LTC3400/LTC3400B ThinSOTの600mA 1.2MHzマイクロパワー同期整流式 昇圧コンバータ 特長 ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ 概要 LTC®3400/LTC3400Bは、6ピンThinSOTパッケージで高 効率を達成する同期整流式固定周波数昇圧DC/DCコン バータです。単一AAセル入力から3.3V/100mAを供給可 能で、NMOSスイッチとPMOS同期整流器を内蔵してい ます。 最大効率:92% 単一AAセルから3.3V/100mAを生成 低い起動電圧:0.85V 1.2MHzの固定周波数スイッチング 同期整流器内蔵 2.5V∼5Vの出力範囲 自動バースト・モード®動作(LTC3400) 軽負荷で連続スイッチング(LTC3400B) ロジック制御のシャットダウン(<1µA) アンチリンギング制御によりEMIを最小化 小型の外付け部品 高さの低い(1mm)ThinSOTTMパッケージ スイッチング周波数が1.2MHzと高いので、高さの低い 小型インダクタやセラミック・コンデンサを使用するこ とができ、実装面積を最小限に抑えることができます。 内部で補償されている電流モードのPWM設計なので、 外付け部品数を削減できます。LTC3400は軽負荷時に省 電力バースト・モード動作に自動的に移行し、 LTC3400Bは軽負荷時に連続スイッチングで動作しま す。アンチリンギング制御回路により、不連続モードで インダクタが減衰されるので、EMIが低減されます。さ らに、これらのデバイスのシャットダウン電流は1µA以 下です。 アプリケーション ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ページャ MP3プレイヤ デジタル・カメラ LCDバイアス電源 携帯機器 ワイヤレス受話器 GPSレシーバ 両方のデバイスとも、高さの低い(1mm)ThinSOTパッ ケージで供給されます。 、LTC、LTおよびBurst Modeはリニアテクノロジー社の登録商標です。 ThinSOTはリニアテクノロジー社の商標です。 標準的応用例 効率 L1 4.7µH SINGLE AA CELL C1 4.7µF VIN = 2.4V 1 6 90 SW VIN VOUT 5 LTC3400 OFF ON 4 SHDN FB GND 2 C1, C2: TAIYO-YUDEN X5R EMK316BJ475ML L1: COILCRAFT DO160C-472 3 R1 1.02M 1% R2 604k 1% VOUT 3.3V 100mA C2 4.7µF 3400 F01 EFFICIENCY (%) + 100 VIN = 1.5V 80 70 60 50 FIGURE 1 CIRCUIT WITH OPTIONAL SCHOTTKY DIODE (SEE APPLICATIONS INFORMATION) 40 0.1 図1.単一セルからの3.3V同期整流式昇圧コンバータ 1 10 100 LOAD CURRENT (mA) 1000 3400 F01a 3400f 1 LTC3400/LTC3400B パッケージ/発注情報 絶対最大定格 (Note 1) VIN電圧 ......................................................... −0.3V∼6V SW電圧 ........................................................ −0.3V∼6V SHDN、FB電圧 ........................................... −0.3V∼6V VOUT ............................................................. −0.3V∼6V 動作温度範囲 (Note 2) .............................. −30℃∼85℃ 保存温度範囲 .......................................... −65℃∼125℃ リード温度 (半田付け、10秒) ................................ 300℃ ORDER PART NUMBER TOP VIEW SW 1 GND 2 FB 3 6 VIN LTC3400ES6 LTC3400BES6 5 VOUT 4 SHDN S6 PART MARKING S6 PACKAGE 6-LEAD PLASTIC SOT-23 LTWK LTUN TJMAX = 125°C, θJA = 256°C/W より広い動作温度範囲で規定されるデバイスについては、弊社へお問い合わせ ください。 