SANYO LB1695D

注文コードNo.N 6 2 0 5
No. N 6 2 0 5
N1599
新
モノリシックディジタル集積回路
LB1695D
DC ファン用
3相ブラシレスモータドライバ
LB1695Dは、3相ブラシレスモータドライバICであり、給湯器, 家電機器等のDCファンモータ駆動用として最
適である。
特長 ・3相ブラシレスモータドライバ
・耐圧45V, 出力電流2A
・電流リミッタ内蔵
・低電圧保護回路内蔵
・熱しゃ断回路内蔵
・ヒステリシス付ホールアンプ内蔵
・FG出力機能
絶対最大定格/Ta=25℃
項 目
記 号
条 件
定 格 値
unit
最 大 電 源 電 圧 1 VCC max
2 VM max
10
45
V
V
最
2.0
A
3.0
20
W
W
大
出
力
電
流 IO max
許 容 消 費 電 力 1 Pd max1
2 Pd max2
IC単体
無限大放熱板付
動
作
周
囲
温
度 Topr
− 20∼+100
℃
保
存
周
囲
温
度 Tstg
−55∼+150
℃
許容動作範囲/Ta=25℃
項 目
記 号
条 件
unit
定 格 値
4.5 ∼9.0
5∼42
電 源 電 圧 範 囲 1 VCC
2 VM
V
V
電 源 立 ち 上 げ
電 圧 上 昇 率 1
2
ΔVCC/Δt
ΔVM/Δt
0.04 以下 V/ μs
V CC =VLVSD(OFF)点 ※1
VM=0V 点 ※1
0.16 以下 V/ μs
※1電源投入時、電源電圧の立ち上がり速度が速い場合、出力にスルー電流が流れることがある。
外形図 3037A
(unit : mm)
12.7
11.2
0.4
R1.7
1
10
20.0
27.0
4.0
本書記載の規格値(最大定格、動作条件範囲
等) を瞬時たりとも越えて使用し、その結果
発生した機器の欠陥について、弊社は責任
を負いません。
11
4.0
本書記載の製品は、極めて高度の信頼性を
要する用途(生命維持装置、航空機のコント
ロールシステム等、多大な人的・物的損害
を及ぼす恐れのある用途)に対応する仕様に
はなっておりません。そのような場合には、
あらかじめ三洋電機販売窓口までご相談下
さい。
8.4
20
2.07
2.54
0.6
1.3
SANYO : DIP20H
〒370-0596 群馬県邑楽郡大泉町坂田一丁目1番1号
N1599MH寿◎島崎 B8-3830 No.6205-1/9
LB1695D
電気的特性/Ta=25℃,VCC =5V,VM =30V
項 目
電
出
源
力
飽
記 号
電
和
流 ICC
電
圧
条 件
定 格 値
typ
min
unit
max
正転
13
19
mA
VOsat1
IO=0.5A VO(sink) +VO(source)
1.8
2.4
V
VOsat2
IO=1.0A VO(sink) +VO(source)
2.1
2.8
V
100
μA
4
μA
出 力 リ ー ク 電 流 IO leak
ホ ー ル ア ン プ
入 力 バ イ ア ス 電 流 I HB
1
同 相 入 力 電 圧 範 囲 VICM
1.5
ヒ ス テ リ ア ス 幅 ΔVIN
21
VCC-1.8
V
30
37
mV
入 力 電 圧
L → H VSLH
5
15
25
mV
入 力 電 圧
H → L VSHL
-25
-15
-5
mV
0.4
V
12.5
kΩ
FG端子(速度パルス出力)
出力「L」レベル電圧 VFGL
IFG=5mA
プ ル ア ッ プ 抵 抗 値 RFG
7.5
10
正 逆 転 動 作
正 転
VFR1
0
0.8
V
逆 転
VFR2
4.2
VCC
V
0.6
V
電 流 制 限 動 作
リミッタ
VRF
0.42
0.5
150
180
℃
40
℃
熱 遮 断 動 作
動 作 温 度 T-TSD
設計目標値
ヒ ス テ リ シ ス 幅 ΔT-TSD
設計目標値
低 電 圧 保 護 動 作
