Arria GXデバイスのDPAを使用した高速差動I/O

9. Arria GX デバイスの DPA を使用
した高速差動 I/O インタフェース
この資料は英語版を翻訳したもので、内容に相違が生じる場合には原文を優先します。こちらの日本語版は参考
用としてご利用ください。設計の際には、最新の英語版で内容をご確認ください。
AGX52009-1.2
はじめに
Arria™ GX デバイス・ファミリは、HyperTransport™ テクノロジ、Rapid I/O、
XSBI、および SPI などのソース・シンクロナス通信プロトコルをサポー
トする最大 840 Mbps の差動 I/O 機能を提供します。
Arria GX デバイスは、高速差動 I/O サポートのための以下の専用回路
を備えています。
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差動 I/O バッファ
送信シリアライザ
受信デシリアライザ
データ・リアラインメント回路
ダイナミック・フェーズ・アライナ(DPA)
シンクロナイザ(FIFO バッファ)
アナログ PLL(Phase-Locked Loop)および fast PLL
高速差動インタフェース向けに、Arria GX デバイスは以下を含む様々な
差動 I/O 規格に対応しています。
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LVDS
HyperTransport テクノロジ
HSTL
SSTL
LVPECL
HSTL、SSTL、および LVPECL I/O 規格は、差動モードでは PLL
クロック入力および出力にのみ使用できます。
この章は、以下の項で構成されています。
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Altera Corporation
2008 年 5 月
9–2 ページの「I/O バンク」
9–4 ページの「差動トランスミッタ」
9–7 ページの「差動レシーバ」
9–11 ページの「差動 I/O 終端」
9–12 ページの「fast PLL」
9–13 ページの「クロック」
9–20 ページの「差動ピン配置ガイドライン」
9–26 ページの「ボード・デザインの検討事項」
9–1
I/O バンク
I/O バンク
Arria GX の入力と出力は、ダイ周辺に位置するバンクに分割されます。
LVDS および HyperTransport テクノロジをサポートする入出力は、
Arria GXデバイスの左側のロウI/Oバンクに配置されています。LVPECL、
HSTL、および SSTL 規格は、差動クロック入力 / 出力として使用する場
合、ダイの特定のトップおよびボトム・バンク(バンク 9 ∼ 12)でサ
ポートされます。差動 HSTL および SSTL 規格は、これらのバンクのピ
ンが DQS ピンとして使用される場合、バンク 3、4、7、および 8 でサ
ポートされます。図 9-1に、ダイ上でのバンクおよびPLLの位置を示します。
9–2
Arria GX デバイス・ハンドブック Volume 2
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2008 年 5 月
Arria GX デバイスの DPA を使用した高速差動 I/O インタフェース
図 9-1. Arria GX の I/O バンク 注 (1)、(2)、(3)、(4)、(5)、および (6)
DQS ×8
PLL7
DQS ×8
DQS ×8
DQS ×8
Bank 2
VREF0B2 VREF1B2
VREF2B2
VREF3B2 VREF4B2
Bank 3
Bank 11
VREF3B1 VREF4B1
Bank 1
VREF2B1
DQS ×8
DQS ×8
DQS ×8
DQS ×8
DQS ×8
VREF0B4 VREF1B4 VREF2B4 VREF3B4 VREF4B4
Bank 4
Bank 9
This I/O bank supports LVDS
and LVPECL standards for input clock
operation. Differential HSTL and
differential SSTL standards are
supported for both input and output
operations. (3)
I/O banks 1 & 2 support LVTTL, LVCMOS,
2.5 V, 1.8 V, 1.5 V, SSTL-2, SSTL-18 class I,
LVDS, pseudo-differential SSTL-2 and pseudo-differential
SSTL-18 class I standards for both input and output
operations. HSTL, SSTL-18 class II,
pseudo-differential HSTL and pseudo-differential
SSTL-18 class II standards are only supported for
input operations. (4)
PLL2
VREF4B8 VREF3B8 VREF2B8 VREF1B8 VREF0B8
DQS ×8
DQS ×8
DQS ×8
DQS ×8
Bank 12
Bank 10
PLL12
PLL6
Transmitter: Bank 13
Receiver: Bank 13
REFCLK: Bank 13
Transmitter: Bank 14
Receiver: Bank 14
REFCLK: Bank 14
I/O banks 7, 8, 10 and 12 support all single-ended I/O
standards for both input and output operations. All differential
I/O standards are supported for both input and output operations
at I/O banks 10 and 12.
This I/O bank supports LVDS
This I/O bank supports LVDS
and LVPECL standards for input clock operation.
and LVPECL standards for input clock
Differential HSTL and differential
operation. Differential HSTL and differential
SSTL standards are supported
SSTL standards are supported
for both input and output operations. (3)
for both input and output operations. (3)
Bank 8
PLL8
PLL5
This I/O bank supports LVDS
and LVPECL standards
for input clock operations. Differential HSTL
and differential SSTL standards
are supported for both input
and output operations. (3)
I/O Banks 3, 4, 9, and 11 support all single-ended
I/O standards for both input and output operations.
All differential I/O standards are supported for both
input and output operations at I/O banks 9 and 11.
