日本語参考資料 最新版英語回路ノートはこちら 回路ノート CN-0183 接続/参考にしたデバイス Circuits from the Lab™ 実用回路は今日のアナログ・ミッ クスド・シグナル、RF 回路の設計上の課題の解決に役 立つ迅速で容易なシステム統合を行うために作製、テス トされました。さらに詳しい情報と支援については www.analog.com/jp/CN0183 をご覧ください。 AD5668 5ppm/℃ リファレンス内蔵、SPI イン ターフェース、16 ビット、電圧出力 denseDAC AD8638 16 V オートゼロ、レール to レール出 力オペアンプ ADP2300 1.2 A、20 V、700 kHz、非同期ステッ プ・ダウン・スイッチング・レギュレ ータ REF192 高精度、マイクロパワー、2.5V 低ドロ ップアウト電圧リファレンス +12 V から生成した±5 V で駆動する 高精度 16 ビット、バイポーラ出力電圧源 す。 AD8638 の影響による最大ドリフトはわずか 0.06 ppm/°C です。外付けリファレンス REF192(E グレード) は 5 ppm/°C を保証しており、AD8638 の増幅とレベルシフト回路 に低インピーダンスの仮想グラウンドを提供します。 評価と設計支援 回路評価基板 CN-0183 回路評価用ボード(EVAL-CN0183-SDPZ) システム・デモ用プラットホーム(EVAL-SDP-CB1Z) 設計と統合ファイル 回路図、レイアウト・ファイル、部品表 +12 V 単電源電圧のシステムでしばしば起こる問題に対して この回路は効果的なソリューションを提供します。スイッチ ング・レギュレータ ADP2300 が回路の全体的な性能を低下さ せないようにプリント回路ボード(PCB)のレイアウトとグ ラウンディングを適切に行う必要があります。 回路の機能とその利点 図 1 に示す回路は 16 ビット精度、低ドリフトの±2.5 V バイ ポーラ電圧を出力し、単電源+10 V ~+15 V で動作します。 オクタル denseDAC AD5668 のユニポーラ電圧出力はオートゼ ロ・オペアンプ AD8638 によって増幅、レベルシフトされま +5V VIN = +12V REF192 +5V L1 100nF + 1µF + + ADP2300 BST SW GND VIN VS +5V EN +2.5V 0.1µF 1µF 10µF R1 10kΩ 1.5kΩ 10µF FB 10µF OUTPUT GND +5V 0.1µF 52.3kΩ 10kΩ + VDD + 4.7µF 10kΩ R2 10kΩ 10µF SYNC 1.5kΩ SCLK DIN VREFIN/VREFOUT TP1 DAC_OUT AD8638 BIPOLAR_OUT −2.5V TO +2.5V DAC A VOUTA TP2 0V TO +2.5V –5V AD5668 –5V LDAC CLR DAC H GND VOUTH 図 1. ±5 V 電源を使用したバイポーラ出力 DAC 回路 Rev. 0 アナログ・デバイセズ社は、提供する情報が正確で信頼できるものであることを期していますが、その情報の 利用に関して、あるいは利用によって生じる第三者の特許やその他の権利の侵害に関して一切の責任を負いま せん。また、アナログ・デバイセズ社の特許または特許の権利の使用を明示的または暗示的に許諾するもので もありません。仕様は、予告なく変更される場合があります。本紙記載の商標および登録商標は、それぞれの 所有者の財産です。 ※日本語資料は REVISION が古い場合があります。最新の内容については、英語版をご参照ください。 ©2012 Analog Devices, Inc. All rights reserved. 本 社/〒105-6891 東京都港区海岸 1-16-1 ニューピア竹芝サウスタワービル 電話 03(5402)8200 大阪営業所/〒532-0003 大阪府大阪市淀川区宮原 3-5-36 新大阪トラストタワー 電話 06(6350)6868 09471-001 L1: COILCRAFT, LPD4012-472MLB, COUPLED INDUCTOR, 4.7µH CN-0183 回路ノート 0.6 回路の説明 0.4 0.2 DNL (LSB) 0 –0.2 –0.4 AD5668 の出力電圧は TP1 で 0 V ~ 2.5 V で、この信号はオ ペアンプ AD8638 の非反転入力を駆動します。