NJU8752/52B NJU3555 圧電スピーカ駆動用 D 級パワーアンプ 概 外 要 NJU8752/NJU8752B は、アナログ信号入力の圧電ス ピーカ駆動用モノラル D 級オーディオパワーアンプで す。 反転オペアンプ入力回路、PWM 変調回路、出力 短絡保護回路、電源電圧監視回路を内蔵しています。 入 力部は 3.3V(typ)で動作し、出力部は 16.0V まで動作可 能です。 このため、圧電スピーカを高音圧で効率良く 駆動することが可能です。 また、出力回路は BTL 構成 のため、外付けのカップリングコンデンサが不要であり、 更に、圧電スピーカの容量成分を利用することにより、 最小の外付け部品で圧電スピーカを駆動できます。 NJU8752/52B はD級動作により低消費電力で、薄型 軽量の圧電スピーカを駆動できるため、電池駆動の機器 に最適です。 特 形 NJU8752V / 52BV NJU8752BKM1 徴 圧電スピーカ駆動 アナログ入力,モノラル BTL 出力 スタンバイ(Hi-Z),ミュート制御機能 電圧利得 31dB(NJU8752) 20dB(NJU8752B) 短絡保護回路 電源電圧監視機能 動作電源電圧 入力部: 2.7∼3.6V(NJU8752) 3.1∼3.6V(NJU8752B) 出力部: 6.0∼16.0V CMOS 構造 外形 SSOP14(NJU8752 / 52B) QFN20(NJU8752B) 端子配列 VDD IN TEST 1 MUTEB VSS OUTP VDDO 1 2 3 4 5 6 7 VSS COM TEST 2 STBYB VSS OUTN VDDO 14 13 12 11 10 9 8 20 NC VDD NC VSS NC SSOP14 (NJU8752V / 52BV) 1 COM TEST 2 STBYB VSS OUTN VDDO VDDO NC VDDO VDDO IN TEST 1 MUTEB VSS OUTP QFN20 (NJU8752BKM1) Ver.2011-01-06 -1- NJU8752/52B ブロック図 VDD VSS VDDO IN OUTP + - COM VSS Pulse Width Modulator VDDO OUTN + VSS Short Protector Soft Start Low Voltage Detector Control Logic MUTEB TEST 1 STBYB TEST 2 端子説明 端子番号 SSOP14 1 2 QFN20 19 1 記 号 I/O VDD IN − I 機 能 電源端子:VDD=3.3V 信号入力端子 テスト切替端子 1 3 2 TEST 1 I 通常は GND へ接続してください。 ミュートコントロール端子 4 3 MUTEB I L:ミュート H:通常動作 5,10,14 4,12,17 VSS − GND 端子:VSS=0V 6 5 OUTP O 非反転信号出力端子 7,8 6,7,9,10 VDDO − 出力電源端子:VDDO=最大 16V 9 11 OUTN O 反転信号出力端子 スタンバイコントロール端子 11 13 STBYB I L:スタンバイ H:通常動作 テスト切替端子 2 12 14 TEST 2 I 通常は GND へ接続してください。 13 15 COM − 内部回路中点端子 − 8,16,18,20 NC − 未接続端子 * VSS(SSOP10 は端子番号 5,10,14、QFN20 は端子番号 4,12,17)は PCB 上での 配線を IC 近傍で接続して下さい。 * VDDO(SSOP10 は端子番号 7,8、QFN20 は端子番号 6,7,9,10)は PCB 上での 配線を IC 近傍で接続して下さい。 *未使用時、MUTEB(SSOP10 は端子番号 4、QFN20/28 は端子番号 3)、STBYB(SSOP10 は端子番号 11、 QFN20 は端子番号 13)は VDD に接続して下さい。 -2- Ver.2011-01-06 NJU8752/52B NJU3555 機能説明 (1) 信号出力 信号出力は矩形波で出力されます。 アナログ信号にするには、2 次以上の LC 型 LPF が必要です。 また、 出力ドライバの電源 VDDO は、電圧変動に対してレスポンスの良いスイッチング電源等で供給して下さい。 出 力波形の歪みは、電源の安定度に依存します。 (2) スタンバイ STBYB 端子を LOW レベルにすることにより、NJU8752/52B は、待機状態になります。 この時、出力端子 (OUTP, OUTN)は、ハイ・インピーダンス状態となります。 (3) ミュート MUTEB 端子を LOW レベルにすることにより、NJU8752/52B は、ミュート状態になります。LOW レベル期 間中の出力端子(OUTP, OUTN)には、デューティ50%の矩形波が出力されます。 (4) 電源電圧監視回路 電源電圧が大きく下がると、内部自励発回路の異常発振を防止するために回路を停止し、出力端子(OUTP, OUTN)をハイ・インピーダンス状態とします。 (5) 短絡保護回路 以下の条件時に短絡保護回路が動作します。 ・OUTP と OUTN を短絡 ・OUTP と VSS を短絡 ・OUTN と VSS を短絡 短絡保護回路が動作すると、出力トランジスタがOFFします。 その後、約 5 秒後回路動作を復帰させます。 注意 *1 短絡時間、検出電流は電源電圧、温度により変化します。 *2 本短絡保護回路は瞬時の短絡の保護を目的としており、継続的な短絡を行った場合、 IC内部の素子が破壊する恐れがあります。 Ver.2011-01-06 -3- NJU8752/52B 絶対最大定格 (Ta=25°C) 項 目 記 号 定 格 値 単位 電源電圧 VDD VDDO -0.3 ∼+4.0 -0.3 ∼+18.0 V V -0.3∼VDD+0.3 V -40 ∼ +85 °C -40 ∼+125 °C 450 (SSOP14) 許容損失 PD mW 620(QFN20) (許容損失は基板上に実装した時の値です。基板仕様:2層 EIA / JEDEC STD) 入力電圧 動作温度 保存温度 Vin Topr Tstg 注1) 電圧は全て VSS= 0V を基準とした値です。 注2) 絶対最大定格を超えて LSI を使用した場合、LSI の永久破壊となることがあります。 また、通常動作では 電気的特性の条件で使用することが望ましく、この条件を超えると LSI の誤動作の原因になると共に、LSI の信頼性に悪影響を及ぼすことがあります。 注3) 安定して動作させるために、VDD-VSS、VDDO-VSS、VDDO-VSS 間にデカップリングコンデンサを挿入してく ださい。 電気的特性 -NJU8752(特記無き場合, Ta=25°C, VDD=3.3V, VDDO=12.0V, VSS=0V,入力信号周波数=1kHz,入力信号レベル=200mVrms, 測定帯域=20Hz∼20kHz, 負荷インピーダンス=0.8µF 2 次 34kHzLC フィルタ(Q=0.75)追加時) 項 目 VDD 動作電圧範囲 VDDO 動作電圧範囲 入力インピーダンス 電圧利得 記号 VDD VDDO ZIN AV 出力 THD THD 最大出力 S/N ダイナミックレンジ 最大ミュート減衰量 消費電流 (スタンバイ時) Vo SN Drange MAT IST 消費電流 (無信号入力時) IDD 入力電圧 入力リーク電流 -4- VIH VIL ILK 条 件 IN 端子 入力信号レベル =200mVrms 出力 THD=10% A weight A weight フィルタ無し, 無負荷 MUTEB、 STBYB 端子 MUTEB、 STBYB 端子 MUTEB、 STBYB 端子 MIN 2.7 6.0 - TYP 3.3 12.0 20 31 MAX 3.6 16.0 - 単位 V V kΩ dB 注 - 0.05 0.08 % 4 7 90 - 10 80 83 - 1 Vrms dB dB dB µA - 3.5 10 mA 0.7VDD 0 - - VDD 0.3VDD ±1.0 V V µA 4 4 Ver.2011-01-06 NJU8752/52B NJU3555 -NJU8752B(特記無き場合, Ta=25°C, VDD=3.3V, VDDO=12.0V, VSS=0V,入力信号周波数=1kHz,入力信号レベル=700mVrms, 測定帯域=20Hz∼20kHz, 負荷インピーダンス=0.8µF 2 次 34kHzLC フィルタ(Q=0.75)追加時) 項 目 VDD 動作電圧範囲 VDDO 動作電圧範囲 入力インピーダンス 電圧利得 記号 VDD VDDO ZIN AV 出力 THD THD 最大出力 S/N ダイナミックレンジ 最大ミュート減衰量 消費電流 (スタンバイ時) Vo SN Drange MAT IST 消費電流 (無信号入力時) IDD 入力電圧 入力リーク電流 VIH VIL ILK 条 件 NJU8752 IN 端子 入力信号レベル =700mVrms 出力 THD=10% A weight A weight フィルタ無し, 無負荷 MUTEB、 STBYB 端子 MUTEB、 STBYB 端子 MUTEB、 STBYB 端子 MIN 3.1 6.0 - TYP 3.3 12.0 20 20 MAX 3.6 16.0 - 単位 V V kΩ dB 注 - 0.05 0.08 % 4 7 - 10 80 83 90 - 1 Vrms dB dB dB µA - 3.5 10 mA 0.7VDD 0 - - VDD 0.3VDD ±1.0 V V µA 4 4 注4) 出力 THD,S/N,ダイナミックレンジ 測定環境 図 1.