MCZ5303SHアプリケーションノート

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MCZ5303SG、MCZ5303SH アプリケーションマニュアル Vol. 1.0
CAT.No. 1H0400-1
5RE-125294-2
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MCZ5303SG、MCZ5303SH アプリケーションマニュアル Vol. 1.0
使用上の注意
このたびは、弊社製品をご使用いただき誠にありがとうございます。
当 IC をご使用の際は、お客様の安全を確保するため下記の警告ならびに注意を必ず守ってご使用下さい。
警
告
注
意
警
告
注
意
!
誤った取り扱いをしたときに死亡や重大な人身事故および大きな物的損害に結びつく危険性のあるもの。
!
誤った取り扱いをしたときに軽傷に結びつく恐れ、または軽微な物損事故に結びつく恐れのあるもの。
!
当 IC は、一般電子機器(事務機器・通信機器・計測機器・家電製品等)に使用されることを意図しております。誤動作や事
故が直接人体や生命を脅かす恐れのある医療器、航空宇宙機、列車、輸送機器(車載、船舶等)、原子力等の制御機器
には使用しないで下さい。一般電子機器以外にご使用になる場合は弊社までご相談下さい。
!
修理や改造は、重大な事故につながりますので、絶対にやめて下さい。
《感電、破壊、火災、誤動作等の危険があります。》
!
異常時は出力端子に過大電圧が発生したり、電圧低下となる場合があります。 異常時の、負荷の誤動作や破壊等を想定
した保護対策(過電圧保護、過電流保護等の保護対策)を最終機器に組み込んで下さい。
!
入力端子、出力端子の極性を確認し誤接続の無いことを確認してから通電して下さい。
《保護素子が切れたり、発煙・発火の原因になります。》
!
決められた入力電圧を必ず守っていただくとともに、入力ラインに必ず保護素子を挿入して下さい。
《異常時には発煙・発火の危険があります。》
!
使用中に故障または、異常が発生した時は、すぐに入力を遮断して電源を停止させて下さい。また、直ちに弊社にご相談
下さい。
●本資料に記載されている内容は、製品改良などのためお断りなしに変更することがありますのでご了承下さい。
●御使用頂く際には、仕様書の取り交わしをして頂けます様お願いします。
●ここに記載されたすべての資料は正確かつ信頼し得るものでありますが、これらの資料の使用によって起因する損害または特許権その他権
利の侵害に関しては、当社は一切その責任を負いません。
●本資料によって第三者または当社の特許権その他権利の実施に対する保証または実施権の許諾を行うものではありません。
●本資料の一部または全部を当社に無断で転載または複製することを堅くお断りいたします。
! 当社は、品質と信頼性の向上に絶えず努めていますが、半導体製品はある確率で故障が発生したり、誤動作したりする場合があります。
必要に応じ、安全性を考慮した冗長設計、延焼防止設計、誤動作防止設計等の手段により結果として人身事故、火災事故、社会的な損害等
が防止できるようご検討下さい。
! 本資料に記載されている当社半導体製品は、特別に高い品質・信頼性が要求され、その故障や誤動作が直接人命を脅かしたり、人体に
危害を及ぼす恐れのある機器あるいはシステムに用いられることを目的として設計、製造されたものではありません。下記の特別用途、特定
用途の機器、装置にご使用の場合には必ず当社へご連絡の上、確認を得て下さい。
特別用途
輸送機器(車載、船舶等)、基幹用通信機器、交通信号機器、防災/防犯機器、各種安全機器、医療機器 等
特定用途
原子力制御システム、航空機器、航空宇宙機器、海底中継器、生命維持のための装置 等
! なお、IC 製品に関しては、特別用途・特定用途に限らず、連続運転を前提として長期製品寿命を期待される機器、装置にご使用される場
合に関しては当社へお問い合わせ下さい。
当社は IC 製品を安全に使っていただくために回路支援をいたしています。弊社担当営業または商品企画に
お問い合わせ下さい。
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MCZ5303SG、MCZ5303SH アプリケーションマニュアル Vol. 1.0
Index
内 容
1
2
3
4
5
6
7
頁
製品の概要
1-1. 特 長
1-2. 回路構成例
・・・・
・・・・
4
4
ブロック図
・・・・
5
・・・・
・・・・
6
6
MCZ5303SG の各端子機能説明
4-1. はじめに
4-2. LSin 端子(1pin) 及び LSout 端子(2pin)
4-3. GND 端子(3pin)
4-4. COMPin 端子(4pin) 及び COMPout 端子(5pin)
4-5. KSST 端子(6pin)
4-6. KAS 端子(7pin) 、ASin 端子(11pin) 及び STBY 端子(10pin)
4-7. SSC 端子(8pin)
4-8. KVc1 端子(9pin)
4-9. Vcc 端子(12pin)
4-10. VW 端子(13pin)
4-11. Vin 端子(16pin)
・・・・
・・・・
・・・・
・・・・
・・・・
・・・・
・・・・
・・・・
・・・・
・・・・
・・・・
7
7
8
8
9
9
9
10
10
11
11
MCZ5303SH の各端子機能説明
5-1. はじめに
5-2. GND 端子(1pin)
5-3. COMPin 端子(2pin) 及び COMPout 端子(3pin)
