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STR-V100 シリーズ アプリケーションノート
Rev. 1.2
STR-V100 シリーズ
アプリケーションノート
(Rev. 1.2)
サンケン電気株式会社
サンケン電気株式会社
SANKEN ELECTRIC CO., LTD.
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STR-V100 シリーズ アプリケーションノート
Rev. 1.2
目次
1.
概要 ----------------------------------------------------------------------------------------- 3
2.
特長と
3
特長とシリーズラインアップ-------------------------------------------------------------シリーズラインアップ
3.
ブロック図
ブロック図と各端子機能 ----------------------------------------------------------------- 4
4.
外形図 -------------------------------------------------------------------------------------- 5
5.
電気的特性 -------------------------------------------------------------------------------- 6
6.
応用回路例 -------------------------------------------------------------------------------- 8
7.
動作説明 ----------------------------------------------------------------------------------- 9
7.2
7.3
7.4
起動動作 ------------------------------------------------------------------------------ 9
定電圧制御回路動作 ---------------------------------------------------------------------- 11
オートスタンバイ機能
オートスタンバイ
機能 ----------------------------------------------------------------------- 12
オートバイアス機能
オートバイアス
機能 ------------------------------------------------------------------------- 12
7.5
7.6
7.7
7.8
ラッチ回路
ラッチ回路 -------------------------------------------------------------------------------------- 12
過電圧保護機能 (OVP)------------------------------------------------------------------ 13
過電流保護機能(
過電流保護機能
(OCP)
) ------------------------------------------------------------------ 13
過負荷保護機能 (OLP) ------------------------------------------------------------------ 14
7.9
過熱保護回路 (TSD)---------------------------------------------------------------------- 14
7.1
8.
設計上の
設計上の注意点 -------------------------------------------------------------------------15
注 意
本書に記載されている内容は、改良などにより予告なく変更することがあります。
ご使用の際には、最新の情報であることをご確認ください。
本書に記載されている動作例および回路例は、使用上の参考として示したもので、これらに起因する当社、もしくは第
三者の工業所有権、知的所有権、その他の権利の侵害問題について当社は一切責任を負いません。
本書に記載されている製品をご使用の場合は、これらの製品と目的物との組合せについて使用者の責任において検
討・判断を行ってください。
当社は品質、信頼性の向上に努めていますが、半導体製品では、ある確率での欠陥、故障の発生は避けられません。
部品の故障により結果として、人身事故、火災事故、社会的な損害などを発生させないよう、使用者の責任において、
装置やシステム上で十分な安全設計および確認を行ってください。
本書に記載されている製品は、一般電子機器(家電製品、事務機器、通信端末機器、計測機器など)に使用されるこ
とを意図しております。
