AN94077 90nm 同期/NoBL® SRAM より優れた 65nm 技術の利点 著者: Devardhi Mandya 関連プロジェクト: No 関連製品ファミリ: CY7C14**KV33/25 CY7C13**KV33/25 ソフトウェア バージョン: 該当なし 関連アプリケーション ノート: 該当なし ® AN94077 では、サイプレスの同期/NoBL (No Bus Latency™) SRAM ファミリに関して 90nm 技術より優れた 65nm 技術の 利点を説明します。 目次 はじめに ....................................................................1 改訂履歴 .......................................................................... 12 65nm と 90nm 同期/NoBL SRAM デバイスの比較 ...1 ワールドワイドな販売と設計サポート ................................. 13 消費電力および接合部温度の計算 ....................4 製品 ................................................................................. 13 3 65nm 同期/NoBL SRAM における ECC 実装 ..........6 PSoC ソリューション ........................................................ 13 4 65nm 同期/NoBL SRAM の幅と深さの拡張 .............8 サイプレス開発者コミュニティ ............................................ 13 5 アドレス ピンの割り当て............................................ 10 テクニカル サポート .......................................................... 13 6 まとめ ...................................................................... 11 1 2 2.1 1 ® はじめに ® サイプレスの 65nm 同期/NoBL (No Bus Latency™) 製品ファミリは、90nm 同期/NoBL 製品ファミリのダイ縮小と完全 に下位互換性があり、ソフト エラー耐性を改善し、フィールドの品質を向上するためのエラー訂正コード (ECC) も内蔵して います。 SRAM デバイスの耐久性は、放射線照射でしばしば問題となります。サイプレスは、SRAM デバイス上で観察される最大 SER を低減するために ECC 内蔵の 65nm 同期/NoBL SRAM デバイスを提供しています。これらのデバイスは、SER が 216FIT/Mb の ECC なしの 65nm SRAM や SER が 394FIT/Mb の 90nm SRAM デバイスと比べて SER が最大 0.01FIT/Mb を達成します。 本アプリケーション ノートでは、65nm と 90nm 同期/NoBL SRAM 間の主な違いの詳細について説明しながら、90nm 技術 より優れた 65nm 技術の利点にもハイライトを当てます。 2 65nm と 90nm 同期/NoBL SRAM デバイスの比較 表 1 に、アクティブ電流 (IDD)、スタンバイ電流 (ISB)、スリープ モード電流 (IZZ)、スイッチング電流 (IDDQ)、入出力静電容量、 ECC、ソフト エラー率 (SER)、コア電圧 (VDD)、I/O 電圧 (VDDQ)、消費電力、容量、構成およびパッケージに関して 65nm と 90nm 同期/NoBL SRAM の違いを示します。 90nm デバイスと比べると 65nm 同期/NoBL デバイスでは、アクティブ電流 (IDD) 値が半減するという大幅な改善が見られ る一方、スタンバイ電流 (ISB) も大幅に低減されます。65nm デバイスでは電流が低減されるため、デバイスの総消費電力は 90nm SRAM デバイスの半分です。入力/出力の静電容量は、新製品の 65nm SRAM デバイスでは低減されます。 www.cypress.com 文書番号:001-95977 Rev. *C 1 90nm 同期/NoBL® SRAM より優れた 65nm 技術の利点 表 1. 