PLL1
VREF0B1 VREF1B1
PLL11
VREF0B3 VREF1B3 VREF2B3 VREF3B3 VREF4B3
Transmitter: Bank 15
Receiver: Bank 15
REFCLK: Bank 15
Bank 7
VREF4B7 VREF3B7 VREF2B7 VREF1B7 VREF0B7
DQS ×8
DQS ×8
DQS ×8
DQS ×8
DQS ×8
図 9-1 の注 :
(1)
図 9-1 はシリコン・ダイの上面図で、Flip-chip パッケージの裏面図に相当します。これは参考図です。
(2)
個々のデバイスの VREF グループの数は、デバイスのサイズによって異なります。正確なピン配置については、ピ
ン・リストおよび Quartus®II ソフトウェアを参照してください。
(3)
バンク 9 ∼ 12 は、enhanced PLL 外部クロック出力バンクです。
(4)
水平方向の I/O バンクは、高速差動 I/O 規格のためのトランシーバおよびダイナミック・フェーズ・アラインメ
ント(DPA)回路を搭載しています。
(5)
Quartus II ソフトウェアは、
左側 / 右側の I/O バンクの差動 SSTL および差動 HSTL 規格をサポートしていません。
(6)
PLL および対応する I/O バンクの数は、パッケージ・オプションによって異なります。
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9–3
Arria GX デバイス・ハンドブック Volume 2
差動トランスミッタ
表 9–1 に、Arria GX デバイスの差動チャネルの総数を示します。左側の
バンクにある専用ではないクロックは、データ・レシーバ・チャネルと
しても使用することができます。レシーバ・チャネルの総数には、これ
らの 4 個の専用ではないクロック・チャネルが含まれます。ピン・マイ
グレーションは、
同一のパッケージの異なるサイズのデバイスで可能です。
表 9–1. Arria GX デバイスの差動チャネル
デバイス
484 ピン
FineLine BGA
注 (1)、(2)
780 ピン
FineLine BGA
1,152 ピン
FineLine BGA
EP1AGX20
29 個のトランスミッタ 29 個のトランスミッタ
31 個のレシーバ
31 個のレシーバ
—
EP1AGX35
29 個のトランスミッタ 29 個のトランスミッタ
31 個のレシーバ
31 個のレシーバ
—
EP1AGX50
29 個のトランスミッタ 29 個のトランスミッタ
31 個のレシーバ
31 個のレシーバ
42 個のトランスミッタ
42 個のレシーバ
EP1AGX60
29 個のトランスミッタ 29 個のトランスミッタ 42 個のトランスミッタ
31 個のレシーバ
31 個のレシーバ
42 個のレシーバ
EP1AGX90
—
—
47 個のトランスミッタ
47 個のレシーバ
表 9–1 の注 :
(1)
ピン数には専用 PLL ピンは含まれていません。
(2)
レシーバ・チャネルの総数は、データ・チャネルとして利用可能な 4 個の専用
ではないクロック・チャネルを含みます。
差動
トランスミッタ
Arria GX トランスミッタは、LVDS および HyperTransport 信号方式を
サポートする専用回路を内蔵しています。専用回路は差動バッファ、シ
リアライザ、および共有 fast PLL で構成されています。差動バッファは、
Quartus II ソフトウェアでスタティックに設定される LVDS または
HyperTransport 信号レベルをドライブできます。シリアライザは、パラ
レル・バスから最大 10 ビット幅のデータを内部ロジックから取得し、そ
れをロード・レジスタにクロックし、データを差動バッファに送信する
前にシフト・レジスタを使用してシリアル化します。最上位ビット(MSB)
が最初に送信されます。ロード・レジスタおよびシフト・レジスタは、
diffioclk(シリアル・レートで動作する fast PLL クロック)でクロッ
クされ、fast PLL で生成されるロード・イネーブル信号によって制御さ
れます。シリアライゼーション・ファクタは、Quartus II ソフトウェア
を使用してスタティックに ×4、×5、×6、×7、×8、×9、または ×10 に設定
されます。ロード・イネーブル信号は fast PLL により自動的に生成され、
シリアライゼーション・ファクタの設定から派生します。図 9-2 に、
Arria GX トランスミッタのブロック図を示します。
9–4
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Arria GX デバイスの DPA を使用した高速差動 I/O インタフェース
図 9-2. トランスミッタのブロック図
Serializer
10
TX_OUT
Internal
Logic
diffioclk
Fast PLL
load_en
各 Arria GX トランスミッタ・データ・チャネルは、トランスミッタ・ク
ロック出力として動作するようにコンフィギュレーションできます。こ
の柔軟性により、設計者は出力クロックをデータ出力の近くに配置して、
ボード・レイアウトの簡略化し、クロックとデータ間のスキューを低減
することができます。アプリーションごとに、特定のクロック-データ・
アラインメントまたはデータ・レート-クロック・レート・ファクタが必
要になる場合があります。トランスミッタは、717 MHz の最大周波数と
同じレートでクロック信号を出力できます。出力クロックは、シリアラ
イゼーション・ファクタによって、2、4、8、または 10 で分周すること
も可能です。データに対するクロックの位相は、0° または 180°(エッジ
または中央揃え)に設定できます。fast PLL は、さらに 45° の増分でその
他の位相シフトの追加サポートを提供します。これらの設定は、Quartus II
MegaWizard® ソフトウェアでスタティックに行われます。図 9-3 に、ク
ロック出力モードのトランスミッタを示します。
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9–5
Arria GX デバイス・ハンドブック Volume 2
差動トランスミッタ
図 9-3. クロック出力モードのトランスミッタ
Transmitter Circuit
Parallel
Series
tx_outclock
Internal
Logic
diffioclk
load_en
シリアライザは、DDR(×2)および SDR(×1)の動作をサポートする
ためにバイパスすることができます。I/O エレメント(IOE)には、そ
れぞれが DDR または SDR モードで動作可能な 2 個のデータ出力レジス
タがあります。IOE のレジスタのクロック・ソースは、任意の配線リソー
