SHINDENGEN 新電元

CAT.No. 1H0101-1
MCZ5207/08SG APPLICATION NOTE
AUG.2015 Ver1.0
®
SHINDENGEN
ELECTRIC MFG.CO.,LTD
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MCZ5207/08SG
APPLICATION
NOTE
使用上の注意
このたびは、弊社製品をご使用いただき誠にありがとうございます。
当 IC をご使用の際は、お客様の安全を確保するため下記の警告ならびに注意を必ず守ってご使用下さい。
警
告
注
意
警
告
注
意
!
誤った取り扱いをしたときに死亡や重大な人身事故および大きな物的損害に結びつく危険性のあるもの。
!
誤った取り扱いをしたときに軽傷に結びつく恐れ、または軽微な物損事故に結びつく恐れのあるもの。
!
当 IC は、一般電子機器(事務機器・通信機器・計測機器・家電製品等)に使用されることを意図しております。誤動作や事
故が直接人体や生命を脅かす恐れのある医療器、航空宇宙機、列車、輸送機器(車載、船舶等)、原子力等の制御機器
には使用しないで下さい。一般電子機器以外にご使用になる場合は弊社までご相談下さい。
!
修理や改造は、重大な事故につながりますので、絶対にやめて下さい。
《感電、破壊、火災、誤動作等の危険があります。》
!
異常時は出力端子に過大電圧が発生したり、電圧低下となる場合があります。 異常時の、負荷の誤動作や破壊等を想定
した保護対策(過電圧保護、過電流保護等の保護対策)を最終機器に組み込んで下さい。
!
入力端子、出力端子の極性を確認し誤接続の無いことを確認してから通電して下さい。
《保護素子が切れたり、発煙・発火の原因になります。》
!
決められた入力電圧を必ず守っていただくとともに、入力ラインに必ず保護素子を挿入して下さい。
《異常時には発煙・発火の危険があります。》
!
使用中に故障または、異常が発生した時は、すぐに入力を遮断して電源を停止させて下さい。また、直ちに弊社にご相談
下さい。
●本資料に記載されている内容は、製品改良などのためお断りなしに変更することがありますのでご了承下さい。
●御使用頂く際には、仕様書の取り交わしをして頂けます様お願いします。
●ここに記載されたすべての資料は正確かつ信頼し得るものでありますが、これらの資料の使用によって起因する損害または特許権その
他権利の侵害に関しては、当社は一切その責任を負いません。
●本資料によって第三者または当社の特許権その他権利の実施に対する保証または実施権の許諾を行うものではありません。
●本資料の一部または全部を当社に無断で転載または複製することを堅くお断りいたします。
! 当社は、品質と信頼性の向上に絶えず努めていますが、半導体製品はある確率で故障が発生したり、誤動作する場合があります。必要
に応じ、安全性を考慮した冗長設計、延焼防止設計、誤動作防止設計等の手段により結果として人身事故、火災事故、社会的な損害等が
防止できるようご検討下さい。
!
本資料に記載されている当社半導体製品は、特別に高い品質・信頼性が要求され、その故障や誤動作が直接人命を脅かしたり、人体
に危害を及ぼす恐れのある機器あるいはシステムに用いられることを目的として設計、製造されたものではありません。下記の特別用途、
特定用途の機器、装置にご使用の場合には必ず当社へご連絡の上、確認を得て下さい。
特別用途
輸送機器(車載、船舶等)、基幹用通信機器、交通信号機器、防災/防犯機器、各種安全機器、医療機器 等
特定用途
原子力制御システム、航空機器、航空宇宙機器、海底中継器、生命維持のための装置 等
! なお、IC 製品に関しては、特別用途・特定用途に限らず、連続運転を前提として長期製品寿命を期待される機器、装置にご使用される
場合に関しては当社へお問い合わせ下さい。
当社は IC 製品を安全に使っていただくために回路支援をいたしています。弊社担当営業または商品企画
にお問い合わせ下さい。
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Index
1 : 概要
1.1: 特長
4
1.2: ブロック図
5
1.3: 端子配置図
6
1.4: 各ピン機能一覧
6
1.5: 適用回路構成例
7
2 : 基本動作の説明
2.1: 動作モード
8
2.2: 電源供給部
8
2.2.1: 制御 IC 電源供給(Vc1 端子)
8
2.2.2: ドライバ用電源出力 (Vc2 端子)
8
2.2.3: 上側ドライバ電源 (VB 端子)
8
9-18
2.3: 各端子動作詳細
2.3.1: ゲートドライバ出力 (VGL、VGH 端子)
9
2.3.2: 発振制御部 (FB 端子)
9-10
2.3.3: ブラウンアウト保護 (Vsen 端子)
10
2.3.4: 過電流保護機能 (CS1 端子)
11
2.3.5: 過電流平均化 OCP 検出機能 (CS2 端子および CSO 端子)
11-12
2.3.6: di/dt(共振はずれ)保護機能 (CS2 端子)
12
2.3.7: 起動時 di/dt 保護機能 (Tss(3)機能)
13
2.3.8: ソフトスタート機能 (SST 端子)
13
2.3.9: タイマ間欠ラッチ停止機能 (SST 端子)
14
2.3.10: ハイサイドドライバ電源 (VB 端子)
15
2.3.11: アクティブスタンバイ機能 (AS 端子)
15-16
2.3.12: バースト機能 (AS 端子)
16-17
2.3.13: 過熱保護機能 (TSD 機能)
18
18
2.4: 参考
3 : 周辺回路定数の決定
3.1: 入力監視電圧部 (Vsen 端子)
19
3.2: 発振制御部 (FB 端子)
20
3.3: ソフトスタートおよび異常時のタイマ充電時間の調整 (SST 端子)
21
3.4: 過電流保護(OCP、di/dt)ポイントの調整 (CS1 および CS2 端子)
22-23
4 : 回路例
24
4.1: 代表回路図
5 :外形寸法図
5.1: SOP16 (MCZ5207/08SG)
25
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1
概要
