LTC1562-2 - 超低ノイズ、低歪みアクティブRC

製品速報
最終電気的仕様
LTC1562-2
超低ノイズ、低歪みアクティブ
RCクワッド汎用フィルタ
1998年12月
特長
概要
■
LTC®1562-2はレール・トゥ・レールの入力および出力を備え
た、
低ノイズ、
低歪みのコンティニュアスタイム・フィルタ
に最適化されています。
で、
20kHz∼300kHzの中心周波数
(f0)
4個の独立した2次フィルタ・ブロックを内蔵しており、
これ
らのフィルタ・ブロックは1個の8次フィルタまたは2個の4
次フィルタなど、
任意の組合せでカスケード接続すること
ができます。
各ブロックの応答は3本の外付け抵抗により中
心周波数、
Q、
および利得が、
単純な設計式に基づいてプログ
ラムされます。
各2次ブロックはローパスおよびバンドパス
出力を提供します。
抵抗のうちの1本を外部コンデンサに置
き換えると、
ハイパス応答が得られます。
オールパスおよび
エリプティック応答も実現可能です。
コンティニュアスタイム−クロック不要
■ 4個の2次フィルタ・セクション、20kHz∼300kHzの
中心周波数
■ バターワース、チェビシェフ、エリプティック、ま
たはイクイリップル遅延応答
■ ローパス、バンドパス、ハイパス応答
■ 標準S/N 99dB、±5V電源
(Q=1)
■ 標準S/N 93dB、単一5V電源
(Q=1)
■ レール・トゥ・レール入力および出力電圧
■ 3mV
(標準)の高DC精度
■ 中心周波数精度:±0.5%標準
■「ゼロパワー」
シャットダウン・モード
■ 単一または両電源、全電圧5V∼10V
■ 抵抗でf 、Q、利得をプログラム可能
0
LTC1562-2はダイナミック・レンジが重要なアプリケー
ション用に設計されています。たとえば、2次セクション
をペアでカスケード接続すれば、単一5V電源で、このICを
90dB以上のSN比が得られるデュアル4次バターワース・
ローパス・フィルタとして構成することができます。信号
レベルが低い場合は、LTC1562-2の内蔵利得を利用できま
す。1セクションの利得を変化させると、±5V電源で最大
114dBのダイナミック・レンジを達成できます。
アプリケーション
■
■
■
■
■
■
高分解能システム(14ビット∼18ビット)
アンチエイリアシング/再構築フィルタ
データ通信、イコライザ
デュアルまたはI/Qチャネル(1つのパッケージに2個の
整合された4次フィルタ)
リニアフェーズ・フィルタリング
LCフィルタ・モジュールの置換え
ご要望に応じて、他のカットオフ周波数範囲も提供でき
ます。詳細については、弊社にお問い合わせください。
、LTC、LTはリニアテクノロジー社の登録商標です。
標準的応用例
振幅応答
デュアル4次200kHzバターワース・ローパス・フィルタ
10
RIN2 7.87k
VIN1
1
RQ1 4.22k
2
R21 7.87k
3
5
5V
0.1µF
6
R23 7.87k
8
RQ3 4.22k
9
RIN3 7.87k
VIN2
*V – ALSO AT PINS 4, 7, 14 & 17
ALL RESISTORS 1% METAL FILM
10
INV B
V1 B
V2 B
INV C
V1 C
V2 C
–10
19
RQ2 10.2k
18
R22 7.87k
16
V+ LTC1562-2 V –
15
SHDN
AGND
13
V2 A
V2 D
12
V1 A
V1 D
11
INV A
INV D
0
VOUT1
20
–20
– 5V*
0.1µF
GAIN (dB)
RIN1 7.87k
–30
–40
–50
R24 7.87k
–60
RQ4 10.2k
–70
–80
VOUT2
RIN4 7.87k
1562-2 TA01
50k
1M
100k
1.5M
FREQUENCY (Hz)
1562-2 TA02
8-33
8
LTC1562-2
絶対最大定格
パッケージ/発注情報
(Note 1)
全電源電圧(V+∼V−).............................................. 11V
最大入力電圧
(すべてのピン)..........(V−−0.3V) ≤ V ≤(V++0.3V)
