暫定資料 NJU26060 シリーズ NJU26060 シリーズハードウェア共通仕様書 シリーズハードウェア共通仕様書 概要 NJU26060 シリーズは、PWM モジュレータを搭載した 24 ビット DSP コアのデジタル・オーディオ・プロセッサです。 PWM モジュレータをステレオ 2 系統、サンプリングレートコンバー タ(SRC)を 1 系統、デジタルインターフェーストランスミッタ(DIT)を 1 系統搭載し、汎用入出力ポートを 4 端子備えます。 DSP 部は、OTP(1 回書き込み可能な不揮発メモリ)を搭載し、各種 音声処理機能のカスタマイズが容易にできます。 特徴 ■ 外形 NJU26060V ◆ハードウェア 24 ビット固定小数点デジタル シグナルプロセッサ 外部クロック周波数 : 24.576MHz、 PLL 内蔵 PWM モジュレータ:ステレオ 4ch 出力 サンプリングレートコンバータ(SRC) Fs=8kHz~192kHz → 48kHz デジタルインターフェーストランスミッタ(DIT) デジタルオーディオインターフェース : 入力 3 ポート、出力 3 ポート 2 デジタルオーディオフォーマット : I S 24bit、左詰め、右詰め 対応、 BCK : 32/64fs マスター/スレーブ対応 ・ サンプリングレートコンバータ : スレーブ動作 ・ マスタークロック出力 : MCKO(256 or 512fs), BCKO(64 or 32fs) , LRO(1fs) ホストインターフェース 2 ・I C バスインターフェース (Fast-mode/ 400kbps) 電源電圧 : 3.3V 入力端子許容電圧 : 5V トレラント パッケージ : SSOP44 (鉛フリー対応) Ver.2009-12-16 -1- NJU26060 シリーズ ブロック図 ブロック図 24Bit Fixed-point DSP Core BCKO LRO Serial Audio Interface (Master) SDI0 SDI1 PWM Modulator 0 Over Sampling Digital Filter Delta-Sigma Modulator PWM Generator OUTLP0 Over Sampling Digital Filter Delta-Sigma Modulator PWM Generator OUTRP0 OUTLN0 OUTRN0 SDI2 PWMEN0 PWM_MUTEb SDI Select PWM_DISb PWM_ERRb BCKO LRO 512fs Sampling Rate Convertor (Slave) PWM Modulator 1 PROGRAM CONTROL 24Bit x 24Bit MULTIPLIER Over Sampling Digital Filter Delta-Sigma Modulator OUTLP1 OUTLN1 BCKI SDO0 ALU LRI PWM Generator Over Sampling Digital Filter SCL Delta-Sigma Modulator PWM Generator OUTRP1 OUTRN1 I2C INTERFACE ADDRESS GENERATION UNIT SDO1 SDA PWMEN1 RESETb BCKO LRO MCKO TIMING GENERATOR / PLL S/PDIF Transmitter 2048fs 256fs SDO 512fs CLKOUT GPIO[1] GPIO INTERFACE CLK 1.8V FIRMWARE OTP PROGRAM RAM DATA RAM0 GPIO[3][2][0] LDO VREGO DATA RAM1 図1 NJU26060シリーズハードウェアブロック シリーズハードウェアブロック図 シリーズハードウェアブロック図 -2- Ver.2009-12-16 NJU26060 シリーズ 端子配列 RESETb 1 44 BCKO PWM_MUTEb 2 43 LRO PWM_DIS 3 42 MCKO SDA 4 41 SDO SCL 5 40 GPIO0 LRI 6 39 GPIO1 BCKI 7 38 GPIO2 SDI0 8 37 GPIO3 SDI1 9 36 TEST SDI2 10 35 CLK 34 CLKOUT 33 VDD NJU26060 REGDISb 11 VDD 12 VSS 13 32 VSS VREGO 14 31 VREGO VDDPLL 15 30 TEST VSSPLL 16 29 PWM_ERRb PWMEN1 17 28 PWMEN0 OUTRN1 18 27 OUTRN0 OUTRP1 19 26 OUTRP0 OUTLN1 20 25 OUTLN0 OUTLP1 21 24 OUTLP0 VSSPWM 22 23 VDDPWM SSOP44 図2 SSOP44 端子配列 Ver.2009-12-16 -3- NJU26060 シリーズ 端子説明 表 1 端子説明 Pin No. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 端子名 RESETb PWM_MUTE b PWM_DISb SDA SCL LRI BCKI SDI0 SDI1 SDI2 REGDISb VDD VSS VREGO VDDPLL VSSPLL PWMEN1 OUTRN1 OUTRP1 OUTLN1 OUTLP1 VSSPWM VDDPWM OUTLP0 OUTLN0 OUTRP0 OUTRN0 PWMEN0 PWM_ERRb TEST VREGO VSS VDD CLKOUT CLK TEST GPIO3 GPIO2 GPIO1 GPIO0 SDO MCKO LRO BCKO 機能 I/O I リセット (RESETb=“L” でリセット) I+ PWM ブロックミュート要求入力 I+ OD I IIIIII PI O OP OP OP OP OP OP OP OP O I+ I PI O I II/O I/O I/O I/O O O O O PWM ブロックスタンバイ要求入力 2 I C データ入出力 2 I C シリアルクロック サンプリング周波数変換側 LR クロック入力 サンプリング周波数変換側ビットクロック入力 オーディオデータ入力 0 オーディオデータ入力 1 オーディオデータ入力 2 内部電源イネーブル(VDD に接続してください) 電源 3.3V GND 内部電源バイパス端子 PLL 電源 1.8V PLL 電源 GND PWM1 有効信号出力端子(PWMEN1=’1’で有効な出力が出ていることを示す) PWM1R- 出力 / オーディオデータ出力 1(ファームウェアで切り替え) PWM1R+ 出力 PWM1L- 出力 / オーディオデータ出力 0(ファームウェアで切り替え) PWM1L+ 出力 PWM 出力端子用 GND PWM 出力端子用電源 3.3V PWML+ 出力 PWML- 出力 PWMR+ 出力 PWMR- 出力 PWM0 有効信号出力端子(PWMEN0=’1’で有効な出力が出ていることを示す) PWM バックエンド異常時停止要求入力端子(PWM_ERRb=’0’で PWM 停止) テスト端子 ( VSS に接続してください ) 内部電源バイパス端子 GND 電源 3.3V 水晶発振用クロック出力端子 水晶発振用クロック入力端子 テスト端子 ( VSS に接続してください ) 汎用入出力端子 3 兼テスト端子 汎用入出力端子 2 兼テスト端子 汎用入出力端子 1 兼テスト端子 汎用入出力端子 0 兼テスト端子 DIT 出力 / オーディオデータ出力 2(ファームウェアで切り替え) マスタークロック出力 LR クロック出力 ビットクロック出力 I :入力, O :出力, OD :オープンドレイン出力, I/O ::双方向, PI :内蔵電源バイパス I+ :入力プルアップ付き端子, I- :入力プルダウン付き端子 OP :PWM 出力端子(VDDPWM から電源供給) 注意: 注意: プルアップおよびプルダウンの付いていない端子をオープンで使用しないでください。 SDI0~2, SDO, OUT***は、仕様により機能が異なるため 個別データシートを参照してください。 -4- Ver.2009-12-16 NJU26060 シリーズ 絶対最大定格 表2 絶対最大定格 (以降、 以降、特に断り無き場合、 場合、全ての電気的特性 ての電気的特性・ 電気的特性・定格において 定格において、 において、VSS= 0V と定義し 定義し、この電位 この電位を 電位を GND 電位と 電位と規定します 規定します。 