5-4. KVc1 端子(4pin)
5-5. Vcc 端子(5pin)
5-6. VW 端子(6pin)
5-7. Vin 端子(7pin)
・・・・
・・・・
・・・・
・・・・
・・・・
・・・・
・・・・
12
12
12
13
13
13
14
外形寸法図
6-1. SOP16 (MCZ5303SG)
6-2. SOP7J (MCZ5303SH)
・・・・
・・・・
15
16
参考電源
7-1. 主なコンポーネント
7-2. 電源仕様
7-3. コントロール IC について
7-4. 回路ブロック図
7-5. スタンバイ(バースト)動作
7-6. 起動・停止・モード切り替え動作
7-7. 定常動作
7-8. 参考電源写真
7-9. 回路図
・・・・
・・・・
・・・・
・・・・
・・・・
・・・・
・・・・
・・・・
・・・・
17
17
17
18
19
22
25
26
27
端子配置およびに端子機能一覧
3-1. 端子配置図
3-2. 各ピン機能
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製品の概要
MCZ5303SG は、従来の 2 コンバータ構成からスタンバイ IC を削除し、高効率を維持しながら 1 コンバータ化
を実現するための機能 IC です。 また、起動回路のみが必要な場合を考え SOP7J パッケージの MCZ5303SH
もラインナップしています。
・
・
・
・
・
・
・
・
SOP7J(MCZ5303SH)、SOP16(MCZ5303SG)パッケージ
500V 耐圧ドレインキック(無損失起動回路)
高効率バースト制御回路
Vw 端子耐圧 35V 保証により幅広い入力電圧に対応
18.5V 安定化電源内蔵
MCZ5205、MCZ5207 との組み合わせを考慮したシーケンス回路を内蔵(MCZ5303SG)
AC 入力監視回路内蔵(MCZ5303SG)
サーマルシャットダウン回路内蔵
1.1 特長
◆ 既存の LLC 電流共振 IC に、本 IC を追加することでサブコンバータが不要となります。
◆ 弊社 LLC コントローラ MCZ5205 / MCZ5207 との組み合わせでスタンバイ電力 0.1W(AC100V 時)を実
現します。
◆ 起動回路、高効率バースト制御回路、切り替えシーケンス回路、AC 入力監視回路を備え、部品点数の
削減が可能です。
1.2 回路構成例
MCZ5205SE(PFC/LLC コンボ IC) + MCZ5303SG
MCZ5205
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2 ブロック図
図 1 . MCZ5303SG : SOP16
図 2 . MCZ5303SH : SOP7J
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3 端子配置およびに端子機能一覧
3.1 端子配置図
図 3. MCZ5303SG : SOP16
図 4. MCZ5303SH: SOP7J
3.2 各ピン機能一覧
記 号
端子番号
機 能
SOP16
SOP7J
LSin
1
-
AC 入力監視端子: AC 入力監視用コンパレータ入力端子で、AC 入力信号により Vcc 回路
(KVc1 のオンオフ)を制御します。
LSout
2
-
AC 入力監視端子出力:
AC 入力監視コンパレータの出力端子です。
GND
3
1
GND 端子:
IC の GND 接続端子です。
COMPin
4
2
バースト制御コンパレータ入力端子:
電圧を検出してバースト動作をコントロールする端子です。
COMPout
5
3
バースト動作用コンパレータ出力端子:
バースト制御コンパレータのヒステリシスを調整する場合に使用します。
KSST
6
-
SST リセット用出力端子:
バーストと同期して SST 端子をリセットする端子です。
KAS
7
-
AS 切り替え信号出力端子: アクティブスタンバイモードの切り替え信号を出力します。 スタ
ンバイモード、及びアクティブスタンバイモード時に Lo となります。
SSC
8
-
ソフトスタート回路切り替え端子:
バースト動作時にソフトスタートの時定数を切り替えるための制御端子です。
KVc1
9
4
Vcc 供給端子:
コントロール IC に電源を供給します。
STBY
10
-
スタンバイモード切り替え端子:
バーストモードに切り替えます。 端子オープンでバーストモードです。
ASin
11
-
AS 切り替え信号入力端子:
アクティブスタンバイ信号の入力端子です。
Vcc
12
5
電源端子(起動回路出力): 起動時は Vin 端子から電流が供給され、起動後は VW 端子から
電圧の供給を受けます。
VW
13
6
制御巻線電圧入力端子:
制御巻線からの電圧入力端子です。 18.5V のドロッパを内蔵しています。
NC
14,15
-
未使用端子
Vin
16
7
起動回路入力端子: 起動時に Vin 端子から Vcc 端子へ電流を供給し、Vw が約 19.5V 以上
になると起動回路はオフとなります。
表 1. ピン機能一覧
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4 MCZ5203SG の各端子機能説明
※ 特に指定がない場合は、閾値等の数値は TYP 表記しています。詳細は特性仕様書でご確認下さい。
4-1. はじめに
MCZ5303SG(SOP16)には、STBY 端子、ASin 端子の状態により 3 つの制御モードがあります。ここでは以
下のように定義します(MCZ5205 及び MCZ5207 との回路構成時)。