保存温度範囲 ......................................... −65℃∼150℃
動作温度範囲
LTC1562C-2 ............................................... 0℃∼70℃
LTC1562I-2 .......................................... −40℃∼85℃
リード温度(半田付け、10秒)............................... 300℃
ORDER PART
NUMBER
TOP VIEW
INV B
V1 B
V2 B
V –*
V+
SHDN
V –*
V2 A
V1 A
INV A
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
20
19
18
17
16
15
14
13
12
11
INV C
V1 C
V2 C
V –*
V–
AGND
V –*
V2 D
V1 D
INV D
LTC1562CG-2
LTC1562IG-2
G PACKAGE
20-LEAD PLASTIC SSOP
Gパッケージのピン4、7、14、17は
*G PACKAGE PINS 4, 7, 14, 17 ARE
ザブストレート/シールド接続です。
SUBSTRATE/SHIELD CONNECTIONS
V−に接続しなければなりません。
AND MUST BE TIED TO V –
TJMAX = 150°C, θJA = 136°C/W
ミリタリ・グレードに関してはお問い合わせください。
電気的特性
注記がない限り、VS=±5V、出力無負荷、TA=25℃、SHDNピンをロジック“L”。ACスペックは、1つの2次セクションに対する
ものであり、RIN=R2=10.4k±0.1%、RQ=9.09k±0.1%、f0=175kHz。
SYMBOL
PARAMETER
VS
Total Supply Voltage
IS
Supply Current
VOS
HL
8-34
CONDITIONS
MIN
TYP
4.75
VS = ±2.375V, RL = 5k, CL = 30pF, Outputs at 0V
VS = ±5V, RL = 5k, CL = 30pF, Outputs at 0V
21
22.5
VS = ±2.375V, RL = 5k, CL = 30pF, Outputs at 0V
VS = ±5V, RL = 5k, CL = 30pF, Outputs at 0V
●
●
Output Voltage Swing, V2 Outputs
VS = ±2.375V, RL = 5k, CL = 30pF
VS = ±5V, RL = 5k, CL = 30pF
●
●
Output Voltage Swing, V1 Outputs
VS = ±2.375V, RL = 5k, CL = 30pF, f = 250kHz
VS = ±5V, RL = 5k, CL = 30pF, f = 250kHz
MAX
UNITS
10.5
V
23.5
25
mA
mA
28
30
mA
mA
4.2
9.3
4.6
9.8
VP-P
VP-P
8.4
4.5
9.7
VP-P
VP-P
DC Offset Magnitude, V2 Outputs
VS = ±2.375V, Input at AGND Voltage
VS = ±5V, Input at AGND Voltage
DC AGND Reference Point
VS = Single 5V Supply
2.5
Center Frequency (f O) Error (Notes 2, 3)
VS = ±5V, V2 Output Has RL = 5k, CL = 30pF
0.5
1.7
%
Lowpass Passband Gain at V2 Output
VS = ±2.375V, fIN = 10kHz,
V2 Output Has RL = 5k, CL = 30pF
+ 0.05
+ 0.1
dB
Q Accuracy
VS = ±2.375V, V2 Output Has RL = 5k, CL = 30pF
+2
%
Wideband Output Noise
VS = ±2.375V, BW = 400kHz, Input AC GND
