サージ吸収用コンデンサ 線路と大地間に接続して、線路に伝搬してきた雷サージや遮断器などの開閉時に発生する急峻なサージを緩和・低減し、変圧 器や回転機などを保護するために使用します。 サージ吸収用コンデンサの耐電圧は発電機等の耐電圧よりも はるかに高く、かつ急しゅんなサージ電圧に対しても安全を 期すため下表のとおりとしております。これはサージ吸収用 コンデンサが回転機に接近しておかれる場合、もし当該コン デンサに故障が生じれば、回転機器からの地絡、または短絡 電流が極めて大きくなり危険な事態を招くためこれを防止す るものです。 規格・性能 設 置 場 所 周 囲 温 度 屋内外兼用、標高1000 m以下 −20∼+50 ℃(24時間平均45 ℃以下、 1年間平均35 ℃以下) 電圧倍数 1.10 1.15 1.20 1.30 1.82 最高許容電圧 最大許容電流 容量許容差 損 失 率 温 度 上 昇 絶 縁 強 度 耐電圧試験 許容印加時間 24時間のうち12時間以内 24時間のうち30分以内 5分以内 1分以内 2秒以内 ただし、1.15倍を超える電圧の印加は、コンデンサの寿命を 通じて200回を超えないものとする。 定格電流の130 %(ただし、静電容量の実測値が静電容量許 容差内でプラス側のものは、その分だけ更に増加を認める。) 定格値に対して−5∼+15 %(at 20 ℃) (三相コンデンサの各相の静電容量の最大値と最小値との比は1.08以下) 0.2 %以下 (at 20 ℃、定格電圧) ※直列抵抗内蔵品の直列抵抗分損失は除く 10 ℃以下 (at 35 ℃、定格電圧) 直列抵抗内蔵品 30 ℃以下 (at 35 ℃、定格電圧) 3300 V:16 / 45 kV 6600 V:22 / 60 kV 11000 V:28 / 90 kV 22000 V:50 / 150 kV Vo P 回 転 機 線路 R C 線路端子相互間、線路端子一括外箱間 回路電圧 試 験 電 圧 3300 V 16 kVAC(1分) 45 kVDC(10秒) 6600 V 22 kVAC(1分) 60 kVDC(10秒) 11000 V 28 kVAC(1分) 90 kVDC(10秒) 22000 V 50 kVAC(1分) 150 kVDC(10秒) ※直列抵抗内蔵品は、直流耐圧のみとする。 内部自己インダクタンス 塗 装 色 準 拠 規 格 図1 2 μH以下 ※直列抵抗内蔵品は除く マンセル 5Y7 / 1色 JEM 1362(1999) 電 圧 R1 > R2 R1 → C1 < C2 R2 → C1' < C2' 原理と効用 サージ吸収用コンデンサの効果を説明するために、図1に示すように これと並列に保護コンデ 回転機を集中等価抵抗Rを用いて表わし、 なる進行波が波動インピー ンサCが接続された回路にVO=EOH(t) P点における電流ipは、 ダンスZの線路から侵入した状態を考えると、 RおよびCの端子電圧をVCとして C1 C2 C1' C2' 1 dVC 1 ip=C + VC (2VO−VC) dt R Z d この式を整理して、 =p および VO=EOH(t)とおくと、 dt R+Z VC= 2EO H(t)尚 R+Z =αとおくと、 pVC+ CRZ CRZ CZ 2EO 1 2EO VC= ・ H(t)= (1−ε−αt)H(t) CZ p+α αCZ 10 20 30 40 50 60 時間(μs) ( ) 図2 ZおよびRを一定としてCを変化させると回転機の端子電圧VCは図2 のようになります。 またRの小さい程波高値は低減されることが これからCの大きい程、 わかります。R=∞でも、C=0.3 μFにおいて、回転機の端子電圧は、 侵入波の1/2以下に低下して、 サージ吸収用コンデンサの効果が顕 著であることが示されています。 28 CAT.3000D サージ吸収用コンデンサ 寸法図(mm) J D A 140 端子保護キャップ 端子保護キャップ 2 -15×20長穴 2 -15×20長穴 B 端子保護キャップ 社標表示 社標表示 社標表示 銘板 吊手 銘板 接地端子 (電線挿入穴φ8) 図1 接地端子 (電線挿入穴φ8) H H C C C 吊手 銘板 J D A 140 140 吊手 MAX. B+25 E E B MAX. B+25 J D A 140 4 -15×20長穴 取付ピッチ D×E 4 -15×20長穴 取付ピッチ D×E MAX. B+20 E B 4 -12×16長穴 取付ピッチ D×E 図2 図3 端子部詳細図 内部結線図 φ30 M12 T T T M6 T 40 18 接地端子 (電線挿入穴φ8) E E 3本碍子の場合 1本碍子の場合 配電線 (14∼38 mm2用) T 3300, 