ス、fast PLL、または enhanced PLL を使用することができます。図 9-4
にバイパス・パスを示します。
図 9-4. シリアライザ・バイパス
IOE Supports SDR, DDR, or
Non-Registered Data Path
IOE
Internal Logic
tx_out
Serializer
Not used (connection exists)
9–6
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Arria GX デバイスの DPA を使用した高速差動 I/O インタフェース
差動レシーバ
レシーバは、拡張データ受信と併せて、高速LVDSおよびHyperTransport
信号方式をサポートする専用回路を内蔵しています。各レシーバは差動
バッファ、ダイナミック・フェーズ・アライナ(DPA)、同期化 FIFO
バッファ、データ・リアラインメント回路、デシリアライザ、および共
有 fast PLL で構成されています。Quartus II ソフトウェアでスタティッ
クに設定することで、差動バッファは LVDS または HyperTransport 信
号レベルを受信します。DPA ブロックは着信データを 8 つのクロック位
相のいずれかに揃えて、レシーバのスキュー・マージンを大きくします。
DPA 回路は、必要ない場合はチャネルごとにバイパスすることができま
す。Quartus II MegaWizard Plug-In Manager でスタティックに、また
はオプションの RX_DPLL_ENABLE ポートを使用してダイナミックに
DPA バイパスを設定します。
シンクロナイザ回路は、DPA ブロックとデシリアライザ間の位相差を補
正する 1 ビット幅 × 6 ビット深度の FIFO バッファです。必要に応じて、
データ・リアラインメント回路はシリアル・ビットストリームに 1 ビッ
トのレイテンシを挿入しワード境界をアラインメントします。デシリア
ライザはシフト・レジスタとパラレル・ロード・レジスタを内蔵し、最
大 10 ビットを内部ロジックに送信します。レシーバのデータ・パスは、
diffioclk信号またはDPA復元クロックによってクロックされます。デ
シリアライゼーション・ファクタは、Quartus II ソフトウェアを使用し
て、スタティックに 4、5、6、7、8、9、または 10 に設定できます。fast
PLL は自動的にロード・イネーブル信号を生成しますが、この信号はデ
シリアライゼーション・ファクタ設定から派生します。
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9–7
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差動レシーバ
図 9-5 に、レシーバのブロック図を示します。
図 9-5. レシーバのブロック図
DPA Bypass Multiplexer
Up to 840 Mbps
+
–
D
Data
Realignment
Circuitry
Q
10
Internal
Logic
Dedicated
Receiver
Interface
data retimed_data
DPA
Synchronizer
DPA_clk
Eight Phase Clocks
8
rx_inclk
Fast
PLL
diffioclk
load_en
Regional or
Global Clock
デシリアライザは、シリアライザと同様に、DDR(×2)および SDR(×1)
の動作をサポートするためにバイパスすることができます。DPA および
データ・リアラインメント回路は、デシリアライザがバイパスされてい
る場合は使用できません。IOE は、DDR または SDR モードで動作可能
な2個のデータ入力レジスタを内蔵しています。IOEのレジスタのクロッ
ク・ソースは、任意の配線リソース、fast PLL、または enhanced PLL を
使用することができます。図 9-6 にバイパス・パスを示します。
図 9-6. デシリアライザ・バイパス
IOE Supports SDR, DDR, or
Non-Registered Data Path
IOE
rx_in
Deserializer
PLD Logic
Array
DPA
Circuitry
9–8
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Arria GX デバイスの DPA を使用した高速差動 I/O インタフェース
レシーバ・データ・リアラインメント回路
データ・リアラインメント回路は、ビット・レイテンシをシリアル・ス
トリームに挿入して、着信データのワード境界をアラインメントします。
オプションの RX_CHANNEL_DATA_ALIGN ポートは、内部ロジックから
個別に制御される各レシーバのビット挿入を制御します。データは
RX_CHANNEL_DATA_ALIGN ポートのパルスごとに 1 ビット・スリップし
ます。RX_CHANNEL_DATA_ALIGN ポートの要件を以下に示します。
■
■
■
■
最小パルス幅は、ロジック・アレイのパラレル・クロックの 1 周期で
す。
パルス間の最小 Low 時間は、パラレル・クロックの 1 周期です。
最大 High または Low 時間はありません。
有効なデータは、RX_CHANNEL_DATA_ALIGN の立ち上がりエッジ
から 2 パラレル・クロック・サイクル後に利用可能になります。
図 9-7 に、デシリアライゼーション・ファクタを 4 に設定した状態での、
1 ビット・スリップ・パルス後のレシーバ出力(RX_OUT)を示します。
図 9-7. データ・リアラインメント・タイミング
inclk
rx_in
3
1
2
0
3
2
1
0
3
2
1
0
rx_outclock
rx_channel_data_align
rx_out
3210
321x
xx21
0321
データ・リアラインメント回路は、ロールオーバーが発生する前に最大
11 ビット時間を挿入することができます。プログラマブル・ビットの
ロールオーバー・ポイントは、デシリアライゼーション・ファクタに関
係なく、1 ∼ 11 ビット時間にすることができます。プリセット・ロール
オーバー・ポイントに達したことを示すために、各チャネルから FPGA
にオプションのステータス・ポート RX_CDA_MAX が提供されます。
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9–9
Arria GX デバイス・ハンドブック Volume 2
差動レシーバ
ダイナミック・フェーズ・アライナ
DPA ブロックは差動入力バッファから高速シリアル・データを取り込
み、8 つの位相クロックの 1 つを選択して、データをサンプリングしま
