広い電源範囲 高速、ローパワー・オペアンプ AD817 特長 接続図 低価格 8ピン・プラスチック・ミニDIP(N)とSOIC(R)パッケージ 高速 50 MHzのユニティ・ゲイン帯域幅 350 V/μsのスルー・レート 45 nsのセトリング時間(0.1%、10 Vステップ) フレキシブルな電源 単(+5 V)電源とデュアル電源(±5 V∼±15 V)で仕様を規定 ロー・パワー:7.5 mA maxの電源電流 高い出力駆動能力 制限なく容量性負荷を駆動 50 mA minの出力電流 優れたビデオ性能 70 MHzの0.1 dB帯域幅(ゲイン=+1) 0.04%の微分ゲインおよび0.08°の微分位相誤差 電源動作での仕様を規定しています。この多様な電源、非常に小さ 8ピンSOICと8ピン・プラスチック・ミニDIP な7.5 mAの電源電流、 及びすべての電源条件の下での優れたAC特性 概要 で理想的なデバイスです。 により、AD817は電源に敏感な応用を含め多くのアプリケーション AD817は低価格、低消費電力、単/デュアル電源の高速オペアン ADCのバッファやライン・ドライバなどの応用では、最小50 mA プです。 この製品は幅広い周波数帯域での信号調整及びデータ収集 の出力電流と制限なく容量性負荷を駆動できる能力により、 簡単に 応用に理想的です。高い出力電流駆動能力、及び優れた信号特性を 回路を設計できます。 維持しながら制限なく容量性負荷を駆動する能力も備えています。 50 MHzのユニティ・ゲイン帯域幅、350 V/μsのスルー・レート、 AD817は8ピン・プラスチック・ミニDIP及びSOICパッケージで す。 オーダー・ガイド 及び45 ns(0.1%)のセトリング時間によって、ビデオや画像システ ム等で高速信号を処理できます。さらに0 . 0 4 %の微分ゲイン と0.08°の微分位相誤差(@3.58 MHz)及び70 MHzまでの0.1 dBの平 坦性(ゲイン=+1)によって、業務応用レベルのビデオ性能が得ら れます。 AD817は単一の+5 V電源での動作及び±5 V∼±15 Vのデュアル パッケージ・ モデル 温度範囲 パッケージ説明 AD817AN −40℃∼+85℃ 8ピン・プラスチックDIP AD817AR オプション N-8 −40℃∼+85℃ 8ピン・プラスチックSOIC R-8 大きな容量性負荷を駆動 アナログ・デバイセズ社が提供する情報は正確で信頼できるものを期していますが、 当社はその情報の利用、また利用したことにより引き起こされる第3者の特許または権 利の侵害に関して一切の責任を負いません。さらにアナログ・デバイセズ社の特許また は特許の権利の使用を許諾するものでもありません。 REV.B アナログ・デバイセズ株式会社 本 社/東京都港区海岸1 - 1 6 - 1 電話03(5402)8200 〒105−6891 ニューピア竹芝サウスタワービル 大阪営業所/大阪市淀川区宮原3 - 5 - 3 6 電話06(6350)6868㈹ 〒532−0003 新大阪第2森ビル AD817―仕様 (特に指定のない限り、TA=+25℃) パラメータ 条件 ダイナミック性能 ユニティ・ゲイン帯域幅 0.1 dB平坦性をもつ帯域幅 ゲイン=+1 フルパワー帯域幅1 VOUT=5 Vp−p RLOAD=500Ω VOUT=20 Vp−p ROLAD=1 kΩ RLOAD=1 kΩ ゲイン=−1 スルー・レート セトリング時間(0.1%) Min AD817A Typ ±5V ±15 V 0、+5 V ±5 V ±15 V 0、+5 V 30 45 25 18 40 10 35 50 29 30 70 20 MHz MHz MHz MHz MHz MHz 15.9 MHz 5.6 250 350 200 45 45 70 70 63 0.04 0.05 0.11 0.08 0.06 0.11 MHz V/μs V/μs V/μs ns ns ns ns dB % % % Degrees Degrees Degrees ±5 V 全高調波歪み 微分ゲイン誤差 (R1=150Ω) −2.5 V ∼ +2.5 V 0 V−10 Vステップ、AV=−1 −2.5 V ∼ +2.5 V 0 V−10 Vステップ、AV=−1 FC=1 MHz NTSC ゲイン=+2 微分位相誤差 (R1=150Ω) NTSC ゲイン=+2 (0.01%) VS 入力オフセット電圧 ±15 V ±5 V ±15 V 0、+5V ±5 V ±15 V ±5 V ±15 V ±15 V ±15 V ±5 V 0、+5 V ±15 V ±5 V 0、+5 V 200 300 150 ±5 V ∼ ±15 V 0.5 TMIN ∼ TMAX オフセット・ドリフト 0.08 