VS = ±5V, BW = 400kHz, Input AC GND
39
39
µVRMS
µVRMS
Input-Referred Noise, Gain = 100
BW = 400kHz, f O = 200kHz, Q = 1, Input AC GND
7.3
µVRMS
3
3
●
0
17
17
mV
mV
V
LTC1562-2
電気的特性
注記がない限り、VS=±5V、出力無負荷、TA=25℃、SHDNピンをロジック“L”。ACスペックは、1つの2次セクションに対する
ものであり、RIN=R2=10.4k±0.1%、RQ=9.09k±0.1%、f0=175kHz。
SYMBOL
PARAMETER
CONDITIONS
THD
Total Harmonic Distortion, V2 Output
fIN = 20kHz, 2.8VP-P, V1 and V2 Outputs Have
RL = 5k, CL = 30pF
– 100
dB
fIN = 20kHz, 9VP-P, V1 and V2 Outputs Have
RL = 5k, CL = 30pF
– 82
dB
SHDN Pin to V +
SHDN Pin to V +, VS = ±2.375V
1.5
1.0
Shutdown-Input Bias Current
SHDN Pin to 0V
– 10
Shutdown Delay
SHDN Pin Steps from 0V to V +
20
Shutdown Recovery Delay
SHDN Pin Steps from V +
100
µs
5
pA
Shutdown Supply Current
MIN
Shutdown-Input Logic Threshold
TYP
MAX
15
µA
µA
– 20
µA
2.5
Inverting Input Bias Current, Each Biquad
● は全動作温度範囲の規格値を意味する。
Note 1:絶対最大定格はそれを超えるとデバイスの寿命を損う可能性がある
値。
to 0V
UNITS
V
µs
Note 2: ±5V∼±2.375V電源でのf0の変化は、標準−0.2%であり、
−40℃∼85℃のf0の温度係数は標準25ppm/℃である。
Note 3:このデータシートは初期製造リミットを反映しているが、これらの値
は最終データシートではさらに厳しくなる。
ピン機能
電源ピン:V+ ピンとV−ピンは0.1µFのコンデンサで、
適切なアナログ・グランドまたはグランド・プレーンに
バイパスしなければなりません。これらのコンデンサは
できる限り電源ピンに近づけて接続してください。4、
7、14、17の各ピンは内部でV−(ピン16)に接続されてお
り、最良のシールディングを行うために、これらのピン
もピン16と同じポイントに接続する必要があります。低
ノイズのリニア電源を使用してください。フィルタのダ
イナミック・レンジが低下するため、スイッチング電源
は推奨されません。
アナログ・グランド(AGND):AGNDピンは抵抗電圧分
割器の中間点であり、V+ピンとV−ピンの中間の電位が
現れ、等価直列抵抗値は公称7kΩです。これは内部グラ
ンド・リファレンスの役目を果たします。フィルタ性能
はアナログ信号グランドの品質を反映するため、パッ
ケージの周囲を取り囲むようなアナログ・グランド・プ
レーンを推奨します。アナログ・グランド・プレーンは
どのデジタル・グランドに対しても一点接続でなければ
なりません。両電源動作では、AGNDピンをグランド・
プレーンに接続してください。単電源動作では、AGND
ピンは最低0.1µFのコンデンサ(最良のAC性能を得るに
は最低1µF)でグランド・プレーンにバイパスしなけれ
ばなりません。
シャットダウン(SHDN):SHDN入力が“H”になるか開
放になると、LTC1562-2は「ゼロパワー」シャットダウン
状態に入り、接合部リーク電流しか流れません。AGND
ピンとアンプ出力(図1を参照)はハイ・インピーダンス
状態になり、アンプは実質的に回路から切り離されます
(LTC1562-2がシャットダウン状態のとき、全体のフィ
ルタ回路に入力信号が加えられると、通常、非アクティ