す。DPA はシリアル・データの位相に最も近い位相を選択します。デー
タと位相調整済みクロックの間の最大位相オフセットは 1/8 UI であり、
これは DPA の最大量子化誤差です。8 つの位相は均等に分割され、分解
能は 45° となります。図 9-8 に、DPA クロックと着信シリアル・データ
間の可能な位相関係を示します。
図 9-8. DPA クロック位相とデータ・ビットの関係
rx_in
D0
D1
D2
D3
D4
Dn
0˚
45˚
90˚
135˚
180˚
225˚
270˚
315˚
Tvco
0.125Tvco
各 DPA ブロックは着信データ・ストリームの位相を継続的にモニタし、
必要に応じて、新しいクロック位相を選択します。新しいクロック位相
の選択は、RX_DPLL_HOLD オプションのポートにより回避することがで
きます。このオプションは各チャネルに提供されます。
9–10
Arria GX デバイス・ハンドブック Volume 2
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Arria GX デバイスの DPA を使用した高速差動 I/O インタフェース
DPA ブロックは、トレーニング・パターンおよびトレーニング・パター
ンの 256 回以上のトレーニング・シーケンスを必要とします。トレーニ
ング・パターンは固定されていないため、ユーザーは少なくとも 1 回の
遷移がある任意のトレーニング・パターンを使用することができます。
オプションの出力ポート RX_DPA_LOCKED が内部ロジックに提供されて
おり、DPA ブロックが着信データ位相に最も近い位相に安定したことを
示します。新しい位相が選択されたかまたは DPA が同じ方向に 2 位相
移 動 し た と き、Quartus II MegaWizard Plug-In で の 選 択 に 応 じ て、
RX_DPA_LOCKED がディアサートされます。RX_DPA_LOCKED がディア
サートされたときでも、
データが有効な場合があります。
RX_DPA_LOCKED
がディアサートされたとき、データ・チェッカを使用してデータの正当
性を確認します。
DPA 回路をリセットするために、独立したリセット・ポート RX_RESET
を使用できます。DPA 回路はリセット後に再トレーニングする必要があ
ります。
シンクロナイザ
シンクロナイザは、DPA 回路の復元クロックとレシーバ内のその他の部
分をクロックする diffioclk 間の位相差を補正する、1 ビット × 6 ビッ
トの深度の FIFO バッファです。シンクロナイザは位相差を補正するの
みで、データとレシーバの INCLK 間の周波数差は補正できません。オプ
ションのポート RX_FIFO_RESET は内部ロジックで使用でき、シンクロ
ナイザをリセットします。シンクロナイザは、DPA が受信データを最初
にロックすると自動的にリセットします。アルテラは、DPA が初期ロッ
ク状態から外れてロック状態を喪失したときに RX_FIFO_RESET を使用
してシンクロナイザをリセットすることを推奨しています。
差動 I/O 終端
Arria GX デバイスは、LVDS および HyperTransport 規格用の各差動レ
シーバ・チャネルのオンチップ 100Ω 差動終端オプションを提供します。
On-Chip Termination(OCT: チップ内終端)により、外部終端抵抗を用
意する必要がないため、ボード・デザインが簡素化され、バッファと終
端抵抗間のスタブに起因する反射が低減されます。Quartus II アサイン
メント・エディタで、On-Chip Termination をイネーブルできます。サ
ポートされている差動データ・レートの全範囲で差動On-Chip Termination
がサポートされています。
差動 On-Chip Termination について詳しくは、「Arria GX デバイス・ハ
ンドブック Volume 1」の「DC およびスイッチング特性」の章を参照し
てください。
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9–11
Arria GX デバイス・ハンドブック Volume 2
fast PLL
図 9-9 に、On-Chip Termination を示します。
図 9-9. 差動 On-Chip Termination
Arria GX Differential
Receiver with On-Chip
100 Ω Termination
LVDS/HT
Transmitter
Z0 = 50 Ω
RD
Z0 = 50 Ω
差動 On-Chip Termination は、すべてのロウ I/O ピンおよびクロック・
ピン CLK[0, 2, 8, 10] でサポートされています。クロック・ピン
CLK[1, 3, 9, 11]、FPLL[7..10]CLK、トップおよびボトム I/O バ
ンク(CLK[4..7, 12..15])のクロックは、差動 On-Chip Termination
をサポートしていません。
fast PLL
高速差動 I/O レシーバおよびトランスミッタ・チャネルは、fast PLL を
使用して、パラレル・グローバル・クロック(rx- または tx- クロッ
ク)および高速クロック(diffioclk)を生成します。図 9-10 に fast
PLL の位置を示します。fast PLL VCO はデータ・レートのクロック周波
数で動作します。各 fast PLL は、シングル・シリアル・データ・レート
をサポートしますが、使用できるのは(C0 および C1 fast PLL クロック
出力からの)2 つの独立したシリアライゼーション・ファクタとデシリ
アライゼーション・ファクタです。高速差動 I/O サポート・モードでは、
クロック・スイッチオーバとダイナミック fast PLL リコンフィギュレー
ションが使用できます。
fast PLL につ いて詳し くは、「Arria GX ハンドブック Volume 2」の
「Arria GX デバイスの PLL」の章を参照してください。
9–12
Arria GX デバイス・ハンドブック Volume 2
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Arria GX デバイスの DPA を使用した高速差動 I/O インタフェース
図 9-10 に、高速差動 I/O サポート・モードの fast PLL のブロック図を
示します。
図 9-10. fast PLL ブロック図
Global or
regional clock (2)
Clock (1)
Switchover
Circuitry
VCO Phase Selection
Selectable at each PLL
