ASAHI KASEI [AK2301A] AK2301A 3.3V シングルチャネル PCMコーデック LSI 概 特 要 AK2301Aは、8kHzサンプリングのPCMデータをDSPな どで音声処理をするアプリケーションに適した、14 ビットリニアデータ(16ビットフォーマット)でイン ターフェースする単チャンネルPCMコーデックです。 長 単チャンネル・PCMコーデック/フィルタ内蔵 設定可能な機能; ・ ミュート ■ PCMデータインタフェース;14ビットリニアデータ (16ビットフォーマット・シリアルインターフェー ス) LongFrame/ShortFrame に対応 ■ PCMデータ転送レート 6256kHz/512kHz ■ CODEC入出力ゲイン調整用オペアンプ内蔵 ■ 単体オペアンプ2個内蔵 ■ +3.0~+3.6V単一電源 ■ 低消費電流 ■ 小型パッケージ ■ ■ 帯域制限フィルタ、A/D及びD/A変換の他に外付け フィルタ構成用の単体オペアンプを内蔵し、実装スペ ース、実装工数及び消費電力の削減に最適です。 パッケージ ■ 24ピンVSOPパッケージ ・ピン端 7.8mm*7.6mm ・ピンピッチ 0.65mm ブロック図 GST VFTN VFTP AAF A/D AMPT VR VFR CODEC Core SMF PCM I/F DX DR FS BCLK D/A AMPR GSR Internal Main Clock TAGND VREF PLL PLLC BGREF MUTEN RSTN VDD AMP1 VSS AMP2 TEST1 TEST2 TEST3 AK2301A AMP1O <MS0300-J-01> AMP1I 1 AMP2O AMP2I 2005/8 ASAHI KASEI [AK2301A] 目 項 <MS0300-J-01> 次 目 頁 - ブロック図……………………………………1 - 端子条件………………………………………3 - 端子機能………………………………………4 - 絶対最大定格…………………………………5 - 推奨動作条件…………………………………5 - 電気的特性……………………………………5 - パッケージ外形寸法図…………………… 11 - パッケージ・ピン配置…………………… 12 - マーキング仕様…………………………… - 回路構成………………………………………13 - 機能説明………………………………………14 - PCMコーデック………………………… 14 - PCMインターフェース………………… 15 - LongFrame/ShortFrame…....………… 15 - ミュート………………………………… 17 - リセット及び立ち上げシーケンス… 18 - 単体オペアンプ……………………… 19 - 外付け推奨回路図(例) …………………… 20 2 12 2005/8 ASAHI KASEI [AK2301A] 端子条件 端子 番号 最大 容量負荷 I/O 端子タイプ VFTN VFTP I I Analog Analog GST O Analog 50pF GSR O Analog 40pF 8 9 VFR I Analog VR O Analog 40pF 6 19 5 3 2 4 23 22 18 VDD VSS FS BCLK DX DR MUTEN RSTN I I O I I CMOS CMOS CMOS CMOS CMOS 50pF VREF O Analog PLLC O Analog 15 16 14 7 端子名 AC負荷(*1) 8kΩ 11 12 13 10 21 AMP2I AMP1I AMP1O AMP2O Test1 Analog Analog Analog Analog CMOS 24 Test2 CMOS 1 Test3 CMOS 備考 Analog ground Hi-Z 外付容量 1.0uF以上 外付容量 0.33uF±40% (温度特性込み) 外付容量 1.0uF以上 150uA負荷max 17 Analog ミュート時 出力状態 AC負荷(*1) 10kΩ(*2) AC負荷(*1) 8kΩ(*2) 20 TAGND 最小 抵抗負荷 40pF 40pF VSS接続 VSS接続 VSS接続 *1)AC負荷:AGNDに対する負荷です。 *2)最小負荷抵抗は帰還抵抗込の値です。 <MS0300-J-01> 3 2005/8 ASAHI KASEI [AK2301A] 端子機能 タイプの詳細 NIN: ノーマルインプット TOUT: トライステートアウトプット PWR: 電源・グランド AIN: アナログインプット AOUT: アナログアウトプット 端子番号 端子名称 タイプ 機 能 15 AIN A/Dへの入力ゲイン調整用オペアンプの反転差動入力。 VFTN VFTP端子と外部抵抗で、差動またはシングルエンド入力アンプを構成しゲ イン調整を行います。 16 AIN A/Dへの入力ゲイン調整用オペアンプの正転差動入力。 VFTP VFTN端子と外部抵抗で、差動またはシングルエンド入力アンプを構成しゲ イン調整を行います。 14 AOUT A/D入力ゲイン調整用オペアンプの出力。 GST 外部抵抗で差動入力アンプを構成しゲイン調整を行います。 7 AOUT D/A出力ゲイン調整用オペアンプの出力。 GSR 外部抵抗で反転アンプを構成しゲイン調整を行います。VR出力を使って作 動出力を構成することも出来ます。 8 AIN D/A出力ゲイン調整用オペアンプの反転入力。 VFR 外部抵抗で反転アンプを構成しゲイン調整を行います。 9 AOUT D/Aアナログ出力。 VR GSR出力を使って作動出力を構成することも出来ます。 6 PWR 正電源端子。 VDD 19 PWR 負電源端子。 VSS 5 NIN PCMデータ送受同期信号入力。 FS PCMデータ入出力タイミングを制御します。BCLKと同期した8kHz の信号を 常に入力してください。* 3 NIN PCMデータ転送レート制御クロック入力。(256kHz/512kHz) BCLK 常に入力してください。* 2 TOUT PCMデータ出力端子。 DX BCLKに同期してA/DされたPCMデータを出力します。この端子は送信データ が存在する16ビット期間以外は、ハイインピーダンスとなります。 4 DR 23 MUTEN 22 RSTN 18 VREF 20 PLLC 17 TAGND 12 11 13 10 21 24 1 AMP1I 2I AMP1O 2O TEST1 2 3 NIN PCMデータの入力端子。 BCLKに同期してPCMデータを入力します。 NIN ミュート設定端子。 Lでミュートが起動されます。 NIN リセット信号入力端子。 Lでリセットとなります。電源立ち上げ時などにLSIの初期化に用います。 初期化後安定動作に至るまでの間、異音出力を抑えるために、MUTENを併用 してください。(P.13参照) AOUT アナロググランド電源出力端子。 1.0 uF以上の容量を外付して下さい。 AOUT PLL用 容量接続端子。 0.33uF±40%(温度特性込み)の容量を外付して下さい。 AOUT TX入力アンプ用Analog Ground供給端子。 最大負荷電流150uA。1.0uF以上の容量を外付けしてください。 単体オペアンプ反転入力端子。 単体オペアンプ出力端子。 出荷テスト用端子。(“H”=testモード) VSSに接続してください。 *FS/BCLKを停止する場合は必ずRSTNをLにして下さい。 <MS0300-J-01> 4 2005/8 ASAHI KASEI [AK2301A] 絶対最大定格 パラメータ 記号 min max 単位 電源電圧 VDD -0.3 4.6 アナログ/デジタル電源 VTD -0.3 VDD+0.3 デジタル端子印加電圧 VTA -0.3 VDD+0.3 アナログ端子印加電圧 IIN -10 10 入力電流(電源ピンを除く) Tstg -55 125 保存温度 注)この値を超えた条件で使用した場合、デバイスを破壊することがあります。 またこの範囲内全てでの通常動作は保証されません。 V V V mA ℃ 推奨動作条件 パラメータ 電源電圧 アナログ/デジタル電源 動作温度範囲 フレームシンク周波数*) 注)電圧は全て接地端子基準:VSS=0V *)CODECの諸特性は8kHzでの定義となります。 記号 VDD Ta FS min 3.0 -40 -1.0% typ 3.3 max 3.6 85 +1.0% 8 単位 V ℃ kHz 電気的特性 特記のない限り、規格値はVDD = +3.0 V~+3.6V、Ta = -40~+85℃、FS=8kHzにおいて保証されます。 ■ DC特性 項目 消費電力 (注1) 記号 PDD1 条件 出力端子はすべて無負荷 デジタル高レベル 出力電圧 デジタル低レベル 出力電圧 デジタル高レベル 入力電圧 デジタル低レベル 入力電圧 VOH IOH=-1.6mA VOL IOL=1.6mA 入力漏洩電流 ILL VIH min typ 10 単位 15 mA 0.8VDD V 0.4 0.7VDD VIL -10 5 V V 0.3VDD VRG 1.4 1.5 アナロググランド 出力電圧 ILT 出力漏洩電流 トライステート時 -10 (注1)BCLK=512kHz、出力端子は全て無負荷。 VFTN/Pより1020Hz@0dBm0入力、DRより1020Hz@0dBm0 Code入力し、測定。 <MS0300-J-01> Max V +10 μA 1.6 V +10 uA 2005/8 ASAHI KASEI ◆PCMインターフェース (Lomg Frame, Short Frame) [AK2301A] 特記なき場合、Ta=-40 to +85℃, VDD = 3.0~3.6V, VSS = 0V, FS=8kHzにおいての定義となります。全ての 出力ピンのタイミングパラメータはVOH = 0.8VDD及びVOL = 0.4Vにて測定されます。全ての入力ピンの タイミングパラメーターはVIH = 0.7VDD及びVIL = 0.3VDDにて測定されます。 ■AC特性 記号 Min Typ Max FS Frequency fPF -1.0% 8 +1.0% kHz BCLK Frequency fPB - 32FS/ 64FS - kHz 1.563 1.953 2.344 μS 0.781 0.977 1.172 μS 40 ns パラメータ tWBH tWBL tWBH tWBL tRB tFB BCLK Pulse Width (High/Low) (BCLK=32xFS=256kHz) BCLK Pulse Width (High/Low) (BCLK=64xFS=512kHz) Rising/Falling Time: (BCLK,FS, DX,DR) 単位 参照図 Hold Time: BCLK Low to FS High tHBF 60 ns Setup Time: FS High to BCLK Low tSFB 60 ns Setup Time: DR to BCLK Low tSDB 60 ns Hold Time: BCLK Low to DR tHBD 60 ns Delay Time: BCLK High to DX valid Delay Time: BCLK High to DX High-Z 注1) 注1) tDBD 60 ns tDZC 60 ns 図1, 2 Long Frame nd Hold Time: 2 period of BCLK Low to FS Low tHBFL Delay Time: FS or BCLK High, whichever is later,to DX valid 注1) tDZFL FS Pulse Width Low tWFSL 1 BCLK Hold Time: BCLK Low to FS Low tHBFS 60 ns Setup Time: FS Low to BCLK Low tSFBS 60 ns 60 ns 60 ns 図1 Short Frame 図2 (注1)50pFの負荷容量、及び0.2mA駆動 <MS0300-J-01> 6 2005/8 ASAHI KASEI [AK2301A] Interface Timing 図1. Long Frame 図2. Short Frame <MS0300-J-01> 7 2005/8 ASAHI KASEI [AK2301A] ◆CODEC *送受信用オペアンプのゲインは0dB設定にて測定しています。 また、FS=8kHzからずれた場合の諸周波数特性は 使用FS ´ 測定条件周波数 = 実効周波数 で、補 8k[Hz] 正して下さい。 ■絶対ゲイン特性 項 目 アナログ入力レベル 絶対入力ゲイン 絶対入力レベル アナログ出力レベル 絶対出力ゲイン 最大入出力レベル ■伝送損失周波数特性 項 目 伝送損失周波数特性 (A→D) VFTP,VFTN → DX 伝送損失周波数特性 (D→A) DR → VR VFTP,VFTN → DX DR → VR 測定条件 0dBm0@1020Hz 入力 min -0.6 3.14dBm0入力 0dBm0@1020Hz 入力 -0.6 3.14dBm0相当値 測定条件 基準: 0.05kHz 0dBm0@1020Hz 0.06kHz 0.2kHz 0.3~3.0kHz 3.4kHz 4.0kHz 基準: 0~3.0kHz 0dBm0@1020Hz 3.4kHz 4.0kHz typ 0.531 - 0.762 0.531 - 0.762 max 0.6 0.6 min - - -1.8 -0.15 -0.8 14 -0.15 -0.8 14 typ - - - - - - - - - max -30 -26 0 0.15 0 - 0.15 0 - min typ max 単位 Vrms dB Vrms Vrms dB Vrms 単位 dB dB ■歪み特性 項 目 信号対総合電力歪比 (A→D) VFTP,VFTN → DX 信号対総合電力歪比 (D→A) DR → VR <MS0300-J-01> 測定条件 単位 1020Hz Tone 0dBm0 70 75 dB 0dBm0 70 75 dB C-message 1020Hz Tone C-message 8 2005/8 ASAHI KASEI [AK2301A] ■ノイズ特性 項 目 無通話時雑音 A→D(注1) VFTP,VFTN → DX 無通話時雑音 D→A(注2) DR → VR 電源雑音除去比 Transmit 測定条件 min typ max 単位 C-message - 8 13 dBrnC0 C-message - 5 10 dBrnC0 変調レベル: VDD=3.3V/±66mVop f=0~10kHz - 55 - dB - 55 - dB min typ max 単位 - - -75 dB - - -75 dB 電源雑音除去比 変調レベル:同上 Receiver 注1)アナログ入力 = アナロググランドレベル。 注2)ディジタル入力 (DR) = +0 CODE ■同一チャンネル内漏話 項 目 送信側→受信側 VFTN → VR,GSR 受信側→送信側 DR → DX <MS0300-J-01> 測定条件 VFTN 0dBm0@1020Hz DR = 0-Code DR=0dBm0@1020Hz code level VFTP,VFTN = 0 Vrms 9 2005/8 ASAHI KASEI [AK2301A] ■ 送信オペアンプ特性:AMPT 項 目 測定条件 min typ max 単位 出力負荷抵抗 出力負荷容量 AC負荷、帰還抵抗含む 10 - - - - 50 kΩ pF 利得 反転増幅 (帰還容量100pF、fc=80kHz設定時) -12 - 6 dB 測定条件 min typ max 単位 ■ 受信信号出力特性:VR 項 目 出力電圧(AGNDレベル) PCM +0 code入力時 - 1.5 - V 出力負荷抵抗 出力負荷容量 AC負荷 8 - - - - 40 kΩ pF min 8 - typ - - max - 40 単位 kΩ pF 70 75 - dB -12 - 6 dB - 2.15 - Vp-p min 8 - typ - - max - 40 単位 kΩ pF 62 87 - dB ■ 受信オペアンプ特性:AMPR 項 目 測定条件 出力負荷抵抗 AC負荷、帰還抵抗含む 出力負荷容量 0dB設定、1020Hz@0dBm0入力 SINAD VR,GSR差動出力時 C-message 利得 反転増幅 最大出力振幅 3.14dBm0デジタルコードDR入力時 ■ 単体オペアンプ特性:AMP1,2 項 目 測定条件 出力負荷抵抗 AC負荷、帰還抵抗含む 出力負荷容量 +6dB設定、[email protected]入力 SINAD 5Hz~30kHzにて測定 利得 反転増幅 -12 - 6 dB 最大出力振幅 +6dB設定、[email protected]入力 2.1 2.25 - Vp-p <MS0300-J-01> 10 2005/8 ASAHI KASEI [AK2301A] パッケージ外形寸法図 24pin VSOP <MS0300-J-01> 11 2005/8 ASAHI KASEI [AK2301A] パッケージ・ピン配置 24ピンVSOP TEST3 DX BCLK DR FS VDD GSR VFR VR AMP2O AMP2I AMP1I 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 24 23 22 21 20 19 18 17 16 15 14 13 TEST2 MUTEN RSTN TEST1 PLLC VSS VREF TAGND VFTP VFTN GST AMP1O TEST1,2,3は出荷テスト用端子。 