LT3479 ソフトスタートと 突入電流保護を備えた、 3A、 フル機能DC/DCコンバータ 特長 概要 広い入力電圧範囲:2.5V∼24V ■ 3A、 42Vスイッチを内蔵 ■ 高効率の電力変換:最大89% ■ ソフトスタート機能を搭載 ■ 外付け抵抗で設定される周波数:200kHz~3.5MHz ■ 入力短絡やホットプラグに対する保護機能を搭載 ■ 低VCESATスイッチ:0.3V/2.5A (標準) ■ 正電圧出力と負電圧出力が可能 ■ 熱特性が改善された14ピン (4mm×3mm)DFNパッケージ と16ピンTSSOPパッケージ LT ®3479は、3A、42Vスイッチを内蔵した電流モード固定周 波数昇圧DC/DCコンバータです。標準的アプリケーションで は最大89%の効率を達成できます。 プログラム可能なソフトス タート機能によって起動時のインダクタ電流を制限し、突入 電流保護機能によって短絡時や入力過渡時にデバイスを保 護します。 エラー・アンプの両方の入力をユーザが使用できる ので、正と負の出力電圧が可能です。1本の外付け抵抗を介 して200kHz∼3.5MHzの範囲でスイッチング周波数をプログ ラムできます。高さの低い (0.75mm)14ピン4mm 3mm DFN パッケージは、小さい実装面積で優れた熱特性を実現しま す。 また、LT3479は熱特性が改善された16ピンTSSOPパッ ケージでも供給されます。 ■ アプリケーション 、LT、LTC、LTM、Linear TechnologyおよびLinearのロゴはリニアテクノロジー社の登録商標 です。 他の全ての商標はそれぞれの所有者に所有権があります。 高電力LEDドライバ ■ DSLモデム ■ 配電 ■ 標準的応用例 5Vから12Vの昇圧コンバータ 4.7µH 2.2µF VIN VS L 200k SW FBN SHDN 23.2k LT3479 VREF GND FBP VC SS 10nF RT 10k 17.8k 2.2nF 3479 TA01 10µF 90 VOUT 12V 0.8A 85 EFFICIENCY (%) VIN 5V 5Vから12Vの効率 80 75 70 65 60 0 0.2 0.4 0.6 0.8 IOUT (A) 3479 TA02 3479fc 1 LT3479 絶対最大定格 (Note 1) SW、 L、VSの電圧 ..................................................................42V VIN、SHDNの電圧 .................................................................24V FBP、 FBN、VREF、RT、 VCの電圧 ................................................2V 接合部温度...................................................................... 125℃ 動作温度範囲 (Note 2)....................................... −40℃~85℃ 保存温度範囲................................................... −65℃~125℃ リード温度 (半田付け、10秒) TSSOP .......................................................................... 300℃ ピン配置 TOP VIEW TOP VIEW SW 1 16 GND SW 1 14 GND SW 2 15 GND SW 2 13 GND L 3 12 SS L 3 14 GND VS 4 VS 4 VIN 5 10 FBN VIN 5 RT 6 9 FBP RT 6 11 FBN SHDN 7 8 VREF SHDN 7 10 FBP GND 8 9 15 11 VC DE14 PACKAGE 14-LEAD (4mm s 3mm) PLASTIC DFN TJMAX = 125°C, qJA = 43°C/W EXPOSED PAD (PIN 15) IS PGND (MUST BE SOLDERED TO PCB) 17 13 SS 12 VC VREF FE PACKAGE 16-LEAD PLASTIC TSSOP TJMAX = 125°C, qJA = 38°C/W EXPOSED PAD (PIN 17) IS PGND (MUST BE SOLDERED TO PCB) 発注情報 鉛フリー仕様 テープアンドリール 製品マーキング パッケージ 温度範囲 LT3479EDE#PBF LT3479EDE#TRPBF 3479 14-Lead (4mm × 3mm) Plastic DFN –40°C to 85°C LT3479EFE#PBF LT3479EFE#TRPBF 3479EFE 16-Lead Plastic TSSOP –40°C to 85°C 鉛ベース仕様 テープアンドリール 製品マーキング パッケージ 温度範囲 LT3479EDE LT3479EDE#TR 3479 14-Lead (4mm × 3mm) Plastic DFN –40°C to 85°C LT3479EFE LT3479EFE#TR 3479EFE 16-Lead Plastic TSSOP –40°C to 85°C さらに広い動作温度範囲で規定されるデバイスについては、弊社または弊社代理店にお問い合わせください。 