MCZ5207SG および MCZ5208SG(以下 MCZ5207/08SG)は、周波数変調タイプの LLC ブリッジ型全波電流
共振電源制御用コントローラ IC です。
600V 耐圧の高耐圧ゲートドライバを有しており、ハイサイド MOSFET の直接駆動が可能です。
さらに、LLC 電流共振回路は高効率・低ノイズ化を実現でき、機器の省スペース化に貢献できるため、以下の製
品に最適です。
PDP / LCD 等大画面フラット TV 用電源
レーザープリンタ等の OA 機器用電源
大出力 AC アダプタ
大電力産業機器用電源
ハイパワーLED 用照明
ハイパワーAudio 用電源
1.1 特長
1. 高信頼性実績を誇る 600V 耐圧ゲートドライバ内蔵、ハイサイド MOSFET も直接駆動可能。
2. LLC コンバータに必要な各種保護機能を搭載。(尖頭値過電流、タイマーラッチ、不足電圧、過熱)
3. 共振電流の正負両方向直接検出による過電流保護機能を搭載。
4. 共振電流の正負両方向直接検出による共振はずれ保護機能を搭載。
5. Vcc 耐圧 35V 保証により幅広い入力電圧に対応。 ( Vcc UVLO 12.9V/8.7V typ. )
6. MOSFET 駆動電源用レギュレータを内蔵し過渡状態での安定ドライブを実現。
7. ハイサイド・ローサイドゲートそれぞれ独立した電圧低下保護機能(UVLO)搭載。
8. MOSFET の di/dt ストレスを低減するソフトスタート機能搭載。
9. Brown Out 時等の低入力電圧動作時に動作停止する安全な保護機能を搭載。
10. ピーク負荷に対応した周波数クランプ型の過電流保護機能(OCP2)を搭載。 NEW
11. OCP2 動作時のタイマ充電電流を 2 段階に切り替えることにより、数 100ms のピーク負荷時の安定動
作や過大なピーク負荷時の安全な保護を実現。NEW
12. アクティブスタンバイ機能を搭載し、軽負荷時の効率改善を実現。 NEW
13. 高効率バースト機能を搭載し、スタンバイ負荷時の効率改善を実現。 NEW
14. 外部信号によるラッチ停止機能(SST 端子)を搭載。NEW
15. 高周波化に適した制御の導入により最高発振周波数での 500kHz 動作が可能。(MCZ5208SG)NEW
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1.2 ブロック図
1
16
Latch
Reset
AS OFF
Vc1 st/sp
Internal
Vref
TSD
Vc2 OFF
Dropper
AS ON
+
-
2
ON/OFF
Vc2 st/sp
SS-Reset
Soft Start
charge/
discharge
Counter reset
3
R
S
S
Vss
Burst ON/OFF
Vsen
ON/OFF
Timer
Reset
High Voltage
Driver
15
SS st/sp
Counter
x2 times
Q
Latch
Stop
LLC STOP
14
SST Latch
4
13
AS Mode
5
Timer Latch
OCP
Counter
8 times
AS Lin
OSC
Fixed DT
FB
discharge
6
Control
Logic
Level Shift
12
11
CSO
charge
OCP1
7
OCP2
10
didt1
8
9
図 1 . MCZ5207/08SG ブロック図
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1.3 端子配置図
1.Vc1
16.VGH
2.Vsen
15.VS
3.SST
14.VB
4.AS
13.NC
5.FB
12.NC
6.CSO
11.VGL
7.CS1
10.Vc2
8.CS2
9.GND
図 2 . MCZ5207/08SG 端子配置図
1.4 各ピン機能一覧
端子番号
記号
機能
1
Vc1
制御回路の電源供給端子
Vc1≧12.9V で動作開始、Vc1≦8.7V で動作停止します。
2
Vsen
入力監視用端子
低入力電圧保護、リモート ON/OFF、SS リセットを行います。
3
SST
ソフトスタートと異常検出時の間欠動作用コンデンサ接続端子
ソフトスタートおよび異常検出時の間欠動作、外部ラッチ保護を行います。
4
AS
アクティブスタンバイ切替端子、バースト動作制御端子
外部信号でアクティブスタンバイモードおよびバーストモードに切り替えます。
5
FB
発振器の周波数設定用端子
出力のフィードバックや各種発振周波数(fmin、fmax、fss)、デッドタイムを設定します。
6
CSO
過電流平均化 OCP 検出応答調整用端子
過電流平均化 OCP 検出の応答を調整します。
7
CS1
過電流検出端子
共振電流のピークパルスバイパルス OCP 検出を行い、過電流を保護します。(±0.5V)
8
CS2
過電流平均化 OCP 検出および di/dt(共振はずれ)検出端子
過電流平均化 OCP 検出(±0.5V)および共振はずれ検出(±0.1V)を行います。
9
GND
GND 端子
IC の GND 接続端子です。
10
Vc2
ドライバ用電源出力端子
ゲート駆動用電源出力端子です。
11
VGL
ローサイドドライバ出力端子
ローサイドゲート駆動用の端子です。
12-13
NC
未使用端子
14
VB
ハイサイドドライバの電源端子
ハイサイドゲート駆動用電源出力端子です。
15
VS
ハイサイドドライバの基準電源端子
ハイサイド MOS のソースおよびローサイド MOS のドレインに接続します。
16
VGH
ハイサイドドライバ出力端子
ハイサイドゲート駆動用の端子です。
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1.5
適用回路構成例
もっとも単純な回路 SEPP(Single Ended Push-Pull)
入力電流リップル低減用 (Half Bridge)
大電力対応 (Full Bridge)
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2
基本動作の説明
※ 特 に 指 定 が な い 場 合 、 し き い 値 等 の 数 値 は MCZ5207/08SG の TYP 値 で 表 記 し て い ま す 。
