本ドキュメントはCypress (サイプレス) 製品に関する情報が記載されております。 富士通マイクロエレクトロニクス DATA SHEET DS04–27235–2a ASSP 電源用 ( 汎用 DC/DC コンバータ ) 過電流保護機能付 Symmetrical-Phase 方式 2ch DC/DC コンバータ IC MB39A106 ■ 概 要 MB39A106 は過電流保護回路 ( 電流センス抵抗不要 ) , 過電圧保護回路を内蔵したパルス幅変調方式 (PWM 方式 ) の Symmetrical-Phase 方式 2 ch DC/DC コンバータ IC で , 出力ドライブ能力が高く , ダウンコンバージョンに適しています。 また , 同期整流方式を採用しているため , 高効率を実現し , Symmetrical-Phase ( 逆位相の 2 つの三角波 ) 方式により入力 コンデンサを小さくできます。 ブートストラップダイオード内蔵による部品点数の削減および各種保護機能による外付け保護用素子の削減が可能な ほか , 過電圧あるいは過電流検出時に保護状態を出力します。 家庭用 TV ゲーム機 , ノート PC など高速 CPU をドライブする内蔵電源に最適です。 ■ 特 長 ・ ブートストラップダイオード内蔵 ・ タイマ・ラッチ式過電流保護回路 ( 電流センス抵抗不要 ) 内蔵 ・ タイマ・ラッチ式過電圧保護回路内蔵 ・ 同期整流方式を採用し高効率 ・ 電源電圧範囲 :6.5 V ~ 18 V ・ PWRGOOD 端子 ( オープンドレイン ) により保護状態を出力 ・ Symmetrical-Phase 方式を採用し , 入力コンデンサの損失低減 ・ チャネルコントロール機能内蔵 ・ 基準電圧 :3.5 V ± 1% ・ 誤差増幅器スレッショルド電圧:1.23 V ± 1% (Ta = 0 °C ~+ 85 °C) ・ 周波数設定容量を内蔵し外付け抵抗のみで周波数設定可能 ・ 発振周波数範囲 :100 kHz ~ 500 kHz ・ スタンバイ電流 :0 µA ( 標準 ) ・ 負荷依存のないソフトスタート / ディスチャージコントロール回路内蔵 ・ N-ch MOS FET 対応ト-テムポール形式出力段内蔵 ・ パッケージは , TSSOP 30 ピンが 1 種類 ■ アプリケーション ・ ゲーム機器 ・ IP 電話 ・ プリンタ など Copyright©2002-2008 FUJITSU MICROELECTRONICS LIMITED All rights reserved 2006.8 MB39A106 ■ 端子配列図 (TOP VIEW) −INE1 : 1 30 : CB1 FB1 : 2 29 : OUT1-1 CS1 : 3 28 : VS1 NC : 4 27 : OUT2-1 RT : 5 26 : PGND1 CTL : 6 25 : ILIM1 SGND : 7 24 : VCC VREF : 8 23 : ILIM2 CTL1 : 9 22 : VB CTL2 : 10 21 : NC CSCP : 11 20 : PGND2 PWRGOOD : 12 19 : OUT2-2 CS2 : 13 18 : VS2 FB2 : 14 17 : OUT1-2 −INE2 : 15 16 : CB2 (FPT-30P-M04) 2 MB39A106 ■ 端子機能説明 端子番号 端子記号 I/O 機 能 説 明 1 −INE1 I CH1・誤差増幅器反転入力端子です。 2 FB1 O CH1・誤差増幅器出力端子です。 3 CS1 CH1・ソフトスタート用コンデンサ接続端子です。 4 NC 未接続端子です。 5 RT 三角波発振周波数設定用抵抗接続端子です。 6 CTL I 7 SGND 接地端子です。 8 VREF O 基準電圧出力端子です。 9 CTL1 I CH1・制御端子です。 “H” レベル:CH1 動作状態 “L” レベル:CH1 OFF 状態および保護状態リセット 10 CTL2 I CH2・制御端子です。 “H” レベル:CH2 動作状態 “L” レベル:CH2 OFF 状態および保護状態リセット 11 CSCP タイマ・ラッチ式短絡保護用コンデンサ接続端子です。 12 PWRGOOD O CH1, CH2・保護状態出力端子です。 13 CS2 CH2・ソフトスタート用コンデンサ接続端子です。 14 FB2 O CH2・誤差増幅器出力端子です。 15 −INE2 I CH2・誤差増幅器反転入力端子です。 16 CB2 CH2・ブートコンデンサ接続端子です。 CB2 端子と VS2 端子の間にコンデンサを接続します。 17 OUT1-2 O CH2・トーテムポール形式出力端子です ( 外付けメイン側 FET ゲート駆動 ) 。 18 VS2 CH2・外付けメイン側 FET のソース接続端子です。 19 OUT2-2 O CH2・トーテムポール形式出力端子です ( 外付け同期整流側 FET ゲート駆動 ) 。 20 PGND2 接地端子です。 21 NC 未接続端子です。 22 VB O 出力回路用バイアス出力端子です。 23 ILIM2 I CH2・過電流検出抵抗接続端子です。 24 VCC 基準電圧 , 制御回路の電源端子です。 25 ILIM1 I CH1・過電流検出抵抗接続端子です。 26 PGND1 接地端子です。 27 OUT2-1 O CH1・トーテムポール形式出力端子です ( 外付け同期整流側 FET ゲート駆動 ) 。 28 VS1 CH1・外付けメイン側 FET のソース接続端子です。 29 OUT1-1 O CH1・トーテムポール形式出力端子です ( 外付けメイン側 FET ゲート駆動 ) 。 30 CB1 CH1・ブートコンデンサ接続端子です。 CB1 端子と VS1 端子の間にコンデンサを接続します。 電源コントロール端子です。 “H” レベル:IC 動作状態 “L” レベル:IC スタンバイ状態 3 MB39A106 ■ ブロックダイヤグラム VCC 24 6V VB Reg. L 優先 −INE1 1 Error Amp1 − + + 1.23 V OVP + Comp.1 CS1 3 VREF 3 µA CH1 PWM + Comp.1 + − Max Duty 81% Dtr ± 6% 30 CB1 Dead Time Modulation 1 L 優先 FB1 2 Drv 1-1 28 VS1 Drv 2-1 1.38 V VREF 3 µA Max Duty 81% Dtr ± 6% 16 CB2 Dead Time Modulation 2 Comp.2 + + − Amp2 − + + 1.23 V OVP + Comp.2 Drv 1-2 18 VS2 Drv 2-2 19 OUT2-2 20 PGND2 1.38 V H 優先 + 23 ILIM2 118 µA H:OCP 時 SCP Comp. + + − − Current Protection Logic CTL2 10 Open : CH2 ON CTL2 = H L : CH2 OFF 6 kΩ VTH = 1.4 V H: UVLO 解除 H:OVP 時 3.1 V H:OVP 時 H:OCP 時 H:SCP 時 Latch1 SQ CTL CTL1 CTL2 L:保護動作時 R CTL CTL1 CTL2 S R Latch Latch2 3.0 V CT1 1.8 V 3.0 V CT2 1.8 V VREF UVLO PWRGOOD 12 10 µA Error Amp 基準へ bias OSC 1.23 V VREF 3.5 V 8 VREF VCC Power VR1 ON/OFF CTL 45 pF 5 RT 4 17 OUT1-2 − 100 kΩ Buff CSCP 11 25 ILIM1 CH2 L 優先 PWM L 優先 Error + 118 µA H:OCP 時 CS2 13 − Current Protection Logic FB2 14 H: OVP 時 27 OUT2-1 26 PGND1 CTL1 9 Open : CH1 ON CTL1 = H L : CH1 OFF 6 kΩ VTH = 1.4 V −INE2 15 29 OUT1-1 − 100 kΩ Buff 22 VB 7 SGND Protection control signal 4 NC 21 NC 6 CTL H:ON (Power On) L:OFF ( スタンバイ状態 ) VTH = 1.4 V MB39A106 ■ 絶対最大定格 項 目 記 号 条 件 電源電圧 VCC ブート電圧 VCB 定 格 値 単 位 最 小 最 大 20 V 25 V 120 mA CB 端子 出力電流 IO ピーク出力電流 IOP Duty ≦ 5 % (t = 1 / fOSC × Duty) 800 mA 許容損失 PD Ta ≦+ 25 °C 1390 * mW 保存温度 TSTG - 55 + 125 °C *:10 cm 角の両面エポキシ基板に実装時 <注意事項> 絶対最大定格を超えるストレス ( 電圧 , 電流 , 温度など ) の印加は , 半導体デバイスを破壊する可能性があ ります。 したがって , 定格を一項目でも超えることのないようご注意ください。 ■ 推奨動作条件 項 目 記 号 条 件 電源電圧 VCC ブート電圧 VCB CB 端子 基準電圧出力電流 IOR バイアス出力電流 規 格 値 単 位 最 小 標 準 最 大 6.5 12 18 V 24 V VREF 端子 -1 0 mA IOB VB 端子 -1 0 mA VIN −INE 端子 0 VCC - 1.8 V CTL1, CTL2 端子 0 VREF V CTL 端子 0 VCC V PWRGOOD 端子 0 15 V - 100 + 100 mA - 700 + 700 mA 入力電圧 VCTL 出力電圧 VPG 出力電流 IO ピーク出力電流 IOP 発振周波数 fOSC 100 300 500 kHz タイミング抵抗 RT 30 47 130 kΩ ブート容量 CB 0.1 1.0 µF Duty ≦ 5% (t = 1 / fosc × Duty) 基準電圧出力容量 CREF VREF 端子 0.1 1.0 µF バイアス出力容量 CVB VB 端子 1.0 4.7 10 µF ソフトスタート容量 CS 0.1 1 µF ショート検出容量 CSCP 0.01 1 µF 過電流検出設定抵抗 RLIM 0.1 1 10 kΩ Ta - 30 + 25 + 85 °C 動作温度 <注意事項> 推奨動作条件は , 半導体デバイスの正常な動作を保証する条件です。 電気的特性の規格値は , すべてこの条 件の範囲内で保証されます。 常に推奨動作条件下で使用してください。 この条件を超えて使用すると , 信頼 性に悪影響を及ぼすことがあります。 データシートに記載されていない項目 , 使用条件 , 論理の組合せでの使用は , 保証していません。 記載され ている以外の条件での使用をお考えの場合は , 必ず事前に当社営業担当部門までご相談ください。 5 MB39A106 ■ 電気的特性 (VCC = 12 V, VB = 0 mA, VREF = 0 mA, Ta =+ 25 °C) 項 目 記号 端子 VREF 8 Ta =+ 25 °C ∆VREF/ VREF 8 入力安定度 Line 負荷安定度 出力電圧 基準電圧部 [Ref] 短絡時出力電流 バイアス電圧 部 出力電圧 [VB] 三角波発振器 発振周波数 部 周波数温度 [OSC] 変動率 低 VCC 時 誤動作防止 回路部 [UVLO] 過電圧保護 回路部 [OVP] 単位 最 小 標 準 最 大 3.465 3.500 3.535 V Ta = 0 °C ~+ 85 °C 0.5 * % 8 VCC = 6.5 V ~ 18 V 1 10 mV Load 8 VREF = 0 mA ~- 1 mA 3 10 mV Ios 8 VREF = 0 V - 40 - 20 - 10 mA VB 22 5.88 6.00 6.12 V 17, 29 RT = 47 kΩ 270 300 330 kHz 17, 29 Ta = 0 °C ~+ 85 °C 1* % 2.6 2.8 3.0 V 0.2 * V 1.7 2.1 2.5 V fOSC ∆fOSC/ fOSC VTH 8 ヒステリシス幅 VH 8 VRST 8 VTH 11 0.65 0.70 0.75 V ICSCP 11 - 14 - 10 -6 µA 106 118 130 µA 1* mV 1.35 1.38 1.41 V - 730 - 110 nA リセット電圧 VREF = VREF = ILIM 端子入力 電流 ILIM 23, 25 RT = 47 kΩ オフセット電圧 VIO 23, 25 スレッショルド 電圧 VTH 1, 15 −INE = IB 1, 15 −INE = 0 V ILEAK 12 PWRGOOD = 5 V 40 µA VOL 12 PWRGOOD = 1 mA 0.1 0.4 V ICS 3, 13 - 4.2 - 3.0 - 1.8 µA VTH1 1, 15 FB = 2.4 V 時 , Ta =+ 25 °C 1.221 1.230 1.239 V VTH2 1, 15 FB = 2.4 V 時 , Ta = 0 °C ~+ 85 °C 1.218 1.230 1.242 V IB 1, 15 −INE = 0 V - 730 - 110 nA 入力バイアス 電流 出力リーク電流 保護状態 出力回路部 出力 “L” レベル [PWRGOOD] 電圧 ソフト スタート部 [CS] 規 格 値 スレッショルド 電圧 短絡保護回路 スレッショルド 電圧 部 [SCP] 入力ソース電流 過電流保護 回路部 [OCP] 条 件 充電電流 スレッショルド 誤差増幅器部 電圧 [Error Amp] 入力バイアス 電流 (続く) 6 MB39A106 (VCC = 12 V, VB = 0 mA, VREF = 0 mA, Ta =+ 25 °C) 項 目 記号 端子 電圧利得 AV 2, 14 周波数帯域幅 BW 2, 14 VFBH 2, 14 VFBL 2, 14 出力ソース電流 ISOURCE 2, 14 出力シンク電流 ISINK 誤差増幅器部 出力電圧 [Error Amp] PWM 比較器 部 [PWM Comp.] スレッショルド 電圧 休止期間 調整部 [DTC] 最大デューティ サイクル 出力部 [Drive] 規 格 値 単位 最 小 標 準 最 大 DC 60 100 dB AV = 0 dB 1.5 * MHz 3.2 3.4 V 40 200 mV FB = 2.4 V -2 -1 mA 2, 14 FB = 2.4 V 150 250 µA VTL 2, 14 デューティサイクル= 0% 1.7 1.8 V VTH 2, 14 デューティサイクル= Dtr 2.86 3.00 V Dtr 17, 29 RT = 47 kΩ 75 81 87 % ISOURCE1 OUT1 = 12 V, CB = 17 V, VS = 12 V 17, 29 Duty ≦ 5 % (t = 1 / fOSC × Duty) - 700 * mA ISINK1 OUT1 = 17 V, CB = 17 V, VS = 12 V 17, 29 Duty ≦ 5 % (t = 1 / fOSC × Duty) 900 * mA VOH1 17, 29 OUT1 =- 100 mA, CB = 17 V, VS = 12 V V VOL1 17, 29 OUT1 = 100 mA, CB = 17 V, VS = 12 V 出力電流 ( メイン側 ) 出力電圧 ( メイン側 ) 条 件 VCB - 2.5 VCB - 0.9 VS + 0.9 VS + 1.4 V ISOURCE2 OUT2 = 0 V 19, 27 Duty ≦ 5 % (t = 1 / fOSC × Duty) - 750 * mA ISINK2 OUT2 = 6 V, 19, 27 Duty ≦ 5 % (t = 1 / fOSC × Duty) 900 * mA 出力電圧 ( 同期整流側 ) VOH2 19, 27 OUT2 =- 100 mA 3.5 5.1 V VOL2 19, 27 OUT2 = 100 mA 1.0 1.4 V ダイオード電圧 VD 16, 30 VB = 10 mA 0.8 1.0 V tD1 29, 27 OUT1 = OUT2 = OPEN, VS = 0 V 17, 19 OUT2: - OUT1: 40 80 120 ns tD2 OUT1 = OUT2 = OPEN, 29, 27 VS = 0 V 17, 19 OUT1: - OUT2: 60 120 180 ns 出力電流 ( 同期整流側 ) デッドタイム (続く) 7 MB39A106 (続き) (VCC = 12 V, VB = 0 mA, VREF = 0 mA, Ta =+ 25 °C) 項 目 記号 端子 条 件 出力オン条件 VON 9, 10 出力オフ条件 コントロール 出力オン条件 部 [CTL, CTL1, 出力オフ条件 CTL2] VOFF 入力電流 全デバイス *:標準設計値 8 規 格 値 単位 最 小 標 準 最 大 2 VREF V 9, 10 0 0.8 V VON 6 2 VCC V VOFF 6 0 0.8 V - 44 - 35 - 29 µA ICTL 9, 10 CTL1 = CTL2 = 0 V 6 CTL = 5 V 50 75 µA スタンバイ電流 ICCS 24 CTL = 0 V 0 10 µA 電源電流 ICC 24 CTL = 5 V 15 23 mA MB39A106 ■ 標準特性 電源電流-電源電圧特性 20 Ta = +25 °C CTL = 5 V 18 Ta = +25 °C CTL = 5 V VREF = 0 mA 5 16 基準電圧 VREF (V) 電源電流 ICC (mA) 基準電圧-電源電圧特性 6 14 12 10 8 6 4 4 3 2 1 2 0 0 0 5 10 15 20 0 5 電源電圧 VCC (V) 基準電圧-負荷電流特性 5 15 20 基準電圧-周囲温度特性 2.0 Ta = +25 °C VCC = 12 V CTL = 5 V 4 VCC = 12 V CTL = 5 V VREF = 0 mA 1.5 基準電圧 ∆VREF (%) 基準電圧 VREF (V) 10 電源電圧 VCC (V) 3 2 1 1.0 0.5 0.0 −0.5 −1.0 −1.5 0 5 10 15 25 −20 0 +20 +40 +60 +80 +100 周囲温度 Ta ( °C) CTL 端子電流 , 基準電圧- CTL 端子電圧特性 三角波発振周波数-タイミング抵抗特性 5 Ta = +25 °C VCC = 12 V VREF = 0 mA 4 VREF 3 300 2 200 ICTL 1 100 0 5 10 15 CTL 端子電圧 VCTL (V) 0 20 1000 基準電圧 VREF (V) 400 0 −2.0 −40 負荷電流 IREF (mA) 500 CTL 端子電流 ICTL (µA) 20 三角波発振周波数 fOSC (kHz) 0 Ta = +25 °C VCC = 12 V CTL = 5 V 100 10 10 100 1000 タイミング抵抗 RT (kΩ) (続く) 9 MB39A106 三角波発振周波数-周囲温度特性 330 325 320 315 310 305 300 295 290 285 280 275 270 2 Ta = +25 °C RT = 47 kΩ CTL = 5 V 0 5 10 15 20 三角波発振周波数 ∆fOSC/fOSC (%) 三角波発振周波数 fOSC (kHz) 三角波発振周波数-電源電圧特性 