鉛フリー仕様の製品マーキングの詳細については、http://www.linear-tech.co.jp/leadfree/ をご覧ください。 テープアンドリールの仕様の詳細については、http://www.linear-tech.co.jp/tapeandreel/ をご覧ください 3479fc 2 LT3479 電気的特性 lは全動作温度範囲の規格値を意味する。 それ以外はTA = 25℃での値。VIN = 2.5V、VSHDN = 2.5V。 PARAMETER CONDITIONS MIN Minimum Input Voltage l Quiescent Current VIN = 2.5V, VSHDN = 0V VIN = 2.5V, VSHDN = 2.5V, VC = 0.3V (Not Switching) Reference Voltage Measured at VREF Pin Reference Voltage Line Regulation 2.5V < VIN < 24V, VC = 0.3V Maximum VREF Pin Current Out of Pin Soft-Start Pin Current SS = 0.5V, Out of Pin l 1.216 TYP MAX 2.3 2.5 V 0.1 5 1 7.5 µA mA 1.235 1.250 V 0.01 0.03 %/V 100 µA 9 UNITS µA FBP Pin Bias Current 25 100 nA FBN Pin Bias Current 25 100 nA 2 6 Feedback Amplifier Offset Voltage FBP – FBN, VC = 1V –2 mV Feedback Amplifier Voltage Gain 250 V/V Feedback Amplifier Transconductance 150 µS Feedback Amplifier Sink Current VFBP = 1.25V, VFBN = 1.5V, VC = 0.5V 10 µA Feedback Amplifier Source Current VFBP = 1.25V, VFBN = 1V, VC = 0.5V 10 µA Switching Frequency RT = 17.8k RT = 113k RT = 1.78k Maximum Switch Duty Cycle RT = 17.8k SHDN Pin Current VSHDN = 5V VSHDN = 0V SHDN Pin Threshold l 0.9 160 2.7 1 200 3.5 84 93 1.15 240 4.1 MHz kHz MHz % 30 0.1 60 1 µA µA 0.3 1.5 2 V Inductor Current Limit (Note 3) 3.5 5 6.5 A Switch Current Limit (Note 3) 3 4.5 6 A Switch VCESAT ISW = 1A (Note 3) 120 200 mV Switch Leakage Current SW = 40V 0.2 5 µA Note 1:絶対最大定格に記載された値を超えるストレスはデバイスに永続的損傷を与える可 能性がある。長期にわたって絶対最大定格条件に曝すと、 デバイスの信頼性と寿命に悪影響 を与える可能性がある。 Note 3:DEパッケージのインダクタ電流制限、 スイッチ電流制限およびスイッチのVCESATは設計 および/または静的テストとの相関によって保証されている。 Note 2:LT3479は0℃~70℃の温度範囲で性能仕様に適合することが保証されている。 −40℃ ~85℃の動作温度範囲での仕様は設計、特性評価および統計学的なプロセス・コントロール との相関で確認されている。 3479fc 3 LT3479 標準的性能特性 インダクタおよびスイッチの 電流制限 スイッチのVCE(SAT) INDUCTOR CURRENT LIMIT 25°C –50°C 0.2 0.1 0 0.5 1 1.5 2 SWITCH CURRENT (A) 2.5 4 1.25 SWITCH CURRENT LIMIT 3 VIN = 24V 1.24 VIN = 2.5V 2 1.23 1 1.22 0 –50 –25 3 1.26 VREF (V) 0.3 CURRENT (A) 125°C VCE(SAT) (V) 1.27 5 0.4 0 VREF 6 0.5 50 25 75 0 TEMPERATURE (°C) 100 1.21 –50 –25 125 SHDNピンのターンオン・ スレッショルド 3479 G03 SHDNピンの電流 VINピンの電流 50 1.750 6 –50°C 1.375 75 0 25 50 TEMPERATURE (°C) –25 100 30 20 125°C 10 0 125 25°C 0 8 4 12 4 3 2 –50 –25 24 帰還アンプのオフセット電圧 RT = 10k 1.6 FREQUENCY (MHz) 15 5 1.2 RT = 15k 0.8 RT = 20k 4 0.4 25 50 75 100 125 