LTC3411 - 1.25A、4MHz、同期整流式降圧DC/DCコンバータ

LTC3411
1.25A、4MHz、
同期整流式
降圧DC/DCコンバータ
特長
■
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■
■
■
■
■
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■
■
■
■
■
概要
小型の10ピンMSOPパッケージまたはDFNパッケージ
小型のコンデンサとインダクタを使用
高周波数動作:最大4MHz
高いスイッチ電流:1.6A
低RDS(ON)の内部スイッチ:0.110Ω
高効率:最大95%
セラミック・コンデンサで安定
電流モード動作による優れた入力および負荷過渡応答
短絡保護
低損失動作:100%デューティ・サイクル
低いシャットダウン電流:IQ ≤ 1μA
低消費電流:60μA
出力電圧:0.8V~5V
選択可能なBurst Mode®動作
外部クロックに同期可能
LTC ® 3411は、固定周波数、同期整流式、降圧DC/DCコン
バータです。
このデバイスは中規模の電力アプリケーション向
けであり、2.63V∼5.5Vの入力電圧範囲で動作し、最大4MHz
の動作周波数を設定できます。
これにより、高さ2mm以下の
低コストで小型のコンデンサやインダクタを使用できます。出
力電圧は0.8V∼5Vで調整可能です。
ピーク電流定格1.6A、
0.11Ωの同期整流式パワー・スイッチを内蔵し、高効率を達成
します。LTC3411は電流モード・アーキテクチャを採用し、外部
補償機能を備えているので、広範囲の負荷および出力コンデ
ンサに対して過渡応答を最適化できます。
LTC3411は、
自動的に電力を節減するBurst Mode動作に設定
できるので、
負荷電流が連続動作に必要なレベルを下回った
場合にゲート充電損失を低減できます。
ノイズやRF干渉を低
減するには、SYNC/MODEピンによってパルス・スキップ・モー
ドに設定するか、強制連続動作に設定します。
60μAの低消費電流でPチャネルMOSFETをドロップアウト時
に連続的にオンする
(100%デューティ・サイクル)
ことによって
バッテリ寿命をさらに延長できます。
シャットダウン時の消費
電流は1μA以下です。
アプリケーション
ノートブック・コンピュータ
デジタル・カメラ
■ 携帯電話
■ 携帯機器
■ ボード実装電源
■
■
、LT、LTCおよびLTMはリニアテクノロジー社の登録商標です。
Burst Modeはリニアテクノロジー社の登録商標です。
標準的応用例
効率と負荷電流
VIN
2.63V TO 5.5V
100
C1
22µF
SYNC/MODE
PVIN
PGOOD
SVIN
LTC3411
SW
ITH
1000pF
VFB
SHDN/RT
13k
SGND
L1
2.2µH
887k
PGND
324k
412k
95
VOUT
2.5V/1.25A
C2
22µF
EFFICIENCY (%)
VIN
90
85
80
VIN = 3.3V
VOUT = 2.5V
fO = 1MHz
Burst Mode OPERATION
75
NOTE: IN DROPOUT, THE OUTPUT TRACKS
THE INPUT VOLTAGE
C1, C2: TAIYO YUDEN JMK325BJ226MM
L1: TOKO A914BYW-2R2M (D52LC SERIES)
3411 F01
図1. 降圧2.5V/1.25Aレギュレータ
70
1
10
100
LOAD CURRENT (mA)
1000
3411 TA01
3411fb
1
LTC3411
絶対最大定格 (Note 1)
PVIN、SVIN電圧 ......................................................... −0.3V~6V
VFB、ITH、SHDN/RT電圧 ..............................−0.3V~
(VIN+0.3V)
SYNC/MODE電圧 ......................................−0.3V~(VIN+0.3V)
SW電圧 .....................................................−0.3V~(VIN+0.3V)
PGOOD電圧.............................................................. −0.3V~6V
動作温度範囲(Note 2)
LTC3411E...........................................................−40°C~85°C
LTC3411I .........................................................−40°C~125°C
接合部温度(Note 5、8)....................................................125°C
保存温度範囲
DDパッケージ .................................................−65°C~125°C
MSパッケージ.................................................−65°C~150°C
リード温度(半田付け、10秒)...........................................300°C
ピン配置
TOP VIEW
TOP VIEW
SHDN/RT
1
10 ITH
SYNC/MODE
2
SGND
3
9 VFB
8 PGOOD
SW
4
7 SVIN
PGND
5
6 PVIN
1
2
3
4
5
SHDN/RT
SYNC/MODE
SGND
SW
PGND
10
9
8
7
6
ITH
VFB
PGOOD
SVIN
PVIN
MS PACKAGE
10-LEAD PLASTIC MSOP
DD PACKAGE
10-LEAD (3mm × 3mm) PLASTIC DFN
TJMAX = 125°C, θJA = 120°C/W, θJC = 45°C/W
TJMAX = 125°C, θJA = 43°C/W, θJC = 8°C/W
(EXPOSED PAD MUST BE SOLDERED TO SGND)
発注情報
鉛フリー仕様
テープアンドリール
製品マーキング*
パッケージ
温度範囲
LTC3411EDD#PBF
LTC3411EDD#TRPBF
LADT
10-Lead (3mm × 3mm) Plastic DFN
–40°C to 85°C
LTC3411IDD#PBF
LTC3411IDD#TRPBF
LADT
10-Lead (3mm × 3mm) Plastic DFN
–40°C to 125°C
LTC3411EMS#PBF
LTC3411EMS#TRPBF
LTQT
10-Lead Plastic MSOP
–40°C to 85°C
LTC3411IMS#PBF
LTC3411IMS#TRPBF
LTQT
10-Lead Plastic MSOP
–40°C to 125°C
鉛ベース仕様
テープアンドリール
製品マーキング*
パッケージ
温度範囲
LTC3411EDD
LTC3411EDD#TR
LADT
10-Lead (3mm × 3mm) Plastic DFN
–40°C to 85°C
LTC3411IDD
LTC3411IDD#TR
LADT
10-Lead (3mm × 3mm) Plastic DFN
–40°C to 125°C
LTC3411EMS
LTC3411EMS#TR
LTQT
10-Lead Plastic MSOP
–40°C to 85°C
LTC3411IMS
LTC3411IMS#TR
LTQT
10-Lead Plastic MSOP
–40°C to 125°C
より広い動作温度範囲で規定されるデバイスについては、弊社または弊社代理店にお問い合わせください。 *温度グレードは出荷時のコンテナのラベルで識別されます。
鉛フリー仕様の製品マーキングの詳細については、http://www.linear-tech.co.jp/leadfree/ をご覧ください。
テープアンドリールの仕様の詳細については、http://www.linear-tech.co.jp/tapeandreel/ をご覧ください。
3411fb
2
LTC3411
電気的特性
●は全動作温度範囲の規格値を意味する。
それ以外はTA = 25℃での値。別途規定されない限り、VIN = 3.3V、RT = 324k。
(Note 2)
SYMBOL
PARAMETER
