日本語版

クワッド350MHz
24Vアンプ
AD8024
特長
機能ブロック図
ディスエーブル機能付きクワッド高速電流フィードバック型アンプ
−3dB帯域幅:350MHz
(G=1)
スルーレート:2400V/μs、VS=±12V
大きな容量性負荷を駆動可能
1
16
2
15
3
14
0.1%までのセトリング・タイム:35ns
(300pF負荷、6Vステップ)
VCC 4
0.1%までのセトリング・タイム:18ns
(5pF負荷、2Vステップ)
DIS 5
低消費電力
+5V∼±12V
(+24V)
で動作
AD8024AR
13
VEE
12
DGND
6
11
7
10
8
9
アンプ1個当たりの電源電流:4mA
優れたビデオ仕様
(RL=150Ω、G=2)
ゲイン平坦性:70MHzまで0.1dB
微分ゲイン:0.04%
微分位相:0.09゜
1V
クロストーク:−58dB
(5MHz)
20ns
VIN
THD:−72dBc
(5MHz)
際立ったDC精度
VOFFSET:2mV
(Typ)
(Max)
IBIAS:3μA
VOUT
16ピンSOICパッケージ
アプリケーション
2V
LCDコラム・ドライバ
高性能テスト装置
ビデオ・ライン・ドライバ
図1 大きな容量負荷を駆動した場合のパルス応答
(CL=300pF、G=3、RFB=2.32kΩ、RS=10.5Ω、RL=1kΩ、VS=±7.5V)
ATE
概要
AD8024は、アナログ・デバイセズ独自のXFHV高速バイポ
優れたDC特性を備えています。AD8024を使用しない場合
ーラ・プロセスにより製造された、高速セトリング・タイ
には、高速ディスエーブル・ピンを使ってシャットダウン
ム、高速、高出力電圧のクワッド電流フィードバック型オ
できます。消費電流はアンプ1個当たりわずか4mAで、低消
ペアンプです。24V電源レールの内側1.3Vまで駆動できます。
費電力動作を保証しています。
内部の各アンプは大きな出力電流能力を持ち、大きな容量
大きな電圧駆動能力、高速セトリング・タイム、高速スル
性負荷を駆動できます。
ーレート、小さいオフセット、広帯域幅などの特性を備え
AD8024の出力は、35ns以内に300pF負荷(6V振幅)から
たAD8024は、LCDコラム・ドライバ、ビデオ・ライン・ド
0.1%にセトリングします。AD8024は+5Vおよび±12V電源
ライバ、高性能テスト装置に最適です。
で動作でき、±12V電源でのスルーレートは2400V/μsです。
AD8024は、16ピンSOICパッケージで供給されます。
オフセット2mV(typ)で、最大入力バイアス電流3μAの、
アナログ・デバイセズ社が提供する情報は正確で信頼できるものを期していますが、そ
の情報の利用または利用したことにより引き起こされる第3者の特許または権利の侵害
に関して、当社はいっさいの責任を負いません。さらに、アナログ・デバイセズ社の特
許または特許の権利の使用を許諾するものでもありません。
REV.0
アナログ・デバイセズ株式会社
本 社/東京都港区海岸1-16-1 電話03
(5402)8400 〒105-6891
ニューピア竹芝サウスタワービル
大阪営業所/大阪市淀川区宮原3-5-36 電話06(6350)6868(代) 〒532-0003
新大阪第二森ビル
AD8024−仕様
製品
ダイナミック特性
帯域幅(3dB)
帯域幅(0.1dB)
スルーレート
0.1%までのセトリング・タイム
ノイズ/高調波性能
総高調波歪み
入力電圧ノイズ
入力電流ノイズ
微分ゲイン(RL=150Ω)
微分位相(RL=150Ω)
DC特性
入力オフセット電圧
オフセット・ドリフト
+入力バイアス電流
−入力バイアス電流
オープン・ループ相互抵抗
(特に指定のない限り、TA=+25℃、VS=±7.5V、CLOAD=10pF、RL=150Ω)
条件
Min
Typ
RFB=800Ω、ピーキングなし、G=3
ピーキングなし、G=3
6Vステップ、G=3、CLOAD=300pF
TA=+25∼+85℃、0∼±3V(6Vステップ)