150 TEMPERATURE (°C) 3479 G07 25 50 75 100 125 150 TEMPERATURE (°C) 5 2.0 10 0 3479 G06 発振器周波数 20 0 5 3479 G05 ソフトスタート・ピンの電流 ISS (µA) 20 VC = 0.3V VSHDN (V) 3479 G04 0 –50 –25 16 OFFSET VOLTAGE (mV) 1.250 –50 40 VIN PIN CURRENT (mA) SHDN PIN CURRENT (µA) SHDN THRESHOLD (V) 1.500 25 50 75 100 125 150 TEMPERATURE (°C) 3479 G02 3479 G01 1.625 0 0 –50 –25 VC = 0.5V 3 VC = 1V 2 1 0 25 50 75 100 125 150 TEMPERATURE (°C) 3479 G08 0 –50 –25 0 25 50 TEMPERATURE (oC) 75 100 3479 G09 3479fc 4 LT3479 ピン機能 (DFN/TSSOP) SW (ピン1、2/ピン1、2) :スイッチ・ピン。 内部NPNパワースイッ チのコレクタ。 インダクタとダイオードをここに接続し、 このピン に接続するメタル・トレースの面積を最小にして電磁干渉を 最小に抑えます。 ( L ピン3/ピン3) :インダクタ・ピン。 インダクタをこのピンに接続 します。 V( :インダクタ電源。 ローカルにバイパスする必 S ピン4/ピン4) FBP (ピン9/ピン10) :誤差アンプの非反転入力。 負の出力電圧 の場合、 ここに抵抗分割器のタップを接続します。 FBN (ピン10/ピン11) :誤差アンプの反転入力。正の出力電圧 の場合、 ここに抵抗分割器のタップを接続します。 V( :誤差アンプの補償ピン。 このピンから C ピン 11/ピン 12 ) GNDに直列RCを接続します。標準値は10kΩと2.2nFです。 要があります。 スイッチとインダクタに電力を供給します。1つの 電源電圧しか利用できない場合、VINとVSを一緒に接続しま す。 SS(ピン12/ピン13) :ソフトスタート。 ソフトスタート・コンデン サをここに接続します。使用しない場合はフロートさせたまま にします。 VIN (ピン5/ピン5) :入力電源。 ローカルにバイパスする必要が あります。 内部制御回路に電力を供給します。 GND (ピン13、14/ピン8、14、15、16) :グランド。 ローカル・グラン ド・プレーンに直接接続します。 R(ピン 6/ピン6) :タイミング抵抗ピン。 スイッチング周波数を T 露出パッド (ピン15/ピン17) :電源グランド。PCBの電気的グ ランドに接続する必要があります。 調節します。 このピンはオープンのままにしないでください。RT の値とスイッチング周波数については、表4を参照してくださ い。 SHDN (ピン7/ピン7) :シャットダウン。 デバイスをイネーブルす るには1.5V以上の電圧に接続します。 デバイスをオフするには 0.3Vより下に接続します。 VREF (ピン8/ピン9) :バンドギャップ電圧リファレンス。 内部で 1.235Vに設定されています。正の出力を発生する場合はこの ピンをFBPに接続し、 負の電圧を発生する場合は外部抵抗分 割器に接続します。 このピンは最大100μAの電流を供給するこ とができ、100pFのコンデンサを使ってローカルにバイパスす ることができます。 3479fc 5 LT3479 ブロック図 D1 L1 RC CC CSS CS C1 R1 FB VS SS FBP FBN + FEEDBACK AMPLIFIER INRUSH CURRENT PROTECTION COMPARATOR SW L R2 8.5mW + + – 36mV VC – – VREF SHDN VIN ICON 1.25V REFERENCE SLOPE CIN + – pwmout PWM COMPARATOR MASTER LATCH R DRIVER t RT Q1 Q S + 3 OSCILLATOR RT t CURRENT LIMIT COMPARATOR – GND 3479 BD 3479fc 6 LT3479 動作 LT3479は固定周波数の電流モード制御方式を使って、優れ たライン・レギュレーションとロード・レギュレーションを実現 します。 ブロック図を参照すると動作をよく理解できます。発振 器の各サイクルの開始点でSRラッチがセットされ、パワース イッチQ1をオンします。PWMコンパレータの反転入力の信号 (SLOPE) は、 スイッチ電流と発振器のランプの和に比例しま す。SLOPEがVC(帰還アンプの出力) を超えると、PWMコンパ レータがラッチをリセットしてパワースイッチをオフします。 この ようにして、帰還アンプとPWMコンパレータが正しいピーク電 流レベルを設定し、 出力を安定状態に保ちます。 LT3479にはソフトスタート機能も備わっています。起動時、 10μAの電流が外部のソフトスタート・コンデンサを充電しま す。SSピンはVCピンの電圧の上昇率を直接制限し、VCピンは さらにピーク・スイッチ電流を制限します。 スイッチ電流は常に モニタされ、公称値の3Aを超えることはありません。 