65nm と 90nm 同期/NoBL デバイスの特長 標準同期 SRAM 65nm 90nm 最大周波数 [1] 65nm および 90nm 36M & 18M 36M IDD – アクティブな電流 (Max) [2] 18M 36M ISB1 – スタンバイ電流 [3] 18M 36M ISB2 – スタンバイ電流 [3] 18M 36M ISB3 – スタンバイ電流 [3] 18M 36M ISB4 – スタンバイ電流 [3] 18M 36M IDDZZ – スリープ モード スタン バイ電流 [3] 18M VDD – コア電圧 VDDQ – I/O 電圧 36M & 18M NoBL SRAM パイプライン フロースルー パイプライン フロースルー SRAM SRAM SRAM SRAM 65nm 250MHz 133MHz 250MHz 133MHz 90nm 250MHz 133MHz 250MHz 133MHz 65nm 240mA 170mA 240mA 170mA 90nm 475mA 310mA 475mA 310mA 65nm 200mA 149mA 200mA 149mA 90nm 350mA 210mA 350mA 210mA 65nm 90mA 90mA 90mA 90mA 90nm 225mA 180mA 225mA 180mA 65nm 80 mA 80mA 80mA 80mA 90nm 160mA 140mA 160mA 140mA 65nm 80mA 80mA 80mA 80mA 90nm 120mA 120mA 120mA 120mA 65nm 70mA 70mA 70mA 70mA 90nm 70mA 70mA 70mA 70mA 65nm 90mA 90mA 90mA 90mA 90nm 200mA 180mA 200mA 180mA 65nm 80mA 80mA 80mA 80mA 90nm 135mA 130mA 135mA 130mA 65nm 80mA 80mA 80mA 80mA 90nm 135mA 135mA 135mA 135mA 65nm 70mA 70mA 70mA 70mA 90nm 80mA 80mA 80mA 80mA 65nm 75mA 75mA 75mA 75mA 90nm 100mA 100mA 100mA 100mA 65nm 65mA 65mA 65mA 65mA 90nm 80mA 80mA 80mA 80mA 65nm 3.3V または 2.5V 90nm 36M & 18M 65nm 3.3V/2.5V (3.3V VDD の場合) または 2.5V (2.5V VDD の場合) 90nm 1 サイプレスは、周波数 200MHz、167MHz、133MHz のパイプライン SRAM と周波数 100MHz のフロー スルーSRAM も提供しています。 2 比較するアクテイブ電流は、x36 バス幅の SRAM 向けの値です。容量が違う他の SRAM のアクティブ電流 (IDD) については、 www.cypress.com/?id=95 に掲載している各製品のデータシートを参照してください。 3 それぞれのスタンバイ電流のテスト条件については、データシートを参照してください。 www.cypress.com 文書番号: 001-95977 Rev. *C 2 90nm 同期/NoBL® SRAM より優れた 65nm 技術の利点 標準同期 SRAM 65nm 65nm および 90nm 90nm 36M 最大のコア消費電力 [4] 18M 36M 総消費電力 [5] 18M 36M CI/O – 入力/出力の静電容量 (TQFP/FBGA) 18M 36M & 18M NoBL SRAM パイプライン フロースルー パイプライン フロースルー SRAM SRAM SRAM SRAM 65nm 792mW 561mW 792mW 561mW 90nm 1568mW 1023mW 1568mW 1023mW 65nm 660mW 492mW 660mW 492mW 90nm 1155mW 693mW 1155mW 693mW 65nm 1037mW 691mW 1037mW 691mW 90nm 1813mW 1153mW 1813mW 1153mW 65nm 905mW 622mW 905mW 622mW 90nm 1425mW 1179mW 1425mW 1179mW 65nm 5pF/5pF 90nm 5.5pF/6pF 65nm 5pF/5pF 90nm 5pF/9pF 65nm x18、x32、x36 、x72 x18、x32、 x36 x18、x32、 x36、x72 x18、x32、 x36 90nm x18、x32、x36 、x72 x18、x32、 x36 x18、x32、 x36、x72 x18、x32、 x36 構成 (バス幅) ECC [6] 36M & 18M 36M & 18M 最大 SER (FIT/Mb) [7] 36M 65nm 有 – シングルビット エラー訂正 (SEC) 90nm 無 単一論理ビット反転 (LSBU) – 65nm (ECC 内蔵) 0.01 LSBU – 65nm (ECC なし) 216 LSBU – 90nm 394 65nm 100 ピン TQFP、165 ボール FBGA 90nm 100 ピン TQFP、119 ボール BGA、165 ボール FBGA 65nm 100 ピン TQFP、119 ボール BGA、165 ボール FBGA 90nm 100 ピン TQFP、119 ボール BGA、165 ボール FBGA 65nm 有 パッケージ 18M JTAG [8] 36M & 18M 90nm 36M & 18M 65nm 32 ビット JTAG ID コード 90nm と 65nm デバイスは同じ JTAG ID コードを共有 90nm 4 コア消費電力 = VDD x IDD 5 総消費電力 = (コア消費電力) + (スイッチング消費電力) = (VDD x IDD) + (α x f x CL x VDDQ2 x N) 6 サイプレスは、ECC 内蔵の 65nm デバイスと ECC なしの 65nm デバイスをサポートしています。 