1) 通常モード : STBY 端子がショートで ASin 端子がオープン時で、通常動作(対称制御)をします。
2) アクティブスタンバイモード(AS モード) * :STBY 端子及び ASin 端子がショートの時で、連続発振動
作で非対称制御をします。また、MCZ5205 では PFC も停止となります。
3) バーストモード : STBY 端子がオープンでバースト発振制御をします。 連動して AS モードとなり、
PFC も停止となります。
*AS モードは弊社 LLC コントローラ MCZ5205/5207 搭載の省エネモードのことです。
バーストモードに加えて AS モードにすることで、さらにスタンバイ電力が低減されます。
また、SST 端子はソフトスタート、タイマー保護動作を行う MCZ5205 もしくは MCZ5207 の機能端子を示し
ます。
4-2. LSin 端子(1pin) 及び LSout 端子(2pin)
LSin 端子は AC 入力監視用ヒステリシスコンパレータの入力端子です。AC からの分圧抵抗により AC 入力電
圧監視を行い、その電圧に応じて KVc1 端子出力をオン・オフします。また、検出結果を LSout 端子に出力しま
す。
LSin 端子 入力閾値
動 作
LSout 端子 出力
1.05V 以上
0.75V 以下
発振開始(KVc1 供給開始)
発振停止(KVc1 供給停止)
Hi
Lo
KVc1 端子: 4-8. KVc1 端子 を参照。
図 5. は LSin 端子の接続例です。AC ラインより抵抗 R1、R2 接続し抵抗分圧して C1 により平滑を行うことで
入力ラインの検出を行っています。図 5. は半波整流による検出となりますが、AC 両端子よりダイオードを接続し
て両波整流することにより C1 容量が低減できるため応答を早くすることが可能です。
半波整流時の LSin に発生する電圧 VLSin は式 3-1 の近似式で求めることができます。コンデンサ C1 はリッ
プルの振幅がヒステリシス幅を超えないように容量の設定を行います。コンデンサ容量を必要以上に大きくすると
起動、停止時の遅れが大きくなります。また、コンデンサ C1 の容量によりリップルの振幅が変化することで動作
点に影響するため実機で R1 もしくは R2 を確認調整してください。
図 5. における構成例で AC90V~AC264V 入力仕様の場合の参考定数例と致しまして、R1=4MΩ,
R2=100kΩ, C1=2.2uF に設定します。実際には R1 は耐圧を考慮して幾つかに分割し実装する必要があります。
また、部品実装におきましては R2,C1 は IC 端子直近に配置してください。
AC
交流入力 AC(rms)に対する LSin 端子の電圧 VLSin は、
PFC部
D1
VLSin
AC(rms)
R2
〔V〕
1.72
R1 R 2
・・・ 式 4-1
AC
MCZ5303SG
R1
LSout
R2
また、抵抗 R1+R2 による損失 Rloss は概算以下のよう
になります。
LSin
C1
AC入力
監視部
AC(rms)
Rloss 1.3
GND
2
R1 R 2 〔W〕
・・・ 式 4-2
図 5. LS 端子周辺の回路例 (MCZ5203SG)
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4-3. GND 端子(3pin)
IC の GND 端子です。
メインコントロール IC の制御 GND と接続してください。
4-4. COMPin 端子(4pin) 及び COMPout 端子(5pin)
COMPin 端子はバースト制御用コンパレータ入力端子です。
間接制御で動作させる場合は、1 次側制御巻線整流電圧を分圧抵抗により検出し、COMPin 端子に接続しま
す。 COMPin 端子の状態により KVc1 への電圧供給を制御します(バーストモード時)。KVc1 は LLC コントロー
ル IC の Vcc(MCZ5205、MCZ5207 の Vc1 端子)に接続します。
通常モード時では COMPin 入力は無効となり、常に KVc1 端子に電圧を供給します。
バーストモード時(STBY:オープン)
COMPin 端子 入力閾値
動 作
COMPout 端子
上限値 1.06V で セット
下限値 0.96V で リセット
発振停止(KVc1 供給停止)
発振開始(KVc1 供給開始)
オープン
ショート (Lo)
図 6 に示すように LLC コントロール IC はバースト周期毎に起動、停止を繰り返す為、KVc1 供給開始電圧設
定は LLC コントロール IC の起動電圧 Vc1(start)以上となるように、COMPin 端子に接続する分圧抵抗を設定し
ます。MCZ5303SG の場合、COMPout 端子はオープンドレインとなっており、COMPin 端子との間に抵抗を接
続することでバースト周期の微調整が可能です。
1.06V
0.96V
COMPin
Vc1(start)
KVc1
LLC IC_ SS
LLC MOS_ ID
Vo
LLC IC_SS : LLC 部のソフトスタート信号
図 6. バースト動作シーケンス図 (MCZ5303SG)
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4-5. KSST 端子(6pin)
KSST 端子は LLC コントロール IC のソフトスタート回路をリセットする端子で、オープンドレイン出力となってお
り LLC コントロール IC の SST(ソフトスタート)端子に接続します。KSST 端子はバースト動作時に COMPin 端
