NJR4265J1 データシート

NJR4265 J1
2013 年 12 月 24 日 作成
超小型・アンテナ一体・信号処理回路内蔵
近距離移動体検知用 24GHz 帯マイクロ波センサモジュール
特徴
 24GHz 帯マイクロ波ドップラーによる移動体検知
外形および概要
NJR4265 J1 は 14x20.4x8.8mm の超小型パッケー
 超小型パッケージ
ジに 24GHz 帯マイクロ波回路・アンテナ・信号処理回路・
 アンテナ~信号処理オールインワン
MCU を内蔵し、単体で近づいてくる人などを検知するこ
 単電源、低消費電力
とが出来る近距離用人感センサです。
 スリープモード搭載
 UART インターフェースによる PC、マイコンとの
双方向通信・制御
 センサ単体でも動作可能
 検知用信号処理搭載
 ランダムな雑音成分を低減し安定した人の検知
 センサ間相互干渉の低減
 検知対象の移動方向(接近・離反)の識別
本製品は、UART インターフェースで PC や他のマイコン
からセンサ状態を制御でき、検知結果は UART で通知し
ます。また、センサ単体でも検知出力が可能です。
信号処理により植栽のゆれやセンサの前を横切る虫な
どによる誤検知を大幅に軽減し安定した検知結果が得
られ、接近・離反の方向も識別します。
単電源/低消費電力で動作し、PC の USB バスパワー
でも動作可能です。また既にマイコンを搭載している機
器などへの組込みにも最適です。
アプリケーション
 省エネ機器
 入退室管理
 ホビー、ロボット
 その他の機器組込み用人感センサ
機能ブロック図
Rev.00 Dec.24,2013 NJR4265J1
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NJR4265 J1
1. 絶対最大定格
項目
規格
標準
-
-
-
最小
0
-40
-40
電源電圧
動作温度
保存温度
最大
6.5
+85
+85
単位
V
℃
℃
備考
単位
備考
2. 性能仕様
2.1. 電気特性 (共通測定条件 Ta=+25℃)
項目
規格
標準
最小
電源仕様
電源電圧
消費電流
移動物検知モード時
スリープモード時
RF 回路仕様
適合規格
送信周波数
E.I.R.P.
周波数温度ドリフト
2次高調波レベル(E.I.R.P.)
最小受信感度
アンテナ特性
半値幅(H 面)
半値幅(V 面)
サイドローブ抑圧比(H 面)
サイドローブ抑圧比(V 面)
最大
3.0
3.3/5.0
5.25
V
-
-
60
4
-
-
mA
mA
24.05
9
-1
-
400
ARIB STD-T73
-
24.25
-
14
-0.7
-
-
-30
-
-
-
-
-
-
87
38
-
-
-
-
-
-
-
GHz
dBm
MHz/℃
dBm
mV
deg.
deg.
dB
dB
当社測定系による
サイドローブなし
サイドローブなし
2.2. アンテナパターン
H面
0
V面
Angle(deg.)
-30
0
-30
30
-20
(dBm)
-10
0
10
30
60
-60
60
-60
-90
Angle(deg.)
90
20
-90
-20
(dBm)
-10
0
10
90
20
3. 環境性能
項目
動作温度
保存温度
湿度
振動
衝撃
規格
-20~+60℃
-40~+80℃
0~95% @+30℃
49.03m/s2 (5G) 条件:30~50Hz、10 分間、XYZ 方向
196.13m/s2 (20G) 条件:ハーフサイン、11msec、XYZ 方向、各 3 回
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4. 検知性能
参考値 (共通測定条件 Ta=+25℃)
項目
検知可能速度範囲
最大検知距離
検知可能角度
参考値
0.25 ~ 1.0
10
+/-35
単位
m/秒
m
deg.