通常使用時はVSSへ接続。 マーキング仕様 (1) (2) (3) (4) 1ピン表示 日付コード: XXXXX(5桁) マーケティングコード: AK2301A 旭化成ロゴ (4) (3) AKM AK2301A XXXXX (2) (1) <MS0300-J-01> 12 2005/8 ASAHI KASEI [AK2301A] 回路構成 ブロック AMPT AMPR AAF CODEC A/D CODEC D/A SMF BGREF PCM I/F AMP1,AMP2 <MS0300-J-01> 機 能 送信用システム0dB(伝送0レベルポイント)のゲイン調整用オペアンプです。 外付けの抵抗で差動もしくはシングルエンドのゲインアンプを構成します。ただ し、帰還抵抗は10 kΩ以上にして下さい。各端子の構成は次のようになっていま す。 VFTN:オペアンプ反転入力 VFTP:オペアンプ正転入力 GST:オペアンプ出力 受信用システム0dB(伝送0レベルポイント)のゲイン調整用オペアンプです。 反転アンプとして使用し、外付けの抵抗でゲインアンプを構成します。ただし、 外付けの負荷と帰還抵抗を合わせて8kΩ以上の負荷になるようにして下さい。各 端子の構成は次のようになっています。 VFR:オペアンプ反転入力 GSR:オペアンプ出力 折り返し雑音防止用フィルタです。2次のRCローパスフィルタで構成されてお り、A/Dコンバータのサンプリング周波数帯における雑音を除去します。 入力されたアナログ信号を圧伸則に従い14ビットのPCMデータに変換します。 また、帯域制限用フィルタを内蔵しています。 DR端子より取り込まれた14ビットのPCMデータをAnalog信号に変換します。 D/Aコンバータの出力は、その後SMFに通され高周波成分が抑えられ出力されま す。 D/Aコンバータの出力から帯域内の周波数成分を取り出すためのフィルタです。 温度補償されたバンドギャップ電圧発生器により、安定なアナロググランド電圧 を発生します。(1.5V typ) 安定化の為、VREFピンには1.0 uF以上の容量を接続 して下さい。ただし、このピンには外部負荷を接続しないで下さい。また、AMPT を差動入力として使用する場合に必要となるAGNDレベルをTAGNDピンから出 力します。これにも安定化の為に1.0uF以上の容量を接続してください。 BCLKで定められるデータレート(256kHz/512kHz)で14ビットPCMデータ(2’s compliment)を16ビットシリアルフォーマットで入出力します。PCMインタフェ ースはLongFrameとShortFrameの2つのモードに対応できますが、この2つのモ ードはLSIが自動判定します。 PCMデータはDX,DR端子から入出力されます。 外部音声パスのフィルタ構成用の単体オペアンプです。最大負荷は8kΩ(AC負荷、 帰還抵抗含む)。反転型LPFのカットオフを20kHzで使うことを想定しています。 13 2005/8 ASAHI KASEI [AK2301A] 機能説明 ■PCMコーデック ◆A/D AMPTより入力されたアナログ信号は、折り返し雑音防止用フィルタ(AAF)を通してから、14ビットのPCM データに変換されます。変換されたPCMデータは、8ページの伝送損失周波数特性(A/D)にあるような帯域制 限フィルタを通してから、DX端子よりBCLKの立ち上がりに同期してMSBから順に出力されます。この時 出力されるPCMデータは2’s compliment形式で、+フルスケールが3.14dBm0として定義され、アナログ入力 側で0.762Vrmsの入力が3.14dBm0のデジタルコードに変換されます。 ◆D/A DR端子よりBCLKに同期して入力されたPCMデータは、8ページの伝送損失周波数特性(D/A)の様な特性を 持ったデジタルフィルタを通してから、アナログ信号に変換され、さらにSMF(fc=30kHz typ)にて高調波成 分を取り除いてVR端子より出力されます。入力するPCMデータの信号は、出力時と同様に2’s compliment 形式で、+フルスケールが3.14dBm0として定義されます。