MCZ5208SG の詳細は特性仕様書をご覧下さい。また、各特性図についても特性仕様書の特性図を
ご覧ください。
2.1 動作モード
MCZ5207/08SG の各動作シーケンスを 2.2 項および 2.3 項に示します。各部品の定数決定方法は 3 項を
ご覧ください。なお、MCZ5207/08SG には 3 つの動作モードが有ります。
1) 通常動作モード
2) アクティブスタンバイモード
3) バーストモード
特に動作モードの記載がない場合は、通常動作モードを基準にしております。
2.2 電源供給部
2.2.1 制御 IC 電源供給(Vc1 端子)
Vc1 端子は制御 IC 電源供給用端子です。本端子から IC 内部回路に電源供給されます。
Vc1 端子には安定した電圧を供給する為、Vc1-GND 端子直近にコンデンサを挿入してください。
コンデンサ容量は、起動・切断などの過渡状態で安定動作する容量をご選定下さい。
Vc1 端子の UVLO しきい値は 12.9V(start)および 8.7V(stop)です。
Vc1 端子電圧が Vc1(start) 12.9V 以上で Vc2 端子への充電を開始し、内部回路が動き始めます。 Vc1
端子電圧が Vc1(stop) 8.7V 以下になると、Vc2 端子は放電され IC は停止します。異常状態(タイマーラ
ッチなど)等でラッチ停止した場合、Vc1 端子電圧を Vc1(latch reset) 8.3V 以下にすることでラッチ解除し
ます。
2.2.2 ドライバ用電源出力 (Vc2 端子)
Vc2 端子は、ドライバ用電源出力端子です。ローサイドゲート出力端子およびブートストラップ用ダイオー
ドを Vc2-VB 間に接続することにより、ハイサイドゲート出力端子(VB 端子)に電圧を供給します。通常動
作や起動・切断時等に安定したドライブ供給を行う為に、Vc2-GND 間にコンデンサを挿入してください。
コンデンサ容量は、起動・切断などの過渡状態で安定する容量をご選定下さい。
(4.7uF-22uF 程度を推奨します。)
Vc1 端子電圧が Vc1(start)まで到達すると Vc2 端子に充電を開始し Vc2 端子が Vc2(start) 9.6V まで
到達すると FB 端子が発振を開始してドライブ出力動作が可能になります。
ゲート出力動作開始条件は、2.3 項をご覧下さい。
2.2.3 上側ドライバ電源 (VB 端子)
VB 端子は、ハイサイドドライバ用電源端子です。本端子は、Vc2 端子よりブートストラップ用ダイオードを
介して接続されます。ブートストラップ用コンデンサを VB 端子と VS 端子間に接続して下さい。VB-VS 間
に接続されるコンデンサのコンデンサ容量は、起動・切断などの過渡状態で安定する容量をご選定下さい。
(0.1uF-0.1uF 程度を推奨します。)
ブートストラップ用ダイオードには、高速かつソフトリカバリー特性を持った 600V 以上(PFC 出力電圧を
約 400V とした場合。) のものを使用して下さい。弊社、D1NK60 や D1FK60 等を推奨いたします。
VB 端子には、独立した低電圧保護機能を搭載しています。VB-VS 間端子電圧が VB-VS(start) 7.3V
以上でハイサイドゲート出力開始、VB-VS(stop) 5.1V 以下でハイサイドゲート出力停止します。このヒス
テリシスにより起動・切断時に安全で安定したドライブが可能となります
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2.3
各端子動作詳細
2.3.1 ゲートドライバ出力 (VGL、VGH 端子)
ゲート出力は VGL(ローサイド MOSFET)、VGH(ハイサイド MOSFET)端子より出力されます。
LLC ゲートドライバ駆動能力は、0.18A(Source)/0.40A(Sink)です。この値は、信号系誤動作を引き起こ
さずに MOSFET を十分高速にドライブできるように設計されています。一般的に用いられる駆動回路の
例を図 3(A)に示します。Qg の大きい MOSFET などを使用される場合は図 3(B),(C)のようにシンクダイ
オードを接続してください。シンクダイオードを使用する場合には小容量ショットキーダイオードなどを用い、
スナッピー(ハード)リカバリーダイオードは使用しないでください。弊社 D1NS4(アキシャル)や M1FM3(面
実装)を推奨いたします。
図 3 . ゲート駆動回路例
2.3.2 発振制御部 (FB 端子)
MCZ5207/08SG の発振周波数は FB 端子に接続されたコンデンサ Ct の充放電により決定されます。
Ct の放電時間に VGL,VGH が交互に出力します。
また、Ct の充電時間は VGL,VGH 出力が同時に OFF するデッドタイムになります(図 4 参照)。
図 4 . FBL および VGL、VGH 動作波形
本 IC は周波数、ON duty 変調タイプです。周波数は FB ラインに接続された FB 制限抵抗に流れる FB
電流により変動し、ON duty は発振周波数に合わせて変動します(図 5 参照)。軽負荷時など、周波数が
最大になる条件においてはデッドタイムが広くなるため全周波数範囲において ZVS(Zero Voltage
Switching)確保が容易です。
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最低発振周波数(fmin)は FB 端子に接続された Ct コンデンサ容量と並列に接続している Rt の外付け
抵抗によって決定されます。最高発振周波数(fmax)は、FB 端子に接続された Ct コンデンサ容量と並列
に接続している Rt および FB 抵抗値によって決定されます。連続動作時最高発振周波数 fmax は
500kHz 以下を推奨いたします。また、ソフトスタート動作時の初期発振周波数 fss は Ct コンデンサ容量
により変化します。
f requency vs DT
freq uency vs d uty
700
60
FB=2200pF
FB=1800pF
FB=1500pF
FB=1000pF
FB=820pF
FB=470pF
d uty [%]
50
45
40