します。) 項目 記号 定格 VDD, VDDPWM -0.3 ~ 4.2 内蔵電源バイパス端子電圧 * VREGO -0.3 ~ 2.3 PLL 電源電圧 * VDDPLL -0.3 ~ 2.3 Vx(IN) Vx(I/O), Vx(OD) -0.3 ~ 5.5 (VDD≧3.0V) -0.3 ~ 4.2 (VDD<3.0V) Out Vx(OUT) -0.3 ~ 4.2 CLK Vx(CLK) -0.3 ~ 4.2 Vx(CLKOUT) -0.3 ~ 4.2 PD EIA/JEDEC 仕様基板 (76.2x114.3x1.6mm, 2layer, FR-4) 実装時 mW 動作温度範囲 TOPR -40 ~ 85 °C 保存温度範囲 TSTR -40 ~ 125 °C 電源電圧 * In I/O, OD 端子電圧 * CLKOUT 単位 V V 800 許容損失 * VDD * VDDPWM * VREGO * VDDPLL * Vx(IN) * Vx(OD) * Vx(I/O) * Vx(OUT) * Vx(CLK) * Vx(CLKOUT) : : : : : : : : : : 12, 33 pin 23 pin 14, 31 pin 15 pin 1~3, 5~11, 29, 30, 36 pin 4 pin 37~40 pin 17~21, 24~28, 41~44 pin 35 pin 34 pin 端子等価回路図 端子等価回路図 VDD VREGO RPU CLK CLKOUT VDD VREGO PAD RPD VSS VSS 入力端子,入出力端子 ( 入力部 ) CLK / CLKOUT 端子 VDD or VDDPWM PAD VDD PAD Output Disable VSS or VSSPWM 出力端子,入出力端子(出力部) (4pin はオープンドレイン出力) VSS REGDISb 端子 図 3 NJU26060 シリーズ入出力等価回路図 シリーズ入出力等価回路図 Ver.2009-12-16 -5- NJU26060 シリーズ 電気的特性 表 3 電気的特性 ( VDD=VDDPWM=3.3V, fOSC=24.576MHz, Ta=25℃ ℃ ) 項目 記号 条件 Min. Typ. Max. 単位 動作電圧範囲 *1 VDD VDD, VDDPWM 端子 3.0 3.3 3.6 V 消費電流 IDD 無負荷時、 VDD + VDDPWM - 35 50 mA High レベル入力電圧 VIH VDD x 0.7 - VDD *2 Low レベル入力電圧 VIL 0 - VDD x 0.3 High レベル出力電圧 *3 VOH IOH = -1mA VDD x 0.8 - VDD Low レベル出力電圧 VOL IOL = 1mA 0 - VDD x 0.2 -10 - 10 -120 - 10 -10 22.5792 24.576 50 120 IIN 端子リーク電流 *4 IIN(PU) VIN = VSS ~ VDD IIN(PD) 入力クロック周波数 fOSC クロックデューティー比 rEC CLK 端子 *5 20 45 V µA 25 MHz 55 % *1 VDD, VDDPWM は、電気的特性の範囲内でご使用ください。VDD, VDDPWM の投入は単調増加としてください。VDD, VDDPWM を規 程の電圧まで立ち上げた後、本電気的特性を下回る電圧に落とさないでください。電源を切断し、再度投入する場合は必ず GND レベルまで一度 VDD, VDDPWM を低下させた後、投入しなおしてください。 *2 CLK 端子を除く入力端子・入出力端子・オープンドレイン入出力端子は VDD, VDDPWM 定格印加時に限り 5V トレラントです。 *3 4pin(オープンドレイン入出力)を除きます。 *4 IIN(PU) : 2, 3, 29, 37, 38pin, IIN(PD) : 6~10, 36, 39, 40pin で、プルアップおよびプルダウンの付いていない端子をオープンに しないでください。 *5 NJU26060 を内部サンプリング周波数 48kHz 時に使用できる 24.576MHz、44.1kHz で使用するには 22.5792MHz のク ロックが必要です。入力されたクロック周波数の 1/512 が内部のサンプリング周波数となります。 -6- Ver.2009-12-16 NJU26060 シリーズ 1. 電源 ・ クロック信号 クロック信号 ・ リセット 1.1 電源 NJU26060 シリーズには、VDD/VSS, VDDPLL/VSSPLL および VDDPWM/VSSPWM の 3 系統の電源が存在します。このうち、 VDD/VSS は内部コア電源,VDDPLL/VSSPLL は内部 PLL 電源、また、VDDPWM/VSSPWM は PWM 出力端子の電源として使用され ます。 NJU26060 の VDD/VSS, VDDPWM/VSSPWM は確実に接続し、端子の直近にデカップリングコンデンサを接続してください。ま た、VDD/VDDPWM 電圧は電気的特性の範囲内でご使用ください。VDD/VDDPWM の投入は単調増加としてください。使用中は VDD/VDDPWM を、本電気的特性を下回る電圧に落とさないでください。電源を切断し、再度投入する場合は必ず GND レベ ルまで一度 VDD/VDDPWM を低下させた後、投入しなおしてください。 NJU26060 の VDDPWM/VSSPWM は、PWM 出力端子:OUTLP0, OUTLN0, OUTRP0, OUTRN0, OUTLP1, OUTLN1, OUTRP1, OUTRN1 端子の電源端子です。VDD/VSS と同一の電源に接続してください。この電源のノイズ成分はそのまま PWM 出力ノイズになって出力されますので、十分にデカップリングしてください。 NJU26060 は内部ロジックのために、内蔵電源(LDO)を搭載しており、内部で約 1.8V を生成しています。VREGO はこ のレギュレータのバイパス端子です。VREGO(14, 31pin)と VSS(13, 32pin)との間、端子の直近に、10μF(積層セラミック など)と 0.01μF 程度のコンデンサを、14-13pin 間、および 31-32pin 間の、それぞれ端子の直近に接続してください。 NJU26060 は内部ロジックおよび PWM モジュレータのために、PLL を内蔵しています。PLL の電源は VDDPLL/VSSPLL か ら構成されていますが、内部では直接接続されていません。そのため、VREGO(14pin)に接続して供給してください。 VDDPLL と VSSPLL の直近に 0.01μF 程度のデカップリングコンデンサを接続してください。VSSPLL は VSS と接続してください。 +3.3V + NJU26060 10uF 11 REGDISb 12 VDD VDD 33 VSS 32 0.01uF 0.1uF VREGO 31 0.01uF 10uF VDDPWM 23 0.1uF 0.01uF 13 VSS 10uF 0.01uF 14 VREGO 15 VDDPLL 16 VSSPLL 22 VSSPWM 0.01uF 10Ω 0.01uF 10uF 図 4 簡易電源フィルタ 簡易電源フィルタの フィルタの例(参考) 参考) 内蔵電源は、NJU26060 動作のためだけに使用されます。VDDPLL への供給以外の目的で電流を取り出したり、短絡させ たり、他の電源と接続したりしないでください。VSS に短絡させた場合、電流が VDD → VREGO → VSS の経路で流れ、 内蔵電源がダメージを受ける可能性があります。 Ver.2009-12-16 -7- NJU26060 シリーズ 1.2 入力信号 NJU26060 シリーズの入力端子・入出力端子・オープンドレイン入出力端子は、CLK/CLKOUT 端子を除き、VDD, VDDPWM が規定の電圧で投入されている場合に限り 5V トレラントとなります。 1.3 クロック信号 クロック信号 NJU26060 シリーズの動作には、独立したクロックが必要です。入力クロック周波数の範囲内で、PWM モジュレータで 使用するサンプリング周波数(Fs)の 512 倍のクロックを CLK 端子に供給します。CLK/CLKOUT 端子間に水晶振動子を 接続し、発振させることも可能です。設計される基板に応じた外部定数を設定してください。CLK/CLKOUT 端子は5V トレ ラントではありませんので、電圧レベルにご注意ください。 