NJU8755

NJU8755
アナログオーディオ用 D 級パワーアンプ
概
外
要
形
NJU8755 は、アナログ信号入力のステレオ D 級オー
ディオパワーアンプです。 反転オペアンプ入力回路、
PWM 変調回路、出力短絡保護回路、電源電圧監視回路
を内蔵しています。 また、出力回路は BTL 構成のた
め、外付けのカップリングコンデンサが不要であり、出
力に簡単な LC 型ローパスフィルタを接続することで、
1.2W/ch の高出力が得られます。
NJU8755 は、D 級動作により電力効率が高いため、
ポータブルオーディオ機器、ノート PC 等に最適です。
特
NJU8755V
端子配列
徴
2 チャンネルアナログ信号入力
2 チャンネル BTL 出力 1.2W/ch. @5V、8Ω
スタンバイ(Hi-Z),ミュート制御機能
短絡保護回路
電源電圧監視機能
動作電源電圧
2.7∼5.25V
CMOS 構造
外形
SSOP20
ブロック図
VDD
INL
TEST
MUTE
VDDL
OUTLP
VSSL
OUTLN
VDDL
VDDL
VDD
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
20
19
18
17
16
15
14
13
12
11
VSS
INR
COM
STBY
VDDR
OUTRP
VSSR
OUTRN
VDDR
VDDR
VSS
VDDL
INL
OUTLP
+
-
Pulse
Width
Modulator
VSSL
COM
VDDR
+
+
INR
VDDL
OUTLN
+
-
VSSL
Pulse
Width
Modulator
-
OUTRP
VSSR
VDDR
OUTRN
VSSR
Short
Protection
Soft Start
Control Logic
MUTE
Ver.2008-11-19
STBY
Low Voltage
Detector
TEST
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NJU8755
端子説明
No.
1
2
記 号
VDD
INL
I/O
−
I
3
TEST
I
4
MUTE
I
VDDL
−
Lch 出力電源端子:VDDL=5.0V
OUTLP
VSSL
OUTLN
O
−
O
Lch 非反転信号出力端子
Lch 出力 GND 端子:VSSL=0V
Lch 反転信号出力端子
VDDR
−
Rch 出力電源端子:VDDR=5.0V
OUTRN
VSSR
OUTRP
O
−
O
5
9
10
6
7
8
11
12
16
13
14
15
機 能
電源端子:VDD=5.0V
Lch 信号入力端子
テスト切替端子
通常は GND へ接続してください。
ミュートコントロール端子
L:ミュート H:通常動作
Rch 反転信号出力端子
Rch 出力 GND 端子:VSSR=0V
Rch 非反転信号出力端子
スタンバイコントロール端子
17
STBY
I
L:スタンバイ H:通常動作
18
COM
−
内部回路中点端子
19
INR
I
Rch 信号入力端子
20
VSS
−
GND 端子:VSS=0V
*VSS= VSSL= VSSR=0V,VDD= VDDL=VDDR として使用してください。
*未使用時、端子番号 4(MUTE)、17(STBY)は VDD に接続して下さい。
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Ver.2008-11-19
NJU8755
NJU3555
機能説明
(1) 信号出力
信号出力は矩形波で出力されます。 アナログ信号にするには、2 次以上の LC 型 LPF が必要です。 また、
出力ドライバの電源 VDDL, VDDR, VSSL, VSSR は、電圧変動に対してレスポンスの良いスイッチング電源等で供給
して下さい。 出力波形の歪みは、電源の安定度に依存します。
(2) スタンバイ
STBY 端子を LOW レベルにすることにより、NJU8755 は、待機状態になります。 この時、出力端子(OUTLP,
OUTLN, OUTRP, OUTRN)は、ハイ・インピーダンス状態となります。
(3) ミュート
MUTE 端子を LOW レベルにすることにより、NJU8755 は、ミュート状態になります。LOW レベル期間中
の出力端子(OUTLP, OUTLN, OUTRP, OUTRN)には、デューティ50%の矩形波が出力されます。
(4) 電源電圧監視回路
電源電圧が大きく下がると、内部自励発回路の異常発振を防止するために回路を停止し、出力端子(OUTLP,
OUTLN, OUTRP, OUTRN)をハイ・インピーダンス状態とします。
(5) 短絡保護回路
短絡保護回路は Lch と Rch で独立した回路構成になっています。
以下の条件時に短絡保護回路が動作します。