0.1 0.1 0.1 mV mV μV/℃ ±5 V、±15 V 3.3 6.6 10 4.4 μA μA μA ±5 V、±15 V 25 200 500 nA nA nA/℃ TMIN TMAX 入力オフセット電流 単位 2 3 10 入力バイアス電流 TMIN ∼ TMAX オフセット電流ドリフト オープン・ループ・ゲイン Max 0.3 VOUT=±2.5 V RLOAD=500Ω TMIN ∼ TMAX RLOAD=150Ω VOUT=±10 V RLOAD=1 kΩ TMIN ∼ TMAX VOUT=±7.5 V RLOAD=150Ω (50 mA出力) ±5 V 同相除去 VCM=±2.5 V VCM=±12 V ±5 V ±15 V ±15 V 電源変動除去 VS=±5 V ∼ ±15 V TMIN ∼ TMAX 入力電圧ノイズ f=10 kHz 入力電流ノイズ f=10 kHz 2 1.5 1.5 4 3 V/mV V/mV V/mV 4 2.5 6 5 V/mV V/mV 2 4 V/mV 78 86 80 100 120 100 dB dB dB 75 72 86 dB dB ±5 V、±15 V 15 nV/√Hz ±5 V、±15 V 1.5 pA/√Hz ±15 V ±15 V −2− REV.B AD817 パラメータ 条件 入力同相電圧範囲 VS Min AD817A Typ ±5 V +3.8 −2.7 +13 −12 +3.8 +1.2 +4.3 −3.4 +14.3 −13.4 +4.3 +0.9 V V V V V V 3.3 3.2 13.3 12.8 +1.5、 +3.5 50 50 30 3.8 3.6 13.7 13.4 ±V ±V ±V ±V 90 V mA mA mA mA 300 kΩ 1.5 pF 8 Ω ±15 V 0、+5 V RLOAD=500Ω RLOAD=150Ω RLOAD=1 kΩ RLOAD=500Ω RLOAD=500Ω 出力電圧振幅 ±5 V ±5 V ±15 V ±15 V 0、+5 V 出力電流 ±15 V ±5 V 0、+5 V ±15 V 短絡回路電流 入力抵抗 入力容量 出力抵抗 オープン・ループ 電源 動作範囲 デュアル電源 単電源 ±2.5 +5 無負荷時電源電流 ±5 V ±5 V ±15 V ±15 V TMIN ∼ TMAX TMIN ∼ TMAX 7.0 7.0 Max ±18 +36 7.5 7.5 7.5 7.5 単位 V V mA mA mA mA 注 1 フルパワー帯域幅=スルー・レート/2πVPEAK. 仕様は予告なしに変更するすることがあります。 絶対最大定格1 電源電圧 ……………………………………………………… ±18 V 内部消費電力2 プラスチック(N) …………… ディレーティング曲線を参照 スモール・アウトライン(R) … ディレーティング曲線を参照 入力電圧(同相) ……………………………………………… 差動入力電圧 ±VS ………………………………………………… ±6 V 出力回路短絡期間 ……………… ディレーティング曲線を参照 保管温度範囲(N、R) …………………………… −65℃ ∼ +125℃ 動作温度範囲 …………………………………… −40℃ ∼ +85℃ リード温度範囲(ハンダ付け10秒) ……………………… +300℃ 注 1 “絶対最大定格”に示す条件を超えるストレスは、デバイスに永久的な損傷を与える場合 があります。これは単に定格を示したもので、これらの条件あるいは動作仕様に示した値 を超える条件下でデバイスが機能動作することを意味するものではありません。絶対最 大定格の条件に長時間さらされた場合、デバイスの信頼性は保証できません。 2 フリー・エアの状態でデバイスの仕様を規定。8ピン・プラスチック・パッケージ、θJA= 100℃/W、8ピンSOICパッケージ、θJA=160℃/W 最大消費電力と温度(パッケージ・タイプ毎) 注意 ESD(静電放電)の影響を受けやすいデバイスです。4000 Vもの高圧の静電気が人体やテスト装置に容易に帯電し、検知さ れることなく放電されることもあります。このAD817には当社独自のESD保護回路を備えていますが、高エネルギーの静 電放電にさらされたデバイスには回復不能な損傷が残ることもあります。したがって、性能低下や機能喪失を避けるため に、適切なESD予防措置をとるようお奨めします。 REV.B −3− WARNING! ESD SENSITIVE DEVICE AD817―代表的特性 図1.同相電圧範囲と電源 図4.各温度での無負荷時電源電流と電源電圧 図2.出力電圧振幅と電源 図5.スルー・レートと電源電圧 図3.出力電圧振幅と負荷抵抗 図6.