電気的特性 ●は全動作温度範囲の規格値を意味する。それ以外はTA=25℃での値。別途規定されない限り、VIN = 1.2V、VOUT = 3.3V。 PARAMETER CONDITIONS Minimum Start-Up Voltage ILOAD = 1mA Minimum Operating Voltage SHDN = VIN (Note 4) MIN Output Voltage Adjust Range TYP MAX 0.85 1 0.5 0.65 V 5 V 2.5 Feedback Voltage ● 1.192 1.23 Feedback Input Current VFB = 1.25V (Note 3) 1 Quiescent Current (Burst Mode Operation) VFB = 1.4V (Note 5), LTC3400 Only 19 Quiescent Current (Shutdown) VSHDN = 0V, Not Including Switch Leakage Quiescent Current (Active) Measured On VOUT NMOS Switch Leakage VSW = 5V 1.268 UNITS V V nA 30 µA 0.01 1 µA 300 500 µA 0.1 5 µA 5 µA PMOS Switch Leakage VSW = 0V 0.1 NMOS Switch On Resistance VOUT = 3.3V VOUT = 5V 0.35 0.20 Ω Ω PMOS Switch On Resistance VOUT = 3.3V VOUT = 5V 0.45 0.30 Ω Ω NMOS Current Limit 850 mA Burst Mode Operation Current Threshold LTC3400 Only (Note 3) 600 3 mA Current Limit Delay to Output (Note 3) 40 ns Max Duty Cycle VFB = 1.15V ● 80 87 ● 0.95 0.85 1.2 1.2 Switching Frequency SHDN Input High 1 VSHDN = 5.5V Note1: 絶対最大定格はそれを超えるとデバイスの寿命に影響を及ぼす値。 Note2: LTC3400E/LTC3400BEは、0℃∼70℃の温度範囲で性能仕様に適合す ることが保証されている。−30℃∼85℃の動作温度範囲での仕様は設計、特性 評価および統計学的なプロセス・コントロールとの相関で確認されている。 MHz MHz V SHDN Input Low SHDN Input Current % 1.5 1.5 0.01 0.35 V 1 µA Note4: 起動後の最小VIN動作は、バッテリが深い放電状態に入ったとき必要な 電力を提供できるかどうかによってだけ制限される。 Note5: バースト・モード動作時のIQはVOUTで測定される。この値にVOUT/VINを 掛けると、等価入力(バッテリ)電流が得られる。 Note3: 仕様は設計によって保証されており、製造時に全数テストはおこなわれ ない。 3400f 2 LTC3400/LTC3400B 標準的性能特性 出力負荷バースト・モード・ スレッショルドとVIN 最小起動電圧と負荷電流 VOUTと温度 3.36 L = 4.7µH TA = 25°C 1.4 FIGURE 1 CIRCUIT IO = 10mA 1.3 START-UP VOLTAGE (V) VOUT = 3.3V VOUT = 5V 3.32 VOUT (V) OUTPUT CURRENT (mA) 3.34 20 3.30 10 3.28 0.9 1.5 2.1 2.7 VIN (V) 3.3 3.9 3.24 –60 4.5 1.1 1.0 0.8 –30 0 30 60 TEMPERATURE (°C) 90 0.1 120 1 10 IOUT (mA) CURRENT SOURCE LOAD 3400 G02 3400 G01 無負荷バッテリ電流とVBATT 1000 1.2 0.9 3.26 0 TA = 25°C 100 3400 G03 SWピンのアンチリンギング動作 正規化された発振周波数と温度 1.01 VOUT = 3.3V TA = 25°C NORMALIZED FREQUENCY BATTERY CURRENT (µA) 1.00 100 0.99 VSW 1V/DIV 0.98 0.97 0V 0.96 10 0.9 1.2 1.5 