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本ドキュメントはCypress (サイプレス) 製品に関する情報が記載されております。
富士通マイクロエレクトロニクス
DS04–27227–1a
DATA SHEET
ASSP 電源用 ( 汎用 DC/DC コンバータ )
同期整流入り 1ch DC/DC コンバータ IC
MB3885
■ 概 要
MB3885 はパルス幅変調方式 (PWM 方式 ) の同期整流入り 1ch DC/DC コンバータ IC で , ダウンコンバージョンに適し
ています。
出力ドライブ能力の高い電源です。また , 同期整流方式を採用しているため , 高効率を実現します。
さらに , 5 V レギュレータを内蔵しているため , 部品点数の削減につながります。
家庭用 TV ゲーム機 , ノート PC など高速 CPU をドライブする内蔵電源に最適です。
■ 特 長
・ 同期整流方式を採用し高効率
・ 電源電圧範囲
:5.5 V ~ 18 V
・ 基準電圧
:2.5 V ± 1%
・ 誤差増幅器スレッショルド電圧:1.25 V ± 1% (0 °C ~ 85 °C)
・ 発振周波数範囲
:10 kHz ~ 500 kHz
・ 誤差増幅器入力制御方式のソフトスタート回路を内蔵
・ 出力はトーテムポール形式で Nch MOS FET 対応
■ パッケージ
プラスチック・SSOP, 20 ピン
(FPT-20P-M03)
Copyright©2000-2008 FUJITSU MICROELECTRONICS LIMITED All rights reserved
2000.11
MB3885
■ 端子配列図
(TOP VIEW)
N.C. : 1
20 : N.C.
N.C. : 2
19 : N.C.
CSCP : 3
18 : VREF
CT : 4
17 : SGND
RT : 5
16 : PGND
CS : 6
15 : OUT2
FB : 7
14 : VS
−INE : 8
13 : OUT1
+INE : 9
12 : CB
VCC : 10
11 : VB
(FPT-20P-M03)
2
MB3885
■ 端子機能説明
端子番号
端子記号
I/O
機 能 説 明
1
N.C.

未接続端子です。
2
N.C.

未接続端子です。
3
CSCP

タイマ・ラッチ式短絡保護用コンデンサ接続端子です。
4
CT

三角波発振周波数設定用コンデンサ接続端子です。
5
RT

三角波発振周波数設定用抵抗接続端子です。
6
CS

ソフトスタート用コンデンサ接続端子です。
( 出力コントロールを兼ねる )
7
FB
O
誤差増幅器出力端子です。
8
- INE
I
誤差増幅器反転入力端子です。
9
+ INC
I
過電圧比較器非反転入力端子です。
10
VCC

基準電圧 , 制御回路の電源端子です。
11
VB
O
出力回路用バイアス出力端子です。
12
CB

出力ブートストラップ端子です。
CB 端子と VS 端子の間にコンデンサを接続し , IC 内部の出力トランジスタを
ブートストラップします。
13
OUT1
O
トーテムポール形式出力端子です。( 外付けメイン側 FET ゲート駆動 )
14
VS

外付けメイン側 FET のソース接続端子です。
15
OUT2
O
トーテムポール形式出力端子です。( 外付け同期整流側 FET ゲート駆動 )
16
PGND

接地端子です。
17
SGND

接地端子です。
18
VREF
O
基準電圧出力端子です。
19
N.C.

未接続端子です。
20
N.C.

未接続端子です。
3
MB3885
■ ブロックダイヤグラム
VCC
10
5 V Reg.
FB 7
11 VB
10 µA
12 CB
Error Amp.
−INE 8
PWM Comp.1
−
+
+
CS 6
+
+
−
DTC
1.25 V
OVP Comp.
13 OUT1
PWM Comp.2
+
+INC 9
Drive1
14 VS
+
−
VCC
1.47 V
−
Latch
R
Drive2
15 OUT2
16 PGND
SQ
SCP Comp.
1 µA
CSCP 3
1.9 V
−
+
1.3 V
2.1 V
bias
S
R
Latch
UVLO
OSC
4
CT
4
5
RT
bias
VCC
Ref
(2.5 V)
Power
18
VREF
17
SGND
MB3885
■ 絶対最大定格
項 目
記 号
条 件
電源電圧
VCC

ブート電圧
VCB
定 格 値
単 位
最 小
最 大

20
V

25
V

120
mA
CB 端子

出力電流
IO
ピーク出力電流
IOP
Duty ≦ 5 %
(t = 1 / fOSC × Duty)