オペアンプの 信号ゲインは 1+R2/R1 なので、R1=R2 とすると 2 となりま す。2.5V リファレンスで R1 を駆動する事によりオペアンプ 出力に負の 2.5 V オフセットが加わります。その結果 TP2 で -2.5 V から+2.5 V まで振れるバイポーラ出力電圧となりま す。 –0.8 0 10000 20000 30000 40000 DAC CODE 50000 60000 09471-003 –0.6 図 3. バイポーラ出力(TP2)の DNL 性能 回路は公称 12V の単電源電圧(10 V ~ 15 V の間変動する可 能があります)で動作します。反転昇降圧回路構成のスイッ チング・レギュレータ ADP2300 から安定化された-5 V 電源 電圧が生成されます。回路は www.analog.com/jp/ADIsimPower から取得できるプログラム ADIsimPower を使って設計できま す。非レギュレーション 5V 電源を生成するためにジータ構 成の回路に結合インダクタ L1 を使用します。この回路は小出 力電流の場合高効率です。 8 6 INL (LSB) 4 TP2(バイポーラ出力)で測定した積分非直線性(INL)と微 分非直線性(DNL)をそれぞれ図 2 と図 3 に示します。 2 0 –2 TP1(ユニポーラ DAC 出力)で測定された INL と DNL をそ れぞれ図 4 と 図 5 に示します。 –4 6 –6 0 5 4 10000 20000 30000 40000 DAC CODE 50000 60000 09471-004 AD5668 は SPI インターフェース制御、16 ビット、オクタル、 電圧出力 denseDAC です。AD5668 はドリフトが 10 ppm/°C max のリファレンスを内蔵しています。電源立ち上げ時に内 蔵リファレンスはオフになっており、外部リファレンスが使 用可能です。内部リファレンスはソフトウェアを介してイネ ーブルにします。図 1 に示す回路で、外付け REF192 を使用 する理由はオペアンプ AD8638 回路の 2.5V 仮想グラウンドを 駆動するために低出力インピーダンスが必要だからです。 図 4. ユニポーラ DAC 出力(TP1)の INL 性能 3 0.8 0.6 1 0.4 –1 0.2 DNL (LSB) 0 –3 –4 –5 0 10000 20000 30000 40000 DAC CODE 50000 60000 0 –0.2 –0.4 –0.6 図 2. バイポーラ出力(TP2)の ILN 性能 –0.8 –1.0 0 10000 20000 30000 40000 DAC CODE 50000 60000 図 5. ユニポーラ DAC 出力(TP1)の DNL 性能 Rev. 0 | Page 2 of 5 09471-005 –2 09471-002 INL (LSB) 2 CN-0183 回路ノート バリエーション回路 始めてみよう AD5628 と AD5648 はそれぞれ AD5668 の 12 ビットと 14 ビッ ト・ バージョンです。上記のすべてが内部ゲイン 2 のリファ レンスを内蔵しています。AD5628-1/AD5648-1/AD5668-1 は 1.25 V、5 ppm/°C のリファレンス電圧を内蔵しており、2.5 V のフルスケール出力範囲が得られます。そして AD56282/AD5648-2/AD5668-2/AD5668-3 は 2.5 V、5 ppm/°C のリファ レンス電圧を内蔵しており、5 V のフルスケール出力範囲が 得られます。内蔵リファレンス電圧はパワーアップ時にオフ なので、外付けリファレンス電圧を使用することができます。 コントロール・レジスタへの書込みにより内部リファレンス をイネーブルします。この製品はパワーオン・リセット回路 を内蔵しているので、パワーアップ時に DAC 出力は 0V (AD5628-1/AD5648-1/ AD5668-1、AD5628-2/AD56482/AD5668-2)又はミッドスケール(AD5668-3)になり、有効 な書込みが実行されるまでこの状態を維持します。 