子によって制御され、バースト周期と同期して動作します。通常モード時は常にオープン状態となります。
バースト時、バースト周期毎にソフトスタートのリセット動作を行うことで不要な発振を抑え、スタンバイ電力を低
減します。
バーストモード時(STBY:オープン)
COMPin 端子 入力閾値
1.06V 以上
0.96V 以下
動 作
KSST 端子出力
発振停止(KVc1 供給停止)
発振開始(KVc1 供給開始)
Lo (SST をリセット)
オープン
SS:LLC コントロール IC のソフトスタート
4-6. KAS 端子(7pin) 、ASin 端子(11pin) 及び STBY 端子(10pin)
KAS 端子は LLC コントロール IC のアクティブスタンバイを制御する端子で LLC コントロール IC の AS 端子に
接続します。KAS 端子はバーストモード時にシンク動作(Lo)となり、バースト動作中は AS モード(非対称制御)に
設定されます。ASin 端子入力により連続モードの軽負荷動作時に AS モードに設定することが可能です。
STBY 端子は通常モード・バーストモードの切り替え端子で、STBY 端子オープン時に COMPin 端子検出によ
るバーストモードとなります。
STBY 端子入力
ASin 端子入力
動 作
KAS 端子出力
ショート(Lo)
ショート(Lo)
オープン
ショート(Lo)
オープン
-
連続モード・対称モード
連続モード・AS モード
バーストモード・AS モード
オープン
ショート (Lo)
ショート (Lo)
4-7. SSC 端子(8pin)
SSC 端子はソフトスタートの時定数を切り替える回路です。 出力はオープンドレインとなっており、定常時はシ
ンク(Lo)状態、バースト時はオープン状態となります。
図 7 は LLC コントロール IC との接続例で、SSC 端子制御のよって SST 端子のソフトスタート時定数回路切り
替えます。通常モードでは SSC が Lo となり Css2 がショートされるため、Css1 によってソフトスタート時間が決
定され、バーストモード時 SSC 端子はオープンとなるため、Css1 と Css2 のシリーズ接続及び Css2 と Rss の
パラレル接続による時定数回路で、通常モード時より起動時間が短く設定されます。ただし起動最初のソフトスタ
ート動作は、スタンバイモード時でも通常モード(Css1)によるソフトスタート時間となります。
STBY 端子入力
動 作
SSC 端子出力
ショート(Lo)
オープン
通常モード(Css1)
バースト & AS モード (Cssi+Css2//Rss 構成)
オープン
ショート (Lo)
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Vcc
Cvcc
KVc1 SW
KVc1
Vc1
AS
KAS
バースト制御部
SST
KSST
Css1
SSC
Css2
Rss
SGND
GND
図 7. LLC コントロール IC との接続図 (MCZ5303SG)
4-8. KVc1 端子(9pin)
KVc1 端子はコントロール IC への Vcc 供給端子でバースト時は KVc1 端子からの供給開始、停止の繰り返し
制御を行うことで、LLC をバースト動作させ、発振停止期間での無駄な IC 消費電力を削減します。
バーストモード時(STBY:オープン)
COMPin 端子 入力閾値
1.06V で セット
0.96V で リセット
動 作
KVc1 SW
発振停止(KVc1 供給停止)
発振開始(KVc1 供給開始)
ON → OFF
OFF → ON
KVc1 SW: 図 8 参照
4-9. Vcc 端子(12pin)
起動時は Vin 端子から電流の供給を受け起動後は Vw 端子から供給を受けます。Vcc の UVLO 閾値は 7V
で、閾値以下になると KVc1 の出力がオフとなります。
Cvcc コンデンサは 220uF 以下で電源起動可能な容量を選定してください。
AC
PFC
AC
LLC
LS in
Vin
DK
SW
LS out
AC入力
監視部
DK
SW
Vcc
Cvcc
Vc1
KVc1
ドレインキック制御部
VW SW
KVc1
SW
Vw
18V
dropper
Rvw
VCC_UVLO
Cvw
COMP_IN
+
MCZ5205
バースト制御部
Rch
COMP_OUT
図 8. Vcc 系統の接続図 (MCZ5303SG)
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4-10. Vw 端子(13pin)
Vw 端子は制御巻線からの出力を整流された電圧を入力します。Vw 端子の最大入力電圧は 35V で、Vw 端子
から Vcc 端子へ 18.5V のドロッパ回路と Vw スイッチにより接続されています。
起動時、LLC の発振が開始され、VW 端子電圧が(Vcc+1V)以上に上昇すると起動回路が停止します。また、
Vw 端子電圧が 7.5V 以下に低下すると起動回路が動作を開始します。
Vw 端子の最大許容電流は 200mA となっているため、KVc1 SW がオンしたときの Cvcc への充電を考慮して
抵抗等により電流制限する必要があります。
VW 端子 入力閾値
動 作
(Vcc+1V)以上
7.5V 以下
起動回路停止
起動回路動作開始
4-11 Vin 端子(16pin)
Vin 端子は電源起動時に整流された高圧部から Vcc へ電流を供給する端子で高耐圧スイッチと定電流回路で
