LT3468/LT3468-1/LT3468-2 - ThinSOTTM の

LT3468/LT3468-1/LT3468-2
ThinSOTTMのフォトフラッシュ・
コンデンサ・チャージャ
特長
概要
■
LT®3468/LT3468-1/LT3468-2はデジタルカメラやフィル
ム式カメラのフォトフラッシュ・コンデンサを充電する
高集積ICです。特許を取得した制御方式*を採用してい
ますので、超小型のトランスを使用できます。各デバイ
スは高電圧NPNパワー・スイッチを内蔵しています。出
力電圧検出回路*はすべて内蔵されているので、ディス
クリートのツェナー・ダイオードや抵抗は不要です。ト
ランスの巻数比を変えるだけで出力電圧を調整できま
す。1次電流制限がLT3468では1.4A、LT3468-2では1A、
LT3468-1では0.7Aです。このように電流制限レベルが
異なるので、入力電流がLT3468では500mA、LT3468-2
では375mA、LT3468-1では225mAにそれぞれ十分制御
されます。電流制限レベルが異なる点を除けば、3つの
デバイスは同等です。
■
■
■
■
■
■
■
■
高集積ICによりソリューション・サイズを低減
小型トランスを使用:5.8mm×5.8mm×3mm
高速フォトフラッシュ充電:
LT3468では4.6s (0Vから320V、100µF、VIN = 3.6V)
LT3468-2では5.7s (0Vから320V、100µF、VIN = 3.6V)
LT3468-1では5.5s (0Vから320V、50µF、VIN = 3.6V)
制御された入力電流:
500mA (LT3468)
375mA (LT3468-2)
225mA (LT3468-1)
1セル・リチウムイオン電池または2.5V∼16Vのあら
ゆる電源での動作をサポート
調整可能な出力電圧
出力電圧分割器が不要
あらゆるサイズのフォトフラッシュ・コンデンサを充電
高さの低い(1mm)SOT-23パッケージ
アプリケーション
■
■
■
デジタルカメラまたはフィルム式カメラのフラッシュ
PDA/携帯電話のフラッシュ
非常用ストロボ
ユーザーはCHARGEピンによってこのデバイスを完全
に制御できます。CHARGEピンを“L”にドライブすると
デバイスはシャットダウンします。DONEピンはデバイ
スが充電を終了したことを知らせます。LT3468シリー
ズは高さの低い(1mm)小型SOT-23パッケージで供給さ
れます。
、LTC、LTはリニアテクノロジー社の登録商標です。
ThinSOTはリニアテクノロジー社の商標です。*米国特許番号6,518,733
標準的応用例
LT3468フォトフラッシュ・チャージャは
高さ4mmの高効率トランスを使用
危険 高電圧 - 高電圧技術者のみ操作可
LT3468の充電波形
VIN = 3.6V
COUT = 100µF
1:10.2
VIN
2.5V TO 8V
1
4
2
5
320V
4.7µF
+
100µF
100k
SW
VIN
AVERAGE
INPUT
CURRENT
1A/DIV
LT3468
DONE
CHARGE
DONE
VOUT
50V/DIV
GND
1s/DIV
3468 G01
CHARGE
346812 TA01
sn346812 346812fs
1
LT3468/LT3468-1/LT3468-2
パッケージ/発注情報
絶対最大定格
(Note 1)
ORDER PART
NUMBER
VIN電圧 ...................................................................... 16V
SW電圧 ...................................................... −0.4V∼50V
CHARGE電圧 ........................................................... 10V
DONE電圧 ................................................................ 10V
DONEピンに流れ込む電流 .................................. ±1mA
最大接合部温度 ...................................................... 125℃
動作温度範囲 (Note 2) .............................. −40℃∼85℃
保存温度範囲 .......................................... −65℃∼150℃
リード温度 (半田付け、10秒) ................................ 300℃
TOP VIEW
SW 1
LT3468ES5
LT3468ES5-1
LT3468ES5-2
5 VIN
GND 2
DONE 3
4 CHARGE
S5 PART
MARKING
S5 PACKAGE
5-LEAD PLASTIC TSOT-23
TJMAX = 125°C
θJA = 150°C ON BOARD OVER
GROUND PLANE
θJC = 90°C/W
LTAEC
LTAGQ
LTBCH
より広い動作温度範囲で規定されるデバイスについては、弊社へお問い合わせ
ください。
電気的特性
