s3901-128q etc kmpd1036j

IMAGE SENSOR
NMOSリニアイメージセンサ
S3901/S3904シリーズ
高い紫外感度、優れた出力直線性、低消費電力の電流出力型センサ
NMOSリニアイメージセンサは、
マルチチャンネル分光光度計用の検出器として設計された自己走査型フォトダイオードアレイです。走査
回路は、NチャンネルMOSトランジスタで構成され、低消費電力駆動が可能なため、取り扱いが容易です。各フォトダイオードの受光面積
が大きく高い紫外感度をもつ上、雑音がきわめて小さいので微弱な入射光に対してもS/Nの高い信号が得られます。また、優れた出力
直線性、広いダイナミックレンジも電流出力型のNMOSリニアイメージセンサの特長です。
S3901シリーズは50 µm × 2.5 mm、S3904シリーズは25 µm × 2.5 mmのフォトダイオードが直線的に並んでいます。画素数は、128
(S3901-128Q)、256 (S3901-256Q, S3904-256Q)、512 (S3901-512Q, S3904-512Q)、1024 (S3904-1024Q) と、
それぞれ3種類ずつが
あります。受光窓は、石英を標準品としています。
特長
用途
l 広い受光面
l マルチチャンネル分光測光
l イメージリードアウトシステム
画素ピッチ: 50 µm (S3901シリーズ), 25 µm (S3904シリーズ)
画素高さ: 2.5 mm
l フォトダイオードの紫外感度が高く、紫外線照射に対して
特性が安定している
l 低暗電流、大飽和電荷量のため、常温で長い蓄積時間と広い
ダイナミックレンジが得られる
l 優れた出力直線性とユニフォミティ (感度の均一性)
l 低消費電力: 1 mW max.
l スタートパルス、クロックパルスは、CMOSロジック
コンパチブル
■ 等価回路
■ 受光部の構造
スタート st
クロック 2
デジタルシフトレジスタ
(MOSシフトレジスタ)
エンドオブスキャン
2.5 mm
クロック 1
アクティブビデオ
アクティブ
フォトダイオード
Vss
b
飽和コントロール
ゲート
飽和コントロール
ドレイン
1.0 µm
a
ダミービデオ
酸化シリコン
N型シリコン
1.0 µm
KMPDC0020JA
400 µm
ダミーダイオード
P型シリコン
S3901シリーズ: a=50 µm, b=45 µm
S3904シリーズ: a=25 µm, b=20 µm
KMPDA0059JA
■ 絶対最大定格
項 目
入力パルス (φ1, φ2, φst) 電圧
消費電力*1
動作温度*2
保存温度
*1: Vφ=5.0 V
*2: 結露なきこと
記号
Vφ
P
Topr
Tstg
定格値
15
1
-40 ~ +65
-40 ~ +85
単位
V
mW
°C
°C
1
NMOSリニアイメージセンサ
S3901/S3904シリーズ
■ 形状仕様
項 目
画素数
パッケージ長
ピン数
窓材*3
質量
S3901-128Q S3901-256Q
128
256
31.75
22
石英
3.0
S3901-512Q
512
40.6
3.5
S3904-256Q S3904-512Q S3904-1024Q
256
512
1024
31.75
40.6
22
石英
3.0
3.5
単位
mm
g
*3: ファイバプレート窓も対応可能 (S3901-128Q, S3904-256Q を除く)。
■ 仕様 (Ta=25 °C)
項
目
記号
画素ピッチ
画素高さ
感度波長範囲 (ピークの 10%)
λ
最大感度波長
λp
フォトダイオード暗電流*4
ID
フォトダイオード容量*4
Cph
飽和露光量*4 *5
Esat
飽和出力電荷量*4
Qsat
感度不均一性*6
PRNU
*4: Vb=2.0 V, Vφ=5.0 V
*5: 2856 K, タングステンランプ
*6: 飽和の 50%, スタート画素と最終画素を除く
Min.
-
S3901 シリーズ
Typ.
Max.
50
2.5
200 ~ 1000
600
0.2
0.6
20
180
50
±3
Min.
-
S3904 シリーズ
Typ.
Max.