ブ状態のオペアンプの周囲にある受動部品を通して何ら
かの信号が出力に流れます)。
SHDNピンがフロートしている場合は、SHDN入力にあ
る小さなプルアップ電流源によって、LTC1562-2はデ
フォルトでシャットダウン状態になります。したがっ
て、LTC1562-2に通常動作を行わせるには、ユーザは
SHDNピンをロジック“L”
( ±5V電源では0V、全5V電源
−
ではV )に接続しなければなりません(これにより、デ
バイスがシャットダウンしている間は、駆動ロジックも
電流を 供給 する必要 がない ため、 真の「 ゼロ パワー」
シャットダウンを実現できます)。
8-35
8
LTC1562-2
ピン機能
INV A、INV B、INV C、INV D:各INVピンは対応する2
次セクションの仮想グランドの加算点です。図1に示さ
れているように、さらにアプリケーション情報で説明さ
れているように、各セクションごとに3本の外部抵抗
ZIN、R2、RQがすべてINVピンに接続されます。INVピ
ンはフィルタの敏感な内部ノードで、それらに容量結合
されるどの意図せぬ信号でも容易に入り込んでしまいま
す。INVノードに接続される容量も、フィルタ・セク
ションの周波数応答に影響を与えます。このような理由
から、INVピンへのプリント回路接続は、合計1インチ
(2.5cm)以内でできる限り短くし、グランド・プレーン
で取り囲んでください。
V1 A、V1 B、V1 C、V1 D:出力ピン。外部回路に応じ
て、バンドパス応答、ハイパス応答、または他の応答を
提供します(アプリケーション情報セクションを参照)。
各V1ピンも対応する2次フィルタ・セクションのRQ抵抗
に接続されます(図1およびアプリケーション情報を参
照)。各出力は外部RQによる負荷を含む4kΩと30pFの名
目正味負荷をドライブするように設計されています。出
力の負荷をできるだけ軽くすれば、歪み性能が改善され
ます。
V2 A、V2 B、V2 C、V2 D:出力ピン。外部回路に応じ
て、ローパス応答、バンドパス応答、または他の応答を
提供します(アプリケーション情報セクションを参照)。
各V2ピンも対応する2次フィルタ・セクションのR2抵抗
に接続されます(図1およびアプリケーション情報を参
照)。各出力は外部R2による負荷を含む4kΩと30pFの名
目正味負荷をドライブするように設計されています。出
力の負荷をできるだけ軽くすれば、歪み性能が改善され
ます。
INV
1/4 LTC1562-2
*R1 AND C ARE PRECISION
INTERNAL COMPONENTS
V1
V2
INV
V1
V2
V+
V+
1
sR1C*
C
SHUTDOWN
SWITCH
V–
–
R
+
R
A
B
2ND ORDER SECTIONS
SHUTDOWN
SWITCH
SHDN
V2
INV
R2
V1
RQ
AGND
D
C
V–
1562-2 F01
INV
V1
V2
INV
V1
V2
1562-2 F02
ZIN
+
–
図2. 4個の3端子2次セクションを示す全体
ブロック図
VIN
IN EACH CASE,
RESPONSE RESPONSE
ZIN TYPE
AT V1
AT V2
R
BANDPASS LOWPASS
C
HIGHPASS BANDPASS
fO = (200kHz)
(
( )
7958Ω
R2
)
Q = RQ 200kHz
R2
fO
図1. 標準的なアプリケーションに使用した1つの2次セク
ション(点線の内側)の等価回路。ZINのタイプ(抵抗かコンデ
ンサか)によって2つの出力における応答の型が決定される
(表を参照)
8-36
LTC1562-2
アプリケーション情報
機能説明
LTC1562-2は 4つ の 整 合 の と れ た 2次 の 3端 子 汎 用 コ ン
ティニュアスタイム・フィルタ・ブロックを内蔵してお
り、各ブロックには仮想グランド入力ノード(INV)と2
つのレール・トゥ・レール出力(V1、V2)があります。
最も基本的なアプリケーションでは、このような1ブ
ロックと3本の外部抵抗により2次のローパス応答とバン
ドパス応答を同時に実現します(図1、ZINに抵抗を使
用)。3本の外部抵抗で、f0、Q、および利得をプログラ
ムします。内部高精度素子と外部抵抗R2の組合せに