●は全動作温度範囲の規格値を意味する。それ以外はTA=25℃での値。注記がない限り、VIN = 3V、VCHARGE = VIN。 (Note 2)
注記がない限り、規格値はLT3468、LT3468-1、およびLT3468-2に適用される。
PARAMETER
CONDITIONS
Quiescent Current
Not Switching
VCHARGE = 0V
MIN
Input Voltage Range
●
Switch Current Limit
LT3468 (Note 3)
LT3468-2
LT3468-1
Switch VCESAT
LT3468, ISW = 1A
LT3468-2, ISW = 650mA
LT3468-1, ISW = 400mA
VOUT Comparator Trip Voltage
Measured as VSW – VIN
VOUT Comparator Overdrive
300ns Pulse Width
DCM Comparator Trip Voltage
Measured as VSW – VIN
CHARGE Pin Current
VCHARGE = 3V
VCHARGE = 0V
Switch Leakage Current
VIN = VSW = 5V, in Shutdown
CHARGE Input Voltage High
●
CHARGE Input Voltage Low
31
10
●
●
MAX
5
0
8
1
mA
µA
16
V
1.2
0.87
0.55
1.3
0.97
0.65
A
A
A
330
210
150
430
280
200
mV
mV
mV
2.5
1.1
0.77
0.45
●
TYP
UNITS
31.5
32
V
200
400
mV
36
80
mV
15
0
40
0.1
µA
µA
0.01
1
µA
1
V
0.3
●
V
Minimum Charge Pin Low Time
High→Low→High
20
µs
DONE Output Signal High
100kΩ from VIN to DONE
3
V
DONE Output Signal Low
33µA into DONE Pin
100
200
mV
DONE Leakage Current
VDONE = 3V, DONE NPN Off
20
100
nA
Note 1: 絶対最大定格はそれを超えるとデバイスの寿命に影響を及ぼす値。
Note 3: 規格値は静的テストに適用される。実際のアプリケーションでの電流制
限はわずかに高くなる。
Note 2: LT3468E/LT3468E-1/LT3468E-2は0℃∼70℃の温度範囲で性能仕様に
適合することが保証されている。−40℃∼85℃の動作温度範囲での仕様は設
計、特性評価および統計学的なプロセス・コントロールとの相関で確認されて
いる。
sn346812 346812fs
2
LT3468/LT3468-1/LT3468-2
標準的性能特性 注記がない限り、LT3468の曲線の場合は図6の回路が使われ、LT3468-1の曲線の場合は図7の回路が使
われ、LT3468-2の曲線の場合は図8の回路が使われる。
LT3468の充電波形
LT3468-1の充電波形
VIN = 3.6V
COUT = 100µF
VIN = 3.6V
COUT = 50µF
LT3468-2の充電波形
VIN = 3.6V
COUT = 100µF
VOUT
50V/DIV
VOUT
50V/DIV
VOUT
50V/DIV
AVERAGE
INPUT
CURRENT
1A/DIV
AVERAGE
INPUT
CURRENT
0.5A/DIV
1s/DIV
3468 G01
10
TA = 25°C
LT3468-2の充電時間
TA = 25°C
9
8
8
8
7
7
7
5
COUT = 100µF
4
3
2
CHARGE TIME (s)
9
6
6
5
COUT = 50µF
4
3
2
COUT = 50µF
1
0
3
4
5
6
VIN (V)
7
8
9
3
4
5
6
VIN (V)
7
8
VIN = 2.8V
VIN = 4.2V
VIN = 3.6V
200
0
100
150 200
VOUT (V)
250
300
3468 G07
3
6
5
VIN (V)
4
7
LT3468-2の入力電流
TA = 25°C
300
VIN = 2.8V
200
VIN = 4.2V
VIN = 3.6V
100
9
8
3468 G06
600
0
50
COUT = 50µF
2
9
AVERAGE INPUT CURRENT (mA)
AVERAGE INPUT CURRENT (mA)
AVERAGE INPUT CURRENT (mA)
TA = 25°C
0
3
LT3468-1の入力電流
400
600
COUT = 100µF
4
3468 G05
LT3468の入力電流
400
5
0
2
3468 G04
800
6
1
0
2
TA = 25°C
2
COUT = 20µF
1
3468 G03
1s/DIV
10
9
CHARGE TIME (s)
CHARGE TIME (s)
3468 G02
LT3468-1の充電時間
LT3468の充電時間
10
1s/DIV
AVERAGE
INPUT
CURRENT
0.5A/DIV
TA = 25°C
450
VIN = 2.8V
300
VIN = 4.2V
VIN = 3.6V
150
0
0
50
100
