ASAHI KASEI [AK5355] AK5355 Low Power 16bit ∆Σ ADC 概 要 AK5355はディジタルオーディオ機器用に開発された低電圧16bit A/Dコンバータです。AK5355は、ゲ インアンプを内蔵していますので、マイク等を使用するアプリケーションには最適です。アナログ入力 はシングルエンドになっており、外付け部品をほとんど必要としません。また、AK5355は16pin TSSOP または20pin QFNパッケージを採用しておりますので、機器の小型化には最適です。 特 長 1. 分解能 : 16bits 2. 録音側機能 • ゲインアンプ (0dB or 15dB) • オフセットキャンセル用HPF内蔵 (fc=3.4Hz@fs=44.1kHz) 3. 2ch ADC • シングルエンド入力 • 入力レベル: 1.8Vpp@VA=3.0V (= 0.6 x VA) • S/(N+D): 85dB • DR, S/N: 91dB 4. マスタクロック: 256fs/384fs/512fs 5. サンプリング周波数: 8kHz ∼ 50kHz 6. オーディオデータフォーマット: MSB First, 2’s compliment • 16bit 前詰め, I2S 7. 電源電圧 • VA, VD: 2.1 ∼ 3.6V (typ. 3.0V) 8. 消費電流: 5mA 9. Ta = -40 ∼ 85°C 10. パッケージ: 16pin TSSOP 20pin QFN (4.2mm x 4.2mm, 0.5mm pitch) SEL DIF LIN ADC HPF Audio I/F Controller LRCK BCLK SDTO RIN VD VCOM PDN VA Clock Divider VSS MCLK MS0113-J-01 2005/01 -1- ASAHI KASEI [AK5355] オーダリングガイド AK5355VT AK5355VN AKD5355 -40 ∼ +85°C 16pin TSSOP (0.65mm pitch) -40 ∼ +85°C 20pin QFN (0.5mm pitch) AK5355VT用評価ボード ピン配置(AK5355VT) VCOM 1 16 TST1 RIN 2 15 NC LIN 3 14 DIF VSS 4 13 PDN VA 5 12 BCLK VD 6 11 MCLK SEL 7 10 LRCK NC 8 9 SDTO Top View DIF PDN BCLK MCLK LRCK 14 13 12 11 5 20 VD VCOM 4 19 VA NC Top View 3 18 VSS NC AK5355 2 17 LIN TST1 1 16 RIN NC 15 ピン配置(AK5355VN) MS0113-J-01 10 SDTO 9 NC 8 NC 7 NC 6 SEL 2005/01 -2- ASAHI KASEI [AK5355] ピン/機能(AK5355VT) No. 1 2 3 4 5 6 ピン名称 VCOM RIN LIN VSS VA VD 機 I/O O I I - 能 ADC Common Voltage Output Pin Rch Input Pin Lch Input Pin Ground Pin Analog Power Supply Pin, +3.0V Digital Power Supply Pin, +3.0V Input Gain Select Pin 7 SEL I “L”: 0dB, “H”: +15dB 8 NC NC Pin (No internal bonding) 9 SDTO O Audio Serial Data Output Pin 10 LRCK I Input/Output Channel Clock Pin 11 MCLK I Master Clock Input Pin 12 BCLK I Audio Serial Data Clock Pin Reset & Power Down Pin 13 PDN I “L”: Reset & Power down, “H” : Normal operation Audio Data Format Select Pin 14 DIF I “L”: MSB justified, “H”: I2S 15 NC NC Pin (No internal bonding) TEST Pin (Pull-down Pin) 16 TST1 I オープンまたは、VSSに接続して下さい。 注: ディジタル入力ピンはフローティングにしないで下さい。 MS0113-J-01 2005/01 -3- ASAHI KASEI [AK5355] ピン/機能(AK5355VN) No. 1 2 3 4 5 ピン名称 RIN LIN VSS VA VD 機 I/O I I - 能 Rch Input Pin Lch Input Pin Ground Pin Analog Power Supply Pin, +3.0V Digital Power Supply Pin, +3.0V Input Gain Select Pin 6 SEL I “L”: 0dB, “H”: +15dB NC Pin (No internal bonding) 7 NC オープンにして下さい。 