Output Port
Phase
Frequency
Detector
diffioclk0 (3)
4
loaden0 (4)
÷c0
(5)
Clock
Input
Post-Scale
Counters
÷n
PFD
Charge
Pump
Loop
Filter
VCO
÷k
diffioclk1 (3)
8
loaden1 (4)
÷c1
4
Global clocks
÷c2
4
Global or
regional clock (2)
8
Regional clocks
÷c3
÷m
8
Shaded Portions of the
PLL are Reconfigurable
to DPA block
図 9-10 の注 :
(1)
Arria GX の fast PLL は、マニュアル・クロック・スイッチオーバーのみサポートします。
(2)
グローバルまたはリージョナル・クロック入力は、別の PLL からの出力、ピンでドライブされる専用グローバル
またはリージョナル・クロックによってドライブできます。あるいは、別の PLL からの出力またはピンでドライ
(3)
ブされる専用のグローバルもしくはリージョナル・クロックからクロック・コントロール・ブロックにクロック
が供給される場合には、クロック・コントロール・ブロックを通してドライブできます。
高速差動 I/O サポート・モードでは、SERDES にこの高速 PLL クロックが供給されます。Arria GX デバイスは、
(4)
この信号は、高速差動 I/O サポート SERDES コントロール信号です。
(5)
デザインが ÷2 カウンタをイネーブルする場合、デバイスは 150 ∼ 520 MHz の VCO 周波数範囲を使用できます。
高速差動 I/O サポート・モードでは、fast PLL あたり 1 つのデータ転送レートのみサポートします。
クロック
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fast PLL は LVDS/DPA クロック・ネットワークを通して、差動レシー
バおよびトランスミッタ・チャネルに供給されます。センター fast PLL
は、それらの上のバンクまたは下のバンクに個別に供給できます。コー
ナー PLL は、それらに隣接するバンクにのみ供給できます。
9–13
Arria GX デバイス・ハンドブック Volume 2
クロック
図 9-11 および図 9-12 に、Arria GX の fast PLL および LVDS/DPA クロッ
クを示します。
図 9-11. EP1AGX20C、EP1AGX35C/D、EP1AGX50C/D、および EP1AGX60C/D デバイスの Fast
PLL および LVDS/DPA クロック
4
LVDS
Clock
DPA
Clock
Quadrant
Quadrant
4
2
2
Fast
PLL 1
No Fast PLLs on
Right Side of
Arria GX Devices
Fast
PLL 2
4
4
LVDS
Clock
DPA
Clock
9–14
Arria GX デバイス・ハンドブック Volume 2
Quadrant
Quadrant
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Arria GX デバイスの DPA を使用した高速差動 I/O インタフェース
図 9-12. EP1AGX60E および EP1AGX90E デバイスの fast PLL および LVDS/DPA クロック
Fast
PLL 7
2
4
LVDS
Clock
DPA
Clock
Quadrant
Quadrant
4
2
Fast
PLL 1
No Fast PLLs on
Right Side of
Arria GX Devices
Fast
PLL 2
2
Quadrant
4
LVDS
Clock
Quadrant
DPA
Clock
2
Fast
PLL 8
ソース同期タイミング制限
この項では、Arria GX デバイスでのソース同期信号方式のタイミング制
約、波形、および仕様について説明します。LVDS および HyperTransport
I/O 規格は高速データ送信を可能にします。この高速のデータ送信レー
トは、システム全体の性能向上をもたらします。高速システム性能を活
用するには、これらの高速信号のタイミング解析方法を理解することが
重要です。差動ブロックのタイミング解析は、従来の同期タイミング解
析とは異なります。
ソース同期タイミング解析は、クロック-出力時間およびセットアップ時
間に的を絞るのではなく、データとクロック信号間のスキューに基づい
ています。高速差動データ伝送には IC ベンダが提供するタイミング・パ
ラメータを使用する必要があり、またボード・スキュー、ケーブル・ス
キュー、およびクロック・ジッタに強い影響を受けます。この項では、
ソース同期差動データ方向タイミング・パラメータ、Arria GX デバイス
のタイミング制約の定義、およびこれらのタイミング・パラメータによ
るデザインの最大性能の決定方法を定義します。
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9–15
Arria GX デバイス・ハンドブック Volume 2
クロック
差動データ方向
外部クロックと受信データの間には一定の関係があります。840 Mbps お
よび SERDES 係数 10 の動作では、
外部クロックを 10 逓倍し、またフェー
ズ・アラインメントを PLL で各データ・ビットのサンプリング・ウィン
ドウと一致するよう設定できます。データは逓倍されたクロックの立ち
下がりエッジでサンプリングされます。図 9-13 に、×10 モードのデー
タ・ビット方向を示します。
図 9-13. Quartus II ソフトウェアにおけるビット方向
inclock/outclock
10 LVDS Bits
MSB
data in
n-1
n-0
9
8
7
6
5
4
3
LSB
2
1
0
high-frequency clock
差動 I/O のビット位置
高周波でのデータ伝送を成功させるにはデータの同期化が必要です。図 914 に、チャネル動作のデータ・ビット方向を示します。これらの図は以
下をベースとしています。
■
■
■
SERDES 係数はクロック逓倍係数と同等
エッジ・アラインメントはフェーズ・アラインメントに選択
ハード SERDES に実装
その他のシリアル変換係数は、Quartus II ソフトウェア・ツールを使用
してワード内のビット位置を検索します。デシリアライゼーション後の
ビット位置は、表 9–2 に表記されています。
9–16
Arria GX デバイス・ハンドブック Volume 2
Altera Corporation
2008 年 5 月
Arria GX デバイスの DPA を使用した高速差動 I/O インタフェース