動
作
電
圧 VLVSD
解
除
電
圧 VLVSD(OFF)
3.5
ヒ ス テ リ シ ス 幅 ΔVLVSD
3.8
4.1
V
4.3
4.5
V
0.4
0.5
0.6
V
C 端 子
充
電
電
流 ICL
R=33kΩ
30
40
50
μA
放
電
電
流 ICH
R=33kΩ
90
120
150
μA
充 電 開 始 電 圧 VCL
R=33kΩ
0.3
0.4
0.5
V
放 電 開 始 電 圧 VCH
R=33kΩ
1.5
2.0
2.5
V
出 力 電 流 無 視 時 間 t sm
R=33kΩ, C=4700pF
58
68
78
μs
出
R=33kΩ, C=4700pF
164
193
222
μs
力
オ
フ
時
間 t so
No.6205-2/9
LB1695D
真理値表
入 力
IN1
IN2
IN3
1
H
L
H
2
H
L
L
3
H
H
L
4
L
H
L
5
L
H
H
6
L
L
H
正/逆制御
出 力
F/R
Source → Sink
L
OUT2 → OUT1
H
OUT1 → OUT2
L
OUT3 → OUT1
H
OUT1 → OUT3
L
OUT3 → OUT2
H
OUT2 → OUT3
L
OUT1 → OUT2
H
OUT2 → OUT1
L
OUT1 → OUT3
H
OUT3 → OUT1
L
OUT2 → OUT3
H
OUT3 → OUT2
F/R
FG出力
FG1
FG2
L
L
L
H
L
L
H
H
H
L
H
H
FG出力
正転 L 0.0 ∼0.8V
FG1
逆転 H 4.2 ∼5.0V
FG2
ブロック図および応用回路図
F/R FG1 FG2
+
VCC
Reg
+
LVSD
1.3V
2.3V
VM
Hys.Amp
VM
+
IN1
−
OUT1
+
IN2
OUT2
Logic
−
OUT3
+
IN3
−
RF
TSD
Rf
Current
Limiter
0.5V
GND
R
C
No.6205-3/9
LB1695D
端子機能の説明
端 子 名
ピン番号
機 能
VCC
1
出力部以外の各部に与える電源端子
R
2
C端子の充放電電流を設定する端子
C
3
電流制限動作時の出力オフ時間,出力電流無視時間設定端子
NC
4, 9
OUT1
5
出力端子1
OUT2
6
〃 2
OUT3
7
〃 3
RF
8
VM
10
出力を与える電源端子
GND
11
出力以外のGND
出力トランジスタの最低電位はRF端子電圧となる。
F/R
12
正転/逆転制御端子
IN1+,IN1−
17, 18
ホール入力端子 ロジックの「H」とはIN+>IN−の状態
IN2+,IN2−
15, 16
〃 〃
IN3+,IN3−
13, 14
〃 〃
FG1
20
速度パルスを出力する端子1 プルアップ抵抗内蔵
FG2
19
速度パルスを出力する端子2 〃
配線に使用可能。
出力電流の検知端子。この端子とGND間に抵抗Rfを接続する。
出力電流は VRF/Rfで設定した電流値に制限される(電流制限動作)。
ピン配置図
FG1
20
FG2 IN1− IN1+ IN2− IN2+ IN3− IN3+ F/R
19
18
17
16
15
14
13
12
GND
11
LB1695D
Top view
1
VCC
2
R
3
C
4
5
6
7
8
NC OUT1 OUT2 OUT3 RF
9
NC
10
VM
Pd max − Ta
24
許容消費電力, Pd max − W
無限大放熱板付
20
16
12
8.0
8
4
3
放熱板なし
0
−20
1.2
0
20
40
60
80
100
120
周囲温度, Ta − ℃
No.6205-4/9
LB1695D
端子等価回路図
端子
端子記号
番号
3
C
2
R
端子電圧
等 価 回 路 図
VCC
3
2.0V
2
200Ω
X4
VCC
2.0V
0.4V
5
OUT1
6
OUT2
7
OUT3
8