6600 V 11000, 22000 V 端子の締付トルクは、3±0.6 N・m 端子の締付トルクは、30±6 N・m T T E 直列抵抗内蔵の場合 定格寸法表 (50 / 60 Hz共用) 3300・6600・11000・22000 V 回路電圧 (V) 3300 6600 11000 22000 静電容量 (μF) 品 番 0.1 × 3 0.2 × 3 0.3 × 3 0.4 × 3 0.5 × 3 0.3 0.5 0.1 × 3 0.2 × 3 0.3 × 3 0.4 × 3 0.5 × 3 0.3 0.5 0.1 0.2 0.3 0.5 0.1 0.2 0.3 0.5 AF3320R3TC3 AF3320R6TC3 AF3320R9TC3 AF3321R2TC3 AF3321R5TC3 AF3320R3SC3 AF3320R5SC3 AF6620R3TC3 AF6620R6TC3 AF6620R9TC3 AF6621R2TC3 AF6621R5TC3 AF6620R3SC3 AF6620R5SC3 AF1130R1SC3 AF1130R2SC3 AF1130R3SC3 AF1130R5SC3 AF2230R1SC3 AF2230R2SC3 AF2230R3SC3 AF2230R5SC3 三相 屋内外兼用 寸 法(mm) A B C D E H J 390 490 70 ― 質量 (kg) 油量 ( ) 図 3 3 16 16 7.6 6.8 1 1 3 70 ― 400 390 1 450 490 620 150 150 530 640 580 740 870 720 25 28 110 100 16 16 18 455 455 95 ― 1 225 155 585 95 685 90 225 355 16 21 400 530 図 端子数 1 390 420 530 油量 ( ) 71 18 390 490 16 400 420 100 質量 (kg) 7.6 6.8 6.1 5.4 5.9 7.6 7.1 6.8 6.6 9.7 8.3 8.3 6.8 5.9 11.3 9.9 13.7 18.1 15.6 25.4 22.2 21.9 3 455 100 端子数 1 630 30 38 32 51 1 1 1 2 2 3 (注)1. 端子部に力が加わらないよう、結線はフレキシブルな電線を使用してください。 (銅バー等による直接接続は行わないでください。) 2. 接地端子の接続は、電線をM8ボルトで確実に締付けてください。締付トルクは、6.5±1N・mです。 (50 / 60 Hz共用) 3300・6600 V 回路電圧 (V) 3300 6600 三相 屋内外兼用 直列抵抗内蔵品(100Ω) 静電容量 (μF) 品 番 0.1 × 3 0.1 × 3 AF3320R3TC4 AF6620R3TC4 寸 法(mm) A 490 490 B 100 100 C 390 390 D 455 455 E 70 70 H ― ― J 400 400 (注)1. 端子部に力が加わらないよう、結線はフレキシブルな電線を使用してください。(銅バー等による直接接続は行わないでください。) 2. 接地端子の接続は、電線をM8ボルトで確実に締付けてください。締付トルクは、6.5±1N・mです。 29 CAT.3000D 接地用コンデンサ 絶縁変圧器の二次側の線路と大地間に接続して、負荷側で発生した地絡事故に対して地絡継電器または漏電遮断器を動作 させるのに十分な電流が流れるように、線路と大地間の静電容量を補償するものです。 接地用コンデンサの耐電圧は、それを組み合わせて使用される零相 変流器と絶縁協調をとりJEM1362の10 / 30 kVまたは16 / 45 kV を採用しております。 規格・性能 屋内外兼用、標高1000 m以下 −20∼+50 ℃(24時間平均45 ℃以下、 1年間平均35 ℃以下) 設 置 場 所 周 囲 温 度 電圧倍数 1.10 1.15 1.20 1.30 1.82 最高許容電圧 許容印加時間 24時間のうち12時間以内 24時間のうち30分以内 5分以内 1分以内 2秒以内 ただし、1.15倍を超える電圧の印加は、コンデンサの寿命を 通じて200回を超えないものとする。 定格電流の130 %(ただし、静電容量の実測値が静電容量許 容差内でプラス側のものは、その分だけ更に増加を認める。) 