構成されています。供給電流は Vin=100VDC 時で 14.5mA で、Vcc が 1V の状態においては 2.7mA となり供
給電流を低減します。
高耐圧スイッチの動作は前記 VW 端子で制御され、起動時に高耐圧スイッチがオンすると Vcc 端子コンデンサ
に充電が始まり、Vcc 端子電圧は 17V でクランプされるまで充電を行います。LLC コンバータが発振して 1 次制
御巻線からの供給で Vw 端子が Vcc+1V 以上になると高耐圧スイッチがオフとなります。
図 9 はバーストモード時の起動・停止シーケンス図です。
図 9. バーストモード時の起動・停止シーケンス図 (MCZ5303SG)
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5 MCZ5203SH の各端子機能説明
※ 特に指定がない場合は、閾値等の数値は TYP 表記しています。詳細は特性仕様書でご確認下さい。
5-1. はじめに
MCZ5303SH は、MCZ5303SG から入力監視機能とバーストシーケンス回路を省き SOP7J パケージとした
IC で、メインコントロール IC として MCZ5207 を使用して MCZ5207 自体のバースト機能を使用する場合や、起
動回路のみご必要な場合に最適です。
5-2. GND 端子(1pin)
IC の GND 端子です。
メインコントロール IC の制御 GND と接続してください。
5-3. COMPin 端子(2pin) 及び COMPout 端子(3pin)
COMPin 端子はバースト制御用コンパレータ入力端子です。COMPin の入力信号によりメインコントロール IC
への供給をオン・オフ制御できます。
間接制御でバースト動作させる場合は、1 次側制御巻線整流電圧を分圧抵抗により検出し、COMPin 端子に
接続します。 COMPin 端子の状態により KVc1 への電圧供給を制御します。KVc1 は LLC コントロール IC の
Vcc(MCZ5205、MCZ5207 の Vc1 端子)に接続します。
図 10 に示すように LLC コントロール IC はバースト周期毎に起動、停止を繰り返す為、KVc1 供給開始電圧設
定は LLC コントロール IC の起動電圧 Vc1(start)以上となるように、COMPin 端子に接続する分圧抵抗を設定し
ます。(回路構成は図 11 を参照)
COMPout 端子は MCZ5303SG とは逆極性のロジックで、出力回路構成も異なっています(Lo/Hi 出力)。
COMPout 端子を利用してメインコントロール IC のソフトスタート端子の制御等に利用可能です。
COMPin 端子 入力閾値
動 作
COMPout 端子
上限値 1.06V で セット
下限値 0.96V で リセット
発振停止(KVc1 供給停止)
発振開始(KVc1 供給開始)
Lo
Hi
LLC IC_SS : LLC 部のソフトスタート信号
図 10. バースト動作シーケンス図 (MCZ5303SH)
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5-4. KVc1 端子(4pin)
KVc1 端子はメインコントロール IC への Vcc 供給端子でバースト制御時は KVc1 端子からの供給開始、停止
の繰り返し制御を行うことで、LLC をバースト動作させ、発振停止期間での無駄な IC 消費電力を削減します。
また、バースト用途としてではなく COMPin 端子を利用してメインコントロール IC のオン/オフ制御スイッチとし
ての利用も可能です。
バーストモード時
COMPin 端子 入力閾値
1.06V で セット
0.96V で リセット
動 作
KVc1 SW
発振停止(KVc1 供給停止)
発振開始(KVc1 供給開始)
ON → OFF
OFF → ON
KVc1 SW: 図 11 参照
5-5. Vcc 端子(5pin)
起動時は Vin 端子から電流の供給を受け起動後は Vw 端子から供給を受けます。Vcc の UVLO 閾値は 7V
で、閾値以下になると KVc1 の出力がオフとなります。
Cvcc コンデンサは 220uF 以下で電源起動可能な容量を選定してください。
図 11. Vcc 系統の接続図 (MCZ5303SH)
5-6. Vw 端子(6pin)
Vw 端子は制御巻線からの出力を整流された電圧を入力します。Vw 端子の最大入力電圧は 35V で、Vw 端子
から Vcc 端子へ 18.5V のドロッパ回路と Vw スイッチにより接続されています。
起動時、LLC の発振が開始され、VW 端子電圧が(Vcc+1V)以上に上昇すると起動回路が停止します。また、
Vw 端子電圧が 7.5V 以下に低下すると起動回路が動作を開始します。
Vw 端子の最大許容電流は 200mA となっているため、KVc1 SW がオンしたときの Cvcc への充電を考慮して
抵抗等により電流制限する必要があります。
VW 端子 入力閾値
動 作
(Vcc+1V)以上
7.5V 以下
起動回路停止
起動回路動作開始
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5-7 Vin 端子(7pin)
Vin 端子は電源起動時に整流された高圧部から Vcc へ電流を供給する端子で高耐圧スイッチと定電流回路で
構成されています。供給電流は Vin=100VDC 時で 14.5mA で、Vcc が 1V の状態においては 2.7mA となり供
給電流を低減します。