高い信頼性が要求される装置(輸送機器とその制御装置、交通信号制御装置、防災・防犯装置、各種安全装置など)
への使用をご検討の際には、必ず当社販売窓口へご相談をお願いします。
極めて高い信頼性が要求される装置(航空宇宙機器、原子力制御、生命維持のための医療機器など)には、当社の
文書による合意がない限り使用しないでください。
本書に記載された製品は耐放射線設計をしておりません。
本書に記載された内容を文書による当社の承諾なしに転記複製を禁じます。
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Rev. 1.2
1. 概要
STR-V100 シリーズは、パワーMOSFET と電流モード型 PRC*制御 IC を1パッケージに内蔵した、PRC*
型スイッチング電源用パワーIC です。
* PRC(Pulse Ratio Control)・・・OFF 時間固定、ON 時間制御の制御方式(弊社呼称)
制御部は、起動回路とスタンバイ機能を内蔵しており、低消費電力、低スタンバイ電力対応が実現できます。
低背、高圧―低圧間沿面距離 4mm 以上(基板上リード端子部)の SIP8L フルモードパッケージ(弊社呼称 STA
パッケージ)を使用し、充実した保護機能により構成部品の少ない、コストパフォーマンスの高い電源システム
が容易に構成できます。
2. 特長とシリーズラインアップ
特長と
特長と利点
• SIP8L パッケージ(弊社呼称 STA8L、2.54 ピッチ、ストレートリード)
高圧-低圧ピン間沿面距離 4mm 以上(基板上リード端子部)
基板上からの高さ 12mm 以下
白物補助電源用途に最適
• 電流モード型 PRC 制御
• オートスタンバイ機能内蔵 (無負荷時入力電力 PIN < 40mW、低消費電力対応)
通常動作時 ---------------------------------- PRC モード
スタンバイ時(軽負荷時)------------------ スタンバイモード(バースト発振動作)
• 起動回路内蔵 (待機時の消費電力低減と、外付け部品削減が可能)
• オートバイアス機能内蔵 (バースト発振動作時の動作安定化)
• リーディング・エッジ・ブランキング機能内蔵
• 2 チップ構造による、アバランシェ・エネルギー耐量保証 (サージ吸収回路の簡素化が可能)
• 保護機能
-過電流保護(OCP) ---------------------------------パルス・バイ・パルス
-過負荷保護(OLP) ---------------------------------過負荷時の発熱軽減、自動復帰
-過電圧保護(OVP)---------------------------------ラッチオフ *
-過熱保護(TSD) ------------------------------------ラッチオフ *
*ラッチオフ・・・ラッチオフは、発振停止を継続して保護を行う動作
シリーズラインアップ
製品名
固定 OFF 時間
S T R -V 1 5 2
S T R -V 1 5 3
8µs
※2
11.5µs
MOSFET
VDSS(MIN)
650V
RDS(ON)
(MAX)
2.8Ω
2.0Ω
POUT ※1
AC220 /
Universal
22W / 17W
30W / 23W
※1 上記出力電力は熱定格であり、最大出力電力は、熱定格の 120%~140%程度まで出力可能です。
ただし、出力電圧が低い場合やトランス設計時の ON Duty の設定により出力電力の制限を受けること
があります。
※2 STR-V153 は、オートバイアス機能はありません。
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3. ブロック図
ブロック図と各端子機能
ブロック図
ブロック図
代表例 STR-V152 のブロック図
4
VCC
Startup
8
OVP
UVLO
+
-
Internal
Bias
Latch
+
-
Delay
TSD
D
1
Power
MOS FET
OFF Timer
Drive
PRC Latch
-
S Q
R
OLP
Bias
+
-
-
+
+
Burst
L.E.B
+
-
Discharge
FB
-
OCP
S/OCP
3
+
-
+
Buffer
FB/OLP
5
GND
6
各端子機能
端子番号
記号
機能
1
D
MOSFET ドレイン
2
―
(抜きピン)
3
S/OCP
MOSFET ソース/過電流検出信号入力
4
VCC
制御回路電源入力
5
GND
グランド
6
FB/OLP
定電圧制御信号入力/過負荷保護信号入力
7
―
(抜きピン)
8
Startup
起動電流入力
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4. 外形図
• SIP8L パッケージ(弊社呼称 STA8L、2.54 ピッチ、ストレートリード)
• 2、7 番端子は、高圧が印加される 1 番端子(D)、8 番端子(Startup)と沿面距離、空間距離をあけるため、
抜きピン。
• 高圧と低圧間沿面距離 4mm 以上(基板上リード端子部)。
• 基板上からの高さ 12mm 以下
9 ±0.2
1.2±0.1
(根元寸法)