定格値に対して−5∼+15 %(at 20 ℃) (各相の静電容量の最大値と最小値との比は1.08以下) 0.2 %以下(at 20 ℃、定格電圧) 10 ℃以下(at 35 ℃、定格電圧) 3300 V:10 / 30 kV 6600 V:16 / 45 kV 最大許容電流 容量許容差 損 失 率 温 度 上 昇 絶 縁 強 度 零相変流器 絶縁変圧器Tr OCB ZCT 線路端子相互間、線路端子一括外箱間 耐電圧試験 回路電圧 3300 V 6600 V 試 験 電 圧 10 kVAC(1分) 30 kVDC(10秒) 16 kVAC(1分) 45 kVDC(10秒) マンセル 5Y7 / 1色 JEM 1362(1999) 塗 装 色 準 拠 規 格 PT 接 地 用 コンデンサ 接地用コンデンサは零相変流器よりも一次側に設置してください。 図1 原理と効用 ZCT 絶縁変圧器の二次側の地絡事故に対して、絶縁変圧器と零相変流器 (ZCT)の距離が短い場合には、線路の対地静電容量が小さく地絡継 電器を動作させるのに十分なZCT貫通地絡電流が得られないため、接 地用コンデンサを使用して線路の対地静電容量を増大させます。 接地用コンデンサを用いて線路対地間静電容量を補償したとき、 1線完 全地絡の場合の全地絡電流は次の式にて計算されます。 C1 事故点 C2 lc1 lc1 + lc2 lc2 = lg 3E×2πfC Ig=3jωCEa=j√ Ig:全地絡電流(A) Ea:相電圧(V) E:線間電圧(V) C:系統の一相当りの対地静電容量(F)(C=C1+C2) C1:接地用コンデンサ C2:自配電線の対地静電容量 IC2:自配電線の充電電流 lC1:ZCT貫通地絡電流 Ig:全地絡電流(lC1+lC2) 図2において全地絡電流Igから零相変流器以降の自配電線の充電電 を貫通することになります。 流IC2を差し引いた電流IC1が零相変流器(ZCT) したがってZCT貫通地絡電流IC1は次式にて求められます。 図2 IC1=√ 3E×2πfC1 計算式 (E=3300 V C1=0.5 μF f=60 Hzの場合) IC1=√3×3300×2π×60×0.5×10−6=1.08(A) 回路電圧 lc1 周波数 コンデンサ容量(一相当り) C1は一相当りの値であり、三相回路ではC1 μF×3の接地用コンデンサ が選定対象となります。 (同様にして算出した各容量のZCT貫通地絡電流を表1に示します。) ZCT貫通地絡電流IC1(A) 静電容量 C1(μF) (一相当り) 50 Hz 60 Hz 50 Hz 60 Hz 0.1 0.180 0.215 0.359 0.431 0.2 0.359 0.431 0.718 0.862 0.3 0.539 0.646 1.082 1.292 0.4 0.718 0.862 1.442 1.722 0.5 0.898 1.082 1.802 2.152 3300 V 6600 V (注)ZCT貫通地絡電流IC1が地絡継電器の動作電流整定値を余裕をもって超えるよ う、C1の値を選定してください。 地絡継電器の動作電流整定値は0.1∼0.8 A程度です。 (一般には0.2 Aまたは0.4 A)、 この動作電流整定値をIC1が裕度をもっ て超えるようにC1の値を選定してください。 表1 接地用コンデンサの容量は、地絡継電器の動作電流整定値によって 決まります。 動作電流整定値<IC1(裕度をもって超える値に容量を選定) 30 CAT.3000D 接地用コンデンサ 寸法図(mm) 端子部詳細図 φ30 MAX.120 70 100 4 -12×16長穴 取付ピッチ 455×70 M6 18 400 455 490 配電線 (14∼38 mm2用) 端子保護キャップ 140 140 6600 V・3300 V 端子の締付トルクは、3±0.6 N・m 社標表示 内部結線図 銘板 吊手 T T C T 接地端子 (電線挿入穴φ8) E 図1 定格寸法表 3300・6600 V(50 / 60 Hz共用) 三相 屋内外兼用 回路電圧 (V) 6600 3300 寸 法(mm) 静電容量 (μF) 品 番 0.1 × 3 AF6620R3TG3 0.2 × 3 AF6620R6TG3 0.3 × 3 AF6620R9TG3 0.4 × 3 AF6621R2TG3 0.5 × 3 AF6621R5TG3 0.1 × 3 AF3320R3TG3 0.2 × 3 AF3320R6TG3 7.4 0.3 × 3 AF3320R9TG3 6.9 0.4 × 3 AF3321R2TG3 0.5 × 3 AF3321R5TG3 C 質 量 (kg) 油 量 ( ) 図 7.6 6.8 390 16 6.1 1 5.3 420 18 370 15 5.9 7.9 390 16 1 6.4 5.9 (注)1. 端子部に力が加わらないよう、結線はフレキシブルな電線を使用してください。 (銅バー等による直接接続は行わないでください。) 2. 接地端子の接続は、電線をM8ボルトで確実に締付けてください。締付トルクは、6.5±1N・mです。 31 CAT.3000D