150 200
VOUT (V)
250
300
3468 G08
0
50
100
150 200
VOUT (V)
250
300
3468 G09
sn346812 346812fs
3
LT3468/LT3468-1/LT3468-2
標準的性能特性 注記がない限り、LT3468の曲線の場合は図6の回路が使われ、LT3468-1の曲線の場合は図7の回路が使
われ、LT3468-2の曲線の場合は図8の回路が使われる。
LT3468の効率
90
90
TA = 25°C
90
TA = 25°C
80
80
EFFICIENCY (%)
VIN = 2.8V
VIN = 3.6V
60
50
VIN = 2.8V
70
EFFICIENCY (%)
80
70
VIN = 3.6V
60
50
40
100
150
200
VOUT (V)
250
300
LT3468の出力電圧
60
100
150
200
VOUT (V)
250
TA = –40°C
319
323
318
TA = 25°C
TA = 25°C
321
TA = 85°C
TA = 85°C
316
315
320
TA = –40°C
314
319
319
318
313
318
3
4
5
VIN (V)
6
7
8
312
2
3
4
5
VIN (V)
6
3468 G13
8
2
0.700
4
5
VIN (V)
6
ILIM (A)
7
8
LT3468-2のスイッチ電流制限
1.00
VIN = 3V
VOUT = 0V
VIN = 3V
VOUT = 0V
0.660
0.96
0.620
0.92
ILIM (A)
VIN = 3V
VOUT = 0V
1.3
3
3468 G15
LT3468-1のスイッチ電流制限
1.4
ILIM (A)
7
3468 G14
LT3468のスイッチ電流制限
1.5
300
317
VOUT (V)
VOUT (V)
320
2
250
LT3468-2の出力電圧
324
TA = –40°C
TA = 85°C
200
150
VOUT (V)
3468 G12
322
TA = 25°C
100
50
300
LT3468-1の出力電圧
322
VOUT (V)
VIN = 3.6V
3468 G11
324
321
VIN = 2.8V
70
40
50
3468 G10
323
VIN = 4.2V
50
40
50
TA = 25°C
VIN = 4.2V
VIN = 4.2V
EFFICIENCY (%)
LT3468-2の効率
LT3468-1の効率
0.580
0.88
0.540
0.84
1.2
1.1
–40
–20
0
20
40
60
TEMPERATURE (°C)
80
100
3468 G16
0.500
–40
–20
0
20
40
60
TEMPERATURE (°C)
80
100
3468 G17
0.80
–40
–20
40
20
0
60
TEMPERATURE (°C)
80
100
34682 G18
sn346812 346812fs
4
LT3468/LT3468-1/LT3468-2
標準的性能特性 注記がない限り、LT3468の曲線の場合は図6の回路が使われ、LT3468-1の曲線の場合は図7の回路が使
われ、LT3468-2の曲線の場合は図8の回路が使われる。
LT3468のスイッチング波形
LT3468-2のスイッチング波形
LT3468-1のスイッチング波形
VIN = 3.6V
VOUT = 100V
VIN = 3.6V
VOUT = 100V
VIN = 3.6V
VOUT = 100V
VSW
10V/DIV
IPRI
1A/DIV
1µs/DIV
VSW
10V/DIV
VSW
10V/DIV
IPRI
1A/DIV
IPRI
1A/DIV
1µs/DIV
3468 G19
LT3468-1のスイッチング波形
LT3468のスイッチング波形
VSW
10V/DIV
IPRI
1A/DIV
VIN = 3.6V
VOUT = 300V
VSW
10V/DIV
VSW
10V/DIV
IPRI
1A/DIV
IPRI
1A/DIV
1µs/DIV
1µs/DIV
3468 G20
3468 G21
LT3468-2のスイッチング波形
VIN = 3.6V
VOUT = 300V
VIN = 3.6V
VOUT = 300V
3468 G24
3468 G23
LT3468/LT3468-1/LT3468-2の
スイッチ・ブレークダウン電圧
10
SWITCH CURRENT (mA)
1µs/DIV
1µs/DIV
3468 G22
SW PIN IS RESISTIVE UNTIL BREAKDOWN
9 VOLTAGE DUE TO INTEGRATED
RESISTORS. THIS DOES NOT INCREASE
8 QUIESCENT CURRENT OF PART
7
T = 25°C
6
5
4
T = –40°C
T = 85°C
3
2
1
VIN = VCHARGE = 5V
0
0
10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
SWITCH VOLTAGE (V)
3468 G25
sn346812 346812fs
5
LT3468/LT3468-1/LT3468-2
ピン機能
ンに直接接続します。
SW (ピン1):スイッチ・ピン。これは内蔵NPNパワー・