高耐圧スイッチの動作は前記 VW 端子で制御され、起動時に高耐圧スイッチがオンすると Vcc 端子コンデンサ
に充電が始まり、Vcc 端子電圧は 17V でクランプされるまで充電を行います。LLC コンバータが発振して 1 次制
御巻線からの供給で Vw 端子が Vcc+1V 以上になると高耐圧スイッチがオフとなります。
図 12 は COMPin を Lo とした時の起動・停止シーケンス図です。
図 12. バーストモード時の起動・停止シーケンス図 (MCZ5303SH)
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6 外形寸法図 (正式寸法に関しては納入仕様書をご覧下さい)
5.1 SOP16 (MCZ5303SG)
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6.1 SOP7J (MCZ5303SH)
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7 参考電源
7.1 主なコンポーネント
<コントロール IC>
PFC+LLC コントロール IC : MCZ5205SE
スタートアップおよび STBY 用コントロール IC : MCZ5303SG
<メイン・スイッチ>
PFC 用 MOSFET : F11F60C3M (CoolMOS)
LLC 用 MOSFET : P6B52HP2 (Hi-Pot MOS)
7.2 電源仕様
ライン入力電圧 :
AC90V ~ AC264V (50Hz ,60Hz)
定常時の出力 :
Vo=24V
Io(typ)=3.0A Io(max)=3.5A
Vo=12V
Io(typ)=1.0A Io(max)=2.0A
Vo=5V
Io=100mA
5V ドロッパ回路による安定化出力
スタンバイ時の出力 :
Vo=5V Io=0mA~100mA
5V ドロッパ回路による安定化出力
スタンバイ電力:
50mW (AC100V 無負荷時)
効 率:
89.1%(AC100V) 91.9%(AC230V)
力 率:
0.983PF(AC100V)
バースト制御方法 :
出力リップル電圧 下限(6V)検出による
0.955PF(AC230V)
負荷:24V/3.0A、12V/1A
負荷:24V/3.0A、12V/1A
7.3 コントロール IC について
MCZ5205SE (PFC+LLC コントローラ混在 IC)
PFC と LLC を統合し、高機能でありながら SOP22 のパッケージとした IC です。
主な特徴を以下に示します。
<PFC コントローラ部>
■ 臨界型 PFC コントローラ
■ 過電流検出しきい値 0.5V、検出抵抗ロスを削減
■ オン幅(電圧)制御により、入力ライン検出不要
■ 各種保護機能搭載
・ フィードバックオープン・ショート保護
・ 過電圧発振停止保護(OVP)
・ 過熱保護(LLC 部共通)
・ 軽負荷の時出力電圧上昇保護機能搭載
<LLC コントローラ部>
■ ドライブ能力最適化により、ゲート周りを簡素化
■ 600V 高耐圧 Gate driver により、MOSFET 直接ドライブ
■ アクティブスタンバイ機能搭載により軽負荷の効率を大幅改善
■ 各種保護機能内蔵
・ 過電流保護(OCP)
・ di/dt 保護
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・ タイマーラッチ
・ 不足電圧保護
・ 過熱保護(PFC 部共通)
MCZ5303SG (自己起動回路+バーストコントロール機能 IC)
従来のスタンバイ専用コンバータ+メインコンバータ構成からスタンバイコンバータを
削除し、高効率を維持しながら 1 コンバータ化を可能にします。
主な特徴を以下に示します。
■ドレインキック(無損失起動回路)内蔵
■高効率バースト制御回路により、無負荷時の入力電力として 50mW 以下を実現可能
■ AC 入力監視回路内蔵
7.4 回路ブロック図
図-1
メインコントロール IC MCZ5205SE によって PFC および LLC の制御を行い、MCZ5303SG は AC 入力検出、起
動回路およびバースト制御を行います。
LLC の 2 次出力は 24V と 12V が出力され、24V でフィードバック制御を行っています。
スタンバイ時は、12V 出力のリップル検出による制御となり、5V レギュレータ出力によってスタンバイ電力を供給
します。
本回路例は、スタンバイ時に 2 次出力電圧の下限検出を行うことで対応可能な負荷範囲を広げています。スタ
ンバイ時の負荷が一定の場合は、出力リップル下限値検出回路を削除して 1 次側制御巻線の検出のみで制御
することで部品点数の削減が可能です。
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7.5 スタンバイ(バースト)動作
スタンバイ時は PFC が停止状態となり、LLC は非対称制御でバースト発振します。これによってワイド入力に
おいての低入力電力を実現可能としています。
グラフ 1、グラフ 2はスタンバイ動作時の入力電力のグラフで、測定条件は入力電圧 AC100V、AC230V で出
力は 5V、0~150mA のデータです。グラフ 1は出力電流 20mA までの拡大したグラフで、グラフ 2は 150mA まで
のグラフとなっています。AC100V 無負荷時の入力電力で 48mW となっています。
スタンバイ動作時の入力電力
24V 系、12V 系出力: 無負荷
入力電力計: YOKOGAWA WT210 積算モード
Io
vs.