CONDITIONS
VIN
Operating Voltage Range
IFB
Feedback Pin Input Current
VFB
Feedback Voltage
(Note 3)
MIN
TYP
2.625
l
0.784
MAX
UNITS
5.5
V
±0.1
µA
0.8
0.816
V
0.04
0.2
%/V
0.02
–0.02
0.2
–0.2
%
%
∆VLINEREG
Reference Voltage Line Regulation
VIN = 2.7V to 5V
∆VLOADREG
Output Voltage Load Regulation
ITH = 0.36, (Note 3)
ITH = 0.84, (Note 3)
gm(EA)
Error Amplifier Transconductance
ITH Pin Load = ±5µA (Note 3)
800
IS
Input DC Supply Current (Note 4)
Active Mode
Sleep Mode
Shutdown
VFB = 0.75V, SYNC/MODE = 3.3V
VSYNC/MODE = 3.3V, VFB = 1V
VSHDN/RT = 3.3V
240
62
0.1
350
100
1
µA
µA
µA
VSHDN/RT
Shutdown Threshold High
Active Oscillator Resistor
VIN – 0.6
324k
VIN – 0.4
1M
V
Ω
fOSC
Oscillator Frequency
RT = 324k
(Note 7)
0.85
1
1.15
4
MHz
MHz
fSYNC
Synchronization Frequency
(Note 7)
0.4
4
MHz
ILIM
Peak Switch Current Limit
ITH = 1.3
1.6
RDS(ON)
Top Switch On-Resistance (Note 6)
VIN = 3.3V
0.11
0.15
Ω
Bottom Switch On-Resistance (Note 6) VIN = 3.3V
0.11
0.15
Ω
0.01
1
µA
2.5
2.625
V
l
l
ISW(LKG)
Switch Leakage Current
VIN = 6V, VITH/RUN = 0V, VFB = 0V
VUVLO
Undervoltage Lockout Threshold
VIN Ramping Down
PGOOD
Power Good Threshold
VFB Ramping Up, SHDN/RT = 1V
VFB Ramping Down, SHDN/RT = 1V
RPGOOD
Power Good Pull-Down On-Resistance
Note 1:絶対最大定格に記載された値を超えるストレスは、
デバイスに永続的損傷を与える可
能性がある。長期にわたって絶対最大定格条件に曝すと、
デバイスの信頼性と寿命に悪影響
を与える可能性がある。
Note 2:LTC3411Eは0°C~85°Cの温度範囲で規定された性能仕様に適合することが保証されて
いる。−40°C~85°Cの動作温度範囲での仕様は設計、特性評価および統計学的なプロセス・コ
ントロールとの相関で確認されている。LTC3411Iは−40°C~125°Cの動作温度範囲で規定され
た性能仕様に適合することが保証されている。
Note 3:LTC3411はVFBをエラーアンプの中点
(VITH = 0.6V)
にサーボ制御する帰還ループでテス
トされている。
Note 4:スイッチング周波数で供給される内部ゲート電荷により、動作時消費電流は増加す
る。
2.375
µS
2
A
6.8
–7.6
118
%
%
200
Ω
Note 5:TJは、
周囲温度TAおよび電力損失PDから次式にしたがって計算される。
LTC3411DD:TJ = TA+(PD • 43°C/W)
LTC3411MS:TJ = TA+(PD • 120°C/W)
Note 6:スイッチのオン抵抗はウェハ・レベルの測定との相関によって保証されている。
Note 7:4MHzでの動作は設計によって保証されているが製造時にはテストされず、
デューティ・
(「アプリケーション情報」
を参照)。
サイクルによって制約を受ける
Note 8:このデバイスには、
短時間の過負荷状態の間デバイスを保護するための過温度保護機
能が備わっている。過温度保護機能がアクティブなとき、接合部温度は125°Cを超える。規定
された最大動作接合部温度を超えた動作が継続すると、
デバイスの信頼性を損なう恐れがあ
る。
3411fb
3
LTC3411
ピン機能
SHDN/R(ピン
1)
:シャットダウンとタイミング抵抗の共用ピン。
T
PGND
(ピン5)
:主電源グランド・ピン。COUTの
(­)端子および
このピンからグランドに抵抗を接続して発振周波数をプログ
ラムします。
このピンをSVINに強制するとデバイスはシャットダ
ウンします。
シャットダウン時にはすべての機能がディスエーブ
ルされます。
CINの
(­)端子に接続します。
PVIN
(ピン6)
:主電源ピン。PGNDの近くでデカップリングしま
す。
SYNC/MODE
(ピン2)
:モードの選択と発振器同期の共用ピン。
SVIN
(ピン7)
:信号電源ピン。
すべてのアクティブな回路はこの
このピンはデバイスの動作を制御します。SV INまたはSGND
に接続すると、
それぞれBurst Mode動作またはパルス・スキッ
プ・モードが選択されます。
このピンがSVINの半分に保たれる
と、強制連続モードが選択されます。
このピンに接続した外部
発振器に発振周波数を同期することができます。外部クロック
に同期しているときは、パルス・スキップ・モードが選択されま
す。
ピンから電力が供給されます。SGNDの近くでデカップリング
します。SVINの電圧はPVIN以上でなければなりません。
SGND
(ピン3)
:信号グランド・ピン。
すべての小信号部品と補
償部品はこのグランドに接続します
(「基板レイアウトの検討
事項」
を参照)
。
還電圧を受け取ります。
このピンの公称電圧は0.8Vです。
SW(ピン4)
:インダクタへのスイッチ・ノードの接続。
このピン
はPVINからPGNDまで振幅します。
PGOOD
(ピン8)
:パワーグッド・ピン。
このコモン・ドレインのロ
ジック出力は、出力電圧がレギュレーション電圧の 7.5%以
内にない時に、SGNDに引き下げられます。
V FB(ピン9 )
:出力に接続された外付け抵抗分割器からの帰
I TH(ピン10 )
:エラーアンプの補償点。電流コンパレータのス
レッショルドが、
この制御電圧に応じて上昇します。
このピン
の公称電圧範囲は0V∼1.5Vです。
3411fb
4
LTC3411
ピン機能
NOMINAL (V)
PIN
NAME
1
SHDN/RT
2
SYNC/MODE
ABSOLUTE MAX (V)
DESCRIPTION
MIN
TYP
MAX
MIN
MAX
Shutdown/Timing Resistor
–0.3
0.8
SVIN
–0.3
SVIN + 0.3
SVIN
–0.3
SVIN + 0.3
PVIN
–0.3
PVIN + 0.3
Mode Select/Sychronization Pin
0
3
SGND
4
SW
Signal Ground
0
5
PGND
Main Power Ground
6
PVIN
Main Power Supply
–0.3
5.5
–0.3
SVIN + 0.3
7
SVIN
Signal Power Supply
2.5
5.5
–0.3
6
8
PGOOD
Power Good Pin
0
9
VFB
Output Feedback Pin
0
10
ITH
Error Amplifier Compensation and Run Pin
0
Switch Node
0
0
0.8
SVIN
–0.3
6
1.0
–0.3
SVIN + 0.3
1.5
–0.3
SVIN + 0.3
標準的性能特性
Burst Mode動作
パルス・スキップ・モード
VOUT
10mV/DIV
IL1
100mA/DIV
VOUT
10mV/DIV
VOUT
10mV/DIV
IL1
100mA/DIV
IL1
100mA/DIV
3411 G01
VIN = 3.3V
2µs/DIV
VOUT = 2.5V
ILOAD = 50mA
CIRCUIT OF FIGURE 7
EFFICIENCY (%)
EFFICIENCY (%)
PULSE SKIP
FORCED CONTINUOUS
75
IOUT = 1.25A
85
80
IL1
0.5A/DIV
75
