s3902-128q etc kmpd1043j

IMAGE SENSOR
NMOSリニアイメージセンサ
S3902/S3903シリーズ
高い紫外感度、優れた出力直線性、低消費電力の電流出力型センサ
NMOSリニアイメージセンサは、
マルチチャンネル分光光度計用の検出器として設計された自己走査型フォトダイオードアレイです。走査回
路は、
NチャンネルMOSトランジスタで構成され、
低消費電力駆動が可能なため、
取り扱いが容易です。各フォトダイオードの受光面積が大き
く高い紫外感度をもつ上、
雑音がきわめて小さいので微弱な入射光に対してもS/Nの高い信号が得られます。
また、
優れた出力直線性、
広
いダイナミックレンジも電流出力型のNMOSリニアイメージセンサの特長です。
S3902シリーズは50 µm × 0.5 mm、
S3903シリーズは25 µm × 0.5 mmのフォトダイオードが直線的に並んでいます。画素数は、
128 (S3902128Q)、
256 (S3902-256Q, S3903-256Q)、
512 (S3902-512Q, S3903-512Q)、
1024 (S3903-1024Q) のそれぞれ3種類ずつがあります。受光
窓は、
石英を標準品としています。
特長
用途
l 広い受光面
l マルチチャンネル分光測光
l イメージリードアウトシステム
画素ピッチ: 50 µm (S3902シリーズ), 25 µm (S3903シリーズ)
画素高さ: 0.5 mm
l フォトダイオードの紫外感度が高く、紫外線照射に対して
特性が安定している
l 低暗電流、大飽和電荷量のため、常温で長い蓄積時間と広い
ダイナミックレンジが得られる
l 優れた出力直線性とユニフォミティ (感度の均一性)
l 低消費電力: 1 mW max.
l スタートパルス、クロックパルスは、CMOSロジック
コンパチブル
■ 等価回路
■ 受光部の構造
スタート st
エンドオブスキャン
0.5 mm
クロック 2
デジタルシフトレジスタ
(MOSシフトレジスタ)
アクティブビデオ
アクティブ
フォトダイオード
Vss
飽和コントロール
ゲート
飽和コントロール
ドレイン
b
a
ダミービデオ
1.0 µm
クロック 1
酸化シリコン
1.0 µm
N型シリコン
400 µm
ダミーダイオード
P型シリコン
KMPDC0020JA
■ 絶対最大定格
項 目
入力パルス (φ1, φ2, φst) 電圧
消費電力*1
動作温度*2
保存温度
*1: Vφ=5.0 V
*2: 結露なきこと
S3902シリーズ: a=50 µm, b=45 µm
S3903シリーズ: a=25 µm, b=20 µm
KMPDA0107JA
記号
Vφ
P
Topr
Tstg
定格値
15
1
-40 ~ +65
-40 ~ +85
単位
V
mW
°C
°C
1
NMOSリニアイメージセンサ
NMOS
リニアイメージセンサ
S3902/S3903シリーズ
■ 形状仕様
項
S3902-12 S3902-25 S3902-51 S3903-25 S3903-51 S3903-10
8Q
6Q
2Q
6Q
2Q
24Q
128
256
512
256
512
1024
31.75
40.6
31.75
40.6
22
22
石英
石英
3.0
3.5
3.0
3.5
目
画素数
パッケージ長
ピン数
窓材
質量
単位
mm
g
■ 仕様 (Ta=25 °C)
項
目
画素ピッチ
画素高さ
感度波長範囲 (ピークの 10%)
最大感度波長
フォトダイオード暗電流*3
フォトダイオード容量*3
飽和露光量*3 *4
飽和出力電荷量*3
感度不均一性*5
記号
λ
λp
ID
Cph
Esat
Qsat
PRNU
Min.
-
S3902 シリーズ
Typ.
Max.
50
0.5
200 ~ 1000
600
0.08
0.15
4
180
10
±3
Min.
-
S3903 シリーズ
Typ.
Max.