25
2.5
200 ~ 1000
600
0.1
0.3
10
180
25
±3
単位
μm
mm
nm
nm
pA
pF
mlx · s
pC
%
■ 電気的特性 (Ta=25 °C)
項
目
記号
High Vφ1, Vφ2 (H)
クロックパルス (φ1, φ2)
Low Vφ1, Vφ2 (L)
電圧
High
スタートパルス (φst)
Vφs (H)
Low
電圧
Vφs (L)
ビデオバイアス電圧*7
Vb
飽和コントロールゲート電圧
Vscg
飽和コントロールドレイン電圧
Vscd
クロックパルス(φ1, φ2)
trφ1, trφ2
上昇/下降時間*8
tfφ1, tfφ2
クロックパルス (φ1, φ2) パルス幅 tpwφ1, tpwφ2
スタートパルス (φst) 上昇/下降時間
trφs, tfφs
スタートパルス (φst) パルス幅
tpwφs
スタートパルス (φst) -クロック
tφov
パルス (φ2) 間オーバーラップ
8
クロックパルススペース*
X1 , X 2
シフトレジスタ動作周波数*9
f
条件
S3901 シリーズ
Min.
Typ.
Max.
4.5
5
10
0
0.4
4.5
10
Vφ1
0
0.4
1.5
Vφ - 3.0 Vφ - 2.5
0
Vb
-
S3904 シリーズ
Min.
Typ.
Max.
4.5
5
10
0
0.4
4.5
10
Vφ1
0
0.4
1.5
Vφ - 3.0 Vφ - 2.5
0
Vb
-
単位
V
V
V
V
V
V
V
-
20
-
-
20
-
ns
200
200
20
-
-
200
200
20
-
-
ns
ns
ns
200
-
-
200
-
-
ns
trf - 20
trf - 20
ns
0.1
2000
0.1
2000
kHz
80 (-128 Q)
100 (-256 Q)
ns
飽和の
ビデオ遅延時間
tvd
120 (-256 Q)
150 (-512 Q)
ns
9 10
50%* *
160 (-512 Q)
200 (-1024 Q)
ns
21 (-128 Q)
27 (-256 Q)
pF
クロックパルス (φ1, φ2)
5V
36 (-256 Q)
50 (-512 Q)
Cφ
pF
バイアス
ライン容量
67 (-512 Q)
100 (-1024 Q)
pF
12 (-128 Q)
14 (-256 Q)
pF
飽和コントロールゲート (Vscg)
5V
Cscg
20 (-256 Q)
24 (-512 Q)
pF
バイアス
ライン容量
35 (-512 Q)
45 (-1024 Q)
pF
7 (-128 Q)
10 (-256 Q)
pF
2V
ビデオライン容量
CV
11 (-256 Q)
16 (-512 Q)
pF
バイアス
20 (-512 Q)
30 (-1024 Q)
pF
*7: Vφは入力パルス電圧 (「■ ビデオバイアス電圧マージン」参照)
*8: trf はクロックパルスの上昇/下降時間。クロックパルスの上昇/下降時間が 20 ns 以上かかる場合は (上昇/下降時間 - 20)
ns 以上のクロックパルススペースを入れてください (「■駆動回路のタイミング図」参照)。
*9: Vb=2.0 V, Vφ=5.0 V
*10: C7883 駆動回路を用いて測定。
2
NMOSリニアイメージセンサ
S3901/S3904シリーズ
■ 外形寸法図 (単位: mm)
S3901-128Q, S3904-256Q
S3901-256Q, S3904-512Q
受光部
12.8 × 2.5
受光部
6.4 × 2.5
6.4 ± 0.3
3.2 ± 0.3
1 ch
10.16 ± 0.25
1.3 ± 0.2*1
1.4 ± 0.2*2
0.5 ± 0.05*3
1.3 ± 0.2*1
2.54 ± 0.13
25.4 ± 0.13
チップ
0.51 ± 0.05
0.25
5.0 ± 0.5
5.0 ± 0.5
0.51 ± 0.05
3.0 ± 0.3
走査方向
1.4 ± 0.2*2
3.0 ± 0.3
走査方向
31.75 ± 0.3
チップ
0.5 ± 0.05*3
31.75 ± 0.3
5.2 ± 0.2
5.2 ± 0.2
10.4 ± 0.25
10.4 ± 0.25
1 ch
0.25
2.54 ± 0.13
25.4 ± 0.13
10.16 ± 0.25
*1: 石英窓の表面からチップ表面
までの寸法
*2: チップ表面からパッケージ裏面
までの寸法
*3: 窓の厚さ
*1: 石英窓の表面からチップ表面
までの寸法
*2: チップ表面からパッケージ裏面
までの寸法
*3: 窓の厚さ
KMPDA0060JD
KMPDA0061JD
■ ピン接続
S3901-512Q, S3904-1024Q
受光部
25.6 × 2.5
12.8 ± 0.3
2
1
