MCZ5203SEアプリケーションノート

MCZ5203SE APPLICATION NOTE
MAY,2010 Ver1.0
SHINDENGEN
ELECTRIC MFG.CO.,LTD
-1-
MCZ5203SE
Standard Power
Supply
使用上の注意
このたびは、弊社製品をご使用いただき誠にありがとうございます。
当 IC をご使用の際は、お客様の安全を確保するため下記の警告ならびに注意を必ず守ってご使用ください。
警
告
注
意
警
告
注
意
!
誤った取り扱いをしたときに死亡や重大な人身事故および大きな物的損害に結びつく危険性のあるもの。
!
誤った取り扱いをしたときに軽傷に結びつく恐れ、または軽微な物損事故に結びつく恐れのあるもの。
!
当 IC は、一般電子機器(事務機器・通信機器・計測機器・家電製品等)に使用されることを意図しております。誤動作や事
故が直接人体や生命を脅かす恐れのある医療器、航空宇宙機、列車、輸送機器(車載、船舶等)、原子力等の制御機器
には使用しないでください。一般電子機器以外にご使用になる場合は弊社までご相談ください。
!
修理や改造は、重大な事故につながりますので、絶対にやめてください。
《感電、破壊、火災、誤動作等の危険があります。》
!
異常時は出力端子に過大電圧が発生したり、電圧低下となる場合があります。 異常時の、負荷の誤動作や破壊等を想定
した保護対策(過電圧保護、過電流保護等の保護対策)を最終機器に組み込んでください。
!
入力端子、出力端子の極性を確認し誤接続の無いことを確認してから通電してください。
《保護素子が切れたり、発煙・発火の原因になります。》
!
決められた入力電圧を必ず守っていただくとともに、入力ラインに必ず保護素子を挿入してください。
《異常時には発煙・発火の危険があります。》
!
使用中に故障または、異常が発生した時は、すぐに入力を遮断して電源を停止させてください。また、直ちに弊社にご相談
ください。
●本資料に記載されている内容は、製品改良などのためお断りなしに変更することがありますのでご了承ください。
●御使用頂く際には、仕様書の取り交わしをして頂けます様お願いします。
●ここに記載されたすべての資料は正確かつ信頼し得るものでありますが、これらの資料の使用によって起因する損害または特許権その
他権利の侵害に関しては、当社は一切その責任を負いません。
●本資料によって第三者または当社の特許権その他権利の実施に対する保証または実施権の許諾を行うものではありません。
●本資料の一部または全部を当社に無断で転載または複製することを堅くお断りいたします。
! 当社は、品質と信頼性の向上に絶えず努めていますが、半導体製品はある確率で故障が発生したり、誤動作する場合があります。必要
に応じ、安全性を考慮した冗長設計、延焼防止設計、誤動作防止設計等の手段により結果として人身事故、火災事故、社会的な損害等が
防止できるようご検討下さい。
!
本資料に記載されている当社半導体製品は、特別に高い品質・信頼性が要求され、その故障や誤動作が直接人命を脅かしたり、人体
に危害を及ぼす恐れのある機器あるいはシステムに用いられることを目的として設計、製造されたものではありません。下記の特別用途、
特定用途の機器、装置にご使用の場合には必ず当社へご連絡の上、確認を得てください。
特別用途
輸送機器(車載、船舶等)、基幹用通信機器、交通信号機器、防災/防犯機器、各種安全機器、医療機器 等
特定用途
原子力制御システム、航空機器、航空宇宙機器、海底中継器、生命維持のための装置 等
! なお、IC 製品に関しては、特別用途・特定用途に限らず、連続運転を前提として長期製品寿命を期待される機器、装置にご使用される
場合に関しては当社へお問い合わせ下さい。
当社は IC 製品を安全に使っていただくために回路支援をいたしております。弊社担当営業または営業企
画にお問い合わせください。
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Index
1 : 概要
1.1: 特長
1.2: ブロック図 (SOP22)
4
1.3: 端子配置図
5
1.4: 各ピン機能一覧
5
1.5: 適用回路構成
6
4
2 : 対称型 LLC 電流共振コンバータ概略
2.1: 特長
7