参考 :水晶振動子でクロックを供給する場合は、NJU26060シリーズの特性を満たせますが、外部で生成したクロックを供給 する場合、その品質によっては、内蔵のサンプリングレートコンバータおよび PWM モジュレータの特性低下させるこ とがあります。 -8- Ver.2009-12-16 NJU26060 シリーズ 1.4 リセット信号 リセット信号 NJU26060 シリーズのリセットには、RESETb を一旦 ”L” レベルにし、その後、”H” レベルにすることで行います。 VDD/VDDPWM 電圧を投入後、VREGO 端子電位が tVREGO 時間内に約 1.8V まで立ち上がります。水晶発振が安定した 後(発振器から入力する場合は供給を開始した後)、少なくとも tRESETb 期間 ”L” レベルを維持してください(図 5)。再 度リセットをかける場合も同様です。この期間内に NJU26060 シリーズはハードウェアの初期化を完了します。 RESETb 端子を”L”から”H”にした後(リセット解除後)、NJU26060 シリーズは起動処理を行いファームウェアによる動 作を開始します。起動に必要な時間はファームウェアによって異なるためファームウェア個別の仕様書を確認してくだ さい。 図 5 リセットタイミング VDD ,VDDPWM 3.3V(±10%) tVREGO 約 1.8V VREGO CLK 発振不安定 発振安定 トリガ動作 内蔵 PLL ロックアップ tRESETb RESETb 1ms 以内にホスト インターフェース 部のハードウェア 設定完了 表 4 リセット時間 リセット時間 Symbol tVREGO tRESETb Time ≧10msec ≧10msec 注意 :電源投入から内部リセットの完了(遅くとも tRESETb 期間内に完了)までの期間、全ての出力端子は不定状態となりま す。特に、NJU26060 の PWM モジュレータの出力状態を示す PWMEN0/1 端子を制御信号として使用する場合な ど、後段へのダメージが考えられる場合は、システムを保護するため、この期間の信号をシステム全体のリセット 信号等を使用してマスクするなどの冗長設計を行って下さい。 動作中はクロックの供給を停止しないでください。NJU26060シリーズは内部にPLL回路を搭載していますが、クロ ックの供給を停止した場合、PLL が正常なクロックを内部に送ることができなくなり、NJU26060 シリーズは正常に 動作しません。 Ver.2009-12-16 -9- NJU26060 シリーズ 2. デジタルオーディオクロック デジタルオーディオデータは、デジタルオーディオシステム間を同期して転送する必要があります。 NJU26060 シリーズは、サンプリングレートコンバータを使用しない場合は、マスターデバイスとして使用します。一方、 次章で説明するサンプリングレートコンバータはスレーブデバイスとして機能します。 ・ マスターデバイスとしての機能 : MCKO, BCKO, LRO 端子出力のクロックを他のスレーブデバイスのクロックと して、デジタルオーディオデータ転送に使用します。 ・ スレーブデバイスとしての機能 : BCKI, LRI の入力端子には、他のマスターデバイスからのクロックが必要にな ります。 2.1 オーディオクロック デジタルオーディオデータ転送には、次の3種類のクロックが必要になります。 ① LR クロック(端子名:LRI、LRO)は、シリアルデータ転送で必要になります。デジタルオーディオ信号のサンプリン グ周波数と同じです。 ② ビットクロック(端子名:BCKI、BCKO)は、シリアルデータ転送で必要になります。LR クロックの倍数になります。 ③ マスタークロック(端子名:MCKO)は、A/D、D/A コンバータなどで必要になります。LR クロックの倍数になります。 また、シリアルデータ転送とは関係ありません。 NJU26060 シリーズのビットクロック(端子名:BCKI、BCKO)は、LR クロックの 32 倍、64 倍をサポートしています。 NJU26060はマスターデバイスとして、MCKO,BCKO,LROの各端子から、デジタルオーディオデータ伝送に必要なクロッ クを外部デバイスに供給します。一方、スレーブデバイスとして動作する、サンプリングレートコンバータは、BCKI,LRI 端 子に入力されたクロックによってデジタルオーディオデータを取り込み、MCKO/BCKO/LRO から構成されるクロック系に サンプリング周波数の変換を行います。MCKO 端子は、マスタークロックとして、内部リセット終了後、CLK 端子への入力 クロックの 2 分周出力、またはバッファ出力となります。ファームウェアのコマンドによって停止も可能です。 NJU26060 は内部動作サンプリング周波数の 512 倍(サンプリング周波数 48kHz で 24.576MHz)で使用します。その場 合に、NJU26060 はマスターデバイスとして、サンプリング周波数の 1 倍の LR クロックと、それぞれに対する 64 倍・32 倍のビットクロック、512 倍・256 倍のマスタークロックを出力することができます。表5にそれぞれのクロックの関係を示し ます。 表5 CLK 端子供給クロック 端子供給クロック周波数 クロック周波数と 周波数と BCKO,LRO,MCKO - 10 - クロック信号 倍レート周波数 LRO BCKO(32Fs) BCKO(64Fs)* MCKO(256Fs)* MCKO(512Fs) 1Fs 32Fs 64Fs 256Fs 512Fs CLK 端子への供給クロック 22.5792MHz 24.576MHz 44.1kHz 48kHz 1.4112MHz 1.536MHz 2.8224MHz 3.072MHz 11.2896MHz 12.288MHz 22.5792MHz 24.576MHz * 起動時デフォルト Ver.2009-12-16 NJU26060 シリーズ 3. サンプリングレートコンバータ (SRC) NJU26060 シリーズの内部においてオーディオ信号は、CLK 端子に供給されたクロック周波数の 1/512 をサンプリング周 波数(Fs)としてオーディオ信号を扱います。複数のサンプリング周波数を NJU26060 のサンプリング周波数に同期させる ため、NJU26060 にはステレオ 1 系統(2 チャンネル)分のサンプリングレートコンバータ(SRC)を持っています。 NJU26060 シリーズに搭載された SRC は Fs=8kHz~192kHz までの任意のサンプリング周波数を、内部の Fs=CLK/512(すなわち、CLK=24.576MHz で Fs=48kHz, 22.5792MHz で Fs=44.1kHz)のサンプリング周波数に変換する ことができます。 3.1 サンプリング周波数 サンプリング周波数の 周波数の自動検出 NJU26060 シリーズに搭載された SRC は、サンプリング周波数が大きく変動した場合、最適な変換特性を得るために、 SRC ブロックをリセットする必要がありますが、サンプリング周波数の自動検出機能を備えています。 NJU26060 シリーズは、LRI クロックの 2,048 サンプル(周期)ごとに、直近の LRI クロック 1 サンプルの長さを CLK 端子 クロックの数でカウントします。(たとえば、CLK=24.576MHz で LRI のクロックが 48kHz であれば、24,576/48=512 とな ります。LRI と CLK は非同期の関係であり、±1 程度の変動があります)。前回(2,048 クロック前)のカウント数 fLRI と現在 のカウント数 fLRI‘を比較し、カウント数が±4 を超えた場合にサンプリング周波数が変化したとみなし、SRC ブロックを自 動でリセットする機能を持っています。 正確には周波数が変動していく課程を表現しなければいけませんが、前回カウント時の周波数と今回カウント時の周波 数が以下の関係を十分に満たすことができれば、検出することが可能です。 fLRI’ < 1 / {(4+CLK/ fLRI) / CLK} or fLRI’ > 1 / {(4-CLK/ fLRI) / CLK} 単位[Hz] LRI 2048回トグル このときの周波数:fLRI' サンプリングレート1 サンプリングレート2 このときの周波数:fLRI 図 6 fLRI’と fLRI’の関係 例えば、CLK=24.576MHzで、fLRI=8kHz のとき、2,048 サンプルは、2,048/8,000=256msec で、256msec 前に 8kHz だ ったfLRI が、上記式:1/{(4±24.576M/8k)/24.576M}より、7.989kHzを十分下回るか、8,010kHzを十分上回れば、検出が 可能です。 