70
70
VIN = 3.3V
VOUT = 2.5V
CIRCUIT OF FIGURE 7
65
60
負荷ステップ
VOUT
100mV/DIV
90
80
3411 G03
IOUT = 400mA
95
90
85
VIN = 3.3V
2µs/DIV
VOUT = 2.5V
ILOAD = 50mA
CIRCUIT OF FIGURE 7
効率とVIN
100
Burst Mode
OPERATION
95
3411 G02
VIN = 3.3V
2µs/DIV
VOUT = 2.5V
ILOAD = 50mA
CIRCUIT OF FIGURE 7
効率と負荷電流
100
強制連続モード
1
100
1000
10
LOAD CURRENT (mA)
10000
3411 G04
65
VOUT = 2.5V
CIRCUIT OF FIGURE 7
60
2.5
3.5
4.5
VIN (V)
5.5
VIN = 3.3V
40µs/DIV
VOUT = 2.5V
ILOAD = 0.25A TO 1.25A
CIRCUIT OF FIGURE 7
3411 G06
3411 G05
3411fb
5
LTC3411
標準的性能特性
ロード・レギュレーション
0.3
Burst Mode
OPERATION
VIN = 3.3V
VOUT = 2.5V
0
FORCED
CONTINUOUS
–0.1
–0.2
0.35
0.30
0.25
0.20
IOUT = 1.25A
0.15
IOUT = 400mA
6
4
2
0
–2
–4
–0.3
0.10
–0.4
0.05
–8
–0.5
0
–10
1
10
100
1000
LOAD CURRENT (mA)
10000
2
3
4
VIN (V)
5
3411 G07
周波数変動と温度
–4
95
90
–6
5
6
TA = 25°C
110
SYNCHRONOUS SWITCH
105
MAIN SWITCH
100
95
–8
–10
–50
4
VIN (V)
115
RDS(ON) (mΩ)
EFFICIENCY (%)
4
–2
3
RDS(ON)とVIN
120
VIN = 3.3V
VOUT = 2.5V
IOUT = 500mA
TA = 25°C
6
0
2
3411 G09
効率と周波数
100
8
REFERENCE VARIATION (%)
6
–6
3411 G08
10
2
VOUT = 1.8V
IOUT = 1.25A
TA = 25°C
8
0.40
PULSE SKIP
0.1
周波数とVIN
10
VOUT = 1.8V
TA = 25°C
0.45
VOUT ERROR (%)
VOUT ERROR (%)
0.2
ライン・レギュレーション
0.50
FREQUENCY VARIATION (%)
0.4
–25
0
25
50
75
TEMPERATURE (°C)
100
125
3411 G10
85
0
1
3
2
FREQUENCY (MHz)
4
3411 G11
90
2.5
3
3.5
4
4.5
VIN (V)
5
5.5
6
3411 G12
3411fb
6
LTC3411
ブロック図
SVIN
SGND
ITH
PVIN
7
3
10
6
0.8V
VOLTAGE
REFERENCE
PMOS CURRENT
COMPARATOR
ITH
LIMIT
+
BCLAMP
+
–
–
VFB 9
0.74V
+
–
ERROR
AMPLIFIER
VB
B
–
+
BURST
COMPARATOR
HYSTERESIS = 80mV
SLOPE
COMPENSATION
OSCILLATOR
4 SW
+
0.86V
LOGIC
–
+
PGOOD 8
NMOS
COMPARATOR
–
–
1
2
SHDN/RT
SYNC/MODE
REVERSE
COMPARATOR
+
5 PGND
3411 BD
3411fb
7
LTC3411
動作
LTC3411は固定周波数、電流モード・アーキテクチャを採用
しています。動作周波数はRT抵抗の値によって決めるか、
また
は外部発振器に同期させることができます。多様なアプリケー
ションに適合させるため、選択可能なModeピンを使って、
ユーザーはノイズと効率の妥協を図ることができます。
出力電圧はVFBピンに戻される外付け分割器によって設定さ
れます。
エラーアンプは分圧された出力電圧を0.8Vのリファレ
ンス電圧と比較し、
それにしたがってピーク・インダクタ電流を
調節します。過電圧コンパレータと低電圧コンパレータは、
出
力電圧が 7.5%以内にないと、PGOOD出力を L に引き下げ
ます。
メイン制御ループ
通常動作時、VFB電圧がリファレンス電圧より低いと、
トップ・
パワー・スイッチ
(PチャネルMOSFET)がクロック・サイクル
の開始時にオンします。電流リミットに達するまで、
インダクタ
と負荷に流れる電流が増加します。
スイッチがオフし、
インダ
クタに蓄えられたエネルギーがボトム・スイッチ
(Nチャネル
MOSFET)
を通って次のクロック・サイクルまで負荷に流れま
す。
ピーク・インダクタ電流はエラーアンプの出力であるITHピンの
電圧によって制御されます。
このアンプはVFBピンを0.8Vリファ
レンスと比較します。
負荷電流が増加すると、VFB電圧が低下
し、
リファレンスよりもわずかに下回ります。
この低下により、平
均インダクタ電流が新しい負荷電流に合致するまでエラーア
ンプがITHの電圧を上昇させます。
SHDN/RTピンをSV INの電圧にするとメイン制御ループは
シャットダウンされます。
シャットダウン後、
デジタル・ソフトス
タートがイネーブルされ、1024クロック・サイクルが経過する
か、
あるいは出力が安定するか、
どちらか早い方が生じるまで
ピーク・インダクタ電流がゆっくり立ち上がります。I THピンの
電圧を上昇させることにより、
ソフトスタートの時間を長くする
ことができます
(「アプリケーション情報」
を参照)。
低電流動作
低電流でLTC3411の動作を制御するために3つのモードを利
用することができます。3つのモードはすべて、
負荷電流が低い
ときに連続モードから選択されたモードに自動的にスイッチ
されます。
効 率を最 適 化するにはB u r s t M o d e 動 作を選 択すること
ができます。負荷が比較的軽いとき、LTC3411は自動的に
Burst Mode動作に切り替わります。
この場合、PMOSスイッチ
は負荷需要に応じて間易的に動作します。
サイクルを断続的
に実行することにより、パワーMOSFETのゲート電荷損失に
よって左右されるスイッチング損失が最小限に抑えられます。
出力電圧が必要なレギュレーション値に達したら、
メイン制御
ループは中断します。ITHが0.24Vより低くなるとヒステリシスを
もった電圧コンパレータBがトリップし、
スイッチをシャットオフ
して電力を減少させます。ITH/RUNが0.31Vを超えて、
スイッチ
とメイン制御ループをオンし、新たなサイクルを開始するまで、
出力コンデンサとインダクタが負荷に電力を供給します。
低電流で出力電圧リップルを下げるには、パルス・スキップ・
モードを使うことができます。
このモードでは、LTC3411は非
常に低い電流まで固定周波数でスイッチングを継続します。
こ
の場合、最終的にはパルスをスキップし始めます。
最後に、強制連続モードでは、
インダクタ電流は一定のサイ
クルを繰り返し、
すべての出力電流レベルで一定の出力電圧
リップルを生じます。
この機能はテレコム分野で必要です。
な
ぜなら、
ノイズが一定の周波数になるのでフィルタで除去する
のが容易だからです。
このモードの別の利点は、
レギュレータ
が負荷への電流をソースする能力と、
出力からの電流をシンク
する能力の両方をもつことです。
ドロップアウト動作
入力電源電圧が出力電圧に向かって低下すると、
デューティ・
サイクルが100%に増加しますが、
これはドロップアウト状態
です。
ドロップアウト状態ではPMOSスイッチが連続的にオ
ンし、
このときの出力電圧は、入力電圧から内部Pチャネル
MOSFETとインダクタの電圧降下を差し引いた電圧に等しく
なります。
低電源電圧動作
LTC3411は低電圧ロックアウト回路を内蔵しており、
この回路
は入力電圧が約2.5Vを下回るとデバイスをシャットダウンして
不安定な動作を防ぎます。
3411fb
8
LTC3411
アプリケーション情報
一般的なLTC3411の応用回路を図5に示します。外付け部品
の選択は負荷要件に基づいて行われ、
インダクタL1の選択か
ら始めます。L1が選択されると、CINとCOUTも選択できます。
動作周波数
動作周波数の選択は、効率と部品サイズのあいだのトレード