スイッチのコレクタです。このピンに接続されるメタ
ル・トレースの面積を小さくしてEMIを抑えます。トラ
ンスの1次側の片方をこのピンに接続します。目標の出
力電圧はトランスの巻数比によって設定されます。
DONE (ピン3):オープンNPNコレクタの通知ピン。目
標の出力電圧に達するとNPNがオンします。このピンに
はプルアップ抵抗または電流源が必要です。
CHARGE (ピン4):充電ピン。デバイスをイネーブルす
るにはこのピンを“H”(>1V)にする必要があります。この
ピンが
“L”
(<0.3V)
から
“H”
(>1V)
に遷移すると、デバイス
は電力供給モードになります。目標の出力電圧に達する
とデバイスは出力の充電を停止します。このピンをトグ
ルすると充電が再開されます。シャットダウンするには
グランドに接続します。充電サイクルの途中でこのピン
を
“L”
にして、いつでも充電を停止することができます。
次式にしたがって巻数比Nを選択します。
N=
VOUT + 2
31. 5
ここで、VOUTは所定の出力電圧です。ショットキー・
ダイオードをGNDからSWに接続する必要があります。
回路が正しく動作するようにアノードをGNDにしま
す。詳細については、「アプリケーション」のセクション
を参照してください。
VIN (ピン5):入力電源ピン。十分な品質のセラミック・
コンデンサを使ってローカルにバイパスする必要があり
ます。入力電源は2.5V以上必要です。
GND (ピン2):グランド。ローカル・グランド・プレー
ブロック図
D1
T1
TO BATTERY
VOUT
PRIMARY
C1
SECONDARY
D2
3
DONE
5
VIN
+
SW
1
R2
60k
Q3
COUT
PHOTOFLASH
CAPACITOR
DCM COMPARATOR
+
ONESHOT
A3
–
+
–
36mV
Q2
Q1
ENABLE
MASTER
LATCH
Q
S
R1
2.5k
Q
R
DRIVER
R
S
Q1
Q
+
A2
–
+
1.25V
REFERENCE
A1
VOUT COMPARATOR
CHARGE
4
20mV
–
ONESHOT
RSENSE
+–
2
GND
CHIP ENABLE
LT3468: RSENSE = 0.015Ω
LT3468-2: RSENSE = 0.022Ω
LT3468-1: RSENSE = 0.03Ω
3486 BD
図1
sn346812 346812fs
6
LT3468/LT3468-1/LT3468-2
動作
LT3468/LT3468-1/LT3468-2はフォトフラッシュ・コンデ
ンサを短時間に効率よく充電するように設計されていま
す。デバイスの動作は図1を参照するとよく理解できま
す。CHARGEピンが最初に“H”にドライブされると、ワ
ンショットが両方のSRラッチを正しい状態に設定しま
す。パワーNPNデバイス(Q1)がオンして、トランスT1
の1次側の電流が直線的に増加し始めます。コンパレー
タA1がスイッチ電流をモニタし、ピーク電流が1.4A
(LT3468)、1A(LT3468-2)、または0.7A(LT3468-1)に達
すると、Q1がオフします。T1はフライバック・トラン
スとして使われているので、SWピンのフライバック・
パルスにより、A3の出力は“H”になります。このように
なるには、SWピンの電圧はVINより少なくとも36mV高
くなる必要があります。
このフェーズのあいだ、電流は2次巻線とダイオードD1
を通ってフォトフラッシュ・コンデンサに供給されま
す。2次側の電流がゼロに減少するとSWピンの電圧は減
衰し始めます。SWピンの電圧がVINより36mV高いレベ
ル以下に下がると、A3( DCMコンパレータ)の出力が
“L”になります。これにより、ワンショットが起動して
Q1を再度オンします。このサイクルが継続して電力を
出力に供給します。
ンし、DONEピンを“L”に引き下げて、デバイスが充電
を完了したことを知らせます。電力供給を再開するには
CHARGEピンをトグルします。
ユーザーはCHARGEピンによってこのデバイスを完全
に制御できます。CHARGEピンを“L”にすることによ
り、いつでも充電を中断することができます。最終出力
電圧に達したときだけDONEピンが“L”になります。こ
れらのモードの実行状態を図2に示します。CHARGEを
最 初 に“ H”に す る と 充 電 が 開 始 さ れ ま す 。 充 電 中 に
CHARGEを“L”にすると、デバイスはシャットダウン
し、VOUTは上昇を止めます。CHARGEを再度“H”にする
と充電が再開されます。目標のVOUT電圧に達すると
DONEピンが“L”に下がり、充電が停止します。最後
に、CHARGEピンが再度“L”に引き下げられるので、デ
バイスはシャットダウン状態になり、DONEピンが“H”
になります。
LT3468-2
VIN = 3.6V
VOUT COUT = 50µF
100V/DIV
VDONE
5V/DIV
出力電圧はR2、R1、Q2、およびコンパレータA2( VOUT
コンパレータ)によって検出されます。SW電圧がVINよ
り31.5V高いときA2の出力が“H”になってマスタ・ラッ
チをリセットするように、抵抗R1とR2の大きさが設定
されています。これにより、Q1がディスエーブルされ
て電力供給が停止されます。NPNトランジスタQ3がオ
VCHARGE
5V/DIV
1s/DIV
3468 F02