スイッチ 電流が3Aに達すると、PWMコンパレータの出力に関係なく、 SRラッチがリセットされます。電流制限により、 パワースイッチ と外付け部品が保護されます。 ソフトスタートは、 スイッチが30V以上のレベルに達するアプリ ケーションで重要な役目を果たします。起動時、 スイッチ電圧 が高い上にスイッチ電流がオーバーシュートすると、 スイッチ に過度のストレスを与える可能性があります。 ソフトスタート機 能を適切に使用すると、 このようなデザインの堅牢さが大幅に 向上します。 ソフトスタートに加えて、突入電流保護がLT3479を短絡や入 力過渡に対して保護します。 このようなフォールトの間、 インダ クタ電流は短時間3Aを超えてスイッチに損傷を与えることが あります。 インダクタに直列に配置された内部8.5mΩ抵抗を通 して、突入電流保護コンパレータがインダクタ電流を測定しま す。 それが5Aを超えると、 ソフトスタート・サイクルが開始され ます。LT3479はフォールトが解消するまでソフトスタート状態 に留まります。 3479fc 7 LT3479 アプリケーション情報 表1. セラミック・コンデンサのメーカー MANUFACTURER PHONE WEB Taiyo Yuden (408) 573-4150 www.t-yuden.com AVX (803) 448-9411 www.avxcorp.com Murata (714) 852-2001 www.murata.com インダクタの選択 LT3479に使えるインダクタをいくつか表2に示します。 ただし、 他にも多くのメーカーや使える製品があります。詳細情報およ び品揃えの全容については各メーカーにお問い合わせくださ い。最高の効率を得るには、 フェライト・コア・インダクタを使用 します。飽和することなく必要なピーク電流を扱えるインダクタ を選び、I2R電力損失を低く抑えるため、 そのインダクタのDCR (銅線抵抗)が低いことを確認します。LT3479のほとんどのア プリケーションには、4.7μHまたは10μHのインダクタで十分で す。 ます。基板スペースの制約が厳しい先進的なデザインでは、基 板のスペースを節約するため、 インダクタの最大電流定格を 超える電流を流します。各メーカーに問い合わせて、最大イン ダクタ電流の測定法とインダクタに安全に流せる超過電流の 上限を判断してください。 物理的に大きなインダクタは、小さなものに比べて高い効率を 与えます。1MHz、5Vから12Vのアプリケーションに大きなイン ダクタを使うことにより、効率が3%∼4%改善されることを図1 は示しています。東光のFDV0630-4R7M(7mm 7.7mm、厚さ 3mm) の効率のピークは87%に達します。 もっと小さなスミダ 電機のCDRH4D28-4R7(5mm 5mm、厚さ3mm) のピーク効 率は、同じアプリケーションで85%になります。 したがって、基 板スペースが十分あれば、大きなインダクタを使って効率を最 大にします。 90 85 80 EFFICIENCY (%) コンデンサの選択 出力リップル電圧を下げるため、 出力には低ESR(等価直列抵 抗) のセラミック・コンデンサを使います。X5RとX7Rの誘電体 は他の誘電体に比べて広い電圧範囲と温度範囲で容量を維 持するので、 これらのタイプだけを使用します。 ほとんどの高出 力電流のデザインでは、4.7μF∼10μFの出力コンデンサで十 分です。低出力電流のコンバータでは1μFまたは2.2μFの出力 コンデンサしか必要としないでしょう。 TOKO FDV0630-4R7 75 SUMIDA CDRH4D28-4R7 70 65 60 55 50 インダクタ・メーカーは、 インダクタの公称値のあるパーセン テージ (一般に65%) までインダクタンスが低下する電流とし て最大電流定格を規定しています。 インダクタはその定格値よ り大きな電流をインダクタを損傷することなく流すことができ 0 0.2 0.4 0.6 0.8 IOUT (A) 3479 F01 図1.効率とインダクタのサイズ 表2.推奨インダクタ MANUFACTURER PART NUMBER IDC (A) INDUCTANCE (µH) MAX DCR (mΩ) L×W×H (mm) CDRH6D283R0 CDRH6D28100 CDRH4D284R7 3 1.7 1.32 3 10 4.7 24 65 72 6.7 × 6.7 × 3.0 6.7 × 6.7 × 3.0 5.0 × 5.0 × 3.0 Sumida www.sumida.com LM N 05D B4R7M LM N 05D B100K 2.2 1.6 4.7 10 49 10 5.9 × 6.1 × 2.8 5.9 × 6.1 × 2.8 Taiyo Yuden www.t-yuden.com LQH55DN4R7M01L LQH55DN100M01K 2.7 1.7 4.7 10 57 130 5.7 × 5.0 × 4.7 5.7 × 5.0 × 4.7 Murata www.murata.com FDV0630-4R7M 4.2 4.7 49 7.0 × 7.7 × 3.0 Toko www.toko.com MANUFACTURER 3479fc 8 LT3479 アプリケーション情報 ダイオードの選択 順方向電圧降下が小さく、 スイッチング速度が速いショット キー・ダイオードはLT3479のアプリケーションに最適です。 