2.2: 原理回路
7
2.3: 動作波形例
2.4: 制御原理
7
2.5: 必要なパラメータ
8
2.6: 動作説明
9 - 10
8
3 : 周辺回路定数の決定
3.1: 発振器(Rt 抵抗値の算出)
3.2: Vsen ブラウンアウト保護(RvsenseL 抵抗値の算出)
11
3.3: ソフトスタートタイミング(Css 容量値の算出)
12-13
3.4: 過電流保護動作(Rocpdet/RocpL 抵抗値の算出)
13-14
3.5: di/dt 保護動作
14
3.6: タイマ間欠ラッチ停止保護(Ctimer 容量値の算出)
15-16
3.7: ハイサイド Vcc 生成用ブートストラップ回路
16
3.8: ゲート駆動回路
16
12
4 : 回路例
4.1: 代表回路図
17
5 : 外形寸法図
5.1: SOP22 (MCZ5203SE)
18
備考
19
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-3-
1
概要
MCZ5203 は周波数変調タイプの LLC ブリッジ型全波電流共振電源用 IC です。高耐圧ゲートドライバと制御
IC をワンチップにして内蔵し、各種保護機能を有しているため設計の簡易化、省スペース化が図れます。
下記製品に最適です。



PDP / LCD 等大画面フラット TV 用電源
レーザープリンタ用主電源
大出力 AC アダプタ
1.1 特長
1. 高信頼性実績を誇る 600V 耐圧ゲートドライバ内蔵、ハイサイド MOSFET も直接高速に駆動可能
2. 尖頭値過電流、タイマーラッチ、過電圧、不足電圧、加熱の各種保護機能を実現
3. 共振電流の正方向直接検出により異常動作時確実に MOSFET を保護
4. 共振電流の正負両方向直接検出により共振はずれ時に MOSFET を保護
5. Vcc 耐圧 35V 保証により幅広い入力電圧に対応 ( Vcc UVLO 13.5V/8.4V typ. )
6. 安定した基準三角波生成により、主共振電流の影響による上下アンバランス動作を抑制
7. MOSFET 駆動電源用レギュレータ内蔵し過渡状態での安定ドライブを実現
8. ハイサイド・ローサイド ゲート駆動電源の低下保護機能搭載
9. ソフトスタート機能搭載
10. Brown Out 保護機能を搭載。入力電圧を監視して各種保護が可能
1.2 ブロック図 (SOP22)
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1.3 端子配置図 (SOP22)
1.4 各ピン機能一覧
端子番号
SOP22
記号
1
Vsen
2
F/B
3
Ct
4
Rt
5
6, 9, 11
GND
(NC)
7
Timer
8
SS
10
Vc1
12
OCP
13
Vc2
14
P-GND
15
VG(L)
16, 17, 18, 19
(NC)
20
VB
21
VS
22
VG(H)
内容
入力電圧監視用端子
入力低電圧保護、リモート ON/OFF、ソフトスタートリセットを行います
発振器の周波数変調用 F/B 入力端子
F/B 信号のオープン検出機能を持っています
発振器用コンデンサ(Ct)接続端子
外付けコンデンサにより休止期間や各動作周波数を決定
発振器の抵抗(Rt)接続端子
外付け抵抗により最低発振周波数を決定
制御系 GND 端子
空きピン
異常検出時の間欠動作タイマ用コンデンサ(Ctimer)接続端子
OCP、OVP 等の異常時の間欠動作時間を決定
ソフトスタート用コンデンサ(Css)接続端子
外付けコンデンサによりソフトスタート動作時間を決定
制御回路の電源供給端子。耐圧 35V
Vc1≧13.5V で動作開始、Vc1≦8.4V で停止します
過電流検出および di/dt 保護機能(共振はずれ検出)用端子
+0.345V を検出して動作周波数を高くします。±0.06V の立ち下がりで
di/dt(共振はずれ)を検出して動作周波数を高くします。
ドライバ用電源出力端子
内部 10V 安定化電源(ドライバの電源)の出力端子
下側ドライバ電源端子
GND と同電位にしてください
下側ドライバの出力端子
下側 MOSFET のゲート駆動用
ピン間距離確保のため空きピン
上側ドライバの電源端子
Vc2 端子から外付けダイオードにより生成されたハイサイド Vcc 電位