25
0.5
200 ~ 1000
600
0.04
0.08
2
180
5
±3
単位
µm
mm
nm
nm
pA
pF
mlx · s
pC
%
*3: Vb=2.0 V, Vφ=5.0 V
*4: 2856 K, タングステンランプ
*5: 飽和の 50 %, スタート素子と最終素子を除く
■ 電気的特性 (Ta=25 °C)
項
目
記号
High Vφ1, Vφ2 (H)
Low Vφ1, Vφ2 (L)
High
Vφs (H)
スタートパルス (φst) 電圧
Low
Vφs (L)
ビデオバイアス電圧*6
Vb
Vscg
飽和コントロールゲート電圧
飽和コントロールドレイン電圧
Vscd
trφ1, trφ2
7
クロックパルス (φ1, φ2) 上昇/下降時間*
tfφ1, tfφ2
クロックパルス (φ1, φ2) パルス幅 tpwφ1, tpwφ2
スタートパルス (φst) 上昇/下降時間 trφs, tfφs
スタートパルス (φ1, φ2) パルス幅
tpwφs
スタートパルス (φst) -クロック
tφov
パルス (φ2) 間オーバーラップ
7
クロックパルススペース*
X1, X2
シフトレジスタ動作周波数*8
f
クロックパルス (φ1, φ2) 電圧
条件
-
S3902 シリーズ
Min.
Typ.
Max.
4.5
5
10
0
0.4
4.5
10
Vφ1
0
0.4
1.5
Vφ - 3.0 Vφ - 2.5
0
Vb
-
S3903 シリーズ
Min.
Typ.
Max.
4.5
5
10
0
0.4
4.5
10
Vφ1
0
0.4
1.5
Vφ - 3.0 Vφ - 2.5
0
Vb
-
単位
V
V
V
V
V
V
V
-
-
20
-
-
20
-
ns
-
200
200
20
-
-
200
200
20
-
-
ns
ns
ns
-
200
-
-
200
-
-
ns
trf - 20
trf - 20
ns
0.1
2000
0.1
2000
kHz
70 (-128 Q)
80 (-256 Q)
ns
飽和の
tvd
ビデオ遅延時間
110
(-256
Q)
120
(-512
Q)
ns
50%*8 *9
140 (-512 Q)
160 (-1024 Q)
ns
pF
21 (-128 Q)
27 (-256 Q)
5V
クロックパルス (φ1, φ2)
Cφ
pF
36 (-256 Q)
50 (-512 Q)
バイアス
ライン容量
pF
67 (-512 Q)
100 (-1024 Q)
12 (-128 Q)
12 (-256 Q)
pF
5V
飽和コントロールゲート (Vscg)
Cscg
20 (-256 Q)
24 (-512 Q)
pF
バイアス
ライン容量
35 (-512 Q)
45 (-1024 Q)
pF
pF
7 (-128 Q)
10 (-256 Q)
2V
CV
ビデオライン容量
pF
11 (-256 Q)
16 (-512 Q)
バイアス
pF
20 (-512 Q)
30 (-1024 Q)
*6: Vφは入力パルス電圧 (「■ビデオバイアス電圧マージン」参照)
*7: trf はクロックパルスの上昇/下降時間。クロックパルスの上昇/下降時間が 20 ns 以上かかる場合は (上昇/下降時間 - 20)
ns 以上のクロックパルススペースを入れてください。(「■駆動回路のタイミング図」参照)
*8: Vb=2.0 V, Vφ=5.0 V
*9: C7883 駆動回路を用いて測定。
2
-
NMOSリニアイメージセンサ
リニアイメージセンサ
S3902/S3903シリーズ
■ 外形寸法図 (単位: mm)
受光部
12.8 × 0.5
5.2 ± 0.2
6.4 ± 0.3
受光面
31.75
1.3 ± 0.2*
受光面
3.0
3.0
31.75
5.2 ± 0.2
5.2 ± 0.2
10.4
10.4
3.2 ± 0.3
1.3 ± 0.2*
受光部
6.4 × 0.5
S3902-256Q, S3903-512Q
5.2 ± 0.2
S3902-128Q, S3903-256Q
0.51
0.25
0.51
0.25
2.54
2.54
25.4
10.16
25.4
10.16
* 石英窓の表面から受光面
までの寸法
* 石英窓の表面から受光面
までの寸法
KMPDA0108JB
KMPDA0109JB
■ ピン接続
S3902-512Q, S3903-1024Q
5.2 ± 0.2
受光部
25.6 × 0.5
5.2 ± 0.2
10.4
12.8 ± 0.3
1.3 ± 0.2*
受光面
3.0
40.6
0.51
0.25
2
1
22
NC
1
2
21
NC
st
3
20
NC
Vss
4
19
NC
Vscg
5
18
NC
NC
6
17
NC
Vscd
7
16