図 9-14 は機能波形を示します。タイミング波形は、異なった結果を生じ
ることがあります。アルテラは、実際のデバイス動作を予測するために
タイミング・シミュレーションを行うことを推奨しています。
図 9-14. 差動データの 1 個のチャネルのビット・オーダ
Transmitter Channel
Operation (x8 Mode)
tx_outclock
Previous Cycle
tx_out
X
X
X
X
X
X
X
Current Cycle
7
X
6
5
4
3
Next Cycle
2
1
MSB
0
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
LSB
Receiver Channel
Operation (x4 Mode)
rx_inclock
rx_in
3
2
1
0
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
rx_outclock
XXXX
rx_out [3..0]
XXXX
XXXX
3210
Receiver Channel
Operation (x8 Mode)
rx_inclock
rx_in
7
6
5
4
3
2
1
0
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
X
rx_outclock
rx_out [7..0]
XXXXXXXX
XXXXXXXX
XXXX7654
3210XXXX
表 9–2 に、18 個の差動チャネルの差動ビットの命名規則を示します。最
上位ビット(MSB)および最下位ビット(LSB)の位置は、システムで
使用されるチャネル数が増えると増加します。
表 9–2. LVDS ビットの命名 (1 / 2)
内部 8 ビット・パラレル・データ
レシーバ・チャネル・
最上位ビット(MSB) 最下位ビット(LSB)
データ番号
の位置
の位置
Altera Corporation
2008 年 5 月
1
7
0
2
15
8
3
23
16
4
31
24
5
39
32
6
47
40
7
55
48
9–17
Arria GX デバイス・ハンドブック Volume 2
クロック
表 9–2. LVDS ビットの命名 (2 / 2)
内部 8 ビット・パラレル・データ
レシーバ・チャネル・
最上位ビット(MSB) 最下位ビット(LSB)
データ番号
の位置
の位置
8
63
56
9
71
64
10
79
72
11
87
80
12
95
88
13
103
96
14
111
104
15
119
112
16
127
120
17
135
128
18
143
136
DPA 以外の回路のレシーバ・スキュー・マージン
温度、媒体(ケーブル、コネクタ、または PCB)、装荷、レシーバのセッ
トアップおよびホールド時間、内部スキューなどのシステム環境におけ
る変化により、レシーバのサンプリング・ウィンドウが減少します。レ
シーバのクロック入力およびデータ入力サンプリング・ウィンドウ間の
タイミング・マージンは、レシーバ・スキュー・マージン(RSKM)と
呼ばれます。図 9-15 に、RSKM とレシーバのサンプリング・ウィンドウ
の関係を示します。
TCCS、RSKM、およびサンプリング・ウィンドウ仕様は、DPA のない
高速ソース同期差動信号に使用されます。DPA を使用する場合、これら
の仕様はより簡単なシングル DPA ジッタ許容仕様と交換されます。例
えば、DPA 付き各入力で異なる位相のクロックを選択する理由がレシー
バ・スキューの場合、このマージンの要件は排除されます。
9–18
Arria GX デバイス・ハンドブック Volume 2
Altera Corporation
2008 年 5 月
Arria GX デバイスの DPA を使用した高速差動 I/O インタフェース
図 9-15. DPA がない場合の差動高速タイミング図およびタイミングの制約
Timing Diagram
External
Input Clock
Time Unit Interval (TUI)
Internal
Clock
TCCS
TCCS
Receiver
Input Data
Sampling
Window (SW)
RSKM
tSW (min)
Bit n
Timing Budget
RSKM
Internal tSW (max)
Bit n
Clock
Falling Edge
TUI
External
Clock
Clock Placement
Internal
Clock
Synchronization
Transmitter
Output Data
RSKM
RSKM
TCCS
TCCS
2
TSWEND
Receiver
Input Data
TSWBEGIN
Altera Corporation
2008 年 5 月
Sampling
Window
9–19
Arria GX デバイス・ハンドブック Volume 2
差動ピン配置ガイドライン
差動ピン配置
ガイドライン
適切な高速動作を確実に実行させるために、差動ピン配置ガイドライン
が提供されています。Quartus II コンパイラは、これらのガイドライン
に準拠しているかどうか自動的にチェックし、準拠していない場合はエ
ラー・メッセージを表示します。PLL ドライブ距離情報は、DPA を使用
する場合としない場合のガイドラインに分かれています。
高速差動 I/O およびシングル・エンド I/O
差動チャネルまたはサイド・バンクのチャネルが(DPA を使用してまた
は使用しないで)使用されている場合、以下の項のガイドラインに準拠
する必要があります。
■
■
■
■
シングル・エンド I/O 規格が LVDS バンクと同じ VCCIO を使用してい
る限り、LVDS チャネル(DPA 付きまたはなし)と同じバンクにシ
ングル・エンド I/O を配置できます。
シングル・エンド入力は、同じロジック・アレイ・ブロック(LAB)
ロウに配置することができます。出力は LVDS I/O と同じ LAB ロ
ウに配置することはできません。入力レジスタが I/O セル(IOC)
で使用されている場合、シングル・エンド入力を LVDS SERDES ブ
ロックと同じ LAB ロウに配置することはできません。
LVDS(非 SERDES)の I/O は LVDS SERDES と同じロウに配置できま
すが、IOC レジスタを使用することはできません。
シングル・エンド出力は、LVDS バンク(DPA 付きまたはなし)で
は、120 mA のドライブ強度に制限されています。
●
LVDSバンクにおける最大I/O数に対するLVTTLの式は以下のとおりで
す。
•
120 mA =(LVTTL 出力数)×(各 LVTTL 出力のドライブ強度)
●
SSTL-2 の式 :
•
120 mA = (SSTL-2 I/O 数)×(各出力のドライブ強度)÷ 2
