正誤表 この製品のデータシートに間違いがありましたので、お詫びして訂正いたします。 この正誤表は、2010 年 6 月 17 日現在、アナログ・デバイセズ株式会社で確認した誤りを 記したものです。 なお、英語のデータシート改版時に、これらの誤りが訂正される場合があります。 正誤表作成年月日: 2010 年 6 月 17 日 製品名:AD823 対象となるデータシートのリビジョン(Rev):Rev.C 訂正箇所: P.16 英文データシートの Figure 42. “3 V Single-Supply Stereo Headphone Driver Sleep Mode Operation”の回路図において、下側の AD823 の 5 番ピンと+3V の間に 95.3kΩが 2 個接続されてお りますが、これは誤記で、上側の AD823 のバイアス回路同様、この 95.3kΩは 1 個使用されること が正しいことになります。 本 社/〒105-6891 東京都港区海岸 1-16-1 ニューピア竹 芝サウスタワービル 電話 03(5402)8200 大阪営業所/〒532-0003 大阪府大阪市淀川区宮原 3-5-36 新大 阪 MT ビル 2 号 電話 06(6350)6868 デュアル、16 MHzレールtoレール FET入力オペアンプ AD823 特長 機能ブロック図 8ピン・プラスチック・ミニDIP 単電源動作 および レールtoレール出力(電源電位いっぱいまで出力) 8リードSOIC 入力電圧範囲がグラウンド以下まで拡張 +3 V∼+36 Vの単電源 優れた負荷駆動能力 500 pF、G=+1の容量性負荷を駆動 出力電流15 mA 非常に優れたAC性能(電源電流は2.6 mA/アンプ) −3 dB帯域幅:16 MHz、G=+1 セトリング時間(0.01%) :350 ns(2 Vステップ) スルー・レート:22 V/μS AD823は−40℃∼+85℃の産業用温度範囲で仕様が規定され、 8ピ 優れたDC性能 ン・プラスチックDIPおよびSOICのパッケージで提供されていま 入力オフセット電圧:800μV Max す。 オフセット電圧ドリフト:2μV/℃ 入力バイアス電流:25 pA Max 低歪み 最悪高調波−108 dBc@20 kHz 低ノイズ 16 nV/√Hz@10 kHz 電源電圧に対する入力の位相反転なし アプリケーション バッテリ動作の高精度計装機器 フォトダイオード・プリアンプ アクティブ・フィルタ 12∼16ビットのデータ収集システム 図1.出力スイング、VS=+3 V、G=+1 医療用計装 概要 AD823はデュアル高精度、16 MHz、JFET入力オペアンプで、+3 V ∼+36 Vの単電源、または±1.5 V∼±18 Vのデュアル電源から動作 できます。これは、単電源で入力電源範囲をグラウンド以下まで拡 張できる真の単電源能力をもっています。 出力電圧振幅はIOUT≦100 μAの場合電源電圧50 mV以内まで拡がり、抜群の出力ダイナミッ ク・レンジを提供します。 800μV maxのオフセット電圧、2μV/℃のオフセット電圧ドリフ ト、25 pA以下の入力バイアス電流、および低入力電圧ノイズによっ て、I GΩまでの信号源インピーダンスのDC精度を保ちます。1つの アンプにつき2.6 mAの低い電源電流で、16 MHzの−3 dB帯域幅、− 108 dBのTHD(20 kHz)、および22 V/μsスルーレートを備えていま す。AD823は、最大500 pFまでの容量性負荷をフォロアとして直接 駆動し、電源電圧から0.5 V、15 mAの出力電流を供給します。これ 図2.小信号帯域幅、G=+1 により、広範な負荷の処理が可能です。 このACおよびDC性能の組み合わせと抜群の負荷駆動能力によ り、A/Dドライバ、高速アクティブ・フィルタ、およびその他の低電 圧高ダイナミック・レンジ・システムなどの応用に幅広く使用でき ます。 REV.0 アナログ・デバイセズ株式会社 アナログ・デバイセズ社が提供する情報は正確で信頼できるものを期していますが、 当社はその情報の利用、また利用したことにより引き起こされる第3者の特許または権 利の侵害に関して一切の責任を負いません。さらにアナログ・デバイセズ社の特許また は特許の権利の使用を許諾するものでもありません。 