上側ドライバの基準電源端子
上側 MOS のソース及び下側 MOS のドレインに接続
上側ドライバの出力端子
上側 MOSFET のゲート駆動用
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1.5
適用回路構成
もっとも単純な回路 SEPP(Single Ended Push-Pull)
入力電流リップル低減用 (Half Bridge)
大電力対応 (Full Bridge)
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2 対称型 LLC 電流共振コンバータ概略
2.1 特長
ブリッジ構成をもつ複合電流共振コンバータはその高い電力変換効率と低ノイズ特性から電子機器へ
の搭載が急激に進んでいる。図 1 に示す通り、一次側共振系が L/L/C の直列接続からなり、「LLC コン
バータ」と一般的に呼ばれている。主スイッチング素子の Turn ON は必ずゼロ電流から始まり無損失、
Turn OFF は付加された、或いはスイッチング素子の寄生容量成分とインダクタンスの共振により ZVS
動作でスイッチング損失が極端に小さく、かつサージ電圧・電流が発生しない特長を有する。
a)
b)
c)
d)
e)
f)
g)
主スイッチング素子両端電圧は入力電圧 Vbulk にクランプされ、サージ電圧が発生しない
スイッチ素子の turn off 電流は負荷によらずほぼ一定で、高電圧入力且つピーク負荷状態においても増大し
ない。さらに、パターン等の寄生インダクタンス成分によるサージ電圧発生が極小のため、電圧マージンを安
定して確保できる
トランスは正負対称に励磁されるため利用効率が高く、磁気飽和余裕が非常に大きい
主共振電流は連続した正弦波状の電流となりリンギング成分が非常に少ない
整流ダイオード電流は半波正弦波状となり trr の影響を受けにくい
整流ダイオードの両端電圧は出力電圧或いはその 2 倍にクランプされ、入出力条件によらず一定
適正に設計された共振条件においては広範囲な負荷変化に対し周波数変化が非常に小さく
多出力コンバータを構成した場合非常に良好なクロスレギュレーション特性を示す
2.2 原理回路(SEPP)
Lr : 第 1 の共振インダクタンス
Lm : 第 2 の共振インダクタンス
(励磁インダクタンス成分)
Cr : 共振容量
Cp1/2 : ZVS 共振容量
Q1/Q2 : 主スイッチング素子
D1/D2 : 転流ダイオード
RL : 負荷抵抗
D1
Cp1
Q1
Lr
Vbulk
RL
D2
Q2
Cp2
Lm
Cr
図 1. LLC 基本回路構成
図 2. DC/DC コンバータ構成
2.3 動作波形例
出力電圧リップル(Vo)
Q2 電流
Id(2)
Q2 両端電圧
Vds
図 3. Vds / Idrain / Vo ripple
図 4. turn off 期間拡大波形
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2.4 制御原理
出力電圧と周波数の関係を図に示す。通常の
LLC コンバータは共振周波数よりも高い領域で使
用される。図で言うと ZVS 境界の右側領域である
(Above Resonance region)。入力電圧が下がる
方向及び負荷電力が増大する方向においては発
振周波数を下げ、その反対の条件においては発振
周波数を上げるように制御をかけることで出力電圧
を安定化できることが分かる。
図 5. 出力電圧対周波数特性
2.5
必要なパラメータ
表 1. 本 IC 周辺回路定数決定に必要なパラメータ
Vc1
Vcc 印加電圧
15~22V を推奨(起動にはワーストケースで 14V 必要、耐圧は 35V)。
Vbulkreset
BrownOut 保護電圧
閾値
入出力及び Vc1 のシーケンスタイミングにより共振はずれ状態に陥ること
を抑制する BrownOut 保護設定電圧。コンバータ制御範囲と保持時間か
ら決定される。
fmin
最低発振周波数
SS リセット入力電圧時における最大負荷抵抗条件での
共振周波数を考慮して設定される。
fmax
最高発振周波数
最高入力最小負荷条件での制御範囲と ZVS 条件より設定される。
tss
ソフトスタート時間