NC
Vss
8
15
NC
アクティブビデオ
9
14
NC
ダミービデオ
10
13
NC
Vsub
11
12
エンドオブスキャン
Vss, Vsub, NCは接地してください。
KMPDC0056JA
2.54
25.4
10.16
* 石英窓の表面から受光面
までの寸法
KMPDA0110JB
3
NMOSリニアイメージセンサ
NMOS
リニアイメージセンサ
端子名
入出力
φ1, φ2
入力
(CMOS ロジックコンパチブル)
φst
入力
(CMOS ロジックコンパチブル)
Vss
-
Vscg
入力
Vscd
入力
アクティブビデオ
出力
ダミービデオ
出力
Vsub
出力
(CMOS ロジックコンパチブル)
エンドオブスキャン
NC
-
■ 分光感度特性
S3902/S3903シリーズ
機能、および推奨接続
MOS シフトレジスタを動作させるためのパルスです。ビデオ
出力信号は、φ2 立上りに同期して得られますので、クロック
パルス周波数とビデオデータレートは同一になります。
MOS シフトレジスタの動作を開始させるためのパルスです。
スタートパルスの間隔と信号蓄積時間は同一となります。
フォトダイオードのアノードに接続されています。接地してく
ださい。
ブルーミングの抑制に使用します。接地してください。
ブルーミングの抑制に使用します。ビデオバイアスと同一電圧
を印加してください。
ビデオ出力信号です。アドレスオンでフォトダイオード・カソ
ードに接続されます。フォトダイオードを逆バイアスの状態で
使用するためにビデオラインを正にバイアスします。φ1, φ2 の
大きさが 5 V ならばビデオバイアスは 2 V を推奨します。
アクティブビデオと構造は同一ですが、フォトダイオードはあ
りませんのでスパイクノイズのみが出力されます。アクティブ
ビデオと同一電圧にバイアスしてください。必要としない場合
はオープンにしてください。
シリコン基板に接続されています。接地してください。
10 kΩの抵抗で 5 V にプルアップしてください。負極性。最後
のフォトダイオードがアドレスされた次のタイミングのφ2 に
同期して現れます。
接地してください。
■ 出力電荷量-露光量
(Ta=25 ˚C)
0.3
(Typ. Vb=2 V, V =5 V, 光源: 2856 K)
102
出力電荷量 (pC)
受光感度 (A/W)
101
0.2
0.1
飽和電荷量
100
S3902シリーズ
10
–1
S3903シリーズ
10–2
0
200
400
600
800
1000
1200
–3
10–5
10–4
10–3
10–2
10–1
100
露光量 (lx · s)
波長 (nm)
KMPDB0149JA
■ イメージセンサの構成
NMOSリニアイメージセンサは、シリコンの単一基板上に
MOSトランジスタから成る走査回路と、
フォトダイオードア
レイ、各フォトダイオードをアドレスするためのスイッチン
グトランジスタアレイが集積化されたものです。
「■ 等価回
路」に回路構成を示します。
MOS走査回路は低消費電力型で、スタートパルスと2相の
クロックパルスにより走査パルス列を発生し、各アドレスス
イッチを順次オン状態にします。アドレススイッチは、フォ
トダイオードをソース、ビデオラインをドレイン、走査パル
ス入力部をゲートとするNMOSトランジスタにより構成され
ています。
フォトダイオード部は、電荷蓄積モードで動作するため、
露光量 (光の強さ × 蓄積時間) に比例した出力が得られます。
おのおののセルは、アクティブフォトダイオードとダミー
4
10
飽和露光量
KMPDB0117JA
ダイオードから成り、それぞれスイッチングトランジスタを
経てアクティブビデオラインとダミービデオラインに接続さ
れています。また、おのおののアクティブフォトダイオード
は、飽和コントロールゲートを経て飽和コントロールドレイ
ンにも接続されているため、飽和コントロールゲートを接地
することにより、フォトダイオードのブルーミングが抑制さ
れます。また、飽和コントロールゲートにパルス信号を加え
ることにより、一斉リセットを行うことも可能です (補助機
能の項参照)。
「■ 受光部の構造」にフォトダイオード受光部の構造図を
示します。フォトダイオード部は、P 型基板とその上の N 型
拡散層から形成されています。信号電荷は、この PN 接合容
量に蓄積されます。N 型拡散層は紫外感度が高く、暗電流が
小さくなるように工夫されています。
NMOSリニアイメージセンサ
リニアイメージセンサ
■ 駆動回路
S3902/S3903 シリーズの駆動には、DC 的な印加電圧は
必要ありません。ただし、Vss, Vsub およびすべての NC 端
子は接地してください。シフトレジスタの駆動には、スター