7 詳細は、アプリケーション ノート「AN54908 – Accelerated Neutron SER Testing and Calculation of Terrestrial Failure Rates」を参照してください。 8 100 ピン TQFP パッケージでは JTAG オプションがサポートされていません。 www.cypress.com 文書番号: 001-95977 Rev. *C 3 90nm 同期/NoBL® SRAM より優れた 65nm 技術の利点 2.1 消費電力および接合部温度の計算 2.1.1 消費電力 (Pd) 以下の式で消費電力を計算します。 Pd = コア消費電力 + I/O スイッチング消費電力 2 Pd = VDD IDD + α f CL VDDQ N ここで: VDD = コア電圧 IDD = アクティブ電流 α = 動作係数、すなわち出力が切り替わる周波数とクロック周波数の比率 f = 動作周波数 CL= 外部負荷容量 VDDQ = I/O 電圧 N = 切り替わる I/O の数 表 2 に、65nm デバイスは 90nm デバイスより定格電力が優れていることを示します。 表 2. 65nm と 90nm 同期/NoBL デバイスの消費電力の比較 65nm 同期 SRAM (36Mb) 90nm 同期 SRAM (36Mb) CY7C1440KV33-250AXC CY7C1440AV33-250AXC VDD = 3.3V VDD = 3.3V IDD = 240mA IDD = 475mA α = 0.5 α = 0.5 f = 250MHz f = 250MHz CL = 5pF (100 ピン TQFP パッケージ) CL = 5pF (100 ピン TQFP パッケージ) VDDQ = 3.3V VDDQ = 3.3V N = 36 N = 36 よって: よって: 2 Pd = VDD IDD + α f CL VDDQ N Pd = VDD IDD + α f CL VDDQ2 N Pd = 3.3V x 240mA + 0.5 x 250MHz x 5pF x (3.3V) 2 x 36 Pd = 3.3V x 475mA + 0.5 x 250MHz x 5pF x (3.3V )2 x 36 総消費電力 = 1037mW 総消費電力 = 1813mW www.cypress.com 文書番号: 001-95977 Rev. *C 4 90nm 同期/NoBL® SRAM より優れた 65nm 技術の利点 65nm 同期 SRAM (18Mb) 90nm 同期 SRAM (18Mb) CY7C1370KV33-250AXC CY7C1370D-250AXC VDD = 3.3V VDD = 3.3V IDD = 200mA IDD = 350mA α = 0.5 α = 0.5 f = 250MHz f = 250MHz CL= 5pF (100 ピン TQFP パッケージ) CL= 5pF (100 ピン TQFP パッケージ) VDDQ = 3.3V VDDQ = 3.3V N = 36 N = 36 よって: よって: 2 Pd = VDD IDD + α f CL VDDQ N Pd = VDD IDD + α f CL VDDQ2 N Pd = 3.3V x 200mA + 0.5 x 250MHz x 5pF x (3.3V) 2 x 36 Pd = 3.3V x 350mA + 0.5 x 250MHz x 5pF x (3.3V )2 x 36 総消費電力 = 905mW 総消費電力 = 1400mW 2.1.2 接合部温度 (TJ) 以下の式で接合部の温度を計算します。 TJ = Pd θJA + TA ここで: θJA = 接合部から周囲までの熱抵抗 TA = 周囲温度 Pd = 消費電力 表 3 に、65nm デバイスは 90nm デバイスより定格接合部温度が低いことを示します。 表 3. 