所望の起動ソフトスタート時間より決定される。
ttimer
間欠保護動作間隔
特に多出力負荷で低電圧出力ライン短絡時電流制限間欠動作周期によ
り決定される。
表 2. 推奨周辺部品定数
RvsenseH
BrownOut 保護電圧
検出抵抗高電位側
Isense≦±0.2uA であり、トータル 3Mohm 程度を推奨。
高電圧印加対応品必要。
Ct
発振タイミング容量
fmin / fmax / fss / fovp / DT を決定するコンデンサ容量値。
680pF~1000pF 付近を推奨。
RocpH
電流検出端子上側
フィルタ抵抗
過電力保護機能用共振電流検出電圧フィルタ抵抗。RocpL とで分割し閾
値の微調整も行う。10ohm 推奨。
CocpL
電流検出端子
フィルタ容量
過電力保護機能用共振電流検出電圧フィルタコンデンサ。
10000pF 程度。
Rfb
I(F/B)電流制限抵抗
I(F/B)を制限して fmax を決定。 1.5kohm 推奨。
表 3. 算出式より決定される部品定数
RvsenseL
BrownOut 保護電圧
検出抵抗低電位側
所望の Vbulk 時に 1.4V typ. になるように RvsenseH との分割比より算
出。
Rt
発振タイミング抵抗
fmin を決定する抵抗値。
Rocpdet
主電流検出抵抗
過電力保護機能用共振電流検出抵抗。
RocpL
電流検出端子下側
フィルタ抵抗
過電力保護機能用共振電流検出電圧フィルタ抵抗。RocpH とで分割し閾
値を微調整も行う。
Css
ソフトスタート時間
設定容量
tss から算出し、ソフトスタート時間を決定する。
間欠保護動作間隔
設定容量
ttimer から算出し、間欠保護動作タイミングを決定する。
Ctimer
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2.6 動作説明
電源 ON(モード A):
通常入力電圧 Vbulk が印加されている時(Vsen >1.4V , 推奨 : Vsen >1.5V)、
Vc1 に 13.5V 以上が印加されると Oscillator は発振を開始します。
発振開始時周波数は Ct で規定される fssであり、ソフトスタート時間 tss を経過した後に出力が安定化さ
れて通常動作周波数に落ち着きます。通常入出力条件での動作周波数は共振系 L/C 及び負荷状態で決
定されますが、周波数が最大になる連続動作、つまり入力電圧が最大で出力負荷が最小の条件において
fmax(最高動作周波数)は 300kHz 以内に設定して下さい。
電源 ON(モード B):
Vc1 が先に印加された状態で入力電圧 Vbulk が印加されると、まず Vsen >1.1V typ.で IC は fss でゲ
ート出力開始、Vsen > 1.4V typ.で通常動作、モード A と同じくソフトスタート期間が終わると安定化周波
数に落ち着きます。
電源 OFF(モード A):
Vbulk が印加された状態で Vc1 の供給が停止した場合(Remote OFF など)、通常動作から Vc1 が
UVLO 下限(8.4V typ.)を切った時点で瞬時に動作は停止します。
電源 OFF(モード B):
Vc1 が印加され続けた状態で Vbulk の供給が停止した場合(入力 AC 電圧の瞬低など)、発振周波数
は最低 fmin まで下がっていき、Vsen 電圧が Vsen < 1.4V typ.で瞬間に fss へと引き上げられ、共振はず
れモードへの突入を回避し、その後 Vsen < 0.7V typ.でゲート出力は停止します。
図 6. 電源動作シーケンス
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異常動作時:
入出力条件がコンバータ共振系の制御範囲を超えた場合 Feed Back はかからず、周波数は Ct 及び
Rt で設定された fmin(最低発振周波数)となります。その際 F/B open 保護回路が動作してその状態が続
き、Ctimer によって決定される時間 ttimer を経過すると発振は停止します。
間欠発振周波数で規定される時間がたつと再び発振開始、同じ状態のままであればその動作を計 2 回繰
り返した後ラッチ停止します。ラッチ停止を解除するには Vc1 を再投入して下さい。