オフです。動作周波数が高いので、小さい値のインダクタとコ
ンデンサを使うことができます。低い周波数での動作は内部
ゲート電荷による損失を減らして効率を上げますが、
出力リッ
プル電圧を低く抑えるには、大きな値のインダクタンスや容量
を必要とします。
LTC3411の動作周波数fOは、RTピンとグランド間に接続した
外付け抵抗によって決定されます。
この抵抗の値により、発振
器の内部タイミング・コンデンサを充放電するために使われる
ランプ電流が設定されます。
この抵抗の値は次式を使って計
算することができます。
RT = 9.78 • 1011( fO )
−1.08
インダクタの選択
インダクタは動作周波数には影響しませんが、
インダクタの値
はリップル電流に直接影響を与えます。
インダクタのリップル
電流ΔILはインダクタンスが高いほど減少し、VINまたはVOUT
が高いほど増加します。
∆IL =
大きなΔILの値を許容すれば低いインダクタンスを使用できま
すが、
出力電圧リップルが高くなり、
コア損失が大きくなり、
出
力電流能力が低下します。
リップル電流を設定するための妥当な出発点は最大出力電
流の40%、
つまりΔIL = 0.4 • 1.25A = 500mAです。最大リップ
ル電流ΔILは最大入力電圧で発生します。
リップル電流が規
定された最大値を超えないようにするには、次式にしたがって
インダクタ値を選択します。
(Ω )
L=
つまり、図2を使用して選択することができます。
利用可能な最大動作周波数は最小オン時間とデューティ・サ
イクルによって制限されます。
これは次のように計算されます。
fO(MAX) ≈ 6.67 • (VOUT / VIN(MAX))(MHz)
最小周波数は、RTの抵抗が大きいことに起因するリークとノイ
ズ結合によって制限されます。
4.5
VOUT  VOUT 
• 1−
f O• L 
V IN 
VOUT
f O• ∆IL


V
•  1 − OUT 
 V IN(MAX) 
インダクタ値はBurst Mode動作にも影響を与えます。
ピーク・イ
ンダクタ電流がバースト・クランプによって設定されたレベル
を下回ると、低電流動作からの遷移が開始されます。
インダク
タの値が小さいとリップル電流が大きくなるので、
この遷移も
低負荷電流で起きるようになります。
このため、低電流動作の
上側の範囲で効率が低下します。Burst Mode動作では、
イン
ダクタンス値が小さくなるとバースト周波数が上がります。
TA = 25°C
4.0
FREQUENCY (MHz)
3.5
3.0
2.5
2.0
1.5
1.0
0.5
0
0
500
1000
1500
RT (kΩ)
3411 F02
図2. 周波数とRT
3411fb
9
LTC3411
アプリケーション情報
インダクタのコアの選択
コアの材質と形状が異なると、
インダクタのサイズ/電流および
価格/電流の関係が変化します。
フェライトやパーマロイを素
材とするトロイド・コアやシールドされたポット型コアは、小型
でエネルギー放射は大きくありませんが、類似の電気特性を
有する鉄粉コアのインダクタより一般に高価です。使用するイ
ンダクタの種類の選択は、主にLTC3411の動作要件に依存す
るよりも、価格とサイズの要件や放射フィールド/EMIの要件に
依存します。LTC3411のアプリケーションで適切に動作する標
準的な表面実装インダクタをいくつか表1に示します。
表1. 代表的な表面実装インダクタ
MANUFACTURER PART NUMBER
MAX DC
VALUE CURRENT DCR HEIGHT
Toko
A914BYW-2R2M-D52LC 2.2µH
2.05A
49mΩ
2mm
Toko
A915AY-2ROM-D53LC
2µH
3.3A
22mΩ
3mm
Coilcraft
D01608C-222
2.2µH
2.3A
70mΩ
3mm
Coilcraft
LP01704-222M
2.2µH
2.4A
120mΩ 1mm
Sumida
CDRH4D282R2
2.2µH
2.04A
23mΩ
Sumida
CDC5D232R2
2.2µH
2.16A
30mΩ 2.5mm
Taiyo Yuden N06DB2R2M
2.2µH
3.2A
29mΩ 3.2mm
Taiyo Yuden N05DB2R2M
2.2µH
2.9A
32mΩ 2.8mm
Murata
2.2µH
3.2A
24mΩ
LQN6C2R2M04
3mm
5mm
キャッチ・ダイオードの選択
ほとんどのアプリケーションでは不要ですが、図5に示されて
いるオプションのダイオードD1を追加すると、
いくつかのアプ
リケーションではわずかながらも効率を改善することができ
ます。
このダイオードは同期スイッチがオフのとき電流を流しま
す。Burst Mode動作やパルス・スキップ・モードを使うと、
同期
スイッチは低電流でオフし、残りの電流はこのオプションのダ
イオードを流れます。
ダイオードの定格を超えないように、
ダイ
オードのピーク電流と平均電力消費を適切に指定することが
重要です。
ショットキー・ダイオードの主な問題点は寄生容量
によって効率が低下することで、通常、LTC3411の回路に得ら
れる利点を打ち消します。
ショットキー・ダイオードがもたらす
おそれのあるもう1つの問題は高い温度でリーク電流が大きく
なることです。
このため、低電流での効率が低下する可能性が
あります。
キャッチ・ダイオードを使用する場合には、
リンギングや消費電
力の増加を防止するために、
リード長を短くして適切な接地
を行ってください
(「基板レイアウトの検討事項」
を参照)。
入力コンデンサCINの選択
連続モードでは、
コンバータの入力電流は、
デューティ・サイク
ルがほぼV OUT/V INの方形波になります。大きな過渡電圧を
防止するには、最大RMS電流に対応できる大きさの低い等
価直列抵抗(ESR)
の入力コンデンサを使用する必要がありま
す。最大RMSコンデンサ電流は次式で求められます。
IRMS ≈ IMAX
VOUT (VIN − VOUT )
VIN
3411fb
10
LTC3411
アプリケーション情報
ここで、最大平均出力電流I MAXは、
ピーク電流からピークピーク間リップル電流の半分を差し引いたものに等しくなりま
す
(IMAX = ILIM­ΔIL/2)。
COUTのESRの要件が満たされれば、
すべてセラミックを使っ
たソリューションの場合を除いて、一般にRMS電流定格は
IRIPPLE(P-P)の要件をはるかに上回ります。
この式はVIN = 2VOUTのとき最大値をとります。
この時、
IRMS =
IOUT/2です。大きく変化させてもそれほど状況が改善されない
ため、一般的にこの単純な最悪条件が設計に使用されます。
多くの場合、
コンデンサ製造元のリップル電流定格は、
わずか
2000時間の寿命時間によって規定されていることに留意して
下さい。
このため、
コンデンサをさらにディレーティングするか、
または要求条件よりも高い温度での定格をもったコンデンサ
を選択するようにしてください。
サイズまたは高さの設計要件
に適合させるため、複数のコンデンサを並列に接続することも
できます。
すべてセラミック・コンデンサを使うソリューションを
採用しない場合は、高周波のデカップリングのために0.1μF∼
1μFのセラミック・コンデンサをVINに追加することを推奨しま
す。
表面実装のアプリケーションでは、
アプリケーションの要求
する容量、ESRまたはRMS電流の要件を満たすため、複数の
コンデンサの並列接続が必要になることがあります。
アルミ電
解、特殊ポリマー、
セラミック、
および乾式タンタルの各コンデ
ンサはすべて、表面実装パッケージで入手できます。三洋製
のOS-CON半導体誘電体コンデンサは、ESRとサイズの積が
アルミニウム電解コンデンサの中で最も低いものですが、
やや
高価です。三洋製のPOSCAPなど特殊ポリマー・コンデンサは
ESRが非常に低いのですが、他のタイプに比べて容量密度が
低くなります。
タンタル・コンデンサは容量密度は最大ですが、
ESRが大きく、
スイッチング電源に使うためにはサージ試験さ
れていることが必須条件です。
ケースの高さが2mm∼4mmの
表面実装タンタル・コンデンサのAVX TPSシリーズが最適で
す。
アルミ電解コンデンサははるかに大きなESRをもっていま
すが、
リップル電流定格および長期信頼性に対して配慮すれ
ば、
コスト要求の非常に厳しいアプリケーションでよく使用さ
れます。セラミック・コンデンサはESRとコストが最小ですが、
容量密度も最小で、電圧係数と温度係数も高くて、可聴範囲
で圧電効果を示します。
さらに、配線インダクタンスをともなっ
たセラミック・コンデンサのQが高く、大きなリンギングを引き