本 社/東京都港区海岸1 - 1 6 - 1 電話03(5402)8200 〒105−6891 ニューピア竹芝サウスタワービル 大阪営業所/大阪市淀川区宮原3 - 5 - 3 6 電話06(6350)6868㈹ 〒532−0003 新大阪第2森ビル AD823―仕様 (特に指定のない限り、@TA=+25℃、VS=+5 V、+2.5 Vに対しRL=2 kΩ) AD823A パラメータ 条件 Min Typ Max 単位 −3 dB帯域幅、VO≦0.2 VP−P G=+1 12 16 MHz フルパワー応答 VO=2 VP−P 3.5 MHz 22 V/μs 0.1%へ 320 ns 0.1%へ 350 ns ダイナミック性能 スルーレート G=−1、VO=4 Vステップ セトリング時間 G=−1、VO=2 Vステップ 14 ノイズ/歪み性能 入力電圧ノイズ f=10 kHz 16 nV/√Hz 入力電流ノイズ f=1 kHz 1 fA/√Hz 高調波歪み RL=600Ω、2.5 Vへ、VO=2 VP−P、f=20 −108 dBc クロストーク f=1 kHz RL=5 kΩ −130 dB f=1 MHz RL=5 kΩ −93 dB DC性能 初期オフセット 0.2 0.8 mV 温度範囲の最大オフセット 0.3 2.0 mV オフセット・ドリフト 2 入力バイアス電流 VCM=0 V ∼ +4 V μV/℃ 3 25 pA TMAX時 0.5 5 nA 入力オフセット電流 2 20 TMAX時 0.5 オープン・ループ・ゲイン pA nA VO=0.2 V ∼ 4 V RL=2 kΩ 20 TMIN ∼ TMAX 45 V/mV 20 V/mV 入力特性 入力同相電圧範囲 −0.2 ∼ 3 −0.2 ∼ 3.8 V 13 入力抵抗 10 Ω 入力容量 1.8 pF 76 dB IL=±100μA 0.025 ∼ 4.975 V IL=±2 mA 0.08 ∼ 4.92 V IL=±10 mA 0.25 ∼ 4.75 V 同相除去比 VCM=0 V ∼ 3 V 60 出力特性 出力電圧振幅 出力電流 VOUT=0.5 V ∼ 4.5 V 16 mA 短絡回路電流 2.5 Vへのソース 40 mA 2.5 Vへのシンク 30 mA G=+1 500 pF 容量性負荷駆動 電源 動作範囲 +3 無負荷時電源電流 TMIN ∼ TMAX、合計 電源変動除去比 VS=+5 V ∼ +15 V、TMIN ∼ TMAX +36 5.2 70 80 5.6 V mA dB 仕様は予告なしに変更することがあります。 −2− REV.0 AD823 仕様(特に指定のない限り、@TA=+25℃、VS=+3.3 V、+1.65 Vに対しRL=2 kΩ) AD823A パラメータ 条件 Min Typ Max 単位 −3 dB帯域幅、VO≦0.2 VP−P G=+1 12 15 MHz フルパワー応答 VO=2 VP−P 3.2 MHz 20 V/μs 0.1%へ 250 ns 0.1%へ 300 ns ダイナミック性能 スルーレート G=−1、VO=2 Vステップ セトリング時間 G=−1、VO=2 Vステップ 13 ノイズ/歪み性能 入力電圧ノイズ f=10 kHz 16 nV/√Hz 入力電流ノイズ f=1 kHz 1 fA/√Hz 高調波歪み RL=100Ω、VO=2 VP−P、f=20 kHz −93 dBc クロストーク f=1 kHz RL=5 kΩ −130 dB f=1 MHz RL=5 kΩ −93 dB DC性能 初期オフセット 0.2 1.5 mV 温度範囲の最大オフセット 0.5 2.5 mV オフセット・ドリフト 2 入力バイアス電流 VCM=0 V ∼ +2 V μV/℃ 3 25 pA TMAX時 0.5 5 nA 入力オフセット電流 2 20 TMAX時 0.5 オープン・ループ・ゲイン pA nA VO=0.2 V ∼ 2 V RL=2Ω 15 TMIN ∼ TMAX 30 12 V/mV V/mV 入力特性 入力同相電圧レンジ −0.2 ∼ 1 −0.2 ∼ 1.8 V 13 入力抵抗 10 Ω 入力容量 1.8 pF 70 dB 同相除去比 VCM=0 V ∼ 1 V 54 出力特性 出力電圧スイング IL=±100μA 0.025 ∼ 3.275 V IL=±2 mA 0.08 ∼ 3.22 V IL=±10 mA 0.25 ∼ 3.05 V 出力電流 VOUT=0.5 V ∼ 2.5 V 15 mA 短絡回路電流 1.5 Vへのソース 40 mA 1.5 Vへのシンク 30 mA G=+1 500 pF 容量性負荷駆動 電源 動作範囲 +3 無負荷時電源電流 TMIN ∼ TMAX、合計 電源変動除去比 VS=+3.3 V ∼ +15 V、TMIN ∼ TMAX 5.0 仕様は予告なしに変更することがあります。 