図2.CHARGEピンによる充電サイクルの中断
アプリケーション情報
正しいデバイスの選択(LT3468/LT3468-1/LT3468-2)
LT3468の3つのバージョンの唯一の相違点はピーク電流
レベルです。最高速の充電時間を望むなら、LT3468を
使 い ま す 。 LT3468-1は ピ ー ク 電 流 能 力 が 最 も 低 く 、
バッテリ流出を小さく制限する必要のあるアプリケー
ション向けに設計されています。LT3468-1はピーク電
流が低いので、物理的に小さなトランスを使用すること
ができます。LT3468-2の電流制限はLT3468とLT3468-1
の電流制限の中間です。
トランスの設計
フライバック・トランスはLT3468/LT3468-1/LT3468-2の
設計において常に主要な要素です。これは、デバイスの
どのピンにも過大な電流や電圧を生じないように、注意
深く設計してチェックする必要があります。設計を要す
る主要パラメータを表1に示します。
設定する必要のある最初のトランス・パラメータは巻数
比Nです。LT3468/LT3468-1/LT3468-2はSWピンのフラ
イバック波形をモニタすることによって出力電圧を検出
します。SW電圧がVIN電圧よりも31.5V高いレベルに達
すると、デバイスは電力供給を停止します。このよう
に、Nを選択すると、出力からSWピンに反射される電
圧の振幅が変わるので、目標とする出力電圧が設定され
ます。次式にしたがってNを選択します。
N=
VOUT + 2
31. 5
sn346812 346812fs
7
LT3468/LT3468-1/LT3468-2
アプリケーション情報
ここで、VOUTは所期の出力電圧です。分子の数字2は出
力ダイオード両端の電圧降下の効果を含めるために使わ
れています。
このように、320Vの出力の場合、Nは322/31.5( つまり
10.2)にします。300Vの出力の場合は、302/31.5( つまり
9.6)に等しいNを選択します。
設定する必要のある次のパラメータは1次側インダクタ
ンスLPRIです。次式にしたがってLPRIを選択します。
LPRI ≥
VOUT • 200 • 10 −9
N • IPK
ここで、VOUTは所期の出力電圧です。Nはトランスの巻
数比です。IPKは1.4 (LT3468)、0.7 (LT3468-1)、または1.0
(LT3468-2)です。
LT3468/LT3468-1/LT3468-2がフライバック波形に対して
応答する十分な時間を与えるため、LPRIはこの値以上に
する必要があります。
他のすべてのパラメータは表1に示されている推奨リ
ミット値に合致するか、それを超える必要があります。
LT3468/LT3468-1/LT3468-2のパワー・スイッチがオフす
るとき、トランスの1次側の漏れインダクタンスによ
り、SWピンに電圧スパイクが生じます。SWピンの絶対
最大定格は50Vですが、このスパイクの高さは40Vを超
してはいけません。50Vの絶対最大定格はDCブロッキ
ング電圧の規格値で、パワーNPNを流れる電流はゼロで
あると仮定しています。図6の回路(LT3468)のSW電圧
波形を図3に示します。SWピンの絶対最大定格を超えて
いないことに注意してください。VOUTが目標出力電圧
に近い状態がSW電圧の最悪条件なので、必ずこの状態
でSW電圧波形をチェックしてください。スイッチをオフ
するときのSW電圧の個々のリミットを図4に示します。
漏れインダクタンスを非常に低いレベルにまで下げない
ことが重要です。漏れインダクタンスを非常に低いレベ
ルに下げるとSWピンの漏れスパイクは非常に低くなる
でしょうが、トランスの寄生容量が大きくなるでしょ
う。こうなると、フォトフラッシュ回路の充電時間に悪
影響を与えます。
リニアテクノロジー社は、LT3468/LT3468-1/LT3468-2と
一緒に使用するために予め設計されたフライバック・ト
ランスを製作するため、主要な磁気部品メーカー数社と
協力してきました。これらのいくつかのトランスの詳細
を表2に示します。
表1.トランスの推奨パラメータ
PARAMETER
NAME
LPRI
Primary Inductance
LLEAK
Primary Leakage Inductance
TYPICAL RANGE
LT3468
TYPICAL RANGE
LT3468-1
TYPICAL RANGE
LT3468-2
>5
>10
>7
µH
100 to 300
200 to 500
200 to 500
nH
UNITS
N
Secondary: Primary Turns Ratio
8 to 12
8 to 12
8 to 12
VISO
Secondary to Primary Isolation Voltage
>500
>500
>500
V
ISAT
Primary Saturation Current
>1.6
>0.8
>1.0
A
RPRI
Primary Winding Resistance
<300
<500
<400
mΩ
RSEC
Secondary Winding Resistance
<40
<80
<60
Ω
VIN = 5V
VOUT = 320V
“B”
“A”
VSW
50Vより低く
なければならない
40Vより低く
なければならない
VSW
10V/DIV
0V
3420 F07
100ns/DIV
3468 G18
図3.LT3468のSW電圧波形