FB=2200pF
FB=1800pF
FB=1500pF
FB=1000pF
FB=820pF
FB=470pF
600
DT [ns ]
55
35
30
500
400
300
25
200
20
0
100
200
300
400
500
600
0
100
200
300
400
500
600
f requency [k H z]
f requency [k H z]
図 5 . 発振周波数および Duty とデッドタイム特性(MCZ5207SG 特性図例)
2.3.3 ブラウンアウト保護 (Vsen 端子)
Vsen 端子は入力電圧を監視し、その値に応じてゲートドライブ出力の禁止、SST 端子の充放電制御を
行います。この機能により Vc1 が印加されたままでの入力電圧投入時や入力電圧の瞬低および瞬断時な
どに共振はずれ動作に移行することを防ぎます。
各端子の電圧と各出力のタイミングは図 6 を参考にして下さい。
入力電圧上昇時、Vsen 端子電圧が Vsen1(ss-reset) 3.55V に達すると、SST 端子を充電します。
SST 端子電圧が Vss(st) 0.6V 以上になるとゲート出力を開始します。これにより、発振開始直後は発振
周波数が高い状態から起動を開始し、徐々に SST 端子が充電され発振周波数を低くしていくことにより安
全な起動を実現します。(SST 端子機能については、2.3.8 項をご覧下さい。)
入力電圧低下時、Vsen 端子電圧が Vsen2(ss-reset) 3.25V 以下になると、SST 端子を放電します。
SST 端子が放電されることにより徐々に発振周波数を高くし、SST 端子電圧が Vss(sp) 0.5V 以下になる
と、ゲート出力を停止します。これにより、再度 Vsen 端子電圧が Vsen1(ss-reset)以上になったときに発
振周波数が高い状態から発振開始し共振はずれになることを防ぎます。
また、Vsen SS-Reset しきい値にはヒステリシスがあるため、PFC 出力電圧リップル等による Vsen
ON/OFF 誤動作を防ぐことが出来ます。
なお、Vsen 端子 ON/OFF のしきい値は、各動作モードにより自動的に切り替わります。
・ 通常動作時(AS OFF)
: Vsen ON 3.55V / Vsen OFF 3.25V
・ アクティブスタンバイモード時(AS ON) : Vsen ON 1.0V / Vsen OFF 0.9V
・ バーストモード時(Burst ON)
: Vsen ON 1.0V / Vsen OFF 0.9V
3.5V
3.2V
Vsen
1.0V
0.9V
Vc1
SST
12.9V
0.6V
0.5V
0.5V
0.6V
FB
VGH
VGL
AS
図 6 . Vsen 端子と各出力タイミングチャート図(AS OFF および AS ON 動作時)
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2.3.4 過電流保護機能 (CS1 端子)
出力短絡時等の過電流保護(以下、OCP1)は CS1 端子により行います。CS1 端子の OCP1 検出電圧
は CS1(+/-)検出電圧+/-0.500V です。この検出電圧は十分に低く、電流検出抵抗の無効な電力損失は
抑制できます。
CS1 端子電圧が OCP1 検出電圧に達すると、ゲート出力は即オフされ FB 端子はその時点で充電を開
始します。また同時に SST 端子のコンデンサを充電します。(SST 動作は 2.3.8 項をご覧下さい。)
これにより、MOSFET に流れる電流ピークを抑制し過電流や共振はずれを防止します。
また、MOSFET のスイッチングによって発生するノイズによる OCP1 誤動作防止のために、図 7 のよう
に FB 端子放電開始から FB 端子電圧 Vfb (msk) 4.4V までを OCP マスクしています。よってこの期間は
OCP 検出を行いません。OCP マスク期間後にしきい値を超えている場合は OCP1 検出を行います。
また、ランダムに入るノイズによる誤動作防止のため CS1 端子に内部フィルタを内蔵しています。この
フィルタにより、OCP 検出から FBL 急速充電開始まで約 200ns の遅れが生じます。
図 7 . 過電流保護動作シーケンス
2.3.5 過電流平均化 OCP 検出機能 (CS2 端子および CSO 端子)
MCZ5207/08SG は、パルスバイパルス OCP1 と独立して過電流平均化 OCP2 機能(以下、OCP2)を
持っています。
OCP2 機能は発振周波数クランプ機能を持っており、発振周波数を制限することによりピーク負荷など
の負荷急変時に安定した動作を行います。
OCP2 機能は CS2 端子と CSO 端子で行います。CS2 端子で MOSFET ドレイン電流をパルスバイパ
ルスでモニタし、CS2 端子電圧が CS2(+/-)検出電圧 +/-0.500V 以上になると CSO 端子を充電します。
CSO 端子電圧により発振周波数が変化します。CSO 端子電圧が上昇し発振周波数を高くすることにより
MOSFET に流れる電流を抑制します。CSO 端子電圧と発振周波数の関係は図 8 でご確認ください。
CSO 端子には図 9 のように抵抗およびコンデンサを接続します。このコンデンサおよび抵抗により
CSO 端子の充放電時間を変えることが出来ますので OCP2 動作時の発振周波数の応答を調整すること
が可能です。
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図 8. CSO 端子電圧と発振周波数の関係
(MCZ5207SG 特性図例)
図 9. CSO 端子接続例
2.3.6 di/dt(共振はずれ)保護機能 (CS2 端子)
MCZ5207/08SG は di/dt 保護機能(共振はずれ保護機能)を搭載しています。di/dt 保護機能はパルス
バイパルスで両方向の MOSFET ドレイン電流をモニタし、OCP2 機能同様に CS2 端子で検出を行いま
す。di/dt 検出電圧は Vdi/dt(+/-) +/- 0.100V です。(図 10 をご覧下さい。)
上側 MOSFET 動作期間では FB マスク期間後に CS2 端子電圧が+0.100V を下回るネガティブエッジ