CN-0183 評価用ソフトウェアの CD を PC の CD ドライブに入 れて評価用ソフトウェアをロードしてください。マイコンピ ュータを使用して、評価用ソフトウェアの CD を含むドライ ブを見つけ、Readme ファイルを開いてください。Readme フ ァイルに含まれているインストラクションに従って、評価用 ソフトウェアをインストールし、使用してください。図 6 に 評価用ソフトウェアのメイン・ウィンドウを示します。 09471-006 必要に応じて AD8638 のデュアル・バージョンの AD8639 を 使用する事もできます。 図 1 の回路では 8 チャンネル間のク ロストークを最小限にするためにシングルの AD8638 を使用 しています。 図 6. 評価用ソフトウェア・メイン・ウィンドウ ADR4525(精度±0.02%で温度係数 2 ppm/°C max -B グレー ド)のような他の 2.5 V リファレンスも使用する事ができま す。 テスト・セットアップの機能ブロック図 図 7 にテスト・セットアップの機能ブロック図を示します。 このセットアップにより DAC 出力(TP1)とバイポーラ出力 (TP2)をオシロスコープで観察できます。 回路評価とテスト 必要な装置(同等の装置に変更可能) 直線性の測定には USB ポートを介して PC で読み出す事ので きる高精度デジタル電圧計(DVM)が必要です。 次の装置が必要です: • システム・デモ用プラットホーム(EVAL-SDP-CB1Z) • CN-0183 回路評価用ボード(EVAL-CN0183-SDZ) • CN-0183 評価用ソフトウェア • テクトロニクス TDS2024、4 チャンネル・オシロスコ ープ • HP E3630A、0 V ~ 6 V/2.55 A; ±20 V/0.5 A、トリプ ル出力 DC 電源 • PC(Windows 32 ビット又は 64 ビット) POWER SUPPLY +5V GND –5V +12V OSCILLOSCOPE GND PC USB AVDD AGND J5-2 –5V +12V AGND J5-3 J4-1 USB J4-2 DAC_OUT/TP1 BIPOLAR_OUT/TP2 EVAL-CN0183-SDZ SDP CON A OR CON B 09471-007 J1 120-PIN SDP J5-1 図 7. テスト・セットアップの機能ブロック図 Rev. 0 | Page 3 of 5 CN-0183 回路ノート セットアップ EVAL-CN0183-SDZ 回路ボードの 120 ピン・コネクタを EVAL-SDP-CB1Z の CON A コネクタ 又は CON B コネクタに 接続してください。120 ピン・コネクタの末端にある穴を利 用して 2 つのボードをしっかり固定するためにナイロン製ハ ードウェアを使用してくだい。DC 出力電源を正常に+5 V、 -5 V、+12 V の出力に設定した後、電源をオフにしてくだ さい。 電源オフの状態で、-5V 電源を J5-3 の-5V ピンに接続し、 +5V 電源を J5-1 の AVDD ピンに接続し、GND を J5-2 と J4-2 の AGND ピンに接続し、+12V 電源を J4-1 の+12V ピンに接 続してください。あるいは、+5 V と −5 V を供給する ADP2300 の回路に電源を供給するためにリンク 2 とリンク 3 をポジション B に配置してください。この場合 AVDD と-5 V は必要ない事に注意してください。 電源投入後に SDP ボードからの USB ケーブルを PC の USB ポートに接続してください。EVAL-CN0183-SDPZ の DC 電源 を投入する前に USB ケーブルを SDP のミニ USB コネクタに 接続しないでください。 テスト装置をセットアップした後、オシロスコープのプロー ブをテスト・ポイントの TP1 と TP2 に接続してください。テ スト・ポイント TP3、 TP4、 TP5 をリファレンス、安定化さ れた+5V、安定化された-5V にそれぞれ接続します。これ らのテスト・ポイントが正常な電圧になっているか確認して ください(TP6 をグラウンドに使用してください)。 CD でご提供するソフトウェアを使用すればコードを DAC に ロードして、リファレンス源を選ぶ事により VOUTA の値を設 定する事ができます。