起こすことがあります。他のコンデンサのタイプには、パナソ
ニックの特殊ポリマー
(SP)
コンデンサがあります。
出力コンデンサCOUTの選択
COUTの選択は、電圧リップルおよび負荷ステップに対する過
渡応答を最小限に抑えるために必要なESRによって決まりま
す。一般に、ESRの要件が満たされれば、
その容量はフィルタ
リングに対しても十分です。
出力リップルΔVOUTは次式で決定
されます。

1 
∆VOUT ≈ ∆IL  ESR +
8fO C OUT 

ここで、f = 動作周波数、COUT = 出力容量、ΔIL = インダクタの
リップル電流です。ΔILは入力電圧に応じて増加するため、出
力リップルは入力電圧が最大のときに最も高くなります。ΔIL =
0.3 • ILIMのとき、最大VIN、fO = 1MHzおよび以下のCOUTの
ESRで出力リップルは100mV未満になります。
ほとんどの場合、高周波デカップリングのため、
メイン・コンデ
ンサと並列に0.1μF∼1μFのセラミック・コンデンサをLTC3411
の近くに配置します。
ESRCOUT < 150mΩ
3411fb
11
LTC3411
アプリケーション情報
入力および出力のセラミック・コンデンサ
値の大きな低価格セラミック・コンデンサが今では小さなケー
ス・サイズで入手できるようになりました。
これらのコンデンサ
のESRは非常に小さいのでスイッチング・レギュレータに使い
たくなります。残念ながら、ESRが小さすぎてループの安定性
の問題を引き起こすことがあります。固体タンタル・コンデンサ
のESRは5kHz∼50kHzにループの
「ゼロ」
を生じます。
これは
許容できるループ位相マージンを得る手段になります。セラ
ミック・コンデンサは300kHzを超えても容量性を保ち、通常、
ESRが有効になる前に自己のESLと共振します。
また、
セラミッ
ク・コンデンサは温度の影響を受けやすいので、設計者は動
作温度範囲にわたってループの安定性をチェックする必要が
あります。大きな温度係数と電圧係数の影響を最小限に抑え
るため、X5RまたはX7Rのセラミック・コンデンサだけを使って
および村田製作所から最適のセラ
ください。太陽誘電、TDK、
ミック・コンデンサを入手することができます。
入力と出力にセラミック・コンデンサだけを使う場合、十分に
注意する必要があります。セラミック・コンデンサを入力に使
い、ACアダプタなど長いコードを通して電力を供給すると、
出
力の負荷ステップによってVINピンにリンギングが誘起される
ことがあります。
よくても、
このリンギングが出力に結合して、
ループが不安定であると誤認されることがあります。最悪の場
合、
この入力のリンギングがデバイスに損傷を与えるほど大き
くなることがあります。
セラミック・コンデンサのESRは非常に小さいので、
入力コンデ
ンサと出力コンデンサは代りに、電荷保存の要件を満たす必
要があります。負荷ステップ発生時には、帰還ループがスイッ
チ電流を十分に増加させて負荷に対応できるまで、
出力コン
デンサが即座に電流を供給して負荷に対応する必要がありま
す。帰還ループが応答するのに要する時間は、補償部品と出
力コンデンサのサイズに依存します。
負荷ステップに応答する
には標準で3∼4サイクルを要しますが、最初のサイクルだけは
出力が直線的に低下します。出力の垂下V DROOPは通常、最
初のサイクルの直線的な低下の約2∼3倍です。
したがって、
お
よそ以下の出力コンデンサのサイズから開始するのが良いで
しょう。
C OUT ≈ 2.5
∆IOUT
fO • VDROOP
デューティ・サイクルと負荷ステップの要件により、
さらに大き
な容量が必要になることがあります。
ほとんどのアプリケーションでは、電源のインピーダンスは非
常に小さいので、入力コンデンサは単に高周波のバイパスに
供給するために必要です。
ほとんどのアプリケーションでは通
常、10μFセラミック・コンデンサで十分です。
出力電圧の設定
LTC3411は、図5に示されているように、帰還ピンVFBと信号グ
ランドの間に0.8Vのリファレンス電圧を発生します。
出力電圧
は次式にしたがい、抵抗分割器によって設定されます。
 R2
VOUT ≈ 0.8V  1 + 
 R1
これらの抵抗を流れる電流を小さく
(<5μA)抑えると効率が
向上しますが、
あまり小さくしすぎると、浮遊容量がノイズの問
題を発生させ、
エラーアンプのループの位相マージンが減少
するおそれがあります。
周波数応答を改善するには、
フィードフォワード・コンデンサ
CFを使うこともできます。V FBラインをインダクタやSWライン
などのノイズ源から離して配線するように十分注意してくださ
い。
3411fb
12
LTC3411
アプリケーション情報
シャットダウンとソフトスタート
SHDN/RTピンには2つの機能があり、発振器の周波数を設定
し、LTC3411をシャットダウンする手段を備えています。
このピ
ンは、図3(a)と図3(b)に示されているように、
いくつかの方法で
制御ロジックとインタフェースすることができます。
ITHピンは主にループ補償用ですが、
ソフトスタート時間を長
くするためにも使うことができます。
ソフトスタートは、
ピーク・
インダクタ電流を徐々に上げることにより、VINからのサージ電
流を抑えます。
このピンを使用して電源のシーケンス制御も実
行できます。図4を見ると分るように、LTC3411は内部にデジタ
ル・ソフトスタート機能を備えており、1024クロック・サイクルに
わたってITHのクランプをステップ・アップしていきます。
図3(c)に示されているように、起動時にITHの電圧を徐々に上
げることによりソフトスタート時間を長くすることができます。
ITHの電圧が動作範囲内を徐々に上昇すると、内部ピーク電
流制限もそれに比例した直線レートで上昇します。
モードの選択と周波数の同期
SYNC/MODEピンは多目的ピンで、
モード選択機能と周波数
同期機能を備えています。
このピンをVINに接続するとBurst
Mode動作がイネーブルされ、出力電圧リップルが大きくなる
代わりに低電流で最大効率が得られます。
このピンをグランド
に接続するとパルス・スキップ動作が選択され、低電流での効
率が下がる代わりに出力の電圧と電流のリップルを最小にで
SHDN/RT
SHDN/RT
RT
RT
RUN
VIN
2V/DIV
(3b)
RUN OR VIN
C1
VOUT
2V/DIV
IL1
500mA/DIV
ITH
R1 D1
過渡応答のチェック
OPTI-LOOP補償により、広範囲な負荷と出力コンデンサに対
して過渡応答の最適化を図ることができます。ITHピンにより、
制御ループ動作を最適化できるだけでなく、DC結合されて
ACフィルタされた閉ループ応答のテスト・ポイントも得られま
す。
このテスト・ポイントでのDCステップ、立上り時間、
および
セトリングは、正確に閉ループ応答を反映します。2次特性が
支配的なシステムを想定すれば、
このピンで見られるオーバ
シュートの割合を使って、位相マージンと減衰係数を推定す
ることができます。
このピンの立上り時間を調べることにより、
帯域幅も推定できます。
1M
3411 F03b
(3a)
SYNC/MODEピンを使ってLTC3411を外部クロック信号に同
期させることもできます。
スロープ補償は内部発振器から得ら
れるので、内部発振器周波数を外部クロック周波数より20%
低く設定し、適切なスロープ補償がおこなえるようにします。
同
期時、
モードはパルス・スキップに設定され、
トップ・スイッチの
オンが外部クロックの立上りエッジに同期します。
SVIN
RUN
3411 F03a
きます。1VとSVIN­1Vの間の電圧を加えると強制連続モード
になり、
出力リップルが固定され、
いくらかの電流(約1/2ΔIL)
をシンクすることができます。
このモードではスイッチング・ノイ
ズが一定なので、
フィルタによる除去も簡単です。多くの場合、
起動時を除けば、単に出力電圧をSYNC/MODEに接続すると
強制連続モードにすることができます。
RC
CC
3411 F03c
VIN = 3.3V
VOUT = 2.5V
RL = 1.4Ω
200µs/DIV
3411 F04
図4. デジタル・ソフトスタート
(3c)
図3. SHDN/RTピンのインタフェースと外部ソフトスタート
3411fb
13
LTC3411
アプリケーション情報
図1の回路に示すITHピンの外付け部品は、
ほとんどのアプリ
ケーションにおいて妥当な開始点となります。直列RCフィルタ
により、支配的なポールゼロ・ループ補償が設定されます。
こ
れらの値は、
プリント基板のレイアウトが完了し、特定の出力
コンデンサの種類と容量値を決定した後で、過渡応答を最適