NC Pin (No internal bonding) 8 NC オープンにして下さい。 NC Pin (No internal bonding) 9 NC オープンにして下さい。 10 SDTO O Audio Serial Data Output Pin 11 LRCK I Input/Output Channel Clock Pin 12 MCLK I Master Clock Input Pin 13 BCLK I Audio Serial Data Clock Pin Reset & Power Down Pin 14 PDN I “L”: Reset & Power down, “H”: Normal operation Audio Data Format Select Pin 15 DIF I “L”: MSB justified, “H”: I2S NC Pin (No internal bonding) 16 NC オープンにして下さい。 TEST Pin (Pull-down Pin) 17 TST1 I オープンまたは、VSSに接続して下さい。 NC Pin (No internal bonding) 18 NC オープンにして下さい。 NC Pin (No internal bonding) 19 NC オープンにして下さい。 20 VCOM O ADC Common Voltage Output Pin 注: ディジタル入力ピンはフローティングにしないで下さい。 MS0113-J-01 2005/01 -4- ASAHI KASEI [AK5355] 絶対最大定格 (VSS=0V; 注 1) パラメータ 電源電圧 アナログ電源 ディジタル電源 入力電流 (電源ピンを除く) アナログ入力電圧 (LIN, RIN pins) ディジタル入力電圧 動作周囲温度 保存温度 注 1. 電圧はすべてグランドピンに対する値です。 Symbol VA VD IIN VINA VIND Ta Tstg min -0.3 -0.3 -0.3 -0.3 -40 -65 max 4.6 4.6 ±10 VA+0.3 VD+0.3 85 150 Units V V mA V V °C °C 注意: この値を超えた条件で使用した場合、デバイスを破壊することがあります。 また通常の動作は保証されません。 推奨動作条件 (VSS=0V; 注 1) パラメータ Symbol 電源電圧 アナログ電源 (VA pin) VA ディジタル電源 (VD pin) VD 注 1. 電圧はすべてグランドピンに対する値です。 min 2.1 2.1 typ 3.0 3.0 max 3.6 VA Units V V 注意: 本データシートに記載されている条件以外のご使用に関しては、当社では責任負いかねますので十分 ご注意下さい。 MS0113-J-01 2005/01 -5- ASAHI KASEI [AK5355] アナログ特性 (特記なき場合は Ta=25°C; VA, VD=3.0V; fs=44.1kHz; 信号周波数 =1kHz; 測定帯域=10Hz ∼ 20kHz) パラメータ min typ max Units 16 bits 分解能 入力ゲインアンプ特性: Gain = 0dB 1.65 1.8 1.95 Vpp 入力電圧 (注 2) Gain = +15dB 0.29 0.32 0.35 Vpp Gain = 0dB 27 40 kΩ 入力インピーダンス Gain = +15dB 20 30 kΩ ADCアナログ入力特性: (注 3) Gain = 0dB 75 85 dB S/(N+D) (-0.5dBFS Output) Gain = +15dB 70 80 dB Gain = 0dB 84 91 dB D-Range (-60dBFS Output, A-weighted) Gain = +15dB 76 84 dB Gain = 0dB 84 91 dB S/N (A-weighted) Gain = +15dB 76 84 dB Gain = 0dB 90 100 dB チャネル間アイソレーション Gain = +15dB 80 90 dB Gain = 0dB 0.2 0.5 dB チャネル間ゲインミスマッチ Gain = +15dB 0.2 1.0 dB 電源 電源電流: VA+VD 動作時 (PDN=“H”) 5 7.5 mA AK5355VT 10 100 µA パワーダウン時 (PDN=“L”) (注 4) AK5355VN 10 20 µA 注 2. アナログ入力電圧(フルスケール電圧)はVAに比例します。 Gain = 0dB; 0.6 x VA Gain = +15dB; 0.107 x VA 注 3. LIN/RIN から入力しGAINを含めて測定。 入力ゲインアンプ, ADCのオフセットは内部のHPFで除去されます。 注 4. パワーダウンモード時、クロック(MCLK, BCLK, LRCK)を含む全てのディジタル入力は、VDあるい は VSSに固定した場合の値です。