1.8 2.1 2.4 BATTERY VOLTAGE (V) 2.7 0.95 –50 –30 3.0 30 50 –10 10 TEMPERATURE (°C) 3400 G04 固定周波数と バースト・モード動作 VSW 1V/DIV 3400 G07 3400 G06 VOUT過渡応答 VOUT(AC) 100mV/DIV VOUT(AC) 100mV/DIV 60mA 100mA IOUT 40mA IOUT 0V 100ns/DIV 90 100ns/DIV 3400 G05 SWピンの固定周波数、 連続インダクタ電流動作 VIN = 1.3V VOUT = 3.3V IOUT = 50mA L = 6.8µH COUT = 4.7µF 70 VIN = 1.3V VOUT = 3.3V IOUT = 10mA L = 6.8µH COUT = 4.7µF 10µA VIN = 1.3V 10ms/DIV VOUT = 3.3V IOUT = 60mA TO 10µA L = 6.8µH COUT = 4.7µF 3400 G08 VIN = 1.3V 100µs/DIV VOUT = 3.3V IOUT = 40mA TO 100mA L = 6.8µH COUT = 4.7µF 3400 G09 3400f 3 LTC3400/LTC3400B ピン機能 SHDN =“L”:シャットダウン時消費電流:<1µA。 SWとVIN間に100Ωを接続します。 SW (ピン1):スイッチ・ピン。SWとVIN間にインダクタ を接続します。オプションのショットキ・ダイオードは SWとVOUT間に接続します。これらのPCBトレースの長 さをできるだけ短くし、幅をできるだけ広くしてEMIと 電圧のオーバーシュートを減らします。インダクタ電流 がゼロになるか、SHDNが“L”に引き下げられると、内 部の100Ωアンチリンギング・スイッチがSWからVINに 接続されてEMIを抑えます。 通常、SHDNは1Mのプルアップ抵抗を介してVINに接続 します。 VOUT(ピン5):出力電圧センス入力および内部同期整流 器MOSFETのソース。バイアスはVOUTから供給されま す。VOUTからフィルタ・コンデンサまでのPCBトレー スの長さをできるだけ短くし、幅をできるだけ広くしま す。VOUTは、内部PMOSのボディー・ダイオードによ り、シャットダウン時にはVIN −0.6Vに保たれます。 GND (ピン2):信号と電源のグランド。GNDと、出力コ ンデンサの(−)側を短いPCBパスで直接接続します。 FB (ピン3):gm誤差アンプの帰還入力。抵抗分割器の タップをこのピンに接続します。出力電圧は、2.5V∼ 5Vの範囲で次のように調整できます。 VIN (ピン6):バッテリ入力電圧。 デバイス起動バイアス をVINから供給されます。VOUTがVINを超えると、バイ アスはVOUTから供給されます。したがって、一度起動 すると、動作は完全にVINに依存しなくなります。動作 は出力電力レベルとバッテリの内部直列抵抗によってだ け制限されます。 VOUT = 1.23V • [1 + (R1/R2)] SHDN (ピン4):ロジック制御のシャットダウン入力。 SHDN =“H”:通常の自走動作。1.2MHzの標準動作周 波数。 ブロック図 L1 4.7µH SINGLE CELL INPUT CIN 1µF 6 VIN 1 SW OPTIONAL SCHOTTKY + + VOUT GOOD – START-UP OSC A 2.3V A/B MUX B 5 SYNC DRIVE CONTROL PWM CONTROL RAMP GEN 1.2MHz 3.3V OUTPUT VOUT 0.45Ω R1 1.02M 1% (EXTERNAL) CURRENT SENSE Σ SLOPE COMP 0.35Ω PWM COMPARATOR – – + FB CC 150pF SHDN 4 SHUTDOWN CONTROL SHUTDOWN + SLEEP – RC 80k Burst Mode OPERATION CONTROL 3 1.23V REF gm ERROR AMP CP2 2.5pF COUT 4.7µF R2 604k 1% (EXTERNAL) 2 GND 3400 BD 3400f 4 LTC3400/LTC3400B 動作 LTC3400/LTC3400Bは1.2MHz同期整流式昇圧コンバー タで、6ピンのThinSOTパッケージで供給されます。1V 以下の入力電圧でも動作可能で、固定周波数の電流モー ドPWM制御機能を備えており、ラインと負荷のレギュ レーションが非常に優れています。