REV.0 +36 −3− 70 80 5.7 V mA dB AD823―仕様 (特に指定のない限り、@TA=+25℃、VS=+15 V、0 Vに対しRL=2 kΩ) AD823A パラメータ 条件 Min Typ Max 単位 −3 dB帯域幅、VO≦0.2 VP−P G=+1 12 16 MHz フルパワー応答 VO=2 VP−P 4 MHz 25 V/μs 0.1%へ 550 ns 0.01%へ 650 ns ダイナミック性能 スルーレート G=−1、VO=10 Vステップ セトリング時間 G=−1、VO=10 Vステップ 17 ノイズ/歪み性能 入力電圧ノイズ f=10 kHz 16 nV/√Hz 入力電流ノイズ f=1 kHz 1 fA/√Hz 高調波歪み RL=600Ω、VO=10 VP−P、f=20 kHz −90 dBc クロストーク f=1 kHz RL=5 kΩ −130 dB f=1 MHz RL=5 kΩ −93 dB DC性能 初期オフセット 0.7 3.5 mV 温度範囲の最大オフセット 1.0 7 mV オフセット・ドリフト 2 入力バイアス電流 TMAX時 VCM=0 V 5 VCM=−10 V 60 VCM=0 V 入力オフセット電流 TMAX時 オーブン・ループ・ゲイン μV/℃ 30 pA pA 0.5 5 nA 2 20 pA 0.5 nA VO=+10 V ∼ −10 V RL=2 kΩ 30 TMIN ∼ TMAX 60 V/mV 30 V/mV 入力特性 入力同相電圧レンジ −15.2 ∼ 13 −15.2 ∼ 13.8 V 入力抵抗 1013 Ω 入力容量 1.8 pF 82 dB 同相除去比 VCM=−15 V ∼ +13 V 66 出力特性 出力電圧スイング IL=±100μA −14.95 ∼ +14.95 V IL=±2 mA −14.92 ∼ +14.92 V IL=±10 mA −14.75 ∼ +14.75 V 出力電流 VOUT=−14.5 V ∼ +14.5 V 17 mA 短絡回路電流 0 Vへのソース 80 mA 0 Vへのシンク 60 mA G=+1 500 pF 容量性負荷駆動 電源 動作範囲 +3 無負荷時電源電流 TMIN ∼ TMAX、合計 電源変動除去比 VS=+5 V ∼ +15 V、TMIN ∼ TMAX +36 7.0 70 80 8.4 V mA dB 仕様は予告なしに変更することがあります。 −4− REV.0 AD823 絶対最大定格1 電源電圧 ……………………………………………………… +36 V 内部消費電力2 プラスチックパッケージ(N) …………………………… 1.3 W スモール・アウトライン・パッケージ(R). …………… 0.9 W 入力電圧(同相) ……………………………………………… 差動入力電圧 ……………………………………………… 出力短絡回路の経過時間 … ±VS ±1.2 V 電力ディレーティング曲線を参照 保管温度範囲N、R ……………………………… −65℃ ∼ +125℃ 動作温度範囲 …………………………………… −40℃ ∼ +85℃ リード温度範囲(はんだ付け10秒) ……………………… +300℃ 注 1 “絶対最大定格”を超えるストレスはデバイスに永久破壊をもたらすことがあります。こ の定格はデバイスの単なるストレスの度合いであり、基本的な動作あるいは動作の項に示 す他の条件においてこの定格は考慮されていません。デバイスをある項目についての絶 対最大定格の状態に長時間さらすとデバイスの信頼性に影響を与えます。 2 仕様は空冷のない状態: 8ピン・プラスチック・パッケージ:θJA=90℃/W 8ピンSOICパッケージ:θJA=160℃/W 図3.最大消費電力対温度 オーダー・ガイド モデル 温度範囲 パッケージ AD823AN −40℃ ∼ +85℃ 8ピン・プラスチックDIP N-8 AD823AR −40℃ ∼ +85℃ 8ピン・プラスチックSOIC SO-8 AD823AR-REEL −40℃ ∼ +85℃ リール装着SOIC SO-8 注意 ESD(静電放電)の影響を受けやすいデバイスです。