ただし、PDN pinは“VSS”に固定です。 MS0113-J-01 2005/01 -6- ASAHI KASEI [AK5355] フィルタ特性 (Ta=25°C; VA, VD=2.1 ∼ 3.6V, fs=44.1kHz) パラメータ Symbol min typ max Units ADC部ディジタルフィルタ (LPF): 通過域 (注 5) ±0.1dB PB 0 17.4 kHz -1.0dB 20.0 kHz -3.0dB 21.1 kHz SB 27.0 kHz 阻止域 (注 5) PR dB 通過域リップル ±0.1 SA 65 dB 阻止域減衰量 GD 17.0 1/fs 群遅延 (注 6) 0 群遅延歪 ∆GD µs ADC部ディジタルフィルタ (HPF): 周波数応答 (注 5) -3dB FR 3.4 Hz -0.5dB 10 Hz -0.1dB 22 Hz 注 5. 各振幅特性の周波数は fs (システムサンプリングレート)に比例します。 例えば、ADC部が PB=0.454 x fs(@-1.0dB)です。 注 6. ディジタルフィルタによる演算遅延で、ADC部はアナログ信号が入力されてから両チャネルの16bitデ ータが出力レジスタにセットされるまでの時間でHPFによる群遅延も含みます。 DC特性 (Ta=25°C; VA, VD=2.1 ∼ 3.6V) パラメータ Symbol min ハイレベル入力電圧 (TST1 pinは除く) VIH 75%VD ローレベル入力電圧 (TST1 pinは除く) VIL ハイレベル出力電圧 Iout=-80µA VOH VD-0.4 ローレベル出力電圧 Iout=80µA VOL 入力リーク電流 (注 7) Iin 注 7. TST1 pin は内部でプルダウンされています。(typ.100kΩ) MS0113-J-01 typ - max 25%VD 0.4 ±10 Units V V V V µA 2005/01 -7- ASAHI KASEI [AK5355] スイッチング特性 (Ta=25°C; VA, VD=2.1 ∼ 3.6V; CL=20pF) パラメータ Symbol min typ コントロールクロック周波数 マスタクロック(MCLK) 256fs: 周波数 fCLK 2.048 11.2896 “L”幅 tCLKL 28 “H”幅 tCLKH 28 384fs: 周波数 fCLK 3.072 16.9344 “L”幅 tCLKL 23 “H”幅 tCLKH 23 512fs: 周波数 fCLK 4.096 22.5792 “L”幅 tCLKL 16 “H”幅 tCLKH 16 チャネル選択クロック(LRCK) 周波数 fs 8 44.1 Duty duty 45 オーディオ・インタフェースタイミング BCLK周期 tBLK 312.5 BCLK “L”幅 tBLKL 130 “H”幅 tBLKH 130 BCLK “↓”から LRCK tBLR -tBLKH+50 LRCKからSDTO(MSB)遅延時間 tDLR BCLK “↓”からSDTO遅延時間 tDSS リセット/初期化タイミング PDNパルス幅 tPW 150 PDN“↑” からSDTO遅延時間 (注 8) tPWV 4128 注 8. PDN pin を立ち上げてからLRCKクロックの立ち上がりの回数です。 MS0113-J-01 max Units 12.8 50 55 MHz ns ns MHz ns ns MHz ns ns kHz % tBLKL-50 80 80 ns ns ns ns ns ns 19.2 25.6 ns 1/fs 2005/01 -8- ASAHI KASEI [AK5355] タイミング波形 1/fCLK VIH VIL MCLK tCLKH tCLKL 1/fs VIH VIL LRCK tBLK VIH VIL BCLK tBLKH tBLKL 図 1. クロックタイミング VIH VIL LRCK tBLR VIH VIL BCLK tDLR tDSS SDTO D15 (MSB) 50%VD 図 2. オーディオデータ出力タイミング(オーディオI/F=No.0の場合) tPW PDN VIL tPWV SDTO 50%VD 図 3. リセットタイミング MS0113-J-01 2005/01 -9- ASAHI KASEI [AK5355] 機能説明 システムクロック 必要なクロックは、MCLK(256fs/384fs/512fs), LRCK(fs), BCLK(32fs∼)です。マスタクロック(MCLK)とサンプ リングクロック(LRCK)は同期する必要はありますが、位相を合わせる必要はありません。 MCLKの周波数は256fs, 384fsあるいは512fsを入力することができます。384fs, 512fsが入力された場合、内部 で自動的に2/3あるいは1/2分周されます。 *fsはサンプリングレートです。 動作中は、各外部クロック(MCLK, BCLK, LRCK)を止めてはいけません。これらのクロックが供給されない 場合、内部にダイナミックなロジックを使用しているため、過電流が流れ、動作が異常になる可能性があり ます。