出力されるアナログ信号のレベルは、3.14dBm0 入力時に0.762Vrmsとなります。 ◆PCMデジタルコード対応表 入出力の信号レベルと、それに対応した14bitのlinearCODEを下表に示します。 入出力信号レベル +フルスケール(3.14dBm0) PCM 0dBm0 CODEのピーク値 PCM +0CODE -フルスケール <MS0300-J-01> 14bit linear CODE (MSB First) 01 1111 1111 1111 01 0110 0100 1010 00 0000 0000 0000 10 0000 0000 0000 14 2005/8 ASAHI KASEI [AK2301A] ■ PCMインターフェース AK2301Aは以下の2つのPCMデータインタフェースをサポートしています。 ・Long Frame Sync(LF) ・Short Frame Sync(SF) PCMデータは端子(DR,DX)から順次入出力されます。 いずれの場合も2’s compliment形式の2進数を16ビットMSBファーストでインターフェースします。 ただし、内部コーデックは14ビットで動作しているために、下位2ビットの出力は、”L”固定となります。 また入力については、下位2ビットはDon’t Careとなります。 ◆PCMインタフェースの選択 Long Frame/ Short frame はFSからLSIが自動的に判定します。 ● LONG FRAME (LF) / SHORT FRAME (SF) ◆LF/SFの判定方法 AK2301Aは、以下のように入力されたFSの”H”期間によりLong Frame, Short Frameかを自動的に判断しま す。 FS=”H”の期間 フレーム構成 BCLKの2周期以上 LF BCLKの1周期 SF ◆インタフェースタイミング PCMデータは、フレーム同期信号FSに同期して、1フレーム区間(125μs)毎にそれぞれ14ビットずつDX,DR 端子より入出力されます。1フレーム区間には最大4個のタイムスロット(BCLK=512kHz時)がありますが、 本LSIはそのうちの最初のタイムスロットを使ってPCMデータを入出力します。 <MS0300-J-01> 15 2005/8 ASAHI KASEI [AK2301A] ◆フレーム同期信号(Frame Sync:FS) 8kHzの基準入力信号です。1フレーム(125us毎)に14ビットのPCMデータが入出力されます。BCLKと同期 していることが必要です。FSはPLLの入力となり、これをもとに内部の動作クロックが生成されます。 ◆データ搬送クロック信号(Bit Clock:BCLK) PCMデータがこのBCLKに同期して入出力されます。BCLKは256kHzと512kHzです。また、フレーム信号 であるFSに同期していることが必要です。 LongFrame FS BCLK DX DR Don’t care 1 2 3 4 5 6 7 8 1 2 3 4 5 6 7 8 1 2 3 4 5 6 7 1 2 3 4 5 6 7 9 10 11 12 13 14 L L 9 10 11 12 13 14 Don’t care 9 10 11 12 13 14 L 9 10 11 12 13 14 Don’t care ShortFrame FS BCLK DX DR Don’t care 8 8 L !注意事項 <重要> FSとBCLKを停止しないで下さい。 FSとBCLKは内部動作クロックの基準として使われますので、停止するとLSIは正常に動作しません。 FS/BCLKを停止する場合は、必ずRSTNをLにして下さい。 <MS0300-J-01> 16 2005/8 ASAHI KASEI ■ミュート [AK2301A] ピン設定によってPCM CODECの出力をミュートすることが可能です。 ミュートピンの設定 MUTEN端子 動作 DX端子 VR端子 0 ミュート High-Impedance アナロググランド 1 信号出力 PCMデータ出力 CODECアナログ出力 [DX端子] MUTENピンがDATA出力中に起動された場合は、次のFSの先頭まで待ってミュートが掛かります。 [VR端子] D/A出力はMUTENピン起動によりDACデジタルフィルタに0コードが入力されミュート状態に移行します。 <MS0300-J-01> 17 2005/8 ASAHI KASEI ■リセット及び立ち上げシーケンス [AK2301A] RSTN=LでLSI内部の初期化が行われます。 電源投入時、CODECの内部回路が安定するまでに、異音を発生する場合が想定されるため、RSTNと MUTENを用いて、発生を抑えてください。 ◆シーケンス ① RSTN端子は、電源立ち上げ後10msec以上はLとしておいてください。 ② FSとBCLKはリセット解除前、もしくはリセット解除後250μs(2FS期間)以内に供給してください。 ③ MUTEN端子は、電源立ち上げ直後からLにしておき、FSとBCLK供給後200msec以上はLとしておいて ください。ミュートを解除することにより、コーデック音声パスが確立します。 10msec以上 250usec以下 200msec以上 0.9VDD VDD RSTN ① ② FS BCLK MUTEN <MS0300-J-01> ③ 18 2005/8 ASAHI KASEI ■単体オペアンプ [AK2301A] 外付けフィルタ構成用の反転入力オペアンプです。 AMP1(2)Iは反転入力、AMP1(2)Oはアンプ出力に接続されています。 ◆構成例 外付けフィルタ構成時は出力抵抗負荷が、帰還抵抗込みで8kΩ以上になるように設計してください。 また、LPFのカットオフ周波数は20kHz maxを想定しています。 利得は、-12~6dBになるように設計してください。 下図に構成例を示します。 C1 R1 AMP1(2)I C2 C3 R2 AMP1(2)O 負荷抵抗 Z 上図における、各パラメータの計算式は下記のとおりです。 LPFカットオフ周波数fCL[Hz]: fCL=1/(2πR2C2) 出力抵抗負荷L[Ω]: L=R2Z/(R2+Z) 利得A[dB]: A=20log(R2/R1) HPFカットオフ周波数fCH[Hz]: fCH=1/(2πR1C1) <MS0300-J-01> 19 2005/8 ASAHI KASEI [AK2301A] 外付け推奨接続図(例) 送話側端子 受話側端子 GST 20kohm 1uF 1uF VR 100pF 10kohm 10kohm load VFTN 1uF 40kohm 1uF VFTP 10kohm VFR 100pF 40kohm 20kohm TAGND 1uF 1uF 100pF GSR 10kohm load VSS 単体オペアンプ 1uF 20kohm 40kohm 電源部、 及びPLL安定化容量 AMP1I VREF VREF PLLC PLL 200pF 1uF 1uF AMP1O VSS 10kohm load 0.33uF 1uF 20kohm 40kohm AMP2I VSS 200pF VDD 1uF AMP2O 10uF 10kohm load <MS0300-J-01> 0.1uF VSS 20 2005/8 ASAHI KASEI [AK2301A] 重要な注意事項 ● 本書に記載された製品、および、製品の仕様につきましては、製品改善のために予告なく変更すること があります。従いまして、ご使用を検討の際には、本書に掲載した情報が最新のものであることを弊社 営業担当、あるいは弊社特約店営業担当にご確認下さい。 ● 本書に掲載された情報・図面の使用に起因した第三者の所有する特許権、工業所有権、その他の権利に 対する侵害につきましては、当社はその責任を負うものではありませんので、ご了承下さい。 ● 本書記載製品が、外国為替および、外国貿易管理法に定める戦略物資(役務を含む)に該当する場合、 輸出する際に同法に基づく輸出許可が必要です。 ● 医療機器、安全装置、航空宇宙用機器、原子力制御用機器など、その装置・機器の故障や動作不良が、 直接または間接を問わず、生命、身体、財産等へ重大な損害を及ぼすことが通常予想されるような極め て高い信頼性を要求される用途に弊社製品を使用される場合は、必ず事前に弊社代表取締役の書面によ る同意をお取り下さい。 ● この同意書を得ずにこうした用途に弊社製品を使用された場合、弊社は、その使用から生ずる損害等の 責任を一切負うものではありませんのでご了承下さい。 ● お客様の転売等によりこの注意事項の存在を知らずに上記用途に弊社製品が使用され、その使用から損 害等が生じた場合は全てお客様にてご負担または補償して頂きますのでご了承下さい。 <MS0300-J-01> 21 2005/8