4000 Vもの高圧の静電気が人体やテスト装置に容易に帯電し、検知さ れることなく放電されることもあります。このAD823には当社独自のESD保護回路を備えていますが、高エネルギーの静 電放電にさらされたデバイスには回復不能な損傷が残ることもあります。したがって、性能低下や機能喪失を避けるため に、適切なESD予防措置をとるようお奨めします。 REV.0 −5− パッケージオプション WARNING! ESD SENSITIVE DEVICE AD823―代表的特性 図4.入力オフセット電圧の代表的分布 図7.入力バイアス電流の代表的分布 図5.入力オフセット電圧ドリフトの代表的分布 図8.入力バイアス電流の温度特性 図6.入力バイアス電流対同相電圧 図9.入力バイアス電流対同相電圧 −6− REV.0 AD823 図10.オープン・ループ・ゲイン対負荷抵抗 図13.オープン・ループ・ゲインの温度特性 図11.オープン・ループ・ゲイン対出力電圧、VS=±2.5 V 図14.オープン・ループ・ゲインおよび位相の周波数特性 図12.全高調波歪みの周波数特性 図15.入力電圧ノイズの周波数特性 REV.0 −7− AD823―代表的特性 図16.クローズ・ループ・ゲインの周波数特性 図19.同相除去比の周波数特性 図17.出力抵抗の周波数特性、VS=5 V、ゲイン=+1 図20.出力飽和電圧対負荷電流 図18.インバータのセトリング時間対出力ステップ・サイズ 図21.無負荷時電源電流対電源電圧 −8− REV.0 AD823 図22.電源変動除去比の周波数特性 図25.容量性負荷対直列抵抗 図23.大信号周波数応答 図26.クロストークの周波数特性 図24.出力スイング、VS=+3 V、G=+1 図27.出力スイング、VS=+3 V、G=−1 REV.0 −9− AD823―代表的特性 図28.出力スイング、VS=+5 V、G=−1 図31.出力スイング、VS=±15 V、G=+1 図29.パルス応答、VS=+3 V、G=+1 図32.パルス応答、VS=+5 V、G=+1 図30.パルス応答、VS=+5 V、G=+2 図33.パルス応答、VS=+5 V、G=+1、CL=470 pF − 10 − REV.0 AD823 分母の最初の極はアンプの主極で、約18 Hzで発生します。これ は、 ミラー乗算値C1によって乗算された入力段の出力インピーダン 応用上の注意 入力特性 スR1に等しくなります。第2極は、出力段ユニティ・ゲイン帯域幅 AD823では、nチャネルJFETにより低オフセット、低ノイズ、高イ 23 MHzで発生します。このタイプのアーキテクチャでは、標準2段 ンピーダンス入力段を提供します。最小入力同相電圧は、−VSより アーキテクチャよりも多くのオープン・ループ・ゲインや出力駆動 0.2 V下から+VSより1 V小さい電圧範囲まで拡大します。入力電圧 を得ることができます。 を正の電源電圧に近づけると、アンプの帯域幅の損失が発生し、同 相電圧誤差が増大します。 出力インピーダンス AD823は、+VSまで入力電圧の位相反転はおこりません。図37a この設計に使用されているエミッタ接地出力段の低周波オープ は、0 V ∼ 5 V(+VS)方形波入力に対するAD823の電圧フォロワの ン・ループ出力インピーダンスは約30 kΩです。これは従来のエ 応答を示します。入力と出力を重ねています。出力極性は、+VSま ミッタ・フォロワ出力段よりかなり高いことから、フィードパック で入力極性をトラッキングします−位相反転はおこりません。 縮小 と接続したとき、オペアンプのオープン・ループ・ゲインによって 帯域幅が4 V入力より上になると、出力波形が丸められます。 +VSよ 出力インピーダンスが低減します。109 dBのオープン・ループ・ゲ り大きい入力電圧では、入力電圧ノイズが犠牲にして、レジスタを インにより、出力インピーダンスは0.2Ω以下に低減します。高周波 AD823の正の入力と直列に接続し位相反転を防いでいます。この例 では、オペアンプのオープン・ループ・ゲインが低下するので、出 を図37bに示します。 力インピーダンスが上昇します。しかし、この出力も、積分器コン デンサC1とC2のため容量性になります。 これは、出力インピーダン スが過度に高くなるのを防止します(図17参照)。過度に高くなる と、容量負荷を駆動したとき、安定性に問題が起きることがありま す。