RDS(ON)とゲート電 荷の低い内部MOSFETスイッチを使って、広い負荷電流 範囲で高い効率を維持します。3つの異なる動作モード の詳細について、以下説明します。ブロック図を参照す ると、動作をよく理解できます。 低電圧での起動 LTC3400/LTC3400Bは0.85V以上の標準VIN電圧で起動し ます。低電圧起動回路は内部NMOSスイッチを、850mA (標準)の最大ピーク・インダクタ電流まで制御し、起動 時に約1.5µsのオフ時間を与え、デバイスが出力負荷に 対応できるようにします。VOUTが2.3Vを超すと、起動 回路は無効になり、通常の固定周波数PWM動作が開始 されます。このモードでは、LTC3400/LTC3400BはVIN に依存しないで動作し、出力電圧の安定化に影響を与え ることなく、バッテリは10分の数ボルト垂下することが できるので、動作時間が延長されます。出力に十分なエ ネルギーを供給するバッテリの能力がアプリケーション の制限要因となります。 低ノイズ固定周波数動作 発振器:動作周波数は内部で1.2MHzに設定されていま す。 誤差アンプ:誤差アンプは内部補償されたトランスコン ダクタンス・タイプ(電流出力)で、トランスコンダクタ ンス(gm) = 33マイクロシーメンスです。内部の1.23Vリ ファレンス電圧がFBピンの電圧と比較され、誤差アン プの出力に誤差信号が発生します。VOUTからグランド への電圧分割器は、次式に従って、出力電圧をFB経由 で2.5V∼5Vにプログラムします。 VOUT = 1.23V • [1 + (R1/R2)] 電流センス:NMOSスイッチ電流を表す信号はスロープ 補償に加算されます。この加算された信号が誤差アンプ 出力と比較され、PWMのためのピーク電流制御コマン ドを出力します。ピーク・スイッチ電流は入力電圧や出 力電圧とは無関係に約850mAに制限されます。電流信号 は40nsのあいだ消去され、ノイズ除去を向上させます。 ゼロ電流コンパレータ:ゼロ電流コンパレータは出力へ のインダクタ電流をモニタし、この電流が約20mAに下 がると同期式整流器をシャットオフします。これによ り、インダクタ電流が極性を反転させるのを防止し、軽 負荷での効率を改善します。 アンチリンギング制御:アンチリンギング制御回路は、 (SWピンの容量)によって形成される共振回路を LとCSW 減衰させることにより、インダクタ電流がゼロになると きのSWピンの高周波リンギングを防止します。 バースト・モード動作 携帯用機器は低電力またはスタンバイ・モードで長時間 経過することが多く、特定の機能が有効になったときだ け、高電力消費状態に切り替わります。この種の製品の バッテリ寿命を改善するには、広い出力電力範囲で電力 コンバータの効率を高く維持する必要があります。中負 荷や重負荷での高効率に加えて、LTC3400には自動バー スト・モード動作が備わっており、軽負荷での電力コン バータの効率を改善します。内部でプログラムされたス レッショルドよりも出力負荷電流が低くなると、バース ト・モード動作が開始されます(標準的性能特性の「出力 負荷バースト・モード・スレッショルドとVIN」のグラフ を参照してください)。一旦開始されると、バースト・ モード動作の回路はデバイスの大部分をシャットダウン し、出力電圧をモニタするのに必要な回路だけを動作状 態に保ちます。これはスリープ状態と呼ばれます。ス リープ状態では、LTC3400は出力コンデンサから19µA しか流さず、効率を大幅に改善します。出力電圧が公称 値から1%ほど垂下すると、LTC3400は覚醒し、通常の PWM動作を開始します。出力コンデンサは再充電さ れ、出力負荷がスリープ・スレッショルドより下に留ま ると、LTC3400はスリープ状態に戻ります。この間欠的 PWM、つまりバースト動作の頻度は負荷電流に比例し ます。つまり、負荷電流がバースト・スレッショルドよ りさらに低くなるにつれ、LTC3400がターンオンする頻 度は少なくなります。負荷電流がバースト・スレッショ ルドを超すと、LTC3400は連続PWM動作をシームレス に再開します。LTC3400Bはバースト・モード動作を使 わず、軽負荷でも連続動作を行い、軽負荷での効率を犠 牲にして低周波数の出力電圧リップルを除去します。 3400f 5 LTC3400/LTC3400B アプリケーション情報 VIN =1.2V 180 OUTPUT CURRENT (mA) PCBレイアウトのガイドライン LTC3400/LTC3400Bは高速で動作するので、ボードのレ イアウトに細心の注意が必要です。レイアウトに注意を 払わないと記載されているとおりの性能を得られませ ん。図2 に推奨部品配置を示します。グランド・ピンの 銅面積を大きくすると、チップの温度を下げるのに役立 ちます。