接地用コンデンサ - Nichicon

接地用コンデンサ
絶縁変圧器の二次側の線路と大地間に接続して、負荷側で発生した地絡事故に対して地絡継電器または漏電遮断器を動作
させるのに十分な電流が流れるように、線路と大地間の静電容量を補償するものです。
接地用コンデンサの耐電圧は、それを組み合わせて使用される零相
変流器と絶縁協調をとりJEM1362の10 / 30 kVまたは16 / 45 kV
を採用しております。
規格・性能
屋内外兼用、標高1000 m以下
−20∼+50 ℃(24時間平均45 ℃以下、
1年間平均35 ℃以下)
設 置 場 所
周 囲 温 度
電圧倍数
1.10
1.15
1.20
1.30
1.82
最高許容電圧
許容印加時間
24時間のうち12時間以内
24時間のうち30分以内
5分以内
1分以内
2秒以内
ただし、1.15倍を超える電圧の印加は、コンデンサの寿命を
通じて200回を超えないものとする。
定格電流の130 %(ただし、静電容量の実測値が静電容量許
容差内でプラス側のものは、その分だけ更に増加を認める。)
定格値に対して−5∼+15 %(at 20 ℃)
(各相の静電容量の最大値と最小値との比は1.08以下)
0.2 %以下(at 20 ℃、定格電圧)
10 ℃以下(at 35 ℃、定格電圧)
3300 V:10 / 30 kV
6600 V:16 / 45 kV
最大許容電流
容量許容差
損 失 率
温 度 上 昇
絶 縁 強 度
零相変流器
絶縁変圧器Tr
OCB
ZCT
線路端子相互間、線路端子一括外箱間
耐電圧試験
回路電圧
3300 V
6600 V
試 験 電 圧
10 kVAC(1分) 30 kVDC(10秒)
16 kVAC(1分) 45 kVDC(10秒)
マンセル 5Y7 / 1色
JEM 1362(1999)
塗 装 色
準 拠 規 格
PT
接 地 用
コンデンサ
接地用コンデンサは零相変流器よりも一次側に設置してください。
図1
原理と効用
ZCT
絶縁変圧器の二次側の地絡事故に対して、絶縁変圧器と零相変流器
(ZCT)の距離が短い場合には、線路の対地静電容量が小さく地絡継
電器を動作させるのに十分なZCT貫通地絡電流が得られないため、接
地用コンデンサを使用して線路の対地静電容量を増大させます。
接地用コンデンサを用いて線路対地間静電容量を補償したとき、
1線完
全地絡の場合の全地絡電流は次の式にて計算されます。
C1
事故点
C2
lc1
lc1
+
lc2
lc2
=
lg
3E×2πfC
Ig=3jωCEa=j√
Ig:全地絡電流(A) Ea:相電圧(V) E:線間電圧(V)
C:系統の一相当りの対地静電容量(F)(C=C1+C2)
C1:接地用コンデンサ
C2:自配電線の対地静電容量
IC2:自配電線の充電電流
lC1:ZCT貫通地絡電流
Ig:全地絡電流(lC1+lC2)
図2において全地絡電流Igから零相変流器以降の自配電線の充電電
を貫通することになります。
流IC2を差し引いた電流IC1が零相変流器(ZCT)
したがってZCT貫通地絡電流IC1は次式にて求められます。
図2
IC1=√
3E×2πfC1
計算式 (E=3300 V C1=0.5 μF f=60 Hzの場合)
IC1=√3×3300×2π×60×0.5×10−6=1.08(A)
回路電圧
lc1
周波数 コンデンサ容量(一相当り)
C1は一相当りの値であり、三相回路ではC1 μF×3の接地用コンデンサ
が選定対象となります。
(同様にして算出した各容量のZCT貫通地絡電流を表1に示します。)
ZCT貫通地絡電流IC1(A)
静電容量
C1(μF)
(一相当り)
50 Hz
60 Hz
50 Hz
60 Hz
0.1
0.180
0.215
0.359
0.431
0.2
0.359
0.431
0.718
0.862
0.3
0.539
0.646
1.082
1.292
0.4
0.718
0.862
1.442
1.722
0.5
0.898
1.082
1.802
2.152
3300 V
6600 V
(注)ZCT貫通地絡電流IC1が地絡継電器の動作電流整定値を余裕をもって超えるよ
う、C1の値を選定してください。
地絡継電器の動作電流整定値は0.1∼0.8 A程度です。
(一般には0.2 Aまたは0.4 A)、
この動作電流整定値をIC1が裕度をもっ
て超えるようにC1の値を選定してください。
表1
接地用コンデンサの容量は、地絡継電器の動作電流整定値によって
決まります。
動作電流整定値<IC1(裕度をもって超える値に容量を選定)
30
CAT.3000D
接地用コンデンサ
寸法図(mm)
端子部詳細図
φ30
MAX.120
70
100
4 -12×16長穴
取付ピッチ 455×70
M6
18
400
455
490
配電線
(14∼38 mm2用)
端子保護キャップ
140
140
6600 V・3300 V
端子の締付トルクは、3±0.6 N・m
社標表示
内部結線図
銘板
吊手
T
T
C
T
接地端子
(電線挿入穴φ8)
E
図1
定格寸法表
3300・6600 V(50 / 60 Hz共用) 三相 屋内外兼用
回路電圧
(V)
6600
3300
寸 法(mm)
静電容量
(μF)
品 番
0.1 × 3
AF6620R3TG3
0.2 × 3
AF6620R6TG3
0.3 × 3
AF6620R9TG3
0.4 × 3
AF6621R2TG3
0.5 × 3
AF6621R5TG3
0.1 × 3
AF3320R3TG3
0.2 × 3
AF3320R6TG3
7.4
0.3 × 3
AF3320R9TG3
6.9
0.4 × 3
AF3321R2TG3
0.5 × 3
AF3321R5TG3
C
質 量
(kg)
油 量
( )
図
7.6
6.8
390
16
6.1
1
5.3
420
18
370
15
5.9
7.9
390
16
1
6.4
5.9
(注)1. 端子部に力が加わらないよう、結線はフレキシブルな電線を使用してください。
(銅バー等による直接接続は行わないでください。)
2. 接地端子の接続は、電線をM8ボルトで確実に締付けてください。締付トルクは、6.5±1N・mです。
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CAT.3000D