実際、AD823は高周波オペアンプとして優れた容量負荷駆動能 力を備えています。図33は、フォロワとして接続されると同時に 470 pF直接容量負荷を駆動するAD823を示します。これらの条件下 の位相余裕は約20°です。これより大きな位相余裕が望ましい場合 は、小型抵抗を出力と直列で使用して、オペアンプからの負荷容量 の影響をデカップリングすることができます(図25参照)。また、よ り高いゲインで実行させても、 オペアンプの容量負荷駆動能力は向 a.RP=0、VIN=0∼+VSでの応答 上します。 図36.小信号の構成 b.VIN=0∼+VS+200 mV、VOUT=0∼+VS、RP=49.9 kΩ 図37.AD823入力応答 − 12 − REV.0 AD823 入力段はnチャネルJFETを使用するので、 正常動作中の入力電流 図38は、12ビット3 MSPS単電源A/DコンバータのAD1672の入力 は負です。電流は入力端子から流れ出ます。入力電圧が+VS−0.4 V と、 リファレンス入力の両方を駆動するのに使用されるAD823の接 より高いプラスに駆動されると、 内部デバイス接合部は順方向バイ 続を示します。一方のアンプは、 AD1672のアナログ入力を駆動する アスになるので、入力電流の方向は反転します。この例を図6に示 よう、ユニティ・ゲイン・フォロワとして構成されます。AD1672は、 します。 0∼2.5 Vの範囲の入力電圧を受信するよう構成されます。 入力電圧が正電源より300 mV高くなる可能性がある場合、 または ±VS=0で入力電圧がAD823に印加される場合は、電流制限抵抗を AD823の入力と直列で使用する必要があります。AD823は、10秒以 上の間上記の条件に放置されると損傷を受けます。1 kΩ抵抗に よって、10 Vまでの連続過電圧に耐えることができ、入力電圧ノイ ズも増大しますが無視し得るレベルです。 −VSより低い入力電圧の場合は全く話が違います。 正電源から入 力端子への総電圧が36 Vより低い限り、負電源電圧より20 V低い入 力電圧に安全に耐えることができます。また、入力段は通常上述の 入力電圧範囲でpA単位の入力電流を維持します。 AD823は、16 nV/√Hzの広帯域の入力電圧ノイズで、 低周波に対し て低ノイズ性能を維持します。 (図15参照)。この低ノイズ性能は、 AD823の低い入力電流と電流ノイズとともに、10 kΩより大きい ソース抵抗や1 kHz以上の帯域幅をもつ応用に対しての無視し得る ノイズ・レベルに、AD823が寄与することを意味します。 出力特性 AD823のパイポーラのレールtoレール出力段は、外部抵抗負荷な しで25 mV電源の範囲内で振幅します。AD823の適正な出力飽和抵 図38. 12ビット3 MSPS A/DコンバータAD1672の入力と 抗は25Ω(ソースおよびシンク)です。より大きい電流負荷を駆動 リファレンスを駆動するAD823 するときの出力飽和電圧の評価に使用できます。たとえば、5 mA駆 動するとき、電源電圧への飽和電圧はおよそ125 mVです。 AD823の出力が出力飽和電圧に比べ無理に駆動されると、 出力は 250 ns以内にAD823のリニア動作領域に回復します。 他方のアンプは2のゲインとで構成され、 1.25 Vリファレンスから リファレンス入力を駆動します。AD1672自体も内部リファレンス を備えていますが、内部リファレンスが提供するより高い精度を要 A/Dドライバ 求するシステムもあります。 他方、AD1672内部リファレンスが使用 AD823のレールtoレール出力により、AD823は単電源システムで された場合は、最小負荷のリファレンス・ソースで他の回路を駆動 はA/Dコンバータのドライバとして活用できます。AD823はデュア するようリファレンス電圧をバッファするのに、 2番目のAD823アン ル・オペアンプであるので、ADCのアナログ入力とそのリファレン プを使用します。 ス入力を両方とも駆動するのに使用できます。AD823の高インピー この回路は、AD823の入力時の高調波成分を最小にするような高 ダンスFET入力は、高出力インピーダンス・デバイスへの負荷を最 度に低減フィルタされた500 kHz正弦波入力でテストされました。 小にするのに非常に適しています。 AD1672のディジタル出力は、FFTを実施して解析されました。 