΔVdrop mV 出力電圧 Vout V コントロールIC 出力電流 Iout A リプル電圧 ΔVripple mVp-p 使用環境温度 Ta ℃ 一次インダクタンス値 L1 μH インダクタンス値 L μH 巻き数比 n1 : n2 Iout ΔI 0A Vout ΔVripple ΔVdrop : 0V ◆使用回路を○で囲んでください。 ①降圧型 Vin>Vout + Vin ②昇圧型 Vin<Vout Iout L + fosc ④フォワード型 + Vout Vin L n1 L1 + Vin fosc n2 Iout fosc ③反転型 0>Vout Iout L Iout + + Vout Vin L fosc ⑤フライバック型 Iout + Vout + Vout n1 L1 + Vin n2 + Vout fosc 下記WEBから設計支援ツールをダウンロードいただけます。 http://industrial.panasonic.com/jp/