800
mA
許容損失
PD
Ta ≦+ 25 °C

555 *
mW
保存温度
Tstg
- 55
+ 125
°C

*:10 cm 角の両面エポキシ基板に実装時
<注意事項> 絶対最大定格を超えるストレス ( 電圧 , 電流 , 温度など ) の印加は , 半導体デバイスを破壊する可能性があ
ります。
したがって , 定格を一項目でも超えることのないようご注意ください。
■ 推奨動作条件
項 目
記 号
条 件
電源電圧
VCC

ブート電圧
VCB
CB 端子
基準電圧出力電流
IOR
バイアス出力電流
入力電圧
規 格 値
単 位
最 小
標 準
最 大
5.5
12
18
V


23
V
VREF 端子
-1

0
mA
IOB
VB 端子
-1

0
mA
VIN
−INE 端子
0

VCC - 1.8
V
VINC
+INC 端子
0

VCC
V
- 100

100
mA
- 700

700
mA

出力電流
IO
ピーク出力電流
IOP
発振周波数
fOSC

10
200
500
kHz
タイミング抵抗
RT

6.8
10
12
kΩ
タイミング容量
CT

150
470
15000
pF
ブート容量
CB


0.1
1.0
µF
Duty ≦ 5 %
(t = 1 / fosc × Duty)
基準電圧出力容量
CREF
VREF 端子

0.1
1.0
µF
バイアス出力容量
CVB
VB 端子
1.0
4.7
10
µF
ソフトスタート容量
CS


0.1
1
µF
CSCP


0.01
0.1
µF
Ta

- 30
+ 25
+ 85
°C
ショート検出容量
動作温度
<注意事項> 推奨動作条件は , 半導体デバイスの正常な動作を保証する条件です。
電気的特性の規格値は , すべてこの条
件の範囲内で保証されます。
常に推奨動作条件下で使用してください。
この条件を超えて使用すると , 信頼
性に悪影響を及ぼすことがあります。
データシートに記載されていない項目 , 使用条件 , 論理の組合せでの使用は , 保証していません。
記載され
ている以外の条件での使用をお考えの場合は , 必ず事前に当社営業担当部門までご相談ください。
5
MB3885
■ 電気的特性
(VCC = 12 V, VB = 0 mA, VREF = 0 mA, Ta =+ 25 °C)
項 目
記号
端子
VREF
18
Ta =+ 25 °C
∆VREF/
VREF
18
入力安定度
Line
負荷安定度
2. バイアス
電圧部
[VB]
3. 低 VCC 時
誤動作防止
回路部
[UVLO]
4. ソフト
スタート部
[CS]
5. ショート
検知比較部
[SCP]
6. 三角波
発振器部
[OSC]
最 大
2.475
2.500
2.525
V
Ta = 0 °C ~+ 85 °C

0.5 *

%
18
VCC = 5.5 V ~ 18 V

1
10
mV
Load
18
VREF = 0 mA ~- 1 mA

3
10
mV
短絡時出力電流
Ios
18
VREF = 2 V
- 28
- 14
-7
mA
出力電圧
VB
11
4.95
5.05
5.15
V
スレッショルド
電圧
VTH
10
2.6
2.9
3.2
V
ヒステリシス幅
VH
10


0.2 *

V
VRST
10

1.7
2.1
2.5
V
充電電流
ICS
6

- 14
- 10
-6
µA
スレッショルド
電圧
VTH
3

0.63
0.68
0.73
V
入力ソース電流
ICSCP
3

- 1.4
- 1.0
- 0.6
µA
ショート検出時間
tSCP
3
CSCP = 0.01 µF
4.5
6.8
12.2
ms
発振周波数
fOSC
4
RT = 10 kΩ, CT = 470 pF
170
190
210
kHz
∆fOSC/
fOSC
4
Ta = 0 °C ~+ 85 °C