7.2 ±0.5
2.3 ±0.2
4±0.2
1.15 +-00..21
0.55 +-00..21
0.55 -+00..12
7xP2.54±0.1=(17.78)
(根元寸法)
C1.5 ±0.5
0.7
20.15 ±0.3
0.7
0.7
平 面状 態図
1
2
3
4
5
6
7
0.7
側 面状 態図
8
端子の材質:Cu
a:品名標示
端子の処理:Ni メッキ+半田ディップ
b:ロット番号
製品質量:約 2.3g
第 1 文字
第2文字
西暦年号下一桁
月
1~9 月:アラビア数字
10 月:O
11 月:N
12 月:D
注記 ―‐‐―部は高さ 0.3 max の
ゲートバリ発生箇所を示す
第 3,4 文字
単位 : mm
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製造日
01~31 アラビア数字
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5. 電気的特性
• STR-V100 シリーズの電気的特性を、STR-V152 を代表例として示します。
• 詳細内容は、製品毎の仕様書を参照願います。
絶対最大定格
5.1
特記なき場合の条件
項目
Ta=25°C
端子
記号
規格値
単位
備考
流
※1
1−3
IDpeak
4.0
A
シングルパルス
最大スイッチング電流
※1
1−3
IDMAX
4.0
A
V3-5=1.33V
Ta=-20~+125℃
アバランシェエネルギ耐量
※1
1−3
EAS
90
mJ
シングルパルス
VDD=99V,L=20mH,
IL=2.8A
S / O C P 端 子 電 圧
3−5
VS/OCP
−0.5~6
V
制 御 部 電 源 電 圧
4−5
Vcc
35
V
FB
/OLP 端子電圧
6−5
VFB/OLP
−0.5~10
V
起
動 端 子 電 圧
8−5
VSTARTUP
600
V
1−3
PD1
10.6
W
無限大放熱器にて
1.6
W
放熱器なし
ド
レ
イ
ン
電
MOSFET 部許容損失
制 御 部 許 容 損 失 (MIC)
※1
※1
4−5
PD2
0.15
W
VCC×ICC にて規定
動作時内部フレーム温度
−
TF
−20 ~ +125
℃
推奨内部フレーム温
度 TF= 115℃(Max)
動
−
TOP
−20 ~ +125
℃
度
−
Tstg
−40 ~ +125
℃
度
−
Tch
+150
℃
作 周 囲 温 度
保
チ
※1
存
ャ
ネ
温
ル
温
製品によって異なりますので、詳細は製品仕様書を参照。
MOSFET 部電気的特性
5.2
項目
端子
ドレイン ・ソース間電圧
※1
ド レ イ ン 漏 れ 電 流
O
抵
N
抗
※1
スイッチング・タイム
熱
抵
特記なき場合の条件
抗
※2
Ta=25°C
規格値
記号
単位
MIN
TYP
MAX
1−3
VDSS
650
−
−
V
1−3
IDSS
−
−
300
µA
1−3
RDS(ON)
−
−
2.8
Ω
1−3
tf
−
−
250
ns
−
θch-F
−
−
4.05
℃/W
※2 チャネル―内部フレーム間
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制御部電気的特性
5.3
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特記なき場合の条件 Ta=25°C, VCC=20V
項目
端子
動作開始電源電圧
規格値
記号
単位
MIN
TYP
MAX
4−5
VCC (ON)
16.0
17.5
19.2
V
4−5
VCC (OFF)
9
10
11
V
動 作 時 回 路 電 流
4−5
ICC(ON)
−
−
4
mA
非動作時回路電流
4−5
ICC(OFF)
−
−
50
µA
動作停止電源電圧
※3
オートバイアスしきい電圧
※5
4−5
VCC(BIAS)
9.6
10.6
11.6
V
VBIAS-VCC
(OFF)
※5
−
−
0.2
−
−
V
最 大
時 間
※1
1−5
tOFF(MAX)
7.3
8.0
8.7
µs
O C P し き い 電 圧
※1
3−5
VOCP
1.07
1.2
1.33
V
1−5
tBW
168
280
392
ns
6−5
VBURST
0.67
0.76
0.85
V
O L P し き い 電 圧
6−5
VOLP
6.5
7.2
7.9
V
流 出 電 流
6−5
IOLP
−18.2
−26
−34.1
µA
最大 FB 流出電流
6−5
IFB(MAX)
−220
−300
−390
µA
起
流
8−5
ISTARTUP
−340
−790
−1230
µA
起動回路漏れ電流
8−5
ISTART(leak)
−
−
−30
µA
OVP 動作電源電圧
4−5
VCC(OVP)
28.7
31.2
34.1
V
O F F
リーディングエッジブランキング時間
バーストしきい電圧
O L P
動
電
※1
ラッチ回路保持電流
※4
4−5
ICC(H)
−
−
200
µA
ラッチ回路解除電圧
※3,4
4−5
V CC(La.OFF)
6.6
7.3
8.0
V
熱 保 護 動 作 温 度
※1
−
Tj(TSD)
135
−
−
℃