同様に、CLK=24.576MHzで、fLRI=192kHz のとき、2,048 サンプルは 2,048/192,000=10.7msec で、10.7msec 前に 192kHzだった fLRI が、上記式:1/{(4±24.576M/192k)/24.576M}より、186.18kHzを十分下回るか、198.19kHzを十分上 回れば、検出が可能です。 SRC ブロックが自動検出によってリセットされたことはファームウェアからも検出することができます。(その取り扱いは 各ファームウェアに依存します)。リセット時間は 2,048×512(1/CLK)秒固定ですが、この自動検出によるリセット中も上 記の検出は行うため、特に検出間隔がこのリセット時間よりも短く(CLK=24.576MHzであれば 42.7msec)、SRC ブロック Ver.2009-12-16 - 11 - NJU26060 シリーズ のリセット中もなおクロックが変動している場合には、検出時点で再度リセットをかけますので、上記の数値よりも長い時 間リセットがかかっているように見える場合があります。 この機能はデフォルトで有効になっています。自動検出機能は、LRIクロックの変化があまりに緩やかな場合は検出でき ない場合があります。上記のサンプリング周波数検出要件を満たさない品質のLRI, BCKIクロックによってデジタルオー ディオ信号が与えられた場合はサンプリング周波数変換ができなくなります。自動検出機能で有効な検出が不可能な場 合、ファームウェアから設定レジスタを操作して、SRC ブロックをリセットして使用してください。特に、システム起動時に 一度ファームウェアから SRC ブロックをリセットしてください。 また、LRI クロックの 2,048 サンプル(周期)ごとに LRI クロックの周期をカウントしてサンプリング周波数の変化を検出す るという構造上、LRI クロックが完全に停止してしまったことを検出することができません。LRI クロックの停止直前の音 声入力状態次第では SRC 内部のバッファクリアが行われず、可聴ノイズを発生させることがあります。この場合も、ファ ームウェアから設定レジスタを操作して SRC ブロックをリセットして(または停止させて)使用してください。 3.2 サンプリング周波数変換比率 サンプリング周波数変換比率の 周波数変換比率の決定と 決定と郡遅延 NJU26060 シリーズに搭載した SRC は、サンプリング周波数の自動検出機能によるリセット、およびファームウェアによ る手動リセットが行われた後、256 入力サンプル以内に有効な変換後の出力を開始します。この時点で、聴感上不快な デジタル的なノイズは出ないように設計されています。リセット後、16,384 入力サンプル以内には設計上の特性に達し、 変換比率を固定します。 なお、サンプリング周波数の自動検出機能によるリセット終了時点、もしくはファームウェアによるリセット解除時点では LRI に供給するクロック周期は安定していなければなりません。 変換比率が固定されているとき、入力サンプリング周波数に対する郡遅延は 256 サンプルです。変換後のデータをファ ームウェアに受け渡すためにさらに 5 出力サンプルを必要とします。なお、郡遅延の間、SRC の入力を完全なゼロとす ることで、SRC の出力も完全なゼロとすることができます。 3.3 ジッター耐量 ジッター耐量 NJU26060 シリーズに搭載した SRC は、0.1UI までのジッターを許容することができます。1UI とは、ユニット・インター バルの略であり、NJU26060 シリーズにおいては、LRI へのクロック周波数の逆数です。0.1UI は、Fs=8kHz であれば、 0.1/8,000=12.5μsec、Fs=192kHz であれば、0.1/192,000=521nsec となります。(単位UI は片ピーク値で規程していま す)。 図 7 にジッター耐量のグラフを示します。実線は変換後の歪率が悪化するジッター量、破線(0.1UI)が本来の特性を出す ことができる許容ジッター量です。実線より上部はデータの欠落が発生し、可聴ノイズが発生する可能性があります。 このデータは、ジッターとしてサイン波変調をかけた場合の特性ですが、ジッタ-として矩形波変調をかけた場合でも、破 線(0.1UI)までのジッターに対しては良好にサンプリング周波数の変換を行うことができます。 しかしながら、一部の機器においては、平均化すると十分低く見えるものの、瞬間的に極端に高いピークを持ったジッタ ーを発生させてしまうような装置があります。一例として、オーディオ用の独立したクロックを持たない、USB 接続のオー ディオ機器などが上げられます。このような機器からのクロックを NJU26060 シリーズに入れ、それが 0.1UI を超えるよ うなジッターであった場合、NJU26060 シリーズの SRC は一定期間のクロック状態から変換比率を固定して動作を行う ため、ピークを持ったジッターによるオーディオサンプルの過不足によって、可聴ノイズを発生させてしまう可能性があり ます。 - 12 - Ver.2009-12-16 NJU26060 シリーズ 10 データが欠落しノイズを発生する領域 Ampiltude [UI] 1 歪率が悪化する領域 0.1 良好な特性が得られる領域 0.01 1 10 100 Jitter Frequency [Hz] 1000 10000 図 7 ジッター耐量 ジッター耐量 Ver.2009-12-16 - 13 - NJU26060 シリーズ 3.4 サンプリングレートコンバータ諸特性 サンプリングレートコンバータ諸特性 以下に NJU26060 シリーズに搭載されているサンプリングレートコンバータの特性を示します。これらの特性はシリアル オーディオインターフェースで信号を入出力した場合の特性です。PWM モジュレータ経由で出力を行った場合は PWM モジュレータ側の特性に依存します。 表 6 サンプリングレートコンバータ部 サンプリングレートコンバータ部: THD+N 特性 項目 THD+N 帯域: 22~FSO/2(Hz) 入力: 1kHz, 0dBFS 入力ビット幅 24bit 時 入力 Fs(kHz) CLK 端子周波数 24.576MHz 22.5792MHz (内部 FSO=44.1kHz) (内部 FSO=48.0kHz) 8.0 -114 -120 11.025 -122 -122 12.0 -126 -125 22.05 -130 -130 24.0 -128 -128 32.0 -124 -124 44.1 -130 -126 48.0 -119 -130 64.0 -125 -131 88.2 -133 -132 96.0 -119 -133 128.0 -131 -134 176.0 -134 -133 192.0 -132 -135 単位 dB 表 7 サンプリングレートコンバータ部 サンプリングレートコンバータ部: ダイナミックレンジ特性 ダイナミックレンジ特性 項目 ダイナミックレンジ 帯域: 22~FSO/2(Hz) 入力: 1kHz, -60dBFS 入力ビット幅 24bit 時 A-Weight フィルタ使用 - 14 - 入力 Fs(kHz) CLK 端子周波数 24.576MHz 22.5792MHz (内部 FSO=44.1kHz) (内部 FSO=48.0kHz) 8.0 132 132 11.025 132 132 12.0 132 132 22.05 133 133 24.0 133 133 32.0 133 133 44.1 133 133 48.0 134 134 64.0 135 134 88.2 136 136 96.0 136 136 128.0 138 137 176.0 139 138 192.0 139 139 単位 dB Ver.2009-12-16 NJU26060 シリーズ 4. デジタルオーディオインターフェース 4.1 デジタルオーディオデータフォーマット NJU26060 シリーズは、デジタルオーディオデータフォーマットとして、3 種類のフォーマットを使用することができます。 2 :LR クロック切り替わりの 2 ビット目に MSB が置かれます。(左詰めに対し 1bit 遅延) ① IS ② 左詰め ( Left-Justified ) :LR クロックの切り替わりに MSB が置かれます。 ③ 右詰め ( Right-Justified ) :LR クロック切り替わり直前に LSB が置かれます。 3 種類のフォーマットの主な違いは LR クロック(LRI、LRO)とデジタルオーディオデータ(SDI、SDO)の位置関係にありま す。 ・どのフォーマットにおいても、左チャンネルが先に転送されます。 ・左詰め/右詰めにおいては、LR クロック='H'が左チャネルを示します。 2 ・I S フォーマットにおいては、極性が逆になり、LR クロック='L'で左チャンネルを表します。 ・ビットクロック BCK(BCKI、BCKO)は、転送データのシフトクロックとなります。フォーマットに対応したクロック数が必要と なります。 ・LR クロックの 1 周期がステレオオーディオの 1 サンプルで、LR クロックの周波数は、サンプルレート(fs)に等しくなります。 4.2 シリアルオーディオデータ入出力 シリアルオーディオデータ入出力 NJU26060 シリーズは、入力 3 ポート(表 8) と、出力 3 ポート(表 9) 備えています。各端子機能は、個別データシート を参照してください。 表 8 シリアルオーディオデータ入力端子 シリアルオーディオデータ入力端子 Pin No. 端子名 8 SDI0 9 SDI1 10 SDI2 機能 オーディオデータ入力 0 オーディオデータ入力1 オーディオデータ入力 2 表 9 シリアルオーディオデータ出力端子 シリアルオーディオデータ出力端子 Pin No. 端子名 20 OUTLN1 18 OUTRN1 41 SDO 機能 オーディオデータ出力 0 オーディオデータ出力 1 オーディオデータ出力 2 シリアルオーディオ出力端子は、ファームウェアで PWM 出力、DIT 出力を切り替えます。表 1 端子説明参照。 Ver.2009-12-16 - 15 - NJU26060 シリーズ NJU26060 は以下に示す一般的なシリアルオーディオインタフェースでデジタルオーディオデータの入出力を行うことが出 2 来ます。リセット時のデフォルトでは、I S 64Fs 24bit に設定されています。設定はファームウェアによって変更することが 出来ます。NJU26060 は MCKO,BCKO,LRO からなるクロックに同期したマスターデバイスとして動作しており(第 2 章を 参照)、シリアルオーディオインタフェースに設定した SDO, OUTRN1 及び OUTLN1 端子は、これらのクロックに同期して 出力を行います。なお、サンプリングレートコンバータで選択されている SDI 端子は、クロック BCKI,LRI のクロックでデータ 入力が行われ、独立したフォーマットで動作することができます。 2 シリアルオーディオデータ入出力の形式は I S、左詰め、右詰めの3種類のフォーマット形式で 24bit, 16bit の2種類のビ ット数を選択できます。(図 8-1~図 8-6) オーディオデータ入力フォーマットと出力フォーマットは同じ形式になります。 Left Channel LRI, LRO Right Channel BCKI, BCKO MSB LSB MSB 23 22 21 20 19 18 17 16 15 14 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 SDI, SDO LSB 23 22 21 20 19 18 17 16 15 14 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 32 Clocks 32 Clocks 2 図 8-1 I S Data Format 64fs, 24bit Data Left Channel LRI, LRO Right Channel BCKI, BCKO MSB SDI, SDO LSB MSB 23 22 21 20 19 18 17 16 15 14 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 LSB 23 22 21 20 19 18 17 16 15 14 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 32 Clocks 23 32 Clocks 図 8-2 Left-Justified Data Format 64fs, 24bit Data Left Channel LRI, LRO Right Channel BCKI, BCKO MSB SDI, SDO 2 1 0 LSB 23 22 21 20 19 18 17 16 15 14 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 MSB LSB 23 22 21 20 19 18 17 16 15 14 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 32 Clocks 32 Clocks 図 8-3 Right-Justified Data Format 64fs, 24bit Data Left Channel LRI, LRO Right Channel BCKI, BCKO MSB SDI, SDO LSB MSB LSB 15 14 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 15 14 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 16 Clocks 16 Clocks 2 図 8-4 I S Data Format 32fs, 16bit Data Left Channel LRI, LRO Right Channel BCKI, BCKO MSB SDI, SDO LSB MSB LSB 15 14 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 15 14 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 16 Clocks 16 Clocks 図 8-5 Left-Justified Data Format 32fs, 16bit Data Left Channel LRI, LRO Right Channel BCKI, BCKO MSB SDI, SDO LSB MSB LSB 15 14 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 15 14 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 16 Clocks 16 Clocks 図 8-6 Right-Justified Data Format 32fs, 16bit Data - 16 - Ver.2009-12-16 NJU26060 シリーズ 4.3 シリアルオーディオタイミング 表 10 シリアルオーディオ入力 シリアルオーディオ入力タイミング 入力タイミング 項目 BCKI 周波数 BCKI 周期 Low パルス幅 High パルス幅 記号 *1 *1 ( VDD=VDDPWM=3.3V, Ta=25℃ ℃ ) 条件 Min. Typ. Max. 単位 fBCKI - - 13 MHz tSIL tSIH 35 35 - - ns BCKI → LRI 時間 *1 tSLI 15 - - ns LRI → BCKI 時間 *1 tLSI 15 - - ns データセットアップ時間 *2 tDS 15 - - ns データホールド時間 tDH 15 - - ns *2 *1 : サンプリングコンバータインターフェースの規定です。 *2 : サンプリングレートコンバータ選択中のSDI端子は、BCKIに対する規定です。 それ以外は、BCKOに対する規定で す。 LRI tSIH tSIL tSLI tDS tDH tLSI BCKI SDI 図 9 シリアルオーディオ入力 シリアルオーディオ入力タイミング 入力タイミング Ver.2009-12-16 - 17 - NJU26060 シリーズ 表11 シリアルオーディオ出力 シリアルオーディオ出力タイミング 出力タイミング 項目 記号 BCKO-LRO 時間差 データ出力遅延時間 ( VDD=VDDPWM=3.3V, Ta=25℃ ℃ ) tSLO *3 tDOD 条件 CL=25pF Min Typ. Max 単位 -15 - 15 ns - - 15 ns *3 シリアルオーディオ出力に設定されている SDO, OUTRN1, OUTLN1 端子に対する規定です。 