1*

%
VTH1
8
FB = 1.6 V,
Ta =+ 25 °C
1.241
1.2500
1.259
V
VTH2
8
FB = 1.6 V,
Ta = 0 °C ~+ 85 °C
1.2375
1.2500
1.2625
V
入力バイアス電流
IB
8
−INE = 0 V
- 200
- 20

nA
電圧利得
AV
7
DC
60
100

dB
周波数帯域幅
BW
7
AV = 0 dB

800 *

kHz
VFBH
7

2.2
2.5

V
VFBL
7


0.8
1.0
V
出力ソース電流
ISOURCE
7
FB = 1.6 V

- 100
- 45
µA
出力シンク電流
ISINK
7
FB = 1.6 V
1.5
9.0

mA
VTL
7
デューティサイクル
=0%
1.2
1.3

V
VTH
7
デューティサイクル
= Dtr

1.81
2.0
V
リセット電圧
周波数温度変動率
出力電圧
8. PWM
比較器部
[PWM Comp.1,
PWM Comp.2]
単位
標 準
スレッショルド
電圧
7. 誤差
増幅器部
[Error Amp.]
規 格 値
最 小
出力電圧
1. 基準電圧部
[Ref]
条 件
スレッショルド
電圧

VCC =
*:標準設計値
(続く)
6
MB3885
(続き)
(VCC = 12 V, VB = 0 mA, VREF = 0 mA, Ta =+ 25 °C)
項 目
9. 休止期間
調整部
[DTC]
端子
条 件
Dtr
13
ISOURCE1
最 大
RT = 10 kΩ, CT = 470 pF
85
90
95
%
13
Duty ≦ 5 %
(t = 1 / fOSC × Duty)

- 700 *

mA
ISINK1
13
Duty ≦ 5 %
(t = 1 / fOSC × Duty)

900 *

mA
VOH1
13
OUT1 =- 100 mA,
CB = 17 V, VS = 12 V

V
VOL1
13
OUT1 = 100 mA,
CB = 17 V, VS = 12 V

VS + 0.9 VS + 1.4
ISOURCE2
15
Duty ≦ 5 %
(t = 1 / fOSC × Duty)

- 750 *

mA
ISINK2
15
Duty ≦ 5 %
(t = 1 / fOSC × Duty)

900 *

mA
出力電圧
( 同期整流側 )
VOH2
15
OUT2 =- 100 mA
2.5
4.1

V
VOL2
15
OUT2 = 100 mA

1.0
1.4
V
ダイオード電圧
VD
12
VB = 10 mA

0.9
1.1
V
RT = 10 kΩ, CT = 470 pF
OUT1 = OUT2 = OPEN,
VS = 0 V
OUT2: - OUT1:
100
200

ns
RT = 10 kΩ, CT = 470 pF
OUT1 = OUT2 = OPEN,
VS = 0 V
OUT1: - OUT2:
100
250

ns
1.44
1.47
1.50
V
- 200
- 30

nA

6.5
9.8
mA
最大デューティ
サイクル
出力電流
( 同期整流側 )
tD1
デッドタイム
13, 15
tD2
12. 全デバイス
単位
標 準
出力電圧
( メイン側 )
11. 過電圧検出
比較器部
[OVP]
規 格 値
最 小
出力電流
( メイン側 )
10. 出力部
[Drive]
記号
スレッショルド
電圧
VTH
9
+INC =
入力バイアス電流
IB
9
+INC = 0 V
電源電流
ICC
10