※3 個々の製品については、VCC(OFF) > VCC(La.OFF)の関係が成り立つ。
※4 ラッチ回路とは、OVP、TSD により動作する回路を示す。
※5 オートバイアス機能がある製品は、STR-V152 になります。
※電流の規定は IC を基準として、シンクが+、ソースが-とします。
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6. 応用回路例
• 放熱効果を上げるため、D 端子(1 番ピン)のパターンは極力広くします。
• VDS サージ電圧が大きくなる電源仕様の場合は、P 巻線間に CRD クランプスナバ回路や、ドレイン・ソース
間に C、または RC ダンパースナバ回路を追加します。
CRD クランプスナバ
VAC
L2
C5
R3
C1
D6
P
R7
D2
S
D1 R2
1
Z1
8
C2
Startup
D
C10
D
C7
PC1
V OUT
R9
R8
C8 R11
Z2
C9
R10
STR-V100
S/OCP
3
V CC
4
GND
GND FB/OLP
5
T1
6
ROCP
ダンパー
スナバ
D3
C4
PC1
C3
C6
図6
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応用回路例
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7. 動作説明
特記なき場合の特性数値は、STR-V152 仕様に準じます。
7.1 起動動作
図 7-1 に VCC 端子周辺回路を示します。
起動回路は IC に内蔵され、IC 内部で Startup 端子(8 番ピン)に接
VAC
続されています。
IC 内部で定電流化された起動電流 ISTARTUP= −790µA(TYP)は、
VCC 端子に接続された電解コンデンサ C2 を充電し、VCC 端子電圧が
動作開始電源電圧 VCC(ON)= 17.5V(TYP)まで上昇すると、IC は動作
1
8
を開始します。電源起動後、起動回路は自動的に IC 内部で遮断す
D Start
up
るため、起動回路による電力消費はなくなります。
起動時間は、C2 のコンデンサ容量で決まり、起動時間の概算値は、
VCC
4
次式(1)になります。
GND
t START
VCC(ON)-VCC(INT)
= C2 ×
I STARTUP
---------(1)
C1
P
D1
R2
D
C2
5
STR-V100
図 7-1
ここで、tSTART は起動時間 (sec)、
VCC (INT)は VCC 端子の初期電圧 (V)
VCC 端子周辺回路
一般的な電源仕様では、電解コンデンサ C5 は、10~47µF 程度になります。
図 7-2 に VCC 端子電圧と回路電流 ICC の関係を示します。VCC 端子電圧が VCC (ON) = 17.5V(TYP)に達する
と、制御回路が動作を開始し、回路電流が増加します。制御回路動作後、VCC 端子電圧が動作停止電源電圧
VCC(OFF)= 10V(TYP)に低下すると、低入力時動作禁止 UVLO(Undervoltage Lockout)回路により制御回路は
動作を停止し、再び起動前の状態に戻ります。制御回路動作後は、図 7-1 の補助巻線 D から整流平滑された
電圧(補助巻線電圧 VD)が VCC 端子の供給電力になります。
なお、補助巻線電圧は、電源仕様の入出力変動範囲内で、VCC 端子電圧が、
VCC ( BIAS ) = 11.6V ( MAX ) < VCC < VCC ( OVP ) = 28.7V ( MIN )
になるように補助巻線 D の巻数を調整します。補助巻線電圧の目安は、15~20V 程度になります。
ICC
VCC
電源IC動作開始
設定電圧
4mA
(TYP)
動作開始電源電圧
停止
起動
17.5V(TYP)
10V(TYP)
動作停止電源電圧
起動不良時
10V
(TYP)
図 7-2
17.5V
VCC
時間
(TYP)
VIN(AC)→ON
VCC 端子電圧-回路電流 ICC
図 7-3
起動時 VCC 端子電圧
図 7-3 に起動時の VCC 端子電圧波形例を示します。補助巻線 D は、制御回路動作開始後すぐには設定電
圧(トランスの巻数比で決定される補助巻線電圧)まで上昇しないため、VCC 端子電圧は降下し始めますが、
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VCC(OFF)= 10V(TYP)と低く設定しているため、VCC(OFF)まで下がる間に補助巻線 D の電圧が設定電圧に達し、
制御回路は動作を継続します。
実際の電源回路は、図 7-4 のように 2 次側出力電流 IOUT の値により VCC 端子電圧が変化し、過電圧保護動
作(OVP)になる場合があります。これは、パワーMOSFET がターン OFF した瞬間に発生するサージ電圧によっ
て、C2 がピーク充電されるためです。
これを防止するには、図 7-5 のように、整流用ダイオード D1 と直列に数 Ω~数十 Ω の抵抗 R2 の追加が有
効です。R2 の最適値は、出力電圧に対する VCC 端子電圧の変化が使用するトランスの構造によって異なるた