●
LVTTL および SSTL-2 混在時の式 :
•
120 mA= (すべての LVTTL 出力の合計ドライブ強度)+ (すべて
の SSTL2 出力の合計ドライブ強度)÷ 2
9–20
Arria GX デバイス・ハンドブック Volume 2
Altera Corporation
2008 年 5 月
Arria GX デバイスの DPA を使用した高速差動 I/O インタフェース
■
■
シングル・エンド入力は、SERDES 回路を使用する差動チャネルと
同じロウに配置できますが、IOE 入力レジスタは差動 I/O と同じ
LAB に配置されたシングル・エンド I/O に使用することはできませ
ん。SERDES 差動チャネルと同じ LAB ロウ内に配置された SERDES
以外の差動入力にも、入力レジスタに対するルールと同じルールが
適用されます。入力レジスタはコア・ロジック内に実装する必要が
あります。SERDES 差動チャネルと同じ LAB ロウ内に配置された
SERDES 以外の差動入力にも、入力レジスタに対するルールと同じ
ルールが適用されます。
図 9-16 に示すように、シングル・エンド出力ピンは差動出力ピンか
ら少なくとも 1 つの LAB ロウだけ離れている必要があります。
図 9-16. 差動 I/O ピンを基準にしたシングル・エンド出力ピンの配置
Single-Ended Output Pin
Differential I/O Pin
Single_Ended Input
Single-Ended Outputs
Not Allowed
Row Boundary
DPA を使用する場合のガイドライン
Arria GX デバイスは、デバイスのロウ・バンクに差動レシーバおよびト
ランスミッタを搭載しています。各レシーバは、クロックの位相を関連
するチャネルのデータ位相にアラインメントするための専用 DPA 回路
を備えています。チャネル(1 個または複数)が DPA モードで使用され
ている場合、以下のガイドラインに準拠する必要があります。
Altera Corporation
2008 年 5 月
9–21
Arria GX デバイス・ハンドブック Volume 2
差動ピン配置ガイドライン
fast PLL/DPA チャネルのドライブ距離
■
■
各センターまたはコーナーfast PLL でドライブされる DPA チャネル
の数が 25 LAB ロウを超える場合、アルテラはすべての DPA チャネ
ルのためのデータ・リアライメント(ビット・スリップ)回路を実
装することを推奨します。
センターfast PLLの1つが、その上および下のバンクでDPAチャネル
をドライブする場合、他のセンター fast PLL は DPA に使用できま
せん。
コーナーおよびセンター fast PLL の使用
■
■
コーナーPLL が 1 つのグループを、センターfast PLL が別のグループ
をドライブするというように、差動バンクが 2 個の fast PLL でドラ
イブされている場合、少なくとも 1 つのロウで 2 つの DPA チャネ
ル・グループを分割する必要がありますが、2 つの DPA チャネル・
グループは別々の周波数で動作できます(図 9-17 参照)。この 2 つ
のグループは別々の周波数で動作できます。すべてのチャネルがダ
イにボンディングされているわけではありません。I/O サポートの
有無に関わらず、各 LAB ロウはチャネルと見なされます。
1 個の fast PLL が DPA チャネルおよび DPA 以外のチャネルをドライ
ブしている場合でも、DPA チャネルが連続している限り分離させる
必要はありません。
9–22
Arria GX デバイス・ハンドブック Volume 2
Altera Corporation
2008 年 5 月
Arria GX デバイスの DPA を使用した高速差動 I/O インタフェース
図 9-17. シングル・バンクの DPA チャネルをドライブするコーナーおよ
びセンター PLL の使用
Fast PLL
Corner PLL
Used for DPA
Ref CLK
Ref Clk
Diff I/O
Diff I/O
Diff I/O
Diff I/O
Channels Driven
by Corner PLL
Diff I/O
Unused
One Unused
Channel for Buffer
Diff I/O
Diff I/O
Channels Driven
by Center PLL
Diff I/O
Diff I/O
Diff I/O
Ref CLK
Fast PLL
Ref Clk
Center PLL
両方のセンター fast PLL の使用
Altera Corporation
2008 年 5 月
■
両方のセンター fast PLL が隣接するエリアでのみ DPA チャネルをドライブ
する場合、それらを DPA に使用することができます(図 9-18 参照)。
■
fast PLL の 1 つがトップ・バンクとボトム・バンクをドライブする場
合、またはセンター fast PLL がバンクをクロスしてドライブしてい
る(例えば、下側の fast PLL がトップ・バンクをドライブし、トッ
プ fast PLL が下側のバンクをドライブする)場合、両方のセンター
fast PLL を DPA に使用することはできません。
9–23
Arria GX デバイス・ハンドブック Volume 2
差動ピン配置ガイドライン
図 9-18.DPA チャネルをドライブするときのセンター fast PLL の使用
DPA
DPA
Channels Driven by
the Upper Center PLL
DPA
DPA
DPA
Ref CLK
Ref Clk
Fast PLL
Center PLL
Driving Top Bank
Fast PLL
Center PLL
Driving Lower Bank
Ref CLK
Ref Clk
DPA
DPA
DPA
DPA
Channels Driven by
the Lower Center PLL
DPA
DPA なし差動 I/O の使用についてのガイドライン
差動チャネル、あるいは左バンクまたは右バンクのチャネルが DPA な
しのモードで使用されている場合、以下の項のガイドラインに準拠する
必要があります。
fast PLL/ 差動 I/O ドライブ距離
■
図 9-19 に示すように、各 fast PLL はバンク全体のすべてのチャネル
をドライブすることができます。
9–24
Arria GX デバイス・ハンドブック Volume 2
Altera Corporation
2008 年 5 月
Arria GX デバイスの DPA を使用した高速差動 I/O インタフェース
図 9-19.DPA なしの差動チャネルをドライブするときの fast PLL ドライ
ブ能力
Fast PLL