LRO tSLO BCKO tDOD SDO *3 図 10 シリアルオーディオ出力 シリアルオーディオ出力タイミング 出力タイミング - 18 - Ver.2009-12-16 NJU26060 シリーズ 5. PWM モジュレータ NJU26060 は、PWM モジュレータをステレオ 2 系統(合計 4 チャンネル)搭載しています。8 倍のオーバーサンプリング デジタルフィルタと 5 次のΔΣモジュレータを搭載しており、変調効率は 88%と高効率です。90dB を越えるダイナミック レンジに加え、無音時のノイズを低減させる機能を持っています。この無音時ノイズ低減機能を使用したとき,100dB 前後 の S/N 比を実現することが可能です。 PWM スイッチング周波数は、内部処理のサンプリング周波数の 8 倍(内部 Fs=48kHz の場合は 384kHz、内部 Fs=44.1kHz の場合は 352.8kHz)に抑えており、変調効率の高さから、外部にパワードライバを接続しスピーカーを直接 駆動するのに最適です。 なお、リセット時 PWM モジュレータはスタンバイ状態で立ち上がるため、ファームウェアによって初期設定を行う必要が あります。 表 12 PWM モジュレータ関連端子 モジュレータ関連端子 Pin No. 端子名 属性 機能 23 VDDPWM PP PWM 出力端子用電源 +3.3V 22 VSSPWM GP PWM 出力端子用 GND 3 PWM_DISb I+ PWM スタンバイ要求入力端子 (‘0’でスタンバイ) 2 PWM_MUTEb I+ PWM ミュート要求入力端子(‘0’でミュート) 29 PWM_ERRb I+ PWM バックエンド異常時停止要求入力端子(‘0’で PWM 停止) 28 PWMEN0 O PWM0 有効信号出力端子(PWMEN0=’1’で有効な出力が出ていることを示す) 17 PWMEN1 O PWM1 有効信号出力端子(PWMEN1=’1’で有効な出力が出ていることを示す) 24 OUTLP0 O PWM0 ブロック L チャンネル非反転出力端子 25 OUTLN0 O PWM0 ブロック L チャンネル反転出力端子 26 OUTRP0 O PWM0 ブロック R チャンネル非反転出力端子 27 OUTRN0 O PWM0 ブロック R チャンネル反転出力端子 21 OUTLP1 O PWM1 ブロック L チャンネル非反転出力端子 20 OUTLN1 O PWM1 ブロック L チャンネル反転出力端子 19 OUTRP1 O PWM1 ブロック R チャンネル非反転出力端子 18 OUTRN1 O PWM1 ブロック R チャンネル反転出力端子 ※ I+: 入力プルアップ付端子、O: 出力端子、PP: PWM 端子電源、PG: PWM 端子 GND NJU26060 に搭載されている PWM モジュレータは、表 13 のような機能を持っており、各機能は、外部設定端子および ファームウェアによって切り替えることができます。 Ver.2009-12-16 - 19 - NJU26060 シリーズ 表 13 PWM モジュレータ主要機 モジュレータ主要機能 主要機能 機能(端子名) 設定 リセット時デフォルト 外部端子 ファームウェア 可能 可能 無効 PWM モジュレータスタンバイ(PWM_DISb) 可能 * 可能 スタンバイ ミュート機能(PWM_MUTEb) 可能 * 可能 ミュート バックエンド異常時停止要求入力(PWM_ERRb) 可能 * 可能 停止 BPZ 出力延長機能 不可能 可能 無効 OUTLN1 端子をシリアルオーディオ出力 0 へ切り替え ** 不可能 可能 OUTLN1 OUTRN1 端子をシリアルオーディオ出力1へ切り替え ** 不可能 可能 OUTRN1 無音時ノイズ低減機能 不可能 可能 有効 ショートパルス制限機能 不可能 可能 無効 PWM 有効信号出力識別信号(PWMEN0, PWMEN1) * ファームウェアから各ブロックごとに外部端子からの入力をマスクすることができます。 ** BPZ は、バイポーラゼロを意味します。Duty50%のクロック波形を指します。 *** PWM1 ブロックに『BPZ 出力延長機能』を設定すると自動的に切り替わります。 5.1 PWM 有効信号出力識別信号・ 有効信号出力識別信号・PWM モジュレータスタンバイ機能 モジュレータスタンバイ機能 PWMEN0/1 端子の出力は、PWM モジュレータから有効な出力が出ているかどうかを示しています。電源投入・リセット 時のデフォルトは、PWM モジュレータはスタンバイ状態になり、PWMEN0/1 端子は、GND レベルになります。PWM モ ジュレータを起動させるには、ファームウェアから設定する必要があります。起動させた PWM モジュレータは、 PWM_DISb 端子、および、ファームウェアの設定によって、PWM モジュレータをスタンバイ状態にすることができます。 PWM_DISb もしくは ファームウェア設定 PWMENx端子 音声出力 GNDレベル PWMクリア 定常音量 BPZ GNDレベル 「無音時ノイズ低減機能」 使用時のみ必要 720/Fs 1024/Fs 1024/Fs ≦65536/Fs 256/Fs 15ms @ Fs=48kHz 16.3ms @ Fs=44.1kHz 21.3ms @ Fs=48kHz 23.2ms @ Fs=44.1kHz 21.3ms @ Fs=48kHz 23.2ms @ Fs=44.1kHz 1365ms @ Fs=48kHz 1486ms @ Fs=44.1kHz 5.33ms @ Fs=48kHz 5.81ms @ Fs=44.1kHz 図 11 PWM モジュレータスタンバイ機能 モジュレータスタンバイ機能と 機能と PWMEN,PWM 出力の 出力の関係 Fs=48kHz は CLK=24.576MHz 時、Fs=44.1kHz は CLK=22.5792MHz 時 スタンバイからの解除時、PWM モジュレータは内部の起動処理を行い、PWMEN0/1 信号を High にした後、PWM 端子 から信号の出力を開始します。このとき、ミュートレベルから、最大音量まで 1,024/Fs かけてミュートを解除します。この ミュート解除はゼロクロスではありません。 スタンバイに移行するとき、PWM モジュレータは、1,024/Fs かけてミュート状態に移行します。このミュートはゼロクロス ではなく、単調に移行します。その後、『無音時ノイズ低減機能』を使用する場合は、ΔΣモジュレータの内部のクリアを 開始します。これは最高 65,536/Fs 間かかります。『無音時ノイズ低減機能』を使用しない場合は、この時間はセロです。 その後、一定期間完全な BPZ 信号を出力し、PWMEN0/1 信号を Low に落とし、同時に PWM 出力端子への信号出力を 停止します。このときの PWM 出力端子の信号レベルは GND レベルです。 - 20 - Ver.2009-12-16 NJU26060 シリーズ 5.2 ミュート機能 ミュート機能 PWM_MUTEb 端子を Low にする、および、ファームウェアの設定によって、PWM モジュレータに対してミュートをかけ ることができます。L/R それぞれのチャンネル独立で、ゼロ点をクロスしたときにミュート・アンミュートします。ミュートお よびアンミュートのステップは 0.25dB/Fs です。 なお、非常に低い周波数信号を入れた場合など、ゼロクロスの回数が少なく、2,048/Fs 以内にミュート・アンミュートがす べて完了しなかった場合は、1/Fs ごとにミュート・アンミュートします。 本ミュート機能は、L/R 独立、かつ、タイムアウト付のゼロクロスとなっているために、ミュート移行時のクリック音は少なく なりますが、ミュート時間が不確定となります。お客様のシステム上不具合のある場合は、ファームウェアにて所望のミュ ート特性を実現してください。 5.3 バックエンド異常時停止要求入力機能 バックエンド異常時停止要求入力機能 バックエンドの IC に異常が起きた際に、PWM_ERRb 端子を Low にする、もしくは、ファームウェアの設定によって、 PWM モジュレータを高速に停止させることができます。ただし、ポップノイズは避けられません。要求の受付・解除には、 CLK 端子の供給クロック 8 クロックを必要とします。解除時の挙動は、PWM_STBYb を Low から High にトグルさせた 場合と同じです。 