RF
10
VM
200
VCC
10
5 6
7
200Ω
0.5V
8
12
F/R
min 0.0V
max VCC
VCC
10kΩ
10kΩ
20kΩ
12
10kΩ
次ページへ続く。
No.6205-5/9
LB1695D
前ページから続く。
端子
番号
端子記号
17
IN1+ min 1.5V
18
IN1− max VCC-1.8V
15
IN2+
16
IN2−
13
IN3+
15
14
16
14
IN3−
17
18
20
FG1
19
FG2
端子電圧
等 価 回 路 図
VCC
13
200Ω
200Ω
V CC
10kΩ
19 20
No.6205-6/9
LB1695D
LB1695D 説明
1.ホール入力回路
typ )を有する差動アンプとなっている。
ホール入力回路は、ヒステリシス(30mV 動作DCレベルは、同相入力電圧範囲(1.5V∼VCC−1.8V)内で使用すること。ノイズ等による
影響がないように、入力レベルとしては、ヒステリシスの3倍以上(120∼160mVp-p)を入力する
ことを推奨する。ノイズ評価等において耐量が問題となる場合、ホール入力IN+,IN−間にコンデンサ
(0.01μF程度)を付ける。
2.保護回路
2−1.低電圧保護回路
VCCの電圧が規定の電圧(VLVSD)以下になると、シンク側出力トランジスタをオフする。VCC
減電圧時の誤動作を防止する回路である。
2−2.熱遮断保護回路
接合部の温度が規定の温度(TSD)以上になると、シンク側出力トランジスタをオフし、ICの熱
破壊を防止する回路である。異常時以外は動作することがないように熱設計を行うこと。
3.FG出力回路
IN1,IN2,IN3のホール入力信号が合成され、波形整形されて出力されている。FG1はホール
入力と同一周波数であり、FG2はホール入力の3倍の周波数となっている。
4.正逆転制御回路
モータ回転中に正逆転(F/R)切り替えを行わないことを前提に設計している。
モータ回転中にF/R切り替えを行うと、出力にスルー電流が流れ、ASOが問題になる。F/R切り替え
は、VM 電源オフ状態(モータ停止状態)で行うことを推奨する。
5.VCC,VM電源
電源投入時、電源電圧(VCC,VM)の立ち上がり速度が速い場合、出力にスルー電流が流れ、ASOが
問題になる。電源の立ち上がり速度は、ΔVCC /Δt=0.04V/μS以下、ΔV M /Δt=0.16V/
μS以下とすること。また、電源オン時の順序としてはVCCオンの後、V Mオンが望ましい。
電源オフ時の順序としてはVMオフの後、モータが停止してからVCCをオフするのが望ましい。VMオフ
の後、モータが惰性回転中にVCCをオフしてしまうと、モータの種類によってはVM の電圧が持ち上がり、
耐圧オーバーになる可能性がある。
6.電源安定化用コンデンサ
VCCラインが大きく変動すると、低電圧保護回路等が誤動作することがある。VCCライン(VCC −
GND間)には、コンデンサ(数μF程度)を付けて安定化する必要がある。また、VMラインには大きなスイ
ッチング電流が流れるため、配線のインダクタンス成分等によってICのVM電圧が変動してしまう。
GNDラインも振られるため、誤動作や耐圧オーバーにならないように、VMライン(VM−GND間)には
コンデンサを付けて安定化する必要がある。特に、配線の引き回し(VM,VCC,GND)が長い場合など
は十分なコンデンサを付け、電源ラインを安定化すること。
次ページへ続く。
No.6205-7/9
LB1695D
前ページより続く。
7.電流制限回路
電流制限回路は、出力電流が設定した電流値(リミッタ値)に達した時に、シンク側出力トランジスタを
オフする回路であり、出力電流をリミッタ値で制限している。
出力電流の検知にはRF端子を使用しており、RF端子−GND間に抵抗Rfを入れることより、出力電
流を電圧として検知している。RF端子電圧が0.