VCC = 12 V RT = 47 kΩ CTL = 5 V 1.5 1 0.5 0 −0.5 −1 −1.5 −2 −40 −20 0 +20 +40 +60 +80 +100 周囲温度 Ta ( °C) 電源電圧 VCC (V) 誤差増幅器スレッショルド電圧 VTH (V) 誤差増幅器スレッショルド電圧-周囲温度特性 1.244 1.242 1.240 1.238 1.236 1.234 1.232 1.230 1.228 1.226 1.224 1.222 1.220 1.218 −40 VCC = 12 V CTL = 5 V −20 +20 0 +40 +60 +80 +100 周囲温度 Ta ( °C) 誤差増幅器 利得 , 位相-周波数特性 Ta = +25 °C 40 4.2 V ϕ 20 90 10 0 0 −10 −90 −20 位相 ϕ (deg) 30 利得 AV (dB) 180 AV −30 + IN 10 kΩ 240 kΩ 10 kΩ 2.4 kΩ 10 kΩ (15) 1 − 3 + (13) + 1.23 V 2 (14) OUT Error Amp1 (Error Amp2) −180 −40 100 10 kΩ 1 µF VCC = 12 V 1k 10 k 100 k 1M 10 M 周波数 f (Hz) (続く) 10 MB39A106 (続き) 許容損失-周囲温度特性 許容損失 PD (mW) 1600 1400 1390 1200 1000 800 600 400 200 0 −40 −20 0 +20 +40 +60 +80 +100 周囲温度 Ta ( °C) 11 MB39A106 ■ 機能説明 1. DC/DC コンバータ機能 (1) 基準電圧部 (Ref) 基準電圧回路は , 電源端子 (24 ピン ) より供給される電圧により温度補償された基準電圧 (3.5 V 標準 ) を発生し , IC 内 部回路の基準電圧として使用されます。 また , 基準電圧は VREF 端子 (8 ピン ) から外部に負荷電流を最大 1 mA まで取り出せます。 (2) 三角波発振器部 (OSC) 三角波発振器部は , 三角波発振周波数設定用コンデンサを内蔵しており , RT 端子 (5 ピン ) に三角波発振周波数設定抵 抗を接続することにより , CT1 ( 振幅 1.8 V ~ 3.0 V) , CT2 ( 振幅 1.8 V ~ 3.0 V:CT1 と逆位相 ) の三角波発振波形を発生し ます。逆位相の 2 つの三角波を使用した Symmetrical-Phase 方式により入力リプル電流を低減できるため , 入力コンデンサ を小さくできます。 三角波発振波形は , IC 内部の PWM コンパレータに入力されます。 (3) 誤差増幅器部 (Error Amp1, Error Amp2) 誤差増幅器は , DC/DC コンバータの出力電圧を検出し , PWM 制御信号を出力する増幅器です。 誤差増幅器の出力端子か ら反転入力端子への帰還抵抗およびコンデンサの接続により , 任意のループゲインが設定できるため , システムに対して 安定した位相補償ができます。 また , 誤差増幅器の非反転入力端子である CS1 端子 (3 ピン ) , CS2 端子 (13 ピン ) にソフトスタート用コンデンサを接 続することにより電源起動時の突入電流を防止できます。ソフトスタート時間は DC/DC コンバータの出力負荷に依存し ない一定のソフトスタート時間で動作します。 (4) PWM 比較器部 (PWM Comp.) 入出力電圧に応じて出力デューティをコントロールする電圧-パルス幅変換器です。 メイン側 :誤差増幅器出力電圧が三角波電圧よりも高い期間に出力トランジスタをオンさせます。 同期整流側:誤差増幅器出力電圧が三角波電圧よりも低い期間に出力トランジスタをオンさせます。 (5) 出力部 出力部は , メイン側および同期整流側ともにトーテムポール形式で構成しており , 外付け N-ch MOS FET を駆動するこ とができます。 また , 出力ドライブ能力 (700 mA Max:Duty ≦ 5%) が高いためゲート-ソース間容量が大きく低オン抵抗の FET を使用 できます。 2. チャネルコントロール機能 CTL 端子 (6 ピン ) , CTL1 端子 (9 ピン ) , および CTL2 端子 (10 ピン ) よりメイン , 各チャネル , VB, および PWRGOOD のオン , オフを設定します。 オン / オフ設定条件 CTL CTL2 CH1 CH2 VB PWRGOOD OFF 停止 停止 停止 停止 H L L ON 停止 停止 動作 動作 H H L ON 動作 停止 動作 動作 H L H ON 停止 動作 動作 動作 H H H ON 動作 動作 動作 動作 * Power L *:未定義 12 CTL1 * MB39A106 3. 保護機能 (1) 低 VCC 時誤動作防止回路部 (UVLO) 通常電源投入時の過渡状態や電源電圧の瞬時低下は , コントロール IC の誤動作を誘起し , システムの破壊もしくは劣化 を生じさせます。前記のような誤動作を防止するために , 低 VCC 時誤動作防止回路は電源電圧に従って内部基準電圧レベ ルを検出し , 出力トランジスタをオフし , 休止期間を 100%にするとともに , CSCP 端子 (11 ピン ) を “L” レベルに保つとと もに , PWRGOOD 端子 (12 ピン ) を “L” レベルにします。 電源電圧が低 VCC 時誤動作防止回路のスレッショルド電圧以上になればシステムは復帰します。 (2) タイマ・ラッチ式過電流保護回路部 (OCP) タイマ・ラッチ式過電流保護回路はソフトスタート期間終了後動作し , 過電流が流れたとき , メイン側 FET のオン抵抗 によりメイン側 FET のドレイン-ソース間電圧が増加することを検出すると , タイマ回路が動作し , CSCP 端子 (11 ピ ン ) に接続されたコンデンサ CSCP に充電を始めます。 設定時間以上過電流状態が続くと , ラッチをセットし各チャネルの メイン側と同期整流側の FET をオフさせるとともに PWRGOOD 端子 (12 ピン ) を “L” レベルにします。 検出電流値はメイ ン側 FET のドレインと ILIM1 端子 (25 ピン ) 間に接続する抵抗 RLIM1 および ILIM2 端子 (23 ピン ) 間に接続する抵抗 RLIM2 により設定できます。 保護回路が動作したときは , 電源の再投入あるいは CTL 端子 (6 ピン ) を “L” レベルにして , VREF 端子 (8 ピン ) 電圧が 1.7 V (Min) 以下になればリセットできます。また , CTL1 端子 (9 ピン ) , CTL2 端子 (10 ピン ) ともに “L” レベルにすること でもリセットできます 「■タイマ ( ・ラッチ式保護回路について (1) タイマ・ラッチ式過電流検出電流設定方法」を参照 ) 。 (3) タイマ・ラッチ式短絡保護回路 (SCP) ショート検知コンパレータ (SCP Comp.) が出力電圧レベルを検知し , いずれかのチャネルの誤差増幅器出力電圧が ショート検知電圧以上 (3.1 V 標準 ) となる場合には , タイマ回路が動作し , CSCP 端子 (11 ピン ) に外付けされたコンデン サ Cscp に充電を始めます。 コンデンサの電圧が約 0.7 V になると出力トランジスタをオフし休止期間を 100%に設定します。 また , PWRGOOD 端子 (12 ピン ) は “L” レベルに固定されます。 保護回路が動作したときは , 電源の再投入あるいは CTL 端子 (6 ピン ) を “L” レベルにして , VREF 端子 (8 ピン ) 電圧が 1.7 V (Min) 以下になればリセットできます。また , CTL1 端子 (9 ピン ) , CTL2 端子 (10 ピン ) ともに “L” レベルにすること でもリセットできます 「■タイマ ( ・ラッチ式保護回路について (2) タイマ・ラッチ式短絡保護回路の時定数設定方法」を参 照)。 (4) タイマ・ラッチ式過電圧保護回路部 (OVP) タイマ・ラッチ式過電圧保護回路は各チャネルに設けられた過電圧検知コンパレータ (OVP Comp.) が DC / DC コンバー タの出力電圧レベルを検出し , 過電圧検知コンパレータのスレッショルド電圧以上になるとタイマ回路が動作して , CSCP 端子 (11 ピン ) に接続されたコンデンサ CSCP に充電を始めます。設定時間以上過電圧状態が続くと , ラッチをセットし各 チャネルのメイン側 FET をオフさせるとともに PWRGOOD 端子 (12 ピン ) を “L” レベルにします。 保護回路が動作したときは , 電源の再投入あるいは CTL 端子 (6 ピン ) を “L” レベルにして , VREF 端子 (8 ピン ) 電圧が 1.7 V (Min) 以下になればリセットできます。また , CTL1 端子 (9 ピン ) , CTL2 端子 (10 ピン ) ともに “L” レベルにすること でもリセットできます 「■タイマ ( ・ラッチ式保護回路について (3) タイマ・ラッチ式過電圧保護回路の検出電圧設定方法」 を参照 ) 。 (5) 保護状態出力回路部 (PWRGOOD) 各保護回路が動作すると PWRGOOD 端子 (12 ピン ) に “L” レベルを出力します。 13 MB39A106 ■ 出力電圧の設定方法 VO R1 (−INE2) 15 −INE1 1 R2 (CS2) 13 CS1 3 Error Amp − + + VO (V) = 1.23 R2 (R1 + R2) 1.23 V < CH1, CH2 > ■ 三角波発振周波数設定方法 三角波発振周波数は RT 端子 (5 ピン ) にタイミング抵抗 (RT) を接続することにより設定できます。 