デフォルト設定の状態では、電圧+5 V と-5 V を供給しなければなりませんが+12 V は必要ありま せん。デフォルト設定では外付けリファレンス REF192 を使 用し、フルスケール DAC 出力範囲は 2.5 V(TP1)になり、 パイポーラ出力(TP2)は-2.5 V ~+2.5 V の範囲になります。 0x0000 をロードすると DAC 出力が 0 V に、バイポーラ出力 が-2.5 V になり、0x8000 をロードすると DAC 出力が 1.25 V に、バイポーラ出力が 0 V になり、0xFFFF をロードすると DAC 出力が 2.5 V に、バイポーラ出力が 2.5 V になります。 表 1.EVAL-CN0183-SDZ のためのジャンパ設定(デフォルト設定は太字) ジャン 説明 設定 機能 パ LK1 AD5668 のリファレンス・ピンを Inserted AD5668 リファレンス・ピンが REF192 の出力に短絡され外付け DAC リ REF192 の出力に短絡 ファレンスが使用可能になります。 Opened AD5668 の内部リファレンスのみ使用可能です。 LK2 LK5 AVDD 電源ソース −5V 電源ソース Position A 回路の電源は J5-1 の AVDD ピンに印加される外部 5V 電源によって供 給されます。 Position B デジタル電源は ADP2300 レギュレータによって供給される 5V 電圧に よって供給されます。 Position A アナログ回路は J5-3 の-5V ピンに印加される外部電源によって供給さ れます。 Position B デジタル電源は レギュレータ ADP2300 の出力を反転する事によって得 られる電圧-5 V によって供給されます。 Rev. 0 | Page 4 of 5 CN-0183 回路ノート さらに詳しくは データシートと評価用ボード CN-0183 Design Support Package: http://www.analog.com/CN0183-DesignSupport CN-0183 回路評価用ボード(EVAL-CN0183-SDPZ) Analog Dialogue 39: 高速プリント回路基板 レイアウトの実務ガイド MT-031 Tutorial : Grounding Data Converters and Solving the Mystery of “AGND” and “DGND” システム・デモ用プラットホーム(EVAL-SDP-CB1Z) AD5668 データシート/評価用ボード AD8638 データシート/評価用ボード ADP2300 データシート/評価用ボード MT-101 Tutorial : Decoupling Techniques REF192 データシート ADIsimPower 設計ツール 改訂履歴 6/12—Revision 0:初版 「Circuits from the Lab/実用回路集」はアナログ・デバイセズ社製品専用に作られており、アナログ・デバイセズ社またはそのライセンスの供与者の知的所有物です。お客さ まは製品設計で「Circuits from the Lab/実用回路集 」を使用することはできますが、その回路例を利用もしくは適用したことにより、特許権またはその他の知的所有権のも とでの暗示的許可、またはその他の方法でのライセンスを許諾するものではありません。アナログ・デバイセズ社の提供する情報は正確でかつ信頼できるものであることを 期しています。しかし、「Circuits from the Lab/実用回路集 」は現状のまま、かつ商品性、非侵害性、特定目的との適合性の暗示的保証を含むがこれに限定されないいかな る種類の明示的、暗示的、法的な保証なしで供給されるものであり、アナログ・デバイセズ社はその利用に関して、あるいは利用によって生じる第三者の特許権もしくはそ の他の権利の侵害に関して一切の責任を負いません。アナログ・デバイセズ社はいつでも予告なく「Circuits from the Lab/実用回路集 」を変更する権利を留保しますが、そ れを行う義務はありません。 商標および登録商標は各社の所有に属します。 ©2012 Analog Devices, Inc. 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