一次側共振電流を検出して OCP 端子に加えられる電圧が Vocp(+)(0.345V typ.)を超えた場合には発
振周波数は瞬時に引き上げられます。Vocp(+)を超える状態が続いた場合にも F/B open と同じく、
Ctimer は充電され続け、間欠発振動作モードとなり 2 回目にラッチ停止となります。ラッチ停止を解除する
には Vc1 を再投入して下さい。
また、OCP 端子に加えられる電圧が OCP マスク中に Vdidt(±0.06V typ.)を超えて、OCP マスク後に
Vdidt(±0.06V typ.)を下回った場合、瞬時にゲート出力を OFF して DT 後に反対のゲート出力を ON しま
す。この場合は、Ctimer は充電されません。
参考:
上記に示した通り F/B open 検出保護機能と Vsen 電圧検出機能のために Vc1 に 14V 以上印加した
状態でも Vbulk が低い状態ではコンバータは通常動作しません。Vbulk をゼロ電圧付近からゆっくりと立
ち上げてコンバータを動作させるには図 7 に示すように
1)Vc1 から Vsen 端子へ抵抗 Rsen1 を接続し、1.5V 以上を印加して
2)F/B 端子と GND 間に抵抗 Rfb1 10kΩ 程度を接続し、F/B open 保護機能を禁止する
図 7. IC 周辺基本回路図
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1%
1%
RocpL
10000pF 10V
Source(L)
Gate(L)
Css
x uF
10V
x uF
10V
Ctimer
1%
Rt
1000p COG/CH
Ct
Gate(H)
Source(H)
0.01uF
10V
RvsenseL
RvsenseH
Vbulk
ようにして下さい。
但しこれはあくまでも検討用接続であり、1)を施した状態で Vbulk の ON/OFF を行わないで下さい。
Below Resonance Region(共振はずれ)動作が続いて MOSFET へ多大なストレスが加わってしまいま
す。
周辺回路定数の決定
3
3.1
発振器 (Rt 抵抗値の算出)
本 IC の出力である主 SW の VG(L),VG(H)はオシレーター(以下、OSC)用コンデンサ Ct の充放電により
決定されます。VG(L),VG(H)出力は Ct の充電時に出力され、VG(L),VG(H)出力が交互に出力するため、
主 SW が交互に ON/OFF します。また、Ct の放電時間は VG(L),VG(H)出力が同時に OFF するデットタイ
ム(以下、DT)になります(図 8 参照)。なお、duty 調整の為、充電電流に依存しない固定の DT を設けていま
す。Ct の充電開始後、ゲート出力開始までに固定の DT 遅れ 140ns(typ)が含まれています。
本 IC は周波数、ONduty 変調タイプです。周波数は F/B 端子電流により変動し、ONduty は発振周波数に
合わせて変動します(図 9 参照)。軽負荷時に ONduty が小さくなることで全周波数範囲において ZVS が確
保できます。
500
50
400
40
300
30
200
20
Ct=680pF Rt=18.9kΩ
Ct=820pF Rt=16.8kΩ
Ct=1000pF Rt=13.2kΩ
Ct=1200pF Rt=11.6kΩ
100
0
10
0
0
1
2
3
4
5
IFB [mA]
図 8. V(Ct) 及び VG(H)、VG(L)
図 9. Fsw/DT 対 F/B 端子電流特性
fmin と Ct から Rt の初期値 Rt(init)は近似的に
式(1)より算出されます。
この後 Rt に実定数を代入して式(2)より fmin を最終確認して下さい。
式(1)、(2)は Ct=680pF、Rt=18.9kΩ時の近似式になります。
実定数での詳細特性は、特性仕様書の Rt vs f(0)のグラフで
ご確認ください。
 1
C  1.88 
2.52

Rt (init )  
 t
3 
 2  f min 4.2  10  Ct  1.88
f min 
1
 1.88  Ct  Rt
Ct  1.88
2  

3
2
.
52
4
.