CLOAD=300pF、RS=10.5Ω、RLOAD>1kΩ、
RFB=2.32kΩ
0∼±1V(2Vステップ)
、CLOAD=5pF、
RS=0Ω、RLOAD>1kΩ、RFB=750kΩ
160
200
25
390
35
MHz
MHz
V/μs
ns
18
ns
fC=5MHz、RL=1kΩ
fC=5MHz、RL=150Ω
f=100kHz
f=100kHz(−IIN)
f=3.58MHz、G=2
f=3.58MHz、G=2
−72
−67
3
8
0.04
0.09
dBc
dBc
nV/√
Hz
pA/√Hz
%
度
TMIN∼TMAX
2
1.5
1
1
1.2
0.840
370
0.850
TMIN∼TMAX
入力特性
入力抵抗
入力容量
入力コモン・モード電圧
コモン・モード除去比
入力オフセット電圧
出力特性
出力電圧振幅
RL=1kΩ
RL=150Ω
リニア出力電流
最大ダイナミック出力電流
容量負荷駆動
特性のマッチ
ダイナミック
クロストーク
(任意の2つの間の最悪値)
DC
入力オフセット電圧のマッチ
入力電流のマッチ
電源
動作範囲
+入力
5
7.5
3
10
2
−VS+1.2
62
+VS−2
66
VOL∼VEE
VCC∼VOH
VOL∼VEE
VCC∼VOH
誤差<3%、R1=50Ω
0.8
1.1
1.0
1.3
50
300
1000
G=2、f=5MHz
−58
0.4
0.1
単電源
両電源
5
±2.5
合計静止電流
16
19.5
0.5
TMIN∼TMAX
ディスエーブル=ハイ
電源変動除去比
入力オフセット電圧
ディスエーブル特性
オフ・アイソレーション
オフ時出力インピーダンス
ターンオン時間
ターンオフ時間
スイッチング・スレッショルド
動作温度範囲
Max
VS=±6.5∼±8.5V
64
f=6MHz
VTH∼DGND
1.3
−40
単位
mV
μV/℃
μA
μA
MΩ
MΩ
MΩ
pF
V
dB
1.0
1.3
1.35
1.55
V
V
V
V
mA
mA
pF
dB
1.5
2.0
mV
μA
24
±12
17
V
V
mA
mA
mA
1
70
dB
49
20
25
20
1.6
dB
pF
ns
ns
V
℃
1.9
+85
仕様は予告なく変更されることがあります。
2
REV.0
AD8024
出力短絡電流の制限
AD8024の内部短絡保護回路は、ビデオ出力と電源電圧ピン
絶対最大定格*
電源電圧VCC∼VEE ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥合計26V
(VCCまたはVEE)との間の直接短絡に対してはデバイスを十
内部消費電力
分保護できません。一時的な短絡により、出力電流のソー
スモール・アウトライン
(R)
ス機能またはシンク機能が減少することがあり、このため
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1.0W(ディレーティング曲線に従う)
入力電圧(コモンモード)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥±VS
にデバイスの負荷駆動能力が悪影響を受けます。短絡が長
差動入力電圧 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥±3V(クランプ)
時間続くと、メタル線が溶断して、デバイスの故障が発生
出力電圧リミット
します。
MAX ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+VS
これらの問題を回避するため、出力のできるだけ近くに直
MIN ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥−VS
列抵抗を挿入することを推奨します。この抵抗は、故障時
出力短絡時間 ‥‥‥‥‥‥‥ディレーティング曲線に従う
の電流を大幅に減少させるのに役立ち、一時的な短絡によ
保管温度範囲