LT3479に使用するのに適したいくつかのショットキー・ダイ オードを表3に示します。 ダイオードの平均電流定格は平均出 力電流を超えている必要があります。 ダイオードの最大逆電 圧は出力電圧を超えている必要があります。 ダイオードにはパ ワースイッチがオフしているときだけ (一般に50%より小さい デューティ・サイクル)電流が流れるので、 ほとんどのデザイン では3Aのダイオードで十分です。下に示すメーカーは高い電 圧定格と電流定格のショットキー・ダイオードも供給していま す。 負の出力電圧の設定 負の出力電圧を設定するには、次式に従ってR3とR4の値を選 択します (図3を参照)。 R3 VOUT = –1.235V R4 –VOUT R3 FBP R4 LT3479 VREF FBN 表3.推奨ダイオード 3479 F03 MANUFACTURER MAX MAX REVERSE PART NUMBER CURRENT (A) VOLTAGE (V) MANUFACTURER UPS340 UPS315 3 3 40 15 Microsemi www.microsemi.com B220 B230 B240 B320 B330 B340 SBM340 2 2 2 3 3 3 3 20 30 40 20 30 40 40 Diodes, Inc www.diodes.com 正の出力電圧の設定 正の出力電圧を設定するには、次式に従ってR1とR2の値を 選択します (図2を参照)。 R1 VOUT = 1.235V 1 + R2 FBP LT3479 VREF VOUT R1 FBN R2 3479 F02 図2.正の出力電圧の帰還接続 図3. 負の出力電圧の帰還接続 基板のレイアウト 全てのスイッチング・レギュレータの場合と同様、 プリント回路 基板のレイアウトと部品配置には細心の注意が必要です。効 率を最大にするため、 スイッチの立上り時間と立下り時間はで きるだけ短くします。放射と高周波共振の問題を防ぐには、高 周波スイッチング経路の適切なレイアウトが不可欠です。SW ピンに接続される全てのトレースの長さと面積をできるだけ小 さくし、常にスイッチング・レギュレータの下のグランド・プレー ンを使ってプレーン間の結合を小さく抑えます。 スイッチ、 出力 ダイオードD1および出力コンデンサCOUTを含む信号経路に は立上り時間と立下り時間がナノ秒の信号が含まれるので、 できるだけ短くします。推奨部品配置を図4に示します。 ソフトスタート 多くのアプリケーションで、起動時の突入電流を最小に抑え る必要があります。内蔵ソフトスタート回路は起動時の電流 スパイクと出力電圧のオーバーシュートを大幅に減らします。 1.65msの場合の標準的値は10nFです。 ソフトスタート・コンデ ンサなしの標準的アプリケーションの起動時の出力電圧とイ ンダクタ電流の波形を図5に示します。出力電圧のオーバー シュートと大きな初期電流に注意してください。22nFのコンデ ンサを追加すると出力のオーバーシュートがなくなり、 ピーク・ インダクタ電流が減少します (図6)。 3479fc 9 LT3479 アプリケーション情報 このトレースの面積を 最小にする TO VOUT D COUT L1 CC TO VS SW GND SW GND CS CIN RT RC SS L VC LT3479 VS TO VIN CSS VIN FBN RT FBP R1 VREF SHDN R2 TO GND 3479 F04 TO SHDN 露出パッドの周囲にビアを 配置して熱性能を改善する 図4.推奨基板レイアウト スイッチング周波数 LT3479のスイッチング周波数はRTピンに接続された外部抵 抗によって設定されます。 このピンはオープンのままにしない でください。正しく動作させるには、必ず抵抗を接続する必要 があります。抵抗値とそれに対応する周波数については、表4と 図7を参照してください。 IL 2A/DIV VOUT 5V/DIV 0.2MS/DIV 3479 F05 図5. ソフトスタート・コンデンサなしの起動 IL 2A/DIV VOUT 5V/DIV 0.2ms/DIV SWITCHING FREQUENCY (MHz) RT (kΩ) 3.5 1.78 3 2.87 2.5 4.32 2 6.49 1.5 10.2 1 17.8 0.5 39.2 0.2 113 3479 F06 図6.CSS = 22nFを使った起動 10 表4. スイッチング周波数 3479fc LT3479 アプリケーション情報 スイッチング周波数を上げると出力電圧リップルが下がります が、効率も下がります。 ユーザーは最大許容出力電圧リップル に対して周波数を設定すべきです。図8は、標準的アプリケー ションでの1MHz動作と2MHz動作の間の約4%の効率低下 を示しています。 突入電流保護 LT3479は斬新なインダクタ電流検出回路を備えており、 ホット プラグや短絡の間LT3479を保護します。外部インダクタに直 列な内部抵抗が常時インダクタ電流を検出します。 それが5A を超えると、 ソフトスタート・サイクルが開始されます。突入電 流保護がディスエーブルされた状態の出力過負荷を図9に示 します。 ソフトスタートが高いレベルのままで、 インダクタ電流 がゼロに戻らないことに注意してください。図10は、突入電流 保護の利点を示しています。 出力の短絡により新しいソフトス タート・サイクルが開始され、 インダクタの電流が減少します。 