三角波発振周波数:fOSC 14100 fOSC (kHz) ≒ RT (kΩ) 14 MB39A106 ■ ソフトスタート / ディスチャージ時間設定方法 IC 起動時の突入電流防止のため , チャネル 1 は CS1 端子 (3 ピン ) に , チャネル 2 は CS2 端子 (13 ピン ) にソフトスター ト容量 (CS1, CS2) を各々に接続することで , ソフトスタートが可能です。 各コントロール端子 (CTL1, CTL2) を “L” から “OPEN” にすると SW1, SW2 が B から A に切り換り CS1, CS2 端子に外付 けされたソフトスタート容量 (CS1, CS2) を 3 µA で充電します。 Error Amp 出力 (FB1, FB2) は 2 つの非反転入力端子 (1.23 V, CS 端子電圧 ) のうちいずれか低い電位と反転入力端子電圧 (−INE) との比較により決定されますので , ソフトスタート期間中 (CS 端子電圧< 1.23 V) の FB 端子電圧は −INE 端子電圧 と CS 端子電圧の比較により決定され , DC/DC コンバータ出力電圧は CS 端子に外付けされたソフトスタート容量への充 電により CS 端子電圧に比例し上昇します。なお , ソフトスタート時間は次式で求められます。 ソフトスタート時間:ts ( 出力 100%になるまでの時間 ) ts (s) ≒ 0.41 × Cs (µF) また , 各コントロール端子 (CTL1, CTL2) を “OPEN” から “L” にすると SW1, SW2 が A から B に切り換り , 約 3.4 V に充電 されたソフトスタート容量 (CS1, CS2) を IC 内部で設定した放電用抵抗 (RS ≒ 6 kΩ) にて放電し , DC/DC コンバータの負荷 電流に関係なく出力電圧を低下させます。なお , ディスチャージ時間は次式で求められます。 ディスチャージ時間:toff ( 出力 10%になるまでの時間 ) toff (s) ≒ 0.020 × CS (µF) CS 端子電圧 ≒ 3.4 V ≒ 1.23 V Error Amp 部 −INE 電圧との比較電圧 ≒ 0.123 V ≒0V ソフトスタート時間 ts ディスチャージ時間 toff OPEN CTL 信号 L t 15 MB39A106 L 優先 R1 −INE1 1 (CS2) Error Amp 13 − 3 + + CS1 R2 1.23 V VREF 3 µA 100 kΩ CTL2 10 CTL1 9 Open : CH ON L : CH OFF VTH = 1.4 V Buff A SW1 (SW2) B :ソフトスタート時 CTL1 = H :ディスチャージ時 6 kΩ <ソフトスタート回路> ■ CS 端子を使用しない場合の処理方法 ソフトスタート機能を使用しない場合は , CS1 端子 (3 ピン ) , CS2 端子 (13 ピン ) を開放してください。 “ 開放 ” 3 CS1 “ 開放 ” 13 CS2 <ソフトスタート時間を設定しない場合> 16 MB39A106 ■ タイマ・ラッチ式保護回路について (1) タイマ・ラッチ式過電流検出電流設定方法 過電流保護回路はソフトスタート期間終了後動作し , 過電流が流れたとき , メイン側 FET のオン抵抗 (RON) によりメイ ン側 FET のドレイン-ソース間電圧が増加することを検出すると , タイマ回路が動作し , CSCP 端子 (11 ピン ) に接続さ れたコンデンサ CSCP に充電を始めます。 設定時間以上過電流状態が続くと , ラッチをセットし各チャネルのメイン側と同 期整流側の FET をオフさせるとともに PWRGOOD 端子 (12 ピン ) を “L” レベルにします。 検出電流値はメイン側 FET のド レインと ILIM1 端子 (25 ピン ) , ILIM2 端子 (23 ピン ) 間に接続する抵抗 (RLIM1, RLIM2) により設定できます。 また , 内部電流 (ILIM) は RT 端子 (5 ピン ) に接続されたタイミング抵抗 (RT) により設定できます。 内部電流値:ILIM 5546 RT (kΩ) ILIM (µA) ≒ 検出電流値:IOCP ILIM (A) × RLIM (Ω) RON (Ω) IOCP (A) ≒ - (VIN (V) - Vo (V) ) × Vo (V) 2 × VIN (V) × fOSC (Hz) × L (H) RLIM:過電流検出抵抗 , RON:メイン側 FET のオン抵抗 , VIN:入力電圧 , Vo:DC/DC 出力電圧 fOSC:発振周波数 , L:コイルのインダクタンス 保護回路が動作したときは , 電源の再投入あるいは CTL 端子 (6 ピン ) を “L” レベルにして , VREF 端子 (8 ピン ) 電圧が 1.7 V (Min) 以下になればリセットできます。また , CTL1 端子 (9 ピン ) , CTL2 端子 (10 ピン ) ともに “L” レベルにすること でもリセットできます。 VIN M1 (VS2) 18 VS1 28 − Current Protection Logic + (ILIM2) 23 ILIM1 25 118 µA 12 10 µA PWRGOOD CTL CTL1 CTL2 CSCP 11 VREF S R Latch UVLO Latch2 <過電流検出回路> 17 MB39A106 (2) タイマ・ラッチ式短絡保護回路の時定数設定方法 各チャネルは , ショート検知コンパレータ (SCP Comp.) で , 誤差増幅器の出力レベルを基準電圧と常に比較動作を行っ ています。 DC/DC コンバータの負荷条件が全チャネル安定している場合はショート検知コンパレータの出力は , “H” レベルとなり CSCP 端子 (11 ピン ) は “L” レベルに保持されます。 負荷条件が負荷短絡などで急激に変化し出力電圧が低下した場合は, ショート検知コンパレータ出力は, “L”レベルとな ります。すると , CSCP 端子に外付けされた短絡保護コンデンサ Cscp に 10 µA で充電を開始します。 ショート検出時間:tscp tscp (s) ≒ 0.070 × Cscp (µF) コンデンサ Cscp がスレッショルド電圧 (VTH ≒ 0.70 V) まで充電されるとラッチをセットし , 外付け FET をオフさせま す ( 休止期間を 100%とします ) 。 このとき , ラッチ入力はクローズされ CSCP 端子は “L” レベルに保持され , PWRGOOD 端 子 (12 ピン ) は “L” レベルになります。 両チャネルのうちいずれか片チャネルがショート検出した場合も両チャネルを停止 します。 保護回路が動作したときは , 電源の再投入あるいは CTL 端子 (6 ピン ) を “L” レベルにして , VREF 端子 (8 ピン ) 電圧が 1.7 V (Min) 以下になればリセットできます。また , CTL1 端子 (9 ピン ) , CTL2 端子 (10 ピン ) ともに “L” レベルにすること でもリセットできます。 (FB2) VO R1 FB1 14 2 (−INE2) 15 −INE1 − 1 Error Amp + R2 1.23 V SCP Comp. + + − PWRGOOD 3.1 V 10 µA CTL CTL1 CTL2 CSCP 11 VREF S R Latch UVLO Latch2 <タイマ・ラッチ式短絡保護回路> 18 12 MB39A106 (3) タイマ・ラッチ式過電圧保護回路の検出電圧設定方法 過電圧比較器 (OVP Comp. 1, OVP Comp. 2) の非反転入力端子 (−INE1 端子 (1 ピン ) , −INE2 端子 (15 ピン ) ) に DC/DC コ ンバータの出力電圧から外付け抵抗を接続することにより , DC/DC コンバータの出力電圧の過電圧を検出することがで きます。 DC/DC コンバータの出力電圧が上昇し検出電圧より高くなると , 過電圧比較器 (OVP Comp. 1, OVP Comp. 2) の出力が “H” レベルとなり , タイマ回路が動作して , CSCP 端子 (11 ピン ) に接続されたコンデンサ CSCP に充電を始めます。 設定時 間以上過電圧状態が続くと , ラッチをセットし各チャネルのメイン側 FET をオフさせるとともに PWRGOOD 端子 (12 ピ ン ) を “L” レベルにします。両チャネルのうちいずれか片チャネルが過電圧検出した場合も両チャネルを停止します。 過電圧検出電圧:VOVP VOVP (V) ≒ 1.38 × (R1 (Ω) + R2 (Ω) ) / R2 (Ω) ≒ 1.12 × VO 保護回路が動作したときは , 電源の再投入あるいは CTL 端子 (6 ピン ) を “L” レベルにして , VREF 端子 (8 ピン ) 電圧が 1.7 V (Min) 以下になればリセットできます。また , CTL1 端子 (9 ピン ) , CTL2 端子 (10 ピン ) ともに “L” レベルにすること でもリセットできます。 VO (−INE2) R1 −INE1 15 1 − Error Amp + 1.23 V OVP Comp. + R2 − 1.38 V PWRGOOD 12 10 µA CTL CTL1 CTL2 CSCP 11 VREF S R Latch UVLO Latch2 <タイマ・ラッチ式過電圧保護回路> 19 MB39A106 ■ ILIM 端子を使用しない場合の処理方法 過電流保護回路を使用しない場合は , ILIM1 端子 (25 ピン ) , ILIM2 端子 (23 ピン ) を SGND に短絡してください。 