る損傷から出力を保護します。しかし、この方法は、すべ
ての条件下で最大接合温度(+150℃)を超えないことを保
Rパッケージ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥−65∼+125℃
証するには不十分です。正常動作を保証するためには、図2
動作温度範囲
に示す最大消費電力ディレーティング曲線に従う必要があ
AD8024A ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥−40∼+85℃
ります。
ピン温度範囲(ハンダ処理、10秒) ‥‥‥‥‥‥‥‥300℃
小さい値のゲイン抵抗を使用するゲイン設定(非反転)で
* 上記の絶対最大定格を超えるストレスを加えると、デバイスに永久的な損傷を与えることがあ
ります。この定格はストレス定格の規定のみを目的とするものであり、この仕様の動作セクシ
ョンに記載する規定値以上でのデバイス動作を定めたものではありません。デバイスを長期間
絶対最大定格条件に置くと、デバイスの信頼度に影響を与えることがあります。
は、入力のレベルが大きいと、大きな入力エラー電流が発
生して、入力段で大きな電力が消費されることに注意して
ください。合計内部消費電力に起因する接合温度上昇を計
算する際には、この電力も含める必要があります。
オーダー・ガイド
モデル
AD8024AR-16
温度範囲
パッケージ
パッケージ・
オプション
−40∼+85℃ 16ピン狭幅SOIC R-16A
R-16A
2.5
TJ = 150ⴗC
2.0
最大消費電力―W
最大消費電力
AD8024が安全に消費できる最大電力は、接合温度の上昇に
よって制限されます。プラスチック・パッケージを使用す
るデバイスの安全な最大接合温度は、プラスチックのガラ
ス変位温度により決定されます。この温度は約+150℃です。
1.5
16ピンSOIC
1.0
パッケージからチップに加えられる応力が変化するため、
一時的にこの規定値を超えた場合でも、パラメータ性能が
シフトすることもあります。+175℃の接合温度を超えると、
0.5
–50 –40 –30 –20 –10 0
デバイスの故障する原因になります。
図2
3
60 70
80 90
最大消費電力 対 周囲温度
注意
ESD(静電放電)の影響を受けやすいデバイスです。4000Vもの高圧の静電気が人体やテスト装置に容易に帯電し、
検知されることなく放電されることがあります。ADuC812には当社独自のESD保護回路を備えていますが、高エネ
ルギーの静電放電を受けたデバイスには回復不可能な損傷が発生することがあります。このため、性能低下や機能
喪失を回避するために、適切なESD予防措置をとるようお奨めします。
REV.0
10 20 30 40 50
周辺温度 – ⴗC
WARNING!
ESD SENSITIVE DEVICE
AD8024―代表的な性能特性
25
12
TA = 25ⴗC
TA = 25ⴗC
20
8
合計電源電流―mA
コモン・モード電圧―V
10
–VCM
6
+VCM
4
10
5
2
0
15
2
4
6
8
10
0
12
0
2
4
6
電源電圧―±V
図3
入力コモン・モード電圧範囲 対 電源電圧
7.0
図6
10
12
14
80
100
80
100
合計電源電流 対 電源電圧
24
−振幅
VS = ⴞ7.5V
8
電源電圧―±V
6.5
22
+振幅
20
合計電源電流―mA
出力電圧振幅―V
6.0
5.5
5.0
4.5
VS = ⴞ12V
18
16
VS = ⴞ7.5V
14
4.0
12
3.5
3.0
10
100
1k
10
–60
10k
–40
0
–20
負荷抵抗―Ω
図4
出力電圧振幅 対 負荷抵抗
図7
25
20
温度―℃
40
60
合計電源電流 対 温度
3
TA = 25ⴗC
VS = ⴞ7.5V
振幅(無負荷)
20
入力バイアス電流―μA
出力電圧振幅―Vp-p
2
振幅(R L=150Ω)
15
10
–IB
1
+IB
0
5
0
2
3