フォールトが解消した後、 インダクタ電流はその均衡値にゆっ くり戻ります。 ボンディング・ワイヤの完全性を保証するには、 イ ンダクタ電流が10ms以上8Aを超えないようにします。 8.5mΩのインダクタ電流検出抵抗をバイパスすると突入電流 保護がディスエーブルされます。 インダクタ電源トレースとバイ パス・コンデンサをLピンに接続し、VSピンをオープンのままに してこの機能をディスエーブルします。 3.5 VSW 10V/DIV SWITCH FREQUENCY (MHz) 3.0 2.5 IL 4V/DIV 2.0 VSS 2V/DIV 1.5 VOUT 20V/DIV 1.0 3479 F09 20µs/DIV 0.5 0 0.1 図9.突入電流保護をイネーブル した状態の出力過負荷 100 10 RT (kΩ) 3479 F07 図7. スイッチング周波数 VSW 10V/DIV IL 4V/DIV 90 1MHz 85 EFFICIENCY (%) VSS 2V/DIV 2MHz 80 VOUT 20V/DIV 75 3479 F10 70 20µs/DIV 65 図10.突入電流保護をディスエーブル した状態の出力過負荷 60 55 50 VIN 0 0.2 0.4 0.6 0.8 IOUT (A) VOUT LT3479 BOOST REGULATOR 0.5Ω 3479 F08 図8.効率とスイッチング周波数 3479 F11 出力過負荷の回路 図11. 3479fc 11 LT3479 標準的応用例 5Vから12V/800mA 1MHzの昇圧コンバータ L1 4.7µH C1 2.2µF VIN VS L 90 D1 200k SW FBN SHDN C2 10µF VOUT 12V 0.8A 23.2k LT3479 VREF GND FBP VC SS RT 10nF 85 80 EFFICIENCY (%) VIN 5V 効率 70 65 60 55 10k 17.8k 75 50 2.2nF 0 0.2 C1: TAIYO YUDEN LMK316BJ225MD C2: AVX 1206 YD106MAT D1: DIODES INC B320A L1: TOKO FDV0630-4R7M C1 2.2µF VIN VS L 200k SHDN 23.2k LT3479 VREF GND FBP VC SS RT 10nF 90 D1 SW FBN 39.2k 0.8 効率 C2 10µF VOUT 12V 0.8A 85 80 EFFICIENCY (%) L1 10µH 0.6 3479 TA03b 5Vから12V/800mA 500kHzの昇圧コンバータ VIN 5V 0.4 IOUT (A) 3479 TA03 75 70 65 60 55 4.7k 10nF 3479 TA04 C1: TAIYO YUDEN LMK316BJ225MD C2: AVX 1206 YD106MAT D1: DIODES INC. B320A L1: SUMIDA CDRH8D43-100 50 0 0.2 0.4 0.6 0.8 IOUT (A) 3479 TA04b 3479fc 12 LT3479 標準的応用例 3.3Vから8V/900mAの昇圧コンバータ L1 4.7µH C1 2.2µF VIN VS L 90 D1 169k SW FBN SHDN C2 10µF VOUT 8V 0.9A 85 80 EFFICIENCY (%) VIN 3.3V 効率 30.9k LT3479 VREF GND FBP VC SS RT 70 65 60 55 4.3k 17.8k 10nF 75 50 10nF 0 0.2 C1: TAIYO YUDEN LMK316BJ225MD C2: AVX 1206 YD106MAT D1: DIODES INC B320A L1: TOKO FDV0630-4R7M C1 2.2µF 90 C2 2.2µF D2 D1 VIN VS L SW FBP 100k SHDN LT3479 VREF 100pF SS RT 10nF GND 17.8k 0.8 効率 FBN VC C3 10µF 402k D3 VOUT –5V 600mA 85 80 EFFICIENCY (%) VIN 5V 0.6 3479 TA03b 5Vから5V/600mAの反転DC/DCコンバータ L1 4.7µH 0.4 IOUT (A) 3479 TA05 75 70 65 60 55 1k 15nF 3479 TA06 C1, C2: TAIYO YUDEN LMK316BJ225MD C3: AVX 1206 YD106MAT D1, D2: DIODES INC B320A D3: CENTRAL SEMI, CMDSH-3-LTC L1: TOKO FDV0630-4R7M 50 0 0.2 0.4 0.6 0.8 IOUT (A) 3479 TA04b 3479fc 13 LT3479 標準的応用例 500mA、 2個の白色LED用ドライバ VIN 2.8V TO 4.2V L1 4.7µH D1 C1 2.2µF D2 600mA C2 2.2µF D3 VIN VS L ON SW FBN SHDN SS ON M1 LT3479 VREF 0.15Ω 124k FBP RT 10nF GND 7.5k 10k VC 10k 3479 TA07 2.2nF C1, C2: TAIYO