65nm と 90nm Sync/NoBL デバイスの接合部温度 (TJ ) の比較 65nm 同期 SRAM (36MB) 90nm 同期 SRAM (36MB) CY7C1440KV33-250AXC (100 ピン TQFP) CY7C1440AV33-250AXC (100 ピン TQFP) θJA = 35.36°C/W θJA = 25.21°C/W TA = 30°C TA = 30°C Pd = 1037mW Pd = 1813mW よって: よって: TJ = Pd θJA + TA TJ = Pd θJA + TA TJ = (1037m x 35.36) + 30 TJ = (1813m x 25.21) + 30 接合部温度 = 66.67°C 接合部温度 = 75.7°C www.cypress.com 文書番号: 001-95977 Rev. *C 5 90nm 同期/NoBL® SRAM より優れた 65nm 技術の利点 3 65nm 同期 SRAM (18MB) 90nm 同期 SRAM (18MB) CY7C1370KV33-250AXC (100 ピン TQFP) CY7C1370D-250AXC (100 ピン TQFP) θJA = 37.95°C/W θJA = 28.66°C/W TA = 30°C TA = 30°C Pd = 905mW Pd = 1425mW よって: よって: TJ = Pd θJA + TA TJ = Pd θJA + TA TJ = (905m x 37.95) + 30 TJ = (1425m x 28.66) + 30 接合部温度 = 64.34°C 接合部温度 = 70.84°C 65nm 同期/NoBL SRAM における ECC 実装 メモリ コアは、1 つのデータ ワードにマルチ ビット エラーが発生する可能性を低下させるよう設計されています。「カラム多 重化」とも呼ばれているビット インターリーブは、メモリ アレイを空間的マルチビット エラーから保護するために使用される従 来の方法です。ハミング コードによる ECC の SEC タイプはアーキテクチャの原理に基づいて選択されます。ECC は、9 個 のデータ ビット毎に 4 個の追加の「シンドローム ビット」を含みます。シンドローム ビットは、外部ホストからアクセス不可で、 パッケージやピン配置にかかわらず同じです。 図 1 に示すように、新しいデータが書き込まれると、ECC ロジックは 4 個のシンドローム ビットを計算し、それらをデータ ビットと共にメモリ コアに格納します。この例では、データ入力バッファ内の 36 ビットは、4 個の 9 ビット ワードに再グループ 化されます。これらワードは順番に ECC エンコーダー ブロックに渡されます。同様に x18 と x72 データ幅のアーキテクチャで は、入力ビットはそれぞれ 2 個の 9 ビット ワードと 8 個の 9 ビット ワードに再グループ化されます。エンコーダー ブロックによ り生成された 4 個のシンドローム ビットは、データ ビットと共に格納されます。任意のデータ ワードの位置を読み出した時、故 障が発生したかどうかを判定するためにシンドローム/ パリティ ビットが ECC デコーダー ブロックで分析されます。シンド ローム ビットは、データ ワード内の誤ったビットの位置を識別します。データ ワードは誤ったビットを反転することで訂正され ます。 図 1. ECC パリティ ビットの生成 36 data bits 9 data bits 36 data bits 9 data bits 9 data bits www.cypress.com ECC Encoder ECC Encoder ECC Encoder 4 parity bits 4 parity bits 4 parity bits ECC Parity Array From Data-In Buffer 9 data bits ECC Encoder 16 parity bits Memory Array 4 parity bits 文書番号: 001-95977 Rev. *C 6 90nm 同期/NoBL® SRAM より優れた 65nm 技術の利点 図 2 に、SRAM からデータ ワードを読み出す際のシングルビット エラーの訂正プロセスを示します。ECC は、いずれかのデータ ワードまたはすべてのデータ ワード内のシングルビット エラーを訂正することができます。SRAM 内のデータが再度書き込まれずに 長い間保持される場合、エラーは複数のビットに蓄積する可能性はほとんどありません。万が一これが発生した場合、ECC はマルチ ビット エラーを訂正することができないので、破損したデータが出力されます。サイプレスは、マルチビット エラーの発生を除去するため に時折のデータ スクラビングをお勧めします。 図 2. データ ビット訂正 ECC Decoder 4 parity bits 9+4 bits ECC Decoder 9 data bits 9+4 bits ECC Decoder 9 data bits 9+4 bits ECC Decoder 9 data bits 36 data bits 4 parity bits 4 parity bits To Output Buffer ECC Parity Array Memory Array 16 parity bits 9 data bits 9+4 bits 4 parity bits 36 data bits www.cypress.com 文書番号: 001-95977 Rev. *C 7 90nm 同期/NoBL® SRAM より優れた 65nm 技術の利点 4 65nm 同期/NoBL SRAM の幅と深さの拡張 本節では、65nm SRAM の幅と深さを拡張する推奨方法 (90nm 同期/NoBL SRAM と同様) を説明します。