を検出してゲート出力は即オフされ FB 端子はその時点で充電を開始します。
下側 MOSFET 動作期間では FB マスク期間後に CS2 端子電圧が-0.100V を上回るポジティブエッジ
を検出してゲート出力は即オフされ FB 端子はその時点で充電を開始します。
また、スイッチングによって発生するノイズによる di/dt 誤動作防止のために、FB 放電開始から FB 端子
電圧 VFB(msk) 4.4V まで di/dt 保護機能をマスクしています。よって、この期間に上記+/-0.100V を横切
った場合、di/dt 検出は行いません。
なお、アクティブスタンバイモードでは、di/dt 動作時の SST 端子充電シーケンスが異なります。
(SST の充電シーケンスについては 2.3.8 をご覧ください。)
・通常動作時およびバースト動作時 : di/dt 動作で SST 端子のタイマ充電は行いません。
・アクティブスタンバイモード時
: di/dt 動作で SST 端子のタイマ充電を行います。
FB(Top)
FBマスク期間
内部フィルタディレイ
FB電圧
4.4V
FB(Bottom)
CS2
+0.100V
0V
-0.100V
VGH
VGL
図 10 . 共振はずれ保護動作シーケンス
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2.3.7 起動時 di/dt 保護機能 (Tss(3)機能)
LLC 電流共振回路の電源動作開始直後、共振コンデンサの電圧が不安定な過渡的状態において、
MOSFET に流れる電流がボディダイオードに流れている期間中にゲートがオフしてしまう場合があります。
この状態では、ボディダイオードの trr 成分により、反対側 MOSFET がオンした際に短絡電流が流れてし
まい MOSFET に負荷がかかります。
MCZ5207/08SG では Tss(3)機能を内蔵しており、起動時のボディダイオード導通中にゲートがオフす
ることを回避できます。Tss(3)シーケンスは図 11 のように電源動作開始後 2 発目のローサイド側 VGL 出
力を約 1.7 倍に伸ばします。これにより、MOSFET が正方向に電流が流れてからゲート出力をオフするこ
とが出来ます。
図 11 . Tss(3)動作シーケンス
2.3.8 ソフトスタート機能 (SST 端子)
LLC 部はソフトスタート機能を内蔵しており、SST 端子-GND 間に接続されたコンデンサを充電していく
ことにより発振周波数を徐々に広げて行きます。SST 端子が充電される条件としては、以下の 2 つを満た
している必要があります。
① Vc1 端子電圧が、Vc1(start) 12.9V 以上であること。
② Vsen 端子電圧が、Vsen1(ss-reset) or Vsen3(ss-reset) 以上であること。
SST 端子 0.6V 以上で発振開始、その後は Vss(open) 2.1V で一定となります。また、ヒステリシスを
持ち SST 端子 0.5V 以下で発振停止いたします。
SST 端子電圧と発振周波数の関係は、図 12 をご覧下さい。
また、SST 端子は、異常状態時に主 SW や周辺回路への負荷を軽減する為にタイマ間欠ラッチ停止機
能を備えております。タイマ間欠ラッチ停止機能の詳細は、2.3.9 項をご覧下さい。
V S S T vs fr e qu e n c y
500
Ct=1500pF
Ct=1200pF
Ct=1000pF
Ct=820pF
450
fr e qu e n c y [ kHz]
400
350
300
250
200
150
100
50
0
0.4
0.6
0.8
1
1.2
1.4
1.6
1.8
2
2.2
V S ST [ V]
図 12 . SST 電圧と発振周波数の関係(MCZ5207SG 特性図例)
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- 13 -
2.3.9 タイマ間欠ラッチ停止機能 (SST 端子)
SST 端子はタイマ間欠ラッチ停止機能を持っており、以下の①もしくは②の条件時に Csst は 2.1V から
さらに充電を開始します。
① OCP1 および OCP2 動作時
② アクティブスタンバイモードでの di/dt 保護動作時
上記状態が続き、異常信号が入り続けて SST 端子電圧が Vtimer(set) 3.5V まで達すると間欠動作モ
ードになります。間欠動作モード中に異常信号が無くなると正常発振に戻りますが、この間欠発振モードが
連続で 2 回カウントされると IC がラッチ停止します。ラッチリセットは Vc1<8.3V です。
OCP1 および OCP2 動作やアクティブスタンバイモード時の di/dt 保護動作が働くと、SST 端子は FB
端子の充放電 8 周期間分 SST 端子の充電を行います。詳細は図 13 をご覧下さい。SST 端子の充電電
流量は表 1 をご覧ください。
表 1. 各動作状態における SST 端子の Timer 充電電流
検出方法
Timer充電電流
40uA
1.9uA
40uA
40uA
OCP1動作時
OCP2動作時
1.0V≦CSO≦1.75V
CSO>1.75V
AS動作時 di/dt検出
また、図 13 のようにラッチカウンタのリセット機能を搭載しています。ラッチカウンタリセット条件は以下
の2つです。
① SST = 2.1V 到達時 (通常動作モードに戻った時)
② SST リフレッシュ時 (Vc1 ON/OFF 時)
この機能により、電源が正常に機能するとラッチカウンタは 0 になります。異常状態が継続された場合
は、ラッチカウンタリセットを行わず、2 回カウント後はタイマーラッチ停止になります。
Vc1
Vc1(start)
12.9V
Vc1(stop)
8.7V
負荷短絡 状態
短時間の過負荷
MOS ID
OCP動作
異常検出信号
(IC内部)
OCP動作
OCP動作
Vtimer1 3.5V
2.1V
SST
1.5V
0.6V
Vtimer2 0.35V
図 13 . SST 動作シーケンス
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2.3.10 ハイサイドドライバ電源 (VB 端子)