め、 実際に使用するトランスに合わせた調整が必要です。また、出力電圧に対する VCC 端子電圧の変化率は、
下記の場合に悪くなるため、トランス設計時は、補助巻線 D の巻き位置に注意が必要です。
• トランスの 1 次-2 次の結合が悪い場合(低出力電圧、大電流負荷仕様など)
• 補助巻線 D と安定化出力巻線(定電圧制御を行っている出力ラインの巻線)の結合が悪い場合
R2 がない場合
VCC
D1
R2
4
V CC
D
C2
STR-V100
R2 がある場合
追加
GND
5
IOUT
図 7-4
R2 による出力電流 IOUT-VCC 端子電圧
図 7-5 出力電流 IOUT の影響が
受けにくい VCC 端子周辺回路
トランス設計時の参考として、補助巻線 D の巻き位置の参考例を、図 7-6、図 7-7 に示します。
• 補助巻線 D を 1 次巻線 P1 と P2 から距離を離す(図 7-6 巻線構造例①)。
P1、P2 は 1 次巻線を 2 分割にしたサンドイッチ巻線
• 2 次側安定化出力巻線 S1 で補助巻線 D をサンドイッチする構造とする(図 7-7 巻線構造例②)。
2 出力巻線 S1、S2 中、S1 は安定化出力巻線(定電圧制御を行っている出力ラインの巻線)。
コア ボビン
コア ボビン
バリアテープ
バリアテープ
P1 S1 P2 S2 D
P1 S1 D S2 S1 P2
バリアテープ
バリアテープ
ピン側
ピン側
P1,P2 1 次巻線
S1
2 次制御巻線
S2
2 次出力巻線
D
VCC 用補助巻線
図 7-6
P1,P2 1 次巻線
S1
2 次制御巻線
S2
2 次出力巻線
D
VCC 用補助巻線
巻線構造例①
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図 7-7
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巻線構造例②
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7.2 定電圧制御回路動作
図 7-8 に FB/OLP 端子周辺回路、図 7-9 に PRC 制御動作について示します。
出力電圧は、OFF 時間固定、ON 時間制御の PRC(Pulse Ration Control)制御方式による、過渡応答および
安定性に優れた電流モード制御(ピーク電流モード制御)により、定電圧制御されます。
PRC 制御方式を、図 7-9 に示します。
通常の PWM 制御と異なり、発振回路はなく、制御 IC 内の OFF
STR-V100
タイマー回路が、内部固定の OFF 時間を決め、パワーMOSFET の
S/OCP GND FB/OLP
ON 開始のタイミングが作られます。
3
5
6
PC1
パワーMOSFET がターン ON する場合は、内部固定の OFF 時
D3
R OCP
間後、OFF 信号出力が“H”になり、PRC ラッチの Q が“L”にラッチ
IFB
C4
C3
され、ゲート制御回路へターン ON 信号が出力され、ゲートドライブ
VROCP
条件が満足されると、パワーMOSFET はターン ON します。
パワーMOSFET がターン OFF する場合は、OCP コンパレーター、
図 7-8
FB/OLP 端子周辺回路
または FB コンパレーターにより、PRC ラッチ回路がリセットされると、
Q が“H”にラッチされ、ターン OFF 信号がゲート制御回路へ出力され、パワーMOSFET はターン OFF します。
出力電圧は、負荷に応じた目標電圧 VFB1 と、ドレイン電流波形より作られた VOCPM を、FB コンパレーター
で比較する電流モード制御で、定電圧制御されます。
VFB1 電圧は、2 次側出力電圧を検出するエラーアンプのフィードバック信号を、フォトカプラ PC1 を介して、
FB/OLP 端子からフィードバック電流として引き抜かれて作られ、また VOCPM 電圧は、ドレイン電流を検出する
ROCP によって作られます。
一般的に電流モード制御では、パワーMOSFET がターン ON したときに発生する急峻なサージ電流に、
FB コンパレーターや OCP 回路が応答し、パワーMOSFET が OFF する場合があります。この現象を防ぐため、
リーディング・エッジ・ブランキング機能を内蔵し、ターン ON 時のドレイン電流サージに応答しないように、
パワーMOSFET が ON した瞬間から tBW= 280ns(TYP)(STR-V153 は、320ns(TYP))のブランキング期間を設
けています。
PRCラッチ
タイマーリセット
S
OFF信号出力
Q
ゲート制御
OFFタイマー回路
R
ON/OFF
Burstコンパレーター
VFB2
-
+
FBコンパレーター
Vburst
目標電圧
VFB1
VOCPM
Buffer
+
-
OCPコンパレーター
VROCP
V OCP
S/OCP端子電圧
(抵抗R OCPの両端電圧)
-
+
ドレイン電流 ID
図 7-9
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PRC 制御動作
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7.3 オートスタンバイ