22
NC
1
2
21
NC
st
3
20
NC
Vss
4
19
NC
Vscg
5
18
NC
NC
6
17
NC
Vscd
7
16
NC
Vss
8
15
NC
アクティブビデオ
9
14
NC
ダミービデオ
10
13
NC
Vsub
11
12
エンドオブスキャン
5.2 ± 0.2
10.4 ± 0.25
1 ch
1.3 ± 0.2*1
0.51 ± 0.05
1.4 ± 0.2*2
3.0 ± 0.3
走査方向
チップ
0.5 ± 0.05*3
40.6 ± 0.3
0.25
Vss, Vsub, NCは接地してください。
5.0 ± 0.5
KMPDC0056JA
2.54 ± 0.13
25.4 ± 0.13
10.16 ± 0.25
*1: 石英窓の表面からチップ表面
までの寸法
*2: チップ表面からパッケージ裏面
までの寸法
*3: 窓の厚さ
KMPDA0062JD
3
NMOSリニアイメージセンサ
端子名
入出力
φ1, φ2
入力
(CMOS ロジックコンパチブル)
φst
入力
(CMOS ロジックコンパチブル)
Vss
-
Vscg
入力
Vscd
入力
アクティブビデオ
出力
ダミービデオ
出力
Vsub
出力
(CMOS ロジックコンパチブル)
エンドオブスキャン
NC
-
■ 分光感度特性 (代表例)
S3901/S3904シリーズ
機能、および推奨接続
MOS シフトレジスタを動作させるためのパルスです。ビデオ
出力信号は、φ2 立上りに同期して得られるため、クロックパ
ルス周波数とビデオデータレートは同一になります。
MOS シフトレジスタの動作を開始させるためのパルスです。
スタートパルスの間隔と信号蓄積時間は同一となります。
フォトダイオードのアノードに接続されています。接地してく
ださい。
ブルーミングの抑制に使用します。接地してください。
ブルーミングの抑制に使用します。ビデオバイアスと同一電圧
を印加してください。
ビデオ出力信号です。アドレスオンでフォトダイオード・カソ
ードに接続されます。フォトダイオードを逆バイアスの状態で
使用するためにビデオラインを正にバイアスします。φ1, φ2 の
大きさが 5 V ならばビデオバイアスは 2 V を推奨します。
アクティブビデオと構造は同一ですが、フォトダイオードはあ
りませんのでスパイクノイズのみが出力されます。アクティブ
ビデオと同一電圧にバイアスしてください。必要としない場合
はオープンにしてください。
シリコン基板に接続されています。接地してください。
10 kΩの抵抗で 5 V にプルアップしてください。負極性。最後
のフォトダイオードがアドレスされた次のタイミングのφ2 に
同期して現れます。
接地してください。
■ 出力電荷量-露光量
(Ta=25 ˚C)
0.3
(Typ. Vb=2 V, V =5 V, 光源: 2856 K)
102
0.2
出力電荷量 (pC)
受光感度 (A/W)
101
0.1
飽和電荷量
S3901シリーズ
100
S3904シリーズ
10
–1
飽和露光量
10–2
0
200
400
600
800
1000
1200
波長 (nm)
NMOSリニアイメージセンサは、シリコンの単一基板上に
MOSトランジスタから成る走査回路と、
フォトダイオードア
レイ、各フォトダイオードをアドレスするためのスイッチン
グトランジスタアレイが集積化されたものです。「■ 等価回
路」に回路構成を示します。
MOS走査回路は低消費電力型で、スタートパルスと2相の
クロックパルスにより走査パルス列を発生し、各アドレスス
イッチを順次オン状態にします。アドレススイッチは、フォ
トダイオードをソース、ビデオラインをドレイン、走査パル
ス入力部をゲートとするNMOSトランジスタにより構成され
ています。
フォトダイオード部は、電荷蓄積モードで動作するため、
露光量 (光の強さ × 蓄積時間) に比例した出力が得られます。
4
–3
10–5
10–4
10–3
10–2
10–1
100
露光量 (lx · s)
KMPDB0149JA
■ イメージセンサの構成
10
KMPDB0042JB
おのおののセルは、アクティブフォトダイオードとダミー
ダイオードから成り、それぞれスイッチングトランジスタを
経てアクティブビデオラインとダミービデオラインに接続さ
れています。また、おのおののアクティブフォトダイオード
は、飽和コントロールゲートを経て飽和コントロールドレイ
ンにも接続されているため、飽和コントロールゲートを接地
することにより、フォトダイオードのブルーミングが抑制さ
れます。また、飽和コントロールゲートにパルス信号を加え
ることにより一斉リセットを行うことも可能です。(■補助機
能参照)
「■ 受光部の構造」
にフォトダイオード受光部の構造図を示
します。フォトダイオード部は、P 型基板とその上の N 型拡