備考
注) 本製品の性能は電気特性で規定させていただきます。ここに示す検知性能は本製品を以下の条件で使用した場合の検知範
囲の一例です。 ご使用される環境等で検知性能は異なりますので 実際の使用環境での十分なご確認をお願い致します。
検知性能の定義
・ 検知可能速度範囲
検知距離が 0.5m/秒の時の距離の 70%となる速度範囲
・ 最大検知可能距離
閾値設定が[999]、または閾値設定端子電圧が VDD の場合の検知可能距離
・ 検知可能角度
検知距離が正面の 70%となる角度
検知性能の測定条件
・ 測定温度
Ta=25 度
・ 検知対象および動作 身長 170cm 体重 70kg の人がセンサに向かい 0.5m/秒の一定速度で接近
・ センサ設置
地面からセンサ中心まで 1m の高さに アンテナの H 面を水平に設置
時速0.5m/秒で接近
検知エリア (上から見た図)
設置高さ 1m
身長 170cm
体重 70kg
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5. 環境雑音低減処理
※ 本製品はIQミキサの信号を利用して従来誤検知要因となっていたランダムな動きや突発的動きの検知を低減し、歩行者などの
連続的な動きを捉える信号処理機能を搭載しており、下記の効果が得られております。 雑音低減の効果はご使用の環境で十
分なご評価をお願い致します。
環境雑音低減処理の効果
・
・
・
・
・
雨 水滴、植栽の風によるゆれ、などランダムな動きによる検知の低減
センサ前を横切る虫など、突発的な動きによる検知の低減
センサ同士の相互干渉の低減
上記の雑音が存在する環境下でセンサに向かい歩く(遠ざかる)人など連続移動する物体を安定して検知
移動方向(接近・離反)を識別
6. インターフェース仕様
6.1. 端子接続
端子番号
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
機能
―
TxD
RxD
閾値設定
検知(接近)
検知(離反)
VDD
―
―
―
GND
I/O
―
O
I
I
O
O
I
―
―
―
―
用途
Option
注1
UART TxD
UART RxD
閾値設定
注2
接近 (検知時 H) 注 3
離反 (検知時 H) 注 3
VDD 入力
内部接続用
注4
内部接続用
注4
内部接続用
注4
GND 接地
注1) Option 端子は、入力専用端子です。 標準仕様ではプログラム等
割り当てられておりません。電気的フローティング状態で使用してください。
注2) アナログ電位を変えることによって閾値を変更できます。
注3) 端子5,6はそれぞれ接近 又は 離反を検知したとき H を出力します。
(最大供給可能電流は 5mA です。)
注4) 内部接続用端子は、電気的なフローティング(非接続)状態にし、
半田付けにて基板に固定してください。モジュール内部接続用端子
同士も接続しないでください。
端子接続図(底面図)
6.2. UART 通信インターフェース仕様
本製品はマイコンを内蔵しており、UARTにより外部のマイコンやPC等から、検知結果の取得、センサーモード
や閾値の設定、各種情報の取得等を行うことが出来ます。
項目
UART 入出力レベル
UART 通信パラメータ
ボーレート
データビット長
ストップビット
パリティ
プロ―制御
仕様・規格
CMOS レベル
単位
-
9600
8
1
奇数(odd)
なし
bps
ビット
ビット
-
-
備考
10kΩ内蔵プルアップ
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7. 動作モード
動作モード/状態
電源ON/リセット
初期化処理モード
移動体検知モード
スリープモード
説明
CPU リセット
初期設定およびセンサ安定化時間待機
初期化完了後起動通知コマンド送出
センサ検知状態に次の変化があった場合に移動体検知コマンドを送出
①
移動物体が接近している
②
移動物体が離反している
③
移動物体が無い
内蔵レギュレータを OFF しアナログ回路ブロックの動作を停止
移動体検知モードに移行する際はセンサ安定まで待機(1 秒程度)
※ウォッチドッグタイマのオーバーフロー時はどのモードからでもリセットされます。
モード遷移表
状態
電源
ON
モード遷移図
イベント
モード モード
セルフ
ウォッチ
変更
変更
リセット
テスト コマンド コマンド
ドッグ
コマンド
完了 (スリー (移動物
タイマ
プ)
検知)
リセット
初期化
処理
モード
×
×
×
×
×
初期化
処理
モード
×
移動物
検知
モード
/
/
/
リセット
移動物
検知
モード
×
×
スリープ
モード
/
スリープ
モード
×
×
/
リセット リセット
移動物
検知 リセット リセット
モード
x:設定不可
/:無視
8. 通信コマンド
8.1. 概要
種類
移動体検知コマンド
モード変更コマンド
設定変更コマンド
情報取得コマンド
リセットコマンド
起動通知コマンド
エラー応答コマンド
通信方向
センサ→ホスト
ホスト→センサ
ホスト→センサ
ホスト⇔センサ
ホスト→センサ
センサ→ホスト
センサ→ホスト
内容
移動体の接近離反を検知した場合センサから送出
モードを変更
各種設定パラメータの書込み
センサ状態、現在のモード、設定パラメータの読出し
センサ内蔵 CPU をリセット
センサの初期化完了時センサから送出
エラー発生時にセンサから送出
有効となるモード
移動体検知モード
移動体検知モード
スリープモード
初期化処理モード
すべてのモード
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8.2. 通信コマンド一覧
センサ→ホスト、センサ→R4265 ともに以下の書式を用います。
@ XXX xx <CR><LF>
@:
XXX:
xx:
<CR><LF>:
コマンドヘッダ
コマンド文字列
英字 1-3 文字 (大文字、小文字を区別)
コマンドパラメータ/設定パラメータ (数値 又は 英字 1 文字 又は “?”)