CB - 2.5 CB - 0.9
V
*:標準設計値
7
MB3885
■ 標準特性
電源電流-電源電圧特性
基準電圧-電源電圧特性
5
10
Ta = +25 °C
VREF = 0 mA
8
基準電圧 VREF (V)
電源電流 ICC (mA)
Ta = +25 °C
6
4
4
3
2
1
2
0
0
0
5
10
15
0
20
5
電源電圧 VCC (V)
10
15
20
電源電圧 VCC (V)
基準電圧-電源電圧特性
2.0
VCC = 12 V
VREF = 0 mA
基準電圧 ∆VREF (%)
1.5
1.0
0.5
0.0
−0.5
−1.0
−1.5
−2.0
−40
−20
0
20
40
60
80
100
周囲温度 Ta ( °C)
三角波上限下限電圧-周囲温度特性
三角波上限下限電圧-三角波発振周波数特性
三角波上限下限電圧 VCT (V)
Ta = +25 °C
VCC = 12 V
CTL = 5 V
2.0
上限
1.5
下限
1.0
0.5
1k
10 k
100 k
三角波発振周波数 fOSC (Hz)
1M
三角波上限下限電圧 VCT (V)
2.5
2.5
VCC = 12 V
RT = 10 kΩ
CT = 470 pF
2.0
上限
1.5
下限
1.0
0.5
−40
−20
0
20
40
60
80
100
周囲温度 Ta ( °C)
(続く)
8
MB3885
三角波発振周波数-タイミング抵抗特性
三角波発振周波数-タイミング容量特性
三角波発振周波数 fOSC (Hz)
1M
100 k
10 k
1k
10
100
1000
10000
Ta = +25 °C
VCC = 12 V
CTL = 5 V
1M
CTL = 150 pF
100 k
CTL = 470 pF
10 k
CTL = 15000 pF
1k
100
1k
100000
10 k
100 k
タイミング容量 CT (pF)
タイミング抵抗 RT (Ω)
三角波発振周波数-電源電圧特性
三角波発振周波数-周囲温度特性
250
250
230
三角波発振周波数 fOSC (kHz)
Ta = +25 °C
RT = 10 kΩ
CT = 470 pF
240
220
210
200
190
180
170
160
150
0
5
10
15
VCC = 12 V
RT = 10 kΩ
CT = 470 pF
240
230
220
210
200
190
180
170
160
150
−40
20
−20
電源電圧 VCC (V)
0
20
40
60
80
100
周囲温度 Ta ( °C)
誤差増幅器利得 , 位相-周波数特性
利得 AV (dB)
三角波発振周波数 fOSC (kHz)
10 M
Ta = +25 °C
VCC = 12 V
CTL = 5 V
RT = 10 kΩ
40
Ta = +25 °C
20
φ
0
180
90
0
AV
−20
VCC = 12 V
−90
位相 φ (deg)
三角波発振周波数 fOSC (Hz)
10 M
240 kΩ
4.7 kΩ
−
+
2.4 kΩ
8
6
IN 10 µF
4.7 kΩ
1.5 V
−40
1k
−
+
+
1.25 V
7
OUT
Error Amp.
−180
10 k
100 k
1M
10 M
周波数 f (Hz)
(続く)
9
MB3885
(続き)
許容損失-周囲温度特性
許容損失 PD (mW)
600
555
500
400
300
200
100
0
−40
−20
0
20
40
60
周囲温度 Ta ( °C)
10
80
100
MB3885
■ 機能説明
1. DC/DC コンバータ機能
(1) 基準電圧部
基準電圧回路は , 電源端子 (10 ピン ) より供給される電圧により温度補償された基準電圧 (2.5 V 標準 ) を発生し , IC 内
部回路の基準電圧として使用されます。
また , 基準電圧は VREF 端子 (18 ピン ) から外部に負荷電流を最大 1 mA まで取り出せます。
(2) 三角波発振器部
CT 端子 (4 ピン ) , RT 端子 (5 ピン ) にそれぞれタイミング用のコンデンサおよび抵抗を接続することにより , 振幅
1.3 V ~ 1.9 V の三角波発振波形を発生します。
三角波発振波形は , IC 内部の PWM コンパレータに入力されるとともに , CT 端子より外部に取り出せます。
(3) 誤差増幅器部 (Error Amp.)
誤差増幅器は , DC/DC コンバータの出力電圧を検出し , PWM 制御信号を出力する増幅器です。
誤差増幅器は , 同相入力
電圧範囲が “0 ~ VCC - 1.8 V” と広く , 外部電源からの設定が容易です。