図4.新しいトランスの設計チェック(実際の大きさではない)
sn346812 346812fs
8
LT3468/LT3468-1/LT3468-2
アプリケーション情報
表2.予め設計されたトランス - 注記がない限り標準値
FOR USE WITH
LT3468/LT3468-2
LT3468-1
LT3468
LT3468-1
LT3468-2
LT3468/LT3468-1
LT3468-1
SIZE
(W × L × H) mm
LPRI
(µH)
LPRI-LEAKAGE
TRANSFORMER NAME
(nH)
N
RPRI
(mΩ)
RSEC
(Ω)
SBL-5.6-1
SBL-5.6S-1
5.6 × 8.5 × 4.0
5.6 × 8.5 × 3.0
10
24
200 Max
400 Max
10.2
10.2
103
305
26
55
LDT565630T-001
LDT565630T-002
LDT565630T-003
5.8 × 5.8 × 3.0
5.8 × 5.8 × 3.0
5.8 × 5.8 × 3.0
6
14.5
10.5
200 Max
500 Max
550 Max
10.4
10.2
10.2
100 Max 10 Max
240 Max 16.5 Max
210 Max 14 Max
TDK
Chicago Sales Office
(847) 803-6100 (ph)
www.components.tdk.com
T-15-089
T-15-083
6.4 × 7.7 × 4.0
8.0 × 8.9 × 2.0
12
20
400 Max
500 Max
10.2
10.2
211 Max 27 Max
675 Max 35 Max
Tokyo Coil Engineering
Japan Office
0426-56-6262 (ph)
www.tokyo-coil.co.jp
コンデンサの選択
入力バイパス・コンデンサには高品質のX5RまたはX7R
のタイプを使います。デバイスの電圧定格が十分である
ことを確認します。
出力ダイオードの選択
整流ダイオードは逆電圧定格と順方向電流定格が十分な
低容量タイプにします。ダイオードに加わるピーク逆電
圧はおよそ次式で与えられます。
VPK −R = VOUT + (N • VIN )
VENDOR
Kijima Musen
Hong Kong Office
852-2489-8266 (ph)
[email protected] (email)
図 6の回路でVINが 5Vのとき、VPK-Rは371V、IPK-SECは
137mAです。LT3468/LT3468-1/LT3468-2のほとんどのア
プリケーションにはGSD2004Sのデュアル・シリコン・
ダイオードを推奨します。別の選択肢としては、
BAV23Sデュアル・シリコン・ダイオードを使います。
東芝は1SS306という名称のデュアル・ダイオードを製
造していますが、これもすべての要件を満たします。
CRF02は 逆 電 圧 定 格 が 800Vの シ ン グ ル ・ ダ イ オ ー ド
で、これも適しています。いくつかのダイオードとその
仕様を表3に示します。必要な逆方向ブレークダウン電
圧を達成するのに十分な個数のダイオードを使います。
ダイオードのピーク電流は簡単に計算できます。
SWピンのクランプ・ダイオードの選択
図6のダイオードD2はSWノードをクランプするのに必
要です。LT3468/LT3468-1/LT3468-2の新しい制御方式に
より、SWノードはスイッチ・サイクルのあいだグラン
ドより下に下がることがあります。クランプ・ダイオー
ドはSWノードがグランドより下に下がり過ぎるのを防
ぎます。
1.4
IPK −SEC =
(LT3468)
N
IPK −SEC =
1.0
(LT3468-2)
N
IPK −SEC =
0.7
(LT3468-1)
N
表3.推奨出力ダイオード
MAX REVERSE VOLTAGE
(V)
MAX FORWARD CONTINUOUS CURRENT
(mA)
CAPACITANCE
(pF)
GSD2004S
(Dual Diode)
2x300
225
5
Vishay
(402) 563-6866
www.vishay.com
BAV23S
(Dual Diode)
2x250
225
5
Philips Semiconductor
(800) 234-7381
www.philips.com
1SS306
(Dual Diode)
CRF02
2x250
100
3
1x800
500
Not Specified
Toshiba
(949) 455-2000
www.semicon.toshiba.co.jp
PART
VENDOR
sn346812 346812fs
9
LT3468/LT3468-1/LT3468-2
アプリケーション情報
ダイオードは回路の正常動作に必要です。ピーク順方向
電流能力が少なくとも500mAあるショットキー・ダイ
オードを推奨します。ダイオードの順方向電圧降下は
500mAの順方向電流で少なくとも600mV以下にします。
逆方向電圧定格は40V以上にします。推奨クランプ・ダ
イオードを表4に示します。
表4.推奨クランプ・ダイオード
MAX REVERSE VOLTAGE
(V)
VENDOR
40
B0540W
Zetex
(631) 360-2222
www.zetex.com
40
MA2Z720
Diodes Inc.