クロックを止める場合はパワーダウン状態にして下さい。 オーディオデータフォーマット SDTOピン、BCLKピン、LRCKピンの3ピンを使用して外部システムとインタフェースします。データフォ ーマットは2種類あり、全てMSBファースト、2’s コンプリメントです。設定はDIF ピンにて行います。 No. 0 1 DIF pin L H 図 図4 図5 SDTO LRCK BCLK Lch: “H”, Rch: “L” 16bit前詰め ≥ 32fs Lch: “L”, Rch: “H” I2S互換 ≥ 32fs 表 1. オーディオデータフォーマット LRCK 0 1 2 8 3 9 10 11 12 13 14 15 0 1 2 8 3 9 10 11 12 13 14 15 0 1 BCLK(32fs) SDTO(o) 15 14 13 0 1 2 8 7 3 6 14 5 15 4 16 3 17 2 1 18 0 31 15 14 13 0 1 2 8 7 3 6 14 5 15 4 16 3 17 2 1 18 0 31 15 0 1 BCLK(64fs) SDTO(o) 15 14 13 13 2 1 0 15 14 13 1 2 1 0 15 15:MSB, 0:LSB Lch Data Rch Data 図 4. オーディオデータタイミング (No.0) LRCK 0 1 2 3 4 9 10 11 12 13 14 15 0 1 2 3 4 9 10 11 12 13 14 15 0 1 BCLK(32fs) SDTO(o) 0 0 15 1 14 13 2 3 4 7 7 14 6 15 5 16 4 17 3 18 2 1 31 0 0 15 14 13 1 2 3 7 4 7 14 6 15 5 16 4 17 3 18 2 1 31 0 0 1 BCLK(64fs) SDTO(o) 15 14 13 2 1 0 15 14 13 2 2 1 0 15:MSB, 0:LSB Rch Data Lch Data 図 5. オーディオデータタイミング (No. 1) MS0113-J-01 2005/01 - 10 - ASAHI KASEI [AK5355] ディジタルHPF 入力ゲインアンプ、ADCのオフセットキャンセル用にディジタルHPFを内蔵しています。HPFのカットオフ 周波数はサンプリング周波数(fs)に比例し、fs=44.1kHz時、3.4Hzです。 入力ゲインアンプ AK5355は、入力にゲインアンプを内蔵しています。SELピンにより、ゲインを0dB あるいは+15dBに切り替 えることができます。入力インピーダンスは、typ. 40kΩです。 SEL pin 入力ゲイン L 0dB H +15dB 表 2. 入力ゲインアンプ パワーダウン AK5355はパワーダウンピン(PDN)を “L”にすることでパワーダウンモードにできます。このとき同時にデ ィジタルフィルタがリセットされます。このリセットは電源投入時に必ず一度行って下さい。パワーダウン モードが解除されると初期化サイクルが開始されます。そのため、出力データ、SDTOは4128xLRCKサイク ル後確定します。初期化中は両チャネルのADC出力データは2’sコンプリメントの0で、初期化終了後、ADC 出力はアナログ入力信号に相当するデータにセトリングします(セトリングは群遅延時間程度かかります)。 4128/fs(93.6ms@fs=44.1kHz) PDN Internal State Normal Operation Power-down Initialize Normal Operation GD (1) GD A/D In (Analog) A/D Out (Digital) Clock In MCLK,LRCK,BCLK (2) “0”data Idle Noise “0”data Idle Noise (3) 注: (1) アナログ入力に対するディジタル出力は群遅延(GD)を持ちます。 (2) パワーダウン時ADC出力は “0”データです。 (3) 各クロック (MCLK, BCLK, LRCK) の入力を止める場合はパワーダウンして下さい。 図 6. パワーダウン/アップ時タイミング例 システムリセット 電源 ON 時には、PDNピンに一度 “L” を入力してリセットして下さい。リセット及びパワーダウンは MCLK で解除され、その後 LRCK の “↑” に同期して内部回路がパワーアップし、内部のタイミングが動作します。 LRCK が入力されるまでパワーダウン状態です。 MS0113-J-01 2005/01 - 11 - ASAHI KASEI [AK5355] システム設計(AK5355VT) システム接続例を図 7に示します。具体的な回路と測定例については評価用ボード(AKD5355)を参照して下 さい。 + 2.2µ Analog Supply 2.1 ∼ 3.6V Digital Supply 2.1 ∼ 3.6V 0.1µ Rch In + 1 VCOM Lch In + 2 RIN NC 15 3 LIN DIF 14 4 VSS 5 VA BCLK 12 6 VD MCLK 11 7 SEL LRCK 10 8 NC SDTO 10µ 10µ + 0.1µ + TST1 16 PDN 13 Top View 0.1µ Analog Ground Mode Setting Reset Controller 9 System Ground 図 7. システム接続図(AK5355VT) MS0113-J-01 2005/01 - 12 - ASAHI KASEI [AK5355] システム設計(AK5355VN) システム接続例を図 8に示します。具体的な回路と測定例については評価用ボード(AKD5355)を参照して下 さい。 Rch In + Lch In + Analog Supply 2.1 ∼ 3.6V 10µ + 16 Mode Setting NC 17 0.1µ TST1 18 + NC 19 NC VCOM 20 2.2µ 1 RIN DIF 15 2 LIN PDN 14 3 VSS BCLK 13 4 VA MCLK 12 5 VD LRCK 11 Top View Reset 0.1µ NC NC NC SDTO 7 8 9 10 + SEL 10µ 6 Controller Digital Supply 2.1 ∼ 3.6V 0.1µ Analog Ground System Groun 図 8. システム接続図(AK5355VN) MS0113-J-01 2005/01 - 13 - ASAHI KASEI [AK5355] MIC接続例 図 9, 図 10にMICの接続例を示します。この例ではモノラルMICを、AK5355のLchに入力します。使用しない Rchはオープンで構いません。MICにはアナログ電源から4.4kΩ (2.2kΩ + 2.2kΩ)を通して電源が供給されてい ます。MICゲインは通常40dB程度あるため、MICに供給される電源ノイズには注意して下さい。 図 9では、 電源とMICの間に2.2kΩ と 10µFの一次LPFを挿入しています。 AK5355ではアナログ段で+15dBのゲインをもちますが、通常のアプリケーションでは40dB から 50dB程度の ゲインが要求されるため、残りの25dBから35dBはディジタル側(DSP側)でディジタル的にゲインをかける必 要があります。各ゲインレベルでのトータルのS/Nを表 3に示します。 アナログゲイン +15dB +15dB +15dB ディジタルゲイン 0dB +25dB +35dB 表 3. 各レベルでのS/N MIC + 2.2µ 0.1µ S/N 83dB 58dB 48dB 0.1µ 2.2k 2.2k Analog Supply 2.1 ∼ 3.6V Digital Supply 2.1 ∼ 3.6V + 10µ 10µ 10µ + + TST1 16 1 VCOM 2 RIN NC 15 3 LIN DIF 14 4 VSS 5 VA BCLK 12 6 VD MCLK 11 7 SEL LRCK 10 8 NC SDTO 0.1µ PDN 13 Top View 0.1µ Analog Ground Mode Setting Reset Controller 9 System Ground 図 9. MIC接続例(AK5355VT) MS0113-J-01 2005/01 - 14 - ASAHI KASEI [AK5355] 2.2k 10µ Analog Supply 2.1 ∼ 3.6V 10µ + + 16 Mode Setting NC 17 0.1µ TST1 18 + NC 2.2k NC VCOM 20 0.1µ MIC 19 2.2µ 1 RIN DIF 15 2 LIN PDN 14 3 VSS BCLK 13 4 VA MCLK 12 5 VD LRCK 11 Top View Reset 0.1µ SEL NC NC NC SDTO 7 8 9 10 10µ + 6 Controller Digital Supply 2.1 ∼ 3.6V 0.1µ Analog Ground System Groun 図 10. MIC接続例(AK5355VN) MS0113-J-01 2005/01 - 15 - ASAHI KASEI [AK5355] 1. グランドと電源のデカップリング 電源とグランドの取り方には十分注意して下さい。通常、VAはシステムのアナログ電源を供給します。VD は外部ICとのI/F用の電源なので、システムのディジタル電源を供給して下さい。VSSはアナロググランドに 接続して下さい。システムのグランドはアナログとディジタルで分けて配線し、PCボード上の電源に近い所 で接続して下さい。小容量のデカップリングコンデンサはなるべく電源ピンの近くに接続して下さい。 2. 内蔵基準電圧 VAピンに入力される電圧がアナログ入力レンジを設定します。通常、VAとVSS間に0.1µFのセラミックコン デンサを接続します。VCOMはアナログ信号のコモン電圧として使われます。このピンには高周波ノイズを 除去するために、2.2µF程度の電解コンデンサと並列に0.1µFのセラミックコンデンサをVSSピンとの間に接 続して下さい。