2

10
 2.52 / Rt

5V
2.5V
[ohm] ---(1)
Rt
 [Hz] ---(2)


Ct
GND
図 10. Ct / Rt 内部ブロック
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Duty [%]
frequency [kHz]
最低発振周波数は Ct 端子のコンデンサ容量と Rt 端子の外付け抵抗によって決定されます。制御特性線
形性と消費電力を考慮し IF/B 最大電流は 3mA、連続動作時最高周波数 fmax は 300kHz 以下を推奨いた
します。また、ソフトスタート動作時の発振周波数は Ct により変化し、Ct=1000pF の場合 fss=185kHz にな
ります。
3.2 Vsen ブラウンアウト保護(RvsenseL 抵抗値の算出)
Vsen 端子は入力電圧を監視し、その値に応じてゲートドライブパルス出力の禁止、周波数の急変を行い
ます。この機能により Vc1 が印加されたままでの入力 Vbulk 投入時或いは入力電圧の瞬低および瞬断時
などにコンバータが Below Resonance Mode(いわゆる共振はずれ)動作に突入することを防ぎます。
電圧と各出力のタイミングは図 12 を参考にしてください。
高電位側 Vbulk 検出抵抗 RvsenseH は 3Mohm を推奨。Vsen 端子 sink 電流は 0.2uA 必要です。
式(3)で所望の Brown Out 保護電圧閾値 Vbulkreset から初期値 RvsenseL(init)を算出し、その後式(4)に
実定数を代入して Vbulkreset の値を最終確認して下さい。
Vsense
1.4V
1.1V
0.7V
13.5V
Vc1
Css
Ct
VG(H)
VG(L)
図 11. Vsense 内部回路/周辺回路
R vsenceL (init) 
Vbulkreset 
図 12. Vsense ブラウンアウトタイミング
1.4  R vsenseH
Vbulkreset - 1.4
[ohm] ---(3)
R vsenseH  R vsenseL
 1.4
R vsenseL
[Vdc]
---(4)
尚、RvsenseH を単独で持った場合には AC240V(PFC 停止)時 約 40mW を消費しますが(3Mohm)、
PFC コンバータに絶対値検出 OVP 機能がある時、過電圧検出抵抗の中点から Vsen 電圧を取ることも可
能です。この場合には Vsen 機能による検出抵抗損失増加分はゼロにできます。
Vsen 端子と GND 間にはノイズ吸収用に 3300pF~10000pF 程度を接続してください。
3.3
ソフトスタートタイミング(Css 容量値の算出)
Vc1 投入から fmin に落ち着く時間を tss として
式(5)によりソフトスタートタイミングコンデンサ容量初期値 Css(init)を算出します。
実定数 Css を式(6)に代入して tss を再確認して下さい。
Css=4.7uF (tss=200msec)時の SS 端子電圧と発振周波数特性を図 13 に示します。
なお、式(5)および(6)は、図 13 の測定条件で(a)点より算出した近似式となります。
C ss(init )  t ss  23  10 6
t ss 
[F]
---(5)
[sec]
---(6)
C ss
23  10  6
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S S tim e vs f re qu e n c y an d te rm in al vo ltag e
Ct=1000pF Rt=13.2kΩ Css=4.7uF
250
2.0
f s s [ k H z]
V s s [V ]
200
1.5
fss [kHz]
1.0
100
SS terminal voltage [V]
150
0.5
50
0
0.0
0
50
100
150
200
Time [ms]
(a)
250
図 13. SS 端子電圧 / 発振周波数特性
3.4
過電流保護動作(Rocpdet / RocpL 抵抗値の算出)
過電流保護(OCP)動作はパルスバイパルスで上側 MOEFET のドレイン電流を検出して動作させます。
OCP の閾値は+0.345V です。検出閾値電圧は十分に低く、電流検出抵抗の無効な電力損失は抑制できま
す。OCP 端子電圧が閾値に達すると、図 14 の過電流検出ポイントから Ct の充電を早めて周波数を上げ、
同時に Timer 端子のコンデンサ Ctimer を充電します。(Timer 充電は 3.6 項を参照下さい。)
下側 MOSFET の OCP 検出機能は搭載していませんが、上側 MOSFET が OCP 動作すると次の下側
MOSFET は約 fmin×1.8 倍の周波数になります。OCP 動作時に下側 MOSFET を約 fmin×1.8 倍の周波
数にすることにより、MOSFET 等へのストレスを低減いたします。なお、その次の上側 MOSFET の発振周
波数は OCP 検出閾値に到達しなければ、FB により決定する通常動作による発振周波数となります。OCP
端子電圧は図 15 における Rocpdet によって検出される電圧を RocpH と RocpL で分割した値となります。
C116 はフィルタ用コンデンサです。C116 は 10000pF 程度を推奨します。