ハイサイド MOSFET 駆動用フローティング電源(VB)は、図 14 に示すように Vc2 端子の 10.2V レギュ
レータ出力コンデンサを電圧源として高圧側へ向かうダイオード Dboot とフローティング平滑コンデンサ
Cboot によるブートストラップ回路により生成されます。
外付け Dboot によるブートストラップ回路採用によりローサイドとハイサイドの電位差が最小限に保た
れ、過渡的にも安定した駆動用電源が供給できます。
Cboot には MLCC を用い、その値は 0.1uF-1.0uF を推奨します。また Dboot には高速かつソフトリカ
バリー特性を持った 600V 耐圧以上のものを用いて下さい。新電元製 D1NK60 或いは D1FK60(面実
装)を推奨いたします。(PFC 出力電圧を約 400V とした場合。)
Cboot
0.1 uF
16V
Np
Dboot
D1NK60
D1FK60
VGH
VS
VB
VGL
Vc2
PGND
MCZ5207SG
図 14 . Boot Strap ハイサイド Vcc 生成回路
2.3.11 アクティブスタンバイ機能 (AS 端子)
MCZ5207/08SG は、アクティブスタンバイ機能を備えており、軽負荷時の損失低減に貢献します。アク
ティブスタンバイ回路構成例は、図 15 をご覧下さい。
AS 端子は、AS 端子電圧が Vas(on) 0.8V 以下でアクティブスタンバイモードへ移行します。アクティブ
スタンバイモード移行後、AS 端子電圧を Vas(off) 1.0V 以上にすることでアクティブスタンバイモードから
通常動作モードへ移行します。
AS 端子には、ノイズによる誤動作防止のために IC 直近にコンデンサを挿入して下さい。フィルタ用コ
ンデンサは、1000-10000pF 程度を推奨いたします。(AS 機能を使用しない時も誤動作防止の為、100010000pF 程度のフィルタ用コンデンサを挿入して下さい。)
AS 端子は、端子オープン時に Vas(open) 2.5V になります。アクティブスタンバイ回路構成例(図 15)
のように、フォトカプラを ON させて AS 端子をショートするとアクティブスタンバイモードに移行します。
図 15 . アクティブスタンバイ回路構成例
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- 15 -
ハイサイドおよびローサイド MOSFET のオン幅比率は AS 端子電圧により変化します。
AS 端子電圧が Vas(open) 2.5V 時のオン幅比率は 1:1 の対称動作をします。AS 端子電圧が
Vas(linon) 2.2V 以下になると図 16 に示すようにローサイド側 MOSFET の FB 充電開始電圧
VFB(bottom)が低くなり、ローサイド MOSFET のオン幅が広がっていき非対称動作を行います。FB 充電
開始電圧 VFB(bottom)は AS 端子電圧に応じてリニアに変化していき AS 端子電圧が Vas(linoff) 1.0V
で最大のオン幅比率になります。最大オン幅時のハイサイドおよびローサイド MOSFET のオン幅比率は
約 1:2 になります。
図 16 . AS リニア動作時ゲート波形
アクティブスタンバイモードに入ると、以下の動作を行います。
① Vsen しきい値(SS-Reset)を、3.55V/3.25V から 1.0V/0.9V へ切り替える。
② di/dt 動作時の SST 端子充電を有効に切り替える。
LLC 部を非対称動作に切り替えることにより、軽負荷時の励磁電流ピークが抑えられるため、損失低減
が期待できます。これにより、軽負荷領域での大幅な効率改善が期待できます。
また、軽負荷時は効率改善の為に前段の PFC 等を停止する場合がございますので、その場合でも動
作できるように自動で Vsen しきい値(SS-Reset)を切り替えます。このシーケンスは、IC 内部で行います
ので追加周辺部品は不要です。これにより、アクティブスタンバイモード時も低入力保護が働きます。
さらにアクティブスタンバイモード時は di/dt 動作時の SST 端子タイマ充電を有効にし、過電流保護を行
っています。
2.3.12 バースト機能 (AS 端子)
AS 端子を外部より電圧印加することによりバースト動作を行います。
(動作シーケンスは図 17、動作回路例は図 18 をご覧ください。)
AS 端子電圧を外部よりバーストモード開始電圧 Vbst(on) 4.5V まで持ち上げることによりバーストモー
ドへ移行します。バーストモードへ移行すると、SST 端子は 0.5V まで放電を開始してゲート出力は停止し
ます。AS 端子電圧がバーストモード時動作開始電圧 Vbst(off) 4.0V まで低下するまでは SST 端子電圧
は 0.5V を維持します。
AS 端子電圧がバーストモード時動作開始電圧 Vbst(off) 4.0V まで低下すると、SST 端子は充電を開
始し SST 端子電圧が 0.6V 以上になるとゲート出力を開始します。この時の SST 端子充電電流は通常
動作時 30μA から 60μA へと切り替わります。
また、Vsen しきい値も 2.3.3 項に示すように 3.55V/3.25V から 1.0V/0.9V へ切り替わります。さらに、
動作モードとしても対称動作から非対称動作へ切り替わります。
なお、バーストモードの解除は、AS 端子電圧がバーストモード解除電圧 Vbst(reset) 3.0V まで低下す
ることにより解除します。
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Hi
バースト信号
Lo
Vsen
Vo(reg)
出力電圧
SST電圧
0.6V
0.5V
0V
4.5V
4.0V
3.0V
2.1V
AS電圧
ゲート出力
動作モード
Vsenしきい値
対称モード
非対称モード
対称モード
非対称モード
対称モード
3.5/3.2V
1.0/0.9V
3.5/3.2V
1.0/0.9V
3.5/3.2V
SST charge up
図 17 . バーストモード動作シーケンス
図 18 . バーストモード参考回路例