別のグランド・プレーンを備えた多層基板が理 想ですが、絶対必要だというわけではありません。 VOUT = 3V VOUT = 3.3V 160 VOUT = 3.6V 140 120 VOUT = 5V 110 80 60 3 (OPTIONAL) 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23 INDUCTANCE (µH) 3400 F03 VIN 1 SW VIN 6 2 GND VOUT 5 3 FB SHDN 4 図3.90%効率をベースにした最大 出力電流とインダクタンス SHDN VOUT 3400 F02 推奨部品配置。高電流を流すトレースは真っ直ぐに RECOMMENDED COMPONENT PLACEMENT. TRACES する。FBピンの面積は小さくする。バッテリへの CARRYING HIGH CURRENT ARE DIRECT. TRACE AREA AT リードの長さは短くする。 FB PIN IS SMALL. LEAD LENGTH TO BATTERY IS SHORT 図2.単層基板の推奨部品配置。 V •D IOUT(MAX) = η • IP – IN • (1 – D) f • L • 2 ここで、 η = 推定効率 IP = ピーク電流制限値 (0.6A) VIN = 入力(バッテリ)電圧 D = 定常状態のデューティ比 = (VOUT - VIN)/VOUT f = スイッチング周波数(標準1.2MHz) 部品の選択 インダクタの選択 LTC3400/LTC3400Bのスイッチング周波数は1.2MHzと 高速なので、これらには小型表面実装インダクタとチッ プ・インダクタを利用することができます。3.6V以下の アプリケーションには最小3.3µHのインダクタンス値が 必要で、3.6Vを超す出力電圧には4.7µHが必要です。大 きな値のインダクタンスでは、インダクタ・リップル電 流が減るので、出力電流能力を増やすことができます。 インダクタンスが10µHを超すと、サイズが大きくなる だけで、出力電流能力はほとんど改善されません。 LTC3400/LTC3400Bのおよその出力電流能力とインダク タンス値の関係は次式で与えられ、図3に図示されてい ます。 L = インダクタンス値 インダクタ電流リップルは一般に最大インダクタ電流 (IP)の20%∼40%に設定されます。高周波用フェライ ト・コアのインダクタ素材は、安価な鉄粉タイプに比べ て、周波数に依存した電力損失を減らして効率を上げま す。インダクタは、I2R電力損失を減らすために、ESR (巻線の直列抵抗)が低く、また飽和せずにピーク・イン ダクタ電流を流すことができなければなりません。モー ルド型チョークコイルやチップ・インダクタは、 LTC3400/LTC3400Bで見られる850mAのピーク・インダ クタ電流に対応するのに十分なコアを一般に持っていま せん。放射ノイズを抑えるために、トロイド、壷型コ ア、またはシールドされたボビン・インダクタを使用し てください。推奨部品と供給元については、表1を参照 してください。 3400f 6 LTC3400/LTC3400B アプリケーション情報 表1.推奨インダクタ PART L (µH) HEIGHT (mm) 2.0 2.0 1.8 1.8 3.5 3.5 0.8 0.8 Sumida (847) 956-0666 www.sumida.com VENDOR CDRH5D18-4R1 CDRH5D18-100 CDRH3D16-4R7 CDRH3D16-6R8 CR43-4R7 CR43-100 CMD4D06-4R7MC CMD4D06-3R3MC 4.7 10 4.7 3.3 57 124 105 170 109 182 216 174 DS1608-472 DS1608-103 DO1608C-472 4.7 10 4.7 60 75 90 2.9 2.9 2.9 Coilcraft (847) 639-6400 www.coilcraft.com D52LC-4R7M D52LC-100M 4.7 10 84 137 2.0 2.0 Toko (408) 432-8282 www.tokoam.com LQH3C4R7M24 4.1 10 4.7 MAX DCR mΩ 4.7 195 2.2 Murata www.murata.com 出力コンデンサと入力コンデンサの選択 出力電圧リップルを下げるため、低ESR(等価直列抵抗) のコンデンサを使います。多層セラミック・コンデンサ はESRが非常に小さく、実装面積の小さいものが入手で きるので最適です。