散層から形成されています。信号電荷は、この PN 接合容量
に蓄積されます。N 型拡散層は紫外感度が高く、暗電流が小
さくなるように工夫されています。
NMOSリニアイメージセンサ
■ 駆動回路
S3901/S3904シリーズ
S3901/S3904 シリーズの駆動には、DC 的な印加電圧は
必要ありません。ただし、Vss, Vsub およびすべての NC 端
子は接地してください。シフトレジスタの駆動には、スター
トパルス φst および 2 相クロックパルス φ1, φ2 が必要です。
スタートパルスおよびクロックパルスの極性はともに正であ
り、CMOS ロジックコンパチブルです。
2相クロックパルスφ1, φ2は完全に分離していても相補な
関係にあっても構いませんが、両パルスが同時にハイになる
時間がないようにしてください。
φ1, φ2 の上昇/下降時間が 20 ns 以上かかる場合は、(上
昇/下降時間 - 20) ns 以上のクロックパルススペース (■ 駆
スタートパルス φst の大きさは φ1, φ2 と同じであり、ハイ
レベルでシフトレジスタが動作を始め、
信号読み出しを開始
するため、スタートパルスの間隔で信号蓄積時間が決められ
ます。φst は、最低 200 ns の保持が必要で、φ2 と最低 200
ns オーバーラップしていなければなりません。さらに、シ
フトレジスタを正常に動作開始させるためには、φst がハイ
レベルの間に、φ2 は一度だけハイレベルからローレベルに
変化しなければいけません。各パルスのタイミングを「■ 駆
動回路のタイミング図」に示します。
動回路のタイミング図, X1, X2) を入れるようにしてください。
また、φ1, φ2 とも、最低 200 ns の保持が必要です。フォト
ダイオードの信号は φ2 の各立上りで得られるため、クロッ
クパルスの周波数とビデオデータレートは等しくなります。
エンドオブスキャン (EOS) は、10 kΩの抵抗でEOS端子を
5 Vにプルアップすることにより、最後のフォトダイオードが
アドレスされた次のタイミングの φ2 に同期して現れます。
■ 駆動回路のタイミング図
1
2
V s (H)
V s (L)
V
V
V
V
■ ビデオバイアス電圧マージン
tpw s
10
tpw 1
1 (H)
1 (L)
2 (H)
2 (L)
tpw 2
8
ビデオバイアス電圧 (V)
st
■ エンドオブスキャン
tvd
アクティブビデオ出力
エンドオブスキャン
tr s
st
tf s
tr 1
tf 1
X.
MA
6
推
4
ス
ア
イ
バ
奨
ビデオバイアス範囲
2
1
X1
X2
tf 2
MIN.
2
0
t ov
tr 2
4
5
6
7
8
9
10
クロックパルス振幅 (V)
KMPDC0022JA
■ 信号読み出し回路
信号読み出し方式は、負荷抵抗による電流検出方式や、
チャージアンプによる電流積分方式などがあります。
しかし、
どのような信号読み出し方式を用いるにしても、NMOSリニ
アイメージセンサのフォトダイオードのアノードは0 V (Vss)
のため、必ずビデオラインには正のバイアスを与えなければ
なりません。
「■ ビデオバイアス電圧マージン」にビデオバイ
アスの電圧マージンを示します。クロックパルスの振幅が大
きいほどビデオバイアスを大きく設定でき、飽和電荷量を大
きくすることができます。また、ビデオバイアスを小さくし
てクロックパルスの振幅を大きく設定すれば、ビデオ出力波
形の上昇/下降時間を短くすることができます。φ1, φ2, φst
の大きさが 5 V ならば、ビデオバイアスは 2 V を推奨します。
良い出力直線性を得るには、
電流積分方式が適しています。
電流積分方式では、各フォトダイオードがアドレスされる直
前に毎回積分容量を基準電圧レベルにリセットし、アドレス
スイッチがオンすると信号電荷は積分容量に蓄積されます。
「■ 読み出し回路例」, 「■ タイミングチャート」に電流積分
回路およびそのパルスタイミングの一例を示します。安定し
た出力を得るためには、リセットパルスの立上りをφ2の立下
KMPDB0043JA
りより少なくとも 50 ns 遅らせる必要があります。
以下の専用回路 (別売) を用意しています。
製品名
型 名
C7884
駆動回路
C7884G
C7884-01
C7884G-01
パルス
C8225-01
ジェネレータ
内 容
高精度
駆動回路
C7884
+ C8225-01
超高精度
駆動回路
C7884-01
+ C8225-01
特 長
低雑音
優れた出力直線性
ボックス波形出力
超低雑音
優れた出力直線性
ボックス波形出力
C7884 シリーズ
5
NMOSリニアイメージセンサ
■ 読み出し回路例
S3901/S3904シリーズ
■ タイミングチャート
+5 V
50 ns MIN.