(805) 446-4800
www.diodes.com
40
VIN
C1
R1
CHARGE
4
3
•
2
Panasonic
(408) 487-9510
www.panasonic.co.jp
基板のレイアウト
LT3468/LT3468-1/LT3468-2は高電圧で動作するので、基
板のレイアウトには細心の注意が必要です。レイアウト
に注意を払わないと記載されているとおりの性能を得ら
れません。推奨部品配置を図5に示します。
D1
(DUAL DIODE)
DONE
5
T1
SECONDARY
ZHCS400
PRIMARY
PART
2次側の高電圧端の面積をできるだけ小さくします。回
路基板のブレークダウン電圧の要件を満たすため、すべ
ての高電圧ノードには最小間隔より広い間隔がとられて
いることに注意してください。C1、T1の1次側、および
LT3468/LT3468-1/LT3468-2で形成される電気経路はでき
るだけ短くすることが不可欠です。この経路を不注意に
長くすると、T1の漏れインダクタンスが実効的に増加
し、SWピンに過電圧状態が生じるおそれがあります。
•
COUT
PHOTOFLASH
CAPACITOR
+
1
D2
3468 F05
図5.推奨レイアウト:C1、トランスの1次側、および
LT3468/LT3468-1/LT3468-2で形成される経路は短くする
標準的応用例
T1
1:10.2
VIN
2.5V TO 8V
C1
4.7µF
D1
1
4
2
5
320V
+
R1
100k
DONE
CHARGE
SW
VIN
COUT
PHOTOFLASH
CAPACITOR
D2
LT3468
DONE
T1
1:10.2
VIN
2.5V TO 8V
C1
4.7µF
R1
100k
CHARGE
CHARGE
4
5
3
6
320V
+
DONE
GND
D1
VIN
SW
COUT
PHOTOFLASH
CAPACITOR
D2
LT3468-1
GND
DONE
CHARGE
3468 F06
C1: 4.7µF, X5R OR X7R, 10V
T1: KIJIMA MUSEN PART# SBL-5.6-1, LPRI = 10µH, N = 10.2
D1: VISHAY GSD2004S DUAL DIODE CONNECTED IN SERIES
D2: ZETEX ZHCS400 OR EQUIVALENT
R1: PULL UP RESISTOR NEEDED IF DONE PIN USED
図6.LT3468フォトフラッシュ・チャージャに
高さ4mmの高効率トランスを使用
C1: 4.7µF, X5R OR X7R, 10V
T1: KIJIMA MUSEN PART# SBL-5.6S-1, LPRI = 24µH, N = 10.2
D1: VISHAY GSD2004S DUAL DIODE CONNECTED IN SERIES
D2: ZETEX ZHCS400 OR EQUIVALENT
R1: PULL UP RESISTOR NEEDED IF DONE PIN USED
3468 F07
図7.LT3468-1フォトフラッシュ・チャージャに
高さ3mmの高効率トランスを使用
sn346812 346812fs
10
LT3468/LT3468-1/LT3468-2
標準的応用例
T1
1:10.2
VIN
2.5V TO 8V
C1
4.7µF
D1
5
4
8
1
320V
+
SW
VIN
R1
100k
COUT
PHOTOFLASH
CAPACITOR
D2
LT3468-2
GND
DONE
DONE
CHARGE
CHARGE
C1: 4.7µF, X5R OR X7R, 10V
T1: TDK LDT565630T-003 LPRI = 10.5µH, N = 10.2
D1: VISHAY GSD2004S DUAL DIODE CONNECTED IN SERIES
D2: ZETEX ZHCS400 OR EQUIVALENT
R1: PULL UP RESISTOR NEEDED IF DONE PIN USED
3468 F08
図8.LT3468-2フォトフラッシュ・チャージャに
高さ3mmの高効率トランスを使用
パッケージ寸法
S5パッケージ
5ピン・プラスチックTSOT-23
(Reference LTC DWG # 05-08-1635)
0.62
MAX
0.95
REF
2.90 BSC
(NOTE 4)
1.22 REF
1.4 MIN
3.85 MAX 2.62 REF
2.80 BSC
1.50 – 1.75
(NOTE 4)
PIN ONE
RECOMMENDED
SOLDER PAD LAYOUT
IPC CALCULATORを使った
PER IPC CALCULATOR
推奨半田パッド・レイアウト
0.30 – 0.45 TYP
5 PLCS (NOTE 3)
0.95 BSC
0.80 – 0.90
0.20 BSC
0.01 – 0.10
1.00 MAX
DATUM ‘A’
0.30 – 0.50 REF
0.09 – 0.20
(NOTE 3)
NOTE:
NOTE:
ARE IN MILLIMETERS