ほとんどのアプリケーションでは 2.2µF∼10µFの出力コンデンサで十分です。最大22µFま での大きな値を使って、非常に低い出力電圧リップルと 改善された過渡応答を得ることもできます。10µFを超え る出力コンデンサの場合、許容できる位相マージンを保 つために追加の位相リード・コンデンサが必要になるか もしれません。X5R誘電体とX7R誘電体は広い電圧範囲 と温度範囲にわたって容量を保持するので、素材として 適しています。 低ESR入力コンデンサは入力スイッチング・ノイズを減 らし、バッテリから流れるピーク電流を減らします。セ ラミック・コンデンサは入力デカップリング用に最適 で、デバイスにできるだけ近づけて配置します。実際上 どんなアプリケーションでも4.7µFの入力コンデンサで 十分です。もっと大きな値を使うこともでき、制限はあ りません。セラミック・コンデンサのメーカーをいくつ か表2に示します。全セラミック部品の詳細については メーカーに直接お問い合わせください。 表2.コンデンサ・メーカー SUPPLIER PHONE WEBSITE AVX (803) 448-9411 www.avxcorp.com Murata (714) 852-2001 www.murata.com Taiyo Yuden (408) 573-4150 www.t-yuden.com 出力ダイオード 出力電圧が4.5V以上の場合、MBR0520L、CMDSH2-3、 1N5817または相当品のショットキ・ダイオードを使い ます。ショットキ・ダイオードは、同期整流器がターン オンするまでの間、出力電流を流します。回復時間が遅 いと効率が損われるため、通常の整流ダイオードは使用 し な い で く だ さ い 。 出 力 電 圧 が 4.5Vよ り 低 い 場 合 、 ショットキ・ダイオードはオプションですが、コンバー タの高率を2%∼3%ほど上げます。 3400f 7 LTC3400/LTC3400B 標準的応用例 単一セルからの3.3V同期整流式昇圧コンバータ、 シャットダウン時には負荷を切り離す L1 4.7µH + SINGLE AA CELL C1 4.7µF D1 1 6 SW VIN VOUT 5 R3 510k LTC3400 OFF ON 4 SHDN FB 3 C2 4.7µF GND 2 D1: CENTRAL SEMI CMDSH2-3 L1: COILCRAFT DS1608-472 M1 Si2305DS R3 510k VOUT 3.3V R1 100mA 1.02M 1% R2 604k 1% Q1 2N3904 3400 TA01a 3400f 8 LTC3400/LTC3400B 標準的応用例 単一リチウムイオン・セルからの5V、250mA L1 4.7µH + LITHIUM CELL C1 4.7µF D1 1 6 SW VIN VOUT 5 LTC3400 OFF ON 4 SHDN FB 3 R1 1.82M 1% C2 4.7µF R2 604k 1% GND D1: CENTRAL SEMI CMDSH2-3 L1: SUMIDA CMD4D06-4R7 2 3400 TA02a 3.6Vから5Vの効率 100 EFFICIENCY (%) 90 LTC3400 CO = 4.7µF L = 4.7µH 80 70 60 50 0.1 1 10 100 LOAD CURRENT (mA) 1000 3400 TA02b 3400f 9 LTC3400/LTC3400B 標準的応用例 単一セルAAセルから±3V同期整流式昇圧コンバータ C3 1µF L1 4.7µH + SINGLE AA CELL C1 4.7µF 1 6 SW VIN VOUT 5 LTC3400 OFF ON 4 SHDN FB GND 2 3 R1 1.02M 1% R2 750k 1% D1 D2 C2 4.7µF C4 10µF 3400 TA03a VOUT1 3V 90mA VOUT2 –3V 10mA D1, D2: ZETEX FMND7000 DUAL DIODE L1: COILCRAFT DS1608-472 3400f 10 LTC3400/LTC3400B パッケージ寸法 S6パッケージ、 6ピン・プラスチックSOT-23 (Reference LTC DWG # 05-08-1636) 2.90 BSC (NOTE 4) 0.754 0.854 ± 0.127 2.80 BSC 3.254 1.50 – 1.75 (NOTE 4) PIN ONE ID 0.95 BSC 1.9 BSC RECOMMENDED SOLDER PAD LAYOUT 0.30 – 0.45 TYP 6 PLCS (NOTE 3) 0.95 BSC 0.80 – 0.90 0.20 BSC 0.01 – 0.10 1.00 MAX DATUM ‘A’ 0.30 – 0.50 REF 0.09 – 0.20 NOTE: (NOTE 3) NOTE: 1. 