なお、電源設計上の注意点として、後述します 3.5 の di/dt 保護機能により、通常動作における Ipk よりも
OCP レベルを著しく高く設計いたしますと、di/dt 検出しきい値も同時に高くなる為、通常電源動作時に di/dt
保護機能が働いて出力電圧が低下する場合がございます。
図 14. OCP タイミングチャート
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[Rocpdet / RocpL 抵抗値の算出方法]
RocpH=10[Ω]とした場合、所望の OCP 動作電流閾値 Ipk より共振電流検出抵抗 Rocpdet を式(7)にて
決定し、式(8)より RocpL(init)を算出します。実定数を RocpL に代入して式(9)より過負荷検出電流閾値
Ipk(th)を確認してください。
RocpH は、OCP 端子流出電流(180μA typ.)を考慮して 10[Ω]~47[Ω]程度を推奨します。RocpH およ
び RocpL の抵抗値を大きくする場合には、OCP 端子流出電流による OCP 端子電圧の持ち上がりを考慮し
た定数の決定を行ってください。
Rocp det 
0.345
Ipk
Ipk ( th ) 
0.345  10
Ipk  R ocp det  0.345
10  R ocpL
RocpL  R ocp det
 0.345
[ohm]     (8)
[ A ]     (9)
Rocpdet
Cr
RocpL
C116
10000pF
RocpL (init ) 
[ohm]     (7)
図 15. OCP 端子周辺基本回路
OCP内部フィルタの遅れ(約500ns)
MCZ5203 は LowsideMOS の OCP 機能が無いため、
2 次側出力を半波で出力するときはトランスの極性指定が
必要になります。
Ct
OCPマスク
600ns
1.28V
また、本 IC では MOSFET のスイッチングによって発生
するノイズによる OCP 誤動作防止のために、図 16 のよう
に Ct 充電開始から 600ns までを OCP マスクしています。
よって Ct 充電開始から 600ns は OCP 検出しません。ま
た、ランダムに入るノイズによる誤動作防止のため OCP
端子に内部フィルタを内蔵しています。このフィルタの遅れ
により、OCP 検出~Ct 急速充電まで約 500ns の遅れが
生じます。
3.16V
OCP×2
(fmin×1.8倍)
0.345V
OCP
VGH
VGL
図 16. OCP 動作シーケンス
3.5 di/dt 保護機能
MCZ5203 は di/dt 保護機能(共振はずれ検出)を搭載し
ています。di/dt 保護機能はパルスバイパルスで両方向の
MOSFET ドレイン電流をモニタし、OCP 端子で検出して
います。di/dt 検出の閾値は±60mV です。Hi side では
OCP マスク期間中に OCP 端子電圧が 60mV を超えた
後、Ct の同じ周期中に 60mV 以下になった時に Ct を強
制反転します。Low side では OCP マスク期間中に OCP
端子電圧が-60mV を下回った後、Ct の同じ周期中に
-60mV 以上になった時に Ct を強制反転します。なお、
di/dt 保護機能による Timer 端子のコンデンサ充電は行い
ません。
電源設計上の注意点として、OCP レベルを著しく高く設
定すると di/dt 検出レベルも同時に高くなるため、通常の
電源動作時に di/dt 保護が動作し、出力電圧が低下する
ことがあります。
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3.16V
Ct
didt保護動作
Ctマスク
2.1V
1.28V
Ctマスク期間中に
60mVを超える
60mV
OCP
VGH
VGL
図 17. di/dt 動作シーケンス
3.6 タイマ間欠ラッチ停止保護(Ctimer 容量値の算出)
Timer 端子コンデンサ Ctimer は OVP、OCP、F/B オープン検出機能が働いた時に充電され、さらに異常
信号が入り続け前述の保護機能が働き続けると、Timer 端子電圧が Vtimer(3V typ.)に達して間欠動作モー
ドになります。間欠動作モード中に異常信号が無くなると正常発振に戻りますが、この間欠発振モードが 2 回
カウントされると IC がラッチ停止します。ラッチリセットは Vc1<8V です。また、ラッチカウンタのリセット機能
を搭載しております。ラッチカウンタリセット条件は以下の2つです。(図 18 参照)
①Vss=2.6V ②Timer refresh 時
この機能により、電源が正常に機能するとラッチカウンタは 0 になります。
OCP 動作が働くと、Timer 端子は Ct の 8 周期間 Timer の充電を行います。Timer 充電電流は 215μA
typ.です。OCP 検出時には Ct の 15 周期間中は FB OPEN 検出は行いません。(図 19 参照)
また、di/dt 検出時は Timer 充電を行いません。
ソフトスタート動作状態時(Vsen>1.4、Vss<1.3V)に Ctimer は 20μA で充電されます。負荷短絡起動時な
どの異常状態時の負荷を軽減することが出来ます。ただし、起動・切断時や入力瞬低・瞬断時に Vsen 電圧
がしきい値付近をまたぐ状態が長く続いた場合(Vsen>1.4、Vss<1.3V)、Ctimer が 20μA で充電し続け