7 ILIM1 25 ILIM2 23 SGND < ILIM 端子を使用しない場合> ■ CSCP 端子を使用しない場合の処理方法 タイマ・ラッチ式の保護回路を使用しない場合は , CSCP 端子 (11 ピン ) を最短距離で SGND に短絡してください。 7 SGND 11 CSCP < CSCP 端子を使用しない場合> 20 MB39A106 ■ PWRGOOD 端子を使用しない場合の処理方法 PWRGOOD 端子を使用しない場合は , PWRGOOD 端子 (12 ピン ) を SGND に短絡もしくは開放してください。 7 SGND “ 開放 ” 12 PWRGOOD 12 PWRGOOD < PWRGOOD 端子を使用しない場合> 21 MB39A106 ■ 保護回路動作時出力状態 各保護回路動作時の出力状態を下記表に記します。 CH1 出力端子 保護回路 過電流保護回路 過電圧保護回路 短絡保護回路 CH2 PWRGOOD OUT1-1 OUT2-1 OUT1-2 OUT2-2 CH1 L L L L L CH2 L L L L L CH1 L H L H L CH2 L H L H L CH1 L L L L L CH2 L L L L L L L L L L 低 VCC 時誤動作防止回路 ■ 各保護回路のラッチ解除方法 過電圧保護回路 , 過電流保護回路 , 短絡保護回路において , 各々異常を検出した際にはラッチをセットし出力を “L” レベ ルに固定します。また , PWRGOOD 端子 (12 ピン ) は各保護回路での異常検出により “L” レベルに固定されます。 保護回路が動作したときは , 電源の再投入あるいは CTL 端子 (6 ピン ) を “L” レベルにして , VREF 端子 (8 ピン ) 電圧が 1.7 V (Min) 以下になればリセットできます。また , CTL1 端子 (9 ピン ) , CTL2 端子 (10 ピン ) ともに “L” レベルにすること でもリセットできます。 22 MB39A106 ■ IC 内部消費電力に関する注意 発振周波数および FET のトータルゲートチャージによって IC の内部損失に大きく影響を与えます。 アプリケーションを使用する際の IC 内部消費電力に関しては以下の注意が必要です。 下記に示した IB ( 平均電流 ) は外付け FET Q1, Q2 のゲート容量 (Ciss1, Ciss2, Crss1, Crss2) に充電されるトータルゲート チャージを Qg1, Qg2 とすると次式で求められます。 1 チャネルあたり IB (A) = I1 + I2 ≒ Ibias1 × t1 t + Qg1 t + Ibias2 × t2 t Qg2 t + (Ibias1 = Ibias2 ≒ 3 mA) IB 以外の IC の消費電流は約 15 mA であるため消費電力は次式で求められます。 消費電力:Pc Pc (W) = 0.015 × VCC (V) + 2 × VCC (V)・IB (A) - VB (V)・IB (A) VIN VCC 24 IB 6V 22 30 VB CVB A CB1 L1 Q1 I1 Drive 1-1 29 28 I2 VO1 Crss2 Crss1 OUT1-1 Q2 Ciss1 VS1 Ciss2 Drive 2-1 27 26 OUT2-1 PGND1 t VOUT1-1 VOUT2-1 バイアス電流 Ibias1 ≒ 3 mA I1 t1 バイアス電流 Ibias2 ≒ 3 mA I2 t2 t 消費電力の求め方は上記の通りですので , 次ページの「消費電力-入力電圧特性」を参考に「■標準特性」 内の「許容損失 -周囲温度特性」を考慮して設計してください。 23 MB39A106 消費電力-入力電圧特性 (Qg パラメータ ) 1.5 Qg1 = Qg2 = 70 nC 1.4 1.3 1.2 Qg1 = Qg2 = 50 nC 消費電力 PC (W) 1.1 1.0 0.9 Qg1 = Qg2 = 30 nC 0.8 0.7 Qg1 = Qg2 = 20 nC 0.6 0.5 Qg1 = Qg2 = 10 nC 0.4 0.3 Ta = +25 °C fOSC = 300 kHz SW1 = OFF SW2 = OFF 0.2 0.1 0.0 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 入力電圧 VIN (V) 消費電力-入力電圧特性 (fOSC パラメータ ) 1.2 1.1 1.0 fOSC = 500 kHz 消費電力 PC (W) 0.9 0.8 0.7 fOSC = 300 kHz 0.6 0.5 fOSC = 200 kHz 0.4 fOSC = 100 kHz 0.3 fOSC = 10 kHz Ta = +25 °C Qg1 = Qg2 = 20 nC SW1 = OFF SW2 = OFF 0.2 0.1 0.0 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 入力電圧 VIN (V) 24 15 16 17 18 19 20 20 MB39A106 ■ 入出力端子等価回路図 ≪基準電圧部≫ ≪コントロール部≫ ≪チャネルコントロール部≫ VCC 24 1.23 V ESD 保護素子 + - 8 VREF ESD 保護素子 VREF (3.5 V) CTL 6 100 kΩ 67 kΩ 46.6 kΩ CTLX 24.6 kΩ 2 kΩ 104 kΩ ESD 保護素子 SGND SGND 7 ≪ソフトスタート部≫ SGND ≪短絡保護回路部≫ ≪三角波発振器部 (RT) ≫ VREF (3.5 V) VREF (3.5 V) VREF (3.5 V) CSX 400 Ω 1.40 V 2 kΩ 11 CSCP + 5 RT SGND SGND SGND ≪保護状態出力回路部≫ ≪過電流保護回路部 (CH1, CH2) ≫ VCC VSX ILIMX VREF (3.5 V) 12 PWRGOOD SGND SGND ≪誤差増幅器部 (CH1, CH2) ≫ ≪出力部メイン側 (CH1, CH2) ≫ VCC VB 22 VREF (3.5 V) CBX 35 kΩ CSX -INEX FBX 1.23 V OUT1-X SGND 100 kΩ ≪出力部同期整流側 (CH1, CH2) ≫ VSX VB SGND 35 kΩ OUT2-X 100 kΩ SGND PGNDX X:各チャネル No. 25 MB39A106 ■ 応用回路例 C16 0.1 µF VCC 24 6V R13 430 Ω R10 10 kΩ R12 6.2 kΩ VB Reg. C10 FB1 0.022 2 µF R9 13 kΩ 1 −INE1 CS1 3 C11 0.1 µF L 優先 L 優先 VREF 3 µA Max Duty 81% Dtr ± 6% Drv 2-1 1.38 V − Current Protection Logic 9 Open : CH1 ON CTL1 = H L : CH1 OFF 6 kΩ VTH = 1.4 V VO1 (2 V/10 A) 22 µH C25 C18 + 0.1 µF 82 µF C4 + 150 µF C5 0.1 µF ILIM1 25 R1 1.3 kΩ + 118 µA H:OCP 時 C9 4.7 µF C3 0.1 µF A Q1 L1 OUT1-1 29 VS1 28 OUT2-1 27 PGND1 26 Drv 1-1 − 100 kΩ Buff CTL1 Error Amp1 − + + 1.23 V OVP + Comp.1 PWM + Comp.1 + − VB 22 CB1 30 CH1 Dead Time Modulation 1 A B R17 3.3 kΩ C12 FB2 0.022 14 µF R14 13 kΩ 15 −INE2 CS2 13 C13 0.1 µF Comp.2 + + − Amp2 − + + 1.23 V OVP + Comp.2 VREF 3 µA VIN AC/DC Converter (12 V) CTL2 CH2 L 優先 PWM L 優先 Error Max Duty 81% Dtr ± 6% Drv 2-2 1.38 V H 優先 H:UVLO 解除 H:OVP 時 3.1 V H:OVP 時 H:OCP 時 H:SCP 時 Latch1 SQ CTL CTL1 CTL2 L:保護動作時 R C14 0.01 µF CTL CTL1 CTL2 S R Latch Latch2 3.0 V CT1 1.8 V 3.0 V CT2 1.8 V VREF UVLO 1.23 V bias VREF VCC Power VR1 ON/OFF CTL 45 pF 3.5 V RT R8 47 kΩ Protection control signal NC Error Amp 基準へ OSC 5 26 PWRGOOD 12 10 µA 11 22 µH C26 C17 + 0.1 µF 82 µF ILIM2 23 R5 1.3 kΩ + 118 µA H:OCP 時 SCP Comp. + + − − Current Protection Logic 10 Open : CH2 ON CTL2 = H L : CH2 OFF 6 kΩ VTH = 1.4 V CSCP OUT1-2 17 VS2 18 OUT2-2 19 PGND2 20 Drv 1-2 8 VREF C15 0.1 µF 7 SGND 4 NC 21 R4 100 kΩ CTL H:ON 6 VO2 (5 V/5 A) C6 0.1 µF B Q2 L2 CB2 16 − 100 kΩ Buff H: OVP 時 Dead Time Modulation 2 R16 120 Ω R15 10 kΩ (Power On) L:OFF ( スタンバイ状態 ) VTH = 1.4 V C7 + 150 µF C8 0.1 µF MB39A106 ■ 部品表 COMPONENT ITEM SPECIFICATION メイン側: VDS = 30 V, Qg = 9.9 nC (Max) 同期側: VDS = 30 V, Qg = 20.7 nC (Max) SBD:VF = 0.52 V (Max) IF = 1 A 時 VENDOR PARTS No. IR IRF7901D1 Q1, Q2 Dual FETKYTM L1, L2 Coil 22 µH 3.5 A, 31.6 mΩ TDK SLF12565T-220M3R5 C3, C6 C4 C5, C8 C7 C9 C10 C11, C13 C12 C14 C15, C16 C17, C18 C25, C26 Ceramics Condenser OS-CONTM Ceramics Condenser OS-CONTM Ceramics Condenser Ceramics Condenser Ceramics Condenser Ceramics Condenser Ceramics Condenser Ceramics Condenser Ceramics Condenser OS-CONTM 0.1 µF 150 µF 0.1 µF 150 µF 4.7 µF 0.022 µF 0.1 µF 0.022 µF 0.01 µF 0.1 µF 0.1 µF 82 µF 50 V 6.3 V 50 V 6.3 V 10 V 50 V 50 V 50 V 50 V 50 V 50 V 16 V TDK SANYO TDK SANYO TDK TDK TDK TDK TDK TDK TDK SANYO C1608JB1H104K 6SVP150M C1608JB1H104K 6SVP150M C3216JB1A475M C1608JB1H223K C1608JB1H104K C1608JB1H223K C1608JB1H103K C1608JB1H104K C1608JB1H104K 16SVP82M R1, R5 R4 R8 R9 R10 R12 R13 R14 R15 R16 R17 Resistor Resistor Resistor Resistor Resistor Resistor Resistor Resistor Resistor Resistor Resistor 1.3 kΩ 100 kΩ 47 kΩ 13 kΩ 10 kΩ 6.2 kΩ 430 Ω 13 kΩ 10 kΩ 120 Ω 3.3 kΩ 0.5% 0.5% 0.5% 0.5% 0.5% 0.5% 0.5% 0.5% 0.5% 0.5% 0.5% ssm ssm ssm ssm ssm ssm ssm ssm ssm ssm ssm RR0816P132D RR0816P104D RR0816P473D RR0816P133D RR0816P103D RR0816P622D RR0816P434D RR0816P133D RR0816P103D RR0816P124D RR0816P332D (注意事項)IR:International Rectifier Corp. TDK:TDK 株式会社 SANYO:三洋電機株式会社 ssm:進工業株式会社 Dual FETKY は International Rectifier Corp. の商標です。 OS-CON は三洋電機株式会社の商標です。 27 MB39A106 ■ 部品選択について ・N-ch MOS FET スイッチング用として使用する N-ch MOS FET は最大入力電圧の+ 20%以上のものを使用してください。 導通損失を小 さくするためにドレイン - ソース間抵抗 RDS (ON) が小さい FET を使用してください。また , 高入力電圧および高周波動作 をさせる場合はオン / オフ時のスイッチング損失が大きくなるため許容損失に注意してください。 本アプリケーションで は IRF7901D1 (IR 製 ) を使用しています。導通損失 , オン / オフ時のスイッチング損失およびトータル損失は下記式にて求 められます。ドレイン電流はピーク値が定格を超えないことと過電流検出レベルに応じた選定が必要となります。 導通損失:PC PC = ID2 × RDS (ON) × Duty オン時のスイッチング損失:PS (ON) VD (Max) × ID × tr × fOSC PS (ON) = 6 オフ時のスイッチング損失:PS (OFF) VD (Max) × ID (Max) × tf × fOSC PS (OFF) = 6 トータル損失:PT PT = PC + PS (ON) + PS (OFF) 例 ) IRF7901D1 使用の場合 CH1 ( メイン側 ) 入力電圧 VIN (Max) = 15 V, 出力電圧 VO = 3.3 V, ドレイン電流 ID = 3 A, 発振周波数 fOSC = 300 kHz, L = 22 µH, ドレイン - ソース間オン抵抗 RDS (ON) ≒ 33 mΩ, tr = 13.8 ns, tf = 8 ns ドレイン電流 (Max):ID (Max) VIN (Max) - VO ID (Max) = IO + 2L = 3 + ton 15 - 3.3 2 × 22 × 10 - 6 × 1 × 0.22 300 × 103 ≒ 3.20 (A) ドレイン電流 (Min):ID (Min) VIN (Max) - VO ID (Min) = IO - 2L = 3 - ton 15 - 3.3 2 × 22 × 10 - 6 × 1 300 × 103 ≒ 2.80 (A) PC1 = ID2 × RDS (ON) × Duty(ON) = 32 × 0.033 × 0.22 ≒ 0.065 W PS1 (ON) = = VD (Max) × ID × tr × fOSC 6 15 × 3 × 13.8 × 10 - 9 × 300 × 103 6 ≒ 0.031 W 28 × 0.22 MB39A106 PS1 (OFF) = = VD (Max) × ID (Max) × tf × fOSC 6 15 × 3.2 × 8 × 10 - 9 × 300 × 103 6 ≒ 0.019 W PT1 = PC1 + PS1 (ON) + PS1 (OFF) ≒ 0.065 + 0.031 + 0.019 ≒ 0.115 W CH1 ( 同期整流側 ) 入力電圧 VIN (Max) = 15 V, 出力電圧 VO = 3.3 V, ドレイン電流 ID = 3 A, 発振周波数 fOSC = 300 kHz, L = 22 µH, ドレイン - ソース間オン抵抗 RDS (ON) ≒ 28 mΩ, tr = 16.4 ns, tf = 5.2 ns ドレイン電流 (Max):ID (Max) VO ID (Max) = IO + toff 2L 3.3 2 × 22 × 10 - 6 = 3 + 1 300 × 103 × × (1 - 0.22) ≒ 3.20 (A) ドレイン電流 (Min):ID (Min) VO ID (Min) = IO - toff 2L = 3 - 3.3 2 × 22 × 10 - 6 × 1 × (1 - 0.22) 300 × 103 ≒ 2.80 (A) PC2 = ID2 × RDS (ON) × Duty(OFF) = 32 × 0.028 × (1 - 0.22) ≒ 0.197 W PS2 (ON) = = VD (Max) × ID × tr × fOSC 6 15 × 3 × 16.4 × 10 - 9 × 300 × 103 6 ≒ 0.037 W PS2 (OFF) = = VD (Max) × ID (Max) × tf × fOSC 6 15 × 3.2 × 5.2 × 10 - 9 × 300 × 103 6 ≒ 0.012 W PT2 = PC2 + PS2 (ON) + PS2 (OFF) ≒ 0.197 + 0.037 + 0.012 ≒ 0.246 W 29 MB39A106 PT = PT1 + PT2 ≒ 0.115 + 0.246 ≒ 0.361 W 上記 IRF7901D1 の許容損失は 2W (Ta =+ 100 °C) であり十分満足しています。 CH2 ( メイン側 ) 入力電圧 VIN (Max) = 15 V, 出力電圧 VO = 5 V, ドレイン電流 ID = 3 A, 発振周波数 fOSC = 300 kHz, L = 22 µH, ドレイン - ソース間オン抵抗 RDS (ON) ≒ 33 mΩ, tr = 13.8 ns, tf = 8 ns ドレイン電流 (Max):ID (Max) VIN (Max) - VO ID (Max) = IO + 2L = 3 + ton 15 - 5 2 × 22 × 10 - 6 1 300 × 103 × × 0.33 ≒ 3.25 (A) ドレイン電流 (Min):ID (Min) VIN (Max) - VO ID (Min) = IO - 2L = 3 - ton 15 - 5 2 × 22 × 10 - 6 × 1 300 × 103 ≒ 2.75 (A) PC1 = ID2 × RDS (ON) × Duty(ON) = 32 × 0.033 × 0.33 ≒ 0.098 W PS1 (ON) = = VD (Max) × ID × tr × fOSC 6 15 × 3 × 13.8 × 10 - 9 × 300 × 103 6 ≒ 0.031 W PS1 (OFF) = = VD (Max) × ID (Max) × tf × fOSC 6 15 × 3.25 × 8 × 10 - 9 × 300 × 103 6 ≒ 0.020 W PT1 = PC1 + PS1 (ON) + PS1 (OFF) ≒ 0.098 + 0.031 + 0.020 ≒ 0.149 W 