化するために多少(推奨値の0.5∼2倍)変更することができま
す。
さまざまな種類と値によってループ帰還係数の利得と位
相が決まるので、
まず出力コンデンサを選択する必要がありま
す。1μs∼10μsの立上り時間を持つ全負荷電流の20%∼100%
の出力電流パルスによって発生する出力電圧波形とI THピン
の波形により、帰還ループを開くことなく全体的なループの安
定性を判断することができます。
最初の出力電圧ステップは帰還ループの帯域幅内にない場
合があるため、位相マージンを決定するのに、標準的な2次
オーバシュート/DC比率を使用することはできません。
ループ
の利得はRを大きくすると増加し、
ループの帯域幅はCを小さ
くすると拡大します。Cを減少させたのと同じ比率だけRを増
加させるとゼロの周波数は変化しないので、帰還ループの最
も重要な周波数範囲で位相を同じに保ちます。
さらに、図5に
示されているように、
フィードフォワード・コンデンサC Fを追加
して高周波数応答を改善することができます。
コンデンサC F
はR2とともに高い周波数のゼロを生成して位相リードを確保
し、位相マージンを改善します。
出力電圧のセトリング動作は閉ループ・システムの安定性に
スイッチング・レギュレータは負荷電流のステップに対して応
関係し、電源の実際の全体的な性能を示します。制御ループ
答するのに数サイクルを要します。
負荷にステップが生じると、 理論の概説をはじめ、補償部品の最適化の詳細については、
ここ 「アプリケーション・ノート76」
VOUTはΔILOAD • ESRに等しい量だけ直ちにシフトします。
を参照してください。
で、ESRはCOUTの等価直列抵抗です。ΔILOADはさらにCOUT
の充電あるいは放電を開始し、
レギュレータがVOUTをその定
降圧レギュレータは、
ドロップアウト時にフル出力電流を供給
常値へ戻すために使う帰還誤差信号を発生します。
この回復
可能ですが、入力電圧V INがVOUTに向けて降下するにつれ、
時間の間、安定性の問題を示すオーバシュートやリンギング
インダクタ両端の電圧が下がることによって負荷ステップ能力
がないか、VOUTをモニタすることができます。
が低下する、
ということに注意してください。
ドロップアウト近く
で高い負荷ステップ能力を必要とするアプリケーションでは、
SEPIC、Zeta、
または1個のインダクタを使用した正の昇降圧レ
ギュレータなどの異なるトポロジーを使用します。
VIN
2.5V
TO 5.5V
C6
PGND
+
PGND
R5
R6
CIN
SVIN
C8
SW
SGND
LTC3411
SYNC/MODE
ITH
SGND
RC
CITH
D1 L1
OPTIONAL
VFB
SGND PGND
SHDN/RT
R1
+
CF
R2
PGND
VOUT
COUT
C5
PGND
RT
CC
SGND
PGOOD
PGOOD
PVIN
SGND
GND
SGND SGND
3411 F05
図5. LTC3411の一般的回路図
3411fb
14
LTC3411
アプリケーション情報
大容量(1μF以上)
の入力コンデンサを備えた負荷にスイッチ
で接続すると、
アプリケーションによってはさらに大きな過渡
現象が発生することがあります。放電した入力コンデンサが実
質的にCOUTと並列接続状態になるため、VOUTが急速に降下
します。負荷を接続するスイッチの抵抗が低く、
しかも瞬間的
にドライブされると、
どんなレギュレータでもこの問題を防止す
るだけ十分な電流を供給することはできません。解決策は、
負
荷スイッチのドライバのオン速度を制限することです。
ホットス
ワップ・コントローラは特にこの目的のために設計されており、
電流制限、短絡保護、
およびソフトスタート機能を通常は備え
ています。
効率の検討
スイッチング・レギュレータのパーセント効率は、
出力電力を入
力電力で割って100%を掛けたものに等しくなります。個々の
損失を解析して、効率を制限する要素がどれであり、
また何が
変化すれば最も効率が改善されるかを判断できる場合がよく
あります。
パーセント効率は次式で表すことができます。
パーセント効率 = 100%−(L1+L2+L3+...)
ここで、L1、L2などは入力電力に対するパーセンテージで表し
た個々の損失です。
回路内の電力を消費するすべての要素で損失が生じますが、
LTC3411回路の損失の大部分は4つの主な要因によって生じ
ます。
これらは1) LTC3411のV IN電流、2) スイッチング損失、3)
2
I R損失、4) その他の損失です。
1) V IN 電流は電気的特性に記載したDC電源電流であり、
MOSFETドライバと制御回路の電流は含まれません。無負荷
でも、VIN電流によって小さな
(0.1%以下の)損失が発生し、
こ
の損失はVINに従って増加します。
2) スイッチング電流はMOSFETドライバ電流および制御回路
電流の和です。MOSFETドライバ電流はパワーMOSFETの
ゲート容量をスイッチングすることによって流れます。
MOSFET
ゲートが L から H 、
そして再び L に切り替わるたびに、
VINからグランドに微小電荷dQが移動します。
その結果のdQ/
dtはVINからの電流であり、一般にDCバイアス電流よりはるか
に大きくなります。連続モードでは、IGATECHG = fO(QT+QB)
です。
ここで、QTとQBは内部のトップとボトムのMOSFETス
イッチのゲート電荷です。
ゲート電荷損失はVINに比例するの
で、
それらの影響は電源電圧が高くなると顕著になります。
3) I2R損失は内部スイッチのDC抵抗RSWと外部インダクタの
DC抵抗RLから計算されます。連続モードでは、
インダクタLを
流れる平均出力電流は内部のトップ・スイッチとボトム・スイッ
チ間でチョッパされます。
したがって、SWピンから見た直列抵
抗は次式のとおり、
トップMOSFETとボトムMOSFETの両方
のRDS(ON)およびデューティ・サイクル
(DC)
と相関関係があり
ます。
RSW = (RDS(ON)TOP)(DC)+(RDS(ON)BOT)(1−DC)
「標準
トップMOSFETとボトムMOSFETの両方のRDS(ON)は、
的性能特性」の曲線から求めることができます。
したがって、
I2R損失は次式で求めます。
I2R損失 = IOUT2(RSW+RL)
4) 銅トレースや内部バッテリ抵抗などの他の「隠れた」損失
が、携帯用システムではさらなる効率低下の原因になる可能
性があります。
これらの
「システム」
レベルの損失をシステムの
設計に含めることが非常に重要です。
内部バッテリとヒューズ
の抵抗の損失は、
スイッチング周波数においてC INが適切な
電荷蓄積と非常に低いESRをもつようにすれば最小限に抑え
ることができます。
デッドタイム中のダイオード導通損失やイン
ダクタ・コア損失などのその他の損失は、一般に2%以下の全
追加損失にすぎません。
熱に関する検討事項
ほとんどのアプリケーションで、LTC3411は効率が高いので
大きな発熱はありません。
ただし、周囲温度が高く、
(ドロップ
アウト時のように)低い電源電圧、高いデューティ・サイクルで
LTC3411が動作するアプリケーションでは、発熱がデバイス
の最大接合部温度を超えることがあります。接合部温度が約
150 Cに達すると、両方のパワー・スイッチがオフし、SWノード
がハイ・インピーダンスになります。
3411fb
15
LTC3411
アプリケーション情報
ここで、P Dはレギュレータの電力損失で、θ JAはダイの接合部
から周囲温度までの熱抵抗です。
設計例
設計例として、
リチウムイオン・バッテリを使った携帯用アプリ
ケーションにLTC3411を使う場合を考えます。バッテリはVIN
= 2.5V∼4.2Vを供給します。
負荷はアクティブ・モードで最大
1Aを必要とし、
スタンバイ・モードで10mAを必要とします。
出
力電圧はVOUT = 2.5Vです。
負荷はスタンバイでも電力を必要
とするので、低負荷での効率を良くするためにBurst Mode動
作が選択されています。
接合部温度TJは次式で求められます。
最初に、
タイミング抵抗を計算します。
LTC3411が最大接合部温度を超えないようにするには、熱解
析を行う必要があります。熱解析の目標は、電力損失がデバイ
スの最大接合部温度を超えるかどうかを判断することです。
温度上昇は次式で求められます。
TRISE = PD • θJA
TJ = TRISE+TAMBIENT
一例として、入力電圧が3.3V、
負荷電流が1Aのとき、LTC3411
がドロップアウト状態である場合について考えます。
スイッチ
抵抗の
「標準的性能特性」
のグラフから、Pチャネル・スイッチ
のRDS(ON)抵抗は約0.11Ωです。