拡張では、シス テムのメモリ容量を増加するために複数の SRAM を使用します。 幅の拡張: この方法では、各チップのデータ バスを組み合わせて、より大きな幅のある単一チップのデータ パスとして使 用します。両方のチップを有効にし、アドレス ラインが共用されたままになります。図 3 に示すように、I/O 幅が 36 ビット の 36Mb SRAM を 2 個採用してメモリ幅を 72 ビットに拡張し、メモリ容量を 72Mb に増加します。アドレス ライン (A0~A19)、制御ライン ( 、 、 、 、 、 )、チップ イネーブル ライン ( 、 、 ) が共用さ れたままになるよう 2 個の SRAM を組み合わせます。データ ライン D0~D35 は 1 番目の SRAM に接続され、データ ライン D36~D71 は 2 番目の SRAM に接続されます。読み出し/書き込み処理の間、制御ラインで両方の SRAM を 有効にします。行アドレスが両方の SRAM 間で共用されるため、通常のメモリ処理の間同時にすべての 72 箇所のメモ リ ビット位置にアクセスすることができます。 図 3. 幅の拡張 CE1 CE2 CE3 CE3 CLK Controller CE2 CE1 CE3 CE2 CE1 CLK CLK SRAM 36Mb SRAM 36Mb (X36) (X36) A0-A19 A0-A19 A0-A19 D0-D35 D0-D35 D0-D35 D36-D71 Control Pins Control Pins Control Signals www.cypress.com 文書番号: 001-95977 Rev. *C 8 90nm 同期/NoBL® SRAM より優れた 65nm 技術の利点 深さの拡張: 深さの拡張では、プロセッサ/FPGA がアクセス可能な行数は増えますが、I/O の幅は変わりません。コント ローラー側からの追加アドレス ラインは、2 個の SRAM チップのどちらかから対応する行を有効にするために使用され ます。チップ イネーブル (CE) ピンは、対象の SRAM にアクセスするために選択的に駆動されます。図 4 に示すように、 共用のアドレス (A0~A19)、制御ライン ( 、 、 、 、 、 )、データ ライン (D0~D35) は各チップ に接続されます。両方の SRAM の ピンは、コントローラーからの共用信号 で駆動します。SRAM1 の ピンは HIGH に接続し、SRAM2 の ピンはグランドに接続します。SRAM1 の ピンと SRAM2 の ピンをアドレス ライン A20 に接続します。SRAM1 内の行にアクセスするには、A20 ピンを LOW のままにして SRAM1 チップを有効に します。SRAM2 を有効にするには、アドレス ライン A20 を HIGH に駆動します。これと同時に SRAM1 は無効になり ます。こうのように両方のメモリを採用すると、同期/NoBL SRAM の合計の深さが 2 倍になります。図 4 に、深度拡張 時のコントローラーからメモリ ピンへの接続を示します。 図 4. 深さの拡張 CE3 CE2 CE1 CLK SRAM1 36Mb (X36) CE3 A0-A19 D0-D35 CLK Control Pins A20 A0-A19 Controller D0-D35 CE3 CE2 CE1 CLK SRAM2 36Mb Control Signals (X36) A0-A19 D0-D35 Control Pins 幅と深さの拡張の間、共有の信号ラインの配線長はいつも同じであるようにしてください。また、これらの信号ラインのインピー ダンスを適切な終端抵抗を介して整合させる必要があります。 www.cypress.com 文書番号: 001-95977 Rev. *C 9 90nm 同期/NoBL® SRAM より優れた 65nm 技術の利点 5 アドレス ピンの割り当て アドレス ピンに特定のビット位置を割り当てると、読み書き動作はメモリでは同じ位置から行われます。各 SRAM には、アドレ 9 スや I/O として定義されたそれぞれのピン グループがあります。 そのため、A0 と A1 ピン以外、アドレス (A) ピンの番号は 正確な割り付けがされません。同期 SRAM と NoBL SRAM では、アドレス A0 と A1 は、バースト カウンターにロードされる 際の順番のように適切に順番付ける必要があります。 2 個の同一の SRAM が単一の ASIC/FPGA に接続される例を検討してみます。SRAM2 が、SRAM1 に格納されて読み出さ れるデータを複製するために使用されることを前提にします。SRAM2 の A0 と A1 ピンへの接続は、図 5 のように設計されて います。ASIC/FPGA は、両方の SRAM へ書き込んだり、各々の SRAM を読み出したりするために対応するチップ イネーブ ルと制御信号をアサートします。 図 5. 