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- 17 -
2.3.13 過熱保護機能 (TSD 機能)
MCZ5207/08SG には、過熱保護機能があります。本機能が働くと LLC の発振が停止します。
過熱保護動作開始温度は、動作停止温度 TSD 140℃.min です。過熱保護温度にはヒステリシスがあ
り過熱保護解除温度は動作停止温度より ΔTSD 40℃下がると解除され通常動作に戻ります。
2.4
参考
2.4.1 低入力電圧から動作させたい場合
MCZ5207/08SG は Vsen 端子電圧が Vsen1(SS-reset) 3.55V まで上昇しないと通常動作時にゲート
出力は開始されません。電源評価時等で LLC を低い入力電圧から動作させたい場合は Vsen 端子に
3.55V 以上の電圧を印加して下さい。但し、約 12V を超えると内部クランプ素子が導通しますので Vsen
端子流入電流は 2mA 程度に制限して下さい。ただし、この状態で入力 ON/OFF などをおこなうと共振は
ずれなどが続いて MOSFET へ多大な負荷を与える場合がありますので、上記 Vsen 解除はあくまで電源
評価時の検討用として行って下さい。
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周辺回路定数の決定
3.1 入力監視電圧部 (Vsen 端子)
Vsen 端子しきい値は、 3.55V/3.25V (通常動作モード)
1.0V/0.9V (アクティブスタンバイモード、バーストモード)です。
Vsen 端子 sink 電流は 0.2uA 必要で、sink 電流の影響を受けない為にも 20uA 程度電流が流れるように
設計するのを推奨いたします。高電位側 Vbulk 検出抵抗 RvsenseH は 2MΩ程度を推奨します。(PFC 出
力電圧を約 400V とした場合。)
Vsen 端子と GND 間にはノイズ吸収用に 1000pF~10000pF 程度を接続して下さい。
式(1)で所望の Brown Out 保護電圧しきい値 Vbulkreset から初期値 RvsenseL(init)を算出し、
その後 式(2)に実定数を代入して Vbulkreset の値を最終確認して下さい。
Vbulk
input
RvsenseH
アクティブスタンバイモード時は、Vsen しきい値がかわりますので式(3)に実定数を代入して
所望の Vbulkreset(AS ON)をご確認下さい。
R VsenceL (init)
SS Reset
RvsenseL
1000pF~
10000pF
Vc1
Vc1& Vc2
UVLO
+
3
AS OFF
3.55V/3.25V
AS ON
Burst ON
1.0V/0.9V
Internal
Vref 5V
AS pin low : AS ON
Vbulkreset
R VsenseH R VsenseL
R VsenseL
Vbulkreset (AS ON)
図 19. Vsen 端子内部構造
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3.25 R VsenseH
Vbulkreset - 3.25
・・・(1)
・・・(2)
3.25
R VsenseH R VsenseL
R VsenseL
0.9
・・・(3)
3.2 発振制御部 (FB 端子)
LLC 部の発振周波数は、FBL 端子により制御されています。FBL 端子では、デッドタイムおよび初期・最
高・最低発振周波数を決定します。
3.2.1 デッドタイムおよび初期発振周波数 fss の調整 (Ct 用コンデンサの調整)
デッドタイムおよび初期発振周波数 fss は、Ct コンデンサ容量により決定します。Ct コンデンサ容量に
よりデッドタイムおよび初期発振周波数 fss は変動しますので、電源特性仕様書の特性図より Ct コンデン
サ容量をご選定下さい。
なお、Ct コンデンサ容量は、デッドタイムおよび fss の関係から 470pF~2200pF 程度を推奨いたしま
す。
3.2.2 最低発振周波数 fmin の調整 (Rt 制限抵抗の調整)
最低発振周波数 fmin は、FB 端子-GND 間に接続される Rt 抵抗値により決定されます。Rt 抵抗値と
発振周波数の関係は電源特性仕様書の特性図をご確認下さい。特性図より、所望の fmin になる Rt 抵抗
値を算出後、fmin を式(4)-(6)により確認して下さい。
ここで、tcharge はデッドタイム期間、tdischarge は片側ゲートオン期間です。
まずは概算値で定数決定後、実測の発振周波数は、電源特性仕様書の特性図をご覧のうえ、調整して
下さい。(VFBL(bottom) : 3.5V , VFBL(top) : 4.9V , f=100kHz 時)
なお、式(4)は MCZ5207SG の時になります。MCZ5208SG の場合は 7.5→8.2 に変更してください。
t ch arg e =
tdisch arg e
f min
Rt × Ct × VFB ( top )
-3
Rt × 7.5 ×10 - VFB ( top )
Rt Ct ln
VFB( bottom )
VFB(top )
1
2
t ch arg e
t disch arg e
Rt × Ct × VFB (bottom )
Rt × 7.5 ×10-3 - VFB (bottom )
---- (4)
---- (5)
---- (6)
3.2.3 最高発振周波数 fmax の調整 (FB 制限抵抗の調整)
最高発振周波数 fmax は、並列に接続された Rt 抵抗値と FB 抵抗値により決定されます。
電源特性仕様書の特性図をご確認のうえ、最高発振周波数を決定して下さい。
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3.3 ソフトスタートおよび異常時のタイマ充電時間の調整 (SST 端子)
ソフトスタート動作時の SST 端子への SS 充電電流 Iss(charge)は 30uA となります。SST 電圧が SS し
きい値 Vss 1.5V 以上になると OCP 動作時の Timer 充電が可能になりますので、ソフトスタート時間は