( Io=0mA-20mA )
Pin
300
Pin [mW]
250
200
150
100
AC100V
50
AC230V
0
0
5
10
15
20
Io [mA]
グラフ 1
Pin [mW]
Io
1800
1600
1400
1200
1000
800
600
400
200
0
vs.
Pin
( Io=0mA-150mA )
AC100V
AC230V
0
50
100
150
Io [mA]
グラフ 2
また、波形 1 から波形 10 は、AC100V、AC230V において負荷を 0~100mA まで変化させた時のバースト波形
ですで、表示波形は上から LLC スイッチング電流波形、MCZ5205SE の Vc1 電圧波形、12V 出力電圧波形とな
っています。
メインコントロール IC MCZ5205SE の電源となる Vc1 電圧はバースト周期ごとにオン・オフされ、毎周期ソフトス
タートにより起動を繰り返す動作となります。負荷が増加して 12V 出力のリップル下限値が 6V に達すると LLC
が再起動して発振し、発振開始により出力電圧が上昇すると発振が停止します。この動作の繰り返しでバースト
動作を行います。上限検出は 1 次側制御巻の出力電圧で間接的に検出し制御されます。
波形1、波形 6 の無負荷時は出力がリップル下限の 6V に達しない状態での波形で、この場合は一次側制御
巻線出力の電圧リップル検出によって発振期間および停止期間が決まります。
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発振停止のタイミングでは KSST 端子によるソフトスタート回路(MCZ5205SE の SST 端子)のリセットも行われ
ます。
バースト動作波形
入力電圧: AC100V、AC230V
出
力: 5V 系(ドロッパ経由) Io=0~100mA 、
24V 系、12V 系出力は無負荷
上: LLC スイッチング電流 (ハイサイド MOSFET)
0.5A/div
中: KVc1 電圧 (MCZ5205SE の Vc1 電圧)
5V/div
下: 12V 出力電圧 (ドロッパ入力側)
2V/div
[ AC100V ]
波形 1
200mSec/div
[ AC230V]
波形 6
Io=0mA
周期:
200mSec/div
Io=0mA
周期:
1.28Sec
波形 2
928mSec
波形 7
Io=6mA
周期:
Io=6mA
周期:
617mSec
波形 3
594mSec
波形 8
Io=10mA
周期:
Io=10mA
周期:
389mS
波形 4
366mS
波形 9
Io=50mA
周期:
Io=50mA
周期:
85mS
74mS
波形 5
波形 10
Io=100mA
Io=100mA
周期:
周期:
45mS
39mS
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バースト時の発振期間拡大波形
入力電圧: AC100V、AC230V
出
力: 5V 系(ドロッパ経由) Io=6mA 、
24V 系、12V 系出力は無負荷
1 : LLC スイッチング電流 (ハイサイド MOSFET)
0.5A/div
2 : KVc1 電圧 (MCZ5205SE の Vc1 電圧)
5V/div
3 : 12V 出力電圧 (5V ドロッパ入力側)
2V/div
4 : 制御巻線出力電圧
5V/div
5 : KSST 電圧(MCZ5205SE の SST)
0.5V/div
KSST に発生する電圧は MCZ5205SE 機能による充電で行われています。
[ AC100V ]
波形 11
2mSec/div
[ AC230V]
2mSec/div
波形 12
ID:0.5A/div
Io=6mA
Io=6mA
KVc1:5V/div
出力電圧:2V/div
制御巻線出力:5V/div
KSST:0.5V/div
メイン IC 動作:
起動
停止(Vc1_stop 閾値)
発振開始閾値
SST 動作:
(ソフトスタート)
開始
SST リセット
また、スタンバイモード時は MCZ5303 の SSC 端子によってソフトスタート時間の切り替え制御を行います。
起動時および定常時は SSC 端子内のスイッチはオン状態で、SST 端子の容量は 4.7uF となりソフトスタート時
間が長くなります。STBY モード時は SSC 端子内のスイッチがオフとなり C307,R314 の並列回路と C214 が直列
接続となります。これにより SST 端子容量が低下することでソフトスタート時間を短くします。C307 と R311 の定
数は、要求される入力範囲で安定して発振し、かつスタンバイ時の電力が小さくなるように調整します(図-2)。
図-2
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7.6 起動・停止・モード切り替え動作
起動時の動作波形
波形 13、波形 12 に起動波形を示します。AC が入力され Vin 端子をより Vcc 端子コンデンサ C306 が充電さ
れます。これと同時に AC 入力監視用端子の LSin 端子には R301~R304 と R305 での分圧および C301 の平滑
による AC 電圧と比例した電圧が印加され、この端子電圧が 1.05V に達すると Vcc から KVc1、MCZ5205SE の
Vc1 へと供給開始することで発振を開始します。発振開始の条件としては Vcc が UVLO の 10V 以上であり、か
つ LSin 端子が 1.05V 以上となるとで KVc1 へ出力されます。AC100V 入力においては LSin の検出により起動し
ていますが、AC230V 時は Vcc より LSin の立ち上がりが早いため Vcc が UVLO に達した時点で起動しています。
入力電圧: AC100V、AC230V
出
力: 5V 系(ドロッパ経由) Io=6mA 、
24V 系、12V 系出力は無負荷