10 kΩ
st
st
EOS
1
1
2
2
ダミー
ビデオ
st
EOS
RESET
1, Reset
OPEN
2
10 pF
Vscg
Vss
Vsub
アクティブ
ビデオ
–
Vscd
+
NC
OP-AMP (JFET 入力)
KMPDC0024EA
+
+2 V
KMPDC0023JA
出力電圧Voutは以下の式で表されます。
出力電荷量 [C]
Vout [V] =
10 × 10-12 [F]
■ アンチブルーミング機能
部分的にでも飽和露光量以上の照射が行われる場合は、飽和電荷量を越えて信号電荷をフォトダイオードに蓄積させることは
できないため、余分の電荷はビデオラインに溢れ出し信号の純度は劣化します。ビデオバイアスと同一の電圧を飽和コントロー
ルドレインに与え、飽和コントロールゲートは接地することにより、余剰電荷は飽和コントロールドレインより、排出されるた
め、信号の純度の劣化を避けることができます。入射光の強度が極端に強い場合には、飽和コントロールゲートを正にバイアス
します。飽和コントロールゲートに加えるバイアスが大きいほど過飽和電荷を制御する機能は高まりますが、飽和電荷量が低下
するため適切なバイアス値を選択することが肝要です。
■ 補助機能
(1) 一斉リセットとしての動作
通常の動作では、フォトダイオードに蓄積されている電荷は信号読み出しによってリセットされますが、S3901/S3904シリー
ズは信号読み出し以外の経路でフォトダイオード電荷のリセットを行うことができます。これは、飽和コントロールゲートに適
切なパルスを加えることにより達成されます。パルス電圧は、φ1, φ2, φst と同一、パルス幅は 5 μs 以上としてください。
飽和コントロールゲートがハイレベルに設定されると、すべてのフォトダイオードは、飽和コントロールドレイン電位 (ビデ
オバイアスと同一に設定します。
) に一斉にリセットされます。逆に飽和コントロールゲートがローレベル (0 V) に設定される
と、リセット機能は働かず、フォトダイオードでは信号電荷の蓄積が行われます。
(2) ダミービデオ
S3901/S3904 シリーズはビデオ出力波形のスパイクノイズを除去するためのダミービデオラインを備えています。アクティ
ブビデオラインとダミービデオラインの出力を差動増幅することにより、
低スパイクノイズのビデオ信号を得ることができます。
必要としない場合は無接続としてください。
■ 使用上の注意
(1) 静電気対策
NMOSリニアイメージセンサには静電気に対する保護がなされていますが、静電気による破壊を未然に防ぐために静電気防
止対策を実施してください。
(2) 入射窓
入射窓ガラスの表面にゴミや汚れが付着しますと画像に黒キズとして現れます。使用する際は、ガラス表面を清掃してくだ
さい。清掃時に、乾いた布や綿棒などでこすりますと静電気発生の原因となりますから、アルコールなどの有機溶剤を小量含
ませた柔らかい布、紙、または綿棒などでゴミや汚れを拭き取り、シミが残らぬよう圧搾気体を吹き付けてください。
6
NMOSリニアイメージセンサ
S3901/S3904シリーズ
本資料の記載内容は、平成26年2月現在のものです。
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ಆ෨‫ުא‬ਫ਼
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Cat. No. KMPD1036J04
Feb. 2014 DN
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