4
図5
5
6
7
9
8
電源電圧―±V
10
11
12
–1
–60
13
出力電圧振幅 対 電源電圧
–40
図8
4
–20
0
20
40
温度―℃
60
入力バイアス電流 対 温度
REV.0
AD8024
10M
2.5
1M
相互インピーダンス―Ω
VS = ⴞ7.5V
入力オフセット電圧―mV
2.0
1.5
VS = ⴞ12V
VS = ⴞ7.5V
100k
10k
1k
100
1.0
10
0.5
–60
0
20
温度―℃
40
60
–40
–20
図9
入力オフセット電圧 対 温度
80
1
0.01
100
0.1
10
周波数―MHz
100
1000
図12 オープン・ループ相互インピーダンス 対 周波数
(RL=150Ω)
100
90
100
VS = ⴞ7.5V
VS = ⴞ12V
10
10
–INOISE
コモン・モード除去比―dB
+INOISE
電流ノイズ―pA/ Hz
80
電圧ノイズ―nV/ Hz
1
VNOISE
70
VS = ⴞ7.5V
60
50
R
40
R
30
VCM
R
20
R
10
1
0.01
0.1
図10
1
周波数―kHz
0
1
100
10
10
周波数―MHz
1
入力電流/電圧ノイズ 対 周波数
図13
60
10000
100
コモン・モード除去比 対 周波数
VS = ⴞ7.5V
G = +1
VS = ⴞ7.5V
電源除去比―dB
出力インピーダンス―Ω
50
1000
100
40
30
+PSRR
20
10
–PSRR
10
0
0
1
図11
REV.0
10
周波数―MHz
100
1
200
10
100
周波数―MHz
出力インピーダンス 対 周波数(ディスエーブル状態)
図14
5
電源除去比 対 周波数
1000
AD8024
3000
–30
G=2
VS = ⴞ7.5V
VO = 2V p-p
–50
RL = 150Ω
2500
G = +2
スルーレート―V/μs
2次
–60
3次
–70
G = +1
2000
G = +10
1500
G = –1
1000
500
–80
–90
0
10
2
100
4
6
周波数―MHz
図15
高調波歪み 対 周波数(RL=150Ω)
図18
クローズド・ループ・ゲイン(正規化)―dB
ⴚ10
クロストーク―dB
ⴚ20
ⴚ30
ⴚ40
VS = ⴞ2.5V
ⴚ50
VS = ⴞ7.5V
ⴚ60
ⴚ70
1
10
180
2
1
ゲイン
90
0
–1
VS = ⴞ12V
位相
–2
–4
–90
–5
VS = ⴞ7.5V
–6
–180
–7
–8
1
100
10
100
図19 クローズド・ループ・ゲイン、位相 対周波数
(G=1、RL=150Ω)
2
1200
クローズド・ループ・ゲイン(正規化)―dB
VS = 6 7.5V
RL = 150Ω
1000
800
600
G = –1
G = +2
400
G = +1
200
180
1
ゲイン
0
90
–1
–2
VS = ⴞ2.5V
位相
–3
0
–4
–5
–6
–90
–7
VS = ⴞ7.5V
–8
–9
–180
–10
–11
–12
0
図17
1
25
3
4
出力電圧ステップ―Vp-p
–270
1000
周波数―MHz
クロストーク 対 周波数(G=2、RL=150Ω)
G = +10
0
–3
周波数―MHz
図16
12
最大スルーレート 対 電源電圧
–9
ⴚ80
スルーレート―V/μs
10
3
0
0
8
電源電圧―±V
位相シフト―度
1
6
位相シフト―度
高調波歪み―dBc
–40
1
10
100
–270
1000
周波数―MHz
スルーレート 対 出力ステップ・サイズ
図20 クローズド・ループ・ゲイン、位相 対 周波数
(G=2、RL=150Ω)
6
REV.0
AD8024
180
0
ゲイン
–1
2V
–2
90
VS = ⴞ12V
–3
VIN
位相
–4
–5
0
–6
VS = ⴞ7.5V
–7
–90
–8
–9
VOUT
–10
–180
–11
2V
–12