YUDEN LMK316BJ225MD D1: PHILIPS PMEG 2010 D2, D3: LUMILEDS LXHL-PW01 L1: SUMIDA CDRH4D28-4R7 M1: VISHAY SILICONIX Si2302ADS 3479fc 14 LT3479 標準的応用例 500mA、 12個の白色LED用ドライバ L1 10µH VOUT 16V TO 24V D1 C1 4.7µF C2 4.7µF D2 VIN VS L SW FBN SHDN LT3479 SS VREF 100k 93.1k FBP RT 10nF 5.9k VC GND 1Ω 1Ω 10k 17.8k ILED 500mA 3.3nF C1: TAIYO YUDEN EMK316BJ475ML C2: TAIYO YUDEN TMK325BJ475ML D1: DIODES INC B330B D2: LUMILEDS LXHL-NW99 L1: SUMIDA CDRH8D28-100 0.150Ω 3479 TA08 効率 100 VIN = 16V VIN = 12V 90 EFFICIENCY (%) VIN 8V TO 16V VIN = 8V 80 70 60 50 0 0.1 0.2 0.3 IOUT (A) 0.4 0.5 3479 TA08b 3479fc 15 LT3479 標準的応用例 TFTLCDパネル用の、 8V、 16V、 8Vのトリプル出力電源 D2B VIN 2.8V TO 4.2V C5 0.1µF L1 3.3µH C1 4.7µF VIN VS L C6 0.1µF SHDN VREF GND FBP VC C3 1µF 8V 700mA 100k SW FBN LT3479 D2A D1 C2 22µF 18.7k SS 10nF RT D3A D3B 2.2nF D1: MBRM120 OR EQUIVALENT D2, D3: BAT54S OR EQUIVALENT L1: SUMIDA CDRH4D28-3R3 C1: AVX 0805ZD475MAT C2: AVX 1210YD226MAT C3 TO C6: X5R/X7R 10V C4 1µF –8V 10mA 10k 17.8k 16V 10mA 3479 TA10 効率 100 EFFICIENCY (%) 90 80 70 60 50 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 LOAD CURRENT (A) 0.6 0.7 3479 TA10b 3479fc 16 LT3479 標準的応用例 出力可変1Aデュアル・トラッキング電源 1µF 16V L1 15µH VIN 10V TO 14V 4.7µF 16V D1 VOUT 7V TO 10V 1A L2 15µH VIN VS L SHDN 10.2k SW 470pF FBN SHDN LT3479 SS 30µF 16V VCTRL 0V-2.5V 26.1k VREF 5.76k 1.13k FBP RT VC GND 10nF 4.99k 10.2k 10k 3.3nF 470pF 1µF 16V L3 15µH 4.7µF 16V L4 15µH 30µF 16V D2 VIN VS L SW FBN SHDN SS 11.3k VOUT –7V TO –10V 1A LT3479 VREF FBP RT 20nF GND VC D3 4.99k 10.2k 3.3nF 3479 TA11 D1, D2: DIODES INC DFLS230 2A, 30V D3: PHILIPS 1PS79SB62 L1-L4: SUMIDA CDRH6D38-150 ALL CAPACITORS X5R/X7R DIELECTRIC OR EQUIVALENT 効率 80 VIN =14V, VOUT = p10V EFFICIENCY (%) 75 70 VIN =10V, VOUT = p7V VIN = 14V, VOUT = p7V 65 60 55 50 0 0.2 0.4 0.6 IOUT (A) 0.8 1.0 3479 TA11b 3479fc 17 LT3479 パッケージ DEパッケージ 14ピン・プラスチックDFN (4mm 3mm) (Reference LTC DWG # 05-08-1708 Rev B) 0.70 p0.05 3.30 p0.05 3.60 p0.05 2.20 p0.05 1.70 p 0.05 パッケージの 外形 0.25 p 0.05 0.50 BSC 3.00 REF 推奨する半田パッドのピッチと寸法 半田付けされない領域には半田マスクを使用する 4.00 p0.10 (2 SIDES) R = 0.05 TYP 3.00 p0.10 (2 SIDES) R = 0.115 TYP 8 3.30 p0.10 1.70 p 0.10 ピン1の トップ・マーキング (NOTE 6を参照) 0.200 REF 0.75 p0.05 0.40 p 0.10 14 ピン1のノッチ R = 0.20または 0.35 45 の面取り (DE14) DFN 0806 REV B 7 1 0.25 p 0.05 0.50 BSC 3.00 REF 0.00 – 0.05 底面図―露出パッド NOTE: 1. 図はJEDECパッケージ・アウトラインMO-229の バージョンのバリエーション (WGED-3) として提案 2. 