特に、セラミックコンデンサはピンにできるだけ近づけて接続して下さい。VCOMピンから 電流を取ってはいけません。ディジタル信号、特にクロックは変調器へのカップリングを避けるため、VA, VD, VCOMピンからできるだけ離して下さい。 3. アナログ入力 アナログ入力はシングルエンド入力になっており、入力抵抗は40kΩ (typ)です。入力レンジは内部のVCOM 電圧(typ. 0.45 x VA)を中心に0.6 x VA Vpp(typ) @ GAIN = 0dB になります。通常、入力信号はコンデンサで DCカットします。この時、カットオフ周波数はfc=1/(2πRC)です。出力コードのフォーマットは2’sコンプリ メント(2の補数)です。DCオフセット(ADC自体のDCオフセットも含む)は内蔵のHPF(fc=3.4Hz@fs=44.1kHz) でキャンセルされます。 MS0113-J-01 2005/01 - 16 - ASAHI KASEI [AK5355] パッケージ(AK5355VT) 16pin TSSOP (Unit: mm) *5.0±0.1 9 A 8 1 0.13 M 6.4±0.2 *4.4±0.1 16 1.05±0.05 0.22±0.1 0.17±0.05 0.65 Detail A 0.5±0.2 0.1±0.1 Seating Plane 0.10 NOTE: Dimension "*" does not include mold flash. 0-10° 材質・メッキ仕様 パッケージ材質: エポキシ系樹脂 リードフレーム材質: 銅 リードフレーム処理: 半田(無鉛)メッキ MS0113-J-01 2005/01 - 17 - ASAHI KASEI [AK5355] パッケージ(AK5355VN) 0. 11 20pin QFN (Unit: mm) ± 4.20 ± 0.10 ± 3 A 22 0. -0 .6 9 4.00 ± 0.05 05 0. 4.00 ± 0.05 B 35 0. 0.50 0.05 M S AB 0.03 0.22 +- 0.05 S 0.60 ± 0.10 11 0. 0.22 ± 0.05 ± 1.00 0.90 ± 0.05 C0.7 45.0° 0.50 1.00 45.0° 0.02TYP 0.005MIN 0.04MAX 4.20 ± 0.10 3 - C0.2 0.05 S * パッケージ裏面の四隅の黒塗り部分は、基板とは接続せずオープンにして下さい。 材質・メッキ仕様 パッケージ材質: エポキシ系樹脂 リードフレーム材質: 銅 リードフレーム処理: 半田(無鉛)メッキ MS0113-J-01 2005/01 - 18 - ASAHI KASEI [AK5355] マーキング(AK5355VT) AKM 5355VT XXYYY 1) 2) 3) 4) Pin #1 indication Date Code : XXYYY (5 digits) XX: Lot# YYY: Date Code Marketing Code : 5355VT Asahi Kasei Logo MS0113-J-01 2005/01 - 19 - ASAHI KASEI [AK5355] マーキング(AK5355VN) 5355 XXXX 1 XXXX : Date code identifier (4桁) 改訂履歴 Date (YY/MM/DD) 01/08/27 05/01/20 Revision 00 01 Reason 初版 仕様追加 Page Contents 2 6 20pin QFNパッケージ追加。 消費電流(パワーダウン時, 20QFN): 20µA(max) 重要な注意事項 • 本書に記載された製品、及び、製品の仕様につきましては、製品改善のために予告なく変更する ことがあります。従いまして、ご使用を検討の際には、本書に掲載した情報が最新のものであること を弊社営業担当、あるいは弊社特約店営業担当にご確認下さい。 • 本書に掲載された情報・図面の使用に起因した第三者の所有する特許権、工業所有権、その他の 権利に対する侵害につきましては、当社はその責任を負うものではありませんので、ご了承下さい。 • 本書記載製品が、外国為替及び、外国貿易管理法に定める戦略物資(役務を含む)に該当する場合、 輸出する際に同法に基づく輸出許可が必要です。 • 医療機器、安全装置、航空宇宙用機器、原子力制御用機器など、その装置・機器の故障や動作不 良が、直接または間接を問わず、生命、身体、財産等へ重大な損害を及ぼすことが通常予想される ような極めて高い信頼性を要求される用途に弊社製品を使用される場合は、必ず事前に弊社代表 取締役の書面による同意をお取り下さい。 • この同意書を得ずにこうした用途に弊社製品を使用された場合、弊社は、その使用から生ずる損害 等の責任を一切負うものではありませんのでご了承下さい。 • お客様の転売等によりこの注意事項の存在を知らずに上記用途に弊社製品が使用され、その使用 から損害等が生じた場合は全てお客様にてご負担または補償して頂きますのでご了承下さい。 MS0113-J-01 2005/01 - 20 -