–270
1000
–13
1
10
100
図24 大信号パルス応答、ゲイン=1
(RFB=5kΩ、RL=150Ω、VS=±7.5V)
周波数―MHz
図21 クローズド・ループ・ゲイン、位相 対 周波数
(G=10、RL=150Ω)
1
180
ゲイン
0
250mV
–1
VIN
–2
VS = ⴞ12V
位相
0
–3
–4
–90
–5
VS = ⴞ7.5V
–6
VOUT
–180
–7
500mV
–8
–9
1
10
–270
1000
100
周波数―MHz
図25 小信号パルス応答、ゲイン=2
(RFB=750Ω、RL=150Ω、VS=±7.5V)
図22 クローズド・ループ・ゲイン、位相 対 周波数
(G=−1、RL=150Ω)
500mV
20ns
1V
VIN
VIN
VOUT
VOUT
500mV
2V
20ns
図26 大信号パルス応答、ゲイン=2
(RFB=750Ω、RL=150Ω、VS=±7.5V)
図23 小信号パルス応答、ゲイン=1
(RFB=5kΩ、RL=150Ω、VS=±7.5V)
REV.0
20ns
90
位相シフト―度
クローズド・ループ・ゲイン(正規化)―dB
20ns
位相シフト―度
クローズド・ループ・ゲイン(正規化)―dB
1
7
AD8024
50mV
20ns
500mV
VIN
VIN
VOUT
VOUT
500mV
500mV
図27 小信号パルス応答、ゲイン=10
図29 小信号パルス応答、ゲイン=−1
(RFB=400Ω、RL=150Ω、VS=±7.5V)
200mV
20ns
(RFB=909Ω、RL=150Ω、VS=±7.5V)
2V
20ns
VIN
20ns
VIN
VOUT
VOUT
2V
2V
図28 大信号パルス応答、ゲイン=10
図30 大信号パルス応答、ゲイン=−1
(RFB=400Ω、RL=150Ω、VS=±7.5V)
(RFB=909Ω、RL=150Ω、VS=±7.5V)
8
REV.0
AD8024
概要
AD8024は、広帯域幅のクワッド・ビデオ・アンプです。
容量性負荷の駆動
適切な帰還抵抗を使用した場合、AD8024は任意の負荷容量
±1以上のクローズド・ループ・ゲインで、合計静止電流
を、発振させずに駆動できます。電流フィードバック型ア
16mAの高度な性能を提供します。
ンプの原則の通り、負荷容量が大きい場合、安定した動作
最大380MHzまでの帯域幅、小さい微分ゲイン誤差と微分位
のためには大きな帰還抵抗が必要になります。
相誤差、大出力電流を備えたAD8024は、ビデオ・アンプと
AD8024は、オープン・ループ相互抵抗が大きく、しかも非
して最適です。
反転入力電流が小さいので、帰還抵抗を大きくしても、ク
また、大きな位相マージンと高出力電流により、AD8024は
ローズド・ループ・ゲインの大きな誤差が発生しません。
容量負荷の駆動に最適です。
さらに、出力電流が大きいので、大きな負荷コンデンサに
対しても高速な電圧変化が可能です。
帰還抵抗の選択
AD8024は電流フィードバック型アンプなので、帰還抵抗を
広帯域幅でしかもクリーンなパルス応答を得るためには、
約10Ωの小さい直列出力抵抗の使用をお奨めします。
使ってクローズド・ループ帯域幅を調整できます。
帰還抵抗を大きくすると、ピーキングが減少して、帯域幅
は狭くなる替わりに位相マージンが増えます。帰還抵抗を
RF
小さくすると、ピーキングが大きくなり、位相マージンが
+VS
小さくなる替わりに帯域幅が広くなります。
出力抵抗が有限であるため、クローズド・ループ帯域幅は
RG
–
減衰の影響を受けます。約150Ω以下の負荷抵抗を駆動する
AD8024
VIN
場合、約6Ωのオープン・ループ出力抵抗により、帯域幅が
+
RS
1.0μF
VO
CL
0.1μF
RT
ある程度減少してしまいます。数百Ω以上の負荷抵抗の場
1.0μF
0.1μF
–VS
合は、帯域幅はこれより約10%広くなります。
最大帯域幅、または最平坦な周波数応答の維持が必要でな
図31
容量負荷の駆動回路