また , 誤差増幅器の出力端子から反転入力端子への帰還抵抗およびコンデンサの接続により , 任意のループゲインが設
定できるため , システムに対して安定した位相補償ができます。
さらに , 誤差増幅器の非反転入力端子である CS 端子 (6 ピン ) にソフトスタート用コンデンサを接続することにより電
源起動時の突入電流を防止できます。ソフトスタート時間は DC/DC コンバータの出力負荷に依存しない一定のソフトス
タート時間で動作します。
(4) PWM 比較器部 (PWM Comp.)
入力電圧に応じて出力デューティをコントロールする電圧-パルス幅変換器です。
メイン側 :誤差増幅器出力電圧が三角波電圧よりも高い期間に出力 FET をオンさせます。
同期整流側:誤差増幅器出力電圧が三角波電圧よりも低い期間に出力 FET をオンさせます。
(5) 出力部
出力部は , メイン側および同期整流側ともにトーテムポール形式で構成しており , 外付け Nch MOS FET を駆動するこ
とができます。
また , 出力ドライブ能力 (700 mA Max.:Duty ≦ 5%) が高いためゲートソース間容量が大きく低オン抵抗の FET を使用
できます。
2. コントロール機能
CS 端子 (6 ピン ) の設定条件により出力の ON/OFF 制御が可能です。
出力オン / オフ設定条件
CS 端子の電圧レベル
出力状態
GND
OFF
Hi-Z
ON
11
MB3885
3. 保護機能
(1) タイマ・ラッチ式短絡保護回路 (SCP)
ショート検知コンパレータが出力電圧レベルを検知し , 出力電圧がショート検知電圧以下となる場合には , タイマ回路
が動作し , CSCP 端子 (3 ピン ) に外付けされたコンデンサ Cscp に充電を始めます。
コンデンサの電圧が約 0.68 V になると出力 FET をオフし休止期間を 100%に設定します。
保護回路が動作したときは , 電源を再投入すればリセットできます 「■タイマ
(
・ラッチ式短絡保護回路の時定数設定方
法」参照。
)
(2) 低 VCC 時誤動作防止回路部 (UVLO)
通常 , 電源投入時の過渡状態や電源電圧の瞬時低下は , コントロール IC の誤動作を誘起し , システムの破壊もしくは劣
化を生じさせます。前記のような誤動作を防止するために , 低 VCC 時誤動作防止回路は電源電圧に従って内部基準電圧レ
ベルを検出し , 出力 FET をオフし , 休止期間を 100%にするとともに , CSCP 端子 (3 ピン ) を “L” レベルに保ちます。
電源電圧が低 VCC 時誤動作防止回路のスレッショルド電圧以上になればシステムは復帰します。
(3) 過電圧保護回路部 (OVP)
過電圧保護回路は過電圧検知コンパレータ (OVP Comp.) が DC/DC コンバータの出力電圧レベルを検知し , 過電圧検知
コンパレータのスレッショルド電圧以上になるとラッチをセットし , メイン側 FET のみオフさせます。
保護回路が動作したときは , 電源を再投入すればリセットできます。
12
MB3885
■ タイマ・ラッチ式短絡保護回路の時定数設定方法
ショート検知コンパレータ (SCP Comp.) で , 誤作増幅器の出力レベルを基準電圧と常に比較動作を行っています。
DC/DC コンバータの負荷条件が安定している場合はショート検知コンパレータの出力は , “H” レベルとなります。
トラ
ンジスタ Q1 がオンし , CSCP 端子 (3 ピン ) は入力スタンバイ電圧 (VSTB ≒ 50 mV) に保持されます。
負荷条件が負荷短絡などで急激に変化し出力電圧が低下した場合は, ショート検知コンパレータ出力は, “L”レベルとな
ります。すると, トランジスタQ1がオフになり, CSCP端子に外付けされた短絡保護コンデンサCscpに1 µAで充電されます。
ショート検出時間
tscp (s) ≒ 0.68 × Cscp (µF)
コンデンサ Cscp がスレッショルド電圧 (VTH ≒ 0.68 V) まで充電されるとラッチをセットし , 外付け FET をオフさせま
す ( 休止期間を 100%とします ) 。
このとき , ラッチ入力はクローズされ CSCP 端子を入力ラッチ電圧 (VI ≒ 50 mV) に保持
されます。
10 µA
FB
7
−INE
CS
−
+
+
8
Error
Amp.
出力段
13
OUT1
出力段
15
OUT2
6
1.25 V
CS
Q2
SCP Comp.
1 µA
−
+
CSCP
bias
3
S
CSCP
2.1 V
R
Latch
Q1
UVLO
Q4
<タイマ・ラッチ式短絡保護回路>
13