したがって、
デバイスによる電
力損失は以下のとおりです。
PD = I2 • RDS(ON) = 110mW
MS10パッケージの接合部-周囲間熱抵抗θ JAは100℃/W∼
120℃/Wの範囲になります。
したがって、70℃の周囲温度で動
作しているレギュレータの接合部温度はおよそ次のようになり
ます。
TJ = 0.11 • 120+70 = 83.2℃
上記の接合部温度は25℃でのRDS(ON)から得られたことに留
意すると、
もっと大きなRDS(ON)に基づいて接合部温度を再計
算することもできるでしょう。
それは、RDS(ON)は温度に依存し
て増加するからです。
ただし、実際の接合部温度は125℃の絶
対最大接合部温度を超えないとゆとりをもって判断すること
ができます。
RT = 9.78 • 1011(1MHz )
−1.08
= 323.8k
324kの標準値を使います。次に、500mAである40%のリップル
電流を使ってインダクタ値を計算します。
L=
 2.5V 
2.5V
• 1−
= 2µH
1MHz • 500mA  4.2V 
製造販売元から入手できる最も近いインダクタである2.2μHを
選択すると、最大リップル電流は次のようになります。
∆IL =
2.5V
 2.5V 
•  1−
 = 460mA
1MHz • 2.2µ  4.2V 
コストに配慮して、
セラミック・コンデンサが使われます。COUT
の選択は、ESRの要件ではなく、
負荷ステップによる垂下を基
にしておこないます。5%の出力垂下の場合は次のようになりま
す。
C OUT ≈ 2.5
1A
= 20µF
1MHz • (5%• 2.5V)
最も近い標準値は22μFです。
リチウムイオン・バッテリの出力
インピーダンスは非常に低いので、C INは標準で10μFです。
ノイズの多い環境では、1Ω/0.1μFのR6/C8フィルタを使って
SV INをPV INからデカップリングするのが有効でしょうが、通
常は必要ありません。
3411fb
16
LTC3411
アプリケーション情報
これで、
出力電圧はR1とR2の値を選択してプログラムすること
ができます。高い効率を維持するには、
これらの抵抗を流れる
電流を小さく抑えます。0.8Vの帰還電圧で2μAを選択すると、
R1はおよそ400kになります。
これに近い標準1%抵抗は412k
で、
このときR2は887kになります。
補償は、
負荷ステップ応答を検討して、
これらの部品に対して
最適化しますが、LTC3411の場合、13kΩと1000pFのフィルタ
から始めるのが適当でしょう。
負荷ステップに対する実際のア
ンダーシュートに応じて、
出力コンデンサを大きくする必要が
あるかもしれません。
PGOODピンはコモン・ドレイン出力で、
プルアップ抵抗を必要
とします。適切な速度にするため、100kの抵抗が使われていま
す。
この設計例の完全な回路を図1に示します。
基板レイアウトの検討事項
PCボードをレイアウトするときには、以下のチェックリストを使
用してLTC3411が正しく動作するよう配慮しなければなりませ
ん。
これらの項目は、図6のレイアウト図にイラストで示してあり
ます。
レイアウトでは、以下の項目をチェックしてください。
1. コンデンサCINは電源VIN(ピン6)
と電源グランド
(ピン5)
に
できるだけ近づけて接続されていますか?このコンデンサは、
内部パワーMOSFETとそれらのドライバにAC電流を供給しま
す。
2. C OUTとL1は近づけて接続されていますか?COUTの
(­)端
子はPGNDおよびCINの
(­)端子に電流を戻します。
3. 抵抗分割器R1とR2は、COUTの
(+)端子と、SGND(ピン3)
の近くで終端されたグランド・ラインの間に接続する必要があ
ります。帰還信号VFBはノイズの多い部品やSWライン
(ピン4)
のようなトレースから離して配線し、
トレースをできるだけ短く
します。
4. 敏感な部品はSWピンから離します。入力コンデンサC IN、補
償コンデンサCCとCITHおよびすべての抵抗R1、R2、RT、
およ
びRCはSWトレースおよびインダクタL1から離して配線します。
5. グランド・プレーンが望ましいのですが、
それが利用できな
ければ信号グランドと電源グランドを分離し、小信号部品は1
点でSGNDピンに戻し、
この1点をPGNDピンに接続します。
6. すべての層のすべての未使用領域を銅で覆います。銅で覆
うと、電源部品の温度上昇を抑えます。
これらの銅領域は入
力電源(PVIN、PGND、SV INまたはSGND)
の1つに接続しま
す。
CIN
VIN
PGND
PVIN
LTC3411
PGOOD
R1
COUT
VOUT
SGND
VIN
PGOOD
C4
R2
SW
SVIN
R5
L1
VFB
SYNC/MODE
ITH
SHDN/RT
PS
R3
BM
RT
C3
3411 F06
BOLD LINES INDICATE HIGH CURRENT PATHS
図6. LTC3411のレイアウト図(「基板レイアウト・チェックリスト」
を参照)
3411fb
17
LTC3411
標準的応用例
VIN
2.63V TO
5.5V
C1
22µF
PGND
PVIN
SVIN
BM
FC
RS1
1M
PGOOD
SYNC/MODE
ITH
VOUT
1.8V/2.5V/3.3V
AT 1.25A
R2 887K
VFB
SHDN/RT
SGND
L1
2.2µH
SW
LTC3411
PS RS2
1M
R5
100k
PGOOD
3.3V
PGND
R3
13k
R4
324k
C3
1000pF
2.5V
R1A
280k
1.8V
R1B
412k
C2
22µF
C4 22pF
R1C
698k
3411 F07a
SGND
GND
SGND
PGND
SGND
NOTE: IN DROPOUT, THE OUTPUT TRACKS THE INPUT VOLTAGE
C1, C2: TAIYO YUDEN JMK325BJ226MM
L1: TOKO A914BYW-2R2M (D52LC SERIES)
図7. セラミック・コンデンサを使った汎用降圧レギュレータ
効率と負荷電流
100
Burst Mode
OPERATION (BM)
95
EFFICIENCY (%)
90
PULSE SKIP
(PS)
85
FORCED
CONTINUOUS (FC)
80
75
70
VIN = 3.3V
VOUT = 2.5V
fO = 1MHz
65
60
1
100
1000
10
LOAD CURRENT (mA)
10000
3411 F07b
3411fb
18
LTC3411
標準的応用例
単一インダクタ、正電源、昇降圧コンバータ
C1
22µF
VIN
2.63V
TO 5V
100k
C7
10pF
SVIN
SW
R3
13k
L1
3.3µH
SGND
VIN
PGOOD
VFB
SYNC/MODE
ITH
SHDN/RT
D1
C2
22µF
×2
M1
+
C4
47µF
VOUT
3.3V/
400mA
R4
324k
C3
1000pF
3411 TA02
C1, C2: TAIYO YUDEN JMK325BJ226MM
C4: SANYO POSCAP 6TPA47M
D1: ON MBRM120L
L1: TOKO A915AY-3R3M (D53LC SERIES)
M1: SILICONIX Si2302DS
効率と負荷電流
85
fO = 1MHz
VIN = 4V
80
EFFICIENCY (%)
R2
887k
PGND
LTC3411
PGOOD
R1
280k
PVIN
VIN = 2.5V
VIN = 3V
VIN = 3.5V
75
70
65
60
55
10
100
LOAD CURRENT (mA)
1000
3411 TA03
3411fb
19
LTC3411
標準的応用例
すべてセラミックの2セル・バッテリから3.3Vおよび1.8Vへのコンバータ
VIN = 2V TO 3V
L1
4.7µH
D1
VOUT
3.3V
120mA/1A
C5
22µF
LTC3402
VIN
+2
CELLS
SHDN
1M
VOUT
RT
49.9k
0 = FIXED FREQ
1 = Burst Mode OPERATION
SYNC/MODE
PGOOD
604k
VC
GND
PVIN
SVIN
MODE/SYNC FB
PGOOD
C1
10µF
SW
C2
44mF
(2 × 22mF)
1000pF
10pF
47k
SW
ITH
VFB
SHDN/RT
13k
1000pF
C1: TAIYO YUDEN JMK212BJ106MG
C2: TAIYO YUDEN JMK325BJ226MM