オートスタンバイ機能
スタンバイ機能
オートスタンバイ機能は、図 7-10 のように、軽負荷時にドレイン電流 ID が減少し、S/OCP 端子(1 番ピン)電圧
が、最大ドレイン電流(過電流状態)時の電圧の約 25% 以下( FB/OLP 端子のバーストしきい値 V BURST =
0.76V(TYP)に相当、STR-V153 は、0.75V(TYP))になると、自動的にスタンバイモードに切換り、バースト発振
動作を行います。
バースト発振動作は、スイッチングが停止する期間があるため、スイッチング損失を低減し、軽負荷時の効率
を改善します。
一般的に、バースト発振周波数は、軽負荷時の効率を、より改善するために、数 kHz 以下になります。この際、
バースト発振周波数が人間の可聴領域(20Hz~20kHz)に入ると、トランスから音鳴りが生じる場合があります。
STR-V100 シリーズは、バースト発振動作時のドレイン電流ピークを十分に低く抑え、トランスからの音鳴りを
抑えます。
バースト発振動作
出力電流IO
最大ドレイン電流
の約25%に制限
ドレイン電流 ID
通常負荷
スタンバイ負荷
図 7-10
通常負荷
オートスタンバイタイミング動作
7.4 オートバイアス
オートバイアス機能
イアス機能
バースト発振動作時、VCC 端子電圧が動作停止電源電圧 VCC(OFF)= 10V まで低下し、UVLO による間欠発
振が生じると、安定した出力電力が供給できなくなります。このため、オートバイアス機能を内蔵しています。
この機能は、バースト発振動作期間中に有効になり、VCC 端子電圧がオートバイアスしきい電圧 VCC(BIAS)=
10.6V(TYP)まで低下すると、強制的に PRC 動作を行い、VCC 端子電圧が、これ以下に下がらないように動作し
ます。スタンバイ条件時、オートバイアス機能が頻繁に動作する場合は、消費電力が増加するため、補助巻線
電圧を上げる検討が必要です。電源起動時は、“7.1 起動動作”項を考慮した設計が必要です。
なお、オートバイアス機能がある製品は、STR-V152 になります。
7.5 ラッチ回路
ラッチ回路
過電圧保護(OVP)回路、過熱保護(TSD)回路の各動作時に、ラッチモードでスイッチング動作を停止させ
ます(ラッチオフ)。
ラッチ回路が動作しスイッチング動作が停止すると、VCC 端子電圧が下降し始め、VCC 端子電圧が動作停止
電源電圧 VCC(OFF)= 10V(TYP)以下になると、起動回路が動作し、VCC 端子電圧は上昇を始めます。
その後、動作開始電源電圧 VCC(ON)= 17.5V(TYP)に達すると、回路電流が増加するため、VCC 端子電圧は
低下し、図 7-11 のように、ラッチ回路動作時の VCC 端子電圧波形は、10V(TYP)と 17.5V(TYP)間を上下する
動作になり、VCC 端子電圧の異常な上昇を防止します。
ラッチ回路の解除は、AC 入力をオフし、VCC 端子電圧が VCC(La.OFF)= 7.3V(TYP)以下に下がると解除
します。
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Rev. 1.2
Vcc
17.5V
(TYP)
10V
(TYP)
回路電流小
回路電流大
図 7-11
時間
ラッチ時の VCC 端子電圧波形
7.6 過電圧保護機能 (OVP)
VCC 端子と GND 端子間に、OVP しきい電圧 VCC(OVP)= 31.2V(TYP)以上の電圧が印加されると、過電圧保
護機能が動作し、ラッチモードでスイッチング動作が停止します。
VCC 端子電圧がトランスの補助巻線から供給される場合は、VCC 端子電圧が出力電圧に比例するため、
出力電圧検出回路オープン時などの 2 次側過電圧を検出できます。
この場合、過電圧保護動作時の 2 次側出力電圧の概算値は、次式(2)になります。
VOUT(OVP) =
通常動作時出力電圧VOUT
× 31.2V ( TYP )
通常動作時VCC端子電圧
--------(2)
7.7 過電流保護機能(
)
過電流保護機能(OCP)
2 次側の出力過負荷特性は図 7-12 のようになります。
過負荷状態で出力電圧が低下すると、補助巻線電圧も、
それに比例して低下します。VCC 端子電圧が動作停止電圧
VCC(OFF) 以下になるとスイッチング動作が停止、および起動
回路が動作し、VCC 端子電圧は上昇を始め、動作開始電源
電圧 VCC(ON)= 17.5V(TYP)に達すると、制御回路が再び動
作する、UVLO による間欠動作になります。
なお、多出力巻線のトランスなどは結合が悪くなるため、
過負荷状態で出力電圧が低下しても、補助巻線電圧は低
下せず、間欠動作にならない場合があります。
このように場合は、過負荷保護機能(OLP)を搭載している
ので、この保護が動作します。
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出力電圧 V OUT (V)
過電流保護回路(OCP)は、パワーMOSFET のドレイン電流ピーク値を、パルス・バイ・パルス方式により検出し、
電力制限します。
パワーMOSFET のドレイン電流は、S/OCP 端子と GND 端子間の電流検出抵抗 ROCP で検出され、ROCP の