MB3885
■ CSCP 端子を使用しない場合の処理方法
タイマ・ラッチ式短絡保護回路を使用しない場合は , CSCP 端子 (3 ピン ) を最短距離で SGND に短絡してください。
17 SGND
CSCP 3
< CSCP 端子を使用しない場合>
14
MB3885
■ ソフトスタート時間設定方法
IC 起動時の突入電流防止のため , CS 端子 (6 ピン ) に , ソフトスタート容量 (CS) を接続することで , ソフトスタートを
行えます。
IC が起動 (VCC ≧ UVLO のスレッショルド電圧 ) すると Q2 がオフとなり CS 端子に外付けされたソフトスタート容量
(CS) に 10 µA で充電されます。
Error Amp 出力 (FB) は2つの非反転入力端子 (1.25 V, CS 端子電圧 ) のうちいずれか低い電位と反転入力端子電圧 (−INE)
との比較により決定されますので , ソフトスタート期間中 (CS 端子電圧< 1.25 V) の FB は −INE 端子電圧と CS 端子電圧
の比較により決定され , DC/DC コンバータ出力電圧は CS 端子に外付けされたソフトスタート容量への充電による CS 端
子電圧の上昇に比例します。なお , ソフトスタート時間は次式で求められます。
ソフトスタート時間 ( 出力 100%になるまでの時間 )
ts (s) ≒ 0.125 × Cs (µF)
CS 端子電圧
≒ 2.3 V
Error Amp. 部 −INE 電圧との比較電圧
≒ 1.25 V
≒0V
ソフトスタート時間 ts
VREF
10 µA
FB
7
−INE
8
CS
10 µA
−
+
+
6
Error
Amp.
1.25 V
CS
Q2
UVLO
<ソフトスタート回路>
15
MB3885
■ CS 端子を使用しない場合の処理方法
ソフトスタート機能を使用しない場合は , CS 端子 (6 ピン ) を開放してください。
“ 開放 ”
CS
<ソフトスタート時間を設定しない場合>
■ 発振周波数設定方法
発振周波数は CT 端子 (4 ピン ) にタイミング容量 (CT) , RT 端子 (5 ピン ) にタイミング抵抗 (RT) を接続することにより
設定できます。
発振周波数
fosc (kHz) ≒
893000
CT (pF) ・RT (kΩ)
■ 出力電圧の設定方法
VO
FB
7
VO =
R1
−INE
8
R2
CS
16
−
+
+
6
1.25 V
Error
Amp.
1.25 V
R2
(R1 + R2)
MB3885
■ 過電圧保護回路の検出電圧設定方法
過電圧比較器 (OVP Comp.) の +INC 端子 (9 ピン ) に DC/DC コンバータの出力電圧から外付け抵抗を接続することによ
り , DC/DC コンバータの出力電圧の過電圧を検出できます。
DC/DC コンバータの出力電力が上昇し検出電圧より高くなると , 過電圧比較部 (OVP Comp.) の出力が “H” レベルとな
り , ラッチをセットし出力を停止します。
検出電圧
VOVP (V) ≒ 1.47 × (R3 + R4) /R4
保護回路が動作したときは , VCC 電圧をリセット電圧 (1.7 V 最低 ) 以下にすることによりリセットされます。
VO
VCC
R3
+INC1
R4
9
+
OVP
Comp.
R
Q
S
−
1.47 V
17
MB3885
■ 電源電圧範囲に関する注意
推奨動作条件で表記している電源電圧範囲は 5.5 V ~ 18 V までとなっていますが , 発振周波数および FET のトータル
ゲートチャージによって IC の内部損失が変わるため , 発熱の問題から動作可能な電源電圧の最大値に制限がかかります。
アプリケーションを使用する際の電源電圧範囲に関しては以下の注意が必要です。
下記に示した IB ( 平均電流 ) は外付け FET Q1, Q2 のゲート容量 (Ciss1, Ciss2, Crss1, Crss2) に充電されるトータルゲート
チャージを Qg1, Qg2 とすると次式で求められます。
IB (A) = I1 + I2
= Ibias1 ×
T1
Qg1
T2
Qg2
+
+ Ibias2 ×
+
T
T
T
T
(Ibias1 = Ibias2 ≒ 2 mA)
IB 以外の IC の消費電流は約 6.5 mA であるため消費電力は次式で求められます。
消費電力:Pc
Pc (W) ≒ 0.0065 × VCC + VCC・IB - 1 / 2 × VB・IB
Vin
VCC
10
IB
5V
11
12
VB
CVB
A
CB
L1
Q1
I1
Drive
1
13
14
I2
OUT1
VO1