よって、各2次ブロックの中心周波数f0を設定します。
LTC1562-2は外部抵抗R2が正確に7958Ωの場合に、f0が
200kHz±0.5%になるよう製造時に調整されています。
LTC1562-2はLTC1562の一種であり、周波数が高くピン
互換で、内部のRとCの値が異なっており、より高速な
アンプを備えています。
しかし、ローパス/バンドパス・フィルタリングは、
LTC1562-2の 2次構成ブロックの具体的なアプリケー
ションの1つにすぎません。下に説明するとおり、図1の
外部インピーダンスZINをコンデンサCIN(その値は臨界
周波数ではなく、利得のみ設定します)に替えると、ハ
イパス応答が得られます。複数の2次ブロックを使用し
たフィードフォワード接続(標準的応用例を参照)によっ
て、ゼロ点のある応答(例えば、エリプティック応答ま
たはノッチ応答)が得られます。さらに、仮想グランド
入力により各2次セクションでは、利得(事前増幅)、複
数の入力の加算と重み付け、または電流あるいは充電信
号の直結などのアナログ動作の組み込み機能が実行でき
ます。これらのオペレーショナル・フィルタTM周波数選
択構成ブロックは、オペアンプにほとんど匹敵するほど
多様性に優れています。
HBP (s) =
(
)
– HB ω O / Q s
(
)
2
s2 + ω O / Q s + ω O
外部抵抗R2、RIN、およびRQは、フィルタ・パラメータ
ω0=2πf0、Q、HLおよびHBを以下のとおり設定します。
fO =
 7958Ω 
=
 200kHz
R2 
2π(C) (R1)(R2) 
(
1
2
)
 200kHz 
また、
or, R2 = 
 7958Ω
 fO 
RQ
R2
R
Q=
HL =
HB = Q
RIN
RIN
(R1)(R2)
(
)
R1( = 7958Ω )と C( = 100pF)は LTC1562-2の 内 部 に あ
り、R2、RIN、RQは外部にあります。通常の設計手順で
は、最初に所要f0からR2を求め、次にR2が分かったら
RQを求めてQを設定し、最後にRINを求めて利得を設定
します。
f0の範囲はおよそ20kHz∼300kHzであり、主に必要な外
部抵抗値の大きさによって制限されます。上記のとお
り、R2はf0の二乗に反比例して変化します。この関係は
R2の許容差に対するf0の感度を低下させます(1/2ずつ)
が、これはR2がf0よりも広い範囲を持つことも意味しま
す(RQとRINもR2に従ってスケーリングされる傾向があ
ります)。f0が高い場合、これらの抵抗は 4k以下にな
り、LTC1562-2の出力の負荷が重くなって、THDおよび
他の影響が大きくなります。逆に、f0の下方リミット
20kHzは、任意の上限抵抗リミット1MΩを反映したもの
です。LTC1562-2のMOS入力回路はこれよりも高い抵抗
値に対応できますが、入力保護回路からの接合リーク電
流によってDC誤差が生じる可能性があります。
f0、Q、利得の設定
標準全ポール伝達関数により、各2次フィルタ・セク
ションの応答が特徴づけられます。ZINに抵抗RINを使用
する場合、図1のVINからV2出力およびV1出力への応答
は、それぞれ以下のとおりです。
2
HLP (s) =
(
– HLω O
)
2
s2 + ω O / Q s + ω O
2次伝達関数HLP、HBP、およびHHP(下記参照)はすべて
反転項目であるため、たとえばDCではローパス利得は
−HLになります。このような2つのセクションがカス
ケード接続された場合、これらの位相反転はキャンセル
されます。したがって、本データシートの最初のページ
にある応用回路図のフィルタは、デュアルDC保護、非
Operational Filterは、リニアテクノロジー社の商標です。
8-37
8
LTC1562-2
アプリケーション情報
反転のレール・トゥ・レール・ローパス・フィルタであ
り、2本の「周波数選択性のある直線ワイヤ」を近似しま
す。
ハイパス・オプション
図1のZINを値がCINのコンデンサにすると、VINとV1出力
間で標準全ポール・ハイパス応答が得られます。
HHP (s) =
(
−HHs 2
)
s2 + ωO / Q s + ωO2
ここで、パスバンド利得HH=CIN/Cです。ただし、Cは