図は実寸とは異なる 3. 全ての寸法はミリメートル 4. パッケージ底面の露出パッドの寸法にはモールドのバリを含まない。 モールドのバリは (もしあれば)各サイドで0.15mmを超えないこと 5. 露出パッドは半田メッキとする 6. 網掛けの部分はパッケージのトップとボトムのピン1の位置の参考に過ぎない 3479fc 18 LT3479 Package Description FEパッケージ 16ピン・プラスチックTSSOP (4.4mm) (Reference LTC DWG # 05-08-1663) 露出パッドのバリエーションBC 4.90 – 5.10* (.193 – .201) 3.58 (.141) 3.58 (.141) 16 1514 13 12 1110 6.60 p0.10 9 2.94 (.116) 4.50 p0.10 6.40 2.94 (.252) (.116) BSC SEE NOTE 4 0.45 p0.05 1.05 p0.10 0.65 BSC 1 2 3 4 5 6 7 8 推奨半田パッド・レイアウト 4.30 – 4.50* (.169 – .177) 0.09 – 0.20 (.0035 – .0079) NOTE: 1. 標準寸法:ミリメートル 2. 寸法は ミリメートル (インチ) 0.50 – 0.75 (.020 – .030) 0.25 REF 1.10 (.0433) MAX 0o – 8o 0.65 (.0256) BSC 0.195 – 0.30 (.0077 – .0118) TYP 0.05 – 0.15 (.002 – .006) FE16 (BC) TSSOP 0204 4. 露出パッド接着のための推奨最小PCBメタルサイズ * 寸法にはモールドのバリを含まない。 モールドのバリは各サイドで0.150mm (0.006 ) を超えないこと 3. D図は実寸とは異なる 3479fc リニアテクノロジー・コーポレーションがここで提供する情報は正確かつ信頼できるものと考えておりますが、その使用に関する責務は一切負い ません。また、ここに記載された回路結線と既存特許とのいかなる関連についても一切関知いたしません。なお、日本語の資料はあくまでも参考資 料です。訂正、変更、改版に追従していない場合があります。最終的な確認は必ず最新の英語版データシートでお願いいたします。 19 LT3479 標準的応用例 出力切断付きフォトフラッシュ用Lumiledドライバ VIN 3.3V TO 4.2V L1 4.7µH C1 2.2µF ON D1 C2 2.2µF D2 VIN VS L SW FBN D3 M1 SHDN LT3479 VREF 115k SS RT 10nF GND 7.5k FBP VC ON ILED 500mA/100mA 0.2Ω 2.49k 10k 10k 2.2nF トーチ・モードの ILED = 100mA フラッシュ・モードの ILED = 500mA 3479 TA09 C1, C2: TAIYO YUDEN LMK316BJ225MD D1: PHILIPS PMEG2010 D2, D3: LUMILEDS LXHL-PW01 L1: SUMIDA CDRH4D28-4R7 M1: VISHAY SILICONIX Si2302ADS Lumiledの起動 Lumiledのトーチ/フラッシュの過渡 VOUT 1V/DIV ILED 0.2A/DIV VOUT AC-COUPLED 500mV/DIV INDUCTOR CURRENT 0.5A/DIV 0.2ms/DIV 3479 TA09b 50µs/DIV ILED 500mA m100mA m500mA 3479 TA09c 関連製品 製品番号 説明 注釈 LT1618 定電流、定電圧、1.4MHz、高効率昇圧レギュレータ VIN:1.6V∼18V、VOUT(MAX) = 5.5V、IQ = 2.5mA、 ISD = < 1μA、QFN16パッケージ LTC®3216 独立したトーチ/フラッシュ電流制御付き1A 低ノイズ、 VIN:2.9V∼4.4V、VOUT(MAX) = 5.5V、IQ = 300μA、 高電流LED用チャージポンプ ISD = <1μA、DFN12パッケージ LTC3436 34V昇圧DC/DCコンバータ 3A (ISW)、1MHz、 VIN:3V∼25V、VOUT(MAX) = 34V、IQ = 0.9mA、 ISD = < 6μA、TSSOP16Eパッケージ LTC3453 同期整流式昇降圧ハイパワー白色LEDドライバ VIN:2.7V∼5.5V、VOUT(MAX) = 5.5V、IQ = 2.5mA、 ISD = < 1μA、QFN16パッケージ LT3466 デュアル定電流、2MHz、高効率白色LED 昇圧レギュレータ、 ショットキー・ダイオード内蔵 VIN:2.7V∼24V、VOUT(MAX) = 40V、IQ = 5mA、 ISD = < 16μA、DFNパッケージ 3479fc 20 リニアテクノロジー株式会社 〒102-0094 東京都千代田区紀尾井町3-6紀尾井町パークビル8F TEL 03-5226-7291 FAX 03-5226-0268 www.linear-tech.co.jp ● ● LT 0809 REV C • PRINTED IN JAPAN LINEAR TECHNOLOGY CORPORATION 2004