Crss2
Crss1
Q2
Ciss1
VS
Ciss2
Drive
2
15
16
OUT2
PGND
T
VOUT1
VOUT2
バイアス電流
Ibias1 ≒ 2 mA
I1
T1
バイアス電流
Ibias2 ≒ 2 mA
I2
T2
t
消費電力の求め方は上記の通りですので , 次ページの「消費電力-入力電圧特性」を参考に
「■標準特性内の許容損失-
周囲温度特性」を考慮して設計してください。
18
MB3885
消費電力-入力電圧特性 (Qg パラメータ )
1.00
消費電力 Pc (W)
0.90
0.80
Ta = +25 °C
fOSC = 200 kHz
SW1 = OFF
0.70
0.60
Qg1 = Qg2 = 70 nC
0.50
Qg1 = Qg2 = 50 nC
0.40
Qg1 = Qg2 = 30 nC
Qg1 = Qg2 = 20 nC
Qg1 = Qg2 = 10 nC
0.30
0.20
0.10
0.00
5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
入力電圧 Vin (V)
消費電力-入力電圧特性 (fOSC パラメータ )
1.00
0.90
消費電力 Pc (W)
0.80
Ta = +25 °C
Qg1 = Qg2 = 20 nC
SW1 = OFF
0.70
0.60
0.50
fOSC = 500 kHz
0.40
fOSC = 300 kHz
fOSC = 200 kHz
fOSC = 100 kHz
fOSC = 10 kHz
0.30
0.20
0.10
0.00
5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
入力電圧 Vin (V)
19
20
A
SW1
出力
ON/OFF
信号
Vin
C5
CSCP
R5
10 kΩ
+INC
3
9
CS
6
C4
8
7
R2
3.3 kΩ 0.1 µF
0.01 µF
6.2 kΩ
R4
10 kΩ
R3
C3
0.022 µF
R1
R6
2 kΩ 2.7 kΩ −INE
FB
−
+
OVP
Comp.
−
+
+
Error Amp.
1 µA
SCP Comp.
+
−
S
R
Latch
bias
2.1 V
Latch
VCC
R
SQ
1.47 V
1.25 V
10 µA
+
+
−
−
CT
C6
470 pF
PWM
Comp.2
+
UVLO
DTC
4
5
16
15
14
13
12
11
C7
0.1 µF
C8
C1 +
22 µF
PGND
OUT2
VS
OUT1
CB 4.7 µF
D2
VB
18
17
VREF
SGND
R7
10 kΩ
RT
VCC
Ref
(2.5 V) Power
bias
1.3 V
1.9 V
Drive2
Drive1
5 V Reg.
OSC
VCC
PWM Comp.1
10
C12
0.1 µF
0.1 µF
C2
Q1
C9
0.1 µF
Q2
D1
68 µF
×3
C10 +
L1
2.7 µH
A
2.2 µF
C11
Vo (2 V)
MB3885
■ 応用回路例
MB3885
■ 部品表
COMPONENT
ITEM
SPECIFICATION
VENDOR
PARTS No.
Q1, Q2
FET
VDS = 30 V, Qg = 23 nC (Max.)
IR
IRF7811
D1
D2
Diode
Diode
VF = 0.35 V (max) , IF = 1 A 時
VF = 0.30 V (max) , IF = 10 mA 時
ROHM
ROHM
RB051L-40
RB495D
L1
Coil
2.7 µH
12 A, 4.5 mΩ
TDK
RLF12545T
-2R7N8R7
C1
C2
C3
C4
C5
C6
C7
C8
C9
C10
C11
C12
OS Condenser
Ceramics Condenser
Ceramics Condenser
Ceramics Condenser
Ceramics Condenser
Ceramics Condenser
Ceramics Condenser
Ceramics Condenser
Ceramics Condenser
Electrolytic Condenser
Ceramics Condenser
Ceramics Condenser
22 µF
0.1 µF
0.022 µF
0.1 µF
0.01 µF
470 pF
0.1 µF
4.7 µF
0.1 µF
68 µF
2.2 µF
0.1 µF
25 V
25 V
25 V
25 V
10 V
50 V
25 V
10 V
25 V
6.3 V
6.3 V
25 V