トパルス φst および 2 相クロックパルス φ1, φ2 が必要です。
スタートパルスおよびクロックパルスの極性はともに正であ
り、CMOS ロジックコンパチブルです。
2相クロックパルスφ1, φ2は完全に分離していても相補な
関係にあっても構いませんが、両パルスが同時にハイになる
時間がないようにしてください。
φ1, φ2 の上昇/下降時間が 20 ns 以上かかる場合は、
(上昇
/下降時間- 20) ns以上のクロックパルススペース (■ 駆動回
路のタイミング図 , X1, X2) を入れるようにしてください。ま
た、φ1, φ2 とも、最低 200 ns の保持が必要です。フォトダ
イオードの信号はφ2の各立ち上がりで得られるため、クロッ
クパルスの周波数とビデオデータレートは等しくなります。
■ 駆動回路のタイミング図
1
2
V s (H)
V s (L)
V
V
V
V
スタートパルス φst の大きさは φ1, φ2 と同じであり、ハイ
レベルでシフトレジスタが動作を始め、
信号読み出しを開始
するため、スタートパルスの間隔で信号蓄積時間が決められ
ます。φst は、最低 200 ns の保持が必要で、φ2 と最低 200
ns オーバーラップしていなければなりません。さらに、シ
フトレジスタを正常に動作開始させるためには、φst がハイ
レベルの間に、φ2は1度だけハイレベルからローレベルに変
化しなければいけません。各パルスのタイミングを図 7 に示
します。
■ エンドオブスキャン
エンドオブスキャン (EOS) は、10 kΩの抵抗でEOS端子を
5 Vにプルアップすることにより、最後のフォトダイオードが
アドレスされた次のタイミングの φ2 に同期して現れます。
■ ビデオバイアス電圧マージン
tpw s
10
tpw 1
1 (H)
1 (L)
2 (H)
2 (L)
tpw 2
8
ビデオバイアス電圧 (V)
st
S3902/S3903シリーズ
tvd
アクティブビデオ出力
エンドオブスキャン
tr s
st
tf s
tr 1
tf 1
X.
MA
6
推
4
ス
ア
イ
バ
奨
ビデオバイアス範囲
2
1
X1
X2
tf 2
MIN.
2
0
t ov
tr 2
4
5
6
7
8
9
10
クロックパルス振幅 (V)
KMPDC0022JA
■ 信号読み出し回路
信号読み出し方式は、負荷抵抗による電流検出方式や、
チャージアンプによる電流積分方式などがあります。
しかし、
どのような信号読み出し方式を用いるにしても、NMOSリニ
アイメージセンサのフォトダイオードのアノードは0 V (Vss)
のため、必ずビデオラインには正のバイアスを与えなければ
なりません。
「■ ビデオバイアス電圧マージン」にビデオバイ
アスの電圧マージンを示します。クロックパルスの振幅が大
きい程ビデオバイアスを大きく設定でき、飽和電荷量を大き
くすることができます。また、ビデオバイアスを小さくして
クロックパルスの振幅を大きく設定すれば、ビデオ出力波形
の上昇/下降時間を短くすることができます。φ1, φ2, φst の
大きさが 5 V ならば、ビデオバイアスは 2 V を推奨します。
良い出力直線性を得るには、
電流積分方式が適しています。
電流積分方式では、各フォトダイオードがアドレスされる直
前に毎回積分容量を基準電圧レベルにリセットし、アドレス
スイッチがオンすると信号電荷は積分容量に蓄積されます。
「■ 読み出し回路例」
、「■ タイミングチャート」に電流積分
回路およびそのパルスタイミングの一例を示します。安定し
た出力を得るためには、リセットパルスの立上りをφ2の立下
りより少なくとも 50 ns 遅らせる必要があります。
KMPDB0043JA
以下の専用回路 (別売) を用意しています。
製品名
型 名
C7883
C7883G
C7884
駆動回路
C7884G
C7884-01
C7884G-01
パルス
ジェネレータ C8225-01
ケーブル
A8226
内 容
高速駆動回路
C7883
+ C8225-01
高精度
駆動回路
C7884
+ C8225-01
超高精度
駆動回路
C7884-01
+ C8225-01
C7883/C7884
シリーズ
C7883~
C7885 シリーズ
特 長
高速駆動が可能
単電源 (+15 V) 動作
小型
低雑音
優れた出力直線性
ボックス波形出力
超低雑音
優れた出力直線性
ボックス波形出力
BNC, 長さ 1 m
5
NMOSリニアイメージセンサ
NMOS
リニアイメージセンサ
■ 読み出し回路例
S3902/S3903シリーズ
■ タイミングチャート
+5 V
10 kΩ
st
st
EOS
1
1
ダミー
ビデオ
2
2
EOS
Vsub
NC
st
OPEN
1, Reset
10 pF
Vscg
Vss
50 ns MIN.