2 個の同一の 36Mb 同期/NoBL SRAM に接続される ASIC/FPGA A0 A0 A1 A1 Ax Ax Ax Ax SRAM1 36Mb ASIC/FPGA (x36) DQ DQ DQ DQ Chip Enable & Control Signal Pins Chip Enable & Control Signals-1 A0 A1 Chip Enable & Control Signals-2 Ax Ax SRAM2 36Mb (x36) DQ DQ Chip Enable & Control Signal Pins ASIC/FPGA はアドレス位置 A0=0 A1=1 A2=0 …. Ax=1 で書き込みシーケンスを開始する場合、SRAM1 は内部アドレス 1…..010 に書き込み、SRAM2 は内部アドレス 1…..001 に書き込みます。ASIC/FPGA は同じアドレス A0=0 A1=1 A2=0 …. Ax=1 から読み出しを実行する場合、SRAM1 は 1…..010 から、SRAM2 は 1…..001 からデータを読み出します。そのため、 ASIC/FPGA はアドレス指定にかかわらず、常に特定のアドレスに対応する予想されたデータを受信します。この理由で、 その側のアドレス ピンを SRAM のアドレス ピンに接続することができます。唯一の例外としては、A0 と A1 アドレスはすべて の SRAM でバースト カウンターにロードされる際の順番に合致するように適切に順番付ける必要があります。 ASIC/FPGA は読み出し/書き込みのアドレスを SRAM にロードします。その後、SRAM は内蔵の 2 ビット バースト カウン ターを使用して次の 3 つのアドレスを生成します。読み出しサイクルでは、ASIC/FPGA は、前提としたアドレスに基づいて特 定のデータ シーケンスが書き込みシーケンス中に SRAM の内蔵バースト カウンターにより生成されることを期待するため、 A0 と A1 の位置は重要です。A0 と A1 が混同されれば、期待されるデータが返されない場合があります。 9 サイプレスは、JEDEC SRAM ピン配置規格に従っています。JEDEC 規格には、アドレスの違いによる機能の変化のない設定では特定の ピンを特定のアドレスに割り当てる必要があるという規定はありません。 www.cypress.com 文書番号: 001-95977 Rev. *C 10 90nm 同期/NoBL® SRAM より優れた 65nm 技術の利点 例えば、ASIC/FPGA が開始アドレス A0=1、A1=0、およびデータ 100、101、102、103 でリニア バースト書き込みを開始す ると、SRAM1 はアドレス 01 から開始し、内部アドレスを 10、11、00 の順で生成します。一方、SRAM2 は開始アドレス 10 を 持っており、内部アドレス 11、00、01 を生成します。ASIC/FPGA はアドレス 11 で始まるバースト読み出しを実行すれば、期 待されるデータは 102、103、100、101 になります。SRAM1 は、アドレス 11 で終わる内部アドレスから開始し、データ 102、 103、100、101 を生成します。SRAM2 もアドレス 11 から開始しますが、データを 101、102、103、100 の順で生成します。 これは、ASIC/FPGA が SRAM2 にアクセスする際に誤ったデータを読み出してしまう原因となることがあります。そのため同 期バーストの間、A0 と A1 ピンの接続はデバイス間で一致する必要がありますが、残りのアドレス ピンは一致しなくても構 いません。 6 まとめ 65nm 同期/NoBL SRAM ファミリは、ECC を内蔵してソフト エラー耐性を改善することが可能です。90nm 技術と比べて、 65nm SRAM は消費電力、入出力の静電容量、接合部温度の定格はより低いです。さらに、65nm デバイスは 90nm 技術の デバイスと外形形状、構造、機能上の互換性があります。 www.cypress.com 文書番号: 001-95977 Rev. *C 11 90nm 同期/NoBL® SRAM より優れた 65nm 技術の利点 改訂履歴 ® 文書名: AN94077 - 90nm 同期/NoBL SRAM より優れた 65nm 技術の利点 文書番号: 001-95977 版 ECN 変更者 発行日 *A 4720469 PRIT 04/08/2015 これは英語版 001-94077 Rev. *A を翻訳した日本語版 001-95977 Rev.*A です。 *B 4837746 HZEN 07/16/2015 これは英語版 001-94077 Rev. *B を翻訳した日本語版 001-95977 Rev. *B です。 *C 4970053 DEVM 10/16/2015 これは英語版 001-94077 Rev. *C を翻訳した日本語版 001-95977 Rev. *C です。 