30 × 0.33 MB39A106 CH2 ( 同期整流側 ) 入力電圧 VIN (Max) = 15 V, 出力電圧 VO = 5 V, ドレイン電流 ID = 3 A, 発振周波数 fOSC = 300 kHz, L = 22 µH, ドレイン - ソース間オン抵抗 RDS (ON) ≒ 28 mΩ, tr = 16.4 ns, tf = 5.2 ns. ドレイン電流 (Max):ID (Max) VO toff ID (Max) = IO + 2L = 3 + 5 2 × 22 × 10 - 6 1 300 × 103 × × (1 - 0.33) ≒ 3.25 (A) ID (Min) = IO - = 3 - VO 2L toff 5 2 × 22 × 10 - 6 × 1 300 × 103 × (1 - 0.33) ≒ 2.75 (A) PC2 = ID2 × RDS (ON) × Duty(OFF) = 32 × 0.028 × (1 - 0.33) ≒ 0.169 W PS2 (ON) = = VD (Max) × ID × tr × fOSC 6 15 × 3 × 16.4 × 10 - 9 × 300 × 103 6 ≒ 0.037 W PS2 (OFF) = = VD (Max) × ID (Max) × tf × fOSC 6 15 × 3.25 × 5.2 × 10 - 9 × 300 × 103 6 ≒ 0.013 W PT2 = PC2 + PS2 (ON) + PS2 (OFF) ≒ 0.169 + 0.037 + 0.013 ≒ 0.219 W PT = PT1 + PT2 ≒ 0.149 + 0.219 ≒ 0.368 W 上記 IRF7901D1 の許容損失は 2W (Ta =+ 100 °C) であり十分満足しています。 31 MB39A106 ・インダクタ インダクタを選択する上において , 注意しなければならないのはインダクタの定格値以上電流を流さないことはもちろ んのことですが , リプル電流下限値が臨界点に達しますと不連続動作になり効率が著しく低下します。 このことを防ぐに はインダクタンス値を大きくすればいいことになります。そうすることで , 軽負荷時からの連続動作が可能になります。 し かし , インダクタンス値を大きくしすぎますと直流抵抗 (DCR) が大きくなるため効率を悪化させますので注意が必要で す。一番効率がよくなるポイントに設定する必要があります。 また , インダクタの電流定格値に負荷電流値が近づくと直流重畳特性が悪くなるためインダクタンス値が低下しリプル 電流が増加し効率を悪化させます。使用する負荷電流値のどこに効率のピークをもってくるかによって定格電流値 , イン ダクタンス値の選択が変わります。 インダクタンス値は下記式により求められます。 全負荷電流条件での L 値はリプル電流のピークピーク値が負荷電流の 1/2 以下になるように設定します。 インダクタンス値:L 2 (VIN - VO) ton L ≧ IO 例) CH1 L ≧ ≧ 2 (VIN (Max) - VO) IO 2 × (15 - 3.3) × 3 ton 1 300 × 103 × 0.22 ≧ 5.7 µH CH2 L ≧ ≧ 2 (VIN (Max) - VO) IO 2 × (15 - 5) × 3 ton 1 300 × 103 × 0.33 ≧ 7.3 µH 上記式で求められたインダクタンス値は最大負荷電流時には十分連続動作できる値になりますが軽負荷時には連続動 作は不可能になります。 そこで連続動作が最低いくつから可能になるかを求める必要があります。本アプリケーションで は SLF12565T-220M3R5 (TDK 製 ) を使用しています。 22 µH を使用した場合の連続電流条件になる負荷電流値は下記式に より求められます。 連続電流条件になる負荷電流値:IO VO IO ≧ toff 2L 例 ) SLF12565T-220M3R5 使用の場合 22 µH ( 許容差± 20%) , 定格電流= 3.5 A CH1 VO IO ≧ toff 2L ≧ 3.3 2 × 22 × 10 - 6 ≧ 195 mA 32 × 1 300 × 103 × (1 - 0.22) MB39A106 CH2 IO ≧ ≧ VO 2L toff 5 2 × 22 × 10 - 6 1 300 × 103 × × (1 - 0.33) ≧ 254 mA インダクタに流れる電流が定格値以内であるかをみるためのリプル電流のピーク値および出力リプル電圧に影響を及 ぼすリプル電流のピークピーク値を求める必要があります。 リプル電流のピーク値およびピークピーク値は下記式により 求められます。 ピーク値:IL VIN - VO 2L IL ≧ I O + ton ピークピーク値:∆IL VIN - VO ∆IL = ton L 例 ) SLF12565T-220M3R5 使用の場合 22 µH ( 許容差 ± 20%) , 定格電流= 3.5 A ピーク値 CH1 IL ≧ IO + VIN (Max) - VO ton 2L ≧ 3 + 15 - 3.3 2 × 22 × 10 - 6 1 300 × 103 × × 0.22 ≧ 3.20 A CH2 I L ≧ IO + ≧ 3 + VIN (Max) - VO ton 2L 15 - 5 2 × 22 × 10 - 6 × 1 300 × 103 × 0.33 ≧ 3.25 A ピークピーク値 CH1 VIN (Min) - VO ∆IL = L = 15 - 3.3 22 × 10 - 6 ton 1 300 × 103 × × 0.22 = 0.39 A CH2 ∆IL = = VIN (Min) - VO L 15 - 5 22 × 10 - 6 ton × 1 300 × 103 × 0.33 = 0.5 A 33 MB39A106 ・平滑コンデンサ 平滑コンデンサは出力のリプル電圧を低減させるためには必要不可欠です。 平滑コンデンサを選択するのに特に重要な のは等価直列抵抗 (ESR) とリプル許容電流です。ESR が大きい場合リプル電圧は大きくなりますのでリプル電圧を小さく するには低 ESR のコンデンサを使用する必要があります。ただし , 低 ESR のコンデンサを使用する場合 , ループの位相特 性に大きな影響を与え , システムの安定性を欠くため , 注意が必要です。 また , リプル許容電流は十分に余裕のあるものを 使用してください。本アプリケーションでは 6SVP150M (OS-CONTM:SANYO) を使用しています。 ESR, コンデンサ値 , リプ ル電流は下記式により求められます。 等価直列抵抗:ESR 1 ∆VO - ESR ≦ ∆IL 2πfCL コンデンサ値:CL ∆IL 2πf (∆VO - ∆IL × ESR) CL ≧ リプル電流:ICLrms (VIN - VO) ton ICLrsm ≧ 2√3L 例 ) 65VP150M 使用の場合 定格電圧= 6.3 V, ESR = 35 mΩ, 最大許容リプル電流= 2.35 Arms 等価直列抵抗 CH1 ∆VO ESR ≦ ∆IL ≦ - 0.033 0.39 - 1 2πfCL 1 2π × 300 × 103 × 150 × 10 - 6 ≦ 81.1 mΩ CH2 ESR ≦ ∆VO ∆IL - 1 2πfCL ≦ 0.05 0.5 - 1 2π × 300 × 103 × 150 × 10 - 6 ≦ 96.5 mΩ コンデンサ値 CH1 CL ≧ ≧ ∆IL 2πf (∆VO - ∆IL × ESR) 0.39 2π × 300 × 103 × (0.033 - 0.39 × 0.035) ≧ 10.7 µF CH2 CL ≧ ≧ ∆IL 2πf (∆VO - ∆IL × ESR) 0.5 2π × 300 × 103 × (0.05 - 0.5 × 0.035) ≧ 8.2 µF 34 MB39A106 リプル電流 CH1 ICLrms ≧ ≧ (VIN (Max) - VO) ton 2√3L (15 - 3.3) × 0.22 2√3L × 22 × 10 - 6 × 300 × 103 ≧ 112.6 mArms CH2 ICLrms ≧ ≧ (VIN (Max) - VO) ton 2√3L (15 - 5) × 0.33 2√3L × 22 × 10 - 6 × 300 × 103 ≧ 114.3 mArms 35 MB39A106 ■ 参考データ 変換効率-負荷電流特性 (CH1) 100 90 変換効率 η (%) 80 70 VIN = 8.5 V VIN = 10 V VIN = 12 V 60 Ta =+ 25 °C 3.3 V 出力 CTL = 5 V CTL1 = Open CTL2 = “L” レベル 50 40 30 0.01 0.10 1.00 10.00 負荷電流 IL (A) 変換効率-負荷電流特性 (CH2) 100 90 変換効率 η (%) 80 70 VIN = 8.5 V VIN = 10 V VIN = 12 V 60 Ta =+ 25 °C 5 V 出力 CTL = 5 V CTL1 = “L” レベル CTL2 = Open 50 40 30 0.01 0.10 1.00 10.00 負荷電流 IL (A) (続く) 36 MB39A106 スイッチング波形 (CH1) VS1 (V) 12 Ta =+ 25 °C 3.3 V 出力 VIN = 12 V CTL = 5 V CTL1 = Open CTL2 = “L” レベル VO1 = 3 A 10 8 6 4 2 0 0 1 2 3 4 拡大 VS1 (V) 5 2 1 1 0 0 100 200 tD1 90 ns 300 7 8 400 500 (ns) 0 9 10 t (µs) 拡大 VS1 (V) 2 0 6 100 tD2 200 300 400 500 (ns) 