PWM_ERRb もしくは ファームウェア設定 PWMENx端子 音声出力 定常音量 GNDレベル CLK 8クロック以内 326ns @ CLK=24.576MHz 354ns @ CLK=22.5792MHz 図 12 PWM リセット要求入力 リセット要求入力と 要求入力と PWMEN,PWM 出力の 出力の関係 Ver.2009-12-16 - 21 - NJU26060 シリーズ 5.4 BPZ 出力延長機能 (BPZ = バイポーラゼロ) バイポーラゼロ デフォルトでは PWMEN0/1 端子が GND レベルのとき、PWM 出力端子は GND レベルになります。これは、直接 Class-D パワードライバを接続して、BTL で駆動する場合に起動時のポップノイズを低減することを考慮しています。 しかしながら、事前に BPZ 信号が必要な場合のために、ファームウェアから BPZ 出力延長機能を有効にすることにより、 PWMEN0/1 端子の立ち上がりより前に BPZ 出力を開始し、立ち下がりから一定期間 BPZ 出力できます。この機能を有 効にした場合の PWM_DISb、PWMEN、音声出力の関係を図 14 に示します。PWM 出力のトグルが停止すること自体 が都合が悪い場合は PWM モジュレータを常時イネーブルにしてご使用ください。 PWM_DISb もしくは ファームウェア設定 PWMENx端子 音声出力 GNDレベル BPZ 720/Fs 15ms @ Fs=48kHz 16.3ms @ Fs=44.1kHz PWMクリア 定常音量 1024/Fs もしくはゼロクロス 21.3ms @ Fs=48kHz 23.2ms @ Fs=44.1kHz BPZ BPZ 256/Fs 384/Fs GNDレベル 「無音時ノイズ低減機能」 使用時のみ必要 1024/Fs ≦65536/Fs 21.3ms @ Fs=48kHz 23.2ms @ Fs=44.1kHz 1365ms @ Fs=48kHz 1486ms @ Fs=44.1kHz 5.33ms @ Fs=48kHz 8.0ms @ Fs=48kHz 5.81ms @ Fs=44.1kHz 8.71ms @ Fs=44.1kHz 図 13 BPZ 出力延長機能使用時の 出力延長機能使用時のスタンバイ機能 スタンバイ機能と 機能と PWMEN,PWM 出力の 出力の関係 Fs=48kHz は CLK=24.576MHz 時、Fs=44.1kHz は CLK=22.5792MHz 時 5.5 PWM 出力端子の 出力端子のシリアルオーディオ出力 シリアルオーディオ出力への 出力への切 への切り替え機能 BPZ 出力延長機能を PWM1 ブロックに対して指示した場合、PWM1 ブロックの出力端子のうち、OUTLN1 端子をシリア ルオーディオ出力 0(PWM0 ブロックへ送られている音声信号と同じ)に、OUTRN1 端子をシリアルオーディオ出力 1(PWM1 ブロックへ送られている音声信号と同じ)に自動的に切り替わります。起動時デフォルトは PWM 出力端子にな っています。 5.6 無音時ノイズ 無音時ノイズ低減機能 ノイズ低減機能 NJU26060 の PWM モジュレータは ON になっており、PWM モジュレータは無音時にのみΔΣモジュレータ内部のアイ ドルノイズを低減させる機能を持っています。 この機能は、デフォルトでは ON になっており、PWM モジュレータブロックへの音声入力が、完全に『ゼロ』になったとき、 65,536/Fs以内にPWMモジュレータ内部のクリアを行い、アイドルノイズを低減します。有効な音声入力が与えられた場 合には、内部の郡遅延以内で解除動作を行い、機能解除が次の音声出力に影響することはありません。 注意点として、PWM 出力への音声入力は、完全に『ゼロ』である必要があります。PWM モジュレータ側に搭載されてい るミュート機能でミュートをかけた場合は問題ありませんが、ファームウェア側でミュートをかけたときにファームウェアか ら PWM モジュレータに受け渡される信号が完全にゼロにならない場合は、この機能が働きません。 - 22 - Ver.2009-12-16 NJU26060 シリーズ 5.7 ショートパルス制限機能 ショートパルス制限機能 NJU26060 の PWM 出力は最短で約 20nsec 幅の’Low’レベルのパルスを出すことがあります。Class-D アンプとして使 用する場合に、接続するパワードライバによっては、’Low’レベルの最小パルス幅を制限している場合があります。ドライ バ選択の幅を広げるために、NJU26060 では 4 段階のパルス幅制限をかけることができます。必要に応じてファームウ ェアから設定してください。 表 14 に設定できる項目を示します。なお、この数値は PWM モジュレータ内部での制限値であり、PWM 出力端子にお ける立ち上がり・立ち下がり時間は含まれていません。 設定レベル 0 (デフォルト) 1 2 3 最小”L”レベル幅制限値 CLK 端子周波数(内部処理 Fs) 22.5792MHz 24.576MHz (Fs=44.1kHz) (Fs=48kHz) 0 ns(リミットなし) 0ns (リミットなし) 22.1ns 20.3ns 44.3ns 40.7ns 66.4ns 61.0ns 表 14 ショートパルス制限機能 ショートパルス制限機能 設定値 Ver.2009-12-16 - 23 - NJU26060 シリーズ 5.8 PWM モジュレータ諸特性 モジュレータ諸特性 表15 PWMモジュレータ モジュレータ部諸特性 モジュレータ部諸特性 (記載無 記載無きは ℃) 記載無きは, きは CLK=24.576MHz(Fso=48kHz),LRI=48kHz,BCKI=3.072MHz, VDD=VDDPWM=3.3V,Ta=25℃ 項目 THD+N (1kHz, 0dBFS) S/N 比 (1kHz, 無音時ノイズ低減機能 On, A-Weight) ダイナミックレンジ(1kHz, -60dBFS, A-Weight) チャネルセパレーション(1kHz BPF) Min 90 85 90 Typ -85 100 90 100 単位 dB dB dB dB Max -75 - これらの特性は、図 14 に示す構成で、2 次のローパスフィルタ(カットオフ周波数 50kHz)を通した後に、測定器の AES17 フ ィルタにて帯域幅を 20kHz までに制限し測定しています。 これらの特性は、サンプリングレートコンバータを 1:1 の変換比(48kHz→48kHz)で動作させ、DSP 部分ではサンプリングレ ートコンバータの出力を PWM モジュレータに処理せずスルーで受け渡す処理のみを行わせた状態で測定しています。 PWM 波形には電源及び内部動作に伴うノイズが重畳されます。差動入力にて使用する場合は、コモンモードノイズとしてこ のノイズは除去できますが、シングルエンドで使用した場合には、これを除去することができないため特性が劣化します。 サンプリングレートコンバータ動作時は、非同期回路が動作するため、入力サンプリング周波数によっては、特性が劣化す る可能性があります。 Audio Precision SYS-2722 BCKI LRI SDI0 OUTLP0 fc=50kHz 2nd order Active LPF OUTLN0 fc=50kHz 2nd order Active LPF NJU26060 DSP:Through SRC:On(Fso=48kHz) OUTRP0 fc=50kHz 2nd order Active LPF Analyzer S/N Ratio (A-weight) 20kHz LPF (AES17) fc=50kHz 2nd order Active LPF OUTRN0 I2S Audio Signal (Fsi=48kHz) Dynamic Range (A-weight) THD+N Channel Separation (1kHz BPF) Signal Generator 図 14 PWM モジュレータ測定回路 モジュレータ測定回路 (OUTLP1/LN1/RP1/RN1 も同様) 同様 - 24 - Ver.2009-12-16 NJU26060 シリーズ 6. デジタルインターフェーストランスミッタ(DIT) デジタルインターフェーストランスミッタ NJU26060 は、デジタルインターフェーストランスミッタを搭載しており、AES3, IEC60958, S/PDIF および EIAJ CP1201 民生規格に準拠したバイフェーズ形式でオーディオ出力を行うことができます。