100pFの内部容量です。f0とQの式は上記と同じままで
す。
2つのバンドパス・オプション
LTC1562-2からバンドパス応答HBPを得るには全く異な
る2つの方法があります。図1のZINを値がRINの抵抗にす
ると、V1出力にはVINからのバンドパス応答がありま
す。あるいは、ZINを入力コンデンサCINにすると、V1出
力は前述したとおりハイパス応答になりますが、同時に
V2出力は上記と同じHBP(s)の形式のバンドパス応答にな
ります。バンドパス利得パラメータは、HB=(RQ/R1)
(CIN/100pF)になります。この場合もR1=7958Ωです。
f0とQは通常どおりR2とRQによって制御されます。
相対的な信号振幅
各2次セクションの信号振幅はどの出力も信号出力とし
て使用していない場合でも、過負荷(飽和)にならないよ
うにスケーリングしなければなりません。(フィルタ分
野ではしばしばこれを「ダイナミックス」問題と呼んでい
ま す。 )図 1のようなLTC1562-2の 1つのセクションで
は、2つの出力V2とV1の大きさの比は、周波数ω=2πfと
すると、
( ) = (200kHz)
f
V1( jω )
V2 jω
8-38
したがって、入力周波数が200kHzより高い場合はV1の
出力振幅が大きくなり、周波数が200kHzより低い場合
はV2の出力振幅が大きくなります。未使用出力の振幅
が該当する出力より大きい場合、そのセクションの利得
または入力振幅をスケーリングして、未使用出力のオー
バドライブを回避しなければなりません。この制約に従
う限り、このような状況でもLTC1562-2を高い性能で使
用することができます。
以下のケースは相対信号振幅の問題が起こらないので最
も好都合です。未使用出力の振幅の方が使用する出力よ
りも自然に低くなります。
ローパス応答(抵抗入力、V2出力)、f0 < 200kHz
バンドパス応答(コンデンサ入力、V2出力)、f0 < 200kHz
バンドパス応答(抵抗入力、V1出力)、f0 > 200kHz
ハイパス応答(コンデンサ入力、V1出力)、f0 > 200kHz
低レベルまたは広範囲な入力信号
LTC1562-2は低レベル信号の低ノイズ増幅のための内蔵
機能を備えています。各2次フィルタ・セクションのZIN
インピーダンスはブロック利得を制御します。ユニ
ティ・パスバンド・ゲインに設定すれば、2次セクショ
ンはノイズ・レベルより99dB高い出力信号を供給でき
ます。低レベル入力がさらに広いダイナミック・レンジ
を必要とする場合、ZIN値を減らせば信号利得が増大
し、入力換算ノイズは低下します。この機能によって、
低レベル信号のSNRを増大させることができます。ま
た、ZINを変化させたり切り替えることも、自動利得制
御(AGC)を行う効率のよい方法です。システムの観点
から、この手法は最大信号対最小ノイズの比率を高め、
標 準 2次 ロ ー パ ス 応 答( Q= 1、 f0= 200kHz)の 場 合 は
114dBになります。
LTC1562-2
標準的応用例
175kHz、8次エリプティック・ハイパス・フィルタ
振幅応答
CIN2 82pF
10
0
RIN2 20.5k
CIN3 47pF
–10
–20
1
VIN
RQ1 9.09k
R21 7.15k
2
3
5
5V
0.1µF
6
R23 11.3k
8
RQ3 59k
9
10
INV B
INV C
V1 B
V1 C
V2 B
V2 C
+
LTC1562-2
V
SHDN
V
20
RIN3 45.3k
19
RQ2 26.7k
18
R22 10k
V1 A
V1 D
INV A
INV D
–40
–50
–70
– 5V*
0.1µF
15
V2 D
–30
–60
– 16
AGND
V2 A
GAIN (dB)
CIN1 220pF
13
R24 4.02k
12
RQ4 3.24k
–80
–90
200k
FREQUENCY (Hz)
50k
11
900k
1562-2 TA03b
VOUT
RIN4 40.2k
CIN4 100pF
*V – ALSO AT PINS 4, 7, 14 & 17
ALL RESISTORS 1% METAL FILM
ALL CAPACITORS 5% STANDARD VALUES
1562-2 TA03a