Timer 端子電圧が Vtimer に達して間欠動作モードになる場合があります。このような状態が想定される仕
様の場合、Timer-GND 間にパラに抵抗を接続してください。Ctimer が 10μF の場合、抵抗は 100kΩ 程度と
なります。ただし、Timer 充電時間や間欠動作時間が変化しますので確認が必要です。
図 18. タイマ機能動作シーケンス
図 19. OCP でのタイマ動作シーケンス
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- 15 -
OCP レベルを超えるピーク負荷状態が連続する場合で、且つ負荷短絡異常時ラッチ停止の必要が無い場
合には Timer 端子を GND 電位に接続してください。ラッチ停止しない、ピークリミット OCP 及び fmin による
周波数制限のみの動作となります。
Ctimer 
ttimer1  215
 10  6
3
[F]
----(10)
間欠周期 ttimer1 : tb = 1 : (20+tss) であり、
Ctimer=4.7uF / Css=2.2uF の場合 ttimer=70msec , tb=1.5sec となります
3.7 ハイサイド Vcc 生成用ブートストラップ回路
ハイサイド MOSFET 駆動用フローティング電源(VB)は、図 20 に示すように Vc2 端子 10V レギュレー
タ出力コンデンサを電圧源として高圧側へ向かうダイオード Dboot とフローティング平滑コンデンサ Cboot
によるブートストラップ回路により生成されます。外付け Dboot による Boot Strap 回路採用によりローサイド
とハイサイド Vcc の電位差が最小限に保たれ、過渡的にも安定した駆動用電源が供給できます。Cboot に
は MLCC を用い、その値は 0.1uF-1uF を推奨します。また Dboot には高速かつソフトリカバリー特性を持っ
た 600V 耐圧以上のものを用いてください。新電元製 D1NK60 或いは D1FK60(面実装)を推奨いたします。
Np
Cboot
22
0.1 uF
16V
21
20
VG(H)VS
Dboot
D1NK60
D1FK60
15
VB
14
13
VG(L) PGND Vc2
MCZ
図 20. Boot Strap ハイサイド Vcc 生成回路
3.8 ゲート駆動回路
ゲートドライバ駆動電流は Vc2=10V で 0.18A(吐き出し) / 0.53A(引き抜き)typ.です。この値は高圧側・
低圧側 MOSFETGate 駆動パルス電流が信号系誤動作を引き起こさないように抑えられていますが、通常
用いられる Qg=50nC クラスの MOSFET や CoolMOS(F20F60C3M 等)を十分高速にドライブできる値で
す。一般的に用いられる駆動回路の例を図 21 に示します。図 21 A)の場合の駆動インピーダンスは下式で
表わされます。
RON(Qa)+R121 = 56+ R121 (吐き出し)
RON(Qb)+R122 = 19 + R122 (引き抜き)
電荷引き抜き用ダイオード D112/113 を用いる場合には小容量ショットキーダイオードなどを用い、スナッピ
ーリカバリーダイオードは使わないように注意してください。推奨ダイオード例として 新電元製 D1NS4(アキ
シャル)や DG1S4(面実装)があります。
A)
Qa
Q101/102
R122/125
D112/113
Q101/102
B)
D112/113
Qa
VG(L/H)
Qb
VG(L/H)
R121/124
PGND / VS
R123/126
Qb
R122/125
PGND / VS
図 21.ゲート駆動回路
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R121/124
R123/126
4
回路例
4.1 代表回路図
T101
F101
Vin
Q101
C110
D201
C120
GND
R121
R123
V1
8
1
7
Q102
R101
4
C121
R124
C119
R102
GND
D203
9
C122
R126
C201 C202
10
D205
C123
D110
R103
VGH
VS
VB
(NC)
(NC)
(NC)
(NC)
VGL
PGND
SS
(NC)
Vc2
OCP
R112
IC101
Vsen
FB
Ct
Rt
GND
(NC)
Timer
Vc1
(NC)
C116
12
R110
C205
GND
13
R107
C126
C112
R131
V2
11
R111
C113 C114
D206
R210
C115
C111
R203
R211
R108
CN102
VCC
ON/OFF
R202
C231
R231
PC101
IC201
C117
Q113
GND
図 22. 代表回路図
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- 17 -
R213
5
外形寸法図(正式寸法に関しては納入仕様書をご覧下さい)
5.1
SOP22 (MCZ5203SE)
Units : mm
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Notes:
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