www.cypress.com 変更内容 文書番号: 001-95977 Rev. *C 12 90nm 同期/NoBL® SRAM より優れた 65nm 技術の利点 ワールドワイドな販売と設計サポート サイプレスは、事業所、ソリューション センター、メーカー代理店および販売代理店の世界的なネットワークを保持しています。お客様 の最寄りのオフィスについては、サイプレスのロケーション ページをご覧ください。 製品 車載用 cypress.com/go/automotive PSoC®ソリューション クロック&バッファ cypress.com/go/clocks psoc.cypress.com/solutions インターフェース cypress.com/go/interface PSoC 1 | PSoC 3 | PSoC 4 | PSoC 5LP 照明 & 電源管理 cypress.com/go/powerpsoc サイプレス開発者コミュニティ メモリ cypress.com/go/memory PSoC cypress.com/go/psoc タッチ センシング cypress.com/go/touch USB コントローラー cypress.com/go/usb ワイヤレス/RF cypress.com/go/wireless コミュニティ | フォーラム | ブログ | ビデオ | トレーニング テクニカル サポート cypress.com/go/support PSoC はサイプレス セミコンダクタ社の登録商標であり、PSoC Creator は同社の商標です。本書で言及するその他すべての商標または登録商標は、それぞれ の所有者に帰属します。 Cypress Semiconductor 198 Champion Court San Jose, CA 95134-1709 Phone Fax Website : 408-943-2600 : 408-943-4730 : www.cypress.com © Cypress Semiconductor Corporation, 2015. 本文書に記載される情報は予告なく変更される場合があります。Cypress Semiconductor Corporation (サイ プレス セミコンダクタ社) は、サイプレス製品に組み込まれた回路以外のいかなる回路を使用することに対して一切の責任を負いません。サイプレス セミコンダク タ社は、特許またはその他の権利に基づくライセンスを譲渡することも、または含意することもありません。サイプレス製品は、サイプレスとの書面による合意に基 づくものでない限り、医療、生命維持、救命、重要な管理、または安全の用途のために使用することを保証するものではなく、また使用することを意図したものでも ありません。さらにサイプレスは、誤作動や故障によって使用者に重大な傷害をもたらすことが合理的に予想される生命維持システムの重要なコンポーネントとし てサイプレス製品を使用することを許可していません。生命維持システムの用途にサイプレス製品を供することは、製造者がそのような使用におけるあらゆるリス クを負うことを意味し、その結果サイプレスはあらゆる責任を免除されることを意味します。 このソースコード (ソフトウェアおよび/またはファームウェア) はサイプレス セミコンダクタ社 (以下「サイプレス」) が所有し、全世界の特許権保護 (米国およびそ の他の国)、米国の著作権法ならびに国際協定の条項により保護され、かつそれらに従います。サイプレスが本書面によりライセンシーに付与するライセンスは、 個人的、非独占的かつ譲渡不能のライセンスであり、適用される契約で指定されたサイプレスの集積回路と併用されるライセンシーの製品のみをサポートするカ スタム ソフトウェアおよび/またはカスタム ファームウェアを作成する目的に限って、サイプレスのソース コードの派生著作物をコピー、使用、変更そして作成す るためのライセンス、ならびにサイプレスのソース コードおよび派生著作物をコンパイルするためのライセンスです。上記で指定された場合を除き、サイプレスの 書面による明示的な許可なくして本ソース コードを複製、変更、変換、コンパイル、または表示することはすべて禁止します。 免責条項: サイプレスは、明示的または黙示的を問わず、本資料に関するいかなる種類の保証も行いません。これには、商品性または特定目的への適合性の黙 示的な保証が含まれますが、これに限定されません。サイプレスは、本文書に記載される資料に対して今後予告なく変更を加える権利を留保します。サイプレス は、本文書に記載されるいかなる製品または回路を適用または使用したことによって生ずるいかなる責任も負いません。サイプレスは、誤作動や故障によって使 用者に重大な傷害をもたらすことが合理的に予想される生命維持システムの重要なコンポーネントとしてサイプレス製品を使用することを許可していません。生命 維持システムの用途にサイプレス製品を供することは、製造者がそのような使用におけるあらゆるリスクを負うことを意味し、その結果サイプレスはあらゆる責任 を免除されることを意味します。 ソフトウェアの使用は、適用されるサイプレス ソフトウェア ライセンス契約によって制限され、かつ制約される場合があります。 www.cypress.com 文書番号: 001-95977 Rev. *C 13