RESET
アクティブ
ビデオ
–
Vscd
+
2
OP-AMP (JFET 入力)
+
KMPDC0024EA
+2 V
KMPDC0023JA
出力電圧Voutは
出力電荷量 (C)
Vout (V) =
10 × 10-12 (F)
で表されます。
■ アンチブルーミング機能
部分的にでも飽和露光量以上の照射が行われる場合は、飽和電荷量を越えて信号電荷をフォトダイオードに蓄積させることは
できないため、余分の電荷はビデオラインに溢れ出し信号の純度は劣化します。ビデオバイアスと同一の電圧を飽和コントロー
ルドレインに与え、飽和コントロールゲートは接地することにより、余剰電荷は飽和コントロールドレインより排出されるため、
信号の純度の劣化を避けることができます。入射光の強度が極端に強い場合には、飽和コントロールゲートを正にバイアスしま
す。飽和コントロールゲートに加えるバイアスが大きいほど過飽和電荷を制御する機能は高まりますが、飽和電荷量が低下する
ため適切なバイアス値を選択することが肝要です。
■ 補助機能
1) 一斉リセットとしての動作
通常の動作では、フォトダイオードに蓄積されている電荷は信号読み出しによってリセットされますが、S3902/S3903シリー
ズは信号読み出し以外の経路でフォトダイオード電荷のリセットを行うことができます。これは、飽和コントロールゲートに適
切なパルスを加えることにより達成されます。パルス電圧は、φ1, φ2, φst と同一、パルス幅は 5 µs 以上としてください。
飽和コントロールゲートがハイレベルに設定されると、すべてのフォトダイオードは、飽和コントロールドレイン電位 (ビデ
オバイアスと同一に設定します。
) に一斉にリセットされます。逆に飽和コントロールゲートがローレベル (0 V) に設定される
と、リセット機能は働かず、フォトダイオードでは信号電荷の蓄積が行われます。
2) ダミービデオ
S3902/S3903シリーズは、ビデオ出力波形のスパイクノイズを除去するためのダミービデオラインを備えています。アクティ
ブビデオラインとダミービデオラインの出力を差動増幅することにより、
低スパイクノイズのビデオ信号を得ることができます。
必要としない場合は無接続としてください。
■ NMOSリニアイメージセンサ使用上の注意
1) 静電気対策
NMOSリニアイメージセンサには静電気に対する保護がなされていますが、静電気による破壊を未然に防ぐために静電気防
止対策を実施してください。
2) 入射窓
入射窓ガラスの表面にゴミや汚れが付着しますと画像に黒キズとして現れます。使用する際は、ガラス表面を清掃してくだ
さい。清掃時に、乾いた布や綿棒などでこすりますと静電気発生の原因となりますから、アルコールなどの有機溶剤を小量含
ませた柔らかい布、紙、または綿棒などでゴミや汚れを拭き取り、シミが残らぬよう圧搾気体を吹き付けてください。
6
NMOSリニアイメージセンサ
リニアイメージセンサ
S3902/S3903シリーズ
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Oct. 2010 DN
7