に出力 THD,S/N,ダイナミックレンジの測定環境を示します。 NJU8752/52B の出力 THD,S/N, ダイナミックレンジは、評価ボード上にある 2 次 LC 型 LPF で高域のノイズを落として評価ボードから取 り出し、オーディオアナライザ上のフィルタで正確に帯域制限して各種特性を測定しています。 信号入力 NJU8752/52B 2次 LC LPF NJU8752/52B 評価ボード フィルタ 20kHz (AES17) 歪率計 オーディオアナライザ 図 1. 出力 THD,S/N,ダイナミックレンジ 測定環境 2 次 LPF : 応用回路例中にある LPF の定数を使用 フィルタ : 22Hz HPF + 20kHz LPF(AES17) (S/N とダイナミックレンジ測定時は A-Weighting Filter 有り) Ver.2011-01-06 -5- NJU8752/52B 応用回路例 •LLB2520 は東光㈱の製品です。 詳しくは、同社発行の技術資料を参照して下さい。 VSS(14) 2.2µF 3.3kΩ IN IN(2) COM(13) 0.01µF 10µF MUTEB(4) STBYB(11) LLB2520 33~47µH 5~10Ω LLB2520 33~47µH OUTP(6) VDD(1) NJU8752/52B VDD 10µF 0.1µF 5~10Ω OUTN(9) VDDO(7) 0.1µF 0.1µF 10µF 0.1µF 10µF 0.5~2µF 0.1µF VDDO VSS(5) VDDO(8) TEST1(3) Piezo Speaker VDDO VSS(10) TEST2(12) 図 2.1 応用回路例 (SSOP14) VDD 10µF 0.1µF VDD(19) IN(1) COM(15) 0.01µF 10µF MUTEB(3) STBYB(13) TEST1(2) TEST2(14) NJU8752B 2.2µF 3.3kΩ LLB2520 33~47µH 5~10Ω LLB2520 33~47µH OUTP(5) VSS(17) IN 5~10Ω OUTN(11) VDDO(6,7) Piezo Speaker 0.1µF 0.1µF 10µF 0.1µF 10µF 0.5~2µF 0.1µF VDDO VSS(4) VDDO(9,10) VDDO VSS(12) 図 2.2 応用回路例 (QFN20) -6- Ver.2011-01-06 NJU8752/52B NJU3555 注5) 電源端子間には,必ずデカップリングコンデンサを接続して下さい。 また、容量値はアプリケーション回路や使用温度に合わせて調整して下さい。 容量値が小さいと、誤動作を起こす可能性があります。 注6) ドライバの電源 VDDO は、過度応答性の良い電源を使用して下さい。 過度応答性が悪い電源を使用した場合や、デカップリングコンデンサの容量が小さくリップルがある場合 は、歪み率が悪化します。 注7) 本回路は、応用例を示すものであり、特性の保証を行うものではありません。 ご使用に際しては、LC フ ィルタのカットオフ周波数などの設定は音質に影響を与えますので、システムに合わせた回路定数の検討 を十分に行って下さい。 また、LC フィルタの Q 値が大きいと、カットオフ周波数近傍の信号に対して電流が増加しますので、Q ≤ 1 となるように定数を設定して下さい。 注8) MUTEB,STBYB 端子の入力信号は、遷移時間を 100µs 以内にして下さい。 遷移時間が長いと誤動作す る場合があります。 注9) ( )内は端子番号です。 <注意事項> このデータブックの掲載内容の正確さには 万全を期しておりますが、掲載内容について 何らかの法的な保証を行うものではありませ ん。とくに応用回路については、製品の代表 的な応用例を説明するためのものです。また、 工業所有権その他の権利の実施権の許諾を伴 うものではなく、第三者の権利を侵害しない ことを保証するものでもありません。 Ver.2011-01-06 -7-