振幅応答
10
0
–10
GAIN (dB)
–20
256kHzリニアフェーズ6次ローパス・フィルタ、単一電源
RFF1 6.19k
–50
RB1 1.54k
RQ1 3.24k
R21 6.81k
2
3
5
5V
0.1µF
R23 4.12k
RQ3 7.32k
6
8
9
10
INV B
INV C
V1 B
V1 C
V2 B
+
V
V2 C
LTC1562-2
V–
SHDN
AGND
V2 A
V2 D
V1 A
V1 D
INV A
INV D
–70
20
19
RQ2 4.12k
18
R22 6.19k
–80
RIN4 4.12k
*GROUND ALSO AT PINS 4, 7, 14 & 17
ALL RESISTORS 1% METAL FILM
100k
FREQUENCY (Hz)
10k
1M
1562-2 TA04b
16
*
群遅延応答
1µF
15
13
R24 4.12k
12
RQ4 7.32k
8
7
6
11
VOUT
RIN3
4.12k
8
–60
RIN1
7.5k
1
–40
CIN4 22pF 5%
DELAY (µs)
VIN
–30
5
4
3
1562-2 TA04a
2
1
0
50
100
150 200 250 300
FREQUENCY (kHz)
350
400
1562-2 TA04c
8-39
LTC1562-2
標準的応用例
デュアル5次170kHzエリプティック・ハイパス・フィルタ、単一5V電源
CIN2 220pF
RIN2 15k
振幅応答
CI1 CIN1
100pF 82pF
RI1
2k
RQ1 43.2k
2
R21 11.5k
3
5
5V
0.1µF
6
R23 11.5k
8
RQ3 43.2k
9
CI3 CIN3
100pF 82pF
10
VIN2
INV B
INV C
V1 B
V1 C
V2 B
V2 C
V+
LTC1562-2 V –
SHDN
AGND
V2 A
V2 D
V1 A
V1 D
INV A
INV D
RI3
2k
VOUT1
20
0
19
RQ2 7.68k
– 10
18
R22 6.34k
– 20
16
*
15
1µF
13
R24 6.34k
12
RQ4 7.68k
– 30
GAIN (dB)
1
VIN1
10
– 40
– 50
– 60
– 70
11
– 80
– 90
10k
VOUT2
RIN4 15k
CIN4 220pF
100k
FREQUENCY (Hz)
1M
1562-2 TA05a
1562-2 TA05b
*GROUND ALSO AT PINS 4, 7, 14 & 17
100kHz、8次バンドパス・リニアフェーズ、−3dB BW=fCENTER/10
周波数応答
10
1
VIN
RQ1 78.7k
3
5
5V
0.1µF
6
R23 35.7k
RQ3 142k
8
9
10
CIN3
10pF
INV C
V1 B
V1 C
V2 B
V2 C
20
19
RQ2 76.8k
18
R22 30.1k
16
V+ LTC1562-2 V –
15
SHDN
AGND
13
V2 A
V2 D
12
V1 A
V1 D
11
INV A
INV D
RIN4 221k
RIN2 178k
0
– 5V*
0.1µF
R24 28.7k
RQ4 118k
AMPLITUDE
RESPONSE
–10
60
GROUP DELAY (µs)
R21 31.6k
2
INV B
AMPLITUDE RESPONSE (dB)
CIN1 10pF
– 20
–30
– 40
GROUP
DELAY
– 50
– 60
–70
60k
VOUT
80k
100k
120k
0
140k
FREQUENCY (Hz)
1562-2 TA6a
1562-2 TA06b
*V – ALSO AT PINS 4, 7, 14 & 17
関連製品
製品番号
説明
注釈
LTC1068
クワッド2ポール・スイッチト・キャパシタ・ビルディング・ブロック
クロック調整
LTC1560-1
5ポール・エリプティック・ローパス、
fC=1MHz/0.5MHz
外付け部品が不要、
SO8パッケージ
LTC1562
クワッド2ポール・アクティブRC、
10kHz∼150kHz
LTC1562-2と同じピン配列
8-40