・OUTLP と OUTLN を短絡
・OUTLP と VSSL を短絡
・OUTLN と VSSL を短絡
・OUTRP と OUTRN を短絡
・OUTRP と VSSR を短絡
・OUTRN と VSSR を短絡
短絡保護回路が動作すると、出力トランジスタがOFFします。
(この時、短絡していないもう一方のチャン
ネルは通常動作となります。)
その後、約 5 秒後回路動作を復帰させます。
注意
*1 短絡時間、検出電流は電源電圧、温度により変化します。
*2 本短絡保護回路は瞬時の短絡の保護を目的としており、継続的な短絡を行った場合、
IC内部の素子が破壊する恐れがあります。
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NJU8755
絶対最大定格
(Ta=25°C)
項 目
電源電圧
入力電圧
動作温度
保存温度
許容損失
記 号
VDD
VDDL
VDDR
Vin
Topr
Tstg
PD
定 格 値
-0.3 ∼+5.5
-0.3 ∼+5.5
-0.3 ∼+5.5
-0.3∼VDD+0.3
-40 ∼ +85
-40 ∼+125
300 (SSOP20)
単位
V
V
V
V
°C
°C
mW
注1) 電圧は全て VSS= VSSL= VSSR=0V を基準とした値です。
注2) 絶対最大定格を超えて LSI を使用した場合、LSI の永久破壊となることがあります。 また、通常動作では
電気的特性の条件で使用することが望ましく、この条件を超えると LSI の誤動作の原因になると共に、LSI
の信頼性に悪影響を及ぼすことがあります。
注3) 安定して動作させるために、VDD-VSS、VDDL-VSSL、VDDR-VSSR 間にデカップリングコンデンサを挿入してく
ださい。
注4) 許容損失について
NJU8755 は、1.2W X 2ch(VDD=5V)で合計 2.4W の出力を得ることが出来ます。
D 級動作のアンプは、一般的なアナログ動作のアンプに比べて電力効率が非常に高く、発熱も少ないの
ですが、NJU8755 は小型のパッケージを使用しているため、最大出力で連続動作させた場合、最大許容
損失を超える場合があります。
一般的な音楽信号の場合、平均電力は最大出力電力の 1/5 から 1/10 程度であり、基板からの放熱もある
ため、実使用上は許容損失を超えることはありませんが、
使用の際、実装基板の熱抵抗、使用周囲温度、出力電力(平均値)等を考慮し、最大許容損失を超えない
よう充分ご注意下さい。
最大許容損失に関しては、以下の方法で求めることが出来ます。
Pdmax(W) = (Tjmax(°C) - Ta(°C)) /θja
ここで、
Pdmax:許容損失、Tjmax:ジャンクション温度 = 125℃
Ta:周囲温度、θja:パッケージ熱抵抗 = 333℃/W
また、IC の電力損失は、以下の式で求めることが出来ます。
Pd(W) = PO(W) X RO(Ω) / RL(Ω) + PdIC(W)
ここで、
Pd:全電力損失、PO:出力電力、RO:出力部内部抵抗
RL:負荷抵抗、PdIC:内部回路の電力
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電気的特性
(特記無き場合, Ta=25°C, VDD= VDDL= VDDR=5.0V, VSS=VSSL=VSSR=0V,
入力信号周波数=1kHz, 入力信号レベル=200mVrms, 測定帯域=20Hz∼20kHz,
負荷インピーダンス=8Ω, 2 次 34kHzLC フィルタ(Q=0.85)追加時)
項 目
VDD,VDDP,VDDN 動作電圧範囲
入力インピーダンス
電圧利得
出力電力効率
出力 THD
出力電力
S/N
ダイナミックレンジ
チャンネルセパレーション
チャンネル間出力レベル差
最大ミュート減衰量
消費電流 (スタンバイ時)
消費電流 (無信号入力時)
入力電圧
入力リーク電流
記号
VDD
ZIN
AV
Eeff
THD
Po
SN
Drange
Echn
CHD
MAT
IST
IDD
VIH
VIL
ILK
条 件
INL、INR 端子
出力 THD=10%
Po=0.6W
出力 THD=10%
A weight
A weight
EIAJ(1kHz)
フィルタ無し,
無負荷
MUTE、STBY 端子
MUTE、STBY 端子
MUTE、STBY 端子
MIN
2.7
80
60
90
-
TYP
5.0
20
23
0.05
1.2
80
83
-
MAX
5.25
0.08
3
1
単位
V
kΩ
dB
%
%
W/ch
dB
dB
dB
dB
dB
µA
-
7.5
10
mA
0.7VDD
0
-
-
VDD
0.3VDD
±1.0
V
V
µA
注
5
5
5
注5) 出力 THD,S/N,ダイナミックレンジ 測定環境