い限り、帰還抵抗値が問題になることはありません。表Iに、
150Ω負荷を駆動する際に有効な幾つかのクローズド・ルー
プ・ゲインでの、種々の電源電圧における帯域幅を示しま
す。推奨抵抗値は、2dB以下のピーキングで最大帯域幅を得
1V
20n S
るときの値です。
VIN
表I. −3dB帯域幅 対 クローズド・ループ・ゲイン抵抗
(RL=150Ω)
VS(V)
±7.5
±12
±2.5
REV.0
ゲイン
+1
+2
+10
−1
+1
+10
−1
+2
RF(Ω)
5000
750
400
750
8000
215
750
1125
VOUT
帯域幅(MHz)
350
275
105
165
380
150
95
125
2V
図32 大きな容量負荷を駆動した場合のパルス応答
(CL=300pF、G=3、RFB=2.32kΩ、RS=10.5Ω、RL=1kΩ、VS=±7.5V)
9
AD8024
ディスエーブル・モードの動作
DISABLEピンをDGNDに接続すると、全アンプがイネーブ
過負荷回復
最も重要な過負荷状態を次に示します。
ル状態になり、動作します。
入力コモン・モード電圧のオーバードライブ
DISABLEピンの電圧がDGNDより1.6V以上高くなると、全
出力電圧のオーバードライブ
アンプがディスエーブルになり、パワーダウン状態になり
入力電流のオーバードライブ
ます。この状態では、DISABLEピンに約0.1μAのソース電
クローズド・ループ・ゲインを小さく設定した場合、
流があり、合計静止電流は約500μAに減少して、全出力が
AD8024は入力コモン・モード電圧のオーバードライブから
高インピーダンス状態になり、入/出力間の優れたアイソ
迅速に回復します(25ns typ以内)。
レーションが得られます。
ゲインを大きく設定し、かつ出力で過負荷が発生している
ディスエーブル・モードでの出力インピーダンスは、出力
場合にも、出力電圧のオーバードライブからの回復は速く、
ピンに接続されている全外付け抵抗(アンプ・ディスエー
約55nsです(図33)。オーバードライブが大きくなると、応
ブル時の全出力インピーダンスに並列)と等価で、20pF
答は悪化していきます。100%オーバードライブの場合は、
(typ)です
回復時間はかなり長くなります。
AD8024の入力段は、ディスエーブル・モードで発生する大
非反転ゲインを大きく設定して、大きな入力オーバードラ
きな差動入力電圧に対する保護機能を内蔵しています。内
イブを行うと、入力段に大きな電流が流入します。この電
部クランプによりこの電圧を1.5Vに制限しています。この
流は内部で約30mAに制限されていますが、合計消費電力に
制限値以下の電圧に対しては、入/出力間の高いアイソレ
対する影響は大きくなります。最大消費電力についての制
ーションが維持されます。
限事項も参照してください。
50ns
1V
VIN
VOUT
5V
図33 15%オーバードライブからの回復
(ゲイン=10、RFB=400Ω、RL=1kΩ、VS=±7.5V)
10
REV.0
AD8024
外形寸法
サイズはインチと(mm)で示します。
16ピン・プラスチックSOIC
(R-16A)
0.3937 (10.00)
0.3859 (9.80)
0.1574 (4.00)
0.1497 (3.80)
16
9
1
8
ピン1 0.050 (1.27)
BSC
0.0098 (0.25)
0.0040 (0.10)
REV.0
0.2440 (6.20)
0.2284 (5.80)
0.0688 (1.75)
0.0532 (1.35)
0.0192 (0.49) 実装面
0.0138 (0.35)
11
0.0196 (0.50)
ⴛ 45ⴗ
0.0099 (0.25)
0.0099 (0.25)
0.0075 (0.19)
8ⴗ
0ⴗ 0.0500 (1.27)
0.0160 (0.41)
PRINTED IN JAPAN
TDS4/2000/2000
AD8024
このデータシートはエコマーク認定の再生紙を使用しています。
12
REV.0