デリミタ (CR+LF)
内容
移動物検知コマンド
移動物が接近
移動物が離反
移動物が無い
モード変更コマンド
移動物検知モードに変更
スリープモードに変更
設定変更コマンド
接近側閾値を設定
離反側閾値を設定
情報取得コマンド
現在の移動物検知状態を取得
現在の移動物検知状態の応答
現在のモードを取得
現在のモードの応答
コマンド
通信方向
C
L
N
センサ→ホスト
センサ→ホスト
センサ→ホスト
@C<CR><LF>
@L<CR><LF>
@N<CR><LF>
T
U
ホスト→センサ
ホスト→センサ
@T<CR><LF>
@U<CR><LF>
初期状態
SP
SM
ホスト→センサ
ホスト→センサ
@SPxxx<CR><LF>
@SMxxx<CR><LF>
注1.(デフォルト 999)
注1.(デフォルト 999)
Q1
ホスト→センサ
センサ→ホスト
@Q1?<CR><LF>
@C<CR><LF>
@L<CR><LF>
@N<CR><LF>
@Q2?<CR><LF>
@T<CR><LF>
@U<CR><LF>
@SP?<CR><LF>
@SPxxx<CR><LF>
@SM?<CR><LF>
@SMxxx<CR><LF>
@V?<CR><LF>
@Vx.xx<CR><LF>
Q2
ホスト→センサ
センサ→ホスト
書式
備考
接近側閾値を取得
SP
ホスト→センサ
接近側閾値の応答
センサ→ホスト
離反側閾値を取得
SM
ホスト→センサ
離反側閾値の応答
センサ→ホスト
ソフトウェアバージョンを取得
V
ホスト→センサ
ソフトウェアバージョンの応答
センサ→ホスト
リセットコマンド・起動通知コマンド
リセットコマンド
R
ホスト→センサ
@R<CR><LF>
起動完了を通知
W
センサ→ホスト @W<CR><LF>
エラー応答コマンド
セルフテストエラーを通知
ES
センサ→ホスト @ES<CR><LF>
通信エラーを通知
ER
センサ→ホスト @ER<CR><LF>
ウォッチドッグタイムエラーを通知
EW
センサ→ホスト @EW<CR><LF>
注1) 閾値設定可能範囲 1~999 の整数
閾値設定/取得コマンド(SP,SM)の数値と検知距離の関係は以下の式で表せます。
接近
離反
なし
移動物検知モード
スリープモード
注1.
注1.
x.xx:(バージョン)
SP
100
SM
DL =
100
DC : 接近検知距離
DC =
DL : 離反検知距離
単位 : m
注) 検知距離は概算値で、身長 170cm・体重 70kg の人がセンサに向かい正面から 0.5m/秒で歩いた場合を
想定しています。
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9. 外形図
底面
8.3
3.175
1.27
1.27
ピン径 φ0.45
ピン径:φ0.45
推奨スルホール径 φ0.75
3
4.445
8.8
1.27
8.9
20
20.4
8.88
14
側面
1.27
1.27
1.27
1.905
1.905
1.27
1.27
1.27
アンテナ面
寸法公差 ±0.5
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10. 回路例
10.1. PC・マイコンと接続して使用する場合
10.2. センサ単体で使用する場合
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<本製品の使用に関わる注意事項>
1.
当社は、製品の品質、信頼性の向上に努めておりますが、マイクロ波製品はある確率で故障が発生することが
ありますので、当社マイクロ波製品の故障により結果として、人身事故、災害事故、社会的な損害などを生じさ
せることのないように、お客様の責任においてフェールセーフ設計、冗長設計、延焼対策設計、誤動作防止設
計などの安全設計を行い、機器の安全性の確保に十分留意されますようお願いします。
2.
本製品は、特に高度の信頼性が要求される下記の機器にご使用になる場合は、必ず事前に当社営業窓口に
ご相談願います。
・航空宇宙機器
・海底機器
・発電制御機器(原子力、火力、水力など)
・生命維持に関する医療装置
・防災/防犯装置
・可動物の制御機器(自動車、飛行機、鉄道、船舶など)
・各種安全装置
3.
次の行為は本製品の申請時の条件と異なり、電波法令違反となり、厳しい罰則(罰金・懲役等)の適用を受け
ることになりますので絶対におやめください。
① 製品の筐体を開封し、改造すること。
② 製品の表示類の除去すること。
③ 本製品の電源規格範囲 及び 無変調以外で使用すること。
④ その他、電波法及び関連法に基づく変更の工事を行うこと。
本製品を当社申請時と異なる条件でご使用頂く場合、別途お客様のシステムで技術基準適合証明もしくは
工事設計認証を取得頂きますようお願い致します。なお、当該行為があった場合は電波法の定めるところによ
り本製品の表示類を除去しなければなりません。
4.
本製品を取り扱う際には、測定系や人体のア-スをとるなど、必ず静電気対策の御配慮をお願い致します。ま
た、端子への半田づけの際には半田ごての長時間利用はご遠慮ください。(リフロー炉の使用は不可)
5.
外形に強いストレスを加えますと、局部発振周波数に影響を与えますのでご注意下さい。また、定格以上の衝
撃は加えないように取扱い願います。
6.
同一エリア内で複数のモジュールをご使用になる場合は、混信防止を考慮し、ご利用ください。
7.
本仕様書に掲載されている製品の仕様を逸脱した条件でご使用になりますと、製品の劣化、破壊などを招くこ
とがありますので、なさらないように願います。仕様を逸脱した条件でご使用になられた結果、人身事故、災害
事故、社会的な損害などを生じた場合、当社は一切その責任を負いません。
8.
本仕様書に掲載内容は、予告なく変更することがあります。ご使用にあたっては、納入仕様書の取り交わしが
必要です。
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