クローズ・ループ出力インピーダンスと周波数 −4− REV.B 代表的特性―AD817 AD817 図7.入力バイアス電流と温度 図10.オープン・ループ・ゲイン及び位相マージンと周波数 図8.回路短絡電流と温度 図11.オープン・ループ・ゲインと負荷抵抗 図9.ユニティ・ゲイン帯域幅及び位相マージンと温度 図12.電源変動除去と周波数 REV.B −5− AD817―代表的特性 120 CMR − dB 100 80 60 40 1k 10k 100k 1M 10M 周波数 − Hz 図13.同相除去と周波数 図16.高調波歪みと周波数 図14.大信号周波数応答 図17.入力電圧とノイズ・スペクトラム密度 図15.出力振幅及び誤差とセトリング時間 図18.スルー・レートと温度 −6− REV.B 代表的特性―AD817 AD817 図19.微分ゲイン及び位相と電源電圧 図22.非反転アンプ接続 図20.クローズ・ループ・ゲインと周波数、ゲイン=−1 図23.非反転大信号パルス応答、RL=1 kΩ 図21.クローズ・ループ・ゲインと周波数、ゲイン=+1 図24.非反転小信号パルス応答、RL=1 kΩ REV.B −7− AD817―代表的特性 図25.非反転大信号パルス応答、RL=150Ω 図28.反転大信号パルス応答、RL=1 kΩ 図26.非反転小信号パルス応答、RL=150Ω 図29.反転小信号パルス応答、RL=1 kΩ 図27.反転アンプ接続 図30a.1000 pFの容量性負荷を駆動する反転アンプ −8− REV.B AD817 容量性負荷の駆動 AD817の高い出力電源駆動特性と内部補償回路により、 非常に大 きな容量性負荷の駆動中でも優れた大信号特性が得られます。 動作の説明 AD817は低価格、広帯域、高性能のオペアンプで、大きな容量性 負荷または抵抗性負荷を駆動できます。 この製品は規定された全温 度範囲でスルー・レート、帯域幅及びセトリング時間が一定です。 AD817(図31)のカスケード・ゲイン段ではPNPを差動NPNペア で駆動します。出力バッファ段では、低い歪み特性を維持しながら 負荷に対して必要な電流を供給するクラスABのアンプにエミッタ・ フォロワを採用しています。 出力段のコンデンサCFが容量性負荷の影響を軽減します。低周 図30b.容量性負荷駆動中の反転アンプのパルス応答 波で容量性負荷が小さい時、 補償ノードから出力までのゲインはほ ぼユニティです。この場合、CFはフード・スラップされ、デバイス 全体の補償容量に影響を与えません。容量性負荷が増した場合、出 力段の出力インピーダンスで極を構成しています。 これによりゲイ ンが低下し、不完全にCFがブート・ストラップされます。実際CFの 一部が全体の補償容量に影響を与え、ユニティ・ゲイン帯域幅が低 下します。さらに容量性負荷が増え続けると、このアンプの安定性 を維持しながら、帯域幅が低下し続けます。 入力について AD817の入力が+6 Vの最大差動制限を超える過度電圧または連 続する過負荷電圧の状況下にある場合、回路に入力保護回路(図22 のRIN)を設ける必要があります。この抵抗で最大スペース電流を制 限し、入力トランジスタを保護します。 高性能回路の場合、入力及びフィードバック抵抗に流れ込むバイ アス電流によるオフセット誤差を低減するために、 “バランス”抵抗 の使用を推奨します。このバランス抵抗値はRINとRFを並列に接続 した値と同じです。 つまり各入力端子上に整合したインピーダンス を作ります。オフセット電圧誤差は10分の1以下に減少します。 グラウンドとバイパス 高周波回路を設計する時、配慮しなければならない点がありま 図31.簡略化回路図 す。まず配線をできる限り短くします。グラウンド・パスは低抵抗 で低インダクタンスのものであるようにして下さい。 端子間の容量 が増加し、回路の帯域幅が低下する場合がありますので、ソケット の使用は避けます。 オペアンプのサミング・ジャンクションの浮遊容量で形成され る時定数が特性を制限しないように、十分低い値(<1 kΩ)の フィードバック抵抗を使用します。この寄生容量は、RF/RINの並列 抵抗成分とともに極を構成し、 ピーキングを引き起こすことになり ます。フィードバック抵抗と並列に小さな値のコンデンサ(1∼5 pF)を使用することで、この影響を緩和できます。 電源とグラウンド間のバイパスはできる限りオペアンプの端子 の近くで行ないます。0.1μFのセラミック・ディスク・コンデンサ を推奨します。 オフセット・ゼロ調整 AD817の入力オフセット電圧は非常に小さいものです。 しかしゼ ロ調整が必要な場合は、図32に示す回路を使用できます。この構成 のAD817のゼロ調整範囲は+15 mVです。 REV.B −9− 図32.