図 1.に出力 THD,S/N,ダイナミックレンジの測定環境を示します。 NJU8755 の出力 THD,S/N,ダ
イナミックレンジは、評価ボード上にある 2 次 LC 型 LPF で高域のノイズを落として評価ボードから取り
出し、オーディオアナライザ上のフィルタで正確に帯域制限して各種特性を測定しています。
信号入力
NJU8755
2次
LC LPF
NJU8755 評価ボード
フィルタ
20kHz
(AES17)
歪率計
オーディオアナライザ
図 1. 出力 THD,S/N,ダイナミックレンジ 測定環境
2 次 LPF : fc=34kHz, 応用回路例中にある LPF の定数を使用
フィルタ : 22Hz HPF + 20kHz LPF(AES17)
(S/N とダイナミックレンジ測定時は A-Weighting Filter 有り)
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応用回路例
A918CY-220M
VDD
10µF 0.1µF
22µH
OUTLP(6)
VDD(1)
A918CY-220M
VSS(20)
2.2µF
10µF
INR
2.2µF
22µH
INL(2)
COM(18)
INR(19)
NJU8755
INL
•A918CY-220M は東光㈱の製品です。
詳しくは、同社発行の技術資料を参照
して下さい。
10µF
VDD
VSSL(7)
22µH
OUTRP(15)
MUTE(4)
STBY(17)
TEST(3)
0.1µF
8Ω Speaker
1µF
OUTLN(8)
VDDL(5,9,10)
1µF
A918CY-220M
22µH
OUTRN(13)
VDDR(11,12,16)
1µF
8Ω Speaker
1µF
A918CY-220M
0.1µF
10µF
VDD
VSSR(14)
図 2.1
VDD
10µF 0.1µF
応用回路例(LCR フィルタ構成)
33µH
OUTLP(6)
VDD(1)
8Ω Speaker
INL
2.2µF
10µF
INR
2.2µF
INL(2)
COM(18)
INR(19)
NJU8755
VSS(20)
OUTLN(8)
VDDL(5,9,10)
0.1µF
10µF
VDD
VSSL(7)
33µH
OUTRP(15)
MUTE(4)
STBY(17)
TEST(3)
8Ω Speaker
OUTRN(13)
VDDR(11,12,16)
0.1µF
10µF
VDD
VSSR(14)
図 2.2
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応用回路例(LR フィルタ構成)
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<LCR フィルタ構成と LR フィルタ構成の特徴>
LCR フィルタ構成の場合;LR フィルタ構成と比較して無音時の消費電流を減らすことができます。
LR フィルタ構成の場合;LCR フィルタ構成と比較して THD+N 特性が高域で若干変動します。
また、無音時の消費電流が増加しますが部品点数を減らすことができます。
フィルタ構成は十分ご検討の上、用途に応じて選択されることを推奨します。
注6) 電源端子間には,必ずデカップリングコンデンサを接続して下さい。
また、容量値はアプリケーション回路や使用温度に合わせて調整して下さい。
容量値が小さいと、誤動作を起こす可能性があります。
注7) ドライバの電源 VDDL=VDDR は、過度応答性の良い電源を使用して下さい。
過度応答性が悪い電源を使用した場合や、デカップリングコンデンサの容量が小さくリップルがある場合
は、歪み率が悪化します。
注8) 本回路は、応用例を示すものであり、特性の保証を行うものではありません。 ご使用に際しては、LC フ
ィルタのカットオフ周波数等の設定は音質に影響を与えますので、システムに合わせた回路定数の検討を
十分に行って下さい。
また、LC フィルタの Q 値が大きいと、カットオフ周波数近傍の信号に対して電流が増加しますので、Q ≤
1 となるように定数を設定して下さい。
注9) MUTE,STBY 端子の入力信号は、遷移時間を 100µs 以内にして下さい。 遷移時間が長いと誤動作する
場合があります。
注10) ( )内は端子番号です。
<注意事項>
このデータブックの掲載内容の正確さには
万全を期しておりますが、掲載内容について
何らかの法的な保証を行うものではありませ
ん。とくに応用回路については、製品の代表
的な応用例を説明するためのものです。また、
工業所有権その他の権利の実施権の許諾を伴
うものではなく、第三者の権利を侵害しない
ことを保証するものでもありません。
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