150 ns (続く) 37 MB39A106 スイッチング波形 (CH2) VS2 (V) 12 Ta =+ 25 °C 5 V 出力 VIN = 12 V CTL = 5 V CTL1 = “L” レベル CTL2 = Open VO2 = 3 A 10 8 6 4 2 0 0 1 2 3 4 拡大 VS2 (V) 5 6 2 1 1 0 0 100 200 300 400 500 (ns) 8 9 0 100 tD1 tD1 10 t (µs) 拡大 VS2 (V) 2 0 7 200 300 400 500 (ns) 160 ns 90 ns (続く) 38 MB39A106 (続き) ソフトスタート動作波形 (CH1) Ta =+ 25 °C VIN = 12 V CTL1 = Open CTL2 = “L” レベル VO1 = 1.2 Ω VO1 (V) 4 2 VO1 0 ts 36 ms VCTL (V) 5 VCTL 0 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 (ms) 80 90 100 (ms) ソフトスタート動作波形 (CH2) Ta =+ 25 °C VIN = 12 V CTL1 = “L” レベル CTL2 = Open VO2 = 1.67 Ω VO2 (V) 6 4 2 VO2 0 ts 36 ms 30 40 VCTL (V) 5 VCTL 0 0 10 20 50 60 70 39 MB39A106 ■ 使用上の注意 ・プリント基板のアースラインは , 共通インピーダンスを考慮し設計してください。 ・静電気対策を行ってください。 ・ 半導体を入れる容器は , 静電気対策を施した容器か , 導電性の容器をご使用ください。 ・ 実装後のプリント基板を保管・運搬する場合は , 導電性の袋か , 容器に収納してください。 ・ 作業台 , 工具 , 測定機器は , アースを取ってください。 ・ 作業する人は , 人体とアースの間に 250 kΩ ~ 1 MΩ の抵抗を直列にいれたアースをしてください。 ・負電圧を印加しないでください。 ・ - 0.3 V 以下の負電圧を印加した場合 , LSI に寄生トランジスタが発生し誤動作を起こすことがあります。 ■ オーダ型格 型 格 MB39A106PFT-❏❏❏E1 パッケージ 備 考 プラスチック・TSSOP, 30 ピン (FPT-30P-M04) 鉛フリー品 EV ボード版数 備 考 Board Rev. 2.0 TSSOP-30P ■ 評価ボードオーダ型格 EV ボード型格 MB39A106EVB ■ RoHS 指令に対応した品質管理 ( 鉛フリー品の場合 ) 富士通マイクロエレクトロニクスの LSI 製品は , RoHS 指令に対応し , 鉛・カドミウム・水銀・六価クロムと , 特定臭素系 難燃剤 PBB と PBDE の基準を遵守しています。この基準に適合している製品は , 型格に “E1” を付加して表します。 ■ 製品捺印 ( 鉛フリー品 ) M B 3 9 A 106 XXXX XXX E1 INDEX 40 鉛フリー表示 MB39A106 ■ 製品ラベル ( 鉛フリー品の場合の例 ) 鉛フリー表示 JEITA 規格 MB123456P - 789 - GE1 (3N) 1MB123456P-789-GE1 1000 (3N)2 1561190005 107210 JEDEC 規格 G Pb QC PASS PCS 1,000 MB123456P - 789 - GE1 2006/03/01 ASSEMBLED IN JAPAN MB123456P - 789 - GE1 1/1 0605 - Z01A 1000 1561190005 鉛フリー型格は末尾に「E1」あり。 41 MB39A106 ■ MB39A106PFT-❏❏❏E1 推奨実装条件 【弊社推奨実装条件】 項 目 内 容 実装方法 IR ( 赤外線リフロー ) ・手半田付け ( 部分加熱法 ) 実装回数 2回 保管期間 開梱前 製造後 2 年以内にご使用ください。 開梱~ 2 回目リフロー迄の 保管期間 8 日以内 開梱後の保管期間を 超えた場合 ベーキング (125 °C , 24 h) を実施の上 , 8 日以内に処理願います。 5 °C ~ 30 °C, 70%RH 以下 ( 出来るだけ低湿度 ) 保管条件 【実装方法の各条件】 (1) IR ( 赤外線リフロー ) 260 °C 255 °C 本加熱 170 °C ~ 190 °C (b) RT (a) H ランク:260 °C Max (a) 温度上昇勾配 (b) 予備加熱 (c) 温度上昇勾配 (d) ピーク温度 (d’) 本加熱 (e) 冷却 42 (d) (d') :平均 1 °C/s ~ 4 °C/s :温度 170 °C ~ 190 °C, 60 s ~ 180 s :平均 1 °C/s ~ 4 °C/s :温度 260 °C Max 255 °C up 10 s 以内 :温度 230 °C up 40 s 以内 or 温度 225 °C up 60 s 以内 or 温度 220 °C up 80 s 以内 :自然空冷または強制空冷 (注意事項)パッケージボディ上面温度を記載 (2) 手半田付け ( 部分加熱法 ) コテ先温度 :Max 400 °C 時間 :5 s 以内 / ピン (c) (e) MB39A106 ■ パッケージ・外形寸法図 プラスチック・TSSOP, 30 ピン リードピッチ 0.50mm パッケージ幅× パッケージ長さ 4.40 × 7.80mm リード形状 ガルウィング 封止方法 プラスチックモールド 取付け高さ 1.10mm MAX (FPT-30P-M04) プラスチック・TSSOP, 30 ピン (FPT-30P-M04) 7.80±0.10(.307±.004) "A" Details of "A" part 0~8° 1.10(.043) MAX 0.60±0.10 (.024±.004) +0.20 4.40 –0.10 6.40±0.10 +.008 .173 –.004 (.252±.004) INDEX 0.25(.010) 0.10±0.05 (.004±.002) 0.50(.020) 0.20±0.03 (.008±.001) 0.10(.004) 7.00(.276) C 2001 FUJITSU LIMITED F30007SC-1-1 0.3865(.0152) 0.127±0.03 (.005±.001) 0.90±0.05 (.035±.002) 0.3865(.0152) 単位:mm (inches) 注意:括弧内の値は参考値です。 43 富士通マイクロエレクトロニクス株式会社 〒 163-0722 東京都新宿区西新宿 2-7-1 新宿第一生命ビル http://jp.fujitsu.com/fml/ お問い合わせ先 富士通エレクトロニクス株式会社 〒 163-0731 東京都新宿区西新宿 2-7-1 新宿第一生命ビル http://jp.fujitsu.com/fei/ 電子デバイス製品に関するお問い合わせは , こちらまで , 0120-198-610 受付時間 : 平日 9 時~ 17 時 ( 土・日・祝日 , 年末年始を除きます ) 携帯電話・PHS からもお問い合わせができます。 ※電話番号はお間違えのないよう , お確かめのうえおかけください。 本資料の記載内容は , 予告なしに変更することがありますので , ご用命の際は営業部門にご確認ください。 本資料に記載された動作概要や応用回路例は , 半導体デバイスの標準的な動作や使い方を示したもので , 実際に使用する機器での動作を保証するも のではありません。従いまして , これらを使用するにあたってはお客様の責任において機器の設計を行ってください。これらの使用に起因する損害な どについては , 当社はその責任を負いません。 本資料に記載された動作概要・回路図を含む技術情報は , 当社もしくは第三者の特許権 , 著作権等の知的財産権やその他の権利の使用権または実施 権の許諾を意味するものではありません。また , これらの使用について , 第三者の知的財産権やその他の権利の実施ができることの保証を行うもので はありません。したがって , これらの使用に起因する第三者の知的財産権やその他の権利の侵害について , 当社はその責任を負いません。 本資料に記載された製品は , 通常の産業用 , 一般事務用 , パーソナル用 , 家庭用などの一般的用途に使用されることを意図して設計・製造されてい ます。極めて高度な安全性が要求され , 仮に当該安全性が確保されない場合 , 社会的に重大な影響を与えかつ直接生命・身体に対する重大な危険性を 伴う用途(原子力施設における核反応制御 , 航空機自動飛行制御 , 航空交通管制 , 大量輸送システムにおける運行制御 , 生命維持のための医療機器 , 兵 器システムにおけるミサイル発射制御をいう), ならびに極めて高い信頼性が要求される用途(海底中継器 , 宇宙衛星をいう)に使用されるよう設計・ 製造されたものではありません。したがって , これらの用途にご使用をお考えのお客様は , 必ず事前に営業部門までご相談ください。ご相談なく使用 されたことにより発生した損害などについては , 責任を負いかねますのでご了承ください。 半導体デバイスはある確率で故障が発生します。当社半導体デバイスが故障しても , 結果的に人身事故 , 火災事故 , 社会的な損害を生じさせないよ う , お客様は , 装置の冗長設計 , 延焼対策設計 , 過電流防止対策設計 , 誤動作防止設計などの安全設計をお願いします。 本資料に記載された製品を輸出または提供する場合は , 外国為替及び外国貿易法および米国輸出管理関連法規等の規制をご確認の上 , 必要な手続き をおとりください。 本書に記載されている社名および製品名などの固有名詞は , 各社の商標または登録商標です。 編集 販売戦略部