オフセット・ゼロ調整 AD817 AD817のセトリング時間 HI/LOW部が安定したパルスを入力する必要があります。 AD817を セトリング時間は2つの領域から構成されます。 1つはオペアンプ ゲイン−1の構成にした場合、クランプされた仮想サミング・ジャ をオーバードライブするスルー時間です。 ここでの出力電圧の変化 ンクションは出力誤差が2個のダイオードの電圧(≈1 V)の範囲内に レートは最大です。もう1つはオペアンプが規定された最終値の範 入った時に応答します。この信号はクランプされたオペアンプに よって20倍に増幅されます。この出力をサンプリング・オシレータ 囲内に規定するまでに必要な時間間隔です。 AD817の高速セトリング時間(0.1%で45 ns、0.01%で70 ns:10 V ステップ)を測定するには、非常に高速な立上り/立下りエッジと に直接接続します。図33と図34は、10Vステップを入力した時の AD817セトリング時間を示しています。 図33.0 V∼+10 Vでのセトリング時間 図34.0 V∼−10 Vでのセトリング時間 EI&S 社 DLIAO5GM マーキュリー・リレー 図35.セトリング時間のテスト回路 − 10 − REV.B AD817 図36.広帯域ADCの差動入力バッファ 高性能ADCの入力バッファ 高性能のA/Dコンバータ(ADC)には、広帯域幅を持ち、さらに 歪みが非常に小さい入力バッファが必要です。一般に1 Vp-p信号の 場合−60 dB∼−70 dB程度の歪みと10 MHz以上の帯域幅が必要で す。 さらにADCバッファは非常に大きな容量性負荷を駆動する必要 があります。 図36の回路は10ビットADC、AD773などの差動入力の高速コン バータの駆動に使用できます。 回路を若干変更するだけで他のコン バータ用にも使用できます。AD817を使用すれば、差動モードでの バッファとして、あるいは+5 V単電源で動作できます。 +5 V単電源で動作すれば、より高い電源電圧で共通の問題であ るADCのオーバードライブを避けることができます。 単電源動作 AD817は単電源で動作できます。AD817は、高速バッファや計装 システム等の大容量性負荷を駆動するのに必要な高い出力電流、 及 図37.単電源のオペアンプ構成 び低消費電力を必要とする応用に最適な製品です。 図37の部品の値を選択する場合には十分注意してください。 この AD817の優れた出力駆動能力を示すためにR2とC2の値を選択しま 回路では、約300 MHzの低周波数コーナを構成するように、R1+R3 した。この構成では、2.5V を中心として出力します。このレベルに //R2とC1を選択しています。 伴うスタティックDC電流の除去にRLと直列にC3を設けています。 R3とC2は1.5 kHzのコーナ周波数のローバス・フィルタを構成し ます。これはオペアンプのPSRRを維持するために必要です。入力 分圧回路を通して電源がVINに接続されているからです。 REV.B − 11 − AD817 高速用DACバッファ 抗で決まります。 (1 kΩ抵抗の場合、10.24 V)。このDACはグラウン AD817のもつ広帯域幅や高速セトリング時間特性は、AD668など ドに対して正の電流を発生しますので、 オペアンプ出力電圧は負で の高速電流出力D/Aコンバータの出力バッファに最適です。図38 す。オペアンプの非反転入力とグラウンド間に配置した100Ωの直 に示すように、オペアンプはDAC出力のグラウンド上でサミング・ 列抵抗は、 オペアンプの入力バイアス電流のオフセットへの影響を ノードを作ります。 この出力電圧はオペアンプのフィードバック抵 低減します。 図38.高速DACのバッファ 外形サイズ サイズはインチと(mm)で示します。 8ピン・プラスチック・ミニDIP(N)パッケージ 8ピンSOIC(SO-8)パッケージ 8 5 0.1574 (4.00) 0.1497 (3.80) PIN 1 0.2440 (6.20) 0.2284 (5.80) 4 1 0.1968 (5.00) 0.1890 (4.80) 0.0196 (0.50) x 45 ° 0.0099 (0.25) 0.0688 (1.75) 0.0532 (1.35) 0.0098 (0.25) 0.0040 (0.10) 0.0192 (0.49) 0.0138 (0.35) 0.0098 (0.25) 0.0075 (0.19) 8° 0° 0.0500 (1.27) 0.0160 (0.41) うにやさ ゅ い し ちき PRINTED IN JAPAN 0.0500 (1.27) BSC み る 「この取扱説明書はエコマーク認定の再生紙を使用しています。 」 ど りをまも − 12 − REV.B