5V
(typ )に達すると電流制限が動作し、0 . 5/Rf
により設定されるリミッタ値に出力電流は制限される。
7−1.出力オフ時間
電流制限回路は、電流制限が動作してシンク側出力トランジスタをオフした後、一定時間のオフ期間
(出力オフ時間)を設け、再びオンするように動作する。LB1695Dでは
、電流制限回路をこのように
出力をスイッチングする方式にしたことにより、出力を非飽和にする電流制限方式に比べて、電流制限
動作時のASOが問題になりにくい。
出力オフ時間は、C端子に接続したコンデンサCの充電時間により決められる。電流制限が動作する
とCの充電を開始し、Cの電圧が2V
(typ)に充電されるまでの時間が出力オフ時間となる。Cの電圧
が2Vまで充電されると、再びシンク側出力はオンになる。Cの充電電流は定電流であり、R端子に接続
する抵抗Rにより決められる。Cの充電電流ICL と出力オフ時間toffは次の式で求められる。
ICL ≒ 1. 3/R (Rは13kΩ∼100kΩで設定すること)
toff ≒ C/ICL×2. 0
≒ 1. 53×R×C
7−2.出力電流無視時間
電流制限が動作してシンク側出力をオフしている間、オフされた出力の上側の回生電流吸収用外付け
ダイオードには回生電流が流れている。出力オフ時間経過後、再びシンク側出力をオンにすると、この
外付けダイオードには瞬間的に逆電流が流れ(ダイオードの逆回復時間のため)、これにより出力には
瞬間的にリミッタ値に達する電流が流れてしまう。この電流によって再度、電流制限が動作すると出力
がオフしてしまうため、平均電流が下がり、モータ起動時などにトルクダウンを生じる。したがって、
この電流を検知しないように電流制限回路には、シンク側出力をオフから再びオンにした後、一定時間
出力電流を検知しない時間(出力電流無視時間)を設けている。
出力電流無視時間は、C端子に接続したコンデンサCの放電時間により決められる。電流制限が動作
してCの電圧が2Vまで充電されると放電を開始し、Cの電圧が0. 4V
(typ)に放電されるまでの時間
が出力電流無視時間となる。Cの放電電流は定電流であり、充電電流ICLの約3倍に設定している。
したがって、出力電流無視時間は、出力オフ時間の約1/3となる。
Cの放電電流ICHと出力電流無視時間tsmは次の式で求められる。
ICH ≒ 1. 3/R×3
tsm ≒ C/ICH ×1. 6
≒ 0 . 41×R×C
電流制限回路では、シンク側出力を再びオンする時のオンタイムに傾きを持たせているため、回生電流
吸収用外付けダイオードとして、整流ダイオード(逆回復時間の短くないダイオード)を使用しても、逆
電流があまり大きくならない。
7−3.出力オフ時間の設定
出力オフ時間は、使用するモータの種類によって、 最適な時間を設定する必要がある(R端子の外付け
抵抗,C端子の外付けコンデンサにより設定)。Fig.1 に電流制限動作波形を示す。
次ページへ続く。
No.6205-8/9
LB1695D
前ページより続く。
(1)出力オフ時間を小さく設定した場合
出力オフ時間と出力電流無視時間は、 約 3 :1 という関係にIC内部回路で設定してあるため、それ
ぞれを別々に設定することができない。したがって、出力オフ時間をあまり小さく設定してしまうと出力
電流無視時間が不足する場合がある。出力電流無視時間が不足すると、回生電流吸収用外付けダイオード
の逆電流で電流制限が動作する(7−2.参照)。また、出力オフ時間を小さくするとダイオードの逆電流
が大きくなるのでASOが問題になることがある。
(2) 出力オフ時間を大きく設定した場合
出力オフ時間をあまり大きく設定してしまうと平均電流が減少するため、モータ起動時のトルクが下がる。
モータの種類によっては、起動時に電流制限動作状態から定常回転状態に移行できなくなることがある。
tso
tsm
C端子電圧
2.0V
0.4V
0.0V
RF端子電圧
0.5V
0.0V
toff
Fig.1
電流制限動作波形
8.IC内部の消費電力計算
Pd=(VCC×ICC)+(VM ×IM )−(モータコイルでの消費電力)
9.ICの温度上昇測定法
ICのチップ温度は直接測定することができないないため、通常下記の測定法により温度測定を行う。
9−1.熱電対による測定
熱電対による温度測定は、熱電対をフィンに取り付けて行う。この測定法は簡単であるが、発熱が安定
した状態でなければ測定誤差が大きくなる。
9−2.IC内部のダイオード特性による測定
本ICでは、FG1−GND間の寄生ダイオードを用いて測定することを推奨する。FG1をHigh
(オフ)状態に設定して、寄生ダイオードのVF電圧を測定し、VF電圧の温度特性から温度を算出する。
(当社データ IF=−1mA,VFの温度特性は約−2mV/℃)
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Y72 PS No.6205-9/9