電圧降下が OCP しきい値電圧 VOCP に達したときに、パワーMOSFET はターン OFF します
AC入力高
AC入力低
出力電流 IOUT (A)
図 7-12
出力過負荷特性
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7.8 過負荷保護機能 (OLP)
過負荷保護状態(過電流動作によりドレイン電流のピーク値が制限されている状態)が、ある一定時間(遅延
時間)続くと、スイッチング動作を停止し、パワーMOSFET および 2 次側整流ダイオードなどの部品ストレスを軽
減します。
FB/OLP 端子周辺回路を図 7-13 に示します。
STR-V100
過負荷状態になると、出力電圧が低下するため、2 次側のエラー
S/OCP GND FB/OLP
アンプがカットオフし、フィードバック電流 IFB が流れなくなります。
3
5
6
PC1
フィードバック電流がなくなると、FB/OCP 端子から OLP 流出電流
D3
R OCP
IOLP= -26µA(TYP)が流れ、図 7-13 の C3 を充電し、FB/OLP 端子
IFB
C4
C3
電圧が、OLP しきい電圧 VOLP= 7.2V(TYP)を超えると、過負荷保護
VROCP
回路が動作して、スイッチング動作は停止します。OLP 動作後は、
OCP 動作と同様に、UVLO による間欠動作になります。
図 7-13
FB/OLP 端子周辺回路
なお、過負荷の要因が取り除かれると、過負荷保護動作から通常の
動作に自動復帰します。
OLP が動作するまでの遅延時間の概算値は、次式(3)になります。
tDLY = C 3 ×
( VOLP - VZ -VF )
IOLP
-------- (3)
ここで、tDLY は遅延時間 (s)、VZ は D3 ツェナーダイオード値 (V)、VF は D3 の順方向電圧 (V)
OLP 動作にかかる遅延時間 tDLY は、定電圧制御開始時間(IC が起動しスイッチング動作を開始してから、
出力電圧が定電圧制御するまでの時間)より、長くなるように設定する必要があります。tDLY が、定電圧制御開
始時間より短い設定では、過負荷保護機能が先に動作し、電源が起動できなくなる場合があります。
D3 は、定常動作時に C3 の充電を防止するために接続します(D3 がない場合は、フォトカプラと並列に、
容量値が大きい C3 が接続されるため、負荷応答が悪くなります)。D3 のツェナー電圧 VZ は、定常動作時に
ブレークしない電圧を選びます、通常、4.7V~5.6V が目安になります。
C3 は、電源起動時に OLP 動作しないような容量を選びます。通常、4.7µF~22µF 程度が目安になります。
D3、VZ ともに、最終的に実働動作を確認して決定します。
7.9 過熱保護回路 (TSD)
IC の制御回路部の温度が、Tj(TSD)= 135℃(MIN)以上に達すると、ラッチモードでスイッチング動作を停止し
ます。
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8. 設計上の
設計上の注意点
8.1 外付け
外付け部品
各部品は使用条件に適合したものを使用します。
• 入力、出力の平滑用電解コンデンサは、リップル電流・電圧・温度上昇に対し、適宜、余裕を設けます。
また、スイッチング電源用の High-Ripple タイプ、低インピーダンスタイプの部品を使用します。
• トランス類は銅損・鉄損による温度上昇に対し、適宜、余裕を設けます。
スイッチング電流には高周波成分が含まれるので、表皮効果の影響が無視できない場合は、巻線の線径
を、動作電流の実効値を考慮して、電流密度は 3~4A/mm2 前後を目安に選定します。
また、表皮効果の影響が大きく、さらに温度対策が必要な場合は、巻線表面積を増加させるため、巻線の
本数を増やす、またはリッツ線などを使用します。
• 電流検出用抵抗 ROCP は、高周波スイッチング電流が流れるので、内部インダクタンスの大きなものを使用す
ると、誤動作の原因になります。内部インダクタンスが小さく、かつ、サージ耐量の大きなものを使用します。
8.2 Startup 端子部が
端子部が負電位になる
負電位になる場合
になる場合の
場合の対策
Startup 端子が−0.3V以下になる場合は、図 8-1 のように、抵抗、またはダイオードを追加し、負電圧の防止が
必要です。電源起動状態などで、Startup 端子に負電圧が印加されると、起動できない場合があります。
抵抗の場合は 33kΩ、ダイオードの場合は下記仕様を満足するものを選びます。
追加部品
抵抗、またはダイオード
VAC
追加部品の推奨値/推奨仕様
• 抵抗の場合
33kΩ
C1
P
8
1
Start D
up
VCC
4
D1
C2
GND
• ダイオード
尖頭逆電圧
順電流
逆回復時間
逆電流
R2
D
5
図 8-1 Startup 端子の負電位対策
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VRM
IF
trr
IR
> 35V
> 1.5mA
< 27µs
< 100µA
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8.3 位相補正