1 : LLC スイッチング電流 (ハイサイド MOSFET)
1A/div
2 : KVc1 電圧 (MCZ5205SE の Vc1 電圧)
5V/div
3 : Vcc
5V/div
4 : LSin
0.5V/div
5 : 制御巻線出力電圧
5V/div
6 : 12V 出力電圧 (5V ドロッパ入力側)
2V/div
[ AC100V ]
500mSec/div
ID:1A/div
波形 13
[ AC230V]
500mSec/div
波形 14
Io=6mA
Io=6mA
KVc1:5V/div
10V
Vcc:5V/div
1.05V
LSin:0.5V/div
制御巻線出力:5V/div
出力電圧:2V/div
メイン IC 動作:
メイン IC 動作:
起動
起動
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停止時の動作波形
波形 15、波形 16 に停止時の波形を示します。AC が切断されると LSin 端子の電圧が低下します。LSin 端子
電圧が 0.75V 以下になると KVc1 への出力が停止することで MCZ5205SE が発振停止します。
Vcc 電圧は発振停止後いったん低下しますが、入力平滑コンデンサ C106 には電圧が残っているため Vw 端
子電圧が 7.5V まで低下すると再び起動回路が動作し再び上昇します。その後入力平滑コンデンサ電圧の低下
に伴い減少していきます。
入力電圧: AC100V、AC230V
出
力: 5V 系(ドロッパ経由) Io=6mA 、
24V 系、12V 系出力は無負荷
1 : LLC スイッチング電流 (ハイサイド MOSFET)
1A/div
2 : KVc1 電圧 (MCZ5205SE の Vc1 電圧)
5V/div
3 : Vcc
5V/div
4 : LSin
0.5V/div
5 : 制御巻線出力電圧
5V/div
6 : 12V 出力電圧 (5V ドロッパ入力側)
2V/div
[ AC100V ]
500mSec/div
ID:1A/div
波形 15
Io=6mA
[ AC230V]
500mSec/div
波形 16
Io=6mA
KVc1:5V/div
Vcc:5V/div
LSin:0.5V/div
0.75V
0.75V
制御巻線出力:5V/div
出力電圧:2V/div
メイン IC 動作:
停止
メイン IC 動作:
停止
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モード切り替え時の動作波形
波形 17、波形 18 はスタンバイモードから通常発振モードに切り替えた時の動作波形です。また、波形 17、波
形 18 は通常発振モードからスタンバイモードへ切り替えた時の波形となっています。
スタンバイモードから通常モードへの切り替え時はバースト動作が解除され、さらに PFC が動作するとともに
LLC 動作は非対称制御から対称制御に切り替わっています。
入力電圧: AC100V、AC230V
出
力: 5V 系(ドロッパ経由) Io=6mA 、
24V 系、12V 系出力は無負荷
上: LLC スイッチング電流 (ハイサイド MOSFET)
0.5A/div
中: KVc1 電圧 (MCZ5205SE の Vc1 電圧)
5V/div
下: 12V 出力電圧 (ドロッパ入力側)
2V/div
[ AC100V ]
500mSec/div
[ AC230V]
波形 17
STBY ->
ON
波形 18
STBY ->
ON
波形 19
ON ->
STBY
波形 20
ON ->
STBY
500mSec/div
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7.7 定常動作
効率グラフ
測定条件
入 力 : AC100V、AV230V
出 力 :24V 系 Io=0.1A~4A 、 12V 系 Io=1.0A 固定 、 5V 系 無負荷
効
100%
率
効率 [%]
95%
90%
85%
AC100V
AV230V
80%
75%
70%
0
1
2
24V_Io
3
4
[A]
グラフ 1
主要部品の温度上昇⊿T
測定条件
入 力 : AC100V、AV230V
出 力 :24V 系 Io=3.0A 、 12V 系 Io=1.0A 固定 、 5V 系 無負荷
単位:℃
D101
L111
T201
Q111
Q201
入力電圧
B.D
PFC コア
PFC 線表面
LLC コア
LLC 線表面
PFC MOS
LLC MOS
AC100V
43.9
30.4
35.2
25.6
26.4
34
22.7
AC230V
21.9
19.5
21.9
24.8
25.8
32.2
22.5
Max 負荷時の動作波形
入力電圧: AC100V、AC230V
出
力: 24V 系 Io=3.5A 、 12V 系 Io=1.0A
上: LLC スイッチング電流 (ハイサイド MOSFET)
0.5A/div
下: PFC スイッチング電流
0.2A/div
[ AC100V ]
上段:2mSec/div
[ AC230V]
拡大 下段:2uSec/div
波形 21
拡大 下段:2uSec/div
波形 22
Max 負荷
ピーク付近の周波数
上段:2mSec/div
Max 負荷
LLC
124kHz
LLC
124kHz
PFC
86kHz
PFC
133kHz
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7.8 参考電源写真
MCZ5303
MCZ5205
LLC
FET
P6B52HP2
PFC
FET
F11F60C3M
: 基板裏面に実装
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7.9 回路図
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