C5, C6: TAIYO YUDEN JMK325BJ226MM
LTC3411
SGND
L2
2.2µH
887k
C6
22µF
VOUT
1.8V/1.2A
PGND
412k
324k
D1: ON SEMICONDUCTOR MBRM120LT3
L1: TOKO A916CY-4R7M
L2: TOKO A914BYW-2R2M (D52LC SERIES)
3411 TA06
効率と負荷電流
100
95
3.3V
EFFICIENCY (%)
90
1.8V
85
80
75
70
65
60
VIN = 2.4V
Burst Mode OPERATION
10
100
1000
LOAD CURRENT (mA)
10000
3211 TA07
3411fb
20
LTC3411
標準的応用例
高さ2mm、2MHz、
リチウムイオン・バッテリから1.8Vへのコンバータ
C6
1µF
+
C1
33µF
PVIN
PGOOD
SVIN
SW
LTC3411
SYNC/MODE
ITH
C7
47pF
R3
15k
C3
470pF
R5
100k
L1
1µH
VFB
SGND PGND
SHDN/RT
R4
154k
PGOOD
C4 22pF
R1
698k
+
C2
33µF
C5
1µF
VOUT
1.8V
AT 1.25A
R2
887k
3411 TA04
C1, C2: AVX TPSB336K006R0600
C4, C5: TAIYO YUDEN LMK212BJ105MG
L1: COILCRAFT DO1606T-102
効率と負荷電流
100
95
2.5V
90
EFFICIENCY (%)
VIN
2.63V
TO 4.2V
85
3.6V
80
75
70
4.2V
65
60
VOUT = 1.8V
fO = 2MHz
55
50
1
100
1000
10
LOAD CURRENT (mA)
10000
3411 TA05
3411fb
21
LTC3411
パッケージ
DDパッケージ
10ピン・プラスチックDFN
(3mm
3mm)
(Reference LTC DWG # 05-08-1699)
R = 0.115
TYP
6
0.38 ± 0.10
10
0.675 ± 0.05
3.50 ± 0.05
1.65 ± 0.05
2.15 ± 0.05 (2 SIDES)
3.00 ± 0.10
(4 SIDES)
1.65 ± 0.10
(2 SIDES)
ピン1の
パッケージ トップ・マーキング
の外形
(NOTE 6を参照)
0.25 ± 0.05
0.50
BSC
2.38 ± 0.05
(2 SIDES)
0.200 REF
0.75 ± 0.05
0.00 – 0.05
5
1
(DD) DFN 1103
0.25 ± 0.05
0.50 BSC
2.38 ± 0.10
(2 SIDES)
底面図̶露出パッド
推奨する半田パッドのピッチと寸法
NOTE:
1. 図はJEDECパッケージ外形MO-229のバリエーション
(WEED-2)
になる予定。
バリエーションの指定の現状についてはLTCのWebサイトのデータシートを参照
2. 図は実寸とは異なる
3. 単位はすべてミリメートル
4. パッケージ底面の露出パッドの寸法にはモールドのバリを含まない。
モールドのバリは
(もしあれば)各サイドで0.15mmを超えないこと
5. 露出パッドは半田メッキとする
6. 網掛けの部分はパッケージの上面と底面のピン1の位置の参考に過ぎない
3411fb
22
LTC3411
パッケージ
MSパッケージ
10ピン・プラスチックMSOP
(Reference LTC DWG # 05-08-1661)
0.889 ± 0.127
(.035 ± .005)
5.23
(.206)
MIN
3.20 – 3.45
(.126 – .136)
3.00 ± 0.102
(.118 ± .004)
(NOTE 3)
0.50
(.0197)
BSC
0.305 ± 0.038
(.0120 ± .0015)
TYP
10 9 8 7 6
推奨半田パッド・レイアウト
0.254
(.010)
3.00 ± 0.102
(.118 ± .004)
(NOTE 4)
4.90 ± 0.152
(.193 ± .006)
DETAIL “A”
0.497 ± 0.076
(.0196 ± .003)
REF
0° – 6° TYP
ゲージプレーン
1 2 3 4 5
0.53 ± 0.152
(.021 ± .006)
DETAIL “A”
0.18
(.007)
シーティング
プレーン
0.86
(.034)
REF
1.10
(.043)
MAX
0.17 – 0.27
(.007 – .011)
TYP
0.50
(.0197)
NOTE:
BSC
1. 寸法はミリメートル/(インチ)
2. 図は実寸とは異なる
3. 寸法にはモールドのバリ、突出部、
またはゲートのバリを含まない。
モールドのバリ、突出部、
またはゲートのバリは、各サイドで0.152mm(0.006")
を超えないこと
4. 寸法には、
リード間のバリまたは突出部を含まない。
リード間のバリまたは突出部は、各サイドで0.152mm(0.006")
を超えないこと
5. リードの平坦度(整形後のリードの底面)
は最大0.102mm(0.004")
であること
0.1016 ± 0.0508
(.004 ± .002)
MSOP (MS) 0307 REV E
3411fb
リニアテクノロジー・コーポレーションがここで提供する情報は正確かつ信頼できるものと考えておりますが、その使用に関する責務は一切負い
ません。また、ここに記載された回路結線と既存特許とのいかなる関連についても一切関知いたしません。なお、日本語の資料はあくまでも参考資
料です。訂正、変更、改版に追従していない場合があります。最終的な確認は必ず最新の英語版データシートでお願いいたします。
23
LTC3411
関連製品
製品番号
説明
注釈
LT1616
500mA(IOUT)、1.4MHz高効率降圧DC/DCコンバータ
90%の効率、VIN:3.6V∼25V、VOUT(MIN):1.25V、
IQ:1.9mA、ISD:< 1μA、ThinSOTパッケージ
LT1776
500mA(IOUT)、200kHz高効率降圧DC/DCコンバータ
90%の効率、VIN:7.4V∼40V、VOUT(MIN):1.24V、
IQ:3.2mA、ISD:30μA、N8およびS8パッケージ
LTC1879
1.2A(IOUT)、550kHz同期整流式降圧DC/DCコンバータ
95%の効率、VIN:2.7V∼10V、VOUT(MIN):0.8V、
IQ:15μA、ISD:< 1μA、TSSOP16パッケージ
LTC3405/LTC3405A 300mA(IOUT)、1.5MHz同期整流式降圧DC/DCコンバータ
95%の効率、VIN:2.7V∼6V、VOUT(MIN):0.8V、
IQ:20μA、ISD:< 1μA、ThinSOTパッケージ
LTC3406/LTC3406B 600mA(IOUT)、1.5MHz同期整流式降圧DC/DCコンバータ
95%の効率、VIN:2.5V∼5.5V、VOUT(MIN):0.6V、
IQ:20μA、ISD:< 1μA、ThinSOTパッケージ
LTC3412
2.5A(IOUT)、4MHz同期整流式降圧DC/DCコンバータ
95%の効率、VIN:2.5V∼5.5V、VOUT(MIN):0.8V、
IQ:60μA、ISD:< 1μA、TSSOP16Eパッケージ
LTC3413
3A(IOUTシンク/ソース)、DDR/QDRメモリ終端用2MHz
モノリシック同期整流式レギュレータ
90%の効率、VIN:2.25V∼5.5V、VOUT(MIN):VREF/2、
IQ:280μA、ISD:< 1μA、TSSOP16Eパッケージ
LTC3430
60V、2.75A(IOUT)、200kHz高効率降圧DC/DCコンバータ
90%の効率、VIN:5.5V∼60V、VOUT(MIN):1.20V、
IQ:2.5mA、ISD:25μA、TSSOP16Eパッケージ
LTC3440
600mA(IOUT)、2MHz同期整流式昇降圧DC/DCコンバータ
95%の効率、VIN:2.5V∼5.5V、VOUT(MIN):2.5V、
IQ:25μA、ISD:< 1μA、10ピンMSパッケージ
ThinSOTはリニアテクノロジー社の商標です。
3411fb
24
リニアテクノロジー株式会社
〒102-0094 東京都千代田区紀尾井町3-6紀尾井町パークビル8F
TEL 03-5226-7291 FAX 03-5226-0268 www.linear-tech.co.jp
●
●
LT 1108 REV B • PRINTED IN JAPAN
 LINEAR TECHNOLOGY CORPORATION 2002