R1
R2
R3
R4
R5
R6
R7
Resistor
Resistor
Resistor
Resistor
Resistor
Resistor
Resistor
2 kΩ
3.3 kΩ
10 kΩ
6.2 kΩ
10 kΩ
2.7 kΩ
10 kΩ
1/4 W
1/4 W
1/4 W
1/4 W
1/4 W
1/4 W
1/4 W


(注意事項)IR:International Rectifier Corp.
ROHM:ローム株式会社
TDK:TDK 株式会社
21
MB3885
■ 参考データ
変換効率-負荷電流特性
100
Ta =+ 25 °C
2 V 出力
SW1 = OFF
変換効率 η (%)
95
90
Vin = 6 V
85
Vin = 8.5 V
Vin = 10 V
80
75
70
0
1
2
3
4
5
6
負荷電流 IL (A)
22
7
8
9
10
MB3885
■ 使用上の注意
・プリント基板のアースラインは , 共通インピーダンスを考慮し設計してください。
・静電気対策を行ってください。
・ 半導体を入れる容器は , 静電気対策を施した容器か , 導電性の容器をご使用ください。
・ 実装後のプリント基板を保管・運搬する場合は , 導電性の袋か , 容器に収納してください。
・ 作業台 , 工具 , 測定機器は , アースを取ってください。
・ 作業する人は , 人体とアースの間に 250 kΩ ~ 1 MΩ の抵抗を直列にいれたアースをしてください。
・負電圧を印加しないでください。
・ −0.3 V 以下の負電圧を印加した場合 , LSI に寄生トランジスタが発生し誤動作を起こすことがあります。
■ オーダ型格
型 格
MB3885PFV
パッケージ
備 考
プラスチック・SSOP, 20 ピン
(FPT-20P-M03)
23
MB3885
■ 外形寸法図
注 1) *印寸法はレジン残りを含まず。
注 2) 端子幅および端子厚さはメッキ厚を含む。
プラスチック・SSOP, 20 ピン
(FPT-20P-M03)
* 6.50±0.10(.256±.004)
0.17±0.03
(.007±.001)
20
11
* 4.40±0.10
6.40±0.20
(.173±.004) (.252±.008)
INDEX
Details of "A" part
+0.20
1.25 –0.10
+.008
.049 –.004
LEAD No.
1
10
0.65(.026)
"A"
0.24±0.08
(.009±.003)
0.10(.004)
C
(Mounting height)
0.13(.005)
M
0~8°
0.50±0.20
(.020±.008)
0.45/0.75
(.018/.030)
0.10±0.10
(Stand off)
(.004±.004)
0.25(.010)
1999 FUJITSU LIMITED F20012S-3C-5
単位:mm (inches)
24
MB3885
MEMO
25
MB3885
MEMO
26
MB3885
MEMO
27
富士通マイクロエレクトロニクス株式会社
〒 163-0722 東京都新宿区西新宿 2-7-1 新宿第一生命ビル
http://jp.fujitsu.com/fml/
お問い合わせ先
富士通エレクトロニクス株式会社
〒 163-0731 東京都新宿区西新宿 2-7-1 新宿第一生命ビル
http://jp.fujitsu.com/fei/
電子デバイス製品に関するお問い合わせは , こちらまで ,
0120-198-610
受付時間 : 平日 9 時~ 17 時 ( 土・日・祝日 , 年末年始を除きます )
携帯電話・PHS からもお問い合わせができます。
※電話番号はお間違えのないよう , お確かめのうえおかけください。
本資料の記載内容は , 予告なしに変更することがありますので , ご用命の際は営業部門にご確認ください。
本資料に記載された動作概要や応用回路例は , 半導体デバイスの標準的な動作や使い方を示したもので , 実際に使用する機器での動作を保証するも
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本資料に記載された動作概要・回路図を含む技術情報は , 当社もしくは第三者の特許権 , 著作権等の知的財産権やその他の権利の使用権または実施
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はありません。したがって , これらの使用に起因する第三者の知的財産権やその他の権利の侵害について , 当社はその責任を負いません。
本資料に記載された製品は , 通常の産業用 , 一般事務用 , パーソナル用 , 家庭用などの一般的用途に使用されることを意図して設計・製造されてい
ます。極めて高度な安全性が要求され , 仮に当該安全性が確保されない場合 , 社会的に重大な影響を与えかつ直接生命・身体に対する重大な危険性を
伴う用途(原子力施設における核反応制御 , 航空機自動飛行制御 , 航空交通管制 , 大量輸送システムにおける運行制御 , 生命維持のための医療機器 , 兵
器システムにおけるミサイル発射制御をいう), ならびに極めて高い信頼性が要求される用途(海底中継器 , 宇宙衛星をいう)に使用されるよう設計・
製造されたものではありません。したがって , これらの用途にご使用をお考えのお客様は , 必ず事前に営業部門までご相談ください。ご相談なく使用
されたことにより発生した損害などについては , 責任を負いかねますのでご了承ください。
半導体デバイスはある確率で故障が発生します。当社半導体デバイスが故障しても , 結果的に人身事故 , 火災事故 , 社会的な損害を生じさせないよ
う , お客様は , 装置の冗長設計 , 延焼対策設計 , 過電流防止対策設計 , 誤動作防止設計などの安全設計をお願いします。
本資料に記載された製品を輸出または提供する場合は , 外国為替及び外国貿易法および米国輸出管理関連法規等の規制をご確認の上 , 必要な手続き
をおとりください。
本書に記載されている社名および製品名などの固有名詞は , 各社の商標または登録商標です。
編集 販売戦略部