DSP 内部で処理しているサンプリング周 波数(CLK 周波数の 1/512)に対応したバイフェーズ出力を行うことができます。デジタルインターフェーストランスミッタか らのバイフェーズ出力は SDO 端子(41pin)から出力することができます。ただし、デフォルトではシリアルオーディオ出力 端子となっているため、使用する場合はファームウェアによって端子機能を切り替える必要があります。 また、GPIO[1]端子(39pin)を汎用入出力端子として使用しない場合は、この端子からの入力を 41pin にパススルーす るようにファームウェアより切り替えることができます。ただし、GPIO[1]端子は通常のヒステリシス・プルダウン付入出力 端子ですので、レベルを合わせて入力してください。 NJU26060のデジタルインターフェーストランスミッタのチャネルステータス項目を表16に示します。同軸出力としたい場 合は、外付けバッファを使用しての接続を推奨します。 表 16 チャネルステータス チャネルステータス項目 ネルステータス項目 チャネルステータス項目 CS0 CS1 CS2 CS3 CS4 CS5 CS6~7 CS8 CS9 CS10 CS11 CS12 CS13 CS14 CS15 CS16 ~19 CS20 ~23 CS24 CS25 CS26 CS27 CS28 CS29 Ver.2009-12-16 民生/プロフェッショナル データタイプ 著作権 プリエンファシス チャネル数 モード 0: 民生モード 0: オーディオデータ, 1: ディジタルデータ 0: 保護有り, 1: 保護無し [CS3,CS4]=00: 無し [CS3,CS4]=10: 有り 0: 2 チャネル 00: モード 0 固定/可 変 固定 可変 可変 可変 固定 固定 固定 規格書を参照ください カテゴリコード デフォルト値 [CS8:CS15]=0010000 日本における画像付き又は無しの ディジタルオーディオ放送受信への適用 可変 リセット時 デフォルト 0 0 0 0 0 0 00 0 0 1 0 0 0 0 0 ソース番号 0000: 指定なし 固定 0000 チャネル番号 0000: 指定なし 固定 0000 サンプリング周波数 [CS24:CS27]=0000 44.1kHz [CS24:CS27]=0100 48kHz [CS24:CS27]=1100 32kHz 可変 クロック精度 [CS28,CS29]=00 標準モード [CS28,CS29]=10 高精度モード 可変 0 1 0 0 0 0 - 25 - NJU26060 シリーズ 7. ホストインターフェース 2 NJU26060 シリーズの制御インターフェースは、I C バスインターフェースです。 ホストインターフェース端子機能は表 17 のとおりです。 データ転送は 8 ビット(1 バイト)単位です。ホストコントローラからクロック(SCL)に同期してデータが転送されます。 表 17 ホストインターフェース端子機能 ホストインターフェース端子機能 2 Pin No. 5 SCL 4 SDA 端子名 I C バスインターフェース 選択時 2 I C シリアルクロック 2 I C シリアルデータ入出力 (オープンドレイン入出力) 注意: 注意: SDA 端子は、オープンドレイン出力となり、適切なプルアップ抵抗を接続する必要があります。 7.1 I2C バスインターフェース バスインターフェース 2 I C バスインターフェースは、データを SDA 端子に、クロックを SCL 端子に転送します。SDA 端子はオープンドレイ ン構造で、外部にプルアップ抵抗が必要です。 2 I C バススレーブアドレスは、搭載するファームウェアによって設定されます。リセット解除後、ファームウェアの初期 2 化が終了すると、設定した I C バススレーブアドレスで通信が可能です。ファームウェアの初期化時間はファームウェ 2 アによって異なります。初期化完了までの間は、NJU26060 はリセット時デフォルトの I C バススレーブアドレスで待 機していますが、NJU26060 から正常な返答は得られませんので注意してください。 2 注意: 注意: NJU26060 シリーズは、I C バス “Standard-Mode (100kbps)” および “Fast-Mode (400kbps)” をサポートし ています。 - 26 - Ver.2009-12-16 NJU26060 シリーズ 2 表 18 I C バススレーブアドレス設定 バススレーブアドレス設定 固定値 bit2 bit5 bit4 bit3 リセット時デフォルト: 0b0011100 搭載するファームウェアによって自由に設定可能 bit7 R/W bit0 bit1 bit6 R/W データ形式 Start bit R/W bit Slave Address (7bit ) ( VDD=VDDPWM=3.3V, fOSC=24.576MHz, Ta=25°°C ) 2 表 19 I C バスインターフェースタイミング 項目 記号 SCL クロック周波数 開始条件ホールド時間 SCL ”Low” レベルパルス幅 SCL “High” レベルパルス幅 開始条件セットアップ時間 データホールド時間 データセットアップ時間 立ち上がり時間 立ち下がり時間 停止条件セットアップ時間 バス解放時間 ACK fSCL tHD:STA tLOW tHIGH tSU:STA tHD:DAT tSU:DAT tR tF tSU:STO tBUF *1 *2 Min Max 単位 0 0.6 1.3 0.6 0.6 0 250 0.6 1.3 400 0.9 1,000 300 - kHz µs µs µs µs µs ns ns ns µs µs SDA t BUF tR t HD:STA tF SCL t HD:STA t LOW P t HD:DAT t HIGH t SU:STA t SU:DAT Sr S t SU:STO P 2 図 15 I C バスタイミング バスタイミング 注意 : *1 tHD:DAT:SCL の立ち下がりエッジでの不確定な状態を回避するために、少なくとも 100nsec 程度の ホールド時間を確保するようにしてください。 *2 本項目はインターフェースとしての仕様を示すものです。 連続するコマンドの間隔は、個別データシートを参照してください。 Ver.2009-12-16 - 27 - NJU26060 シリーズ 8. 汎用入出力端子 NJU26060 シリーズは汎用入出力端子を備えています。GPIO0 端子はテスト機能と共用しているため、起動時の端子状 態に制限があります。表 20 に汎用入出力端子の詳細を記します。 表 20 汎用入出力端子 汎用入出力端子と と端子処理 Pin 端子名 機能 No. GPIO0 リセット解除時は Low 状態を取るようにしてください。ファームウェア起動後はプログラム 40 (プルダウン付 I/O) 設定によりプルダウン付き汎用入出力端子として使用可能。 GPIO1 プログラム設定によりプルダウン付汎用入出力端子、もしくは、デジタルインターフェース 39 (プルダウン付 I/O) トランスミッタ使用時に SDO 端子へのパススルー信号入力端子としても使用可能。 GPIO2 38 プログラム設定によりプルアップ付汎用入出力端子として使用可能 (プルアップ付 I/O) GPIO3 37 プログラム設定によりプルアップ付汎用入出力端子として使用可能 (プルアップ付 I/O) - 28 - Ver.2009-12-16 NJU26060 シリーズ 9. . パッケージ寸法 パッケージ寸法 (1) ) SSOP44、 、鉛フリー + 0.3 11.0 - 0.1 0 ∼ 10 ゜ 44 1 0 .5 ± 0.2 7.6 ±0.3 5.6 ±0.2 23 22 0.5 1.1 5 ± 0.1 0.75 MAX + 0.10 0. 15 - 0.05 +0.10 0.1-0.0 5 BASE OF MOLDING 0.1 0. 2 ± 0.1 0.1 M MOLD MATERIAL : EPOXY RESIN 単位:mm <注意事項> このデータブックの掲載内容の正確さには 万全を期しておりますが、掲載内容について 何らかの法的な保証を行うものではありませ ん。とくに応用回路については、製品の代表 的な応用例を説明するためのものです。また、 工業所有権その他の権利の実施権の許諾を伴 うものではなく、第三者の権利を侵害しない ことを保証するものでもありません。 Ver.2009-12-16 - 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