Corner PLL
Ref CLK
Ref CLK
Diff I/O
Diff I/O
Diff I/O
Diff I/O
Diff I/O
Diff I/O
Each PLL Can Drive
the Entire Bank
Diff I/O
Diff I/O
Diff I/O
Diff I/O
Diff I/O
Ref CLK
Ref CLK
Fast PLL
Center PLL
コーナーおよびセンター fast PLL の使用
■
■
Altera Corporation
2008 年 5 月
独立した fast PLL でドライブされるチャネルがトランスミッタ・
チャネルまたはレシーバ・チャネルをインタリーブしない限り、コー
ナーおよびセンター fast PLL を使用することができます。図 9-20
に、コーナーおよびセンター fast PLL を使用するときの差動チャネ
ルの違法な配置を示します。
1 個の fast PLL がトランスミッタ・チャネルのみドライブし、もう 1
個の fast PLL がレシーバ・チャネルのみドライブしている場合、こ
れらの fast PLL でドライブされるチャネルは互いにオーバラップさ
せることができます。
9–25
Arria GX デバイス・ハンドブック Volume 2
ボード・デザインの検討事項
■
センター fast PLL は、トランスミッタ・チャネルとレシーバ・チャ
ネルの両方に使用できます。
図 9-20.I/O バンクでインタレースされた二重チャネルの違法な配置
Fast PLL
Corner PLL
Ref CLK
Ref CLK
Duplex Channel Driven
by Center PLL
Duplex Channel Driven
by Corner PLL
Diff I/O
Diff I/O
Diff I/O
Diff I/O
Interleaved Duplex
Channel is Not Allowed
Diff I/O
Diff I/O
Diff I/O
Diff I/O
Diff I/O
Diff I/O
Diff I/O
ボード・
デザインの
検討事項
Ref CLK
Ref CLK
Fast PLL
Center PLL
この項では、Arria GX の高速 I/O インタフェースから最適な性能を引
き出し、最適な信号品質を実現した機能デザインの実装を初回で確実に
成功する方法について説明します。
ボード・レイアウトの推奨事項、および I/O ピンの終端について詳しく
は、
「AN 224: 高速ボード・レイアウト・ガイドライン」を参照してくだ
さい。
デバイスから最高の性能を引き出すには、配線パターンおよびコネクタ
のインピーダンス、差動配線、および終端手法に注意する必要があります。
9–26
Arria GX デバイス・ハンドブック Volume 2
Altera Corporation
2008 年 5 月
Arria GX デバイスの DPA を使用した高速差動 I/O インタフェース
Arrira GX 高速モジュールは、840 Mbps もの高い周波数で媒体を伝達す
る信号を生成します。ボード設計者は、以下のガイドラインを使用する
必要があります。
■
■
■
■
■
■
■
■
■
■
■
■
■
まとめ
Altera Corporation
2008 年 5 月
制御された差動インピーダンスに基づいてボード・デザインを行う。
配線パターンの幅、厚さ、および 2 つの差動配線パターン間の距離
など、すべてのパラメータを計算して比較します。
外部リファレンス抵抗をできるだけレシーバ入力ピンの近くに配置
します。
表面実装コンポーネントを使用します。
90° または 45° のコーナーは避けます。
バックプレーン・デザインに、HMZD や VHDM などの高性能コネク
タを使用します。高性能コネクタのサプライヤとして、Teradyne Corp
(www.teradyne.com)と Tyco International Ltd.(www.tyco.com)の
2 社があります。
配線パターンのインピーダンスがコネクタや終端のインピーダンス
と一致するように、バックプレーンとカード・トレースを設計しま
す。
両方の信号配線パターンのビア数を等しくします。
長さが等しい配線パターンを作成して、信号間のスキューを回避し
ます。配線パターンの長さが異なると、トランスミッタ・チャネ
ル-チャネル間スキュー(TCCS)値が増加したときにクロス・ポイ
ントの配置やシステム・マージンが不正になります。
インピーダンスが中断する原因となるため、ビア数を制限します。
fast PLL のパワー・プレーンとグランド・プレーンは、0.001、0.01、
0.1 µF といった一般的なバイパス・コンデンサ容量でデカップルし
ます。また、0.0047 µF や 0.047 µF を使用することもできます。
ノイズの結合を避けるために、スイッチングする TTL 信号は差動信
号から遠ざけてください。
トランジスタ - トランジスタ・ロジック(TTL)クロック信号は、差
動信号の上下の領域に配線してはなりません。
隣接するレイヤの信号は互いに直角に配線します。
DPA およびデータ・リアラインメント回路を備えた Arria GX 高速差動
入出力を使用して、堅牢なマルチ・ギガビット・システムを構築するこ
とができます。DPA 回路により、物理的配置から生じるタイミング・ス
キューを補正できます。データ・リアラインメント回路により、デバイ
スはトランスミッタとレシーバ間でデータ・パケットをアラインメント
することができます。また、差動 On-Chip Termination により、Arria GX
デバイスは高速アプリケーション用のシングル・チップ・ソリューショ
ンとして使用できます。
9–27
Arria GX デバイス・ハンドブック Volume 2
参考資料
この章では以下のドキュメントを参照しています。
参考資料
■ 「AN 224: 高速ボード・レイアウト・ガイドライン」
■ 「DC およびスイッチング特性」の章(Arria GX デバイス・ハンド
ブック Volume 1)
■ 「Arria GX デバイスの PLL」の章(Arria GX デバイス・ハンドブッ
ク Volume 2)
表 9–3 に、本資料の改訂履歴を示します。
改訂履歴
表 9–3. 改訂履歴
日付および
ドキュメント・
バージョン
2008 年 5 月
v1.2
2007 年 8 月
v1.1
2007 年 5 月
v1.0
変更内容
概要
更新 :
● 「DPA を使用する場合のガイドライン」
● 「fast PLL/DPA チャネルのドライブ距離」
—
図 9-15 を更新。
—
テキストのマイナーな編集。
—
「参考資料」の項を追加。
—
テキストのマイナーな編集。
—
初版
—
9–28
Arria GX デバイス・ハンドブック Volume 2
Altera Corporation
2008 年 5 月