SST=1.5V に到達するまでの時間で設計します。
SST 電圧が 0.6V でゲート出力が開始されてから SST 電圧が 1.5V 到達までの時間を tss とすると、式
(7)のように求まります。ソフトスタート時の SST 端子電圧と発振周波数の関係は、特性仕様書の特性図を
ご覧下さい。
tss
0.9 Css
30 10 6
・・・(7)
また、OCP1 動作時およびアクティブスタンバイ動作時の di/dt 検出時の SST 端子への Timer 充電電流
Itimer(charge)1 は 40uA となります。
SST 電圧が 2.1V で安定後、OCP 動作により SST 端子電圧が増加していき、SST=3.5V まで達する時間
Ttimer は、式(8)のように求まります。
ttimer
1.4 Css
40 10 6
・・・(8)
OCP2 動作時の SST 端子への充電電流は CSO 端子電圧により変わります。CSO≦1.75V の時の
Timer 充電電流 Itimer(charge)2 は 1.9uA となります。SST=3.5V まで達する時間 Ttimer は、式(9)のよう
に求まります。
ttimer
1.4 Css
1.9 10 6
・・・(9)
CSO>1.75V の時の Timer 充電電流 Itimer(charge)3 は 40uA となり、SST=3.5V まで達する時間
Ttimer は、式(8)のように求まります。
また、SST=3.5V 到達後の間欠動作時 SST 端子からの Timer 放電電流 Itimer(discharge)は、6.5uA
となります。
なお、間欠動作時発振停止期間は、SST 電圧が Vtimer(reset) 0.35V まで下がると解除されます。よって、
間欠動作時の発振停止時間 Ttimer(停止)は、式(10) のように求まります。
ttimer ( 停止)
3.15 Css
6.5 10 6
・・・(10)
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3.4 過電流保護(OCP、di/dt)ポイントの調整 (CS1 および CS2 端子)
CS1 および CS2 の接続例を図 20 に示します。図 20-(a)は CS1 および CS2 それぞれ独立で検出した場
合、図 20-(b)は CS1 および CS2 を共通で検出した場合の接続例になります。
なお、以下の計算式では図 20-(a)を基準に示します。計算式では RocpH1 および RocpH2 を RocpH、
RocpL1 および RocpL2 を RocpL、CS1 および CS2 を CS と表記しています。CS1 および CS2 を決定す
る時はそれぞれ RocpH1、RocpH2 と RocpL1、RocpL2 に置き換えて計算してください。
図 21 に示すように OCP1 より OCP2 が先に動作するように設計することにより、負荷急変などでは
OCP2 による周波数クランプの平均化検出が動作し、負荷短絡などの異常状態では OCP1 が動作するよう
にすることが出来ます。
なお、2.3.9 項に示すように OCP2 動作時は CSO 端子電圧により Timer 充電電流量を切り替えておりま
す。そのため、OCP2 動作直後は Timer 充電量が少ない為、図 21 の ta 期間に示すようにある時間発振周
波数を絞りながら垂下していき Timer 間欠動作に入ります。CSO 端子電圧が 1.75V を超えると Timer 充電
電流が約 20 倍に増えますので、短い時間で Timer 間欠動作に入ります。
共振電流検出抵抗 Rocpdet は、所望の OCP1 および OCP2 動作開始 MOSFET 電流ピーク Ipk から式
(11)で算出される抵抗値 Rocpdet(init)より大きい抵抗値 Rocpdet を設定します。
次に、RocpL を式(12)から求めます。実定数を RocpL に代入して式(13)より OCP 動作電流しきい値 Id
を確認して下さい。RocpH は、CS 端子電流 Ics(1/2) 100uA を考慮して 10[Ω]~47[Ω]程度を推奨します。
RocpH および RocpL の抵抗値を大きくする場合には、CS 端子電流による CS 端子電圧の持ち上がりを
考慮して計算を行って下さい。
なお、OCP 検出電圧は+/-0.500V、di/dt 検出電圧は+/-0.100V であり、OCP 検出電圧を通常動作電流よ
りも著しく高く設計すると、通常動作時に di/dt 機能が動作してしまい、出力が低下してしまう可能性がありま
す。
Cr
Cr
CS 端子にはスイッチングノイズによる誤動作を防ぐ為、フィルタ用コンデンサをいれて下さい。フィルタ用
コンデンサは 10000pF 程度(RocpH=10Ω時)を推奨します。
(a) CS1 および CS2 独立して検出する場合
(b) CS1 および CS2 共通で検出する場合
図 20. CS1、CS2 周辺回路
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R ocp det(init ) >
R ocpL =
0.5
[ohm] ・・・(11) Ipk
0.5 × R ocpH
Ipk × R ocp det 0.5
Ipk ( ACT ) =
R ocpH + R ocpL
R ocpL × R ocp det
[ohm] ・・・ (12)
× 0.5 [ A ] ・・・ (13)
OCP2
OCP1
Vo
ta
Io
図 21. OCP2 動作時出力特性例
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4
回路例
4.1 代表回路図
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5
外形寸法図(正式寸法に関しては納入仕様書をご覧下さい)
5.1 SOP16 (MCZ5207/08SG)
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Notes:
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