一般的なシャントレギュレーターを使用した 2 次側エラーアンプ周辺部の回路構成を図 8-2 に示します。
位相補正用コンデンサ C8 の容量は 0.047µF~0.47µF 程度が目安になり、最終的に実働動作を確認して決定
します。
図 8-3 に示す FB/OLP 端子と GND 端子間のコンデンサ C4 は、高周波ノイズ除去、および位相補正用です。
C4 は FB/OLP 端子と GND 端子近くに接続し、C4 の容量は、2200pF~0.01µF 程度が目安になり、最終的には
実働動作を確認して決定します。
L2
T1
D6
VOUT
D1 R2
1
R7
PC1
C7
R8
S
C8
R9
C2
Startup
D
D
STR-V100
C9
R11
8
S/OCP
3
V CC
T1
GND FB/OLP
4
5
6
ROCP
Z2
R10
D3
C4
PC1
C3
GND
図 8-2
2 次側シャントレギュレーター回りの周辺回路
図 8-3
FB/OLP 端子周辺回路
8.4 2 次側ダイオード
次側ダイオードの
ダイオードのノイズ対策方法
ノイズ対策方法の
対策方法の注意点
2 次側ダイオードのノイズ低減を行なう場合、図 8-4 のように 2 次側ダイオードと並列にセラミックコンデンサ
Cdi を挿入する場合があります。このときドレイン電流波形を観測し、ドレイン電流に異常なリンギング振動があ
る場合は、図 8-5 のようにダンパー抵抗 Rdi を直列に挿入してドレイン電流の振動を改善し、電源動作を安定さ
せることを推奨します。
なお、ノイズ対策用に挿入した Rdi、Cdi の部品温度上昇は十分な検討、評価が必要です。
Rdi Cdi
Cdi
ID
P
S
D3
C7
ID
ドレイン電流
D1 R2
C2
D
P
S
D3
C7
ドレイン電流
D1 R2
C2
T1
図 8-4 ダイオードノイズ対策例
D
T1
図 8-5 ダンパー抵抗挿入例
8.5 パターン設計
パターン設計
パターン配線および実装条件によって、誤動作・ノイズ・損失などに大きな影響が現れるので、配線の引回
し、部品配置には十分な注意が必要です。
一般的に、図 8-6 のように高周波電流がループを作る部分は、ラインパターンを“太く”、部品間の配線を“短
く”、ループ内面積が極力小さくなるようにし、ラインインピーダンスを下げたパターン設計を行います。
また、アースラインは輻射ノイズにも大きな影響があるので、極力“太く”、“短く”配線します。
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スイッチング電源は、高周波、高電圧の電流経路が存在
するので、安全規格面を考慮した部品配置、パターン距離
が必要です。なお、パワーMOSFET の ON 抵抗 RDS(ON)は、
正の温度係数のため、熱設計に注意します。
IC 周辺回路の接続例を、図 8-7 に示します。
(1) S/OCP 端子周り (S/OCP 端子~ROCP~C1~T1(P 巻
線)~D 端子)
このパターンは、スイッチング電流が流れる主回路
図 8-6 高周波電流ループ
パターンのため、極力、太く、短く配線します。
(斜線部分)
IC と入力電解コンデンサ C1 との距離が離れている場合は、高周波
電流ループのインピーダンスを下げるため、トランスまたは IC の近くに電解コンデンサまたはフィルムコン
デンサ (0.1µF 程度 / 印加電圧に適した耐圧品)を追加します。
(2) GND 端子回り (GND 端子~C2(-側)~T1(D巻線)~R2~D1~C2(+側)~VCC 端子)
このパターンは、極力、太く、短く配線します。
IC と電解コンデンサ C5 との距離が離れている場合は、VCC 端子と GND 端子の近くにフィルムコンデンサ
(0.1µF~1.0µF 程度 / 50V)を追加します。
(3) 電流検出用抵抗 ROCP 回り
ROCP は、S/OCP 端子の近くに配置します。
共通インピーダンスやスイッチング電流が制御回路へ影響を与えることを避けるため、主回路系と制御系
グランドは ROCP 近傍で接続、ROCP から専用パターンで GND 端子へ接続します(図 8-7 の A 点)。
2 次側整流パターン接続例を、図 8-7 に示します。
(1) 2 側整流平滑回路 (T1(S 巻線)~D6~C7)
このパターンは、極力、太く、短く配線します。整流パターンが細く、長い場合、パターンに寄生するリーケ
ージインダクタンス成分が増加し、パワーMOSFET のターン OFF 時のサージ電圧が増加します。2 次側整流
パターンを考慮したパターン設計は、パワーMOSFET の耐圧マージンを広くとれる、およびクランプスナバ
回路へのストレスや損失の軽減が可能です。
T1
C5
R3
C1
P
D6
S
C7
D2
1
D1
8
Startup
D
C10
R2
C2
STR-V100
S/OCP
3
ROCP
V CC
4
C11
D
主回路系パターン
GND FB/OLP
5
制御系 GND パターン
6
D3
C4
PC1
C3
図 8-7
A
C6
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IC 周辺回路の接続例