1. DIMENSIONS
寸法はミリメートル
NOT TO SCALE
2. DRAWING
図は実寸とは異なる
ARE INCLUSIVE OF PLATING
3. DIMENSIONS
寸法には半田を含む
ARE EXCLUSIVE OF MOLD FLASH AND METAL BURR
4. DIMENSIONS
寸法にはモールドのバリやメタルのバリを含まない
FLASH SHALL NOT EXCEED 0.254mm
5. MOLD
モールドのバリは0.254mmを超えてはならない
PACKAGE REFERENCE IS MO-193
6. JEDEC
JEDECパッケージ参照番号はMO-193
1.90 BSC
S5 TSOT-23 0302
sn346812 346812fs
リニアテクノロジー・コーポレーションがここで提供する情報は正確かつ信頼できるものと考えておりますが、
その使用に関する責務は一切
負いません。
また、
ここに記載された回路結線と既存特許とのいかなる関連についても一切関知いたしません。
なお、
日本語の資料はあくまで
も参考資料です。
訂正、
変更、
改版に追従していない場合があります。
最終的な確認は必ず最新の英語版データシートでお願いいたします。
11
LT3468/LT3468-1/LT3468-2
標準的応用例
LT3468フォトフラッシュ回路に高さ3mmの小型トランスを使用
T1
1:10.4
C1
4.7µF
充電時間
D1
5, 6
4
7, 8
1
9
8
+
R1
100k
3
DONE
4
CHARGE
5
1
VIN
SW
COUT
PHOTOFLASH
CAPACITOR
D2
LT3468
2
GND
DONE
10
320V
CHARGE TIME (s)
VIN
2.5V TO 8V
CHARGE
7
6
5
4
COUT = 100µF
3
2
COUT = 50µF
1
C1: 4.7µF, X5R OR X7R, 10V
T1: TDK PART# LDT565630T-001, LPRI = 6µH, N = 10.4
D1: VISHAY GSD2004S DUAL DIODE CONNECTED IN SERIES
D2: ZETEX ZHCS400 OR EQUIVALENT
R1: PULL UP RESISTOR NEEDED IF DONE PIN USED
0
2
3
4
5
6
VIN (V)
3468 TA03
7
8
9
3468 TA05
LT3468-1フォトフラッシュ回路に高さ3mmの小型トランスを使用
T1
1:10.2
C1
4.7µF
充電時間
D1
5
4
8
1
9
+
R1
100k
DONE
CHARGE
3
4
10
320V
5
1
VIN
SW
8
COUT
PHOTOFLASH
CAPACITOR
D2
LT3468-1
2
GND
DONE
CHARGE
C1: 4.7µF, X5R OR X7R, 10V
T1: TDK PART# LDT565630T-002, LPRI = 14.5µH, N = 10.2
D1: VISHAY GSD2004S DUAL DIODE CONNECTED IN SERIES
D2: ZETEX ZHCS400 OR EQUIVALENT
R1: PULL UP RESISTOR NEEDED IF DONE PIN USED
CHARGE TIME (s)
VIN
2.5V TO 8V
7
6
5
4
COUT = 50µF
3
2
1
COUT = 20µF
0
2
3468 TA04
3
4
5
6
VIN (V)
7
8
9
3468 TA06
関連製品
製品番号
説明
LTC3407
デュアル600mA
(IOUT)
、
1.5MHz、
同期式降圧DC/DCコンバータ 96%の効率、VIN:2.5V∼5.5V、
VOUT(MIN):0.6V、
IQ:40µA、ISD:<1µA、MS10E
LT3420/LT3420-1 1.4A/1A、フォトフラッシュ・コンデンサ・チャージャ、
自動トップオフ付き
LTC3425
注釈
5Vで220µFを3.7秒で320Vまで充電、
VIN:2.2V∼16V、IQ:90µA、ISD:<1µA、MS10
5A ISW、8MHz、マルチフェーズ同期式昇圧DC/DCコンバータ 95%の効率、VIN:0.5V∼4.5V、
VOUT(MIN):5.25V、
IQ:12µA、ISD:<1µA、QFN-32
LTC3440/LTC3441 600mA/1A (IOUT)、同期式降圧/昇圧DC/DCコンバータ
95%の効率、VIN:2.5V∼5.5V、
VOUT(MIN):2.5V∼
DFN-12
5.5V、IQ:25µA、ISD:<1µA、MS-10、
sn346812 346812fs
12
リニアテクノロジー株式会社
〒102-0094 東京都千代田区紀尾井町3-6秀和紀尾井町パークビル8F
TEL 03-5226-7291• FAX 03-5226-0268 • www.linear-tech.co.jp
0304 0.2K • PRINTED IN JAPAN
 LINEAR TECHNOLOGY CORPORATION 2004