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Application Note
Light Emitting Diode
LED の熱抵抗測定について
目次
1.
2.
3.
4.
5.
6.
概要
特徴
測定
実装基板
算出
まとめ
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1. 概要
LED の熱抵抗は、順電圧(以下: VF )が環境温度(以下: TA )に比例することを利用し、LED ジャンクション温
度(以下: TJ )を VF から見積もり、投入電力に対する割合から算出します。本書では、JEDEC(Joint Electron
Device Engineering Council: 半 導 体 技 術 協 会 ) の 熱 特 性 解 析 法 と し て 認 定 さ れ て い る 、 自 然 対 流 環 境
(JESD51-2 規格)を導入した再現性のよい熱抵抗の測定方法について記載します。
2. 特徴
熱抵抗の測定精度は、周囲温度、実装方法、基板構造が直接影響します。弊社ではこれらの影響を無くすた
め、温度制御方式、電圧測定方式、実装基板をそれぞれ表 1 に示す方法とし、測定精度を向上させています。
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表 1. 測定に関する特徴と精度への効果
項目
方法
精度への効果
温度制御方式
JESD51-2 準拠 BOX
(温度上昇測定時)
(無風:自然対流)
電圧測定方式
4 線式
接触抵抗の影響を排除
1個
温度安定性向上
搭載数量
実装基板
設計仕様
基板外形,パターンの
設計を標準化
温度安定性向上
基板構造による差を排除
3. 測定
熱抵抗算出に必要な温度係数測定と、温度上昇測定について記載します。
(1)温度係数測定
恒温槽内に LED を設置し、 TA を変化させたときの VF を測定します。
● TA は 25℃から 20℃間隔で設定。
●測定電流(以下: I M )は自己発熱の影響がなく、 VF 測定再現性のある電流値として、ダイス 1 個に対して
1mA を印加し,並列数に応じて積算。
(2 直列×3 並列で合計 6 個のダイスが搭載された LED では、 I M =1mA×3=3mA となります。)
※ TA は定格電流印加時の TJ 以上になるまで温度を変化させます。
※ TA と TJ を均一にするため、設定温度に到達後十分に安定してから VF を測定します。
温度係数測定から得られた、 TA と VF の関係の一例を図 1 に示します。
なお、熱抵抗算出の際に用いる温度係数は図 1 の直線の傾きに相当します。
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Forword Voltage(V)
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Ambient Temperature(℃)
図 1. TA と VF の関係
(2)温度上昇測定
自然対流環境(図 2)の中に LED を設置し、定格電流を印加して TJ を上昇させて、印加前後の VF 差を
測定します。
① I M を印加して電圧(以下: VF 1 )を測定。
②加熱電流(以下: I F )を印加して LED を発熱( I M + I F =定格電流値)。
③ I M を停止する前の電圧(以下: V P )と停止直後の電圧(以下: VF 2 )を測定して I M を停止。
①~③の測定タイミング図を図 3 に示します。
※ I F の印加時間は 10μ秒から 10 倍ずつ変化させて繰り返します。
※ RθJS を算出する場合(4 章参照)は、 TS 測定ポイントに熱電対をはんだ付けして、 TS を測温します。
【側面図】
【正面図】
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LED 設置位置(BOX 重心)
TA
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測温位置
【正面写真】
・前面にもふたをして密閉状態で測定します。
・基板の形状により設置方法が異なります(左:FR-4 基板,右:アルミ基板)。
図 2. JESD51-2 規格準拠自然対流環境
Voltage
VP
VF 1
VF 2
Time
Heating Time
(10μsec,100μsec,…)
I M ON
I F ON
I M OFF
I F OFF
図 3. 電流印加と測定電圧のタイミング図
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4. 実装基板
1 個の LED を 1 枚の基板に実装して測定します。基板の材質は、投入電力の大きい LED を測定する場合は
アルミ 1 層基板(図 4)、小さい LED の場合はガラスエポキシ 4 層基板(FR-4,図 5)に実装します。
(※ TJ ≒ 85℃)
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TS 測定ポイント
【銅箔パターン】
【写真】
【外形・レジスト】
・基板厚み:1.5mm/絶縁層厚み:120μm/銅箔厚み:105μm
図 4. アルミ基板(例:NVSW119B)
B
D
○部拡大図
TS 測定ポイント
【1 層】
【3 層】
【2 層】
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【写真】
【4 層】
・基板厚み:1.6mm/銅箔厚さ:70μm(1,4 層),35μm(2,3 層)
・スルーホール径:85μm/スルーホールランド径:125μm
・4 層目は 1~3 層目と逆方向からの視点です。
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・スルーホールを介してアノード(B 部=2 層目)、カソード(D 部=3 層目)へ接続します。
図 5. ガラスエポキシ基板(例:NS2W757A)
※ TS 測定ポイント用パターンは製品外形から製品より外側に 1mm とします。
※推奨取り付けパターン、 TS 測定ポイントは製品毎に異なりますので製品仕様書にてご確認ください。
5. 算出
下記に示す式から熱抵抗 RθJA , RθJS を算出します。

K (℃/ V ) 
T A 2  T A1
V F (T A1 )  V F (T A 2 )
※ K は温度係数
※ T A1 , T A 2 及び VF (TA1 ),VF (TA 2 ) はそれぞれ温度係数測定時の T A とそのときの V F (T A ) を用います。
※ VF (TA2 )  VF 2  VF (TA1 ) , TA1  TA 2

ΔTJ (℃)  (VF 1  VF 2 )  K

P (W )  ( I M  I F )  VP

RθJA (℃/W ) 

T J (℃) ΔT J  T A
ΔTJ
P
※ このときの TA は試験開始前の TA を用います。

RθJS (℃/W ) 
TJ  TS
P
※ RθJA : TJ - TA 間熱抵抗、 RθJS : TJ - TS ポイント間熱抵抗。
※ RθJA , RθJS は LED 点灯後、熱平衡状態に達したときの温度上昇測定結果から算出します。
熱平衡状態よりも短い印加時間において、 RθJA と同様の計算式を用いて印加時間毎に過渡熱抵抗を算出し
ます。過渡熱抵抗曲線の一例を図 6 に示します。
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Thermal Resistance(℃/W)
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Heating Time(sec.)
図 6. 過渡熱抵抗曲線
6. まとめ
お気づきの点が御座いましたら、弊社までご連絡頂けます様お願い申し上げます。
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