テスト中は、500 kHzで、2次高調波歪みが大幅に劣化せずAD823 の出力が約350 mV以下にはならないことが観察されました (グラウ ンドで負電源により動作して)。また別のテストは、2次高調波歪み に重大な影響を与えることなく出力を200 mVまでも低く下げられる グラウンドへの200Ωプルダウン抵抗を用いて実施されました。し かし、抵抗を追加すると3次高調波項にわずかな増大がありました が、それでもなお2次高調波歪みより低いものでした。 REV.0 − 13 − AD823 図39は、プルダウン抵抗のないAD823によりAD1672を駆動した結 果のFFTプロットです。入力振幅は2.15 VP−Pで、低電圧エクスカー ションは350 mVでした。入力周波数は490 kHzで、高調波の位置を 拡げるために選択された値です。 歪み解析は、 優れた周波数性能を必要とするシステムにとって重 要です。AD823のノイズおよびセトリング時間性能は、これらのシ ステムへの応用への必要な情報です。 図40.3 V単電源ステレオ・ヘッドホン・ドライバ 2次低域フィルタ 図39.AD823の駆動によるAD1672出力のFFT 図41は、 2次バターワース低域フィルタとして構成されたAD823を 図にしたものです。表記した値により、コーナ周波数は200 kHzにな 3 V、単電源ステレオ・ヘッドホン・ドライバ ります。コンポネート選択のための等式を次に示します。 AD823は、 3 V単電源でも優れた電流駆動およびTHD+Nを示しま R1=R2=ユーザー選択(代表値:10 kΩ∼100 kΩ) 1.414 0.707 CI(farads)= ――――;C2 ―――― 2πfcutoffR1 2πfcutoffR1 す。20 kHzで、全高調波歪み+ノイズ(THD+N)は、300 mVP−P出力 信号に対して−62 dB(0.079%)と等価です。これは、もっと電力消 費の高い3 V電源では動作できない他の単電源オペアンプに匹敵し ます。 図40では、各チャンネルの入力信号が1μFマイラコンデンサを介 してカップリングされています。抵抗分圧器は非反転入力でDC電 圧を設定するので、出力電圧は電源(+1.5 V)間の中間にあります。 ゲインは1.5です。AD823の各アンプは、ヘッドホン・チャンネルを 駆動するのに使用できます。5 Hzの高域フィルタは、グラウンドへ の32Ωの負荷とみなされる、500μFコンデンサとこのヘッドホンに よて実現されています。これによって、オーディオ周波数レンジ (20 Hz∼20 kHz)の全信号は確実にヘッドホンに伝達されます。 図41.2次低域フィルタ フィルタのプロットを次に示します。50 dB以上の高周波除去を 備えています。 − 14 − REV.0 AD823 イン・インバータとして動作します。これでノードCにおける出力 は入力の全波整流出力となります。ノードBは入力のバッファ半波 整流出力です。使用される電圧電源に応じて、±18 Vまでの入力電 圧を整流できます。 図42.フィルタの周波数応答 単電源半波および全波整流器 ユニティ・ゲイン・フォロワとして構成され単電源で動作され るAD823は、半波整流器として使用できます。AD823の入力は、負電 源よりかなり下で駆動された場合でもpA単位の入力電流を維持し ます。 この整流器はこの性能をうまく利用して、 正電源から1 V上か ら負電源より20 V下までの範囲の入力電圧に対して1011を超える入 力インピーダンスを維持します。 図43に示す半波および全波整流器は、 次のように動作します。VIN がグラウンドより高いとき、R1はユニティ・ゲイン・フォロワA1と アンプのループA2を通ってブートストラップされます。これによ りA2の入力が必然的に等価になって、 R1またはR2に電流が流れず、 回路出力は入力をトラックします。VINがグラウンドより低いとき、 A1の出力は必然的にグラウンドになります。アンプA2の非反転入 力はA1のグラウンド・レベル出力を受けるので、A2はユニティ・ゲ REV.0 − 15 − 図43.単電源半波および全波整流器 AD823 外形寸法 サイズはインチと(mm)で示します。 8ピン・プラスチックDIP (N-8) 8ピン・プラスチックSOIC うにやさ ゅ い し ちき PRINTED IN JAPAN (SO-8) み る 「この取扱説明書はエコマーク認定の再生紙を使用しています。 」 ど りをまも − 16 − REV.0