寸法はミリメートル 1.2.DIMENSIONS ARE IN MILLIMETERS 図は実寸とは異なる 2.3.DRAWING NOT TO SCALE 寸法には半田を含む 3.4.DIMENSIONS ARE INCLUSIVE OF PLATING 寸法にはモールドのバリやメタルのバリを含まない 4.5.DIMENSIONS ARE EXCLUSIVE OF MOLD FLASH AND METAL BURR モールドのバリは0.254mmを越えてはならない 5.6.MOLD FLASH SHALL NOT EXCEED 0.254mm JEDECパッケージ参照番号はMO-193 6. JEDEC PACKAGE REFERENCE IS MO-193 1.90 BSC S6 TSOT-23 0801 3400f リニアテクノロジー・コーポレーションがここで提供する情報は正確かつ信頼できるものと考えておりますが、 その使用に関する責務は一切 負いません。 また、 ここに記載された回路結線と既存特許とのいかなる関連についても一切関知いたしません。 なお、 日本語の資料はあくまで も参考資料です。 訂正、 変更、 改版に追従していない場合があります。 最終的な確認は必ず最新の英語版データシートでお願いいたします。 11 LTC3400/LTC3400B 標準的応用例 単一AAセルからの2.5V同期整流式昇圧コンバータ L1 3.3µH + SINGLE AA CELL C1 4.7µF D1 1 6 SW VIN VOUT 5 LTC3400 OFF ON 4 SHDN FB 3 GND D1: CENTRAL SEMI CMDSH2-3 L1: SUMIDA CMD4D06-3R3MC 2 R1 1.02M 1% R2 1.02M 1% VOUT 2.5V 130mA C2 4.7µF 3400 TA04a 関連製品 製品番号 説明 LT1308A/LT1308B 高電流、マイクロパワー、1セル動作600kHz DC/DCコンバータ LT1613 注釈 単一リチウムイオン・セルで5V/1A、VOUTは34Vまで LT1615 1.4MHz、1セル動作DC/DCコンバータ、 ThinSOT VINは最小1.1V、単一セルから3V/30mA マイクロパワー昇圧DC/DCコンバータ、 ThinSOT IQ = 20µA、シャットダウン電流:1µA、VIN:最小1V LT®1618 1.4MHz昇圧DC/DCコンバータ、電流制限付き 1.5Aスイッチ、1.6V∼18Vの入力範囲、入力または出力の電流制限 LT1619 高効率昇圧DC/DCコントローラ 1Aゲート・ドライブ、1.1V∼20V入力、ゲート・ドライブ用に別個のVCC LTC1872 ThinSOT昇圧DC/DCコントローラ 50kHz、2.5V∼9.8V入力 LT1930/LT1930A 1.2MHz/2.2MHz、DC/DCコンバータ、ThinSOT VIN = 2.6V∼16V、3.3V入力から5V/450mA LT1932 定電流昇圧LEDドライバ 白色LEDを8個までドライブ、ThinSOTパッケージ LT1946/LT1946A 1.2MHz/2.7MHz昇圧DC/DCコンバータ 1.5A、36V内部スイッチ、8ピンMSOPパッケージ LT1949 600kHz、1AスイッチPWM DC/DCコンバータ 1A、0.5Ω、30V内部スイッチ、VIN:最小1.5V、シャットダウン 時に低バッテリ検知機能が動作 LTC3401 1A、 3MHzマイクロパワー同期式昇圧コンバータ 1Aスイッチ、 プログラム可能な周波数、 10ピンMSOPパッケージ LTC3402 2A、 3MHzマイクロパワー同期式昇圧コンバータ 2Aスイッチ、 プログラム可能な周波数、 10ピンMSOPパッケージ LTC3423 1A、 3MHzマイクロパワー同期式昇圧コンバータ 1Aスイッチ、低出力電圧用に別個のバイアス・ピン LTC3424 2A、 3MHzマイクロパワー同期式昇圧コンバータ 2Aスイッチ、低出力電圧用に別個のバイアス・ピン 3400f 12 リニアテクノロジー株式会社 〒102-0094 東京都千代田区紀尾井町3-6秀和紀尾井町パークビル8F TEL 03-5226-7291• FAX 03-5226-0268 • www.linear-tech.co.jp 0302 0.5K • PRINTED IN JAPAN LINEAR TECHNOLOGY CORPORATION 2001